JP4098567B2 - めっき被膜付きフィルムの製造方法 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、フィルムを搬送しながら、フィルムにめっき被膜を形成してめっき被膜付きフィルムを製造する方法に関し、特に樹脂フィルムに対して好適なめっき被膜付きフィルムの製造方法に関する。中でも、本発明は、フィルムにめっき被膜を形成したフレキシブル回路基板の製造に好適なものであり、フィルムに金属を蒸着した後、めっき被膜を形成する金属蒸着被膜/金属めっき被膜の積層フィルムや、フィルムに無電解めっきを施した後、電気めっき被膜を形成する無電解めっき/電気めっき被膜の積層フィルム等の製造に好適で、これらは、電子機器、部品の小型化、軽量化、低コスト化を担う接着剤レス2層フレキシブルプリント配線基板を構成でき、半導体パッケージングにおけるTAB、COF、PGA等に利用して好適なフレキシブルプリント配線用基板を提供できるものである。
【0002】
【従来の技術】
フィルムを搬送しながら連続的にめっき被膜を形成する方法は、特開平7−22473号公報や特開2000−192793号公報等に記載されている様に、フィルムの導電面または金属フィルムを陰極ロールに接触させ、その前または後に陽極の投入しためっき浴を配し、該めっき浴にてめっき被膜を形成する方法が知られている。この様な方法でフィルムに連続的にめっき被膜を形成すれば、陰極−陽極を配置したユニットを繰り返し通すことで、容易にフィルム上に厚膜化した所望厚みのめっき被膜を形成することが可能である。
【0003】
近年、電子機器、電子部品、半導体パッケージ等で利用される様になってきたフレキシブル回路用基板として、ポリイミドフィルムあるいはポリエステルフィルムと銅箔とを合わせた形態の配線基板が注目されている。この基板には、フィルムに接着剤を介して銅箔を貼り合わせた通称”3層型”と呼ばれるものと、フィルムに接着剤を介さないで金属被膜をめっき等で形成する通称”2層型”と呼ばれるフレキシブル回路用基板がある。これらのうち、後者の2層型の方が、回路の配線ピッチの微細化の進行に伴ってより注目されている。
【0004】
これらフレキシブル回路用基板に関する現状は、以下のようになっている。3層型プリント回路用基板は、接着剤にエポキシ系樹脂あるいはアクリル系樹脂が用いられているため、それに含まれる不純物イオンにより電気特性が劣化するという欠点を有しており、また、接着剤の耐熱温度が高々100℃〜150℃であるため、ベースフィルム材質としてポリイミドを使用したとしても、その高耐熱性(300℃以上)が十分に生かされないので、高温実装を必要とするICチップのワイヤーボンディングなどにおいては、加熱温度のスペックダウンを余儀なくされている。また、3層型プリント回路用基板では、銅箔の一般的な膜厚が18μmあるいは35μmであるため、80μmピッチ(銅配線40μm、ギャップ40μm)以下のパターンニングを行うには銅が厚すぎてエッチング率が著しく低下し、銅箔の表面側の回路幅と接着剤面側の回路幅が著しく異なり、あるいはエッチングで全体が著しく細り、目標とする回路パターンが得られないという欠点もある。
【0005】
近年、上記のような3層型における問題点を解決するために、フィルム上に接着剤を介さないで各種蒸着法、例えば真空蒸着法、スパッタリング法あるいは各種イオンプレーティング法などのPVD法、金属を含む薬品を気化し蒸着させるいわゆるCVD法等で、まずフィルムに各種金属を蒸着した後に、または無電解めっき法で各種金属をめっきした後に、電解銅めっきすることにより得られる、通称”2層型”の基板が提案されている。この2層型基板は、電解銅めっきで銅膜厚を自由に変化させることができ、例えば8μmの銅膜厚とすれば、60μmピッチの回路パターンが簡単に作成できるようになり、かつ、各種フィルムの耐熱温度をそのまま反映できるという特徴を持つ。
【0006】
以上の様な状況から、めっき被膜付きフィルムの需要が高まりつつある。しかし、このようにフィルム状体にめっきを施す場合、そのフィルムの剛性からそれ程大きな張力をかけて搬送することができず、上記のような方法に係る装置での搬送は、ある程度の張力下で搬送を行う必要があり、まためっき被膜と陰極ロールの間にある程度すべりがないと、フィルムがグリップされ、フィルム幅方向の搬送張力のアンバランスにより、フィルムにシワが発生し、搬送状態を悪化させるばかりか、フィルムが折れる、いわゆる折れシワが発生したりするという問題があった。このような問題を解消するためには、ある程度の液体潤滑が必要になるが、従来は、装置構成からわかるように、フィルムが、めっき浴からめっき液を随伴させ、陰極ロール上に液膜を形成することにより、フィルムと陰極ロールの間にある程度のすべりを生じさせ、フィルム幅方向におけるグリップの不安定さを抑制しながら、搬送状態が悪化するのを抑制するようにしていた。しかし、特開2000−192793号公報などに示されている様に、搬送フィルムが銅箔の様な金属泊であれば、フィルムの搬送張力を大きくでき、かつ表面抵抗値も小さく、陰極ロールとの完全導通が得られ問題は生じなかったが、特開平7−22473号公報などに示されている様に、厚さ50μmのポリイミドフィルムを搬送しようとすると、フィルムのヤング率や強度等の関係から、フィルムが破断するおそれがあるとか、被膜しようとするめっき被膜に内部応力を生じさせてしまうという問題がある。従って、大きな張力を付与することができず、比較的低いフィルム張力下でバランスさせながらめっき被膜を形成する方式を採ってきた。つまり、陰極ロールとフィルムの導電面との間に、ある程度のめっき液を含む液膜を介在させることで、陰極ロールとフィルムとの間に適度なすべりを生じさせ、搬送を安定化させるようにしていた。
【0007】
しかしながら、このような方法においても、めっき被膜を形成するために陰極ロールから電流を流すと、しばしば陰極ロールにめっき被膜金属成分が析出することがあり、この析出しためっき被膜金属がフィルムに持って行かれて、めっき浴中でこれを核にして電解集中により異常突起(凸型欠陥)となることがあった。また、析出しためっき被膜金属によりフィルムが凹み、あるいは、導電面あるいはめっき被膜面に傷をつけ、この凹みや傷部分が最終めっき膜厚よりも薄い膜厚になることにより凹型欠陥となることがしばしばあった。さらに、析出しためっき被膜金属の形状がフィルム導電面に転写され表面品位を悪化させる問題も生じた。こうした異常突起(凸型)や凹み状欠陥は、回路配線を作る際のエッチング工程や、回路実装工程のICチップなどのボンディング工程において、断線などの不具合を発生させるおそれがあり、回路保証ができなくなるという問題を招く。
【0008】
このような問題を引き起こす陰極ロールへのめっき被膜金属の析出を抑制する方法は未だ見つかっておらず、現状では、しばらく装置を運転した後、生産を止めて析出しためっき被膜金属を陰極ロール表面から削り取り、その後に運転を再開するようにしていた。このようなめっき被膜金属除去は、生産性を著しく低下させることとなっている。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】
本発明者らは、上記のような問題点を解決するために鋭意検討した結果、異常突起(凸型)や凹み状欠陥のない表面品位の非常に素晴らしいめっき被膜付きフィルムの製造できる本発明方法に到達した。
【0010】
また近年、電気・電子機器のIC化及び高密度・高集積化が急速に進み、それに伴いフレキシブルプリント回路基板のパターン幅も150〜200μmピッチから80〜150μmピッチへとファインピッチ化が進み、さらに現在では30〜80μmピッチ対応が要求されているが、本発明方法は、このようなファインピッチ化への対応にも極めて有効な手法として開発したものである。
【0011】
すなわち本発明の課題は、樹脂を含むフレキシブルなフィルム基板であっても、異常突起や凹み欠陥の少ないめっき被膜付きフィルムを得ることにある。また、80μm以下の超微細回路パターンを高収率で得られる2層型プリント配線基板を得ることにある。さらに、回路にした時の信頼性に優れた2層型プリント配線基板を得ることにある。
【0012】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するために、本発明に係るめっき被膜付きフィルムの製造方法は、導電面を有するフィルムを搬送しながら、フィルム導電面を液膜を介して陰極ロールに接触させ、その前または/および後に配置されためっき浴にてフィルム導電面にめっき被膜を形成するめっき被膜付きフィルムの製造方法であって、陰極ロールとフィルム導電面との隙間dと、該隙間dに存在する液の導電率σと、めっきのために陰極ロールに流す電流値を以下の関係式の範囲内で制御することを特徴とする方法からなる。
0>〔(I/A)×d〕/σ
ここで、A:陰極ロールに接触するフィルム導電面の面積、I:めっきに投入する電流値、E0:めっき被膜金属の還元電位、d:隙間の大きさ、σ:導電率。
【0013】
このめっき被膜付きフィルムの製造方法においては、上記隙間に存在する液の導電率を、たとえば硫酸を主体とする電解液の濃度で制御することができる。隙間に存在する液の導電率としては、1mS/cm以上100mS/cm以下とすることが好ましい。
【0014】
また、隙間dの大きさは、フィルムの搬送張力により制御することができる。フィルムの搬送張力としては、10N/m以上320N/m以下とすることが好ましい。また、隙間dの大きさとしては、2μm以上500μm以下とすることが好ましい。
【0015】
また、陰極ロールに析出しためっき被膜成分を掻き取るためには、ブレードおよび/または弾性体を備えた陰極ロール構造を採用することができる。すなわち、本発明に係るめっき被膜付きフィルムの製造方法は、導電面を有するフィルムを搬送しながら、フィルム導電面を液膜を介して陰極ロールに接触させ、その前または/および後に配置されためっき浴にてフィルム導電面にめっき被膜を形成するめっき被膜付きフィルムの製造方法であって、ブレードおよび/または弾性体により陰極ロールに析出しためっき被膜成分を掻き取ることを特徴とする方法からなる。また、陰極ロールおよび/またはブレードおよび/または弾性体に連続的または間欠的に液体を供給することもできる。
【0016】
めっき被膜としては、代表的には銅で形成できる。また、フィルムとしては、たとえば、ポリイミド樹脂またはポリエステル樹脂からなるものを使用できる。本発明は、このようなめっき被膜付きフィルムの製造方法により製造したフィルムに回路パターンを形成する回路基板の製造方法も提供する。
【0017】
【発明の実施の形態】
以下に、本発明について、望ましい実施の形態とともに、図面を参照しながら詳細に説明する。
本発明は、導電面を有するフィルムを搬送しながら、フィルム導電面を液膜を介して陰極ロールに接触させ、その前または/および後に配置されためっき浴にてフィルム導電面にめっき被膜を形成するに際し、陰極ロールとフィルム導電面との隙間dと、該隙間dに存在する液の導電率σと、陰極ロールに流す電流値を以下の関係式の範囲内で制御することを特徴とするめっき被膜付きフィルムの製造方法である。
0>〔(I/A)×d〕/σ
ここで、A:陰極ロールに接触するフィルム導電面の面積、I:めっきに投入する電流値、E0:めっき被膜金属の還元電位、d:隙間の大きさ、σ:導電率。
【0018】
この本発明に係る方法を、その特徴を表す装置の一例を示す図面を参照しながら説明する。
図3は、本発明方法を実施するためのめっき装置全体の一例を示す概略縦断面図であり、特に本発明に係る方法の特徴を表した例を図1と図2に示す。
【0019】
図3は、長尺フィルムをロール状態から巻き出し、めっきし、巻き取る連続式の電気めっき装置の全体概略縦断面図である。主たる工程は、ロール状フィルムを巻き出す巻出部301、フィルムの導電面に酸処理、脱脂処理、水洗等を施す前処理部302、電気めっき部303、めっき液を除去したり、洗い流したり、防錆処理、さらにこれを洗い流す処理、さらに、乾燥などを行う後処理部304、ロール状フィルムに巻き取る巻取部305からなっている。尚、電気めっき被処理部である導電面が清浄な場合は、前処理を省略しても構わないし、また、必要に応じて後処理工程を省略しても構わない。
【0020】
図3において、ロール状フィルム306から巻き出されたフィルムは、アキュムレータ307を通して、またバランスロール部308を経て、張力調整された後、速度制御部309で速度を実質的に一定にされて、酸、脱脂処理部310、水洗部312を経て、めっき槽6中にめっき液7を入れためっき浴へ入る。図3のめっき浴の一部を拡大して、図4に示すが、陰極ロール1aにフィルム導電面を接触させた後、めっき浴槽の中を液中ロール101aを介して、陰極ロール1bへ接触させる。銅ボールを充填したケース102aと102bを陽極にして、陰極を陰極ロール101aと102bとして、直流電源3aにより給電し、フィルムにめっき被膜を形成させる。めっき浴中には、各陽極に対して遮蔽板106a〜106cが設けられている。以下、陰極ロール1bと陰極ロール1cを陰極にして、102cと102dを陽極となし、直流電源3bより給電し、フィルムにめっき被膜を形成させる。以下この繰り返しでめっき被膜を形成させる。
【0021】
1ユニットは一点鎖線で示すユニットとし、この繰り返しとなる。電流条件はフィルムに対して、0.2〜10A/dm2の電流密度となるようにして、フィルムにめっき被膜を形成させる。その後、この繰り返しで、めっき被膜を順次形成させ、トータルでフィルムの導電面に1〜30μmの厚みのめっき被膜を形成させる。
【0022】
尚、めっきの均一性を保つために、空気導入口(エアー攪拌用ノズル)330a〜330dよりフレッシュエアー331a〜331dを導入して、めっき槽6内の液を十分に撹拌する。これは、めっき被膜部を目がけて行うのが効果的で、形成されためっき被膜の極表面付近のめっき被膜金属イオンの濃度を大きくするなどのために行なう。また、図示しないが、めっき液は、フィルターを通して汚れを取り除き、常に循環している。
【0023】
次いで、図3に示すように、フィルム張力を検出できるロール325を介して、めっき液を除去するための水洗部314、めっき膜を保護する防錆処理液317の入った防錆処理部316を経て、過剰な防錆処理液を除去する水洗部318を経て、水分を除去する乾燥炉をもつ乾燥工程部320を経て、速度調整部321を経て、バランスロール部322を経て、張力調整された後、アキュムレータ323を通してロール状フィルム324とする。こうしてめっき被膜付きフィルムが得られる。
【0024】
図1に本発明の特徴を示す一例の陰極ロール部の拡大図を示す。フィルム4は導電面5を陰極ロール1側に接触させながら、右方向に回転し、めっき槽へと搬送される。ここで液膜を介在させた接触も含めて接触という表現をするものとする。なお、陰極ロール1は、図示しないが、モータに接続されており回転駆動力をもっている。フィルム導電面5と陰極ロール1との間には、液膜8が介在されている。なお、液膜厚みはdとする。また、陰極ロール1の下部には、濃度のコントロールされた電解液9とそれを受ける受皿10があり、陰極ロール1は、常に電解液9に浴されながら回転し、液膜8への液の供給を行っている。受皿10内の液9は、濃度管理された電解液12を浴槽11に溜めておき、これを配管13を介し、ポンプ14にて圧送し、バルブ(電磁バルブ)15を介して、配管16によって供給されている。この液の供給は、バルブ15の操作または、ポンプ14の動作により厳密に制御されている。また、受皿10中の液9は、めっき液持ち込みにより電解液濃度が変化してしまうため、常に排出口17より液を排出している。こうした状態で銅ボールを積層、充填したケース2を陽極にして、整流器3により、陰極ロール1から銅陽極2へ電流IAで給電し、フィルムに、0.2〜10A/dm2の電流密度となるようにして、フィルムにめっき被膜を形成させる。ここでの電流密度は図4の一点鎖線で示したユニット部における搬送するフィルムのめっき浴に浸された部分の面積で直流電源から投入した電流を除した値である。
【0025】
図2に本発明の特徴を示す別の一例の陰極ロール部の拡大図を示す。概略工程は、図1と同様であるが、陰極ロール1の下部構造が異なる。すなわち、陰極ロール1についた付着物を取り除くドクターブレード21と、これを支持する支持体26、ドクターブレード21に液体25を供給する液体供給部24を有している。また、陰極ロール1についた付着物をさらに取り除く弾性体22と、これを支持する支持体23、弾性体22に液体28を供給する液体供給部27を有している。さらに、陰極ロール1に液体30を供給する液体供給部29を有している。図示しないが、液体25,28、30は個別にポンプ、バルブにより厳密に液体25、28、30の供給が制御されている。また、液体25、28、30がめっき槽6に入らないように受皿31で受け、受皿31には、受けた液体32を排出する排出口33が設けられている。
【0026】
図1において、陰極ロール1とフィルム導電面5との液膜隙間dと、隙間dに存在する液の導電率σと、陰極に流す電流値Iを以下の関係式
0>〔(I/A)×d〕/σ (1)
の範囲内で制御すると陰極ロール1へのめっき被膜金属の析出の抑制が可能となる。ここで、Aは、陰極ロールに接触するフィルム導電面の面積、E0はめっき被膜金属の還元電位、σは隙間に存在する液膜の導電率である。
【0027】
実際には電流条件と金属の還元電位により、電流値に対して、(1)式を用いて液膜隙間d(横軸)と導電率σ(縦軸)の関係をグラフ化し、このグラフの線の上側の範囲の導電率にすると良いことになる。
【0028】
これは、今までのように陰極ロールとフィルム導電面が直接接して電子をやりとりしていると考えていると全く考えつかないことであった。すなわち、いかにしてフィルムとロールの接触を完全にするかを追い求めるあまり、搬送張力を必要以上に大きくすることを従来行ってきたが、張力を高め過ぎることによってフィルム破断やめっき被膜の内部歪みを大きくすることにつながった。
【0029】
実際の接触は、直接陰極ロールとフィルム導電面は直接全面接触をするモードもあるが、これは非常に稀であり、接触面積という部分の一部分が直接接するモードがあり、また、瞬間的には、あるいは連続的に接触面積という部分の全部分が液膜を介する液膜接触のモードが支配的になる場合が多い。一瞬であっても、全面が液膜接触のモードである場合、めっき皮膜金属の還元電位を超える電位差が陰極ロールとフィルム導電面の間に発生すると一気にめっき被膜金属が陰極ロールに析出することになる。
【0030】
従って、上記条件になるようにフィルムと陰極ロールの隙間の液の導電率σを調整することで液膜に存在するイオンにより導電させることになり、液膜が存在してもめっき被膜金属の陰極への析出を抑制できることになる。液膜が介在すれば、フィルムと陰極ロールの滑りが発生し、搬送状態も良好になり、搬送位置のズレなども発生しなくなり、巻き出しから巻き取りまで良好な張力伝播も可能になる。従って、必要以上に張力を大きくする必要が無く、フィルム破断も発生しなくなり、また内部歪みの少ない良質なフィルムへのめっき被膜の形成が可能となる。
【0031】
液膜の導電率の調整には、めっき液に含まれる電解液を用いるのが好ましいが、特に、金属塩を発生しにくいなどの点で硫酸を主体とする電解液を使用することが好ましい。めっき被膜が銅である場合は、特に好ましく用いられる。電解液の導電率調整は、調整タンク11で導電率を監視し、イオン交換水等で高濃度の硫酸を薄めて調整すると良い。調整された電解液は、高精度な導電率計などで監視され、導電率が低い場合は、高濃度の硫酸を、高い場合にはイオン交換水を調整タンクへ供給してフィードバック制御されるのが好ましい。
【0032】
陰極ロール部1とフィルム導電面5との間の液膜への電解液の供給は、図1に示すように下部に受け皿10に調整された電解液を溜めておき、この中に陰極ロール1が接する、または浴するように配置し、陰極ロール1の回転によってこの液膜部分8に電解液を供給することが可能となり、液膜8の導電率の調整が可能となる。
【0033】
さらに、図2に示すように、ブレード21に液体供給部24から液体25を供給することによって、または弾性体22に対し、液体供給部27から液体28を供給することによって、または、陰極ロール1に対し、直接液体供給部29から液体30を供給することによって、液膜8に対して液体を供給し、これら液体の導電率を予め管理しておくことで、液膜8の導電率を管理することもできる。
【0034】
また、隙間に存在する液の導電率は、基本的には、(1)式を満たせば良いのであるが、現実上の管理として、導電率を1mS/cm以上100mS/cm以下とするのが好ましい。1mS/cm未満にすると、投入電流に対する限界が小さくなりすぎるため、投入電流をあまり低くするのは工業的に、また生産性上好ましくない。特にめっき膜が銅膜の場合で、後述する実施例1の大きさのようなめっき装置の場合には、隙間を40μmまで小さくしたとしても、200Aの電流投入で陰極ロールへの析出限界がきてしまい銅が析出するなどの問題を生じやすい。このときのめっき被膜形成における電流密度は、一つの整流器に対して約3.2m×0.52mの面積でめっきされるので、たかだか1.2A/dm2までしか電流密度を上げられない設計になってしまう。また、導電率が100mSを超えると、形成されためっき被膜金属の溶出が発生し易くなり好ましくない。
【0035】
また、隙間dの大きさは、フィルムの搬送張力により制御することができる。理論的には、下記に示すホイルの式(2)があるが、おおよそ張力Tの2/3乗に逆比例する形で隙間dを制御可能である。
d=A×r×(Bμv/T)2/3 (2)
ここで、A、Bは定数、rはロールの径、μは液膜の粘度、vはフィルムの搬送速度、Tはフィルム搬送張力を示す。
【0036】
この式により、隙間dの大きさは、張力Tに対して、2/3乗に逆比例するので、例えば、隙間を1/2にしたい場合は、搬送張力を2(3/2)≒2.83倍すればよいことになる。このように隙間dを制御することで(1)式の範囲内に制御することが可能となる。
【0037】
実質的なフィルム搬送張力は、10N/m以上320N/m以下とすることが好ましい。実際に張力を10N/m未満にすると、フィルムが蛇行し始め、搬送経路の制御がうまくいかなかった。また320/mを超えると、フィルムの形成されるめっき被膜金属が内部歪みを持つために、製品にカールが発生するなどの問題があった。
【0038】
隙間dの大きさは2μm以上500μm以下が好ましい。2μm未満であれば、陰極ロール表面の表面粗さもあって、フィルムの導電面と陰極ロールとが直接接触する機会が増えるので好ましくなく、500μmを超えるとフィルムが蛇行し始め搬送経路の制御が難しくなってくる。
【0039】
搬送張力制御は、張力検出ロール325を用いて、搬送張力を検出し、この張力値が一定になるように速度調整部321によって速度を増減させるフィードバック制御を行うと良い。図3における速度制御は、陰極ロールが駆動ロールになっており、速度制御部309で基本速度を設定して、これに対して陰極ロール1a、1bとの間でドロー比設定が可能となっており、徐々にドロー比設定が高くなるように設定させ、速度制御部321部で最終的な速度を制御させるしくみになっている。この様な構成であると、めっき槽上の陰極ロール上のフィルムの最大搬送張力は張力検出ロール325部で最も高くなるので、この値に基づいて制御するのがより好ましい。
【0040】
また、隙間の大きさは、搬送張力が小さい程、大きくなるので、最も搬送張力が低い一番初めの陰極ロール1a上で液膜隙間dの測定を行い、この値が目標値に入るように張力を上下させる制御を行ってもよい。
【0041】
また、めっき用陰極ロールにめっき被膜成分が析出した場合は、陰極ロールにめっき被膜を掻き取るブレード21を陰極ロールの回転方向析出側に取付け、ブレード21の刃先を陰極ロール1の回転方向に向けて取り付けると良い。こうすることによって、めっき被膜成分が陰極ロール1上に析出したとしても、このブレード21によって掻き取ることで析出しためっき被膜を取り除くことが可能になる。
【0042】
また、このブレード21は、支持体26によって支持されており、この支持体26はフィルムの搬送方向と直角の方向の押し付け力を調整できるようになっている。この場合、フィルムの搬送方向と直角の方向の押し付け力を実質的に均一にするのが好ましい。
【0043】
ブレードの材質としては、めっき用陰極ロールに接触させるため、金属反応または、金属同士の直接接触部に電解液が存在し、電池現象(酸化還元現象)が発現する可能性があるが、このような電池現象の発現は好ましくないので、樹脂製あるいはセラミックス製が好ましく用いられる。樹脂製ドクターブレードとしては、イーエル・ジャパン(株)のプラスチックドクターブレード”E500”やエコ・ブレード(株)のプラスチックブレードでUHMWポリエチレン系ブレードや、(株)東京製作所のTSドクターブレードのふっ素樹脂系のブレードなどを用いることができる。また、セラミックス製ブレードとしては、(株)東京製作所のSICニューセラミックスブレードなどが好ましく用いられる。
【0044】
また、別の方法として、陰極ロールに析出した被膜をふき取るための弾性体22を陰極ロール1の回転方向析出側に取付けると良い。こうすることによって、めっき被膜が陰極ロール1に析出したとしても、この弾性体22によってふき取ることで析出しためっき被膜を取り除くことが可能となる。
【0045】
また、この弾性体22は支持体23によって支持されており、この支持体23はフィルムの搬送方向と直角の方向の押し付け力を調整できるようになっている。この場合、フィルムの搬送方向と直角の方向の押し付け力を実質的に均一にするのが好ましい。
【0046】
弾性体としては、スポンジ状体、または、不織布、発泡フォームなどが好ましく用いられ、ポリウレタン、PVA(ポリビニルアルコール)、PVC(ポリ塩化ビニル)、ポリエチレン、ブチル系、ネオプレン系のゴム系素材を用いることができる。この中でも、PVA(ポリビニルアルコール)やPVC(ポリ塩化ビニル)を使用すると、硫酸を主体とする電解液や、めっき液に対して耐性があり好ましい。
【0047】
さらに、上記ブレードおよび弾性体を併用することで、陰極ロールに析出しためっき被膜を効率良く取り除くことができる。例えば、ドクターの陰極ロールへのあたりが悪い箇所ですり抜けためっき被膜の析出物を弾性体でふき取っていくことが可能になるためである。
【0048】
さらに、めっき被膜が析出した陰極ロール、ブレード、弾性体に連続的または間欠的に液体を供給すると良い。これは、析出しためっき被膜を洗い流す効果があり、析出しためっき被膜をより効率良く除去できることになる。さらに、これらの液体により、上記式(1)における液膜の導電率を一定に保つことが可能になり好ましい。たとえば、図2に示すように、ブレード21に対し、液体供給部24から液体25を、弾性体22に対し、液体供給部27から液体28を、陰極ロール1に対し、液体供給部29から液体30を供給することになる。
【0049】
このようなめっき被膜付きフィルムのフィルム材質としては、ポリイミド樹脂、ポリエステル樹脂が好ましく用いられる。電子回路材料等で使用する銅つきフィルムを形成する場合には、汎用的なポリエステル樹脂が好ましく用いられ、回路IC等の実装でのハンダ耐熱性の関係でポリイミド樹脂が好ましく用いられる。
【0050】
本発明で用いる基材のプラスチックフィルムの材質を具体的に例示すると、ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレン−2,6−ナフタレート、ポリエチレン−α,β−ビス(2−クロルフェノキシエタン−4,4’−ジカルボキシレート)などのポリエステル、ポリエーテルエーテルケトン、芳香族ポリアミド、ポリアリレート、ポリイミド、ポリアミドイミド、ポリエーテルイミド、ポリパラジン酸、ポリオキサジアゾールおよびこれらのハロゲン基あるいはメチル基置換体などが挙げられる。また、これらの共重合体や、他の有機重合体を含有するのものであってもよい。これらのプラスチックに公知の添加剤、例えば、滑剤、可塑剤などが添加されていてもよい。
【0051】
上記プラスチックの中、下記化1に示すような繰り返し単位を85モル%以上含むポリマーを溶融押出して得られる未延伸フィルムを、二軸方向に延伸配向して機械特性を向上せしめたフィルムが特に好ましく使用される。
【0052】
【化1】
Figure 0004098567
【0053】
また、下記化2に示すような繰り返し単位を50モル%以上含むポリマーからなり、湿式あるいは乾式製膜したフィルム、あるいは該フィルムを二軸延伸および/または熱処理せしめたフィルムも好ましく使用される。
【0054】
【化2】
Figure 0004098567
【0055】
フレキシブル回路用の場合、基材であるプラスチックフィルムの厚さは6〜125μm程度のものが多用され、とくに12〜50μmの厚さのものが好適に用いられる。
【0056】
【実施例】
以下、本発明の実施例の一例を示すが、本発明はこれに限定されるものではない。なお、実施例中の各特性値は、次の方法に従って測定した。
【0057】
(1)プラスチックフィルムの表面張力
JIS K6766−1977(ポリエチレン及びポリプロピレンの濡れ試験方法)に準じ、表面張力56dyne/cm以下はホルムアミド/エチレングリコールモノエチルエーテル混合溶液を、標準液として表面張力を求めた。また、表面張力57〜73dyne/cmの範囲は、水(72.8dyne/cm)/エチレングリコール(47.7dyne/cm)の混合液を標準液として、表面張力を求めた。
【0058】
(2)接触角
協和界面科学(株)製FACE接触角計を用い、液滴法によって求めた。
【0059】
(3)スパッタ膜の膜厚
触針式表面粗さ計を用いて、評価した。尚、試料はスパッタ膜形成前に溶剤で除去可能なインクを一部分に塗布しておいてスパッタ膜を形成し、ついで成膜後にインク塗布部分を除去して測定した。
【0060】
(4)めっき膜の膜厚
めっき被膜の一部分をエッチング液により除去し、キーエンス(株)製のレーザ顕微鏡を用いて、その段差を測定して求めた。
【0061】
(5)導電率
株式会社コス製の導電率メーターCEH−12を用いて測定した。測定方式は、交流2電極方式で、測定範囲は0〜199mS/cmセンサーである。
【0062】
(6)液膜隙間
図6に示すような装置を使用して液膜隙間の大きさを測定した。図6に示す測定装置においては、液膜厚さ測定用架台41に取り付けられたスライドガイド42に沿って、ケーブル43付きの変位計44が移動され、検出信号をアンプユニット45で増幅、出力させた。尚、測定センサ(変位計)は、キーエンス(株)製のレーザ変位計により、液膜の厚さを同定した。センサヘッドには、”LK−010”超小型・高精度CCDレーザ変位センサ、アンプユニットには、”LK−3100”を用いて測定した。なお、センサスペックは、分解能0.1μm、スポット径20μm、基準距離10mmとして測定した。
【0063】
(7)搬送張力
搬送陰極ロールの両側にロードセルの方式のセンサーを取付け測定した。センサーは、ミネベア(株)製の”C2G1−25K”型を用いた。測定範囲は0〜250Nの測定が可能なスペックである。ロール重さとフィルム搬送の抱き角から厳密に張力値を換算して校正したものの値を張力値とした。
【0064】
実施例1
銅付きフィルムをフレキシブル回路基板に応用した例を示す。
(1)導電面つきフィルムの製作
減圧装置の中で、ロール状に巻き取ったフィルムを巻き出しながら処理し、その後フィルムを巻取ロール状にする装置で、プラズマ処理、ニッケル−クロム層成膜、銅層成膜を行った。
【0065】
厚さ25μm、幅520mm、長さ12500mのポリイミドフィルム”カプトン”1(米国デュポン社の登録商標)のロール状体を用意した。
【0066】
上記フィルムの片面に、2m/分の速度でアルゴンガスのグロー放電プラズマ処理を実施した。処理は高電圧を印加した棒状の電極に対して2cmの距離でフィルムを搬送し、かつ接地電極となっている電極対をもつ内部電極方式のプラズマ装置を使用した。アルゴンガス圧力は2.5Pa、1次出力電圧2kV、高周波電源周波数110kHzの条件でフィルムを2m/分で処理を行い、グロー放電プラズマ層を形成した。なお、処理されたフィルムの表面張力は、70dyne/cm以上で、接触角は43度であった。
【0067】
次いで、アルゴンガス圧2.6×10-2Paにて、クロム20%、ニッケル80%のターゲットを用いて30nmのニッケルクロム層をDCマグネトロンスパッタ法を適用して形成した。その後、純度99.99%の銅をターゲットを用いて100nmの銅層をDCマグネトロンスパッタ法を適用して形成した。
【0068】
上記フィルムは、スパッタ膜形成のための条件出しやリード部分を除いて、12000mのスパッタ膜つきフィルムを製造した。
【0069】
(2)めっき被膜の形成
上記(1)で得られたロール状のスパッタ膜つきフィルム12000mを、3000mのロール状体に4分割して、520mm×3000mのロール状体の導電膜つきフィルムを4本準備し、そのうち1本を次に示すめっき装置に通してめっき被膜を形成した。
【0070】
めっき装置として、図1および図3に示す装置を用いて、陽極に銅を用いて、銅のめっき被膜を8μm形成した。図4において、一点鎖線内のユニットを16ユニットとするめっき回路およびめっき装置を構成した。
【0071】
陰極ロールは、直径210mm、長さ800mm、肉厚10mmのSUS316の円管を用いてこれに給電するものとした。陰極ロール1aから液中ロール101aを介して陰極ロール1bまで、フィルムをパスさせたときのフィルムパス長は4mの装置を用いた。なおパス長は陰極ロールの頂点から頂点までをいう。従って、めっき部の全パス長は64mである。
【0072】
フィルムの前処理条件、めっき条件、防錆処理条件は、表1に示す条件で行った。なお、銅めっきは、陰極ロールと液中ロールのパスの繰り返し数が進むつれて徐々に電流密度が上昇するように設定した。第1から第16ユニットの整流器毎の電流設定条件は、表2に示す通りである。
【0073】
表2の電流条件と銅の還元電位0.337Vにより、各電流値に対して、(1)式を用いて液膜隙間dと導電率σの関係をグラフ化すると、図5のようになり、各グラフの上側になるように導電率を制御すればよいことになる。なお、銅の還元電位はCuイオンの活量、あるいは濃度により変化するが、銅の標準単位電極電位であるCu2+/Cuの値は0.337Vであり、銅イオンの濃度から、この値より小さい値になるのでこれを還元電位とした。また、フィルム導電面と陰極ロールの接触面積は抱き角が120度としたので、520mm幅×約220mmで計算した。
【0074】
液膜隙間dは、図6に示すようにレーザ変位計で隙間の大きさを測定し、隙間dが300μm以下になるようにフィルム搬送張力の設定をした。フィルム張力設定は、図3に示すS字ラップの速度制御部309によって適度に張力をカットし、その後、順次ロールの回転速度にドローをかける方式で張力を設定した。張力は陰極ロール325(張力検出ロール)部でロードセルによって自動で圧力検出を行い、張力が160N/mになるように速度調整部321の駆動モータの速度でフィードバック制御した。そこで、もっとも張力の張りが悪い陰極ロール1a部の液膜隙間を図6を検出装置として測定したところ、125μmであった。
【0075】
搬送速度は1m/分、陰極ロール1a〜1qまでの陰極ロールのモータ駆動設定に段階的にドロー比率設定を行い順次速度を上げ、張力を徐々に上げる方式とした。
【0076】
一つ一つのユニット毎に導電率を変化させるように制御してもよいが、装置が高価になるために、すべてのユニットに対して、銅析出限界とならないように、液膜の導電率を10mS/cmになるように調整した。図1におけるタンク11の硫酸濃度を調整して、100ml/分となるようにポンプの設定を行い、受皿10中の液濃度をコントロールした。
【0077】
その結果、陰極ロール表面には銅の析出がなく、搬送状態も非常に安定していて、良好な巻姿のロール状フィルムを得た。
【0078】
その後、検査で、めっき銅表面を観察したところ、めっき表面の異常な突起や凹みが少なく表面品位の優れた銅付きフィルムを得た。異常な突起や凹みの個数は、表3に示す結果となった。
【0079】
(3)回路パターンの形成
感光性液体レジストをコーティングし、60μmピッチ、すなわち、銅導体線幅30μm、導体線間30μmの回路パターン1024本のマスクを使い紫外線露光と現像を行い、塩化第二鉄エッチング液で回路パターンを形成した。その回路パターン50枚を150倍の実態顕微鏡で観察し、欠け(10μm以上の欠けは不合格で、それが1024本中に1本以上あればその回路パターンを不合格とする。)および断線によるパターンの良否を判定した結果を表4に示す。これにより100%収率の回路パターンが得られた。
【0080】
【表1】
Figure 0004098567
【0081】
【表2】
Figure 0004098567
【0082】
【表3】
Figure 0004098567
【0083】
【表4】
Figure 0004098567
【0084】
実施例2
銅付きフィルムをフレキシブル回路基板に応用した例を示す。
(1)導電面つきフィルムの製作
実施例1と全く同様の導電面つきフィルムを作成した。
【0085】
(2)めっき被膜の形成
上記(1)で得られたロール状のスパッタ膜つきフィルム12000mを、3000mのロール状体に4分割して、520mm×3000mのロール状体の導電膜つきフィルムを4本準備し、そのうち1本を次に示すめっき装置に通してめっき被膜を形成した。
【0086】
めっき装置として、図2および図3に示す装置を用いて、陽極に銅を用いて、銅のめっき被膜を8μm形成した。図4において、一点鎖線内のユニットを16ユニットとするめっき回路およびめっき装置を構成した。
【0087】
陰極ロールは、直径210mm、長さ800mm、肉厚10mmのSUS316の円管を用いてこれに給電するものとした。陰極ロール1aから液中ロール101aを介して陰極ロール1bまで、フィルムをパスさせたときのフィルムパス長は4mの装置を用いた。なおパス長は陰極ロールの頂点から頂点までをいう。従って、めっき部の全パス長は64mである。
【0088】
フィルムの前処理条件、めっき条件、防錆処理条件は、表1に示す条件で行った。なお、銅めっきは、陰極ロールと液中ロールのパスの繰り返し数が進むつれて徐々に電流密度が上昇するように設定した。第1から第16ユニットの整流器毎の電流設定条件は、表2に示す通りである。
【0089】
表2の電流条件と銅の還元電位0.337Vにより、各電流値に対して、(1)式を用いて液膜隙間dと導電率σの関係をグラフ化すると、図5のようになり、各グラフの上側になるように導電率を制御すればよいことになる。なお、銅の還元電位はCuイオンの活量、あるいは濃度により変化するが、銅の標準単位電極電位であるCu2+/Cuの値は0.337Vであり、銅イオンの濃度から、この値より小さい値になるのでこれを還元電位とした。また、フィルム導電面と陰極ロールの接触面積は抱き角が120度としたので、520mm幅×約220mmで計算した。
【0090】
液膜隙間dは、図6に示すようにレーザ変位計で隙間の大きさを測定し、隙間dが300μm以下になるようにフィルム搬送張力の設定をした。フィルム張力設定は、図3に示すS字ラップの速度制御部309によって適度に張力をカットし、その後、順次ロールの回転速度にドローをかける方式で張力を設定した。張力は陰極ロール(張力検出ロール)325部でロードセルによって自動で圧力検出を行い、張力が160N/mになるように速度調整部321の駆動モータの速度でフィードバック制御した。そこで、もっとも張力の張りが悪い陰極ロール1a部の液膜隙間を図6を検出装置として測定したところ、80μmであった。各陰極ロール上の液膜隙間を測定したところ、表3の通りであった。
【0091】
搬送速度は1m/分、陰極ロール1a〜1qまでの陰極ロールのモータ駆動設定に段階的にドロー比率設定を行い順次速度を上げ、張力を徐々に上げる方式とした。
【0092】
一つ一つのユニット毎に導電率を変化させるように制御してもよいが、装置が高価になるために、すべてのユニットに対して、銅析出限界とならないように、液膜の導電率を2mS/cmになるように調整した。すなわち、図2におけるドクターブレードを洗い流す液体25として硫酸を用い、その導電率を2mS/cmとし、3分毎に2秒間のシャワー供給で、2分毎に200mlの液体を供給した。また、スポンジ体に液体を供給する液体27として硫酸を用い、その導電率を2mS/cmとし、3分毎に2秒間のシャワー供給で、2分毎に200mlの液体を供給した。なお、ドクターブレードへの硫酸シャワー供給の1分後に供給するシーケンスとした。また、陰極ロールに供給する液体30として硫酸を用い、その導電率を2mS/cmとし、3分毎に2秒間のシャワー供給で、2分毎に200mlの液体を供給した。なお、スポンジ体への硫酸シャワー供給の1分後に供給するシーケンスとした。こうして、液膜の液濃度をコントロールした。
【0093】
一部、液膜隙間と導電率の関係から、(1)式を満たさなくなり陰極ロールのフィルムからの離れ際に陰極ロール上の銅を確認したが、ブレードおよび、スポンジにより除去ができ、回転してその後、フィルムに接するときには清浄な陰極ロールであることを確認した。
【0094】
その結果、陰極ロール表面には銅の析出が抑制でき、搬送状態も非常に安定していて、良好な巻姿のロール状フィルムを得た。
【0095】
なお、このブレードは、イーエルジャパン(株)製のプラスチックブレードE500を使用した。また、弾性体としてのスポンジは、PVAのスポンジを使用して、押し圧力が50N/mになるように均一に押しつけた。
【0096】
その後、検査で、めっき銅表面を観察したところ、めっき表面の異常な突起や凹みが少なく表面品位の優れた銅付きフィルムを得た。異常な突起や凹みの個数は、表3に示す結果となった。
【0097】
(3)回路パターンの形成
感光性液体レジストをコーティングし、60μmピッチ、すなわち、銅導体線幅30μm、導体線間30μmの回路パターン1024本のマスクを使い紫外線露光と現像を行い、塩化第二鉄エッチング液で回路パターンを形成した。その回路パターン50枚を150倍の実態顕微鏡で観察し、欠け(10μm以上の欠けは不合格で、それが1024本中に1本以上あればその回路パターンを不合格とする、)および断線によるパターンの良否を判定した結果を表4に示す。これにより100%収率の回路パターンが得られた。
【0098】
比較例1
銅付きフィルムをフレキシブル回路基板に応用した例を示す。
(1)導電面つきフィルムの製作
実施例1と全く同様の導電面つきフィルムを作成した。
【0099】
(2)めっき被膜の形成
上記(1)で得られたロール状のスパッタ膜つきフィルム12000mを、3000mのロール状体に4分割して、520mm×3000mのロール状体の導電膜つきフィルムを4本準備し、そのうち1本を次に示すめっき装置に通してめっき被膜を形成した。
【0100】
めっき装置として、図2および図3に示す装置を用いて、陽極に銅を用いて、銅のめっき被膜を8μm形成した。図4において、一点鎖線内のユニットを16ユニットとするめっき回路およびめっき装置を構成した。
【0101】
陰極ロールは、直径210mm、長さ800mm、肉厚10mmのSUS316の円管を用いてこれに給電するものとした。陰極ロール1aから液中ロール101aを介して陰極ロール1bまで、フィルムをパスさせたときのフィルムパス長は4mの装置を用いた。なおパス長は陰極ロールの頂点から頂点までをいう。従って、めっき部の全パス長は64mである。
【0102】
フィルムの前処理条件、めっき条件、防錆処理条件は、表1に示す条件で行った。なお、銅めっきは、陰極ロールと液中ロールのパスの繰り返し数が進むつれて徐々に電流密度が上昇するように設定した。第1から第16ユニットの整流器毎の電流設定条件は、表2に示す通りである。
【0103】
液膜隙間dは、図6に示すようにレーザ変位計で隙間の大きさを測定し、隙間dが300μm以下になるようにフィルム搬送張力の設定をした。フィルム張力設定は、図3に示すS字ラップの速度制御部309によって適度に張力をカットし、その後、順次ロールの回転速度にドローをかける方式で張力を設定した。張力は陰極ロール325(張力検出ロール)でロードセルによって自動で圧力検出を行い、張力が160N/mになるように速度調整部321の駆動モータの速度でフィードバック制御した。そこで、もっとも張力の張りが悪い陰極ロール1a部の液膜隙間を図6を検出装置として測定したところ、125μmであった。各陰極ロール上の液膜隙間を測定したところ、表3の通りであった。
【0104】
搬送速度は1m/分、陰極ロール1a〜1qまでの陰極ロールのモータ駆動設定に段階的にドロー比率設定を行い順次速度を上げ、張力を徐々に上げる方式とした。
【0105】
図1におけるタンク11にイオン交換水を入れて、100ml/分となるようにポンプの設定を行い、受皿10中に供給した。この時、受皿10中の導電率は0.02mS/cmであった。
【0106】
その結果、陰極ロール表面には、搬送前半部の陰極ロールはうっすらと銅系色になり、第6番目の陰極ロールから第14番目の陰極ロールには、銅の析出が発生し、陰極ロールが銅系色になった。初めは、搬送状況は安定して搬送できていたが、銅の析出したロールになってから徐々に搬送が不安になり、陰極ロール上でフィルムがグリップされ、張りと撓みが発生し、液中の撹拌エアーのあおりを受けてフィルムが蛇行し始め、陰極ロール上でシワが発生し、また、銅付きフィルムの剛性が大きいために折れシワの発生もあった。
【0107】
その後、検査で、めっき銅表面を観察したところ、フィルムの折れシワで製品にならず、一部シワのない場所でも、フィルム搬送方向に点々と長径100μm、高さ60μm大の以上突起がたくさん発生していた。異常な突起や凹みの個数は、表3に示す結果となった。
【0108】
(3)回路パターンの形成
感光性液体レジストとコーティングし、60μmピッチ、すなわち、銅導体線幅30μm、導体線間30μmの回路パターン1024本のマスクを使い紫外線露光と現像を行い、塩化第二鉄エッチング液で回路パターンを形成した。その回路パターン50枚を150倍の実態顕微鏡で観察し、欠け(10μm以上の欠けは不合格で、それが1024本中に1本以上あればその回路パターンを不合格とする。)および断線によるパターンの良否を判定した結果を表4に示す。収率6%でほとんど正常な回路パターンは得られなかった。
【0109】
比較例2
銅付きフィルムをフレキシブル回路基板に応用した例を示す。
(1)導電面つきフィルムの製作
実施例1と全く同様の導電面つきフィルムを作成した。
【0110】
(2)めっき被膜の形成
上記(1)で得られたロール状のスパッタ膜つきフィルム12000mを、3000mのロール状体に4分割して、520mm×3000mのロール状体の導電膜つきフィルムを4本準備し、そのうち1本を次に示すめっき装置に通してめっき被膜を形成した。
【0111】
めっき装置として、図2および図3に示す装置を用いて、陽極に銅を用いて、銅のめっき被膜を8μm形成した。図4において、一点鎖線のユニットを第1ユニットとして、二点鎖線のユニットを14ユニット構成し、一点鎖線内の対称形のユニットを最後の第16ユニットとしてめっき回路およびめっき装置を構成した。
【0112】
陰極ロールは、直径210mm、長さ800mm、肉厚10mmのSUS316の円管を用いてこれに給電するものとした。陰極ロール1aから液中ロール101aを介して陰極ロール1bまで、フィルムをパスさせたときのフィルムパス長は4mの装置を用いた。なおパス長は陰極ロールの頂点から頂点までをいう。従って、めっき部の全パス長は64mである。
【0113】
フィルムの前処理条件、めっき条件、防錆処理条件は、表1に示す条件で行った。なお、銅めっきは、陰極ロールと液中ロールのパスの繰り返し数が進むつれて徐々に電流密度が上昇するように設定した。第1から第16ユニットの整流器毎の電流設定条件は、表2に示す通りである。
【0114】
液膜隙間dは、図6に示すようにレーザ変位計で隙間の大きさを測定し、隙間dが50μm以下になるようにフィルム搬送張力の設定をした。フィルム張力設定は、図3に示すS字ラップの速度制御部309によって適度に張力をカットし、その後、順次ロールの回転速度にドローをかける方式で張力を設定した。張力は陰極ロール325(張力検出ロール)でロードセルによって自動で圧力検出を行い、張力が320N/mになるように速度調整部321の駆動モータの速度でフィードバック制御した。
【0115】
搬送速度は1m/分、陰極ロール1a〜1qまでの陰極ロールのモータ駆動設定に段階的にドロー比率設定を行い順次速度を上げ、張力を徐々に上げる方式とした。また、図1におけるタンク11からの液体供給無しで搬送させた。
【0116】
その結果、陰極ロール表面には、搬送前半部の陰極ロールはうっすらと銅系色になり、第6番目の陰極ロールから第14番目の陰極ロールには、銅の析出が発生し、陰極ロールが銅系色になった。初めは、少し搬送できていたが、張力がだんだんと張ってくると、フィルムは、非常に大きな引張状態になり、しばらくすると折れシワが発生し、その後、破断した。
【0117】
以上表3に示した特性から明らかなように、本発明の製造方法で作成したフレキシブル回路基板は、ファインピッチにも対応した非常に優れた外観品位をもつ銅付きフィルムを得ることができたと言える。
【0118】
【発明の効果】
本発明によれば、表面品位の優れためっき被膜を形成できる。特にフレキシブル回路基板用の銅付きフィルムにおいて、非常に優れた品質の製品を提供できる。銅表面に突起や凹み欠点が非常に少ないために、回路ピッチとしてのファインピッチ化に有効であり、特に60μm以下のピッチに対応できる。
【0119】
また、本発明よれば、生産工程のめっき工程においてトラブルを防止し、特に陰極ロール部に発生するめっき被膜の異常析出を抑制できる。また、異常析出が一部発生したとしても陰極ロールについたドクターブレードや弾性体で除去可能な構成になっている。
【0120】
特にめっき被膜として銅が有効であり、フレキシブル回路基板に採用されるめっき型2層品の製造時に特に有効である。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明における一実施態様に係るめっき装置の陰極ロール部の拡大概略縦断面図である。
【図2】本発明における別の実施態様に係るめっき装置の陰極ロール部の拡大概略縦断面図である。
【図3】本発明におけるめっき装置の全体の一例を示す概略縦断面図である。
【図4】図3の装置の一部を拡大した図で、給電方法の一例を示す概略構成図である。
【図5】実施例における各整流器の投入電流値に対して、隙間と導電率の関係を表すグラフである。
【図6】実施例における液膜隙間の測定装置の概略斜視図である。
【符号の説明】
1 陰極ロール
1a、1b、1c 陰極ロール
2 陽極
3、3a、3b 直流電源
4 フィルム
5 フィルムの導電面
6 めっき槽
7 めっき液
8 液膜隙間
9 受皿中の液体
10 受皿
11 電解液のタンク
12 電解液
13 配管
14 ポンプ
15 バルブ(電磁バルブ)
16 配管
17 受皿中の液体を排出する配管
21 ブレード
22 弾性体
23 弾性体固定治具
24 ブレード部へ液体を供給する配管
25 ブレード部へ供給される液体
26 ブレード固定治具
27 弾性体部へ液体を供給する配管
28 弾性体部へ供給される液体
29 陰極ロールへ液体を供給する配管
30 陰極ロールへ供給される液体
31 受皿
32 受皿中の液体
33 受皿中の液体を排出する配管
41 液膜厚さ測定用架台
42 スライドガイド
43 ケーブル
44 変位計
45 アンプユニット
101a、101b 液中のフィルム搬送ロール
102a、102b、102c、102d、102e 陽極の金属
106a、106b、106c 遮蔽板
301 巻出部
302 前処理部
303 電気めっき部
304 後処理部
305 巻取部
306 めっき前のロール状フィルム
307 アキュムレータ
308 バランスロール部
309 速度制御部
310 酸、脱脂処理部
311 酸、脱脂処理液
312 水洗部
313 水洗液
314 水洗部
315 水洗液
316 防錆処理部
317 防錆液
318 水洗部
319 水洗液
320 乾燥工程部
321 速度調整部
322 バランスロール部
323 アキュムレータ
324 めっき被膜付きロール状フィルム
325 張力検出ロール
330a、330b、330c、330d エアー撹拌用ノズル
331a、331b、331c、331d 撹拌用エアー

Claims (11)

  1. 導電面を有するフィルムを搬送しながら、フィルム導電面を液膜を介して陰極ロールに接触させ、その前または/および後に配置されためっき浴にてフィルム導電面にめっき被膜を形成するめっき被膜付きフィルムの製造方法であって、陰極ロールとフィルム導電面との隙間dと、該隙間dに存在する液の導電率σと、めっきのために陰極ロールに流す電流値を以下の関係式の範囲内で制御することを特徴とする、めっき被膜付きフィルムの製造方法。
    0>〔(I/A)×d〕/σ
    ここで、A:陰極ロールに接触するフィルム導電面の面積、I:めっきに投入する電流値、E0:めっき被膜金属の還元電位、d:隙間の大きさ、σ:導電率。
  2. 隙間に存在する液の導電率を、硫酸を主体とする電解液の濃度で制御することを特徴とする、請求項1に記載のめっき被膜付きフィルムの製造方法。
  3. 隙間に存在する液の導電率を、1mS/cm以上100mS/cm以下とすることを特徴とする、請求項1または2に記載のめっき被膜付きフィルムの製造方法。
  4. 隙間dの大きさをフィルムの搬送張力により制御することを特徴とする、請求項1〜3のいずれかに記載のめっき被膜付きフィルムの製造方法。
  5. フィルムの搬送張力を10N/m以上320N/m以下とすることを特徴とする、請求項1〜4のいずれかに記載のめっき被膜付きフィルムの製造方法。
  6. 隙間dの大きさを2μm以上500μm以下とすることを特徴とする、請求項1〜5のいずれかに記載のめっき被膜付きフィルムの製造方法。
  7. 導電面を有するフィルムを搬送しながら、フィルム導電面を液膜を介して陰極ロールに接触させ、その前または/および後に配置されためっき浴にてフィルム導電面にめっき被膜を形成するめっき被膜付きフィルムの製造方法であって、ブレードおよび/または弾性体により陰極ロールに析出しためっき被膜成分を掻き取ることを特徴とする、めっき被膜付きフィルムの製造方法。
  8. 陰極ロールおよび/またはブレードおよび/または弾性体に連続的または間欠的に液体を供給することを特徴とする、請求項7に記載のめっき被膜付きフィルムの製造方法。
  9. めっき被膜が銅であることを特徴とする、請求項1〜8のいずれかに記載のめっき被膜付きフィルムの製造方法。
  10. フィルムが、ポリイミド樹脂またはポリエステル樹脂からなることを特徴とする、請求項1〜9のいずれかに記載のめっき被膜付きフィルムの製造方法。
  11. 請求項1〜10のいずれかにに記載のめっき被膜付きフィルムの製造方法により製造したフィルムに回路パターンを形成する回路基板の製造方法。
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