JP4098415B2 - アニオン性高分子凝集剤の使用方法 - Google Patents

アニオン性高分子凝集剤の使用方法 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、各種産業廃水の処理や下水・屎尿処理等で生じる無機・有機汚泥を凝集・脱水するための高分子凝集剤およびその使用方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
上記汚泥は、汚泥の実質的成分である複雑な構造を有する多数の有機物や無機物の集合体と水との混合物であり、通常、水を分離してから焼却処理されるか、埋め立て処理がなされている。しかし、汚泥中の有機物や無機物は粒子径が小さく、しかも、水との親和性が強いので、汚泥のまま濾過操作や遠心分離等の脱水処理を行っても、なかなか水を分離除去することができない。そこで、凝集剤(脱水剤)を汚泥に添加して、有機物や無機物を凝集させて脱水効率を高めてから、脱水処理が行われることが多い。
【0003】
凝集剤としては、カチオン性高分子凝集剤やアニオン性高分子凝集剤が広く用いられている。これらの高分子凝集剤は、汚泥の活性点に作用して汚泥を疎水化させて脱水を容易にする効果と、汚泥粒子同士の間で架橋することにより粗大フロックを形成し、重力脱水を容易にする効果を発揮するものであるが、有機物の含有量が高い汚泥や消化汚泥のような難脱水性の汚泥では、これらの効果が有効に発揮されないことがある。このため、汚泥処理の場合に、いずれかの凝集剤(一次凝集剤)を先に汚泥中に投入してフロックを形成させ、続いて、先に投入したものと反対の電荷を持つ二次凝集剤を投入して大きなフロックを形成させ、脱水効率を高める二液処理法が採用されている。
【0004】
しかしながら、生活習慣の変動や下水道整備の進行に伴って、汚泥発生量の増大の問題や、汚泥中の有機物量の増加および汚泥の腐敗等による汚泥の難脱水化の問題が起こり、これまで以上に、効率化された汚泥処理法が求められている。通常、汚泥を凝集処理させた後の脱水物(ケーキ)の水分量、すなわち含水率は、70〜80%程度であり、脱水後においてもケーキのほとんどが水分となっているので、ケーキの最終処理となる埋め立て処理や焼却処理を行う場合には、水分を運搬・埋め立てするため、あるいは水分を蒸発させるために、多大な費用を費やしているのが現状である。特に最近では、近隣での埋め立て処分場の確保が困難となって、遠隔地までケーキを運搬せざるを得なくなり、運搬費用や埋め立て費用が急速に増大している。これらの状況から、ケーキの最終処理費用低減のため、ケーキの含水率を1%でも少なくすることが要求されている。
【0005】
また、脱水前の凝集物の物性についても、まだまだ改善の余地がある。すなわち、凝集フロックが大きくても強度が弱いと、重力濾過性が悪く、脱水処理効率が上がらない点や、濾過後にケーキが濾布からきれいに剥離できなかったり、脱水機の運転トラブルが起こることがあるためである。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
そこで本発明では、汚泥処理に際し、含水率が少なくしかも取り扱い易いケーキを得ることのできる凝集剤を見出すこと、およびその使用方法を提供することを課題として掲げた。
【0007】
【課題を解決するための手段】
本発明の汚泥処理に有用なアニオン性高分子凝集剤は、カルボキシル基含有水溶性重合体(A)を必須主成分として含有する重合体(B)から構成されており、この重合体(B)中に含まれる全カルボキシル基の中和率が50%以下であるところに要旨を有する。この構成の採用によって、完全中和型のアニオン性高分子凝集剤に比べ、ケーキの含水率を低くすることができるようになった。
【0008】
上記重合体(B)がカルボキシル基の中和率が0%の完全酸型ポリアクリル酸であること、上記重合体(B)の重量平均分子量が10万以上であることは、いずれも本発明の好ましい実施態様である。
【0009】
本発明には、汚泥にカチオン性高分子凝集剤を添加した後に、上記アニオン性高分子凝集剤を添加し、その後脱水することを特徴とするアニオン性高分子凝集剤の使用方法も含まれる。本発明のアニオン性高分子凝集剤と組み合わせて使用されるカチオン性高分子凝集剤としては、アミノアルキル(メタ)アクリレートまたはその誘導体を必須構成単位とする高分子凝集剤、あるいは、5員環状のアミジン構造を有する単位を必須構成単位とするポリアミジン系高分子凝集剤が、好ましいものとして挙げられる。
【0010】
【発明の実施の態様】
本発明のアニオン性高分子凝集剤は、カルボキシル基含有水溶性重合体(A)を必須主成分として含有する重合体(B)から構成されており、この重合体(B)中に含まれる全カルボキシル基の中和率が50%以下でなければならない。上記重合体(B)は、カルボキシル基含有水溶性重合体(A)のみからなる場合と、重合体(A)と他の1種以上の重合体(カルボキシル基を含んでいても含んでいなくてもよい)の混合物となる場合があるが、本発明では、重合体(B)が有する全てのカルボキシル基のうち中和されているものが50%を超えてはいけない。
【0011】
重合体(B)のカルボキシル基の中和率が50%を超えると、ケーキの含水率の低減効果が充分に発現しないため、好ましくない。これは、カルボキシル基が中和されている場合に比べ、酸のままのカルボキシル基の方が水和水を吸着しにくく、ケーキから水が離れやすいことによるのではないかと考えられる。カルボキシル基の中和率は40%以下が好ましく、20%以下であればより好ましい。また、アニオン性高分子である重合体(B)中のトータルのカルボキシル基の量は、凝集効果の点から少なくとも30mol%は必要であり、多ければ多い程良い。
【0012】
従って、アニオン性高分子凝集剤、すなわち重合体(B)として最も好ましいのは、完全酸型のポリアクリル酸(中和率0%のカルボキシル基含有重合体)からなるものである。後述する実施例では、完全酸型のポリアクリル酸を用いることにより、完全ソーダ型のポリアクリル酸ソーダを用いた場合に比べ、ケーキの含水率を1.5%低減することができた。例えば、100トンのケーキが発生する処理場で、その含水率を1.5%低減すると、1.5トンの水を削減できることとなるので、実用上はかなりのコスト削減となる。
【0013】
本発明のアニオン性高分子凝集剤を構成する重合体(B)は、上述のように、カルボキシル基含有重合体(A)を必須主成分とするものであるが、重合体(B)が2種以上の重合体からなる場合には、カルボキシル基を含有していない重合体または中和率50%以上のカルボキシル基含有重合体を含んでいてもよい。中和率50%以上のカルボキシル基含有重合体を含む場合には、重合体(B)のトータルのカルボキシル基の中和率が50%以下となるように、(A)の中和率を調整すればよい。
【0014】
カルボキシル基含有重合体(A)を構成する単量体としては、アクリル酸が好ましいが、メタクリル酸、マレイン酸等の酸基含有単量体を一部使用してもよい。また、酸基を持たない単量体、例えば、(メタ)アクリルアミド、ジメチルアクリルアミド、(メタ)アクリロニトリル、スチレン、アルキル(メタ)アクリレート(例えばメチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート等)、ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、酢酸ビニル、N−ビニルピロリドン等のノニオン性単量体を、重合体(B)のアニオン性高分子凝集剤としての水溶性や凝集性を損なわない範囲で使用することもできる。重合体(B)としては、これらのカルボキシル基含有高分子や非カルボキシル基含有高分子等を1種または2種以上使用してもよい。
【0015】
本発明の高分子凝集剤、すなわち重合体(B)は、重量平均分子量(Mw)が10万以上のものを用いることが好ましい。分子量が低いと、凝集力が弱く、ケーキの取り扱い性に問題があるためである。より好ましい分子量は、20万以上、さらに好ましくは80万以上、最も好ましい分子量は100万以上である。分子量の目安として、完全中和(NaOH)後の10%水溶液の粘度(B型粘度計:25℃)が70cps以上だと、Mw20万以上であり、1%水溶液の粘度が90cps以上だと、Mw80万以上である。
【0016】
アニオン性高分子凝集剤の重合方法は、特に限定されない。水溶液重合法や、逆相懸濁重合法等を採用し、適宜、溶媒、開始剤等を選択して行えばよい。
【0017】
本発明のアニオン性高分子凝集剤は、カチオン性高分子凝集剤と組み合わせて汚泥処理に用いることが好ましく、カチオン性高分子凝集剤を先に汚泥に添加することが好ましい。逆の場合より、ケーキの含水率が低下するためである。
【0018】
カチオン性高分子凝集剤としては、アミノアルキル(メタ)アクリレートまたはその誘導体を必須構成単位とする高分子凝集剤、または、5員環状のアミジン構造を有する単位を必須構成単位とするポリアミジン系高分子凝集剤を用いることが好ましい。これらのカチオン性高分子凝集剤と本発明のアニオン性高分子凝集剤とを組み合わせることにより、凝集性が良好となり、ケーキの含水率を低下させる効果に優れているからである。なお、カチオン性高分子凝集剤は1種または2種以上用いてもよい。
【0019】
アミノアルキル(メタ)アクリレートまたはその誘導体を必須構成単位とする高分子凝集剤に用いられる「アミノアルキル(メタ)アクリレート」とは、ジメチルアミノエチル(メタ)アクリレート、ジエチルアミノエチル(メタ)アクリレート、ジメチルアミノプロピル(メタ)アクリレート、ジエチルアミノプロピル(メタ)アクリレート等が挙げられる。また、「その誘導体」とは、これらの酸塩若しくは4級アンモニウム塩である。酸塩のための酸としては、塩酸、硝酸、硫酸等の無機酸や、酢酸、蟻酸等の有機酸等の一塩基酸が好ましい。4級アンモニウム塩は、塩化メチル、臭化メチル、ヨウ化メチル、塩化エチル、臭化エチル、ヨウ化エチル、塩化ベンジル、ジメチル硫酸等によって得ることができる。
【0020】
「必須構成単位とする高分子凝集剤」とは、上記アミノアルキル(メタ)アクリレートまたはその誘導体を単独で重合するか、または共重合可能な単量体と共重合することにより得られる高分子を意味する。共重合可能な単量体としては、(メタ)アクリルアミド、ジメチルアクリルアミド、(メタ)アクリロニトリル、スチレン、アルキル(メタ)アクリレート(例えばメチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート等)、ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、酢酸ビニル、N−ビニルピロリドン等のノニオン性単量体;アクリル酸、メタクリル酸、ビニルスルホン酸、2−アクリルアミド−2−メチルプロパンスルホン酸、スチレンスルホン酸またはこれらのアルカリ金属塩等のアニオン性単量体;ジメチルアミノプロピル(メタ)アクリルアミド等の3級塩若しくは4級アンモニウム塩等のカチオン性単量体が挙げられ、これらの1種または2種以上を使用することができる。
【0021】
上記アミノアルキル(メタ)アクリレートまたはその誘導体を必須構成単位とするカチオン性高分子凝集剤は、1種または2種以上を使用することができる。例示したものの中でも、本発明で好ましく使用できるのは、アミノアルキル(メタ)アクリレートまたはその酸塩を必須構成単位とする高分子凝集剤、特にアミノアルキル(メタ)アクリレートの酸塩のホモポリマーである。
【0022】
5員環状のアミジン構造を有する単位を必須構成単位とするポリアミジン系高分子凝集剤としては、(メタ)アクリロニトリルと、N−ビニルカルボン酸アミド、N−イソプロペニルカルボン酸アミド、N−ビニルカルボン酸イミド、N−イソプロペニルカルボン酸イミド等とを共重合させてから化学変性することにより得ることができる(例えば特許第2624089号)。すなわち、共重合後に、加水分解によって−NH2 を生成させ、次いでこの1級アミノ基とメチレン基を挟んで隣接するニトリル基−CNとの間で閉環反応させれば、5員環状のアミジン構造となる。
【0023】
カチオン性高分子凝集剤の分子量も凝集性能の点からは大きい方が好ましく、目安としては、0.2%水溶液での粘度(B型粘度計:25℃)が5cps以上が好ましい。
【0024】
汚泥にカチオン性高分子凝集剤を添加した後は、適当に混合・撹拌し、続いてアニオン性高分子凝集剤を添加して、汚泥を凝集させる。各凝集剤の使用量は、汚泥の性状によって適宜変更可能であるが、通常、カチオン性高分子凝集剤では0.2〜5重量%(対SS)、アニオン性高分子凝集剤では0.1〜3重量%(対SS)程度である。汚泥を凝集させた後は、脱水処理を行う。脱水処理としては、ベルトプレス、スクリュープレス、フィルタープレス等の圧搾脱水;遠心脱水;減圧・真空濾過;スクリーン法等を採用して行う。カチオン性高分子凝集剤を添加した後に、一旦、脱水処理を行ってもよい。
【0025】
処理される汚泥としては、高BOD廃水を生物処理等したときに生成する汚泥であり、下水・屎尿処理場で発生する汚泥;食品工場、畜産場、化学工場等から発生する汚水・廃水を活性汚泥法処理した後の余剰汚泥や初沈汚泥;これらの混合物である混合生汚泥;汚水・廃水の嫌気性消化により生成する消化汚泥等が含まれ、特に有機物の含有量が高い汚泥や消化汚泥のような難脱水性の汚泥に、本発明のアニオン性高分子凝集剤の使用が好適である。
【0026】
【実施例】
以下実施例によって本発明をさらに詳述するが、下記実施例は本発明を制限するものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で変更実施することはすべて本発明に含まれる。なお、実施例におけるデータは、次の測定方法によって得たものである。
▲1▼分子量測定方法
アニオン性高分子凝集剤(アクリル酸系重合体)の重量平均分子量(Mw)は、GPC(ゲルパーミエーションクロマトグラフィー)により測定した。カラムは、昭和電工製:商品名GF−7MHQを用いた。移動相は、リン酸水素二ナトリウム12水和物34.5gとリン酸二水素ナトリウム2水和物46.2gとにイオン交換水を加えて全量を5000gとしたものを、0.45μmのメンブランフィルターで濾過した水溶液を用いた。なお、用いた試薬は何れも特級である。検出器はウォーターズ製:モデル481型(検出波長UV:214nm)を、ポンプは日立製作所製:商品名L−7110を用いた。移動相の流量は0.5ml/分とし、温度は35℃とした。検量線は、創和科学製のポリアクリル酸ナトリウム標準サンプルを用いて作成した。なお、No.A1は、Mw80万以上であったため、GPCで正確なMwの測定は行えなかった。
▲2▼粘度測定方法
カチオン性高分子凝集剤の水溶液粘度は、重合体にイオン交換水を加えて0.2%濃度の水溶液を調製し、B型粘度計を用い25℃で測定した。アニオン性高分子凝集剤の水溶液粘度は、NaOHを加えてカルボン酸を完全中和し、所定の濃度に調整した水溶液の粘度をB型粘度計を用い25℃で測定した。なお、GPC測定において、高い分子量を示したNo.A1とA2については、10%水溶液と1%水溶液の両方について粘度測定を行った。
【0027】
実施例1〜8、比較例1〜11
下水処理場の混合生汚泥A(pH:5.5、SS:2.3%、VSS/SS:83%、粗浮遊物/SS:14%)、または、混合生汚泥B(pH:5.5、SS:1.3%、VSS/SS:88%、粗浮遊物/SS:34%)を使用し、表1に示したアニオン性高分子凝集剤(A1〜A8)および表2に示したカチオン性高分子凝集剤(C1〜C4)を表3に示したように選択して用い、汚泥処理および性能評価を以下の方法で行った。得られた評価結果を表3〜5に示した。
1)汚泥200mlを500mlのビーカーにとり、パドル翼を備えた攪拌機で攪拌(265rpm)しながら、第一凝集剤の0.2重量%水溶液を所定量加えた。
2)30秒間攪拌を続けた後、第二凝集剤の0.2重量%水溶液を所定量加え、さらに20秒間攪拌した。
3)凝集した汚泥をベルトプレス用濾布を敷いた濾過筒(内径7cm)に注ぎ込み、1分間重力脱水を行った。このとき、凝集汚泥を濾過筒に投入してから20秒後の濾水量を測定した。
4)次いで濾過筒にピストンを入れ、エアシリンダーで所定時間ごとに加圧していき(凝集汚泥を濾過筒に投入してから1分後:0.5kg/cm2 、2分後:1kg/cm2 、4分後:2kg/cm2 、6分後:3kg/cm2 、8分後:4kg/cm2 に加圧した)、9分間加圧脱水した後、脱水ケーキの濾布からの剥離性を目視により評価した。評価は、◎:濾布への付着ほとんどなし、○:濾布への付着が少量あり、△:濾布への付着あり、×:濾布への付着多い、という基準で行った。
5)ケーキの一部を乾燥し、乾燥前後の重量からケーキの含水率を測定した。
【0028】
【表1】
Figure 0004098415
【0029】
【表2】
Figure 0004098415
【0030】
【表3】
Figure 0004098415
【0031】
【表4】
Figure 0004098415
【0032】
【表5】
Figure 0004098415
【0033】
表3から、本発明のアニオン性高分子凝集剤(A1〜A6)を用いている実施例は、同じ汚泥を用いた比較例に比べて、濾水量は大きく、ケーキ含水率が低く、剥離性が良好であることがわかる。特に、第一凝集剤としてC1やC2のジメチルアミノエチル(メタ)アクリレートの3級塩を用い、本発明のアニオン性高分子凝集剤からなる第二凝集剤と組み合わせた例(実施例1〜5および7)は、良好な凝集特性を示した。なお、実施例6は、第一凝集剤(C3)との組み合わせがあまり好ましくないためかケーキ含水率が低くなっていないが、第一凝集剤としてC3を用いた比較例5あるいは6に比べると、ケーキ含水率は低い。汚泥Bを用いた場合は、実施例7がもっとも含水率が低かった。
【0034】
第一凝集剤のみを用いた比較例1、第一凝集剤としてアニオン性高分子凝集剤を用い、第二凝集剤としてカチオン性高分子凝集剤を用いた比較例4は、いずれも実施例1に比べて凝集性能が劣っている。
【0035】
中和率の検討を行うため、表4に、アニオン性高分子凝集剤として中和率の異なるポリアクリル酸を用いた場合の例を抜粋した。実施例2、4と比較例2、3を比較すると、中和率が高くなるにつれて濾水量が減り、ケーキ含水率が増えてしまうことがわかる。ケーキ含水率は、ポリアクリル酸(実施例2)とポリアクリル酸ソーダ(比較例3)とでは、1.5%も開きがあった。また、剥離性も中和率が低い方が良好であった。第一凝集剤(カチオン性高分子凝集剤)を変えて、ポリアクリル酸とポリアクリル酸ソーダで比較した場合(実施例6と比較例6、実施例7と比較例8、実施例8と比較例10)においても同様に、完全酸型ポリアクリル酸を第二凝集剤として使用した方が、有意に含水率の低下が認められた。
【0036】
アニオン性高分子凝集剤の分子量の検討を行うため、表5に、実施例1〜3と参考例を抜粋して示したが、分子量が高くなるにつれて凝集性能が良好になることがわかった。
【0037】
【発明の効果】
本発明のアニオン性高分子凝集剤は、カルボキシル基含有水溶性重合体を必須主成分として含有する重合体であって、かつこの重合体の全カルボキシル基の中和率が50%以下である重合体を用いているので、凝集性能に優れ、含水率が少なくしかも取り扱い易いケーキを得ることができた。

Claims (4)

  1. 汚泥にカチオン性高分子凝集剤を添加した後、カルボキシル基含有水溶性重合体(A)を必須主成分として含有し、カルボキシル基を少なくとも30mol%含み、かつ、全カルボキシル基の中和率が20%以下である重合体(B)から構成される汚泥処理に有用なアニオン性高分子凝集剤を添加し、その後脱水することを特徴とするアニオン性高分子凝集剤の使用方法
  2. 上記重合体(B)が完全酸型のポリアクリル酸である請求項1に記載のアニオン性高分子凝集剤の使用方法。
  3. 上記カチオン性高分子凝集剤として、アミノアルキル(メタ)アクリレートまたはその誘導体を必須構成単位とする高分子凝集剤を用いるものである請求項2に記載のアニオン性高分子凝集剤の使用方法。
  4. 上記カチオン性高分子凝集剤として、5員環状のアミジン構造を有する単位を必須構成単位とするポリアミジン系高分子凝集剤を用いるものである請求項2に記載のアニオン性高分子凝集剤の使用方法。
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