JP4098387B2 - トイレ用固形洗浄剤の成形方法 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、トイレ用固形洗浄剤の成形方法、特に、従来の脆さが改善された保形性の高いトイレ用固形洗浄剤の成形方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
トイレ用固形洗浄剤は、従来、トイレ用洗浄剤組成物を混練機を用いて混練したものを、押出成形機を用いて成形する2段階方式又は混練押出成形機を用いて一度に混練と押出成形を行う1段階方式で製造されていた。
【0003】
しかし、この場合、混練物の粘りが大きく付着性の高いものや、潤滑性があまりなく固い混練物の場合は、混練機等の成形機内において摩擦が大きくなり成形作業に支障を生じるばかりか金型内で混練物が滞留して閉塞する場合がある。そのため、成形機内の抵抗を小さくすべく金型の絞り込みを小さくする(入口径と出口径の差を小さくする)手段や、混練物に粘りが少なく付着性が小さい組成物を用いる等の改良が行われたが、いずれの場合も、保形性が悪く、成形品が脆くて運送中や使用中に一部が欠けたり、ひび割れが発生したりした。したがって、このような成形品は、押出成形後の後工程においてヒビ割れたり、折れたりする問題があり、また、これを切断して製品にする場合には、切断面にササクレが生じ、製品の外観を損なう問題があった。更に、運送中や使用中に一部欠けたり、水洗時における水への溶解量のバラツキが大きい問題があった。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
そこで、本発明は、成形品の保形性が高く、運送中や使用中に一部欠けるといった脆さやヒビ割れの問題、前記切断面のササクレ等の問題が発生せず、しかも水洗時における水への溶解量のバラツキが少ないトイレ用固形洗浄剤の成形方法を提供することを目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】
かかる目的を達成するため、鋭意研究した結果、少なくとも所定の成分を有するトイレ用固形洗浄剤組成物を、減圧状態で混練して、金型より押出成形すれば、脆さが改善され、保形性が高い成形品が得られることを見出だし、本発明を完成させた。
【0006】
すなわち、本発明のうち請求項1記載の発明は、界面活性剤としての椰子油混合脂肪酸塩、ポリエチレングリコール、溶解調整剤としてのカルボキシメチルセルロース塩及び香料、その他の配合物からなり、そのうち、混練中の加熱状態において組成物全体の潤滑剤となる性質を示す物質として「ポリエチレングリコールと香料との合計量」が20〜60重量%配合されてなるトイレ用洗浄剤組成物を、減圧下、混練手段を用いて混練しつつ押し出す工程を経て、成形することを特徴とするトイレ用固形洗浄剤の成形方法であり、請求項2記載の発明は、固形ビルダ−、界面活性剤としての椰子油混合脂肪酸塩、ポリエチレングリコール、溶解調整剤としてのカルボキシメチルセルロース塩及び香料、その他の配合物からなり、そのうち、混練中の加熱状態において組成物全体の潤滑剤となる性質を示す物質として「ポリエチレングリコールと香料との合計量」が20〜60重量%配合されてなるトイレ用洗浄剤組成物を、減圧下、混練手段を用いて混練しつつ押し出す工程を経て、成形することを特徴とするトイレ用固形洗浄剤の成形方法である。
【0007】
本発明に用いる界面活性剤としては椰子油混合脂肪酸塩とポリエチレングリコールが必要であるが、これら以外の非イオン界面活性剤、アニオン界面活性剤、カチオン界面活性剤、両性イオン界面活性剤、その他の界面活性剤を混合して用いてもよい。
【0008】
非イオン界面活性剤としては、高級アルコ−ルエチレンオキサイド付加物、アルキルフェノ−ルエチレンオキサイド付加物、脂肪酸エチレンオキサイド付加物、多価アルコ−ル脂肪酸エステルエチレンオキサイド付加物、高級アルキルアミンエチレンオキサイド付加物、脂肪酸アミドエチレンオキサイド付加物、油脂のエチレンオキサイド付加物、ポリプロピレングルコ−ルエチレンオキサイド付加物等のポリエチレングリコ−ル型界面活性剤や、グリセロ−ルの脂肪酸エステル、ペンタエリスリト−ルの脂肪酸エステル、ソルビト−ル及びソルビタンの脂肪酸エステル、ショ糖の脂肪酸エステル、多価アルコ−ルのアルキルエ−テル、アルカノ−ルアミン類の脂肪酸エステル等の多価アルコ−ル型界面活性剤が使用できる。
【0009】
アニオン界面活性剤としては、セッケン、その他のカルボン酸塩、高級アルコ−ル硫酸エステル塩、高級アルキルエ−テル硫酸エステル塩、硫酸化油、硫酸化脂肪酸エステル、硫酸化オレフィン等の硫酸エステル塩、アルキルベンゼンスルホン酸塩、アルキルナフタレンスルホン酸塩、パラフィンスルホン酸塩、イゲボンT、エアロゾルOT等のスルホン酸塩、高級アルコ−ルリン酸エステル塩等のリン酸エステル塩が使用できる。
【0010】
なお、カチオン界面活性剤としては、炭素数8から18の長鎖アルキルジメチルアミンを塩化メチル、塩化ベンジル等と反応させて得られるテトラアルキルアンモニウム塩、ピリジンに長鎖のハロゲン化アルキルを作用させて合成するピリジニウム塩等の第四級アンモニウム型界面活性剤や長鎖アミン又は複素環アミン(イミダゾ−ル等)の塩の型で用いられるアミン型界面活性剤が例示され、両性界面活性剤としては、親水基としてアミノ酸やベタインを有する界面活性剤が例示される。
【0011】
本発明に用いるビルダ−としては、水溶性の充填剤であればいずれも使用できるが、具体的には次の水溶性無機充填剤、水溶性有機充填剤が例示できる。なお、これらのビルダ−は、単独で用いてもよいし、2種以上を混合して用いてもよい。水溶性無機充填剤としては、アルカリ金属の塩化物、炭酸塩、炭酸水素塩、硫酸塩、リン酸塩、ホウ酸塩及びケイ酸塩が使用でき、例えば、硫酸ナトリウム、塩化ナトリウム、炭酸ナトリウム、炭酸水素ナトリウム、トリポリリン酸ナトリウム、ピロリン酸ナトリウム、ケイ酸ナトリウム等の比較的水に溶けやすいものから、ホウ砂等の比較的水に難溶性のものまで含まれる。
【0012】
水溶性有機充填剤としては、炭素数が2〜10のカルボン酸、炭素数が2〜10のヒドロキシカルボン酸、ポリカルボン酸及びヒドロキシポリカルボン酸等の有機酸並びにそれらの塩、炭素数が2〜10のアミノカルボン酸、アミノポリカルボン酸若しくはポリアミノカルボン酸又はそれらの塩等が使用できる。具体例としては、例えば、クエン酸、リンゴ酸、コハク酸、マレイン酸、フマ−ル酸、グルコン酸、アジピン酸等の有機酸及びそれらの塩、エチレンジアミン四酢酸、ニトリロ三酢酸、ヒドロキシエチルイミノ二酢酸、ジヒドロキシエチルグリシン、ヒドロキシエチレンジアミン三酢酸、ジエチレントリアミン五酢酸、トリエチレントリアミン六酢酸等のアミノカルボン酸及びそれらの塩等が使用でき、これらの塩としては、例えばナトリウム塩等が挙げられ、また、ブドウ糖、ショ糖、果糖、乳糖等の糖類、尿素等も使用できる。
【0013】
本発明において、「混練中の加熱状態」とは、混練中の摩擦熱による加熱のみならず、外部からの加熱手段により加熱する場合をも含む。この場合、加熱状態の温度は20〜80℃とするのが好ましく、更に好ましい温度は30〜60℃である。また、「混練中の加熱状態において組成物全体の潤滑剤となる性質を示す物質」とは、上記過熱状態において、混練中にシリンダ−内の組成物を閉塞状態にしない程度の潤滑性を示すものであり、例えば、加熱混練中に溶融して流動化し潤滑性を示すものや常温で少し粘性のある液状のものを用いるのが好ましく、このようなものとしては、前記ポリエチレングリコール、香料を、例示することができる。なお、これら以外に、適宜、目的に応じて、着色剤、芳香剤、溶解調節剤、滑沢剤、離型剤等の他の配合剤が配合されていてもよい。
【0014】
このように形成すると、トイレ用洗浄剤組成物の各構成物は、混練、押し出しの各工程中、減圧状態にあるので、それらの構成物間に介在する空気が脱気され、接触状態が密になり、相互の結合力が強まる結果、成形品の保形性が高く、押出成形後の後工程おけるひび割れ、折れ及び運送中や使用中に一部欠けるといった脆さやひび割れの問題が発生しないトイレ用固形洗浄剤が得られる。この場合、使用中に一部欠けるといった脆さの問題が発生しないので、水洗時における水への溶解量のバラツキも少なくなる。しかも、切断時の切断面にササクレが発生しないので、製品の外観がよくなり、商品価値を高めことができる。
【0015】
また、本発明において、前記「混練中の加熱状態において組成物全体の潤滑剤となる性質を示す物質」の配合量は、請求項1,2記載の発明の如く、20〜60重量%にするのが好ましく、より好ましくは20〜40重量%である。20重量%未満では成形作業性を損ねる場合があり、一方、60重量%を超えると洗浄剤の洗浄効果に悪影響を与える場合があるからである。
【0016】
本発明において、前記「減圧下、混練手段を用いて混練しつつ押し出す工程」は、請求項4記載の発明の如く、混練・押出手段を有する第1シリンダ−と押出手段を有する第2シリンダ−とを減圧下のチャンバ−で連通・連結させた状態で、前記トイレ用洗浄剤組成物を第1シリンダ−、チャンバ−、第2シリンダ−の順に移動させて金型に導く工程で構成されていることが好ましい。
【0017】
ここで、「第1シリンダ−と第2シリンダ−とをチャンバ−で連通・連結させた状態」とは、第1シリンダ−とチャンバ−及び該チャンバ−と第2シリンダ−が、それぞれ、相互に、通気状態で連結されていることを意味する。このように形成すると、第1シリンダ−が減圧状態になり、そこでトイレ用洗浄剤組成物が脱気されながら混練されると共に、減圧下のチャンバ−を通過するので、チャンバ−通過の際、さらに該組成物中の空気の脱気が行われ、その構成物の結合力をより高めることになる。
【0018】
この場合、第1シリンダ−とチャンバ−との間には、格子状の孔が形成された隔壁を設けることが好ましい。混練物が隔壁を通過する際の抵抗で第1シリンダ−に内圧がかかりよく混練できると共にチャンバ−の減圧状態が維持しやすくなるからである。また、第1シリンダ−の混練物が棒状に分離されてチャンバ−に入るので表面積が大きくなり、混練物中の空気が更に抜けやすくなるからである。なお、この場合、第1シリンダ−を上段に、第2シリンダ−を下段に置き、チャンバ−はその間に位置するようにするのが好ましい。上段の第1シリンダ−の混練物が、棒状となって下段の第2シリンダ−ヘ、すなわちチャンバ−内を上から下に移動することになり、棒状の形状を維持しやすく、脱気と成形作業の容易性が確保できるからである。
【0019】
本発明において、前記減圧下の減圧の程度は、請求項5記載の発明の如く、560〜0.01mmHgにすることが好ましい。更に好ましくは、380〜0.01mmHgである。前記組成物の脱気を十分に行い、構成物の結合力を十分高め、成形品の保形性をより十分に確保するためである。
【0020】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態を、以下に示すトイレ用洗浄剤組成物を用い、図面に基づいて説明するが、本発明はこの実施の形態に示す方法に限定されるものではない。なお、図1は本発明に用いる成形工程を実施できる成形機の長さ方向の縦断面図であり、図2は図1のA−A間における縦断面図である。
【0021】
本発明にかかるトイレ用固形洗浄剤の成形方法の一つの好ましい形態は、少なくとも、固形ビルダ−として前記水溶性無機充填剤の20〜50重量%、前記アニオン界面活性剤としての椰子油脂肪酸塩の10〜30重量%、前記ポリエチレングリコール及び液体香料の20〜30重量%からなるトイレ用洗浄剤組成物を、図1に示す成形機を用い、投入口5から投入後、混練・押出手段を有する第1シリンダ−1と押出手段を有する第2シリンダ−2とを380〜0.01mmHgに減圧したチャンバ−3で連通・連結させた状態で、第1シリンダ−1、続いてチャンバ−3、第2シリンダ−2の順に加熱状態で混練しつつ移動させて金型4に導き、押出成形する方法が採用される。この場合、加熱状態の温度は30〜60℃とするのが好ましい。加熱は、混練時の摩擦熱を用いる場合の他、これと外部からの公知の加熱手段とを併用してもよい。公知の加熱手段としては、第1シリンダ−等にジャケット構造で温水や温油を循環させる方法が例示できる。
【0022】
このように形成すれば、第1シリンダ−1で脱気されながら混練され、チャンバ−3内で更に混練物中の空気が除かれながら第2シリンダ−2に移動しここでも脱気されるので、混練物が密になると共に、非イオン界面活性剤等が潤滑剤の役割を果たすので、混練物は成形機内をスム−ズに移動する。その結果、構成物間の結合力が強くなって、脆さ、ひび割れ、ササクレがなく保形性のよい成形物が効率よく得られる。また、成形物の硬度が向上するため、従来の方法を用いると柔らかすぎる成形品が得られる場合の処方にも対応可能となり、処方設計の幅が広がり、生産効率の改善も可能となる。
【0023】
なお、この場合において、第1シリンダ−1とチャンバ−3との間には、格子状の多数の孔が形成された隔壁(図示せず)を設けると共に、第1シリンダ−1を上段に、第2シリンダ−2を下段に置き、チャンバ−3はその間に位置するようにするのが好ましい。第1シリンダ−1の混練物が複数の棒状に分離されて下段のチャンバ−3、更に下の第2シリンダ−2に入るので、棒状の形状の維持の容易性と、表面積の増大とをもたらし、そのため混練物の脱気と成形作業が容易に行われるからである。
【0024】
本発明の実施の形態における前記トイレ用洗浄剤組成物については、目的に応じ、前記着色剤等のその他の配合剤を配合してもよいのは勿論である。
【0025】
【実施例】
以下、実施例を用いて本発明を更に具体的に説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。
【0026】
(参考例1)まず、表1の参考例1に示すトイレ用洗浄剤組成物(配合量の単位は重量%である)を調整する。この組成物は、アニオン界面活性剤として椰子油混合脂肪酸塩(第一工業製薬株式会社製)の20重量%と、非イオン界面活性剤としてポリエチレングリコ−ル6000(第一工業製薬株式会社製PEG6000P)の10重量%と、ビルダ−として無水硫酸塩(四国化成工業株式会社製中性無水芒硝)の50重量%と、溶解調節剤としてカルボキシメチルセルロ−ス塩(第一工業製薬株式会社製セロゲン)の10重量%と、着色剤として青色1号(三国住友化学工業株式会社製)の10重量%とを配合し、調整されたものである。
【0027】
次に、この組成物を、パドル1aとフィ−ドスクリュー1bが2本のシャフト8に配置された2軸型の混練・押出手段を有する第1シリンダ−1と、真空ポンプ7からの排気パイプが連結され、第1シリンダ−1との間に格子状の多数の孔のある隔壁(図示せず)を設けたチャンバ−3と、スクリュー2aが配置された第2シリンダ−2と、金型4とがこの順に連結された図1に示す成形機を用い、380〜0.01mmHgの減圧下において、混練し、押し出し、成形した。なお、真空ポンプ7による脱気は、原料が原料投入口5から投入され、金型4から成形品6が押し出された状態、すなわち成形機の入口と出口が塞がり成形作業が立ち上がった時点で行えばよい。この場合において、減圧下における混練時の組成物の温度は、約45℃であった。この成形物6の下記物性を評価し、その結果を表2に示す。
【0028】
(参考例2,3及び実施例1〜4)表1の参考例2 , 3及び実施例1〜4の如く配合した組成物を、参考例1と同様にして、減圧下に、押出成形した。この場合、混練時の各組成物の温度は、いずれも、約45℃であった。各成形物の下記物性を評価し、その結果を表2に示す。
【0029】
(比較例1〜7)表1の比較例1〜7の如く配合した組成物を、減圧にせず、常圧で行った以外は、参考例1と同様にして、成形した。この場合、混練時の各組成物の温度は、いずれも、約45℃であった。各成形物の下記物性を評価し、その結果を表2に示す。
【0030】
(物性試験方法)「脆さ」について;次に示す「折れ時の荷重」にて評価した。長さが30mm、直径が6mmの円柱形の押出成形物を、レオメ−タ(サン科学社製モデルCR−300)のサンプル受台(幅10mm、深さ4mmの溝を有する)の溝に横方向に跨がるように架け、次に針入弾性用アダプタ−(直径5mmの棒)を溝に架かった部分のサンプルの中央部に当て、続いて前記サンプル受台を一定速度(60mm/min)で押し上げて、サンプルが折れた時の荷重(g)を求めた。
【0031】
「硬度」について;次に示す「突き刺し時の荷重」にて評価した。長さが25mm、直径が30mmの円柱形の押出成形物を、レオメ−タ(サン科学社製モデルCR−300)のサンプル受台に円形の断面が上下面になるように取り付けた後、サンプルの上面の中央部に、針入度用アダプタ−(直径3mmの棒であって、先端部は高さ5mmの円錐形となり尖っている)の先端を当て、前記サンプル受台を一定速度(60mm/min)で押し上げて、前記アダプタ−の先端が一定深さ(6mm)に達するまで突き刺し、その時の荷重を(g)を求めた。
【0032】
「ササクレ」について;次の「切断試験」を行い、ササクレの程度を目視で評価した。直径が20mmの棒状の押出成形物をカッタ−ナイフ(コクヨ株式会社製HA−2A)を用いて、幅方向に切断した時の切り口の状態を目視で観察した。
○:ササクレが認められないか、ほとんど認められない。
×:切り口の下部にササクレが明確に認められる。
【0033】
「密度(g/cm3 )」について;長さが100mm、直径が20mmの円柱形の押出成形物の体積と重量を測定し、算出した。
【0034】
「均一溶解性」について;一つのサンプル(例えば、実施例1のサンプル)の試験において、2個のロ−タタンク(TOTO株式会社製S721B)の手洗い部のそれぞれに、直径30mmの押出成形物の25gを入れた容器(小林製薬株式会社製貝殻型)を一個づつ合計2個を設置し、1回のフラッシュに対し60秒で満水になるように水流を調整した後、1時間に1回の割合で1日に24回フラッシュし、これを7日間、148回繰り返した。2個の押出成形物につき各回のたまり水の吸光度(630nm)を分光光度計で測定し、そのバラツキの幅にて一つのサンプルの均一溶解性を評価した。
【0035】
【表1】
【0036】
【表2】
【0037】
表1に示すように、実施例1〜4と比較例4〜7、参考例1〜3と比較例1〜3の組成物の種類と配合割合は、いずれも同じであり、双方の相違は、実施例と参考例が380〜0.01mmHgの減圧下において、混練し、押し出し、成形しているのに対し、比較例は減圧にしていない点にある。なお、表1において、前記「混練中の加熱状態において組成物全体の潤滑剤となる性質を示す物質」は、ポリエチレングリコ−ル6000と香料混合物である。なお、これらの配合がないと、成形機内での摩擦が特に減圧下で大きくなる傾向にあり、閉塞が生じる等成形作業がスム−ズに進まない。
【0038】
表2示すように、同じ組成の実施例、参考例と比較例を対比すると、実施例、参考例は、折れ強さが比較例の2倍に改善され、密度、硬度も比較例より高く、また比較例の切断表面がササクレが生じるのに対し、実施例、参考例のそれはササクレを生じない。これは、混練・押出成形中、実施例、参考例は減圧下、組成物中の空気が脱気されるので、組成物の密度が高くなり、組成構成物の結合力が高まったことによると考えられる。したがって、運送中や使用中に成形物の一部が欠ける問題や製品外観を損なう問題を生じない。
【0039】
さらに、これらの成形品を、実際にトイレに使用した場合の、水への均一溶解性を比較すると、表2に示すように、実施例は比較例に比べ、吸光度のバラツキの幅が小さく、着色剤を配合していないため吸光度がゼロの参考例2と比較例2は別として、特に実施例1〜4は比較例の半分以下のバラツキになっている。これは、一回のフラッシュごとに溶ける薬剤の量は、実施例が均一であることを示しており、使用上のメリットは大きい。
【0040】
【発明の効果】
以上説明したように、請求項1、2記載の発明によれば、混練、押出しの各工程中、減圧状態にあるので、組成構成物の接触状態が密になり、相互の結合力が強まる結果、成形品の保形性が高く、押出成形後の後工程おけるひび割れ、折れ及び運送中や使用中に一部欠けるといった脆さやひび割れの問題が発生せず、切断時のササクレがなく、硬度が高く、水洗時における水への溶解量のバラツキも少ないトイレ用固形洗浄剤が得られる。また、請求項1,2記載の発明によれば、潤滑剤の配合量が好ましいため、成形作業性を損ねることもなく、洗浄剤の洗浄効果にも悪影響を与えることもない。
【0041】
請求項3記載の発明によれば、第1シリンダ−で減圧下混練されたトイレ用洗浄剤組成物が、減圧下のチャンバ−を通過するので、該組成物中の空気の脱気がより十分に行われ、請求項4記載の発明によれば、減圧の程度が、前記組成物の脱気を十分に行う上で好ましく、請求項1、2の効果の向上をもたらす。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に用いる一つの成形工程を実施できる成形機の長さ方向の縦断面図である。
【図2】図2は図1のA−A間における縦断面図である。
【符号の説明】
1・・・ 第1シリンダ−
1a・・・ パドル
1b・・・ フィ−ドスクリュ−
2・・・ 第2シリンダ−
2a・・・ スクリュ−
3・・・ チャンバ−
4・・・ 金型
5・・・ 原料投入口
6・・・ トイレ用固形洗浄剤成形物
7・・・ 真空ポンプ
8・・・ シャフト
Claims (4)
- 界面活性剤としての椰子油混合脂肪酸塩、ポリエチレングリコール、溶解調整剤としてのカルボキシメチルセルロース塩及び香料、その他の配合物からなり、そのうち、混練中の加熱状態において組成物全体の潤滑剤となる性質を示す物質として「ポリエチレングリコールと香料との合計量」が20〜60重量%配合されてなるトイレ用洗浄剤組成物を、減圧下、混練手段を用いて混練しつつ押し出す工程を経て、成形することを特徴とするトイレ用固形洗浄剤の成形方法。
- 固形ビルダ−、界面活性剤としての椰子油混合脂肪酸塩、ポリエチレングリコール、溶解調整剤としてのカルボキシメチルセルロース塩及び香料、その他の配合物からなり、そのうち、混練中の加熱状態において組成物全体の潤滑剤となる性質を示す物質として「ポリエチレングリコールと香料との合計量」が20〜60重量%配合されてなるトイレ用洗浄剤組成物を、減圧下、混練手段を用いて混練しつつ押し出す工程を経て、成形することを特徴とするトイレ用固形洗浄剤の成形方法。
- 前記減圧下、混練手段を用いて混練しつつ押し出す工程が、混練・押出手段を有する第1シリンダ−と押出手段を有する第2シリンダ−とを減圧下のチャンバ−で連通・連結させた状態で、前記トイレ用洗浄剤組成物を第1シリンダ−、チャンバ−、第2シリンダ−の順に移動させて金型に導く工程で構成されていることを特徴とする請求項1又は2記載のトイレ用固形洗浄剤の成形方法。
- 前記減圧下の減圧が560〜0.01mmHgであることを特徴とする請求項1、2又は3記載のトイレ用固形洗浄剤の成形方法。
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