JP4097192B2 - 人工骨の製造方法及び製造装置並びに人工骨 - Google Patents

人工骨の製造方法及び製造装置並びに人工骨 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、人工骨の製造方法及び製造装置並びに人工骨に関し、例えば欠損した骨を修復するために、セラミックス等からなる人工骨を加工形成する、人工骨の製造方法及び製造装置並びに人工骨に関する。
【0002】
【従来の技術】
近年、欠損した骨を修復するための人工骨として、セラミックスからなる人工骨が実用化され、それらの中でも、実際の骨の組成に近いリン酸カルシウム系セラミックスが広く用いられている。このリン酸カルシウム系セラミックスの人工骨としては、緻密体、多孔質体、また多孔質なものを破砕して顆粒状にしたものが商品化されている。
【0003】
また、現在市販されている人工骨は、ほとんどが方形、円柱状、円筒状、三角錘状など単純な形状であり、必要に応じて手術室において医師によって応急的な加工処理が行なわれる。これは、事故等で欠損した骨の形状は複雑であり、予めその形状に合わせた人工骨を用意しておくことが困難なためである。
例えば、長管骨を欠損した場合、複数の円筒体形状の人工骨(人工骨)を直線状に配置固定すると共に、前記人工骨間(継ぎ目)の隙間を顆粒状のセラミックス等で充填し、長管骨としている。
このように単純形状の人工骨(人工骨)が用いられるため、手術直後は欠損した骨の形状と大きく異なり、術後の時間の経過と共に、これらの人工骨の周辺に本人の骨が形成され、もとの形状に徐々に近づいていく。
【0004】
ところで、前記したように欠損した部分が、もとの形状とほぼ同じ形状に回復するまでには多くの時間を要し、患者に対して大きな負担と苦痛を与えるという問題があった。
この問題は、欠損前の骨と同形状の人工骨を用いることによって解決でき、欠損した本人の骨とほぼ同じ形状の人工骨を製造する方法や装置について種々の提案がなされている(例えば、特許文献1参照)。
【0005】
図6に、従来例の人工骨(立体模型)を製造するための工程のフロー図を示す。この図6において、例えば哺乳動物体の内部に放射エネルギーを当て(S1)、その哺乳動物体の外部で放射エネルギーレスポンスを検出する(S2)。
次いで、検出したレスポンスデータを処理することによって、所定の構造を三次元的に描くデータが得られる(S3)。次いで、ステップS3で得られたデータを元に人工骨を造形する工具を制御するための三次元座標データを生成する(S4)。そして、ステップ4において生成された三次元座標データに従って造形工具を追随させることにより、人工骨を生成することができる。
【0006】
【特許文献1】
特公平6−2137号公報(第3頁第5欄第42行〜第6欄第36行、第1図)
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
上記したように、欠損前の骨と同形状の人工骨を用いた場合には、欠損前の骨と異なる形状の人工骨を用いた場合に比べて、回復時間を短縮でき、骨の変形などによる苦痛からも開放される。
しかしながら、欠損した骨、あるいはまた骨の部位に作用する荷重が異なるため、欠損した骨とほぼ同一形状の人工骨を用いても、被加工材料の材質、強度が欠損した骨と大きく異なる場合には、破損の虞がある。
【0008】
ところで、本発明の発明者は、セラミックスの中でも気孔率の大きな撹拌起泡によるハイドロキシアパタイト多孔体による人工骨が、内部まで血液や細胞を導入するのに優れ、ほぼその部材形状のまま、早期に自分の骨として再生できることを知見し、既に特開2002−17846号として提案している。
即ち、このような多孔体からなる人工骨を、欠損した骨の形状に最初から正確に製造しておけば、生体に埋入後、気孔内に血液や細胞が直ぐに入り込み、埋入した部材がより早期に自らの骨として利用できる。
【0009】
しかしながら、気孔率が大きい人工骨は、気孔内に血液や細胞が直ぐに入り込み易いが、強度的に弱いという性質を有する。一方、気孔率が小さい人工骨は、気孔内に血液や細胞が直ぐに入り込み難いが、強度的に強いという性質を有する。
そのため、欠損した骨あるいはまた骨の部位に必要とされる強度(耐荷重)以上の強度を有し、かつ気孔率がより大きい被加工部材を選択し、欠損した骨の形状を正確に再現する人工骨の製造方法及び製造装置の実現が望まれていた。
【0010】
本発明はこのような事情の下になされたものであり、その目的とするところは、生体の骨を再現する人工骨の製造方法及び製造装置並びに人工骨において、強度的に支障なく、早期に生体自身の骨として機能するための人工骨の製造方法及び製造装置並びに人工骨を提供するものである。
【0011】
【課題を解決するための手段】
前記した目的を達成するためになされたこの発明に係る人工骨の製造方法は、被加工部材に加工処理を施すことにより、生体の骨を再現する人工骨の製造方法において、生体から骨に関する画像データを採取する工程と、前記工程において採取した画像データを記憶部に記憶させる工程と、前記記憶部に記憶された前記画像データと患者の性別、体重、身長に対応する再現する骨の基準データとから、前記被加工部材を加工するための加工データを生成する工程と、前記生成された加工データが単一の気孔率の前記被加工部材の場合には、製造する人工骨に求められる強度以上の強度を有する被加工部材の中から気孔率の大きいものを選択する工程と、前記選択された被加工部材に対して、前記加工データに従って加工処理を施すことにより人工骨を形成する工程と、を少なくとも含むことを特徴としている。
また、前記記憶部に記憶された被加工部材の物質特性データに含まれる参照データを参照することによって、製造する人工骨に求められる強度以上の強度を有する被加工部材の中から気孔率の大きいものが選択されることを特徴としている。
【0012】
前記した方法によると、前記加工データに応じた強度を有し、かつ、骨の再生に最適な気孔率を有する被加工部材を選択することにより、例えば、強度を必要としない骨には多孔体の被加工部材を選択し、強度を必要とする骨には緻密体の被加工部材を選択することができる。このように、多孔体の被加工部材を選択して使用することができれば、血液や細胞の進入が容易になるため、治療を受けた患者の回復を早めることができる。
なお、これは全体が均一な強度、均一な気孔率であることを意味しない。例えば、緻密な部材を用いて荷重を負担させ残りの空間を多孔体で形成し、全体として強度が十分で再生が早い人工骨としてもよい。
【0013】
ここで、前記再現する骨の基準データは、少なくとも前記骨の構造データと、前記骨にかかる荷重データを含み、前記被加工部材の物質特性データは、耐荷重データ及び骨の再生しやすさを示すデータに対応する気孔率データを含み、前記加工データは、少なくとも製造する骨の三次元座標データとを含むことが望ましい。
【0014】
前記骨の基準データに、少なくとも前記骨の構造データと、前記骨にかかる荷重データが含まれるため、加工データを生成する際、骨の構造データによって前記骨の形状を再現することが容易となり、前記骨にかかる荷重データによって被加工部材に求められる強度を予測することができる。
また、前記被加工部材の物質特性データには、耐荷重データに対応する気孔率データが含まれるため、気孔率データに夫々対応した強度データ(耐荷重データ)を参照でき、被加工部材に求められる強度データに対応する気孔率を知ることができる。すなわち、被加工部材に求められる強度データから、より最適な気孔率を有する被加工部材を選択することができる。
前述の通り、骨の再生に最適な気孔率の部分の体積が大きくなることを優先させ、荷重を支えるための強度部材を組込むように計算してもよい。
更に、前記加工データは、少なくとも製造する骨の三次元座標データが含まれるため、例えば再現する骨(骨等)に忠実に立体的な加工を施すことができる。
【0015】
また、前記形成工程の後、形成された複数の人工骨が組み合わせによって一体となるものであることが望ましい。
このように、複数の人工骨を主に生体埋入時に組み合わせて一つの人工骨とすることができるため、従来、製造困難であった大きな人工骨を治療に用いることができる。また、従来から製造できる程度の大きさであっても、気孔率が異なる複数の人工骨を組み合わせて、より欠損した骨に近づけることができる。
また、施術時に分割体として生体に埋入できるので、大きなもの、長いもの、厚いものなど容易に生体内へ入れることができる。
【0016】
なお、選択対象となる前記被加工部材として、セラミックス材料、金属材料を挙げることができる。特に、気孔率が65乃至85%の、含有気泡が互いに連通したハイドロキシアパタイトであることが好ましい。
【0017】
また、前記した目的を達成するためになされたこの発明に係る人工骨の製造装置は、被加工部材に加工処理を施すことにより、生体の骨を再現する人工骨の製造装置において、前記生体の骨に関する画像データを採取するための生体データ採取部と、前記生体データ採取部から得られた画像データを記憶するための記憶部と、患者の性別、体重、身長に対応する再現する骨の基準データと前記記憶部に記憶された前記画像データとを解析し、再現される骨の加工データを生成する処理部と、前記処理部によって生成された加工データに基づいて、前記生成された加工データが単一の気孔率の前記被加工部材の場合には、製造する人工骨に求められる強度以上の強度を有する被加工部材の中から気孔率の大きいものを選択し、前記選択した被加工部材に対して加工処理する加工部とを具備することを特徴としている。
また、前記加工部が、前記記憶部に記憶された被加工部材の物質特性データに含まれる参照データを参照することによって、製造する人工骨に求められる強度以上の強度を有する被加工部材の中から気孔率の大きいものを選択することを特徴としている。
【0018】
ここで、前記再現する骨の基準データは、少なくとも前記骨の構造データと、前記骨にかかる荷重データを含み、前記被加工部材の物質特性データは、耐荷重データに対応する気孔率データ及び骨の再生しやすさを示すデータを含み、前記加工データは、少なくとも製造する骨の三次元座標データとを含むことが望ましい。
【0019】
既に前記したように、骨の基準データに、少なくとも前記骨の構造データと、前記骨にかかる荷重データが含まれるため、加工データを生成する際、骨の構造データによって前記骨の形状を再現することが容易となり、前記骨にかかる荷重データによって被加工部材に求められる強度を予測することができる。
また、前記被加工部材の物質特性データには、耐荷重データに対応する気孔率データが含まれるため、気孔率データに夫々対応した強度データ(耐荷重データ)を参照でき、被加工部材に求められる強度データに対応する気孔率を知ることができる。すなわち、被加工部材に求められる強度データ及び骨の再生しやすさを示すデータから、骨の再生に最適な気孔率を有する被加工部材を選択することができる。
更に、前記加工データは、少なくとも製造する骨の三次元座標データが含まれるため、例えば再現する骨(骨等)に忠実に立体的な加工を施すことができる。
【0020】
また、選択対象となる前記被加工部材の中には、気孔率が65乃至85%の、含有気泡が互いに連通したハイドロキシアパタイトが含まれることが望ましい。
【0021】
また、前記した目的を達成するためになされたこの発明に係る人工骨は、複数の人工骨を組み合わせて一つの人工骨とされる人工骨において、分割されて製造された人工骨に、組み合わせの目印となるマークが設けられていることを特徴としている。
本発明による人工骨は、必要があれば骨形成因子等の各種活性物質や骨髄細胞等各種細胞をあらかじめ気孔内に入れておくことにより、再生をより早めることができる。
また、本発明による人工骨を用い、体外で細胞を増殖させ、その後体内に埋入してもよい。
【0022】
【発明の実施の形態】
以下、この発明にかかる人工骨の製造方法及び製造装置の一実施の形態について、図1乃至図5を参照して説明する。なお、図1は本発明に係る人工骨の製造装置の全体ブロック図である。図2は、図1に示される処理部の内部構成を示すブロック図である。図3は本発明に係る人工骨の製造方法の工程を示すフロー図である。図4は本発明に係る人工骨の製造方法及び製造装置において、被加工部材に求められる強さ、すなわち耐荷重と気孔率との対応を示す参照テーブルである。図5は、気孔率の異なる3つの部材により構成された人工骨の断面図の一例である。
【0023】
この実施の形態にかかる人工骨の製造装置100は、図1に示すように、医師等の病院のスタッフが作業指示信号を入力する指示データ入力部1と、患者の治療箇所のMRI(Magnetic Resonance Imaging)による磁気共鳴画像やX線CT装置によるコンピュータ断層画像等、また患者の身長、体重等のデータを採取する生体データ採取部2と、前記生体データ採取部2において採取した画像データ及び患者の身長、体重等のデータ、被加工部材の物質特性データ、生体の各骨(骨等)における基準データを少なくとも記憶する記憶部3を備えている。
【0024】
前記記憶部3の被加工部材の物質特性データは、図4に示すように、被加工部材、例えば、複数のハイドロキシアパタイトにおける気孔率データと、その気孔率データに夫々対応する強度データ(耐荷重データ)を示した参照テーブルを含んでいる。また、この参照テーブルは、ハイドロキシアパタイト以外のセラミックス材料、あるいはセラミックス材料以外の金属材料について設けても良い。
また、前記記憶部3の生体の各骨に関する基準データは、生体の各骨(骨等)の長さ、大きさ、厚さ等の構造データや、様々な姿勢や運動時に、各骨にかかる荷重データを含んでいる。また、生体の各骨に関する基準データは、性別、体重、身長により異なるため、性別毎、体重毎、身長毎に設けられている。
これら記憶部3の被加工部材の物質特性データ、生体の各骨に関する基準データは、後述する加工データ作成工程時に利用される。
【0025】
また、この製造装置100は、前記記憶部3に記憶された種々のデータから被加工部材を加工するための加工データを生成すると共に、製造装置100の全体動作の制御等を行なう処理部7と、処理部7において生成された加工データに従って加工処理を行なう加工部4とを備えている。
【0026】
前記処理部7は、図2に示すように、接続された各部の動作制御を行なう制御部9と演算処理を行なう演算部10とにより構成されるCPU8を備えている。
また、前記処理部7は一時的に処理に必要なデータを記憶するためのRAM11を備え、更に被加工部材を加工するために必要となる加工データを生成する加工データ生成プログラム、製造装置100における動作の全体制御プログラムが少なくとも格納されたROM12を備えている。
【0027】
また、前記加工部4は、被加工部材を載置する被加工部材載置部5と、被加工部材載置部5に載置された被加工部材に対して加工処理を施す多関節アームロボット6を備えている。
この多関節アームロボット6のロボットアームの先端には、例えばカッター、ドリル、グラインダ等の加工ツールが夫々使用できるように構成され、その加工速度や圧力等も、被加工部材の気孔率(強度)等によって制御される。また、ロボットアームの先端に、湿式加工が可能なように無菌水を散布するノズルを備えてもよい。
【0028】
そしてまた、これら人工骨の製造装置100を構成する各部は、制御バスラインBを介して接続され、電気的信号により各部における動作が指示されるように構成されている。
【0029】
続いて、前記した図1及び図2に示した装置を用いて、人工骨(人工骨)を製造する工程を図3のフローに沿って説明する。
先ず、図3に示すステップS1において、患者の治療すべき骨(欠損した骨)に関する画像データ採取を行う。この工程の画像データ採取は、生体データ採取部2、例えばMRI(Magnetic Resonance Imaging)による磁気共鳴画像やX線CT装置によって、コンピュータ断層画像を患者から採取する。
また、生体データ採取部2においては、前記した画像データ採取のほか、患者の氏名、性別、体重、身長等のデータを採取し、後述する加工データ生成時のパラメータとして用いる。
【0030】
次いで、ステップS1において採取した画像データ、性別、体重、身長等のデータは、記憶部3に送られ、記憶部3内に記憶される(S2)。
この記憶部3は、人工骨作成のための一時的記憶だけでなく、今後、患者のカルテ等を作成するために、例えばハードディスクや不揮発性メモリであることが望ましい。ここで、ステップS1において採取したデータの記憶部3への記録作業は医師等の作業者による指示データ入力部1からの指示信号に従って行なわれてもよいし、バッチ処理により自動的に行なわれてもよい。
なお、前記記憶部3には、前記したようにセラミックス等の被加工部材の物質特性データと生体の各骨に関する基準データが予め記憶されている。
【0031】
次いで、記憶部3に記憶された画像データは、処理部7のRAM11に読み込まれる。そして処理部7において、制御部9の指示により、ROM12に格納された人工骨の加工データ作成プログラムがRAM11に読み込まれて起動される。
【0032】
次いで、作業者によって指示データ入力部1から入力された指示信号に従うかあるいはバッチ処理により自動的に、必要な生体骨に関する基準データと被加工部材の物質特性データが記憶部3からRAM11に呼び込まれる。このとき、生体骨に関する基準データは、患者の性別、体重、身長に対応する基準データが呼び込まれる。
これら呼び込まれたデータは、起動状態の加工データ作成プログラムにより、RAM11に一時記憶された患者の画像データとともに解析され、製造する骨(骨部材)の三次元座標データが生成される。
なお、この三次元座標データの生成には、患者の画像データと、生体骨に関する基準データに含まれる構造データが主に用いられる。
【0033】
また、生体骨に関する基準データに含まれるデータのうち、前記骨にかかる荷重データと、製造する骨の大きさ(生成した三次元座標データ等)から、製造する人工骨が有すべき強度(耐荷重)が演算され、加工データの一部とされる。
なお、加工データ作成プログラムによって加工データは、RAM11に一時記憶されると共に、記憶部3に保存されるようにしてもよい(S3)。
【0034】
ステップS3の工程で作成された加工データにおいて、生成される骨部材全体が単一の気孔率の被加工部材の場合には(S4)、図4に示すような被加工部材の物質特性データに含まれる参照テーブルを参照することによって、製造する人工骨(骨部材)に求められる強度(耐荷重)以上の強度を有する被加工部材の中から、気孔率の大きなものが選択される(S5)。
なお、「骨の再生に最適な」とは被加工部材の組成を用いたときに、体の部分別に骨の再生上最も好ましい気孔率があれば、それに近づけることを意味する。これらステップS5における選択作業は、処理部7から加工部4に送られる選択命令に従って行なわれる。
【0035】
加工部4においては、処理部7から送られた被加工部材の選択命令信号に従って、図示しない被加工部材選択機構により自動的に最適な気孔率を有する被加工部材が取り出され、図示しない搬送機構により被加工部材載置部5に載置される。
その後、被加工部材載置部5に載置された被加工部材は、符号6に示す多関節アームロボットによって、加工データに含まれる三次元座標データに従って加工される(S7)。
【0036】
このようにして、欠損した骨を補うものとして最適な被加工部材が選択され、その後多関節アームロボット6によって、再現する骨(骨部材)の形状に忠実に加工処理が施され、目的とする人工骨が得られる。
【0037】
または、前記したステップS4において、生成される骨部材の部位ごとに異なる気孔率が設定されていれば、その部位ごとに適した気孔率の被加工部材が選択される(S6)。
例えば、図5に示すように、気孔率が3つの部位で異なる(強度分布が3つの部位で異なる)場合には、夫々の部位に適した気孔率を有する被加工部材が選択される。
【0038】
なお、図5(A)の符号20に示される部材は、頭蓋骨における一番外側の部材であって緻密体により構成されるのが好ましい。一方、符号22に示される部材は頭蓋骨における一番内側の部材であって、細胞の進入が容易に行え、骨の再生に優れている多孔体により構成されるのが好ましい。また符号21で示される部材のように、前記部材20及び部材22の間の気孔率を有するものを介在させてもよい。
前記多孔体の部材21,22は、例えば気孔率65〜85%で気泡が互いに連通したハイドロキシアパタイトから構成されることが望ましい。このような攪拌起泡により連球状開気孔からなる多孔体は、細胞の進入が容易であるため、骨の再生には非常に優れている。
もちろん各部材は、別々のものとされず、図5(B)に示されるように最初から気孔率の異なる部分30(緻密体)、31(多孔質体)同志を一体化して形成された材料から切り出してもよい。特に図5(C)に示すように、長管骨用など用途を決めて、緻密体41を中心部分に配し、その外側に多孔質体40を配した部材を製造すれば、あとは外形を整えるだけで患者に適用できる場合もある。
なお、このような部材は、予め複数に分割された部材であってももちろんかまわない。
【0039】
このステップS6における選択作業は、処理部7から加工部4に送られる選択命令に従って行なわれる。
加工部4においては、処理部7から送られた被加工部材の選択命令信号に従って、図示しない被加工部材選択機構により自動的に適切な気孔率を有する被加工部材が取り出され、図示しない搬送機構により被加工部材載置部5に載置される。その後、被加工部材載置部5に載置された被加工部材は、符号6に示す多関節アームロボットによって、加工データに含まれる三次元座標データに従って加工される(S7)。
このように、加工処理された夫々の板状部材は、例えば符号23に示すようなボルト等によって生体への埋入中、あるいは埋入作業後に接合処理されるとよい。このボルト23は、金属またはアパタイト緻密体によって形成される。
【0040】
このようにして、欠損した骨を補うものとして最適な被加工部材が選択され、その後多関節アームロボット6によって、再現する骨(骨部材)の形状に忠実に加工処理が施され、目的とする人工骨が得られる。
【0041】
なお、前記したステップS7における加工後に、超音波洗浄等により加工クズを洗浄する工程を設けてもよい。加工クズ洗浄により、生体埋め入れ後の細胞導入がより容易になる効果を得ることができる。さらには、加工した部材の洗浄後に、オートクレーブ等での殺菌する工程を設けることが好ましい。
【0042】
以上のように、加工データに含まれる三次元座標データに従ってアームロボットによる自動加工処理を施すことにより、再現する骨(骨等)形状に忠実に人工骨を製造することができる。
【0043】
また、適切な被加工部材を選択するための気孔率データを、製造する人工骨に必要な強度(耐荷重)データに対応して設けているため、特に強度を必要としない箇所には多孔体の被加工部材が選択され、逆に、特に強度を必要とする箇所には緻密体の被加工部材が選択される。
その結果、強度を要しない箇所には、気孔率の高い人工骨が用いられ、血液や細胞の導入が容易になり、生体自身の骨として再生する期間をより短くすることができる。また、強度を要する箇所には、気孔率の低い緻密体の人工骨が用いられるため、強度的に支障が生じることもない。
【0044】
なお、上記実施形態にあっては、気孔率が異なる被加工部材を組み合わせる場合について説明した。しかし、欠損した骨が大きく一つの被加工部材で人工骨を製造することができない場合等、分割して人工骨を製造して、それらを組み合わせて、人工骨として用いる場合にも適用することができる。
この場合、組み合わせる人工骨にマークを付けることによって、容易に、かつ間違えることなく、製造した人工骨を組み合わせることができる。
【0045】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明によれば、強度的に支障なく、早期に生体自身の骨として機能するための人工骨の製造方法及び製造装置並びに人工骨を得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る人工骨の製造装置の全体ブロック図である。
【図2】図1の処理部の内部構成を示すブロック図である。
【図3】本発明に係る人工骨の製造方法の工程を示すフロー図である。
【図4】図1の記憶部に記憶されている参照テーブルの一例である。
【図5】頭蓋骨や長管骨の一部として用いられる骨部材の断面図である。
【図6】従来例における人工骨(立体模型)を製造するための工程のフロー図である。
【符号の説明】
1 指示データ入力部
2 生体データ採取部
3 記憶部
4 加工部
5 被加工部材載置部
6 多関節アームロボット
7 処理部
8 CPU
9 制御部
10 演算部
11 RAM
12 ROM
20 加工部
100 人工骨の製造装置
B 制御バスライン

Claims (10)

  1. 被加工部材に加工処理を施すことにより、生体の骨を再現する人工骨の製造方法において、
    生体から骨に関する画像データを採取する工程と、
    前記工程において採取した画像データを記憶部に記憶させる工程と、
    前記記憶部に記憶された前記画像データと患者の性別、体重、身長に対応する再現する骨の基準データとから、前記被加工部材を加工するための加工データを生成する工程と、
    前記生成された加工データが単一の気孔率の前記被加工部材の場合には、製造する人工骨に求められる強度以上の強度を有する被加工部材の中から気孔率の大きいものを選択する工程と、
    前記選択された被加工部材に対して、前記加工データに従って加工処理を施すことにより人工骨を形成する工程と、
    を少なくとも含むことを特徴とする人工骨の製造方法。
  2. 前記記憶部に記憶された被加工部材の物質特性データに含まれる参照データを参照することによって、製造する人工骨に求められる強度以上の強度を有する被加工部材の中から気孔率の大きいものが選択されることを特徴とする請求項1記載の人工骨の製造方法。
  3. 前記再現する骨の基準データは、少なくとも前記骨の構造データと、前記骨にかかる荷重データを含み、
    前記被加工部材の物質特性データは、耐荷重データ及び骨の再生しやすさを示すデータに対応する気孔率データを含み、前記加工データは、少なくとも製造する骨の三次元座標データとを含むことを特徴とする請求項2に記載された人工骨の製造方法。
  4. 前記形成工程の後、形成された複数の人工骨が組み合わせによって一体となるものであることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載された人工骨の製造方法。
  5. 選択対象となる前記被加工部材の中には、気孔率が65乃至85%の含有気泡が互いに連通したハイドロキシアパタイトが含まれることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載された人工骨の製造方法。
  6. 被加工部材に加工処理を施すことにより、生体の骨を再現する人工骨の製造装置において、
    前記生体の骨に関する画像データを採取するための生体データ採取部と、
    前記生体データ採取部から得られた画像データを記憶するための記憶部と、
    患者の性別、体重、身長に対応する再現する骨の基準データと前記記憶部に記憶された前記画像データとを解析し、再現される骨の加工データを生成する処理部と、
    前記処理部によって生成された加工データに基づいて、前記生成された加工データが単一の気孔率の前記被加工部材の場合には、製造する人工骨に求められる強度以上の強度を有する被加工部材の中から気孔率の大きいものを選択し、前記選択した被加工部材に対して加工処理する加工部と
    を具備することを特徴とする人工骨の製造装置。
  7. 前記加工部が、前記記憶部に記憶された被加工部材の物質特性データに含まれる参照データを参照することによって、製造する人工骨に求められる強度以上の強度を有する被加工部材の中から気孔率の大きいものを選択することを特徴とする請求項6記載の人工骨の製造装置。
  8. 前記再現する骨の基準データは、少なくとも前記骨の構造データと、前記骨にかかる荷重データを含み、
    前記被加工部材の物質特性データは、耐荷重データに対応する気孔率データ及び骨の再生しやすさを示すデータを含み、前記加工データは、少なくとも製造する骨の三次元座標データとを含むことを特徴とする請求項7に記載された人工骨の製造装置。
  9. 選択対象となる前記被加工部材の中には、気孔率が65乃至85 % の、含有気泡が互いに連通したハイドロキシアパタイトが含まれることを特徴とする請求 項6又は請求項7に記載された人工骨の製造装置。
  10. 複数の人工骨を組み合わせて一つの人工骨とされる人工骨において、分割されて製造された人工骨に、組み合わせの目印となるマークが設けられていることを特徴とする人工骨。
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