JP4097010B2 - 溶鋼製造方法 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
この発明は溶鋼製造方法に関し、詳しくは一旦溶解した高炭素溶湯を貯留炉で貯留しておき、これを用いて製鋼炉で製鋼して溶鋼を得る方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、溶鋼製造のための方法として高炉に鉄鉱石とコークスとを装入してこれを高温で溶融還元し、得られたC含有量の高い溶銑を転炉に移して、そこで酸素の吹込みにより脱炭を行って製鋼し溶鋼を得る、いわゆる高炉−転炉プロセスといわれるものと、電気炉を用いてスクラップを溶解し製鋼する電気炉プロセスといわれるものが広く実施されている。
【0003】
ここで電気炉プロセスでは、アーク炉で代表される電気炉に廃棄自動車等から得られるスクラップと生石灰等の造滓材とを装入し、電気炉に電力を投入してスクラップを溶解する。
その際通常は酸素吹精を行って溶鋼中のリンその他の不純物を除去し、また炭素濃度の調整を行う。
その後更に溶鋼を昇熱し電気炉を傾動して内部の溶鋼を出鋼し、溶鋼上のスラグを除滓する。
【0004】
前者の高炉−転炉プロセスの場合、出発原料(鉄原料)として鉄鉱石を用いるために、溶銑製造に際して鉄鉱石還元のために多大なエネルギーを必要とする問題に加えて設備が大掛りであって設備費,維持費,ランニングコストが高いといった問題がある。
またその他にこのプロセスの場合、高炉操業が連続操業であって溶銑が高炉から連続出銑され、従って必要なときに必要な分だけの溶銑製造及びこれを用いた製鋼を行うことが実質的にできないといった問題があった。
【0005】
これに対して後者の電気炉プロセスの場合、鉄原料として一般にスクラップを用いることから、鉄鉱石を用いた場合に比べて溶解に際し還元熱分だけエネルギー使用が少なくて済み、また設備も比較的簡単で済むことから設備費,維持費,ランニングコストが安いといった利点の外、基本的にバッチ生産であるために景気の変動等に応じて、必要なときに必要な分だけ溶鋼製造を行うことができるといった利点がある。
【0006】
またその操業を電力コストの安い夜間に行うといったことも可能である。
電気炉を用いた溶鋼製造プロセスは、その製造コストが電力コストに大きく依存しており、そこでその電気炉を用いた操業を夜間に行うことで製造コストを低減することができる。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら電気炉を用いた操業を常に夜間にだけ行うといったことは実際上は難しいことで、電力コストの高い昼間にも操業を行わざるを得ないのが実情である。
その他、電気炉を用いた溶鋼製造方法では最終製品の品質確保のためにスクラップとして一定品質以上のものを用いざるを得ず、このことが溶鋼の製造コストを押し上げる要因となっていた。
即ち不純物成分が多かったり或いは不純物成分のばらつきが大きい低級スクラップを鉄原料として用いること、或いはこれを配合するにしてもその配合量を多くするといったことが実際上できない問題があった。
【0008】
また電気炉における溶鋼製造方法において、従来廃棄処分されていたスケール材を用いることができれば、本来捨てられるべきものを活用することができるとともに製造コストを低減できて望ましいが、従来の電気炉による溶鋼製造方法ではこれを鉄原料として用いるといったことができなかった。
【0009】
このスケール材は例えば鋼材の熱間圧延時や鋳片の均熱時等に地鉄表面に発生するウスタイト,マグネタイト,ヘマタイト等から成る鉄酸化物を主体とするもので、通常は酸洗いや研削等によって地鉄から取り除かれ、そのまま廃棄処分される。
【0010】
このスケール材におけるFe成分の量は全体の70〜80重量%を占めており、従ってこのようなスケール材を鉄原料として用いることができれば溶鋼の製造コストを押し下げることができて望ましいが、このスケール材は鉄酸化物を主体としているため、単に電気炉で溶解するだけではスケール材の還元による鉄成分の回収が行えず、このため従来にあってはこのようなスケール材を電気炉での溶解製造方法に使用し得なかったのである。
【0011】
【課題を解決するための手段】
本発明の溶鋼製造方法はこのような課題を解決するために案出されたものである。
而して請求項1のものは、鉄原料としてスクラップを用い、電気炉に該スクラップと炭材を装入して溶解し、C含有量が1%以上の高炭素溶湯を製造するとともに、該製造した高炭素溶湯を該電気炉よりも大容量の単一容器の貯留炉内に複数チャージ分貯留し、該貯留炉内の一部の高炭素溶湯を用いて製鋼炉で製鋼を行うことを特徴とする。
【0012】
請求項2のものは、請求項1において、前記製鋼炉に前記高炭素溶湯とスクラップとを装入して溶解を行い製鋼することを特徴とする。
【0013】
請求項3のものは、請求項1,2の何れかにおいて、前記製鋼炉として電気炉を用いることを特徴とする。
【0015】
請求項のものは、請求項1〜3の何れかにおいて、前記鉄原料として前記スクラップとともにスケール材を用いることを特徴とする。
【0016】
【作用及び発明の効果】
以上のように本発明は、電気炉に鉄原料とブリーズや石炭等の炭材とを装入してC含有量が1%以上の高炭素溶湯を製造してこれを一旦貯留炉内に貯留しておき、そしてその一部を取り出して製鋼炉で製鋼し、溶鋼を得るようになしたものである。
本発明では、電力コストの安い夜間に電気炉による高炭素溶湯の製造を行うことができ、そしてこれを貯留炉内に貯留しておくことで、電力コストの高い昼間にこの高炭素溶湯を用いて製鋼炉での製鋼を行うことができる。
【0017】
この場合、高炭素溶湯を用いた製鋼炉での製鋼に際して高炭素溶湯と他の鉄原料、好適にはスクラップを混合溶解する場合においても(請求項2)、高炭素溶湯の持つ潜熱、具体的には高炭素溶湯の有する熱エネルギー及び脱炭時におけるCO,COガス発生の際の反応熱を有効に活用することができ、以って製鋼炉での製鋼を少ないエネルギーにて行うことができる。
【0018】
また一方、高炭素溶湯は電力コストの安い夜間に製造することができるため、溶鋼製造のための必要なトータルエネルギーが少なくて済み、以って溶鋼製造に要する電力コストを安価に抑えることができる。
而してこのようなことが可能であるのは、本発明において電気炉を用いた高炭素溶湯の製造,貯留炉による高炭素溶湯の貯留,高炭素溶湯を用いた製鋼炉での製鋼の各プロセスを経て溶鋼製造を行うことによるものである。
【0019】
ここで高炭素溶湯としてC含有量を1%以上と規定しているのは次の理由、即ちC含有量が1%未満では電気炉から高炭素溶湯を貯留炉に移してそこで一定時間貯留するといったことが実質的にできないことによる。
【0020】
高炭素溶湯の融点はそこに含有されるCの量によって変化し、C含有量が高い程高炭素溶湯の融点が低くなって固まり難くなる。そしてこれに応じて貯留炉での貯留可能な時間が長くなる。
この場合の貯留可能な時間(電気炉から貯留炉へ或いは貯留炉から電気炉への移し替え等のハンドリング時間を含む貯留時間)は1時間以上が必要であり、而して本発明者等の研究によると、C含有量1%以上で1時間以上の貯留が可能であるとの知見を得た。
本発明においてC含有量を1%以上と規定しているのはこのような理由による。
【0021】
本発明では高炭素溶湯を電気炉で溶解し製造することから高炭素溶湯の温度制御が容易であること、具体的には高炭素溶湯を高温度で出湯することが可能である利点がある。
例えば高炭素溶湯である溶銑を高炉から出銑する場合、その出銑温度は1300〜1350℃程度であるが、本発明に従って電気炉から高炭素溶湯を出湯する際、これを1500℃程度の高温度で出湯することが可能である。
而してそのような高い温度で高炭素溶湯を出湯することで、その後の貯留炉での貯留可能な時間を長くすることができる。
【0022】
本発明によれば、電気炉を用いた高炭素溶湯の製造,貯留炉による貯留,高炭素溶湯を用いた製鋼炉での製鋼の各プロセスによる溶鋼の製造時期,製造量等を景気の変動等に応じて容易にコントロールできる特長がある。
【0023】
本発明では、貯留炉からの高炭素溶湯を用いて製鋼炉で製鋼を行う際、かかる製鋼炉として電気炉を用いることができる(請求項3)。
またその際、上述したように高炭素溶湯とスクラップとを電気炉で混合溶解し製鋼を行うことができる。この電気炉を用いた製鋼に際し必要なエネルギー、即ち電力を少なくすることができる。
但し本発明では製鋼炉としてそのような電気炉以外の炉を用いることも可能である。
【0024】
例えばC含有量が1.5%程度の高炭素溶湯を、種湯としてAOD炉(製鋼炉)に移し、そこで脱炭精錬を行ってステンレス鋼を製造するといったことも可能である。
C含有量が1.5%程度の高炭素溶湯の場合、後述するように貯留炉内において10時間程度貯留することが可能であり、従ってこのような高炭素溶湯を用いて本発明に従い且つ本発明の利点を享受しつつステンレス鋼を製造することが可能である。
【0025】
本発明は、電気炉からの高炭素溶湯を貯留炉内に貯留するに際し、そこに複数チャージ分を同時に貯留し、その一部を取り出して製鋼炉による製鋼に供することを大きな特徴としている。
例えば電気炉からの高炭素溶湯を1チャージ分だけ貯留炉に貯留しておき、その全部を次の製鋼炉での製鋼に供するといったことも可能である。
しかしながらこの場合、電気炉で溶製した高炭素溶湯の成分の変動がそのまま製鋼炉における溶鋼の品質に影響を及ぼしてしまう。
【0026】
しかるに本発明に従い、電気炉からの高炭素溶湯を貯留炉内に複数チャージ分同時に貯留するようになした場合、各チャージごとの成分の変動が貯留炉内で平均化される。
例えば電気炉からの高炭素溶湯を8チャージ分貯留炉内に貯留するようになした場合、8チャージ分の成分の変動が貯留炉で吸収され、各成分のばらつきがそこで平均化される。
従って貯留炉から高炭素溶湯を一部出湯した場合、その出湯中の成分の値は貯留炉内で平均化された値となる。
【0027】
それ故本発明によれば、従来成分の変動が大きいために、即ち成分のばらつきが大きいために使用し得なかった低級スクラップを使用することが、或いはその配合量を多くすることが可能となる。
具体的には、本発明では電気炉を用いた高炭素溶湯の製造に際してスクラップを用いるが、その際にスクラップとして不純物成分のばらつきの大きい低級スクラップを用いること、或いはその配合量を多くすることが可能となり、或いはまた最終の製鋼炉における製鋼に際しても、使用する鉄原料として低級スクラップを使用したりその配合量を多くするといったことが可能となる。
これにより溶鋼の品質を高品質に維持しながら製造コストを従来に増して押し下げることが可能となる。
【0028】
本発明ではまた、電気炉における高炭素溶湯の製造に際してスクラップとともにスケール材を用いることが可能となる(請求項)。
即ち製鋼のための原料として、従来廃棄処分されていたスケール材を用いることが可能となり、これによって製鋼のための原材料費に要するコストを更に低減することが可能となる。
【0029】
電気炉を用いた高炭素溶湯の製造プロセスでは、鉄原料とともに炭材を装入することから、その炭材によって酸化鉄であるスケール材を還元し、Fe分を効率高く回収することが可能である。これもまた本発明の利点の1つである。
【0030】
【実施の形態】
次に本発明の実施の形態を図面に基づいて以下に説明する。
図1に示すアーク炉(電気炉)10に鉄原料としてのスクラップと炭材(ブリーズ,石炭等)とを装入してこれらをアーク溶解し、C含有量が1%以上の高炭素溶湯12を製造する。
このときアーク炉10の炉床部から窒素ガスやアルゴンガス等の不活性ガスを吹き込んで高炭素溶湯12を撹拌する。
【0031】
このアーク炉10による高炭素溶湯12の製造では、スクラップとして不純物成分のばらつきの大きい低級スクラップやスケール材を併せて用いることができる。
またこのアーク炉10による高炭素溶湯12の製造は、電力コストの安い夜間に行うことができる。
【0032】
次にこのようにして得た1チャージ分の高炭素溶湯12を取鍋14に出湯し、図1(II)に示しているようにこれをアーク炉10よりも大容量の貯留炉16内に移し替えてそこに複数チャージ分貯留する。
この貯留炉16としては、例えばアーク炉10からの高炭素溶湯12を8チャージ分貯留可能な容量のものを用いることができる。
【0033】
この貯留炉16による貯留に際して、必要に応じこれをバーナ等にて保温しておくこともできる。
ここで保温とは、貯留炉16からの放熱分を外部からのエネルギーを加えることによって補填する操作である。
【0034】
上記高炭素溶湯12の製造に際し、炉としてアーク炉10を用いていることからその出湯温度を容易に制御することができる。具体的にはその出湯温度を1500℃程度の高温度とすることができる。
このように出湯温度を高温度とすることによって、次の貯留炉16での貯留可能な時間を長くすることができる。
【0035】
この貯留炉16による高炭素溶湯12の貯留に際しては、アーク炉10からの高炭素溶湯12を複数チャージ分同時に貯留しておく。
そしてその一部を貯留炉16から出湯し、取鍋22を介してこれを図1(III)に示しているように別置きのアーク炉(電気炉)18内にスクラップ20とともに装入して混合溶解を行う。
その際、スクラップ20の溶解が30%未満の段階で取鍋22により受けた貯留炉16からの高炭素溶湯12をアーク炉18内に装入するのが望ましい。
【0036】
また図1(III)に示す通り、高炭素溶湯12はアーク炉18内のスクラップ20に包み込まれるように装入することが望ましい。
スクラップ20の装入はアーク炉18の炉壁や炉底に沿って装入するか、予めアーク溶解により中央部を溶解し、その後高炭素溶湯12を装入する。
これによって高炭素溶湯12の持つ熱エネルギーが効率良く混合溶解に利用でき、更に耐火物の損傷も軽減可能となる。
【0037】
このアーク炉18での混合溶解では、投入された電力によりアーク熱を発生させ、これにより混合溶解を行う。
その混合溶解の適宜の時点で、図2に示すようにランスパイプ24を鋼浴中に深く挿入し、そのランスパイプ24を通じて鋼浴中に酸素を吹き込み、溶湯の脱炭を促進する。
【0038】
このアーク炉18による混合溶解即ち製鋼プロセスは、通常電力コストの高い昼間に行うが、この製鋼プロセスでは高炭素溶湯12がそれ自身熱エネルギーを多量に有しているために、更にはまた脱炭に際して発生するCO,COの反応熱を有効に利用することができるため、外部から加えるべきエネルギーは少なくて済む。
即ち少ないエネルギーで混合溶解,製鋼を行うことができる。
【0039】
図3は炉内貯留量700tの貯留炉16に対して約80t容量のアーク炉10からの高炭素溶湯12を下記条件の下で貯留(保温なし)したときの貯留可能時間をC含有量との関係で表したものである。
【0040】
<条件>
貯留炉形状:φ7m×8.8m長さ
耐火物厚さ:880mm
炉放散熱:15.1Gcal/day
炉内投入溶鋼温度:1500℃
炉内貯留量:700t
比熱:0.2Mcal/t・℃
【0041】
ここで高炭素溶湯12はC含有量とともに融点が変化し、C含有量が多くなる程融点が低くなって固まり難くなる。
この関係を以下に示した。
【0042】
<C%(wt.%)別貯留可能時間>
Figure 0004097010
【0043】
以上の結果は、貯留前後の必要ハンドリング時間も考慮すると高炭素溶湯12におけるC含有量を1%以上としておくことで、実質的に有効時間だけ貯留炉16に貯留しておくことが可能であることを示している。
【0044】
因みにC含有量1.5%の高炭素溶湯12は図3から貯留可能な時間は10時間程度であり、従ってこの場合貯留炉16にこれを貯留しておいて、適宜貯留炉16から取り出して製鋼炉で製鋼することが可能である。
【0045】
ここでC含有量1.5%程度の高炭素溶湯12はステンレス鋼製造に際しての種湯となり得るものであり、従ってC含有量1.5%の高炭素溶湯12を貯留炉16から適宜取り出して、AOD炉等を用いて脱炭精錬し、ステンレス鋼を製造するといったことも可能である。
即ち本発明では製鋼炉として電気炉を用いる場合の外、AOD炉等その他の炉を用いて製鋼することも可能である。
【0046】
前述したようにアーク炉10による高炭素溶湯12の製造に際しては、アーク炉10中にスクラップとともに炭材を装入し、還元条件で溶解を行うことから、鉄原料としてかかるスクラップとともに鉄の酸化物を主体とするスケール材を鉄原料として用いることも可能である。
この場合、本来廃棄処分されるスケール材を製鋼のための原材料として活用でき、原材料費を低減することができる。
【0047】
因みに図4は鉄原料としてスクラップを用いた通常のアーク炉操業における鉄回収率を1としたとき(比較例)、スケール材を用いることによる鉄回収率の指数を表している。
【0048】
但し発明例のものは1チャージ分の溶湯製造に対し、スクラップ70t,スケール材30t,炭材1500kgをアーク炉10に投入してアーク炉操業を行い、C含有量2〜4重量%の高炭素溶湯12を製造したときのFe回収率指数を示し、また比較例はスクラップ90tをアーク炉に投入し、通常のアーク炉操業を行って溶湯を製造した場合のFe回収率を求めた場合(指数1)を表している。同図に示しているようにスケール材を鉄原料として用いることで鉄回収率が1.5倍まで高まっている。
【0049】
上記のように貯留炉16における高炭素溶湯12の貯留に際しては、アーク炉10からの高炭素溶湯12を複数チャージ分(ここでは8チャージ分)同時に貯留する。
この結果として、各チャージごとに不純物成分の変動が大きかったとしても、貯留炉16における貯留によって不純物成分の変動が吸収されて均一化される。
以下はこの点を実際の溶鋼製造例によって示したものである。
【0050】
ここでは、表1に示す低級スクラップの例として銘柄H2甲山のスクラップを、また高級スクラップの例として銘柄新断のスクラップをそれぞれ用い、表2に示す条件で先ず高炭素溶湯12の製造実験を行い、その際の高炭素溶湯12中の不純物成分であるCuの含有量を15チャージ分についてそれぞれ調べた。
結果がスクラップ配合率とともに表3に示してある。
尚ここでスクラップ配合率はH2甲山と新断等のスクラップとを配合した場合のH2甲山の配合比率を示し、他は新断,ダライ,工場内発生屑等のスクラップである。
【0051】
【表1】
Figure 0004097010
【0052】
【表2】
Figure 0004097010
【0053】
【表3】
Figure 0004097010
【0054】
図5(A)はCu濃度と、そのようなCu濃度を有する高炭素溶湯のチャージ数(頻度)との関係を表したもので、表3及びこれに基づいて図化した図5(A)から分るように、低級スクラップである銘柄H2甲山のものを用いることによって、不純物成分であるCu濃度が各チャージ間で大きくばらついていることが分る。
【0055】
尚、表3に示しているようにこのアーク炉10を用いた高炭素溶湯12の製造実験ではC含有量4%の高炭素溶湯12を製造した。
因みにC含有量4%の高炭素溶湯12の場合、図3から分るように貯留炉16において50時間程度の貯留が可能である。
【0056】
表4はこのようにして次々と製造されて来る高炭素溶湯12を上述の貯留炉16に同時に6チャージ(ch)分貯留しながら次々と出湯したときのCu濃度の測定結果を表したものである。
【0057】
この表から分るように、各チャージごとにCu濃度(受湯)の値が大きくばらついているにも拘らず、貯留炉16から出湯される高炭素溶湯12中のCu濃度(出湯)はほぼ一定の値を示している。
これは即ち、各チャージごとにCu濃度の値がばらついていても貯留炉16内に同時に複数チャージ分(ここでは6チャージ分)の高炭素溶湯12を貯留することによって、そこでばらついていたCu濃度が平均化されていることを表している。
【0058】
【表4】
Figure 0004097010
【0059】
図5(B)は高炭素溶湯12とスクラップ20との混合溶解で得られた溶鋼のCu濃度のばらつきを示したものである。
同図ではCu濃度のぱらつきが小さくなっているが、これは前述した貯溜炉16内で高炭素溶湯12を貯溜することにより、Cu濃度が平均化された結果によるものである。
同図に示しているように本例のプロセス(溶鋼製造方法)によれば、同じように低級スクラップである銘柄H2甲山のものを用いたとしても、最終製品におけるCu濃度のばらつきを小さく抑えることができる。
【0060】
換言すれば、本発明のプロセスに従えば従来用いることが困難か或いは多く配合することが困難であったH2甲山の低級スクラップを用いながら良好な品質の溶鋼を得ることができる。
【0061】
以上本発明の実施例を詳述したがこれはあくまで一例示であり、本発明はその主旨を逸脱しない範囲において種々変更を加えた態様で実施可能である。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の溶鋼製造方法の実施の形態を示す図である。
【図2】図1に続くプロセスを示す図である。
【図3】図1の貯留炉における貯留に際しての高炭素溶湯の炭素濃度と貯留可能な時間との関係を示した図である。
【図4】鉄原料としてスケール材を用いたときの鉄回収率を比較例としての比較において示した図である。
【図5】(A):溶鋼製造実験において得られた各チャージごとのCu濃度のばらつきを示した図である。
(B):高炭素溶湯とスクラップの混合溶解により得られた溶鋼中のCu濃度のばらつきを示す図である。
【符号の説明】
10 アーク炉(電気炉)
12 高炭素溶湯
16 貯留炉
18 アーク炉(電気炉)
20 スクラップ

Claims (4)

  1. 鉄原料としてスクラップを用い、電気炉に該スクラップと炭材を装入して溶解し、C含有量が1%以上の高炭素溶湯を製造するとともに、該製造した高炭素溶湯を該電気炉よりも大容量の単一容器の貯留炉内に複数チャージ分貯留し、該貯留炉内の一部の高炭素溶湯を用いて製鋼炉で製鋼を行うことを特徴とする溶鋼製造方法。
  2. 請求項1において、前記製鋼炉に前記高炭素溶湯とスクラップとを装入して溶解を行い製鋼することを特徴とする溶鋼製造方法。
  3. 請求項1,2の何れかにおいて、前記製鋼炉として電気炉を用いることを特徴とする溶鋼製造方法。
  4. 請求項1〜3の何れかにおいて、前記鉄原料として前記スクラップとともにスケール材を用いることを特徴とする溶鋼製造方法。
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