JP4096804B2 - 仮眠用冷房装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、車両(例えば長距離用トラック)の仮眠室内を冷房する仮眠用冷房装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来、長距離用トラック等の車両の仮眠室を冷房する冷房装置としては、特許文献1に示すような装置が知られている。この従来装置は、図4に示すように、トラックの運転室12の後方側部位に、図示しないカーテンの如き仕切り部材で仕切られた仮眠室13を形成し、この仮眠室13内には仮眠用のベッド14を設置している。そして、仮眠室13の側方の壁面に冷却ユニット15を設置している。この冷却ユニット15は、その下方部に吸入口16を、また上方部に吹出口18を有し、更にその内部には蓄冷式冷却器と送風機とを設けている。ちなみにAはトラックの乗員である。
【0003】
蓄冷式冷却器は、車両の空調用冷凍サイクルに設けられた蓄冷用蒸発器と、この蒸発器にて蓄冷される蓄冷材とから構成され、トラックの走行時に蓄冷用蒸発器により蓄冷材を冷却して蓄冷材を凍結しておく。そして、トラックの停車時に乗員Aが仮眠室13で仮眠する時には、送風機を作動させて蓄冷材部分の通風路に送風し、この蓄冷材と送風空気との間で熱交換を行なって送風空気を冷却し、その冷却された空気を吹出口17から仮眠室13内に吹き出すようにしている。
【0004】
一方、近年、長距離用トラック等の車両では、キャビン(運転室)部分の省スペース化として、上述した休息に用いる仮眠室13を運転室12の上の天井上に設けたもの(トップスリーパー車)が出てきている。図5は、そのような運転室12の上部に仮眠室13を設けたトップスリーパー車のキャビンの断面図である。このような車両で仮眠室13を冷房する従来方法として、図4と同様に運転室12の隅に蓄冷式の冷却ユニット15を設置し、吹出ダクト18cを仮眠室13に接続して冷却ユニット15からの冷風を仮眠室13に供給するものである。
【0005】
【特許文献1】
特開平8−169229号公報
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記のトップスリーパー車において、運転室の隅に蓄冷式の冷却ユニットを設置するというのは運転室内を狭くするという問題がある。また、吸入口が運転室内にあるため、冷房負荷が大きくなって冷却効率が悪いうえ、吹出ダクトを追加することによる空気圧損も大きいという問題がある。また、コスト的にも不利である。本発明は、上記従来方法の問題に鑑みて成されたものであり、その目的は、運転室内を狭くすることなく、運転室上部の仮眠室内を効率良く冷房することのできる仮眠用冷房装置を提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために、下記の技術的手段を採用する。すなわち、請求項1に記載の発明では、冷却した空気を供給する冷房手段(15)を仮眠室(13)と運転室(12)との間の天井板(12a)直上、または天井板(12a)部分に設置し、冷房手段(15)は、冷却された空気を吹き出すために設けられた運転室(12)側の運転室側吹出口(18a)と、仮眠室(13)側の仮眠室側吹出口(18b)とを備えることを特徴とする。これは、トップスリーパー車は仮眠室(13)が運転室(12)の天井上に設置されているという点に着目し、仮眠室(13)冷房用の冷房手段(15)も、その仮眠室(13)内、または仮眠室(13)と運転室(12)との間の天井板(12a)部分に設置したものである。
【0008】
具体的に冷房手段(15)は、仮眠室(13)内に設置される仮眠用ベッドの下に設置されて省スペースとなっている。これにより、運転室(12)内を狭くすることがない。また、冷風を仮眠室(13)まで導く吹出ダクトが不要となるため、空気圧損が小さくなるうえ、コストも抑えることができる。
【0009】
請求項2に記載の発明では、冷房手段(15)は、蓄冷手段(17)を備えることを特徴とする。これにより、車両エンジンを停止させて(駐車して)仮眠している間や、停車してアイドルストップを行なっている時にも冷房を行なうことができ、省エネルギーと環境問題の観点より問題がない。
【0010】
請求項3に記載の発明では、冷房手段(15)は、両吹出口(18a、18b)を選択的に開口させる吹出口切換手段(20)を備え、運転室(12)と仮眠室(13)とを選択的に冷房を行なうことを特徴とする。
【0011】
これにより、仮眠時には吹出口切換手段(20)にて仮眠室(13)側冷房とし、荷物の積み卸し(いわゆる荷待ち)時や信号待ち等で停車してアイドルストップしている時には吹出口切換手段(20)にて運転室(12)側冷房に切り換えることができる。また、運転室(12)側冷房とした場合、天井上に設置した冷房手段(15)から、運転者を微冷風で包み込むような冷房ゾーン(いわゆるベール空調)を作り出すことができ、冷気を無駄にすることなく使って良好な冷房フィーリングを達成することができる。
【0012】
請求項4に記載の発明では、冷房手段(15)は、冷却する空気を取り込むために設けられた運転室(12)側の運転室側吸入口(16a)と、仮眠室(13)側の仮眠室側吸入口(16b)とを備えることを特徴とする。また、請求項5に記載の発明では、冷房手段(15)は、両吸入口(16a、16b)を選択的に開口させる吸入口切換手段(19)を備え、運転室(12)を冷房する場合には両切換手段(19、20)を操作して運転室側吸入口(16a)と運転室側吹出口(18a)とを開口させ、仮眠室(13)を冷房する場合には両切換手段(19、20)を操作して仮眠室側吸入口(16b)と仮眠室側吹出口(18b)とを開口させることを特徴とする。
【0013】
これにより、仮眠室(13)を冷房する場合には、仮眠室(13)内の空気を取り込んで冷却して仮眠室(13)内に吹き出すという小空間での循環となり、運転室(12)を冷房する場合には、運転室(12)内の空気を取り込んで冷却して運転室(12)内に吹き出すという小空間での循環となるため、いずれの場合も効率良く冷房を行なうことができる。
【0014】
請求項6に記載の発明では、仮眠用冷房装置を、車両のエンジンを停止させて仮眠室(13)で乗員が仮眠を取る際の仮眠室(13)の冷房に用いることを特徴とする。これにより、省エネルギーと環境問題の観点より問題がない。
【0015】
請求項7に記載の発明では、仮眠用冷房装置を、車両をアイドルストップさせている時の運転室(12)の冷房に用いることを特徴とする。これにより、省エネルギーと環境問題の観点より問題がない。
また、請求項8に記載の発明では、冷却した空気を供給する冷房手段(15)を仮眠室(13)内、または仮眠室(13)と運転室(12)との間の天井板(12a)部分に設置し、冷房手段(15)は、冷却された空気を吹き出すために設けられた運転室(12)側の運転室側吹出口(18a)と、仮眠室(13)側の仮眠室側吹出口(18b)と、両吹出口(18a、18b)を選択的に開口させる吹出口切換手段(20)とを備え、運転室(12)と仮眠室(13)とを選択的に冷房を行なうことを特徴としている。
また、請求項9に記載の発明では、冷房手段(15)は、冷却する空気を取り込むために設けられた運転室(12)側の運転室側吸入口(16a)と、仮眠室(13)側の仮眠室側吸入口(16b)と、両吸入口(16a、16b)を選択的に開口させる吸入口切換手段(19)とを備え、運転室(12)を冷房する場合には両切換手段(19、20)を操作して運転室側吸入口(16a)と運転室側吹出口(18a)とを開口させ、仮眠室(13)を冷房する場合には両切換手段(19、20)を操作して仮眠室側吸入口(16b)と仮眠室側吹出口(18b)とを開口させることを特徴としている。尚、上記各手段の括弧内の符号は、後述する実施形態に記載の具体的手段との対応関係を示す一例である。
【0016】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施形態を、図面に基づき説明する。図1は、本発明の一実施形態における冷房装置の設置形態を示すトラック車室内の概略説明図であり、本発明をトラック等の車両の仮眠室13内を冷房する仮眠用冷房装置に適用した例である。また、本実施形態での車両は、運転室12上方の天井上に仮眠室13が形成されているトップスリーパー車と呼ばれる例えば長距離用のトラックである。
【0017】
この仮眠室13と運転室12との間は天井板12aにより仕切られている。そして、仮眠室13において、上面にベッド14が形成された冷房手段としての冷房ユニット15が天井板12a上、または天井板(12a)部分に設置されている。ちなみにAは、ベッド14上で仮眠を取る乗員であり、2点鎖線で示す(A)は、運転席で運転中の乗員である。
【0018】
図2は、本発明の一実施形態における冷凍サイクルの模式図を示すものである。1は圧縮機で、トラックの図示しない走行用エンジンにより電磁クラッチ1aを介して駆動されるようになっている。2は圧縮機1から吐出された高温・高圧のガス冷媒を冷却し凝縮する凝縮器で、3はこの凝縮器2で凝縮した液冷媒を溜めて液冷媒のみを導出する受液器である。4は冷媒流れを断続する常開式の電磁弁、5は液冷媒を減圧し膨張させる減圧手段としての温度作動式膨張弁で、5aはその感温筒部分である。
【0019】
6は冷媒蒸発器で、トラックの運転室12内を空調するものであり、膨張弁5と共に運転室12前方の計器盤下方部に配設された空調ユニット7(図1には図示せず、図2の破線部)内に設置されている。この空調ユニット7内には図示しない送風機により空気が送風され、この送風空気が蒸発器6により冷却された後、図示しないヒータユニット、吹出口機構を経て運転室12内へ吹き出すようになっている。
【0020】
7aは上記運転室12空調用の機器(5・6)を有する空調用冷媒回路で、前記電磁弁4はこの空調用冷媒回路7aへの冷媒流れを断続する。8aは、この空調用冷媒回路7aと並列に設けられた蓄冷用冷媒回路で、9はこの蓄冷用冷媒回路8aに流入する液冷媒を減圧し膨張させる減圧手段としての定圧膨張弁で、その下流側が所定圧力以下に低下すると開弁するものである。
【0021】
10は蓄冷用冷媒蒸発器で、トラックの運転室12上方の天井上に設置された仮眠室13を冷却するための蓄冷用のものである。11は逆止弁で、空調用蒸発器6側から蓄冷用蒸発器10へ高温冷媒が逆流するのを防止して、蓄冷用蒸発器10の上流側から下流側への一方向のみに冷媒を流すものである。これら定圧膨張弁9・蓄冷用冷媒蒸発器10・逆止弁11とでクーラユニット8(図2の1点鎖線部)を構成している。
【0022】
図3は、本発明の一実施形態における冷房ユニット15の構造を示す斜視図である。冷房ユニット15は、図3に示すように横長の直方体形状で、蓋15aの上面に図示しない仮眠用ベッドが形成されており、この蓋15aの片隅に仮眠室13内の空気を吸入する仮眠室側吸入口16bが設けられている。また、人が乗っても充分な強度で形成された筐体15bを有し、この筐体15bの底面の片隅に、下の運転室12内の空気を吸入する運転室側吸入口16aが設けられている。
【0023】
この両吸入口16a・16bの間には、両吸入口16a・16bを選択的に開口させる吸入口切換手段としての吸入口切換ドア19が設けられており、この吸入口切換ドア19の後流には、両吸入口16a・16bのいずれかから吸入した空気を、後流のクーラユニット8へ送風する送風機17が設けられている。そして、筐体17b内の中央部には、上記したクーラユニット8が収められている。
【0024】
クーラユニット8の内部には、上記した蓄冷用冷媒蒸発器10が内蔵されているうえ、図示はしないが、アルミニウム製の多穴偏平チューブを蛇行状に曲げて形成した蒸発器10の各チューブ間には、内部に水や軟ゲル状の蓄冷材を収納し、外面に空気通路を形成した蓄冷手段としての蓄冷パックが挿入されている。そして、蒸発器10は蓄冷パックを冷却するための冷却手段となる。
【0025】
蓋15aの仮眠室側吸入口16bの略反対側には、蓄冷パックの空気通路を通って冷却された冷風を、仮眠室13内に吹き出す仮眠室側吹出口18bが形成されている(図3では4箇所)。また、筐体15bの運転室側吸入口16aの略反対側には、同じく蓄冷パックの空気通路を通って冷却された冷風を、運転室12内に吹き出す運転室側吹出口18aが形成されている。
【0026】
また、各吹出口には可変ルーバが設けられており、各吹出口毎で吹き出し方向の調節や、吹き出しを閉塞することもできるようになっている。そして、この両吹出口18a・18bの間には、両吹出口18a・18bを選択的に開口させる吹出口切換手段としての吹出口切換ドア20が設けられている。
【0027】
次に、上記構成における本実施形態での作動を説明する。トラック走行中(エンジン作動中)に図示しないエアコンスイッチが投入されると、電磁クラッチ1aに通電され、圧縮機1が電磁クラッチ1aを介して車両エンジンに連結され、圧縮機1はエンジンにより駆動されて作動する。
【0028】
この圧縮機1の作動により図2の冷凍サイクルに冷媒が循環する。すなわち、電磁弁4は常開式であるため、この電磁弁4を通って空調用冷媒回路7aに冷媒が循環し、空調用蒸発器6にて空調ユニット7の送風機の送風空気が冷却・除湿され、トラック運転室12の空調を行なう。この時、蓄冷用冷媒回路8aの定圧膨張弁9はその下流側圧力が所定圧(例えば冷媒R134aの場合:1.0Kg/cm2 、蒸発温度:−10°C)以下に低下しないので、閉弁した状態を維持する。
【0029】
上記トラック走行中に、図示しない蓄冷スイッチを投入すると、電磁弁制御回路が始動して、この制御回路から電磁弁4に所定時間間隔にて通電信号が入力され、電磁弁4が所定時間間隔ごとに短時間だけ閉弁する。すると、空調用冷媒回路7aへの冷媒が遮断されるので、圧縮機1の冷媒吸入作用により蓄冷用冷媒回路8aの圧力が急激に低下して、前記所定圧以下となり、定圧膨張弁9が開弁する。この定圧膨張弁9の開弁は断続的に短時間だけ行われるので、空調用蒸発器6の冷却作用低下への影響は非常に小さい。
【0030】
定圧膨張弁9の断続的な開弁による冷媒供給によって蓄冷用蒸発器10が蓄冷パックの冷却作用を果して、蓄冷パック内の蓄冷材(水等)を凍結させ、蓄冷をしておく。そして、トラック駐車時に、仮眠室13で運転者等が仮眠する時には、図示しない仮眠用冷房装置制御パネルに設けられた冷房作動スイッチの仮眠室側をONにする。これにより、図示しない仮眠用冷房制御装置は両切換ドア19・20を操作して仮眠室側吸入口16bと仮眠室側吹出口18bとを開口させる。
【0031】
そして、送風機17の速度制御レバーを操作して、車載バッテリを電源として送風機17を作動させる。すると、仮眠室13内の空気を取り込んで冷房ユニット15の筐体17b内にその取り込んだ空気が流れ、送風空気は蓄冷パックと蒸発器10との間の空気流路を通過する時に蓄冷パックと熱交換して、冷却されて冷風となり、仮眠室側吹出口18bから仮眠室13内へ吹き出し、仮眠室13内の冷房を行なう。そして、蓄冷パック内の蓄冷材が完全に融解して温度上昇するまでの間、駐車時に仮眠室13内の冷房を行なうことができる。
【0032】
また、トラック停車時にアイドルストップする車両においては、図示しない仮眠用冷房装置制御パネルに設けられた冷房作動スイッチの運転室側をONにする。これにより、図示しない仮眠用冷房制御装置は両切換ドア19・20を操作して運転室側吸入口16aと運転室側吹出口18aとを開口させると共に、車両のアイドルストップが作動した時に、送風機17の速度制御レバーに応じて、車載バッテリを電源として送風機17を作動させる。
【0033】
すると、運転室12内の空気を取り込んで冷房ユニット15の筐体17b内にその取り込んだ空気が流れ、送風空気は蓄冷パックと蒸発器10との間の空気流路を通過する時に蓄冷パックと熱交換して、冷却されて冷風となり、運転室側吹出口18aから運転室12内へ吹き出し、運転室12内の冷房を行なう。そして、蓄冷パック内の蓄冷材が完全に融解して温度上昇するまでの間、停車中に運転室12内の冷房を行なうことができる。
【0034】
次に、本実施形態での特徴を述べる。まず、冷却した空気を供給する冷房ユニット15を仮眠室13内に設置した。これは、トップスリーパー車は仮眠室13が運転室12の天井上に設置されているという点に着目し、仮眠室13冷房用の冷房ユニット15も、その仮眠室13内に設置したものである。
【0035】
具体的に冷房ユニット15は、仮眠室13内に設置される仮眠用ベッドの下に設置されて省スペースとなっている。これにより、運転室12内を狭くすることがない。また、仮眠室13内の空気を取り込んで冷却して仮眠室13内に吹き出すという小空間での循環が可能となるため、仮眠室13内を効率良く冷房することができる。また、冷風を仮眠室13まで導く吹出ダクトが不要となるため、空気圧損が小さくなるうえ、コストも抑えることができる。
【0036】
また、冷房ユニット15は、蓄冷パックを備えている。これにより、車両エンジンを停止させて(駐車して)仮眠している間や、停車してアイドルストップを行なっている時にも冷房を行なうことができ、省エネルギーと環境問題の観点より問題がない。
【0037】
また、冷房ユニット15は、冷却された空気を吹き出すために設けられた運転室12側の運転室側吹出口18aと、仮眠室13側の仮眠室側吹出口18bと、両吹出口18a・18bを選択的に開口させる吹出口切換ドア20とを備え、運転室12と仮眠室13とを選択的に冷房を行なっている。
【0038】
これにより、仮眠時には吹出口切換ドア20にて仮眠室13側冷房とし、荷物の積み卸し(いわゆる荷待ち)時や信号待ち等で停車してアイドルストップしている時には吹出口切換ドア20にて運転室12側冷房に切り換えることができる。また、運転室12側冷房とした場合、天井上に設置した冷房ユニット15から、運転者を微冷風で包み込むような冷房ゾーン(いわゆるベール空調)を作り出すことができ、冷気を無駄にすることなく使って良好な冷房フィーリングを達成することができる。
【0039】
また、冷房ユニット15は、冷却する空気を取り込むために設けられた運転室12側の運転室側吸入口16aと、仮眠室13側の仮眠室側吸入口16bと、両吸入口16a・16bを選択的に開口させる吸入口切換ドア19とを備え、運転室12を冷房する場合には両切換ドア19・20を操作して運転室側吸入口16aと運転室側吹出口18aとを開口させ、仮眠室13を冷房する場合には両切換ドア19・20を操作して仮眠室側吸入口16bと仮眠室側吹出口18bとを開口させている。
【0040】
これにより、仮眠室13を冷房する場合には、仮眠室13内の空気を取り込んで冷却して仮眠室13内に吹き出すという小空間での循環となり、運転室12を冷房する場合には、運転室12内の空気を取り込んで冷却して運転室12内に吹き出すという小空間での循環となるため、いずれの場合も効率良く冷房を行なうことができる。
【0041】
また、仮眠用冷房装置を、車両のエンジンを停止させて仮眠室13で乗員が仮眠を取る際の仮眠室13の冷房、および車両をアイドルストップさせている時の運転室12の冷房に用いている。これにより、省エネルギーと環境問題の観点より問題がない。
【0042】
(その他の実施形態)
上述の実施形態では、仮眠する時に冷房作動スイッチの仮眠室側をONにするようにしているが、本発明はこれに限るものではなく、予め冷房作動スイッチの仮眠室側をONにしておくと、蓄冷完了と同時に仮眠室冷房運転を行ない、仮眠に備えて予め仮眠室13を冷やしておくようにしても良い。またその時、運転室側もONにしておくと、上記仮眠室冷房運転を行ないつつ、その間にアイドルストップが作動し場合は運転室冷房運転に切り換えるようにしても良い。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態における冷房装置の設置形態を示すトラック車室内の概略説明図である。
【図2】本発明の一実施形態における冷凍サイクルの模式図である。
【図3】本発明の一実施形態における冷房ユニットの構造を示す斜視図である。
【図4】従来の冷房装置の設置形態を示すトラック車室内の概略説明図である。
【図5】従来の冷房装置の設置形態を示すトラック車室内の概略説明図である。
【符号の説明】
12 運転室
13 仮眠室
14 仮眠用ベッド
15 冷房ユニット(冷房手段)
16a 運転室側吸入口
16b 仮眠室側吸入口
17 蓄冷パック(蓄冷手段)
18a 運転室側吹出口
18b 仮眠室側吹出口
19 吸入口切換ドア(吸入口切換手段)
20 吹出口切換ドア(吹出口切換手段)
Claims (9)
- 運転室(12)の天井上に、人が仮眠を取るための仮眠室(13)を設けた車両において、
冷却した空気を供給する冷房手段(15)を仮眠室(13)と運転室(12)との間の天井板(12a)直上、または前記天井板(12a)部分に設置し、
前記冷房手段(15)は、冷却された空気を吹き出すために設けられた前記運転室(12)側の運転室側吹出口(18a)と、前記仮眠室(13)側の仮眠室側吹出口(18b)とを備えることを特徴とする仮眠用冷房装置。 - 前記冷房手段(15)は、蓄冷手段(17)を備えることを特徴とする請求項1に記載の仮眠用冷房装置。
- 前記冷房手段(15)は、前記両吹出口(18a、18b)を選択的に開口させる吹出口切換手段(20)を備え、前記運転室(12)と前記仮眠室(13)とを選択的に冷房を行なうことを特徴とする請求項1または請求項2に記載の仮眠用冷房装置。
- 前記冷房手段(15)は、冷却する空気を取り込むために設けられた前記運転室(12)側の運転室側吸入口(16a)と、前記仮眠室(13)側の仮眠室側吸入口(16b)とを備えることを特徴とする請求項3に記載の仮眠用冷房装置。
- 前記冷房手段(15)は、前記両吸入口(16a、16b)を選択的に開口させる吸入口切換手段(19)を備え、前記運転室(12)を冷房する場合には前記両切換手段(19、20)を操作して前記運転室側吸入口(16a)と前記運転室側吹出口(18a)とを開口させ、前記仮眠室(13)を冷房する場合には前記両切換手段(19、20)を操作して前記仮眠室側吸入口(16b)と前記仮眠室側吹出口(18b)とを開口させることを特徴とする請求項4に記載の仮眠用冷房装置。
- 前記車両のエンジンを停止させて前記仮眠室(13)で乗員が仮眠を取る際の前記仮眠室(13)の冷房に用いることを特徴とする請求項2ないし5のいずれかに記載の仮眠用冷房装置。
- 前記車両をアイドルストップさせている時の前記運転室(12)の冷房に用いることを特徴とする請求項1ないし5のいずれかに記載の仮眠用冷房装置。
- 運転室(12)の天井上に、人が仮眠を取るための仮眠室(13)を設けた車両において、
冷却した空気を供給する冷房手段(15)を前記仮眠室(13)内、または仮眠室(13)と運転室(12)との間の天井板(12a)部分に設置し、
前記冷房手段(15)は、冷却された空気を吹き出すために設けられた前記運転室(12)側の運転室側吹出口(18a)と、前記仮眠室(13)側の仮眠室側吹出口(18b)と、前記両吹出口(18a、18b)を選択的に開口させる吹出口切換手段(20)とを備え、前記運転室(12)と前記仮眠室(13)とを選択的に冷房を行なうことを特徴とする仮眠用冷房装置。 - 前記冷房手段(15)は、冷却する空気を取り込むために設けられた前記運転室(12)側の運転室側吸入口(16a)と、前記仮眠室(13)側の仮眠室側吸入口(16b)と、前記両吸入口(16a、16b)を選択的に開口させる吸入口切換手段(19)とを備え、前記運転室(12)を冷房する場合には前記両切換手段(19、20)を操作して前記運転室側吸入口(16a)と前記運転室側吹出口(18a)とを開口させ、前記仮眠室(13)を冷房する場合には前記両切換手段(19、20)を操作して前記仮眠室側吸入口(16b)と前記仮眠室側吹出口(18b)とを開口させることを特徴とする請求項8に記載の仮眠用冷房装置。
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