JP4095726B2 - 高周波焼入れ装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、誘導コイルを被焼入れ面に沿って走行させることにより、被焼入れ面表層を加熱し、焼入れを行う装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
長尺の被焼入れ面を有する鋼製品の表面焼入れ方法として、誘導コイルを用いた高周波焼入れが知られており、工作機械用のベッドの摺動面に対する焼入れにも使用されている。従来の高周波焼入れ装置は、ワーク取付定盤上に取り付けた被焼入れ材に沿って走行する走行台車に誘導コイルを取り付けておき、その誘導コイルを被焼入れ材の被焼入れ面に所定のクリアランスで対向する位置に位置決めし、その状態で前記走行台車を走行させることで被焼入れ面を連続的に誘導加熱し、焼入れする構成となっていた。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、従来の高周波焼入れ装置は、水平状態に位置決めした被焼入れ面に対して誘導コイルを所定のクリアランスで対向するように位置決めが必要な構成となっており、このため、被焼入れ面が傾斜した被焼入れ材に対する焼入れの際には、被焼入れ材のセットに手間がかかるという問題があった。例えば、工作機械用のベッドとして、摺動面を傾斜させた構造のスラント型のものが多く使用されているが、このスラント型ベッドの摺動面に対して焼入れを行う場合には、そのスラント型ベッドを大型のVブロックに、被焼入れ面である摺動面が上側に位置して水平状態となるように載せ、ダイヤルゲージ等を使用して水平面を正確に位置出しする必要があり、その作業に多大な手間と時間がかかるという問題があった。例えば、幅750×高さ1000×長さ8000(mm)のスラント型ベッドのセットには約60分もの時間を要していた。また、多数のVブロックを必要とする為、Vブロックの管理に多大なスペースと手間を要していた。
【0004】
本発明は、上述の問題点に鑑みて為されたもので、スラント型のベッドの傾斜した摺動面に対する焼入れを行う場合のように、被焼入れ材の傾斜した被焼入れ面に対する加熱を行う場合にも、被焼入れ面を水平に位置決めすることなく、傾斜したままの状態でセットしても、その傾斜した被焼入れ面に対して誘導加熱することを可能とするとともに、誘導コイルを被焼入れ面に対して一定のクリアランスを保って移動させることを可能とした高周波焼入れ装置を提供することを目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】
本発明の高周波焼入れ装置は、長尺で傾斜した被焼入れ面を備えた被焼入れ材の前記被焼入れ面に対する焼入れを行うことの可能なものであって、前記被焼入れ材を取り付けるためのワーク取付定盤と、高周波発振器を搭載し、水平な直線状の経路に沿って、前記ワーク取付定盤の上方を走行可能な走行台車と、該走行台車を走行させる走行機構と、前記走行台車に保持され、前記走行台車の走行方向に直角な上下方向及び左右方向に移動可能な移動台と、該移動台を上下方向に移動させる昇降機構と、前記移動台を左右方向に移動させる左右移動機構と、前記移動台に、前記走行台車の走行方向に平行な軸線を中心として旋回可能に保持された焼入れユニットであって、前記被焼入れ面の長手方向の小区間を加熱可能な形状の誘導コイルと、それに高周波電流を供給するトランスと、前記誘導コイルを前記トランスに一体的に旋回するように保持させると共に電気的に導通させる一対のリードと、前記トランスを保持して旋回可能な旋回ベースを備えた焼入れユニットと、該焼入れユニットを、前記誘導コイルが前記被焼入れ面に対応した所望の傾斜角度となるように旋回させるユニット旋回機構とを有し、前記移動台の左右方向の移動範囲及び前記焼入れユニットの旋回範囲を、前記ワーク取付定盤上に、被焼入れ面を右向き及び左向きのいずれの方向に向けて取り付けた被焼入れ材の前記被焼入れ面に対しても前記誘導コイルを対向させることができるように設定していることを特徴とする。
【0006】
上記構成の高周波焼入れ装置では、長尺で傾斜した被焼入れ面を有する被焼入れ材を、単にその長手方向が走行台車の走行方向に平行になるようにセットしておけば、ユニット旋回機構で焼入れユニットを、誘導コイルが前記被焼入れ面に対応した所望の傾斜角度となる位置に旋回させ、昇降機構及び左右移動機構で焼入れユニットを、誘導コイルが被焼入れ面に対する所望のクリアランスとなる位置に移動させることができ、これによって、誘導コイルを任意の傾斜角の被焼入れ面の焼入れに好適な位置に位置決めでき、その状態で走行台車を走行させることで、誘導コイルを被焼入れ面に沿って移動させ、被焼入れ面を良好に誘導加熱して焼入れを行うことができる。
【0007】
ここで、更に、上記した焼入れユニットに、直交する二つの被焼入れ面に対する誘導コイルのクリアランスを検出する3個のセンサを、2個が一つの被焼入れ面の幅方向に離れた位置に対向し、残りの1個が他の被焼入れ面に対向するように取り付けると共に、前記走行台車の走行によって前記焼入れユニットの誘導コイルが前記被焼入れ面に沿って移動するとき、前記誘導コイルの被焼入れ面に対するクリアランスを一定に保つよう、前記センサの検出信号に応じて前記昇降機構、左右移動機構、ユニット旋回機構を制御して焼入れユニットの位置を制御する制御装置を設けることが好ましい。この構成とすると、長尺の被焼入れ面の位置が、被焼入れ材の取付位置の誤差、或いは焼入れのための加熱に伴う熱変形等によって誘導コイルの移動方向に変化していても、誘導コイルが常に被焼入れ面の傾斜に一致した傾斜となり且つ被焼入れ面に対して一定のクリアランスを保って移動でき、被焼入れ面を均一に誘導加熱して均一な焼入れを行うことができる。
【0008】
【発明の実施の形態】
以下、図面に示す本発明の好適な実施例を説明する。図1は本発明の一実施例による高周波焼入れ装置の概略正面図、図2はその装置の概略側面図である。図1、図2において、1は水平に設けられたレール、2はそのレール1に保持され、レール1で構成される水平な直線状の経路に沿って移動可能な走行台車である。この走行台車2は走行機構(図示せず)によってレール1に沿って所望の速度で走行する構成となっている。走行機構としては、公知の任意の手段を使用可能であり、例えば、レール1に沿って設けたラックと、走行台車2に保持され、そのラックにかみ合うギア及びそのギアを回転駆動するサーボモータ等を備えたもの、レール1に沿って設けたねじ軸及びそのねじ軸を回転駆動するサーボモータと、走行台車2に保持され、前記ねじ軸にかみ合うナット等を備えたもの等を挙げることができる。なお、本明細書並びに図面において走行台車2の移動方向をX−X方向又はX軸方向、それに直角で且つ水平方向(走行台車2に対して左右方向)をY−Y方向又はY軸方向、垂直方向をZ−Z方向又はZ軸方向と称する。
【0009】
走行台車2は、高周波発振器4、制御盤5等を搭載している。また、その走行台車2の先端部には、Y軸方向に延びるように横梁8が設けられ、図3にも拡大して示すように、横梁8の前面及び上面にそれぞれY軸方向に延びるガイドレール9が取り付けられ、且つねじ軸10も平行に設けられている。ねじ軸10にはサーボモータ(図示せず)がプーリ、ベルト等を介して駆動連結されている。このガイドレール9には移動ブロック12が移動可能に保持されており、その移動ブロック12はねじ軸10にかみ合うナットを備えている。かくして、ねじ軸10をサーボモータで回転させることにより、移動ブロック12はY軸方向(左右方向)に移動し、サーボモータを制御することで移動ブロック12の位置制御を行うことができる。
【0010】
移動ブロック12はカバー13を備えており、その内側に出入りするように、移動台14が垂直方向に即ちZ軸方向に移動可能に保持されている。更に詳しく説明すると、図1から良く分かるように、移動台14は、Z軸方向に長い長方形状の枠体15を備えており、図3、図5に拡大して示すように枠体15の一方の面に一対のガイドレール16が設けられ、そのガイドレール16が移動ブロック12に取り付けられているスライダー17に垂直方向に摺動可能に保持されている。なお、図3、図5ではカバー13は図示を省略している。移動台14は、中央に垂直にねじ軸20を回転しないように保持している。一方、図3から良く分かるように、移動ブロック12はねじ軸20にかみ合うナット21を回転自在に保持した支持部材22と、そのナット21に一体回転するように取り付けられたプーリ23と、ナット21を回転駆動するためのサーボモータ24、プーリ25、ベルト26等を備えている。かくして、サーボモータ24によってナット21を回転させることにより、移動台14をZ軸方向に往復動、即ち昇降させることができ、そのサーボモータ24の制御で移動台14の位置制御を行うことができる。従って、本実施例では、サーボモータ24、ナット21、ねじ軸20等が、移動台を上下方向に移動させる昇降機構を構成する。また、移動ブロック12を左右に移動させるためのねじ軸10、サーボモータ、ナット等が、移動台を左右方向に移動させる左右移動機構を構成する。
【0011】
移動台14の下端位置には支持体30が取り付けられ、その支持体30には、走行台車の移動方向(X−X方向)に平行な軸線O−Oを中心として旋回可能に焼入れユニット31が保持されている。すなわち、焼入れユニット31は、図4、図5にも示すように、軸部32aを備えた旋回ベース32を有しており、その軸部32aが軸受33を介して支持体30に軸線O−Oを中心として回転可能に保持されている。この旋回ベース32上には、高周波発振器4(図1、図2参照)からの高周波電流を、負荷に整合するようにインピーダンス変換するためのトランス35が保持され、そのトランス35の下面には、誘導コイルに対する接続端子を構成する一対のリード37、37が固定されており、その一対のリード37、37に誘導コイル40の一対の接続端40a、40aが固定され、トランス35と一体化されている。このように、トランス35、リード37、誘導コイル40を一体化し、一緒に動くようにしたことにより、トランスから誘導コイル40への通電経路を短くでき、通電損失を最小とすることができる利点が得られる。
【0012】
ここで用いる一対のリード37、37は誘導コイル40を固定、保持しうる構成のものであれば、形状、構造等は任意であるが、本実施例では、図6に示すように、全体が低い略三角形状をなしており、その底辺の3ヵ所にコイル固定爪41を設け、レバー42によって操作軸43を正逆方向に回転させることで、コイル固定爪41を誘導コイル40の接続端40aを固定する位置及び解放する位置に移動させることができる構成のものを用いている。この構成のリード37を用いることにより、誘導コイル40を焼入れの対象とする被焼入れ面の位置に応じて所望の位置に容易に配置することができる。なお、図示は省略しているが、リード37及び誘導コイル40には冷却用の配管が取り付けられている。
【0013】
誘導コイル40は、銅板等の自己保形可能な剛性を備えた導電体で作られており、接続端40aと、それに続くリード部40bと、先端の誘導部40cを備えている。誘導部40cは、焼入れの対象とする被焼入れ面の長手方向の小区間を加熱可能な形状に作られている。本実施例に用いている誘導コイル40はスラント型のベッドの摺動面を焼入れするために加熱するものであり、図7(a)、(b)、(c)に示すように、先端の誘導部40cはスラント型ベッド45の一つの摺動部45aの摺動面45aa、45ab、45ac、45adを取り囲む形状に作られている。この誘導部40cは、平行に一対設けられており、先端を連結部40dで相互に連結することで一体化されている。この構成により、一対の誘導部40cを電流が逆方向に流れ、対向する摺動面に図7(c)に二点鎖線で示すような渦電流を効率よく発生させることができる。
【0014】
図4、図5、図6において、焼入れユニット31を軸線O−Oを中心として旋回可能に保持した支持体30は、軸線O−Oを中心としたギア47を固定、保持している。一方、焼入れユニット31の旋回ベース32にはサーボモータ48が取り付けられ、ギア47にかみ合ったギア49に駆動連結されている。かくして、サーボモータ48がギア49を回転させることにより、旋回ベース32を所望の角度位置に旋回させることができ、誘導コイル40を被焼入れ面(摺動面45aa、45ab、45ac、45ad)に適合する角度に設定できる。従って、このギア47、49、サーボモータ48等は、焼入れユニットを、誘導コイルが被焼入れ面に対応した所望の傾斜角度となるように旋回させるユニット旋回機構を構成する。
【0015】
図4、図5において、旋回ベース32の先後端の下面には、水平にガイドバー51が設けられ、一方のガイドバー51にセンサユニット52が取り付けられている。このセンサユニット52は、被焼入れ面と誘導コイル40のクリアランスを検出するためのもので、図8に示すように、スラント型のベッド45の摺動面45aaに対向配置される第一センサ53Aと、摺動面45abに対向配置される第二センサ53B及び第三センサ53Cを備えている。これらのセンサ53A、53B、53Cはそれぞれ、対向する摺動面に対する間隔を検出するものであり、この検出値から、摺動面(被焼入れ面)と誘導コイル40とのクリアランスを検出できる。センサユニット52からの検出信号は、焼入れユニット31を昇降させる昇降機構、左右に移動させる左右移動機構、軸線O−Oの中心として旋回させるユニット旋回機構等を制御する制御装置に入力され、誘導コイル40を被焼入れ面に対して常に一定のクリアランスとなる位置に制御するために使用される。
【0016】
図1、図2において、60は一対のレール1、1の間に設けられたワーク取付定盤であり、その上に焼入れを施すべき被焼入れ材として、スラント型のベッド45が2台取り付けられている。このベッド45は、焼入れを施すべき複数の摺動部45a、45b、45c、45dを備えたものであり、その摺動部の摺動面が傾斜した状態のままで、その摺動面がX軸方向に平行となるようにワーク取付定盤60上に固定されている。
【0017】
なお、図示を省略しているが、走行台車2には外部の電源、水供給源等から、電気配線、水配管等が走行台車2の走行を許容するように、ケーブルベア等を介して接続されている。また、走行台車2から焼入れユニット31に対しても、電気配線、信号線、水配管等が接続されており、これらの接続経路内の適当な位置にも、焼入れユニット31の旋回や移動を許容するよう、ケーブルベアや可撓性の材料が使用されている。
【0018】
次に、上記構成の高周波焼入れ装置を用いたベッド45の摺動面の焼入れ動作を説明する。図1に示すように、焼入れを施すべきベッド45をワーク取付定盤60上にセットする。この際、ベッド45は単にワーク取付定盤60の水平な取付面上に載置し、ベッド45の長手方向がX軸方向に平行となるように調整するのみでよく、このため、容易に且つ短時間でセットすることが可能である。例えは、幅750×高さ1000×長さ8000(mm)のスラント型ベッドをセットする際、従来のVブロックを用いた場合には約60分もの時間を要したが、本実施例では約10分でセット可能である。なお、ワーク取付定盤60上にセットするベッド45は1個でもよいが、本実施例では作業能率を上げるため2個取り付けている。
【0019】
次に、最初に焼入れを行うべき摺動部45aに対応した誘導コイル40をリード37の所望位置にコイル取付爪41(図6参照)によって取り付け、且つセンサユニット52を誘導コイル40の進行方向の前側に配置し、センサ53A、53B、53Cの位置をその摺動部45aに対応した位置に調整する。次いで、焼入れユニット31を軸線O−Oを中心として旋回させることにより、誘導コイル40先端の誘導部40cの傾きを摺動部45aの傾斜に一致させ、且つ、その焼入れユニット31を昇降機構、左右移動機構によって上下、左右に移動させて誘導コイル40先端の誘導部40cの位置を摺動部45aに対応する位置とする。これにより、誘導コイル40先端の誘導部40cが図7(b)に示すように、摺動部45aの摺動面45aa、45ab、45ac、45ad(被焼入れ面)を誘導加熱するのに適した位置に位置決めされ、且つセンサユニット52の各センサ53A、53B、53Cが図8に示すように摺動面に対して所定の間隔となる位置に位置決めされる。
【0020】
次に、誘導コイル40に通電した状態で走行台車2が所定の速度でX軸方向に走行し、誘導コイル40先端の誘導部40cが図7(b)、(c)に示すように、摺動部45aの各摺動面45aa、45ab、45ac、45adを取り囲んだ状態でその摺動部45aの長手方向に走行し、その誘導部40cに対向する長手方向の小区間の表層部を焼入れに必要な温度に誘導加熱しながら移動する。また、この時、誘導コイル40に先行してセンサユニット52の各センサ53A、53B、53Cが対向する摺動面との間隔を検出しており、その間隔が一定に保持されるように、焼入れユニット31の上下左右の位置及び軸線O−Oを中心とする旋回角度が制御される。かくして、誘導コイル40の走行中、その先端の誘導部40cが常に加熱すべき摺動面45aa、45ab、45ac、45adに対して一定のクリアランスに保持されており、各摺動面の表層を均一な温度に誘導加熱し、均一な焼入れが行われる。
【0021】
走行台車2の走行により、誘導コイル40が焼入れすべき摺動部45aの一端から他端まで走行し、摺動部45aの全長に焼入れを行うと、一旦走行台車2を停止させる。次いで、誘導コイル40を、次に焼入れすべき摺動部45bに対応するものに交換し、また、センサユニット52の取付位置及び各センサの位置を摺動部45bに対応するように調整し、その後、走行台車2を前回とは反対方向に走行させて、誘導コイルによって次の摺動部45bを誘導加熱し、焼入れを行う。以下、同様の動作を他の摺動部45c、45dについて繰り返すことで、1台のスラント型ベッド45に対する所定の焼入れが行われ、その後、他のスラント型ベッド45に対しても同様の動作を繰り返すことで所定の焼入れが行われる。かくして、ワーク取付定盤60上に2台のスラント型ベッド45をセットしておくことにより、能率良く焼入れ加工を行うことができる。
【0022】
【発明の効果】
以上に説明したように、本発明は、誘導コイルを備えた焼入れユニットを、水平な軸線を中心として旋回可能に移動台に保持させると共に、その移動台を、水平に走行する走行台車に対して前記水平な軸線が走行台車の走行方向に平行となるように、且つ上下左右に移動可能に保持させるという構成としたことにより、焼入れユニットを移動台に対して所望の角度位置に旋回させることで、誘導コイルを傾斜した被焼入れ面に適合する角度とし、且つ移動台を上下左右の所望位置に移動させることで誘導コイルを焼入れ面に対する所望のクリアランスとすることができ、その状態で走行台車を走行させることで、誘導コイルを被焼入れ面に対する所定位置に位置決めした状態で被焼入れ面に沿って走行させることができ、被焼入れ面を連続的に加熱して良好な焼入れを行うことができる。このため、被焼入れ材をセットするに際し、従来のようにVブロックを用いて被焼入れ面を水平等のあらかじめ定めた角度位置に調整するといった動作が不要となり、従って、被焼入れ材を単にワーク取付定盤の水平な支持面上に載置すればよく、被焼入れ材のセット作業を容易に且つ短時間で実施でき、焼入れ加工の生産性を上げることができるという効果が得られる。また、Vブロックが不要になるのでVブロックの製作、管理に要するコストを省くことができると言った効果も得られる。更に、移動台の左右方向の移動範囲及び焼入れユニットの旋回範囲を、ワーク取付定盤上に、被焼入れ面を右向き及び左向きのいずれの方向に向けて取り付けた被焼入れ材の前記被焼入れ面に対しても誘導コイルを対向させることができるように設定したことにより、右向き及び左向きのいずれの方向を向いた被焼入れ面に対しても焼入れを行うことができ、ワーク取付定盤上に2個の被焼入れ材を、被焼入れ面が右向き、左向きとなるようにセットして、順次焼入れを行うこともでき、能率良く焼入れ加工を行うことができ、また、誘導コイルをトランスに一対のリードによって一体的に旋回するように保持させる構成としたことにより、トランスから誘導コイルへの通電経路を短くでき、通電損失を最小とすることができるという効果も得られる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例による高周波焼入れ装置の概略正面図
【図2】図1に示す装置を、焼入れユニットを水平状態として示す概略側面図
【図3】図1に示す装置における移動ブロック、移動台等を示す概略側面図
【図4】図1に示す装置における移動台下端部、焼入れユニット等を示す概略側面図
【図5】図4のA−A矢視概略断面図
【図6】図1に示す装置の焼入れユニットの概略正面図
【図7】(a)誘導コイルの先端部分を示す概略斜視図
(b)誘導コイルで摺動部を加熱している状態を示す概略断面図
(c)上記(b)に示す部分を矢印B方向に見た概略平面図
【図8】センサユニットで摺動面の位置検出を行う状態を示す概略断面図
【符号の説明】
1 レール
2 走行台車
4 高周波発振器
5 制御盤
8 横梁
9 ガイドレール
10 ねじ軸
12 移動ブロック
14 移動台
15 枠体
16 ガイドレール
20 ねじ軸
30 支持体
31 焼入れユニット
32 旋回ベース
35 トランス
37 リード
40 誘導コイル
52 センサユニット
Claims (2)
- 長尺で傾斜した被焼入れ面を備えた被焼入れ材の前記被焼入れ面に対して焼入れを行うことの可能な高周波焼入れ装置であって、前記被焼入れ材を取り付けるためのワーク取付定盤と、高周波発振器を搭載し、水平な直線状の経路に沿って、前記ワーク取付定盤の上方を走行可能な走行台車と、該走行台車を走行させる走行機構と、前記走行台車に保持され、前記走行台車の走行方向に直角な上下方向及び左右方向に移動可能な移動台と、該移動台を上下方向に移動させる昇降機構と、前記移動台を左右方向に移動させる左右移動機構と、前記移動台に、前記走行台車の走行方向に平行な軸線を中心として旋回可能に保持された焼入れユニットであって、前記被焼入れ面の長手方向の小区間を加熱可能な形状の誘導コイルと、それに高周波電流を供給するトランスと、前記誘導コイルを前記トランスに一体的に旋回するように保持させると共に電気的に導通させる一対のリードと、前記トランスを保持して旋回可能な旋回ベースを備えた焼入れユニットと、該焼入れユニットを、前記誘導コイルが前記被焼入れ面に対応した所望の傾斜角度となるように旋回させるユニット旋回機構とを有し、前記移動台の左右方向の移動範囲及び前記焼入れユニットの旋回範囲を、前記ワーク取付定盤上に、被焼入れ面を右向き及び左向きのいずれの方向に向けて取り付けた被焼入れ材の前記被焼入れ面に対しても前記誘導コイルを対向させることができるように設定していることを特徴とする高周波焼入れ装置。
- 更に、前記焼入れユニットに保持され、直交する二つの被焼入れ面に対する誘導コイルのクリアランスを検出する3個のセンサと、前記走行台車の走行によって前記焼入れユニットの誘導コイルが前記被焼入れ面に沿って移動するとき、前記誘導コイルの被焼入れ面に対するクリアランスを一定に保つよう、前記センサの検出信号に応じて前記昇降機構、左右移動機構、ユニット旋回機構を制御して焼入れユニットの位置を制御する制御装置を有し、前記3個のセンサのうち、2個のセンサは一つの被焼入れ面の幅方向に離れた位置に対向配置され、残りの1個のセンサは他の被焼入れ面に対向配置されていることを特徴とする請求項1記載の高周波焼入れ装置。
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