JP4093202B2 - インクジェット記録用紙およびインクジェット記録用紙の製造方法 - Google Patents

インクジェット記録用紙およびインクジェット記録用紙の製造方法 Download PDF

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Description

本発明は、インクジェット記録用紙の波打ち、特に画像記録後のコックリングの良好なインクジェット記録用紙に関する。特に、通紙性に優れ、高光沢で記録画像の見栄えの良好なインクジェット記録用紙に関する。
水性インクを微細なノズルからインクジェット記録用紙に向かって噴出し、インクジェット記録用紙表面上に画像を形成させるインクジェット記録方式は、記録時の騒音が少ないこと、フルカラー画像の形成が容易であること、高速記録が可能であること、および、他の印刷装置より記録コストが安価であることなどの理由により、端末プリンタ、ファクシミリ、プロッタ、あるいは帳票印刷等で広く利用されている。
近年、プリンタの急速な普及と、高精細・高速化により、インクジェット記録用紙には、従来以上のインク吸収速度の向上が求められ、さらにはデジタルカメラの登場により、銀塩方式の写真に匹敵する画像の均一性の実現が強く求められている。また、記録画像の品質を写真画像の品質により近づけるために、画像記録濃度や光沢性の更なる向上が望まれている。
一方で、銀塩写真に並ぶ画像を実現するために、インク吐出量も増しており、インク溶媒である水が紙基材まで浸透し、紙基材の伸縮による波打ちを起こし、プリンター通紙時に記録ヘッドと擦れて画像欠陥を生じたり、画像記録後も波打ちが残って見栄えを損なう課題がある。こうした課題を解決するため、ポリエチレンのような合成樹脂を両面に押出しラミネートした樹脂被覆紙が常用されてきた。
しかし、樹脂被覆紙を古紙として回収しようとすると皮膜化した樹脂が残り、古紙回収時にトラブルを起こす可能性がある。また、樹脂被覆紙を用いない方法として、パルプの繊維間結合を少なくし紙の空隙を増すような低密度化薬品を含む基紙を用いる方法が提案されている(例えば特許文献1。)。しかし、このインクジェット記録用紙であっても、インク量の多い写真画像においては、画像記録後のコックリングを十分に防ぐものではなかった。
特開2002−103791号公報
以上のような状況に鑑み、本発明は、コックリングの良好なインクジェット記録用紙を提供するものである。
本発明者等は上記課題について鋭意研究を重ねた結果、繊維間結合阻害剤の含有量が紙基材の記録層を設ける面の表面近くに多く、厚み方向の中心部に向って減少する傾斜構造を有する紙基材に記録層を設けることによりコックリングを改善できることを見出した。
本発明は以下の発明を包含する。
(1)紙基材の少なくとも一方の面に記録層を設けたインクジェット記録用紙において、紙基材は、厚さ80μm以上であり、繊維間結合阻害剤を含有し、且つ該繊維間結合阻害剤の含有量が、紙基材の記録層を設ける面の表面近くに多く、厚み方向の中心部に向って減少する傾斜構造を有することを特徴とするインクジェット記録用紙。
(2)紙基材は、繊維間結合阻害剤と澱粉と表面サイズ剤を含有する塗工液が塗工されたものであることを特徴とする(1)記載のインクジェット記録用紙。
(3)紙基材上に下塗り層を設けた後、記録層を設けてなる(1)又は(2)記載のインクジェット記録用紙。
(4)記録層が、平均1次粒径0.003〜0.040μm、且つ平均2次粒径が1μm以下の微細顔料を含有する(1)〜(3)のいずれか一に記載のインクジェット記録用紙。
(5)インクジェット記録用紙が光沢タイプである(1)〜(4)のいずれか一に記載のインクジェット記録用紙。
(6)インクジェット記録用紙がマットタイプである(1)〜(3)のいずれか一に記載のインクジェット記録用紙。
(7)繊維間結合阻害剤を含有する紙基材であり、且つ該繊維間結合阻害剤の含有量が紙基材の表面近くに多く、厚み方向の中心部に向って減少する傾斜構造を有する紙基材の繊維間結合阻害剤を多く含有している面に、記録層を形成することを特徴とするインクジェット記録用紙の製造方法。
(8)紙基材が、内添サイズと外添サイズを併用することにより繊維間結合阻害剤を含有する(7)記載のインクジェット記録用紙の製造方法。
(9)紙基材が、繊維間結合阻害剤と澱粉と表面サイズ剤を含有する塗工液を塗工されている(7)又は(8)記載のインクジェット記録用紙の製造方法。
(10)繊維間結合阻害剤と澱粉は質量比が1:99〜20:80である(9)記載のインクジェット記録用紙の製造方法。
本発明は、インクジェット記録用紙の波打ち、特に画像記録後のコックリングの良好なインクジェット記録用紙に関する。特に、通紙性に優れ、高光沢で記録画像の見栄えの良好なインクジェット記録用紙に関する。
本発明は、紙基材の少なくとも一方の面に記録層を設けたインクジェット記録用紙において、紙基材は、厚さ80μm以上であり、繊維間結合阻害剤を含有し、且つ該繊維間結合阻害剤の含有量が、紙基材の記録層を設ける面の表面近くに多く、厚み方向の中心部に向って減少する傾斜構造を有することを特徴とするインクジェット記録用紙である。また、繊維間結合阻害剤を含有する紙基材であり、且つ該繊維間結合阻害剤の含有量が紙基材の表面近くに多く、厚み方向の中心部に向って減少する傾斜構造を有する紙基材の繊維間結合阻害剤を多く含有している面に、記録層を形成することを特徴とするインクジェット記録用紙の製造方法。
本発明でいう繊維間結合阻害剤は、紙基材を構成するセルロース繊維原料の、繊維同士の結合をある程度阻害する物質であればよく、例えば分子内に疎水基と親水基を持ったものであり、現在よく知られているのは界面活性剤である。その例としては長鎖モノまたはジアルキル第4級アンモニウム塩、高級アルコール硫酸塩又はリン酸塩、高級アルコール、高級アルコール脂肪酸エステル等を挙げることができ、また脂肪酸ポリアミドアミン化合物にも効果があるが、特に界面活性剤に限定されるものではない。現在販売されている繊維間結合阻害剤としては、BASF社のスルゾールVL、Bayer社のバイボリュームPリキッド、三唱(株)のリアクトペイク(不透明性向上剤)、花王(株)のKB−08T、KB−115といった薬品が挙げられる。
本発明は、紙基材の内部よりも、記録層を形成する面の表面近くに繊維間結合阻害剤が多く分布する紙基材を用いることにより、コックリングが改善される。この理由は明らではないが、インクジェット記録を行うと、着色剤である染料や顔料は、記録層或いは記録層表面で保持される。インクを構成するインク溶媒は、記録層、或いは必要に応じて形成される下塗り層で完全に保持されず、紙基材まで浸透してくる。特にインク量の多い写真画質の出力の場合は、過剰のインク溶媒が紙基材まで浸透する。しかし、インク溶媒は、記録用紙全域で同じ量が供給されるものでなく、各インクの違い、インクをジェットする際の順序、濃度の違い等さまざまな要因によって、紙基材まで到達するインク溶媒の量は異なる。このインク溶媒の到達の差によって、紙基材の繊維が伸び量が異なり、コックリングが発生すると考えられる。本発明の構成は、紙基材の表面近くに繊維間結合阻害剤が多く分布していることで、セルロース繊維原料の繊維間結合が阻害されていることから、インク溶媒を吸収する空隙が多く存在することになる。繊維間結合阻害剤による空隙は、紙基材の厚み方向よりも、横方向(表面に近い部分)に存在するので、インク溶媒が厚方向ばかりに浸透するのでなく、表面に比較的均等に分散するため、コックリングを防止することができるものと考えられる。但し、紙基材の厚みが80μmに満たないような場合、繊維間結合阻害剤を含有せしめても、コックリングを十分に防ぐことができないので、紙基材の厚みは80μm以上である必要がある。なお、紙基材の厚みが、360μmを超えるような場合、繊維間結合阻害剤を分布(表面に多く、中心部が少ない)含有の効果が飽和してしまう傾向にあり、例えば、更に紙基材の厚みを厚くすると、少量の繊維間結合阻害剤を紙基材中に含有するだけで、コックリングを防止することができる。
なお、記録層が両面に形成される場合、両面の表面近くに繊維間結合阻害剤を多く含有させ、それぞれの面に記録層(必要に応じて予め下塗り層を形成してもよい)を形成するとよい。また、繊維間結合阻害剤は、中心部よりも表面近くに多く含有するとよく、片面にしか記録層がない場合でも、反対面の表面近くが中心部よりも繊維間結合阻害剤を多く含有していても構わない。なお、表面近くとは、例えば、紙基材を厚さ方向に3等分した場合の表面部と中心部として判断してもよい。おおむね紙基材の厚みの30%程度の部分に繊維間結合阻害剤を多く含有するとよい。
本発明は、繊維間結合阻害剤を紙基材の記録層を形成する面の表面近くに多く、厚み方向の中心部に少なく存在すればよい。例えば、繊維間結合阻害剤を内添法だけで配合するのでは効率的に表面近くにだけ存在させることはできないので、繊維間結合阻害剤を内添法と外添法の組み合わせ、或いは外添法により存在させることが好ましい。
外添法としてはサイズプレス、塗工や含浸があり、適宜採用できが、できるだけ表面近くに存在させるには、塗工が好ましい。使用される塗布装置としては、例えば2ロールサイズプレス、ブレードメタリングサイズプレス、ロットメタリングサイズプレス、ゲートロールコータ、ブレードコータ、バーコータ、ロッドブレードコータ、エアナイフコータ等の装置が使用可能である。
また、繊維間結合阻害剤と澱粉と表面サイズ剤を含有する表面処理剤を紙基材の表面に塗布することが好ましい。澱粉と表面サイズ剤を併用することにより、表面の紙力を増加させ、記録層塗工液や下塗り層塗工液の製造工程での浸透を抑制し、またインク溶媒の浸透性を調節することができる。これらを、繊維間結合阻害剤と共に表面に塗布することにより、記録層塗工液や下塗り層塗工液の塗工適性やプリンターでの画像記録時のコックリング良好にする。
澱粉は、含有量が少ないと表面強度の低下を招くことから印刷時にパイリングなどの問題が発生し、逆に含有量が多いと硬さを持たせることとなり、本来の目的とした紙のしなやかさを損なうことになってしまう。この両方の品質を持たせるためには、繊維間結合阻害剤とは澱粉の質量比は1:99〜20:80が好ましく、繊維間結合阻害剤が澱粉に対して1:99未満では手ざわり感、しなやかさに効果がなく、20:80を超えると紙力、表面強度が低下するため好ましくない。しなかやかと表面強度のバランスをたもつためには繊維間結合阻害剤と表面サイズ剤と澱粉を含有する表面処理剤は固形分で1.0g/m〜6.0g/m塗工することが好ましく、更には2.0g/m〜4.0g/mとすることがより好ましい。
本発明で使用する澱粉としては、例えば、トウモロコシ澱粉、馬鈴薯澱粉、タピオカ澱粉、小麦澱粉、米澱粉等を原料とした酸化澱粉、燐酸エステル化澱粉等があげられるが、これに限定されるものではない。またこれらの澱粉は単独でも、または2種以上を組み合わせて使用することもできる。更にはポリビニルアルコールや変性ポリビニルアルコールなども上記澱粉と併用して使用することができる。
本発明で使用する表面サイズ剤は、例えばアルキルケテンダイマー系化合物、アルケニ無水コハク酸系化合物、スチレン−アクリル系化合物、高級脂肪酸系化合物、石油樹脂系サイズ剤やロジン系サイズ剤が使用可能で、0.02g/m〜0.3g/m含有することが好ましい。0.02g/m未満ではサイズ効果がなく、0.3g/mを超えるとサイズ発現効果は頭打ちになり、コストアップにつながるため好ましくない。
さらに、本発明の効果を阻害しない範囲で、また組み合わせることによって溶液のゲル化等の発生しない水溶性および/または水分散性の他の接着剤、例えばカルボキシメチルセルロース、スチレン−ブタジエン共重合体等のラテックス類、またポリアクリルアミド等を適宜添加することができる。耐水化剤や架橋剤といった薬品は本発明の効果を阻害しない範囲、もしくは本発明を助ける目的で適宜添加することができる。
紙基材の主成分であるセルロース繊維原料としては、クラフトパルプ(KP)、サルファイトパルプ(SP)、ソーダパルプ(AP)等の化学パルプ、セミケミカルパルプ(SCP)、ケミグランドウッドパルプ(CGP)等の半化学パルプ、砕木パルプ(GP)、サーモメカニカルパルプ(TMP、BCTMP)、リファイナーグランドウッドパルプ(RGP)等の機械パルプ、或いは楮、三椏、麻、ケナフ等を原料とする非木材パルプ、古紙を原料とする脱墨パルプが挙げられる。これら単独でも、二種以上の混合で用いても良い。紙基材に配合される填料としては特に限定するものではないが、一般に印刷用紙で使用される填料、例えば炭酸カルシウム、タルク、クレー、酸化チタン、ホワイトカーボン等を単独、または混合で使用してもよい。
さらに紙料中に、上記原料と共に、通常の抄紙で使用される抄紙用薬品、例えば、サイズ剤、サイズ定着剤、乾燥紙力増強剤、湿潤紙力増強剤、歩留まり向上剤、濾水性向上剤、消泡剤、スライムコントロール剤、染料等を必要に応じて添加することもできる。
本発明で用いる紙の抄造には、公知の抄紙機、例えば、長網式、円網式、短網式、ツインワイヤー式抄紙機によって製造される。
本発明の紙の坪量は、40g/m〜210g/mのものが好ましい。40g/m未満では、操業上紙切れなどを起こすことが多くなるため好ましくない。逆に210g/mを超えて嵩高となると紙厚が大きすぎてインクジェット記録用紙には適さない。
本発明の紙の密度は0.55cm〜0.70g/cmが好ましい。0.55g/cm未満になると紙切れなどの操業上の問題が発生するため好ましくない。また、0.70g/cmを超えるとコックリングを生じ易くなる。
本発明においては、セルロース繊維原料の種類、パルプの叩解度、基紙の坪量、サイズ剤の付与量等に応じて、下塗り層を適宜設けられる。本発明における下塗り層は、コックリングを抑制するためにインク溶媒が紙基材に浸透するのを防いだり、遅延させたり、均一に浸透させる、さらには下塗り層自身が吸液する等の機能を有するばかりでなく、紙基材裏面からのガスの透過を防止させる、白色度を向上させたり、熱や光による黄変を防止したり、更には記録層塗料の塗工の際に基紙への浸透を抑制して良好な塗工面を形成させる等の機能を有している。
下塗り層に使用される顔料は、酸化チタン、酸化亜鉛、軽質炭酸カルシウム、重質炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、硫酸バリウム、クレー、カオリン、焼成カオリン、サチンホワイト等の無機顔料、(メタ)アクリル酸エステル樹脂、スチレンー(メタ)アクリル酸エステル共重合体樹脂、スチレン樹脂、尿素−ホルマリン樹脂、ベンゾグアナミン樹脂、ナイロン樹脂等の各種合成樹脂から成る有機樹脂粒子を例示できる。これら顔料の中でも、酸化チタン、軽質炭酸カルシウム、スチレンー(メタ)アクリル酸エステル共重合体樹脂粒子が好ましく、白色度、隠蔽性、平滑性の点からは、特に酸化チタン、スチレンー(メタ)アクリル酸エステル共重合体中空樹脂粒子が好ましく用いられる。また、必要により、併用しても良い。
これら顔料の形状、粒径は、下塗り層への要求品質により適宜選択できる。因みに、酸化チタン、中空樹脂粒子を使用する場合、粒径は0.1〜5.0μmのものが好ましく、0.3〜3μmがより好ましい。粒子径が小さいと、強度低下、発色性の低下となる傾向にあり、粒子径が大きいと平滑で均一な面が得られない。
下塗り層に使用される接着剤は、通常紙加工に用いられる水性エマルジョン、水溶性高分子、溶剤系高分子から適宜選択して使用できる。例えば、水性エマルジョンとしては、スチレンーブタジエン系ラテックス、メチルメタクリレートーブタジエン系ラテックス、アクリロニトリルーブタジエン系ラテックス、(メタ)アクリル酸エステル系エマルジョン、酢酸ビニル系エマルジョン、エチレン−酢酸ビニル系エマルジョン、ウレタン系エマルジョン等が挙げられる。水溶性高分子としては、ポリビニルアルコール及びその誘導体、デンプン及びその変性物、カルボキシメチルセルロース等のセルロース誘導体、カゼイン等を挙げられる。溶剤系高分子としては、トルエン、酢酸エチル、メチルエチルケトン等の有機溶剤にを溶解したり、分散した樹脂を挙げられる。これら接着剤の中で、取り扱いやすさ、安全・衛生の点から、水性エマルジョン、水溶性高分子が好ましく、特に水性エマルジョンは耐水性や高濃度化が可能で乾燥工程で有利であり、好ましく用いられる。また、水性エマルジョン樹脂を用いる場合は、該高分子のガラス転移温度が−30〜40℃の範囲のものが好ましい。より低いと皮膜強度が十分でなく、より高いと乾燥工程における皮膜形成が不十分であり皮膜強度が低くなる場合が有る。
上記顔料と接着剤との比率は、顔料100部に対して接着剤を2〜30部程度、好ましくは5〜20部程度である。接着剤の量が少ないと下塗り層の強度が低下し、接着剤の量が多すぎると、吸収量が低下、発色の悪化するばかりか、白色度まで低下する傾向にある。
さらに、下塗り層には、耐水性や皮膜強度を向上させる架橋剤、紫外線吸収剤、酸化防止剤、老化防止剤、pH調整剤、キレート化剤、色味付け用各種染料や顔料、蛍光増白剤、防腐剤、塗工適性を付与するための増粘剤、界面活性剤、消泡剤等を適宜配合できる。
こうして調製された塗料は、乾燥塗工量として1〜30g/mの範囲で目的に応じて適宜設定でき、好ましくは5〜15g/mである。1g/mより少ないとその効果が十分でなく、30g/mより多いと層間強度が弱くなる傾向になったり、乾燥工程で経済的に不利となる。
下塗り層を形成するための塗工装置としては、ブレードコーター、エアーナイフコーター、ロールコーター、バーコーター、グラビアコーター、ロッドブレードコーター、リップコーター、カーテンコーターおよびダイコーター等の各種公知の塗工装置が挙げられる。また、抄紙機に付属の塗工装置で塗工することもできる。塗工後に、マシンカレンダー、TGカレンダー、スーパーカレンダー、ソフトカレンダー等のカレンダーを用いて仕上げても良い。
インクジェット記録用紙には、記録層に比較的粒子径の大きな顔料を用いた光沢度の低いマットタイプのもの、記録層に粒子径の小さい顔料を用いた光沢タイプのもの、更には光沢タイプのなかでも記録層の最表層を鏡面ドラムに圧接して仕上げるキャストタイプのものなど、様々な形態がある。紙基材を用いたインクジェット記録用紙は、インク溶媒が紙基材に浸透することによってコックリングが発生するので、本発明は、紙基材を用いたものであれば、形態を特に限定するものではない。しかしながら、光沢タイプのインクジェット記録用紙は、高級感のある画像、特に写真に近い画質を要求されることが多く、また、そのような画像を記録する場合はインク量が多くなることから、コックリングの問題が顕著である。更に、光沢タイプのインクジェット記録用紙は、光沢性を付与するために、表面の平滑性を高めたものが多く、コックリングが発生すると、コックリングが目立ってしまいやすい。本発明は、コックリングの問題が大きいかった光沢タイプのインクジェット記録用紙において、作用効果が優れるので、好ましい。
次に記録層に付いて述べる。記録層は、顔料とバインダーを含有し、必要に応じてカチオン性染料定着剤等各種助剤を配合して用いられる。
顔料としては、非晶質シリカ、アルミナ、ゼオライトを主成分として含有させるのが好ましく、カオリン、クレー、焼成クレー、酸化亜鉛、水酸化アルミニウム、炭酸カルシウム、サチンホワイト、珪酸アルミニウム、コロイダルシリカ、セピオライト、スメクタイト、合成スメクタイト、珪酸マグネシウム、炭酸マグネシウム、酸化マグネシウム、珪藻土、ハイドロタルサイト等を1種もしくはそれ以上、併用することもできる。
即ち、インク吸収性、光沢度、平滑性、白色度等、要望品質に応じて、種類、粒径を選択して使用できる。
これらの顔料のうち、平均粒子径1μmから13μmのものを主顔料として用いると記録層の光沢はなく、マットタイプのインクジェット記録用紙となる。
光沢タイプのインクジェット記録用紙にするには、平均粒子径が0.01〜1μmの微細顔料を主顔料として含む層を少なくとも一層設ける必要がある。なお、2層以上とする場合には、下層に比較的大粒径の顔料、上層に平均粒子径が0.01〜1μmの微細顔料を含む層を設けると、下層がインク溶媒を多く吸収するので好ましい。
光沢タイプに適した平均粒子径が0.01〜1μmの微細顔料としては、気相法シリカ、メソポーラスシリカ、活性ケイ酸を縮合させて製造された湿式法シリカのコロイド状物、アルミナ酸化物、およびアルミナ水和物から選ばれる少なくとも1種を用いることが好ましい。このなかで、気相法シリカとアルミナ酸化物が好ましく選択される。アルミナ酸化物の中では気相法(フュームド)アルミナ酸化物が好ましい。
気相法シリカは、フュームドシリカとも呼ばれ、一般的には火炎加水分解法によって作られる。具体的には四塩化珪素を水素及び酸素と共に燃焼して作る方法が一般的に知られているが、四塩化珪素の代わりにメチルトリクロロシランやトリクロロシランなどのシラン類も、単独または四塩化珪素と混合した状態で使用することができる。
メソポーラスシリカとは、1.5〜100nmに平均細孔径を有するシリカ多孔体である。また、アルミニウム、チタン、バナジウム、ホウ素、マンガン原子等を導入したメソポーラスシリカも使用できる。多孔体の物性としては特に限定されないが、BET比表面積(窒素吸着比表面積)は200〜1500m/gが好ましく、細孔容積としては0.5〜4cc/gが好ましい。メソポーラスシリカの合成方法は特に限定されないが、米国特許第3556725号明細書に記載されている、シリカのアルコキシドをシリカ源として、長鎖のアルキルを含む4級アンモニウム塩をテンプレートとした合成方法、特表平5−503499号公報等に記載されているアモルファスシリカ粉末やアルカリシリケート水溶液をシリカ源として、長鎖のアルキル基を有する4級アンモニウム塩、あるいはホスホニウム塩をテンプレートとする水熱合成法、特開平4−238810号公報等に記載されているシリカ源としてカネマイト等の層状ケイ酸塩を、長鎖のアルキルアンモニウムカチオン等をテンプレートとしてイオン交換法により合成する方法、更にドデシルアミン、ヘキサデシルアミン等のアミン、ノニオン系界面活性剤等をテンプレートとして、シリカ源として水ガラス等をイオン交換した活性シリカを用いて合成する方法などである。ナノポーラスシリカ前駆体からのテンプレートの除去方法としては高温で焼成する方法、有機溶媒で抽出する方法が挙げられる。
活性ケイ酸を縮合させて製造された湿式法シリカのコロイド状物とは、コロイド状に分散したシリカシード液にアルカリを添加したのち、該シード液に対し活性珪酸水溶液及びアルコキシシランから選ばれる少なくとも1種類からなるフィード液を少量ずつ添加してシリカ微粒子を成長させて得る2次シリカ分散体であり、例えば特開平2001−354408号公報などに記載されている方法で得ることが可能である。
アルミナ酸化物とは、一般的に結晶性を有する酸化アルミナとも呼ばれる。具体的には、χ、κ、γ、δ、θ、η、ρ、擬γ、α結晶を有する酸化アルミナが挙げられる。本発明は光沢感、インク吸収性から気相法アルミナ酸化物、γ、δ、θ結晶を有するアルミナ酸化物が好ましく選択される。粒度分布がシャープで、成膜性が特に優れる気相法アルミナ酸化物(フュームドアルミナ)が最も好ましい。
気相法アルミナ酸化物とは、ガス状アルミニウムトリクロライドの高温加水分解によって形成されたアルミナであり、結果として高純度のアルミナ粒子を形成する。これら粒子の1次粒子サイズはナノオーダーであり、非常に狭い粒子サイズ分布(粒度分布)を示す。かかる気相法アルミナ酸化物は、カチオン表面チャージを有する。インクジェット塗工における気相法アルミナ酸化物の使用は、例えば米国特許第5,171,626号公報に示されている。
アルミナ水和物とは、特に限定するものではないが、インク吸収速度や成膜性の観点からベーマイトか擬ベーマイトが好ましく選択される。アルミナ水和物の製造方法は例えばアルミニウムイソプロポキシドを水で加水分解する方法(B.E.Yoldas,Amer.Ceram.Soc.Bull.,54,289(1975)など)やアルミニウムアルコキシドを加水分解する方法(特開平06−064918号公報など)などが挙げられる。
上記微細顔料の形態は、高いインク吸収性、及び塗工層の成膜性、平滑性を得る目的で上記顔料の凝集粒子分散体が主に好ましく用いられる。平均粒子径は、0.01〜1μmが必要である。インク吸収速度などの観点から平均1次粒子径0.003〜0.040μmの1次粒子が凝集してなる平均粒子径0.01〜0.7μmの凝集体顔料がより好ましい。インク中の染料や顔料を固定しやすく、かつ高いインク吸収速度、印字濃度、光沢を得るためには、平均1次粒子径0.005〜0.020μmの1次粒子が凝集してなる平均粒子径0.5μm以下の顔料がさらに好ましい。
平均粒子径0.7μm以下の顔料は、たとえば機械的手段で強い力、所謂breakingdown法(塊状原料を細分化する方法)により得ることが可能である。機械的手段としては、超音波ホモジナイザー、圧力式ホモジナイザー、液流衝突式ホモジナイザー、高速回転ミル、ローラミル、容器駆動媒体ミル、媒体攪拌ミル、ジェットミル、乳鉢、擂解機(鉢状容器中の被粉砕物を、杵状攪拌棒で磨砕混練する装置)、サンドグラインダー等が挙げられる。粒子径を小さくする為に、分級と繰り返し粉砕を行なうことができる。
本発明でいう平均粒子径は、顔料が粉体、スラリー状に関係なく、まず3%の顔料水分散液を200g調整し、続いて市販のホモミキサーで1000rpm、30分間を攪拌分散した後、直ちに電子顕微鏡(SEMとTEM)で観察した粒径である(1万〜40万倍の電子顕微鏡写真を撮り、5cm四方中の粒子のマーチン径を測定し平均したもの。「微粒子ハンドブック」、朝倉書店、p52、1991年参照)。本発明者らが測定した結果、顔料が粉体の場合(粒子径1μm以上の顔料が殆ど)はメーカーカタログ値とほぼ一致するが、スラリー状の場合(粒子径1μm以下の顔料が殆ど)は、スラリーの凝集状態によって粒子径が大きく変動するが、上記の測定条件であれば、ほぼ同じ値が得られる。
記録層に含有するバインダーとしては、インクジェット記録用として公知のバインダーの中であれば使用できる。例えば、ポリビニルアルコール、カチオン変性ポリビニルアルコール、シリル変性ポリビニルアルコール、ポリビニルアセタール、メチルセルロース、エチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、カゼイン、大豆蛋白、合成蛋白質類、でんぷん、ポリプロピレンオキサイド、ポリエチレングリコール、ポリビニルエーテル、ポリビニルアクリルアミド、ポリビニルピロリドン、スチレンーブタジエン共重合体、メチルメタアクリレート、スチレン−酢酸ビニル共重合体などが挙げられる。このなかで、特に顔料との接着性からポリビニルアルコールが好ましく選択される。このなかで、成膜性とインク吸収性のバランスから重合度2000以上のポリビニルアルコールが好ましく、重合度3600〜5000のポリビニルアルコールがより好ましい。なお、インク吸収性などを改善する意味で2種以上のバインダー(例えば、水溶性樹脂と水溶性樹脂、水溶性樹脂とラテックスなど)を併用しても良い。
光沢タイプのインクジェット記録用紙の場合、記録層用塗工液を塗工と同時、或いはその後に増粘またはゲル化させ、乾燥することにより得られるマイクロポーラスな層を形成することが好ましい。記録層用塗工液を塗工と同時、或いはその後に増粘またはゲル化させる方法としては、特に限定するものではない。例えば、(a)記録層に配合した親水性バインダーと架橋反応可能な架橋剤を用いて増粘またはゲル化させる方法、(b)電子線などのエネルギーを供給することにより増粘またはゲル化させる方法、(c)親水性バインダーとして、温度条件によって親水性と疎水性を示す感温性高分子化合物を用い、温度変化させることにより増粘またはゲル化させる方法などが挙げられる。
(a)記録層に配合した親水性バインダーと架橋反応可能な架橋剤を用いて増粘またはゲル化させる方法としては、前記例示した親水性バインダーと、該親水性バインダーを架橋反応可能な架橋剤を組み合わせて使用する。例えば、架橋剤を予め基材に塗布・含浸させておき、記録層用塗工液を塗布する、記録層用塗工液に架橋剤を配合せしめておき塗布する、記録層用塗工液を塗布後、架橋剤を塗布する方法などにより製造するとよいが、架橋剤を予め塗布しておくことが、増粘またはゲル化が均一な記録層が得られるため、好ましい。
架橋剤としては、ホウ素化合物、エポキシ化合物、グリシジル化合物、ジルコニウム化合物、アルミニウム化合物、クロム化合物等などが例示できる、中でも、ホウ素化合物は、増粘またはゲル化が早く生じるので特に好ましい。
ホウ素化合物としては、ホウ素原子を中心原子とする酸素酸及びその塩のことである。例としては、オルトホウ酸、メタホウ酸、次ホウ酸、四ホウ酸、五ホウ酸、及びそれらのナトリウム塩、カリウム塩、アンモニウム塩が挙げられる。このなかで、オルトホウ酸と四ホウ酸二ナトリウムが塗料を適度に増粘させる効果があるために好ましく用いられる。
ホウ素化合物の含有量は、ホウ素化合物及び親水性バインダーの種類にもよるが、基材の片面に0.01〜1.5g/m含有されるのが好ましい。1.5g/mより多いと親水性バインダーとの架橋密度が高くなり、塗膜が硬くなって折り割れしやすくなる。また、0.01g/mより少ないと親水性バインダーとの架橋が弱く、塗料のゲル化も弱くなって塗膜がひび割れやすくなる。
(b)電子線などのエネルギーを供給することにより増粘またはゲル化させる方法としては、記録層のバインダーとして、ラジカル重合性の不飽和結合を有さず、かつ水溶液に電子線を照射することによりハイドロゲルを形成する親水性バインダーを用い、前記微細顔料100質量部に対して、親水性バインダー1〜100質量部の割合で含有する塗工液を塗布し、ついで電子線を照射して該塗布された塗工液をハイドロゲル化させた後、乾燥して形成して記録層を形成するとよい。
ラジカル重合性の不飽和結合を有さず、かつ水溶液に電子線を照射することによりハイドロゲルを形成する親水性バインダーとしては、例えば、ポリビニルアルコール、ポリエチレンオキサイド、ポリアルキレンオキサイド、ポリビニルピロリドン、水溶性ポリビニルアセタール、ポリ−N−ビニルアセトアミド、ポリアクリルアミド、ポリアクリロイルモルホリン、ポリヒドロキシアルキルアクリレート、ポリアクリル酸、ヒドロキシエチルセルロース、メチルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、ゼラチン、カゼイン、及びこれらの水溶性誘導体、並びにこれらの共重合体などが例示でき、これらを単独使用、或いは併用するとよい。
電子線の照射方式としては、例えばスキャニング方式、カーテンビーム方式、ブロードビーム方式などが採用され、電子線を照射する際の加速電圧は50〜300kV程度が適当である。電子線の照射量は1〜200kGy程度の範囲で調節するのが好ましい。1kGy未満では塗工層をゲル化させるのに不十分であり、200kGyを越えるような照射は基材や塗工層の劣化や変色をもたらす恐れがあるため好ましくない。
(c)親水性バインダーとして、温度条件によって親水性と疎水性を示す感温性高分子化合物を用い、温度変化させることにより増粘またはゲル化させる方法としては、バインダーとして、感温点以下の温度領域では親水性を示し、感温点より高い温度領域では疎水性を示す感温性高分子化合物を用いるとよい。
この感温性高分子化合物を用いた場合、感温点以上の温度で塗工を行い、感温点以下に冷却することにより、塗工した層が増粘またはゲル化され、その後乾燥して記録層を形成するとよい。このような感温性高分子化合物としては、特開2003−40916号公報に開示されている、ポリビニルアルコール及び/又はポリビニルアルコール誘導体の共存下に重合して得られる感温性高分子化合物が例示できる。
記録層にはカチオン性化合物を含有せしめることが好ましい。カチオン性化合物としては、例えば、1)ポリエチレンアミンやポリプロピレンポリアミンなどのポリアルキレンポリアミン類、またはその誘導体、2)第2級アミン基や第3級アミン基、第4級アンモニウム基を有するアクリル樹脂、3)ポリビニルアミン、ポリビニルアミジン、5員環アミジン類、4)ジシアンジアミド−ホルマリン重縮合物に代表されるジシアン系カチオン樹脂、5)ジシアンジアミド−ジエチレントリアミン重縮合物に代表されるポリアミン系カチオン樹脂、6)エポクロルヒドリン−ジメチルアミン付加重合物、7)ジメチルジアリルアンモニウムクロライド−SO共重合物、8)ジアリルアミン−SO共重合物、9)ジメチルジアリルアンモニウムクロライド重合物、10)アリルアミン塩の重合物、11)ジアルキルアミノエチル(メタ)アクリレート4級塩重合物、12)アクリルアミド−ジアリルアミン塩共重合物、13)ポリ塩化アルミニウム、ポリ酢酸アルミニウム、ポリ乳酸アルミニウムなどのアルミニウム塩等の一般市販されるものが挙げられる。なお、カチオン性化合物の添加量としては、顔料100質量部に対し、1〜30質量部が好ましく、2〜15質量部がより好ましい。また、記録層を2層以上とする時は、少なくとも上層にカチオン性化合物を含有させるのが好ましい。
顔料としてシリカ系を使用する場合は、シリカとカチオン性化合物を混合し凝集させることによって得られたシリカ−カチオン性化合物凝集体粒子を0.01〜1μm、好ましくは0.01〜0.7μmに粉砕したシリカ−カチオン性化合物凝集体微粒子であることが好ましい。この場合、カチオン性化合物は、上記のカチオン性化合物から適宜選択される。特にインク中の染料や顔料の定着性、分散性から1)5員環アミジン類、2)ポリ塩化アルミニウム、ポリ酢酸アルミニウム、ポリ乳酸アルミニウムなどのアルミニウム塩が好ましい。
記録層を形成するための記録層用塗工液は、上記顔料と親水性バインダー、必要により併用されるカチオン性化合物を含有する水を溶媒とした水系塗工液として調整される。顔料と親水性バインダーの比率は、質量比で100/50〜100/2の範囲であるとよい。インク吸収性と塗膜強度のバランスから100/30〜100/5が好ましく、100/25〜100/10がさらに好ましい。なお、記録層には顔料と親水性バインダー、必要により併用されるカチオン性化合物の他に、一般の塗被紙製造において使用される分散剤、増粘剤、消泡剤、着色剤、帯電防止剤、防腐剤等の各種助剤が適宜添加される。
上記のようにして調製された記録層用塗工液は、例えば以下のような方法で塗布される。該記録層が減率乾燥部になる(減率乾燥速度を示す)前に、増粘またはゲル化(例えば、ホウ素化合物等の架橋剤によって塗工液を増粘またはゲル化)させて形成する。これは、塗料を乾燥初期に増粘またはゲル化させることで乾燥時の熱風による塗工層のひび割れを防ぎ、また基材への塗料のしみ込みを防止する大きな効果を有する。
記録層用塗工液の塗工量は特に限定するものではないが、1〜40g/m程度、好ましくは5〜30g/mある。塗布量が少ないと、高精細且つ高速の昨今のプリンターではインク吸収速度が不足するおそれがあり、多すぎると塗膜のひび割れの制御が困難である。
インク吸収速度とインク吸収容量のバランスから、記録層の塗布量は後で述べる最表層塗布量の3倍以上が好ましい。7倍以上がさらに好ましく、10〜60倍は最も好ましい範囲である。
記録層用塗工液を塗布する塗工装置としては、塗料の物性及び塗工量の点から前計量法の塗工方法が好適である。前計量法の塗工方法としては、リップコーター、カーテンコーター、スライドビード、スライドホッパー、およびスロットダイなどのダイコーター等、各種公知のものが挙げられる。また、二層以上塗工する場合にはWet on Wet(下層が未乾燥のうちに上層を下層の上に塗工する方法)で塗工することが好ましい。
本発明の記録層の乾燥方法は特に限定はしない。従来から塗工機で使用されている乾燥装置が利用でき、例えば、熱風乾燥、ガスヒーター乾燥、高周波乾燥、電気ヒーター乾燥、赤外線ヒーター乾燥、レーザー乾燥等の各種加熱乾燥方式が好ましく、適宜使用される。このなかで、熱風乾燥がコストの面で有利であるため好ましく採用される。また、最表層をキャスト仕上げして、高光沢とすることも可能である。
以下に実施例を挙げて、本発明を具体的に説明する。勿論、本発明はそれらの実施例に限定されるものではない。また例中の部および%は特に断らない限り、それぞれ質量部および質量%を示す。
実施例1
[紙基材1の作製]
ろ水度350mlCSFのLBKP100部のパルプスラリーに、軽質炭酸カルシウム(白石カルシウム社製,商品名:PC)を25部となるように添加し、対パルプ当たり、澱粉0.9部、アルケニル無水コハク酸0.1部、硫酸バンド0.7部及び、繊維間結合阻害剤(花王社製,商品名:KB115)0.5部を添加し、長網抄紙機を用いて抄紙し、澱粉(王子コーンスターチ社製,商品名:エースA)を2.5g/m、繊維間結合阻害剤(花王社製,商品名:KB115)を0.1g/m、表面サイズ剤(荒川化学工業社製,商品名:ポリマロン482S)0.1g/mとなるようにサイズプレスにて塗布し、坪量が80g/m、厚み123μmの紙基材を得た。
[記録層塗工液1の調整]
顔料として湿式シリカ(二次粒子径4.5μm,トクヤマ社製,商品名:ファインシールX−45)100部、接着剤としてシリル変性ポリビニルアルコール(クラレ社製,商品名:R−1130)17部およびアクリル系樹脂(ロームアンドハース社製,商品名:プライマルP−376)23部、インク定着剤としてアクリルアミド−ジアリルアミン共重合物(住友化学社製,商品名:SR1001)10部およびジシアンジアミド−ポリエチレンアミン共重合物(日華化学社製,商品名:ネオフィックスIJ−117)20部を、水中で分散し、記録層塗工液1を得た。
[インクジェット記録用紙の作製]
紙基材1上に、記録層塗工液1を塗工量が15g/mとなるように塗工、乾燥し、マットタイプのインクジェット記録用紙を作製した。
比較例1
[紙基材2の作製]
ろ水度450mlCSFのLBKP100部のパルプスラリーに、軽質炭酸カルシウム(白石カルシウム社製,商品名:PC)を28部となるように添加し、対パルプ当たり、澱粉1.0部、アルケニル無水コハク酸0.1部、硫酸バンド0.6部及び、繊維間結合阻害剤(花王株式会社製,商品名:KB115)0.5部を添加し、長網抄紙機を用いて抄紙し、澱粉(王子コーンスターチ社製、商品名:エースA)を3.0g/m、表面サイズ剤(荒川化学工業社製,商品名:ポリマロン482S)0.01g/mとなるようにサイズプレスにて塗布し、坪量が80g/m、厚み120μmの紙基材を得た。
[インクジェット記録用紙の作製]
上記紙基材2を用いた以外は実施例1と同様にしてマットタイプのインクジェット記録用紙を得た。
比較例2
[紙基材3の作製]
実施例1の紙基材の作製において、坪量が50g/m、厚み77μmとなるようにした以外は実施例1と同様にして紙基材を得た。
[インクジェット記録用紙の作製]
上記紙基材3を用いた以外は実施例1と同様にしてマットタイプのインクジェット記録用紙を得た。
実施例2
[紙基材4の作製]
実施例1の紙基材の作製において、坪量が160g/m、厚み228μmとなるようにした以外は実施例1と同様にして紙基材を得た。
[下塗り層塗工液の調整]
顔料として中空状プラスチックピグメント(スチレン−アクリル系共重合体粒子,平均粒径1μm,ロームアンドハース社製,商品名:ローペイクHP−91)100部、接着剤としてアクリル系重合体(エマルジョン型接着剤,ロームアンドハース社製,商品名:プライマルP−376)15部および糊化させた酸化澱粉(水溶性接着剤,王子コーンスターチ社製,商品名:エースA)5部を、水中で分散し、下塗り層塗工液を得た。
[シリカ微粒子の水分散液1の調整]
平均粒子径1.0μmの気相法シリカ(平均1次粒子径:約0.008μm,日本アエロジル社製、商品名:エアロジルA300)を用い、サンドグラインダーにより分散した後、圧力式ホモジナイザーで更に分散し、平均粒子径が0.07μmになるまでサンドグラインダーと圧力式ホモジナイザーの分散操作を繰り返し、10%の水分散液を調製した。前記10%水分散液に5員環アミジン構造を有するカチオン性化合物(ハイモ社製、商品名:SC−700、分子量:30万)13部を添加し、サンドグラインダーにより分散した後、圧力式ホモジナイザーで更に分散し、平均粒子径が0.15μmになるまでサンドグラインダーと圧力式ホモジナイザーの分散操作を繰り返し、10%のシリカ微粒子の水分散液を調製した。
[記録層塗工液2]
平均粒子径1.5μmの湿式法シリカ(平均1次粒子径:約0.009μm、トクヤマ社製,商品名:ファインシール F−80)100部に、バインダーとしてポリビニールアルコール(クラレ社製,商品名:PVA−224)17部、シリル変性ポリビニールアルコール(クラレ社製,商品名:R−1130)23部、カチオン性化合物としてジアリルジメチルアンモニウムクロライド−アクリルアミド共重合体(日東紡社製、商品名:PAS−J−81)1部、分散剤(東亜合成社製、商品名:アロンSD−10)0.2部の混合水分散液(濃度:15%)を調整した。
[記録層塗工液3]
上記シリカ微粒子の水分散液100部に、バインダーとして重合度4500、ケン化度98%のポリビニールアルコール20部、カチオン変性アクリル樹脂5部を混合し、5%の水溶液を調整した。
[インクジェット記録用紙の作製]
紙基材4に、下塗り層塗工液を塗工量が7g/mになるように塗工、乾燥した。該塗工層上に、記録層塗工液2の塗工量が7g/mになるように塗工乾燥し、第1記録層を得、さらに記録層塗工液3を塗工量が1.5g/mになるように塗工乾燥し、第2記録層を得、光沢タイプのインクジェット記録用紙を作製した。
実施例3
[紙基材5の作製]
実施例1と同様の条件にて抄紙し、澱粉(王子コーンスターチ社製,商品名:エースC)とポリビニルアルコール(電気化学工業社製,商品名:K−17)70/30の比率で3.0g/m、繊維間結合阻害剤(花王社製,商品名:KB115)を0.2g/m、表面サイズ剤(荒川化学工業社製,商品名:SKS−293)0.08g/mとなるようにサイズプレスにて塗布し、坪量が180g/m、厚み275μmの紙基材を得た。
[シリカ微粒子の水分散液2の調整]
平均粒子径1.0μmの気相法シリカ(平均1次粒子径:約0.008μm,日本アエロジル社製、商品名:エアロジルA300)を用い、ホモミキサーにより分散した後、平均粒子径が0.08μmになるまで高速流衝突型ホモジナイザーで粉砕分散し、10%の水分散液を調製した。前記10%水分散液に5員環アミジン構造を有するカチオン性化合物(分子量:30万,ハイモ社製,商品名:SC−700)10部を添加し、高速流衝突型ホモジナイザーで更に分散し、平均粒子径が0.15μmの10%のシリカ微粒子の水分散液を調製した。
[シリカ微粒子の水分散液3の調整]
上記シリカ微粒子の10%水分散液を、更に高速流衝突型ホモジナイザーで分散して、平均粒子径が0.1μmの10%の水分散液を調製した。
[記録層用塗工液4の調整]
上記シリカ微粒子の水分散液2を100部に、バインダーとしてポリビニルアルコール(重合度3500、けん化度88.5%,クラレ社製,商品名:PVA−235)18部、分散剤(東亜合成社製,商品名:アロンSD−10)0.05部の混合水分散液(濃度:15%)を調製した。
[最表層用塗工液の調整]
上記シリカ微粒子の水分散液3を100部に、バインダーとしてエマルション型アクリル樹脂ラテックス(平均粒子径:0.03μm,Tg=−20℃)18部、離型剤(オレイン酸アンモニウム)3部を混合した5%水溶液を調製した。
[インクジェット記録用紙の作製]
紙基材5(厚さ232μm,緊度0.91g/m)にホウ砂を1g/m含有させた後、ホウ砂が塗布された面の上に、上記記録層用塗液4を塗工量が18g/mになるように塗工して、速やかに塗料をゲル化させた。この時の塗工層の表面温度は25℃であった。その後、110℃の熱風で塗工層を減率乾燥部まで乾燥させて、記録層を得、続いて、オンラインにて該記録層上に最表層用塗工液を塗工量が1g/mになるように塗工し、湿潤状態である間に表面温度が95℃の鏡面ドラムに圧着して乾燥、剥離させて光沢タイプのインクジェット記録用紙を作製した。
比較例3
[紙基材6の作製]
ろ水度350mlCSFのLBKP100部のパルプスラリーに、軽質炭酸カルシウム(白石カルシウム社製,商品名:PC)を25部となるように添加し、対パルプ当たり、澱粉0.9部、アルケニル無水コハク酸0.1部、硫酸バンド0.7部及び、繊維間結合阻害剤(花王社製,商品名:KB115)0.5部を添加し、長網抄紙機を用いて抄紙し、坪量が160g/m、厚み225μmとなるようにした以外は実施例1と同様にして紙基材を得た。
[インクジェット記録用紙の作製]
上記紙基材6を用いた以外は実施例2と同様にして、下塗り層、第1記録層、第2記録層を有する、光沢タイプのインクジェット記録用紙を得た。
比較例4
上記紙基材6を用い、下塗り層を設けなかった以外は、実施例2と同様にして、第1記録層、第2記録層を有する光沢タイプのインクジェット記録用紙を得た。
[評価方法]
印字濃度および光沢感は、以下に示す方法で評価した。印字は、市販のインクジェットプリンター(EPSON社製、商標:PM−950C、印字モード:PM写真用紙きれいモード)で行った。
(印字濃度)
黒のベタ印字し、マクベス反射濃度計(Macbeth RD−920)で測定した。
(光沢感)
ISO−400の画像(「高精細カラーディジタル標準画像データISO/JIS−SCID」、p13、画像名称:果物かご)を印字し、印字部に対して横の角度から目視し、以下の4段階で評価した。
◎:銀塩写真と同レベルの光沢感がある。
○:銀塩写真よりやや劣るレベルの光沢感がある。
△:一般市販の光沢インクジェット記録体と同レベル。
*:マットタイプのインクジェット記録体と同レベル。
(コックリング)
PM−950C、PX−G900で印字1時間後の波打ちを目視評価した。
◎:コックリングが全くない。
○:注視すると、わずかにコックリングが生じていることが判る。問題ないレベル。
△:少しコックリングが生じている。問題ありのレベル。
×:コックリングが発生している。
Figure 0004093202
本発明のインクジェット記録用紙は、マット紙から光沢紙まで広範囲な光沢を有し、さらに高画質な写真調の記録にも適用可能であり、コックリングの良好なインクジェット記録用紙を提供することができる。

Claims (10)

  1. 紙基材の少なくとも一方の面に記録層を設けたインクジェット記録用紙において、紙基材は、厚さ80μm以上であり、繊維間結合阻害剤を含有し、且つ該繊維間結合阻害剤の含有量が、紙基材の記録層を設ける面の表面近くに多く、厚み方向の中心部に向って減少する傾斜構造を有することを特徴とするインクジェット記録用紙。
  2. 紙基材は、繊維間結合阻害剤と澱粉と表面サイズ剤を含有する塗工液が塗工されたものであることを特徴とする請求項1記載のインクジェット記録用紙。
  3. 紙基材上に下塗り層を設けた後、記録層を設けてなる請求項1又は2記載のインクジェット記録用紙。
  4. 記録層が、平均1次粒径0.003〜0.040μm、且つ平均2次粒径が1μm以下の微細顔料を含有する請求項1〜3のいずれか一項に記載のインクジェット記録用紙。
  5. インクジェット記録用紙が光沢タイプである請求項1〜4のいずれか一項に記載のインクジェット記録用紙。
  6. インクジェット記録用紙がマットタイプである請求項1〜3のいずれか一項に記載のインクジェット記録用紙。
  7. 繊維間結合阻害剤を含有する紙基材であり、且つ該繊維間結合阻害剤の含有量が紙基材の表面近くに多く、厚み方向の中心部に向って減少する傾斜構造を有する紙基材の繊維間結合阻害剤を多く含有している面に、記録層を形成することを特徴とするインクジェット記録用紙の製造方法。
  8. 紙基材が、内添サイズと外添サイズを併用することにより繊維間結合阻害剤を含有する請求項7記載のインクジェット記録用紙の製造方法。
  9. 紙基材が、繊維間結合阻害剤と澱粉と表面サイズ剤を含有する塗工液を塗工されている請求項7又は8記載のインクジェット記録用紙の製造方法。
  10. 繊維間結合阻害剤と澱粉は質量比が1:99〜20:80である請求項9記載のインクジェット記録用紙の製造方法。

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