JP4092882B2 - 画像処理装置および画像処理方法 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、画像ファイルを用いた画像処理装置および画像処理方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
パーソナルコンピュータ、ディスプレイ、プリンタ等のディジタルデータを扱う装置では、画像データを表す色空間としてsRGB色空間が標準的な色空間として用いられている。sRGB色空間は、CRTディスプレイの出力特性を考慮した色空間であり、例えば、ディジタルスチルカメラ(DSC)等の入力装置において生成された画像データがsRGB色空間よりも広い色空間によって定義されている場合であっても、出力装置がsRGB色空間に準拠した色空間を採用する限り、画像データの色彩は正しく再現されないことがある。
【0003】
この問題に対して、sRGB色空間の他に、sRGB色空間よりも広い定義領域を有する広域RGB色空間への色変換処理を経て画像データを出力(再現)する技術が提案されている。かかる技術によれば、入力装置において生成された画像データの色彩を、出力装置において正しく再現することができる。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、出力装置が印刷装置の場合には、RGB色空間に基づく画像データを色変換テーブルを用いてCMYK色空間に基づく画像データに変換するため、複数の色空間に対応する場合には、各色空間に対応して出力すべき画像の解像度、紙質の組み合わせといった印刷条件毎に色変換テーブルを備える必要がある。一方、解像度、紙質の組み合わせといった印刷条件によっては、画像データの色空間を広域色空間へ変換する画像処理を実行しても彩度の向上を図ることができない場合もある。したがって、画像データの色空間を広域RGB色空間へ変換する処理により彩度向上の効果を得ることができる印刷条件に対してのみ色変換テーブルが備えられる場合があり、印刷条件と色変換テーブルとの適切な対応が要求される。
【0005】
本発明は、上記要求を満たすためになされたものであり、印刷条件に応じた適切な色変換テーブルを用いて画像データの画像処理を行うことを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段およびその作用・効果】
上記課題を解決するために本発明の第1の態様は、画像ファイルに対して画像処理を実行する画像処理装置を提供する。本発明の第1の態様に係る画像処理装置は、解像度、印刷用紙を含む印刷条件を設定する印刷条件設定手段と、画像データの色空間を複数の異なる色空間から第1の色空間に変換するための複数の色変換テーブルと、前記設定された印刷条件に基づいて、前記複数の異なる色変換テーブルの中から1つの色変換テーブルを選択する色変換テーブル選択手段と、前記画像データに対して、前記選択された色変換テーブルを用いた前記画像データの色空間の変換処理を含む画像処理を施す画像処理手段とを備えることを特徴とする。
【0007】
本発明の第1の態様に係る画像処理装置によれば、設定された印刷条件に基づいて、複数の異なる色変換テーブルの中から1つの色変換テーブルを選択し、画像データに対して、選択された色変換テーブルを用いた画像データの色空間の変換処理を含む画像処理を施すことができる。したがって、印刷条件に適切な色変換テーブルを用いて画像処理を実行することができ、印刷条件と色変換テーブルとが適合しない場合に問題となる画質の低下を防止することができる。
【0008】
本発明の第1の態様に係る画像処理装置において、前記複数の色変換テーブルは、前記異なる複数の色空間の1つであるsRGB色空間に基づく画像データを前記第1の色空間としてのCMYK色空間に基づく画像データに変換する第1の色変換テーブルと、前記異なる複数の色空間の1つであると共に、前記sRGB色空間よりも広い定義領域を有するwRGB色空間に基づく画像データを前記第1の色空間としてのCMYK色空間に基づく画像データに変換する第2の色変換テーブルとを含んでも良い。この構成を備えることにより、印刷条件と適合する場合には、画像データの色空間をsRGB色空間よりも広い定義領域を有するwRGB色空間からCMYK色空間へ変換することができるので、より画質の高い画像を出力することができる。また、印刷条件が適合しない場合には、sRGB色空間からCMYK色空間へ画像データの色空間を変換することにより画像を出力することができる。
【0009】
本発明の第1の態様に係る記載の画像処理装置において、前記色変換テーブル選択手段は、前記解像度および印刷用紙の組み合わせに対応する前記第2の色変換テーブルが存在する場合には、前記第2の色変換テーブルを選択しても良い。かかる場合には、印刷条件と適合する場合には、画像データの色空間をsRGB色空間よりも広い定義領域を有するwRGB色空間からCMYK色空間へ変換するので、より画質の高い画像を出力することができる。
【0010】
本発明の第1の態様に係る画像処理装置において、前記画像ファイルは、前記画像データと、前記画像データの画像処理を制御する画像処理制御情報とを1つのファイル内に含み、前記画像処理手段は、前記色空間の変換処理に加えて、前記画像処理制御情報に基づいて、前記画像データの色空間を、前記画像データの生成時に設定された色空間から前記異なる複数の色空間の1つである色空間に変換する画像処理を実行しても良い。かかる場合には、画像データ生成時に設定された色空間にしたがって、画像データの色空間の変換処理を含む画像処理を実行することができる。なお、画像データ生成時に設定される色空間とは、画像データ生成時に自動的に付与される画像データ生成装置の固有の色空間、および、画像データ生成時に任意に設定される色空間の双方を含むことができる。
【0011】
本発明の第1の態様に係る画像処理装置において、前記印刷条件は、前記解像度、印刷用紙に加えて出力装置の機種情報を含み、前記画像処理装置は更に、前記画像処理の施された画像データを出力装置に対して供給する供給手段を備えても良い。かかる構成を備える場合には、出力装置が有する色変換テーブルを認識することができると共に、出力装置に対して画像処理の施された画像データを供給することができる。
【0012】
本発明の第2の態様は、画像ファイルに対して画像処理を実行する画像処理装置を提供する。本発明の第2の態様に係る画像処理装置は、設定された解像度、印刷用紙を含む印刷条件を取得する印刷条件取得手段と、画像データの色空間を第1の色空間から第2の色空間に変換するための複数の色変換テーブルと、前記取得された印刷条件に基づいて、前記複数の色変換テーブルの中から1つの色変換テーブルを選択する色変換テーブル選択手段と、前記画像データに対して、前記選択された色変換テーブルを用いた前記画像データの色空間の変換処理を含む画像処理を施す画像処理手段とを備えることを特徴とする。
【0013】
本発明の第2の態様に係る画像処理方法によれば、本発明の第1の態様に係る画像処理装置と同様の作用効果を得ることができる。また、本発明の第2の態様に係る画像処理方法は、本発明の第1の態様に係る画像処理装置と同様にして、種々の態様にて実現され得る。
【0014】
本発明の第3の態様は、画像ファイルに基づいて画像データを出力する出力装置を提供する。本発明の第3の態様に係る出力装置は、本発明の第1または第2の態様に係る画像処理装置と、前記画像処理装置から供給された画像データを出力する出力手段とを備えることを特徴とする。
【0015】
本発明の第4の態様は、画像ファイルに対する画像処理方法を提供する。本発明の第4の態様に係る画像処理方法は、解像度、印刷用紙を含む印刷条件を取得し、前記取得した印刷条件に基づいて、画像データの色空間を異なる複数の色空間から第1の色空間に変換するための複数の色変換テーブルの中から1つの色変換テーブルを選択し、前記画像データに対して、前記選択した色変換テーブルを用いて前記画像データの色空間の変換処理を含む画像処理を施すことを特徴とする。
【0016】
本発明の第4の態様に係る画像処理方法によれば、本発明の第1の態様に係る画像処理装置と同様の作用効果を得ることができる。また、本発明の第4の態様に係る画像処理方法は、本発明の第1の態様に係る画像処理装置と同様にして、種々の態様にて実現され得る。
【0017】
本発明の第5の態様は、画像ファイルに対して画像処理を実行する画像処理プログラムを提供する。本発明の第5の態様に係る画像処理プログラムは、解像度、印刷用紙を含む印刷条件を設定する機能と、前記設定された印刷条件に基づいて、画像データの色空間を異なる複数の色空間から第1の色空間に変換するための複数の色変換テーブルの中から1つの色変換テーブルを選択する機能と、前記画像データに対して、前記選択された色変換テーブルを用いた前記画像データの色空間の変換処理を含む画像処理を施す機能とをコンピュータによって実現させることを特徴とする。
【0018】
本発明の第5の態様に係る画像処理プログラムによれば、本発明の第1の態様に係る画像処理装置と同様の作用効果を得ることができる。また、本発明の第5の態様に係る画像処理プログラムは、本発明の第1の態様に係る画像処理装置と同様にして、種々の態様にて実現され得る。
【0019】
【発明の実施の形態】
以下、本発明に係る画像処理装置について以下の順序にて図面を参照しつつ、実施例に基づいて説明する。
A.画像処理システムの構成:
B.画像ファイルの構成:
C.画像出力装置の構成:
D.プリンタにおける画像処理:
E.その他の実施例:
【0020】
A.画像処理システムの構成:
本実施例に係る画像処理装置を適用可能な画像処理システムの構成について図1および図2を参照して説明する。図1は本実施例に係る画像処理装置を適用可能な画像処理システムの一例を示す説明図である。図2は本実施例に係る画像処理装置が出力する画像ファイル(画像データ)を生成可能なディジタルスチルカメラの概略構成を示すブロック図である。
【0021】
画像処理システム10は、画像ファイルを生成する入力装置としてのディジタルスチルカメラ12、ディジタルスチルカメラ12にて生成された画像ファイルに基づいて画像処理を実行し、画像を出力する画像処理装置および出力装置としてのカラープリンタ20を備えている。画像処理装置としては、プリンタ20の他に、本発明に係る画像処理プログラムを実行するパーソナルコンピュータPC等が用いられ得る。また、出力装置としては、プリンタ20の他に、CRTディスプレイ、LCDディスプレイ等のモニタ14、プロジェクタ等が用いられ得る。以下の説明では、スタンドアローンにて画像処理装置および出力装置として機能するカラープリンタ20を用いるものとする。
【0022】
ディジタルスチルカメラ12は、光の情報をディジタルデバイス(CCDや光電子倍増管)に結像させることにより画像を取得するカメラであり、図2に示すように光情報を収集するためのCCD等を備える光学回路121、光学回路121を制御して画像を取得するための画像取得回路122、取得したディジタル画像を加工処理するための画像処理回路123、メモリを備えると共に各回路を制御する制御回路124を備えている。ディジタルスチルカメラ12は、取得した画像をディジタルデータとして記憶装置としてのメモリカードMCに保存する。ディジタルスチルカメラ12における画像データの保存形式としては、JPEG形式が一般的であるが、この他にもTIFF形式、GIF形式、BMP形式、RAWデータ形式等の保存形式が用いられ得る。
【0023】
ディジタルスチルカメラ12はまた、明度、コントラスト、露出補正量(露出補正値)、ホワイトバランス等の個別の画像処理制御パラメータ、および撮影条件に応じて予め複数の画像処理制御パラメータの値が設定されている撮影モードを設定するための選択・決定ボタン126、撮影画像をプレビューしたり、選択・決定ボタン126を用いて撮影モード等を設定するための液晶ディスプレイ127を備えている。
【0024】
本画像処理システム10に用いられるディジタルスチルカメラ12は、画像データGDに加えて画像データの画像処理制御情報GCを画像ファイルGFとしてメモリカードMCに格納する。すなわち、画像処理制御情報GCは、撮影時に画像データGDと共に自動的に画像ファイルGFを構成する情報としてメモリカードMCに自動的に格納される。
【0025】
ディジタルスチルカメラ12において生成された画像ファイルGFは、例えば、ケーブルCV、コンピュータPCを介して、あるいは、ケーブルCVを介してカラープリンタ20に送出される。あるいは、ディジタルスチルカメラ12にて画像ファイルGFが格納されたメモリカードMCが、メモリカード・スロットに装着されたコンピュータPCを介して、あるいは、メモリカードMCをプリンタ20に対して直接、接続することによって画像ファイルがカラープリンタ20に送出される。なお、以下の説明では、メモリカードMCがカラープリンタ20に対して直接、接続される場合に基づいて説明する。
【0026】
B.画像ファイルの構成:
図3を参照して本実施例にて用いられ得る画像ファイルの概略構成について説明する。図3は本実施例にて用いられ得る画像ファイルの内部構成の一例を概念的に示す説明図である。本実施例に係る画像ファイルGFは、例えば、ディジタルスチルカメラ用画像ファイルフォーマット規格(Exif)に従ったファイル構造を有することができる。Exifファイルの仕様は、日本電子工業振興協会(JEIDA)によって定められている。
【0027】
Exifファイルとしての画像ファイルGFは、JPEG形式の画像データを格納するJPEG画像データ格納領域111と、格納されているJPEG画像データに関する各種情報を格納する付属情報格納領域112とを備えている。付属情報格納領域112には、撮影日時、露出、シャッター速度、ホワイトバランス、露出補正量、ターゲット色空間等といったJPEG画像を出力する際に参照される画像処理制御情報GCが格納されている。また、付属情報格納領域112には、画像処理制御情報GCに加えてJPEG画像データ格納領域111に格納されているJPEG画像のサムネイル画像データがTIFF形式にて格納されている。なお、当業者にとって周知であるように、Exif形式のファイルでは、各データを特定するためにタグが用いられており、各データはタグ名によって呼ばれることがある。なお、本実施例中におけるファイルの構造、データの構造、格納領域といった用語は、ファイルまたはデータ等が記憶装置内に格納された状態におけるファイルまたはデータのイメージを意味するものである。
【0028】
画像処理制御情報GCは、ディジタルスチルカメラ12等の画像データ生成装置において画像データが生成されたとき(撮影されたとき)の画質に関連する情報であり、撮影に伴い自動的に、あるいは、ユーザにより任意に設定され得る露出時間、ISO感度、絞り、シャッタースピード、焦点距離に関するパラメータ、およびユーザによって任意に設定される露出補正量、ホワイトバランス、撮影モード、ターゲット色空間等の画像処理制御パラメータを含み得る。
【0029】
本実施例に係る上記画像ファイルGFは、ディジタルスチルカメラ12の他、ディジタルビデオカメラ、スキャナ等の入力装置(画像ファイル生成装置)によっても生成され得る。
【0030】
付属情報格納領域112の詳細なデータ構造について図4を参照して説明する。図4は本実施例に用いられ得る画像ファイルGFの付属情報格納領域112のデータ構造の一例を示す説明図である。
【0031】
付属情報格納領域112には、図示するように露出時間、レンズF値、露出制御モード、ISO感度、露出補正量、ホワイトバランス、フラッシュ、焦点距離、撮影モード等の画像処理制御情報GCに対するパラメータ値が既定のアドレスまたはオフセット値に従って格納されている。出力装置側では、所望の情報(パラメータ)に対応するアドレスまたはオフセット値を指定することにより画像処理制御情報GCを取得することができる。なお、画像処理制御情報GCは、付属情報格納領域112内の未定義領域であって、ユーザに解放されているユーザ定義領域内に格納されている。
【0032】
C.画像出力装置の構成:
図5を参照して本実施例に係る画像処理装置、すなわち、カラープリンタ20の概略構成について説明する。図5は本実施例に係るカラープリンタ20の概略構成を示すブロック図である。
【0033】
カラープリンタ20は、カラー画像の出力が可能なプリンタであり、例えば、シアン(C)、マゼンタ(M)、イエロ(Y)、ブラック(K)の4色の色インクを印刷媒体上に噴射してドットパターンを形成することによって画像を形成するインクジェット方式のプリンタである。あるいは、カラートナーを印刷媒体上に転写・定着させて画像を形成する電子写真方式のプリンタである。色インクには、上記4色に加えて、ライトシアン(薄いシアン、LC)、ライトマゼンタ(薄いマゼンタ、LM)、ダークイエロ(暗いイエロ、DY)を用いても良い。
【0034】
カラープリンタ20は、図示するように、キャリッジ21に搭載された印字ヘッド211を駆動してインクの吐出およびドット形成を行う機構と、このキャリッジ21をキャリッジモータ22によってプラテン23の軸方向に往復動させる機構と、紙送りモータ24によって印刷用紙Pを搬送する機構と、制御回路30とから構成されている。キャリッジ21をプラテン23の軸方向に往復動させる機構は、プラテン23の軸と並行に架設されたキャリッジ21を摺動可能に保持する摺動軸25と、キャリッジモータ22との間に無端の駆動ベルト26を張設するプーリ27と、キャリッジ21の原点位置を検出する位置検出センサ28等から構成されている。印刷用紙Pを搬送する機構は、プラテン23と、プラテン23を回転させる紙送りモータ24と、図示しない給紙補助ローラと、紙送りモータ24の回転をプラテン23および給紙補助ローラに伝えるギヤトレイン(図示省略)とから構成されている。
【0035】
制御回路30は、プリンタの操作パネル29と信号をやり取りしつつ、紙送りモータ24やキャリッジモータ22、印字ヘッド211の動きを適切に制御している。カラープリンタ20に供給された印刷用紙Pは、プラテン23と給紙補助ローラの間に挟み込まれるようにセットされ、プラテン23の回転角度に応じて所定量だけ送られる。
【0036】
キャリッジ21にはインクカートリッジ212とインクカートリッジ213とが装着される。インクカートリッジ212には黒(K)インクが収容され、インクカートリッジ213には他のインク、すなわち、シアン(C),マゼンタ(M),イエロ(Y)の3色インクの他に、ライトシアン(LC),ライトマゼンタ(LM),ダークイエロ(DY)の合計6色のインクが収納されている。
【0037】
次に図6を参照してカラープリンタ20の制御回路30の内部構成について説明する。図6は、カラープリンタ20の制御回路30の内部構成を示す説明図である。図示するように、制御回路30の内部には、CPU31,PROM32,RAM33,メモリカードMCからデータを取得するPCMCIAスロット34,紙送りモータ24やキャリッジモータ22等とデータのやり取りを行う周辺機器入出力部(PIO)35,タイマ36,駆動バッファ37等が設けられている。駆動バッファ37は、インク吐出用ヘッド214ないし220にドットのオン・オフ信号を供給するバッファとして使用される。これらは互いにバス38で接続され、相互にデータにやり取りが可能となっている。また、制御回路30には、所定周波数で駆動波形を出力する発振器39、および発振器39からの出力をインク吐出用ヘッド214ないし220に所定のタイミングで分配する分配出力器40も設けられている。
【0038】
制御回路30は、メモリカードMCから画像ファイルGFを読み出し、画像処理制御情報GCを解析し、解析した画像処理制御情報GCに基づいて画像処理を実行する。制御回路30は、紙送りモータ24やキャリッジモータ22の動きと同期を採りながら、所定のタイミングでドットデータを駆動バッファ37に出力する。制御回路30によって実行される詳細な画像処理の流れについては以下に説明する。
【0039】
D.カラープリンタ20における画像処理:
図7〜図9を参照して本実施例に係るカラープリンタ20における画像処理について説明する。図7は本実施例に係るカラープリンタ20における画像処理の処理ルーチンを示すフローチャートである。図8はカラープリンタ20における拡張画像処理の流れを示すフローチャートである。図9はカラープリンタ20における画像処理制御情報に基づく画像処理の処理ルーチンを示すフローチャートである。図10はカラープリンタ20における原色空間をsRGB色空間とする画像処理の流れを示すフローチャートである。図11はカラープリンタ20における通常画像処理の流れを示すフローチャートである。
【0040】
カラープリンタ20の制御回路30(CPU31)は、スロット34にメモリカードMCが差し込まれると、メモリカードMCから画像ファイルGFを読み出し、読み出した画像ファイルGFをRAM33に一時的に格納する(ステップS100)。CPU31は、ユーザにより設定された解像度、印刷用紙等についての印刷条件をプリンタドライバ(印刷制御装置)に問い合わせて取得する(ステップS110)。RGB色空間をCMYK色空間に変換するための色変換テーブルは、印刷解像度と印刷用紙の組み合わせ毎に用意されているので、設定された印刷条件に対応する広域RGB(wRGB)−CMYK色変換テーブルを保有するか否かを確認し、印刷条件に適した画像処理を実行するためである。
【0041】
CPU31は、設定された印刷用紙が、保有するwRGB−CMYK色変換テーブルに対応している対応用紙であるか否かを判定し(ステップS120)、設定された印刷用紙が対応用紙であると判定した場合には(ステップS120:Yes)、設定された印刷解像度が、保有するwRGB−CMYK色変換テーブルに対応している対応解像度であるか否かを判定する(ステップS130)。CPU31は、設定された解像度が対応解像度であると判定した場合には(ステップS130:Yes)、wRGB−CMYK色変換テーブルを用いる拡張画像処理を実行する(ステップS140)。
【0042】
CPU31は、広域色変換処理を含む画像処理が施され、印刷用画像データとなった画像データを印字ヘッド211に送出して、画像を印刷用紙上に出力して(ステップS150)本処理ルーチンを終了する。
【0043】
CPU31は、設定された印刷用紙が対応用紙でないと判定した場合(ステップS120:No)、または、設定された印刷解像度が対応解像度でないと判定した場合には(ステップS130:No)、wRGB−CMYK色変換テーブルを用いない通常画像処理を実行する(ステップS160)。CPU31は、通常色変換処理を含む画像処理が施され、印刷用画像データとなった画像データを印字ヘッド211に送出して、画像を印刷用紙上に出力して(ステップS150)本処理ルーチンを終了する。
【0044】
次に図8を参照して拡張画像処理について詳述する。CPU31は、先に読み出した画像ファイルGFの付属情報格納領域102から画像データ生成時の情報を示す画像処理制御情報GCを検索する(ステップS200)。CPU31は、画像処理制御情報を検索・発見できた場合には(ステップS210:Yes)、画像データ生成時の画像処理制御情報GCを取得して解析する(ステップS220)。CPU31は、解析した画像処理制御情報GCに基づいて後に詳述する画像処理を実行し(ステップS230)、図7に示すメインルーチンにリターンする。本実施例において、特に重要な画像処理制御情報は、画像データが生成された際の原色空間情報であり、かかる情報には、自動的に付与される画像データ生成装置固有の色空間、およびユーザによって任意に設定される色空間の双方が含まれる。画像データ生成時における原色空間情報が不明な場合には、原色空間とwRGB色空間とを正確に対応付けることができないからである。画像処理制御情報を解析して原色空間情報を取得できた場合には、後述する、取得した原色空間とwRGB色空間とを対応付ける処理を実行する。
【0045】
CPU31は、画像処理制御情報を検索・発見できなかった場合には(ステップS210:No)、画像データ生成時における画像処理制御情報を反映させることができないので、カラープリンタ20が予めデフォルト値として保有している画像処理制御情報、すなわち、各種パラメータ値をROM32から取得して原色空間をsRGBとする画像処理を実行する(ステップS240)。原色空間情報が不明な場合には、画像データの色空間とwRGB色空間との対応付けができないので、本実施例では、原色空間が不明の場合には、原色空間として一般的に用いられるsRGB色空間を原色空間としwRGB色空間に対応付ける。CPU31は、原色空間をsRGBとする画像処理を終えると、図7に示すメインルーチンにリターンする。
【0046】
カラープリンタ20において実行される画像処理制御情報に基づく画像処理について図9を参照して詳細に説明する。カラープリンタ20のCPU31は、読み出した画像ファイルGFから画像データGDを取りだす(ステップS300)。ディジタルスチルカメラ12は、既述のように画像データをJPEG形式のファイルとして保存しており、JPEGファイルでは、圧縮率を高くするためにYCbCr色空間を用いて画像データを保存している。
【0047】
CPU31は、YCrCb色空間に基づく画像データをsRGB色空間に基づく画像データに変換するために3×3マトリクス演算Sを実行する(ステップS310)。マトリクス演算Sは以下に示す演算式である。
【0048】
【数1】
Figure 0004092882
【0049】
CPU31は、こうして得られたsRGB色空間に基づく画像データに対して、ガンマ補正を実行する(ステップS320)。ガンマ補正を実行する際には、CPU31は画像処理制御情報GCからDSC側のガンマ値を取得し、取得したガンマ値を用いて映像データに対してガンマ変換処理を実行する。すなわち、ガンマ値も画像処理制御情報GCによって指定される画像処理制御パラメータ値に含まれる。ガンマ補正の演算式は以下の通りである。
【0050】
【数2】
Figure 0004092882
【0051】
CPU31は、ガンマ補正が実行された画像データGDに対して、原色空間とwRGB色空間とを対応付けるマトリクス演算(N-1M)を実行する(ステップS330)。本実施例において用いられる画像ファイルGFは、画像生成時における色空間情報を含むことができるので、画像ファイルGFが色空間情報を含んでいる場合には、CPU31は、マトリクス演算(N-1M)を実行するに際して、色空間情報を参照し、画像生成時における色空間に対応するマトリクス(N-1M)を用いてマトリクス演算を実行する。
【0052】
マトリクス演算(N-1M)はRGB色空間をXYZ色空間に変換するためのマトリクスMを用いるマトリクス演算Mと、wRGB色空間をXYZ色空間に変換するためのマトリクスNを用いるマトリクス演算Nの逆マトリクス演算N-1との合成マトリクスである。マトリクスMは、マトリクス演算SによってもたらされたsRGB色空間の定義領域内には含まれないが、原色空間の定義領域内に含まれており、データとしては有効な画像データ(色彩値)を反映して、sRGB色空間に基づく画像データを、XYZ色空間に基づく画像データに変換するためのマトリクスである。したがって、原色空間が異なればマトリクスの値は異なる。マトリクスNの逆マトリクスNは、マトリクス演算MによってXYZ色空間に基づく画像データに変換された画像データをsRGB色空間よりも広い定義領域を有するwRGB色空間に変換(RGB色空間に戻す)ためのマトリクスである。XYZ色空間は、機器の出力特性に依存しない機器独立色空間の1つであり、sRGB色空間とwRGB色空間との間における色彩値の対応付けを行うために用いられる。マトリクス演算(N-1M)は以下に示す演算式である。
【0053】
【数3】
Figure 0004092882
【0054】
マトリクス演算(N-1M)の実行後に得られる画像データGDの色空間はsRGB色空間よりも広い定義領域を有するwRGB色空間である。従来は、プリンタまたはコンピュータにおける画像処理に際して用いられる色空間はsRGBに固定されており、ディジタルスチルカメラ12の有する色空間を有効に活用することができなかった。これに対して、本実施例では、画像ファイルGFに色空間情報が含まれている場合には、色空間情報に対応してマトリクス演算Mに用いられるマトリクス(N-1M)を変更するので、ディジタルスチルカメラ12の有する色空間を有効に活用して、正しい色再現を実現することができる。
【0055】
CPU31は、マトリクス演算(N-1M)により得られた画像データに対して逆ガンマ補正を実行する(ステップS340)。ガンマ補正を実行する際には、CPU31はROM32からプリンタ側のデフォルトのガンマ値を取得し、取得したガンマ値の逆数を用いて画像データGDに対して逆ガンマ変換処理を実行する。逆ガンマ補正に用いられる演算式は以下の通りである。
【0056】
【数4】
Figure 0004092882
【0057】
CPU31は、逆ガンマ補正が施された画像データGDに対して画像画質の自動調整処理を実行する(ステップS350)。本実施例における画質自動調整処理では、画像ファイルGFに含まれている画像データGDを解析して画質を示す特性パラメータ値を取得し、画像ファイルGFに含まれている画像処理制御情報GC、取得した特性パラメータ値を反映にて画像データを補正する画質の自動調整が実行される。画質自動調整処理では、補正の目標となるべき基準パラーメータを予め定めておき、基準パラメータに対して画像データの特性パラメータが近づけるように、あるいは一致するように画像データを補正する。このとき、画像処理制御情報GCは、基準パラメータの値を変更するために用いられても良く、あるいは、基準パラメータの値に対して特性パラーメータの値を近づける程度を変更するために用いられても良い。
【0058】
画像データの補正は、例えば、明度、コントラスト、カラーバランス等については、一般的にトーンカーブと呼ばれる、RGB信号の入力レベルと出力レベルとを関連づける特性線を用いて各画素(ピクセル)単位で実行される。また、例えば、彩度、シャープネス、ノイズ低減等については、トーンカーブ処理ではなくピクセル演算処理(フィルタ処理)がピクセル単位で実行される。
【0059】
CPU31は、画質自動調整処理を終了すると、印刷のためのwRGB−CMYK色変換処理を実行する(ステップS360)。wRGB色変換処理では、CPU31は、ROM31内に格納されている、wRGB色空間をCMYK色空間に関連づける変換用ルックアップテーブル(LUT)を参照し、画像データの色空間をwRGB色空間からCMYK色空間へ変更する。すなわち、R・G・Bの階調値からなる画像データをカラープリンタ20で使用する、例えば、C・M・Y・K・LC・LMの各6色の階調値のデータに変換する。
【0060】
CPU31は、ハーフトーン処理を実行し(ステップS370)、図8に示すルーチンにリターンする。ハーフトーン処理では、色変換済みの画像データを受け取って、階調数変換処理を行う。本実施例においては、色変換後の画像データは各色毎に256階調幅を持つデータとして表現されている。これに対し、本実施例のカラープリンタ20では、「ドットを形成する」,「ドットを形成しない」のいずれかの状態しか採り得ず、本実施例のカラープリンタ20は局所的には2階調しか表現し得ない。そこで、256階調を有する画像データを、カラープリンタ20が表現可能な2階調で表現された画像データに変換する。この2階調化(2値化)処理の代表的な方法として、誤差拡散法と呼ばれる方法と組織的ディザ法と呼ばれる方法とがある。
【0061】
カラープリンタ20では、色変換処理に先立って、画像データの解像度が印刷解像度よりも低い場合は、線形補間を行って隣接画像データ間に新たなデータを生成し、逆に印刷解像度よりも高い場合は、一定の割合でデータを間引くことによって、画像データの解像度を印刷解像度に変換する解像度変換処理を実行する。また、カラープリンタ20は、ドットの形成有無を表す形式に変換された画像データを、カラープリンタ20に転送すべき順序に並べ替えてるインターレス処理を実行する。
【0062】
カラープリンタ20において実行される原色空間をsRGBとする画像処理について図10を参照して詳細に説明する。なお、各ステップにおいて実行される処理のうち、図9を参照して説明した拡張画像処理における処理と同様の処理については、簡単に説明するにとどめる。カラープリンタ20のCPU31は、読み出した画像ファイルGFから画像データGDを取りだす(ステップS400)。CPU31は、YCrCb色空間に基づく画像データをsRGB色空間に基づく画像データに変換するために3×3マトリクス演算Sを実行する(ステップS410)。マトリクス演算Sは既述の演算式である。
【0063】
CPU31は、マトリクス演算Sの実行により得られたsRGB色空間に基づく画像データGDに対して、原色空間とwRGB色空間とを対応付けるマトリクス演算(N-1M)を実行する(ステップS420)。本処理ルーチンは、画像ファイルGFに画像処理制御情報GCが含まれていないときに実行されるので、色空間情報を参照し、画像生成時における色空間に対応するマトリクス(N-1M)を用いてマトリクス演算を実行することができない。そこで、CPU31は、画像データGD生成時における色空間である原色空間をsRGBとみなして、マトリクス演算(N-1M)を実行する。なお、原色空間としてのsRGB色空間をwRGB色空間に変換するためのマトリクスN-1Mの例示は省略する。
【0064】
CPU31は、マトリクス演算(N-1M)により得られた画像データに対して画像画質の自動調整処理を実行し(ステップS430)、印刷のためのwRGB−CMYK色変換処理を実行する(ステップS440)。最後に、CPU31は、ハーフトーン処理を実行し(ステップS450)、図8に示すルーチンにリターンする。
【0065】
カラープリンタ20において実行される通常画像処理について図11を参照して詳細に説明する。なお、各ステップにおいて実行される処理のうち、図9を参照して説明した拡張画像処理における処理と同様の処理については、簡単に説明するにとどめる。カラープリンタ20のCPU31は、読み出した画像ファイルGFから画像データGDを取りだす(ステップS500)。CPU31は、YCrCb色空間に基づく画像データをsRGB色空間に基づく画像データに変換するために3×3マトリクス演算Sを実行する(ステップS510)。マトリクス演算Sは既述の演算式である。
【0066】
CPU31は、マトリクス演算Sにより得られた画像データに対して画像画質の自動調整処理を実行し(ステップS520)、印刷のためのsRGB−CMYK色変換処理を実行する(ステップS530)。本処理ルーチンは、印刷条件から判断して、wRGB−CMYK色変換を実行できない場合、すなわち、選択された印刷条件に対応するwRGB−CMYK色変換テーブルがない場合に実行されるので、通常の、sRGB−CMYK色変換テーブルが用いられる。最後に、CPU31は、ハーフトーン処理を実行し(ステップS450)、図7に示すメインルーチンにリターンする。
【0067】
以上、説明したように本実施例におけるカラープリンタ20によれば、印刷解像度および印刷用用紙の種類の組み合わせといった印刷条件に基づいて、RGB−CMYK色変換テーブルを選択することができる。さらに、本実施例では、RGB−CMYK色変換テーブルとして、画像データ生成時における色空間の定義領域内に含まれていた色彩値(画像データ)を再現することができるwRGB−CMYK色変換テーブルを有している。したがって、印刷条件に適合するRGB−CMYK色変換テーブルを用いて画像データの画像処理を実行することができると共に、印刷条件が適合する場合には、wRGB−CMYK色変換テーブルを用いた拡張画像処理によって、出力画像の画質を向上させることができる。また、全ての印刷条件について広域の色変換テーブルであるwRGB−CMYK色変換テーブルを予め用意しておく必要がなく、wRGB−CMYK色変換テーブルによる画質向上を反映することができる印刷条件についてのみwRGB−CMYK色変換テーブルを用意すればよいので、要求されるメモリリソース量を低減することができる。
【0068】
また、マトリクス演算SによってsRGB色空間に変換された画像データの色空間を、画像データ生成時における画像出力装置固有の色空間、または、任意に設定された色空間を反映してwRGB色空間に変換することができるので、原色空間との対応関係を考慮しつつ画像データの彩度を向上させることができる。
【0069】
F.その他の実施例:
上記実施例では、パーソナルコンピュータPCを介することなく、カラープリンタ20において全ての画像処理を実行し、生成された画像データGDに従って、ドットパターンが印刷媒体上に形成されるが、画像処理の全て、または、一部をコンピュータ上、ネットワークを介したサーバ上で実行するようにしても良い。この場合には、コンピュータのハードディスク等にインストールされている、レタッチアプリケーション、プリンタドライバといった画像データ処理アプリケーション(プログラム)に図7〜図11を参照して説明した画像処理機能を持たせることによって実現される。
【0070】
例えば、ディジタルスチルカメラ12にて生成された画像ファイルGFは、ケーブルを介して、あるいは、メモリカードMCを介してコンピュータに対して提供され、コンピュータ上では、ユーザの操作によってアプリケーションが起動され、画像ファイルGFの読み込み、画像処理制御情報GCの解析、プリンタドライバに対する問い合わせ、画像データGDの変換、調整が実行される。あるいは、メモリカードMCの差込を検知することによって、またあるいは、ケーブルの差込を検知することによって、アプリケーションが自動的に起動し、画像ファイルGFの読み込み、画像処理制御情報GCの解析、画像データGDの変換、調整が自動的になされても良い。
【0071】
さらに、画質自動調整を実行する特性パラメータ値を選択できるようにしても良い。例えば、カラープリンタ20にパラメータの選択ボタン、あるいは、被写体に応じて所定のパラメータの組み合わせた撮影モードパラメータの選択ボタンを供え、これら選択ボタンによって画質自動調整を実行するパラメータを選択しても良い。また、画質自動調整がパーソナルコンピュータ上で実行される場合には、プリンタドライバまたはレタッチアプリケーションのユーザーインタフェース上にて画質自動調整を実行するパラメータが選択されても良い。
【0072】
上記実施例では、共に出力装置としてカラープリンタ20を用いているが、出力装置にはCRT、LCD、プロジェクタ等の表示装置を用いることもできる。かかる場合には、出力装置としての表示装置によって、例えば、図7〜図11を用いて説明した画像処理を実行する画像処理プログラム(ディスプレイドライバ)が実行される。あるいは、CRT等がコンピュータの表示装置として機能する場合には、コンピュータ側にて画像処理プログラムが実行される。ただし、最終的に出力される画像データは、CMYK色空間ではなくRGB色空間を有している。
【0073】
以上、実施例に基づき本発明に係る画像処理装置、画像処理方法、画像処理プログラム、画像出力装置を説明してきたが、上記した発明の実施の形態は、本発明の理解を容易にするためのものであり、本発明を限定するものではない。本発明は、その趣旨並びに特許請求の範囲を逸脱することなく、変更、改良され得ると共に、本発明にはその等価物が含まれることはもちろんである。
【0074】
上記実施例では、画像処理制御情報GCとして、光源、露出補正量、ターゲット色空間、明るさ、シャープネスといったパラメータを用いているが、本実施例では、少なくともターゲット色空間(画像生成時の色空間)どのパラメータを画像処理制御情報GCとして用いるかは任意の決定事項である。
【0075】
また、各数式におけるマトリクスS、N-1Mの値は例示に過ぎず、ターゲットとする色空間、あるいは、カラープリンタ20において利用可能な色空間等によって適宜変更され得ることはいうまでもない。
【0076】
上記実施例では、画像ファイル生成装置としてディジタルスチルカメラ12を用いて説明したが、この他にもスキャナ、ディジタルビデオカメラ等が用いられ得る。スキャナを用いる場合には、画像ファイルGFの取り込みデータ情報の指定はコンピュータPC上で実行されても良く、あるいは、スキャナ上に情報設定用に予め設定情報が割り当てられているプリセットボタン、任意設定のための表示画面および設定用ボタンを供えておき、スキャナ単独で実行可能にしてもよい。
【0077】
上記実施例では、画像ファイルGFの具体例としてExif形式のファイルを例にとって説明したが、本発明に係る画像ファイルの形式はこれに限られない。すなわち、画像データ生成装置において生成された画像データと、画像データの生成時条件(情報)を記述する画像処理制御情報GCとが含まれている画像ファイルであれば良い。このようなファイルであれば、画像ファイル生成装置において生成された画像データの画質を、適切に自動調整して出力装置から出力することができる。
【0078】
上記実施例において用いたディジタルスチルカメラ12、カラープリンタ20はあくまで例示であり、その構成は各実施例の記載内容に限定されるものではない。ディジタルスチルカメラ12にあっては、上記実施例に係る画像ファイルGFを生成できる機能を少なくとも備えていればよい。また、カラープリンタ20にあっては、少なくとも、本実施例に係る画像ファイルGFの画像処理制御情報GCを解析し、wRGB色空間またはsRGB色空間を用いて画像を出力(印刷)できればよい。
【図面の簡単な説明】
【図1】本実施例に係る画像処理装置を適用可能な画像データ処理システムの一例を示す説明図である。
【図2】本実施例に係る画像処理装置が処理する画像ファイル(画像データ)を生成可能なディジタルスチルカメラの概略構成を示すブロック図である。
【図3】本実施例において用いられ得るExifファイル形式にて格納されている画像ファイルの概略的な内部構造を示す説明図である。
【図4】本実施例に用いられ得る画像ファイルGFの付属情報格納領域112のデータ構造の一例を示す説明図である。
【図5】本実施例におけるカラープリンタ20の概略構成を示すブロック図である。
【図6】本実施例に係るカラープリンタ20の制御回路30の内部構成を示す説明図である。
【図7】本実施例に係るカラープリンタ20における画像処理の処理ルーチンを示すフローチャートである。
【図8】本実施例に係るカラープリンタ20における拡張画像処理の流れを示すフローチャートである。
【図9】本実施例に係るカラープリンタ20における画像処理制御情報に基づく画像処理の処理ルーチンを示すフローチャートである。
【図10】本実施例に係るカラープリンタ20における原色空間をsRGB色空間とする画像処理の流れを示すフローチャートである。
【図11】本実施例に係るカラープリンタ20における通常画像処理の流れを示すフローチャートである。
【符号の説明】
10…画像処理システム
12…ディジタルスチルカメラ
121…光学回路
122…画像取得回路
123…画像処理回路
124…制御回路
126…選択・決定ボタン
127…液晶ディスプレイ
14…ディスプレイ
20…カラープリンタ
21…キャリッジ
211…印字ヘッド
212…インクカートリッジ
213…インクカートリッジ
214〜220…インク吐出用ヘッド
22…キャリッジモータ
23…プラテン
24…紙送りモータ
25…摺動軸
26…駆動ベルト
27…プーリ
28…位置検出センサ
29…操作パネル
30…制御回路
31…演算処理装置(CPU)
32…プログラマブルリードオンリメモリ(PROM)
33…ランダムアクセスメモリ(RAM)
34…PCMCIAスロット
35…周辺機器入出力部(PIO)
36…タイマ
37…駆動バッファ
38…バス
39…発振器
40…分配出力器
GF…画像ファイル(Exifファイル)
111…JPEG画像データ格納領域
112…付属情報格納領域
MC…メモリカード

Claims (4)

  1. 画像データを少なくとも含む画像ファイルに対して画像処理を実行する画像処理装置であって、
    解像度、印刷用紙を含む印刷条件を設定する印刷条件設定手段と、
    画像データの色空間を異なる複数の色空間から印刷用空間に変換するための複数の色変換テーブルであって、前記異なる複数の色空間の1つであるsRGB色空間により定義される画像データを前記第1の色空間としてのCMYK色空間により定義される画像データに変換する第1の色変換テーブルと、前記異なる複数の色空間の1つであると共に前記sRGB色空間よりも広い定義領域を有するwRGB色空間により定義される画像データを、前記第1の色空間としてのCMYK色空間により定義される画像データに変換する第2の色変換テーブルとを含む、複数の色変換テーブルと、
    前記設定された印刷条件に応じて前記異なる複数の色変換テーブルの中から1つの色変換テーブルを選択する色変換テーブル選択手段であって、前記解像度および印刷用紙の組み合わせに対応する前記第2の色変換テーブルが存在する場合には、前記第2の色変換テーブルを選択する色変換テーブル選択手段と、
    前記画像データに対して、前記選択された色変換テーブルを用いた前記画像データの色空間の変換処理を含む画像処理を施す画像処理手段とを備える画像処理装置。
  2. 請求項1に記載の画像処理装置において、
    前記画像ファイルは、前記画像データに加えて前記画像データの画像処理を制御する画像処理制御情報を1つのファイル内に含み、
    前記画像処理手段は、前記色空間の変換処理に加えて、前記画像処理制御情報に基づいて、前記画像データの色空間を、前記画像データの生成時に設定された色空間から前記異なる複数の色空間に変換する画像処理を実行することを特徴とする画像処理装置。
  3. 画像データに対する画像処理方法であって、
    解像度、印刷用紙を含む印刷条件を取得し、
    画像データの色空間を異なる複数の色空間から印刷用空間に変換するための複数の色変換テーブルであって、前記異なる複数の色空間の1つであるsRGB色空間により定義される画像データを前記第1の色空間としてのCMYK色空間により定義される画像データに変換する第1の色変換テーブルと、前記異なる複数の色空間の1つであると共に前記sRGB色空間よりも広い定義領域を有するwRGB色空間により定義される画像データを、前記第1の色空間としてのCMYK色空間により定義される画像データに変換する第2の色変換テーブルとを含む複数の色変換テーブルの中から、前記取得された印刷条件に含まれる前記解像度および印刷用紙の組み合わせに対応する前記第2の色変換テーブルが存在する場合には、前記第2の色変換テーブルを選択し、
    前記画像データに対して、前記選択された色変換テーブルを用いた前記画像データの色空間の変換処理を含む画像処理を施す画像処理方法。
  4. 画像データに対して画像処理を実行する画像処理プログラムであって、
    解像度、印刷用紙を含む印刷条件を設定する機能と、
    画像データの色空間を異なる複数の色空間から印刷用空間に変換するための複数の色変換テーブルであって、前記異なる複数の色空間の1つであるsRGB色空間により定義される画像データを前記第1の色空間としてのCMYK色空間により定義される画像データに変換する第1の色変換テーブルと、前記異なる複数の色空間の1つであると共に前記sRGB色空間よりも広い定義領域を有するwRGB色空間により定義される画像データを、前記第1の色空間としてのCMYK色空間により定義される画像データに変換する第2の色変換テーブルとを含む複数の色変換テーブルの中から、前記設定された印刷条件に応じて1つの色変換テーブルを選択する機能であって、前記設定された印刷条件に含まれる前記解像度および印刷用紙の組み合わせに対応する前記第2の色変換テーブルが存在する場合には、前記第2の色変換テーブルを選択する機能と、
    前記画像データに対して、前記選択された色変換テーブルを用いた前記画像データの色空間の変換処理を含む画像処理を施す機能とをコンピュータによって実現させる画像処理プログラム。
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