JP4091880B2 - 金型温度調節機 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、合成樹脂成形に使用される金型温度調節機に関し、加熱工程および冷却工程からなる成形サイクル時間(溶融された合成樹脂材料を金型内のキャビテイへ充填開始してから成形品を取り出し、さらに次回の材料充填の準備完了までの時間)を短縮すると共に、高い熱効率を達成した金型温度調節機に関する。
【0002】
【従来の技術】
溶融された合成樹脂材料を金型のキャビテイ内に速やかに充填するために金型を加熱する加熱工程と、金型を短時間内に冷却して(成形品に品質劣化を起こさない範囲で)充填された合成樹脂材料を固化させて取り出す冷却工程とを交互に行う金型の温度調節方法が一般的に利用されている。
【0003】
従来の合成樹脂成型用金型の温度調節方法としては、金型内に冷却媒体を常時流通させておき、合成樹脂材料を充填するときのみ金型表面側に設けた別の媒体通路に加熱媒体を流通させる温度調節方法が知られている(例えば、特許文献1参照。)。
【0004】
また、金型内に設けられた1つの媒体通路へ加熱媒体または冷却媒体を交互に送給して加熱工程と冷却工程を交互に行う方法を採用し、加熱工程と冷却工程を切り換えるに当たり、金型に残存する加熱媒体または冷却媒体を機外へ排出するために圧縮空気を用いる方法も知られている(例えば、特許文献2参照。)。
【0005】
【特許文献1】
特開平11−348041号公報(第3頁〜第4頁、図1)
【特許文献2】
特開2001−18229号公報(請求項19−26、図8)
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記特許文献1の金型温度調節方法は、金型を常時冷却しておきながら加熱を行うものであるため、加熱工程において必要以上の加熱エネルギを必要とし、熱効率は低いものとならざるをえない。
【0007】
上記特許文献2の金型温度調節方法によれば、金型内に残存している加熱媒体または冷却媒体には熱エネルギを有しており、上記公報の開示にあるように、これをそのまま機外へ放出してしまうということは熱エネルギを廃棄していることに等しく熱効率を著しく低下する。
また、パージ用の圧縮空気が液体である加熱媒体または冷却媒体に混入し、金型内における熱交換効率を低下させて、加熱または冷却が金型内で均一に行えなくなると共に、媒体の流通を阻害させるといった不都合もある。
【0008】
本発明は、上記従来の金型温度調節方法ないし金型温度調節機の有する問題点を解決するものであり、少なくとも加熱媒体の有する熱エネルギを機外へ無駄に放出することなく、有効に再利用できて熱効率の高い金型温度調節機を提供することを目的とする。
また、加熱工程と冷却工程からなる工程サイクル時間を短縮して、合成樹脂成形品の成形取り出し時間を短くして生産効率を向上させることも達成させる。
【0009】
さらに、加熱媒体を昇温させる金型温度調節機を、加熱媒体として水あるいはエチレングリコールなどを使用したときに、加熱媒体の沸点を上昇させて、沸騰させずに高い温度に加熱して金型の熱交換に使用できることを目的とする。
【0010】
【課題を解決するための手段】
上記の目的を達成するため、本発明の請求項1の金型温度調節機は、合成樹脂成形用の金型の内部に加熱媒体または冷却媒体を通す共通の媒体通路を設け、この媒体通路の入口側および出口側にそれぞれ切換弁を接続し、前記媒体通路の出口側に接続した切換弁は制御盤に接続してあるとともに、前記切換弁には金型温度調節機および冷却ユニットを接続して前記金型との間に媒体を流通させる循環経路が形成してあり、前記加熱工程から冷却工程へ切り換える際に媒体通路の入口側において加熱媒体から冷却媒体へ変換し、又は冷却工程から加熱工程へ切り換える際に金型における媒体通路の入口側において冷却媒体から加熱媒体へ変換し、前記制御盤の操作により、その後に時間的に遅らせて前記媒体通路の出口側において、媒体流れを前者では金型温度調節機側から冷却ユニット側へ切り換えて冷却工程を行い、後者では冷却ユニット側から金型温度調節機側へ切り換えて加熱工程を行うようにしてなる金型温度調節機において、
前記媒体通路の入口と出口との間にヒータボックスを接続し、このヒータボックスとの間で加熱媒体の送給および返送を行う加熱媒体タンクを設け、この加熱媒体タンク内に加熱媒体を貯留できるように構成してある一方、前記冷却ユニットには冷却媒体タンクを設け、この冷却媒体タンク内に冷却媒体を貯留できるように構成してあり、前記加熱媒体タンクを含む加熱媒体の循環ラインと前記冷却媒体タンクを含む冷却媒体の循環ラインとは互いに独立しており、加熱媒体と冷却媒体の切り換え時には媒体が金型へ戻らないバイパス返還経路を有していることを特徴とする。
【0011】
これにより、金型内部に残存していた加熱媒体、および金型の高温に晒されて昇温した冷却媒体を金型温度調節機へ送給するので、媒体の熱エネルギを金型温度調節機において再利用することができ、高い熱効率を達成できる。
また、高い温度の媒体が冷却ユニットへ送給されて冷却ユニット内の冷却媒体に混入し、この冷却媒体の温度を上げてしまうことがなくなるので、金型を速やかに冷却できることとなり、冷却工程時間を短縮化して製品の製造時間を短くでき、効率的な生産を可能とする。
【0012】
また、本発明では、冷却媒体を冷却ユニットと金型との間を循環させると共に、冷却工程から加熱工程へ切り換える際、金型における媒体通路の入口側において冷却媒体から加熱媒体へ変換し、その後に時間的に遅らせて前記媒体通路の出口側において媒体流れを冷却ユニット側から金型温度調節機側へ切り換え、加熱工程を行う。
【0013】
これにより、金型内部に残存していた冷却媒体、および金型の低温に晒されて低温化した加熱媒体を冷却ユニットへ送給するので、媒体の熱エネルギを無駄にすることなく冷却ユニットにおいて再利用でき、高い熱効率を達成できる。
また、低い温度の媒体が金型温度調節機へ送られて金型温度調節機内の加熱媒体に混入し、この加熱媒体の温度を下げてしまうことがなくなるので、金型を速やかに加熱できることとなり、加熱工程時間を短縮化して製造時間を短縮でき、効率的な生産が可能となる。
さらに、金型を確実に所定温度まで加熱できるので、溶融合成樹脂材料の流動化が促進され、成形品の品質を向上させると共に不良品の発生を低減できる。
【0014】
また、冷却工程の初期において高温化された冷却媒体が金型温度調節機へ送り込まれるので、金型温度調節機内の媒体容量が増加することになる。そこで増加する媒体を機外へ排出してしまわないようにするため、加熱媒体タンクにこの増量分を貯留できる。これによって熱エネルギを有する媒体を無駄に廃棄することなく、金型温度調節機内において加熱媒体が無用に温度低下するのを防止できる。
【0015】
本発明の請求項2の金型温度調節機においては、上記加熱媒体タンクは密閉構造に形成されると共に、この加熱媒体タンクは加圧エアによって高圧化されて媒体の沸点が上げられ、また上記金型の出口側と冷却ユニットとの間に配管内圧を保持するための圧力調整弁が設けられている。
【0016】
これにより、加熱媒体タンク内を加圧エアによって高圧化するので、加熱媒体の沸点を上昇させることができ(例えば、媒体が水の場合、沸点を摂氏100度を越える値にすることが可能で、例えば摂氏130度においても沸騰させずに使用が可能)、金型を効果的に短時間で加熱できるようになる。
また、圧力調整弁によって配管内圧を大気圧以上に一定に保持するので、媒体を沸騰させないで使用することができる。この構成は媒体が水やエチレングリコールにおいて優れた効果を発揮する。
【0017】
【発明の実施の形態】
図1は本発明の金型温度調節機に用いられる合成樹脂成形用金型の温度調節システムの全体説明図である。固定側金型M1と可動側金型M2とからなる金型Mと、2つの金型温度調節機1、1(加熱容量が高いものであれば1つでも可能)と、1つの冷却ユニット2とが設けられている。以下に、金型としては固定用金型M1のみを取り挙げて、この固定用金型M1と冷却ユニット2と金型温度調節機1との配管についてのみ詳述するが、可動側金型M2にも同様の配管が施されて同様の温度調節方法が行われるが、詳細は固定用金型M1の場合を参考にするとよい。
【0018】
固定側金型M1には温度センサ31を設けてあると共に、この温度センサ31に温度調節ユニット32を接続してあり、これで金型温度を管理する。この固定側金型M1の内部には図示しない媒体通路(図4−7の符号B参照)が形成され、この媒体通路の入口側にはフレキシブルホースF1を介して配管33が接続されている。前記媒体通路の出口側にはフレキシブルホースF2を介して配管34が接続されている。
【0019】
前記配管33は、三方切換弁などからなる切換弁V3、配管22、配管21を介して冷却ユニット2に接続されている。そして、切換弁V3の他方の接続口は、配管26、27を介して冷却ユニット2に接続されてバイパス返還経路を形成している。
なお、配管27には圧力調整弁Vpを設け、配管27の内圧を一定値に保持するように構成されている。
また、前記配管33には別の三方切換弁などからなる切換弁V2が接続され、この切換弁V2は配管11を介し前記金型温度調節機1に接続されると共に、この切換弁V2の他方の接続口は配管16、配管12を介して金型温度調節機1に接続されてバイパス返還経路を形成している。
【0020】
媒体通路の出口側に接続された配管34には、三方切換弁などからなる切換弁V1、配管12を介して金型温度調節機1が接続されている。そして、切換弁V1の他方の接続口は配管25および配管27を介して冷却ユニット2に接続されている。
なお、上記切換弁などからなる切換弁V1,V2,V3は自動開閉弁と配管とを組み合わせたものに替えることもできる。
【0021】
金型温度調節機1において加熱された加熱媒体(本実施形態においては温水)の主たる流れは、配管11、切換弁V2、配管33、フレキシブルホースF1、固定側金型M1(金型内の媒体通路)、フレキシブルホースF2、配管34、切換弁V1、配管12を順に経て金型温度調節機1に循環される。
なお、固定側金型M1へ加熱媒体を導入させないときには、金型温度調節機1からの加熱媒体は、配管11、切換弁V2、配管16、配管12を介して金型温度調節機1へ戻されバイパス返還経路を経て循環させている。
【0022】
また、前記冷却ユニット2において冷却された冷却媒体(本実施形態においては冷水)の主たる流れは、配管21、配管22、切換弁V3、配管33、フレキシブルホースF1、固定側金型M1、フレキシブルホースF2、配管34、切換弁V1、配管25、配管27を順に経て冷却ユニット2へ循環される。
なお、固定側金型M1に冷却媒体を導入させないときには、配管21、配管22、切換弁V3、配管26、配管27を経て冷却ユニット2へ戻されバイパス返還経路を経て循環させている。
上記加熱媒体と冷却媒体は固定側金型M1へ同時に導入されることはない。
【0023】
図9は切換弁V1(V2,V3)の構造例を示す断面説明図であり、例えば三方切換弁V1について説明すると、弁本体38に1つの入口(34a)と2つの出口(25a、16a)を形成し、弁体37をピストンロッド36を介してソレノイド35によって往復移動させ、媒体の出口が16aまたは25aの一方になるように規制する。三方切換弁V2、V3も同一構造で同様の動作をする。なお、弁体37の駆動は電磁式だけでなく空気式やその他の圧力媒体式などであっても構わない。
【0024】
図2は金型温度調節機1の内部構成を示す配管説明図である。この金型温度調節機1内には、ヒータ44によって加熱媒体を昇温させるヒータボックス4を設け、このヒータボックス4には開放リリーフ弁41、サーモスタット42、ドレンプラグ43、冷却管45、冷媒を通す配管である配管18a,18b,18cが付設されている。加熱された加熱媒体は配管15を介してポンプ6を経てゲートバルブV11、配管11から切換弁V2…を経て金型Mへ送給される。なお、図2で、59,60はレギュレーターである。
【0025】
また,返媒口から切換弁(V1…)を介して戻される使用済の加熱媒体は、配管12、ゲ−トバルブV12、配管13を経てヒータボックス4に返戻されると共に、過剰な加熱媒体は配管14を通って後述する加熱媒体タンク5へ送られる。
【0026】
上記ヒータボックス4は配管14を介して加熱媒体タンク5に接続され、この加熱媒体タンク5にはヒータボックス4から溢れ出る加熱媒体Lが貯留される。この加熱媒体タンク5にはフロートスイッチ51、液面計52、圧力計53などが付設されている。
この加熱媒体タンク5は密閉構造に形成され、内部空間には配管19を介して加圧エアが導入されて1気圧を越える圧力に保持されている。これによって加熱媒体である温水の沸点は上昇され、摂氏100度を越えて流通することを可能としている。この実施形態においては、金型温度を例えば摂氏120度とするため温水温度は摂氏130度としても沸騰しないように構成されている。
【0027】
また、加熱媒体タンク5は配管17および配管13、14を介してヒータボックス4に接続され、ヒータボックス4内の加熱媒体が不足したときは、この配管17から配管13を通じるルートから補充される。
このように、加熱媒体タンク5においては過剰な加熱媒体を貯留しておき、後に説明するように必要に応じて、ヒータボックス5へ加熱媒体を補充して加熱媒体が不足になる事態を回避する。
なお、図2で、54,55はチャッキバルブ、56は電磁弁、57は切換弁V1〜V6を集合した切換弁ユニット、58は切換弁ユニット57と接続した制御盤である。上記加熱工程から冷却工程へ切り換える際に媒体通路の入口側において加熱媒体から冷却媒体へ変換し、又は冷却工程から加熱工程へ切り換える際に金型における媒体通路の入口側において冷却媒体から加熱媒体へ変換し、前記制御盤58の操作により、その後に時間的に遅らせて前記媒体通路の出口側において媒体流れを、前者では金型温度調節機1側から冷却ユニット2側へ切り換えて冷却工程を行い、後者では冷却ユニット2側から金型温度調節機1側へ切り換えて加熱工程を行うようにしてある。
図10は金型温度調節機1の実機を示す側面図であり、装置の上方に加熱媒体タンク5を設けるものを示す。
【0028】
なお、図1に示す冷却ユニット2は、冷却媒体を貯留できる汎用の物を用い(図4−7に示す冷却媒体タンク28を備える)、必要に応じて冷却媒体を冷水等で熱交換して冷やすだけのものや、冷媒ガスを使用して強制冷却する方式のものなどを使用する。
【0029】
以下に、図1に示した加熱冷却システムによる金型の温度調節方法について説明する。図3は金型Mつまり固定側金型M1の金型キャビテイ内における温度変化の1サイクルを示すグラフである。可動側金型2の温度変化も同様となる。この1サイクルの間に合成樹脂材料の充填、保圧、冷却固化、型開、取り出しの各工程がある。なお、温度面からの構成においては1つの加熱工程と冷却工程から構成される。すなわち、加熱工程においては主として金型温度調節機1から金型M1へ加熱媒体(温水)が送給され、冷却工程においては主として冷却ユニット2から冷却媒体(冷水)が金型M1へ送り込まれる。
【0030】
まず、加熱工程(図4は加熱工程終期)から冷却工程(図5は冷却工程初期)へ変換する場合については、変換開始時に金型M1の入口側にある切換弁V2およびV3を切り換え、金型M1へ流されていた加熱媒体を冷却媒体に変換する(図4から図5へと変わる)。
この変換時には、金型M1の媒体通路Bには加熱媒体が残されていると共に、金型M1の温度は高い状態を維持しており、冷却媒体はすぐに昇温されて金型M1から排出されてくる。そのため、高温化された冷却媒体を冷却ユニットへそのまま戻してしまうと、これを冷却するために多くの熱エネルギが必要となる。
【0031】
そこで、加熱工程から冷却工程へ変換する初期において、図5に示すように金型M1の出口側にある切換弁V1は加熱工程時のままに保持し、金型内に残存する加熱媒体および著しく昇温された冷却媒体は金型温度調節機1へ送給する。このとき加熱媒体は切換弁V2によって配管16、配管12を通るバイパス返還経路を経て金型温度調節機1へ循環される。したがって金型温度調節機1へ送られる加熱媒体は増量することになるが、これは金型温度調節機1に設けられた加熱媒体タンク5内に貯留する。また、冷却ユニット2内に設けられる冷却媒体タンク28へは冷却媒体が返戻してこないので、十分な容量のものを採用しておく。
【0032】
金型温度が所定の温度に達したとき、またはタイマーによって所定の時間が経過したのち図6に示すように、金型M1の出口側34に設けた切換弁V1を切り換えて冷却媒体は配管25、27を通って冷却ユニット2へ戻るようにし、冷却媒体は冷却ユニット2と金型M1の間を循環し、合成樹脂成形品を固化して取り出せるようになるまで冷却する。
【0033】
さらに、冷却工程から加熱工程に変換する際にも上述と同様、加熱工程開始時期において図7に示すように、まず金型M1における入口側の配管33で切換弁V2.V3を切り換え、金型M1の媒体通路Bに導入する媒体を冷却媒体から加熱媒体に変える。この加熱工程初期においては、金型M1における出口側の配管34の切換弁V1は冷却工程のままとし、媒体通路B内に残存していた冷却媒体と著しく冷された加熱媒体は冷却ユニット2へ送給され、媒体の加熱に無駄な熱エネルギが浪費されるのを防止する。
このとき、冷却ユニット2から送給される冷却媒体は切換弁V3から配管26、配管27を通るバイパス返還経路で冷却ユニット2へ循環される。したがって冷却ユニット2内の冷却媒体タンク28の貯留量は増加することになる。
【0034】
そして、金型M1の温度が所定の温度まで降下するか、あるいはタイマー回路などによって所定の時間遅らせて、金型M1における出口側の配管34にある切換弁V1を切り換え、図4に示すように媒体通路Bを経た加熱媒体は切換弁V1、配管12を通って金型温度調節機1へ戻り、加熱媒体が金型温度調節機1と金型M1を循環するようにしてある。
【0035】
図3のグラフに示す符号Z4,Z5,Z6,Z7は、それぞれ図4、図5、図6、図7に示す媒体流通経路に対応しており、加熱工程および冷却工程における本発明の温度調節方法を示す。
また、図8は切換弁V1,V2,V3の切換状態を示す説明図である。切換弁V1における切換遅れ時間は、加熱工程から冷却工程への変換時における遅れ時間t1と冷却工程から加熱工程への変換時における遅れ時間t2は任意に設定できる。なお、加熱冷却システム内において加熱媒体量と冷却媒体量の平衡を保つためには、単位時間当たりの冷却媒体流量と遅れ時間t1の積、および単位時間当たりの加熱媒体流量と遅れ時間t2の積が等しくなるように設定することが推奨される。
【0036】
上記実施形態においては、遅れ時間t1,t2は、数秒から十数秒までの範囲内で設定したが、成形する合成樹脂材料の種類や金型の大きさ、形式により、これらを変更することができ、また遅れ時間をタイマー回路で設定するのに代えて、金型温度を温度センサによって計測し、所定の温度に加温または降下することを検知して遅れのタイミングを設定する方法であっても良い。
なお、金型温度調節機1および冷却ユニット2には媒体のオバーフロー機構を付設しておき、媒体の異常な増量分を機外へ排出し、さらに媒体の供給機構によって不足分を補える構成とすることが好ましい。
【0037】
また、上述の金型温度調整方法および金型温度調整機は射出成形法に適用されるだけでなく、トラスファ成形法、ブロ−成形法、ガスプレス法、圧縮成形法、反応射出成形法、熱成形法に適用できる。
さらに、射出成形法としては射出圧縮法、局部加振加圧法、ガスプレス法、ガスアシスト法、中空成形法、サンドイッチ成形法、二色成形法、インモールド成形法、プッシュプル成形法、高速射出成形法などに適用できる。
【0038】
【発明の効果】
請求項1記載の発明によれば、高温化された媒体の熱エネルギを無駄に排出してしまうことなく、金型温度調節機において再利用されるので、高い熱効率での成形品製造ができる。また、冷却ユニット内の冷却媒体の温度を不要に昇温して冷却効率を低下させることがないので、金型を速やかに冷却できて製品の成形時間を短縮して効率的な生産ができる。
また、低温化された熱媒体の熱エネルギを機外へ放出することなく、冷却ユニットにおいて再利用されるので、高い熱効率を達成できる。
しかも、金型温度調節機内の加熱媒体の温度を不要に下げてしまうことがないので、金型を速やかに加熱して製品の製造時間を短縮化できる。また、加熱不良や冷却不良によって製品品質の劣化を引き起こすことも少なくなり、不良品の発生を低下できる。
さらに、金型温度調節機へ送り込まれる増量された媒体を廃棄することなく再利用でき、高い熱効率での運転を可能とする。また加熱媒体の温度低下を最小限に抑制して製品製造時間の短縮化なども達成できる。
【0039】
請求項2記載の発明によれば、水やエチレングリコールなどの沸点温度を高く設定できるようになり、高い温度で沸騰させずに金型へ送給できて効率的な金型加熱を行える。特に水を加熱媒体とする場合においては、温水温度を例えば摂氏130度等の高温で流通させることもできる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の金型温度調節機に用いられる合成樹脂成形用金型の温度調節システムの全体説明図である。
【図2】 本発明に使用される金型温度調節機の内部構成説明図である。
【図3】 本発明における金型温度の推移を示すグラフである。
【図4】 本発明における加熱媒体および冷却媒体の流通路を示す説明図である。
【図5】 本発明における加熱媒体および冷却媒体の流通路を示す説明図である。
【図6】 本発明における加熱媒体および冷却媒体の流通路を示す説明図である。
【図7】 本発明における加熱媒体および冷却媒体の流通路を示す説明図である。
【図8】 本発明における三方切換弁の変換タイミングを示す説明図である。
【図9】 三方切換弁の構造例を示す断面説明図である。
【図10】 本発明の金型温度調節機の側面説明図である。
【符号の説明】
1 金型温度調節機
2 冷却ユニット
4 ヒータボックス
5 加熱媒体タンク
6 ポンプ
11、12、13、14、15、16、17、21、22、25、26、27、33、34 配管
28 冷却媒体タンク
B 媒体通路
F1,F2 フレキシブルホース
M 金型
M1 固定側金型
M2 可動側金型
V1,V2,V3,V4,V5,V6 切換弁
Vp 圧力調整弁
Claims (2)
- 合成樹脂成形用の金型の内部に加熱媒体または冷却媒体を通す共通の媒体通路を設け、この媒体通路の入口側および出口側にそれぞれ切換弁を接続し、前記媒体通路の出口側に接続した切換弁は制御盤に接続してあるとともに、前記切換弁には金型温度調節機および冷却ユニットを接続して前記金型との間に媒体を流通させる循環経路が形成してあり、前記加熱工程から冷却工程へ切り換える際に媒体通路の入口側において加熱媒体から冷却媒体へ変換し、又は冷却工程から加熱工程へ切り換える際に金型における媒体通路の入口側において冷却媒体から加熱媒体へ変換し、前記制御盤の操作により、その後に時間的に遅らせて前記媒体通路の出口側において、媒体流れを前者では金型温度調節機側から冷却ユニット側へ切り換えて冷却工程を行い、後者では冷却ユニット側から金型温度調節機側へ切り換えて加熱工程を行うようにしてなる金型温度調節機において、
前記媒体通路の入口と出口との間にヒータボックスを接続し、このヒータボックスとの間で加熱媒体の送給および返送を行う加熱媒体タンクを設け、この加熱媒体タンク内に加熱媒体を貯留できるように構成してある一方、前記冷却ユニットには冷却媒体タンクを設け、この冷却媒体タンク内に冷却媒体を貯留できるように構成してあり、前記加熱媒体タンクを含む加熱媒体の循環ラインと前記冷却媒体タンクを含む冷却媒体の循環ラインとは互いに独立しており、加熱媒体と冷却媒体の切り換え時には媒体が金型へ戻らないバイパス返還経路を有していることを特徴とする金型温度調節機。 - 前記加熱媒体タンクは密閉構造に形成されると共に、この加熱媒体タンクは加圧エアによって高圧化されて加熱媒体の沸点が上げられ、また上記金型の出口側と冷却ユニットとの間に配管内圧を保持するための圧力調整弁が設けられている請求項1に記載の金型温度調節機。
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JP2005022186A (ja) | 2005-01-27 |
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