JP4091455B2 - 3次元形状計測方法及び3次元形状計測装置並びにその処理プログラムと記録媒体 - Google Patents

3次元形状計測方法及び3次元形状計測装置並びにその処理プログラムと記録媒体 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は被計測物体の3次元形状を計測する3次元形状計測装置に関し、特に計測産業、通信産業、映像産業等の分野において使用される3次元形状計測装置に適用して有効な技術に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
近年、携帯機器等で3次元画像が取り扱われる様になり、3次元画像の入力手段として、小型、低コスト、低消費電力、計測環境や計測範囲に制限の無い3次元形状計測装置が求められている。ところが、従来の3次元計測装置ではこれらの条件を全て満たせるものが存在しなかった。
【0003】
例えば、被計測物体に光を照射して計測するアクティブ型3次元計測装置は、照射光源を駆動するため消費電力が大きい、計測距離に制限がある、環境光に制限があり例えば太陽光の元では動作できない等の欠点を有する。また、これらの手法は照射光にレーザを用いる場合が多いが、この場合、安全性の観点においても民生用としては不適である。
【0004】
一方、被計測物体に特別な光を照射すること無く計測を行うパッシブ型3次元計測装置があれば上記の問題を解決できる。しかしながら、パッシブ型に属する3次元計測方法は性能に難点がある他、特に信頼性が低いため、大半の方法は実用的な計測装置を作れる段階に至っていない。
【0005】
ところで、Shape from Focusと呼ばれるパッシブ型に属する3次元計測方法がある(例えば非特許文献1参照)。この方法は異なった焦点位置の異なる複数の撮影手段で撮影した画像情報を取得し、該画像から撮影対象の3次元形状を求める。この方法の原理は、ある焦点位置の撮影手段で撮影した画像においては、焦点位置に近い領域は鮮明に写るのに対して、焦点位置から離れた領域はぼやけて写ることを利用して距離計測を行う。具体的には、画像内の各画素を中心とする近傍の空間周波数スペクトルを求め、ぼやけ具合を該空間周波数スペクトル強度の周波数に対する減衰率の大きさから求めることによって、該画素における被写体の距離を算出することにより実現できる。この方法は焦点位置を制御できるカメラだけで装置を構成できるので、極めて小型に出来、価格や消費電力等の点でも優位性が高い。一方、この方法は計測精度や分解能が低いが、民生用途ではこれらの性能は低くて十分なことが多い。
【0006】
しかしながら、従来のShape from Focusには以下に示す欠点があった。
1.画像内で濃淡の変化に乏しい領域は計測困難であり、無理に計測しても非常に計測誤差が多いばかりか、完全な誤計測によって無意味な距離を算出することもある。
2.1枚の画像だけからでは、遠距離にあるためぼやけて写っているのか、元々画材はぼやけて見える近距離の被写体だったのかを区別できないため、これを区別する為に焦点位置の異なる複数枚の画像を必要とする。この必要な画像枚数は分解能向上の目的の他、前記の計測誤差を小さくする目的もあり数十枚用いる場合もある。
3.複数枚の撮影画像の全画素について空間周波数スペクトルを求めるため計算コストが非常に大きい。
【0007】
これらの欠点を克服する方法として、被計測物体に種々のパターンのレーザ光を照射してぼやけ方を計測するアクティブ型の3次元計測装置がある(例えば特許文献1参照)。これは確実に安定した計測ができるので上記問題の1と2を解決できるものの、前記のアクティブ型の欠点を全て抱え込む問題が新たに生じる。
【0008】
【非特許文献1】
A.Pentland "A New Sense for Depth of Field", pp.523-531,VOL.PAMI-9,No.4,JULY 1987
【特許文献1】
特開2002−56348号公報
【0009】
【発明が解決しようとする課題】
前記の様に従来のShape from Focusと呼ばれるパッシブ型に属する3次元計測方法では、画像内で濃淡の変化に乏しい領域が計測困難、焦点位置の異なる数十枚の画像を必要とする、複数枚の撮影画像の全画素について空間周波数スペクトルを求めるため計算コストが非常に大きいという問題があり、一方、これらの欠点を克服する為にアクティブ型の3次元計測装置を用いた場合には、消費電力が大きい、計測距離に制限がある、環境光に制限がある、安全性の観点において民生用としては不適であるという問題がある。
【0010】
本発明の目的は、上記問題を解決し、1枚の画像だけからShape from Focus法によって簡易的な3次元形状を求めることが可能な技術を提供することにある。また本発明の他の目的は、2枚の画像だけからShape from Focus法によってより精度が高く計測範囲も広い3次元形状を求めることが可能な技術、計算コストを大幅に削減し処理時間を短縮させることが可能な技術、性能低下を最小限に押さえながら効率良く計算コストを削減することが可能な技術や、動力を不要として低コスト化をはかり、かつ、簡便な操作で高速に焦点位置を変更することが可能な技術を提供することにある。
【0011】
【課題を解決するための手段】
本発明は、所定の焦点位置で撮影された撮影画像における空間周波数スペクトルのスペクトル強度減衰率からその領域と撮影手段間の距離を求めるものである。
【0012】
本発明の3次元形状計測装置では、所定の焦点位置の撮影手段によって撮影が行われると、その撮影手段で撮影された撮影画像を画像入力手段により入力し、撮影画像内の輝度変化が所定値以上である領域の空間周波数スペクトルを空間周波数スペクトル演算手段により求める。
【0013】
そして前記領域の空間周波数に対するスペクトル強度の減衰が最小となる方向のスペクトル強度減衰率を減衰率演算手段により求めた後、その求めたスペクトル強度減衰率から該領域と撮影手段までの距離を距離演算手段により求める。すなわち、スペクトル強度減衰率は焦点から該領域までの距離情報を反映するので、スペクトル強度減衰率より焦点から該領域までの距離を求めた後、その求めた距離に焦点位置と撮影手段までの距離を加えることによって撮影手段と該領域間の距離を求める。また前記撮影画像内の輝度変化が前記所定値未満の領域については、距離が求められた領域からの補間によって当該被写体と前記撮影手段との距離を求める。
【0014】
前記の様に本発明の3次元形状計測装置では、所定の焦点位置で撮影された撮影画像における空間周波数スペクトルのスペクトル強度減衰率からその領域と撮影手段間の距離を求めるので、ある距離までの撮影対象の3次元形状の概略を簡易に計測することが可能となる。
【0015】
また本発明の3次元形状計測装置では、異なる焦点位置で撮影された2つの撮影画像における空間周波数スペクトルのスペクトル強度減衰率からその領域と撮影手段間の距離を求めるものとしても良い。
【0016】
すなわち本発明の3次元形状計測装置において、画像入力手段により、所定の位置に焦点位置を有する第1の撮影手段で撮影された第1の撮影画像と前記所定の位置とは異なる焦点位置を有する第2の撮影手段で撮影された第2の撮影画像とをそれぞれ入力する。
【0017】
次に空間周波数スペクトル演算手段により、前記第1及び第2の撮影画像内の輝度変化の少なくとも一方が所定値以上の領域について、輝度変化がより大きい方の撮影画像の空間周波数スペクトル及び他方の撮影画像の空間周波数スペクトルをそれぞれ第1の空間周波数スペクトル及び第2の空間周波数スペクトルとして求める。
【0018】
そして、減衰率演算手段により、前記第1の空間周波数スペクトルについて、空間周波数に対するスペクトル強度の減衰が最小となる方向の減衰率を第1の減衰率として求め、前記第2の空間周波数スペクトルについて、同じ方向の空間周波数に対するスペクトル強度の減衰率を第2の減衰率として求めた後、距離演算手段により、前記第1及び第2の減衰率に基づき当該領域の被写体と前記第1または第2の撮影手段との距離を求める。すなわち、前記第1及び第2の減衰率の比は焦点位置から該領域までの距離情報を反映するので、この比より焦点位置から該領域までの距離を求めた後、その求めた距離に焦点位置と撮影手段までの距離を加えることによって撮影手段と該領域間の距離を求める。また前記撮影画像内の輝度変化が前記所定値未満の領域については、距離が求められた領域からの補間によって当該被写体と前記撮影手段との距離を求める。
【0019】
前記の様に本発明の3次元形状計測装置では、異なる焦点位置で撮影された2つの撮影画像における空間周波数スペクトルのスペクトル強度減衰率からその領域と撮影手段間の距離を求めるので、撮影対象の3次元形状を簡易に計測することが可能であり、単一の撮影画像を用いた場合よりも正確に距離を求められる、遠方の距離も計測できる等の長所を有している。
【0020】
また本発明の3次元形状計測装置では、所定の焦点位置で撮影された撮影画像または異なる焦点位置で撮影された2つの撮影画像における空間周波数スペクトルのスペクトル強度減衰率からその領域と撮影手段間の距離を求める際に、輝度変化する境界部の法線方向における1次元空間周波数スペクトルのスペクトル強度減衰率から距離を求めるものとしても良い。
【0021】
すなわち本発明の3次元形状計測装置において、画像入力手段により、所定の位置に焦点位置を有する撮影手段で撮影された撮影画像や、異なる焦点位置を有する撮影手段で撮影された2つの撮影画像を入力した後、スペクトル演算手段により、所定の焦点位置で撮影された撮影画像内で輝度変化が所定値以上の領域、または異なる焦点位置で撮影された輝度変化がより大きい方の撮影画像内で輝度変化が所定値以上の領域について、該輝度変化の境界部の法線方向と該法線方向の1次元空間周波数スペクトルとを求める。
【0022】
次に減衰率演算手段により、前記法線方向の1次元空間周波数スペクトルについて、空間周波数に対するスペクトル強度の減衰率を求め、その求めたスペクトル強度減衰率に基づき当該領域の被写体と前記撮影手段との距離を求める。また前記撮影画像内の輝度変化が前記所定値未満の領域については、距離が求められた領域からの補間によって当該被写体と前記撮影手段との距離を求める。
【0023】
前記の様に本発明の3次元形状計測装置では、輝度変化する境界部の法線方向における次元空間周波数スペクトルのスペクトル強度減衰率から距離を求めるので、2次元の空間周波数スペクトルを求める必要が無くなって計算コストを大幅に削減することが可能となり、処理時間も短縮できる。
【0024】
また本発明の3次元形状計測装置では、所定の焦点位置で撮影された撮影画像または異なる焦点位置で撮影された2つの撮影画像における空間周波数スペクトルのスペクトル強度減衰率からその領域と撮影手段間の距離を求める際に、水平方向の1次元空間周波数スペクトルのスペクトル強度減衰率から距離を求めるものとしても良い。
【0025】
すなわち本発明の3次元形状計測装置において、画像入力手段により、所定の位置に焦点位置を有する撮影手段で撮影された撮影画像や、異なる焦点位置を有する撮影手段で撮影された2つの撮影画像を入力した後、スペクトル演算手段により、所定の焦点位置で撮影された撮影画像内で輝度変化が所定値以上の領域、または異なる焦点位置で撮影された輝度変化がより大きい方の撮影画像内で輝度変化が所定値以上の領域について、水平方向の1次元空間周波数スペクトルを求める。
【0026】
次に減衰率演算手段により、前記水平方向の1次元空間周波数スペクトルについて、空間周波数に対するスペクトル強度の減衰率を求め、その求めたスペクトル強度減衰率に基づき当該領域の被写体と前記撮影手段との距離を求める。また前記撮影画像内の輝度変化が前記所定値未満の領域については、距離が求められた領域からの補間によって当該被写体と前記撮影手段との距離を求める。
【0027】
前記の様に本発明の3次元形状計測装置では、水平方向の1次元空間周波数スペクトルのスペクトル強度減衰率から距離を求めるので、2次元の空間周波数スペクトルを求める必要が無く、輝度変化する境界部の向きを求める必要も無くなることから、計算コストを大幅に削減することが可能となり、処理時間も短縮できる。
また本発明の3次元形状計測装置では、可変光学系による焦点位置可変撮影装置を用いるものとしても良い。
【0028】
すなわち、可動部が駆動されることによって焦点位置が変化する光学系と、2段階の押す深さを持つシャッタと、前記シャッタの押された深さに応じて前記光学系の可動部を駆動する伝達手段とを備える焦点位置可変撮影装置を用い、シャッタが1段目の深さまで押し込まれた場合には所定の焦点位置で撮影を行い、更にシャッタが2段目の深さまで押し込まれた場合には、伝達手段により前記シャッタの押された深さに応じて可動部を駆動して撮像素子または結像光学系若しくはその両方を移動させ、前記所定の焦点位置とは異なる焦点位置で撮影を行う。
【0029】
前記の様に本発明の3次元形状計測装置では、可変光学系による焦点位置可変撮影装置を用いることにより、3次元形状計測を行う際に、焦点位置を動かす為の専用の動力が必要無くなる、撮影者に特別な操作を強いることなく自然かつ高速に可変焦点撮影が可能となる等の利点が得られる。
【0030】
以上の様に本発明の3次元形状計測装置によれば、所定の焦点位置で撮影された撮影画像や、異なる焦点位置で撮影された2つの撮影画像における空間周波数スペクトルのスペクトル強度減衰率からその領域と撮影手段間の距離を求めるので、従来よりも少ない枚数の画像だけからShape from Focus法によって簡易的な3次元形状を求めることが可能である。
【0031】
【発明の実施の形態】
(実施形態1)
以下に所定の焦点位置で撮影された撮影画像における空間周波数スペクトルのスペクトル強度減衰率からその領域と撮影手段間の距離を求める実施形態1の3次元形状計測装置について説明する。
【0032】
図1は本実施形態の3次元形状計測装置の概略構成を示す図である。図1に示す様に本実施形態の3次元形状計測装置は、画像入力手段102と、空間周波数スペクトル演算手段103と、スペクトル強度減衰率演算手段104と、距離演算手段105と、補間演算手段106とを有している。
【0033】
画像入力手段102は、所定の位置に焦点位置を有する撮影手段101で撮影された撮影画像を入力する手段である。空間周波数スペクトル演算手段103は、前記入力した撮影画像内の輝度変化が所定値以上の領域について空間周波数スペクトルを求める手段である。
【0034】
スペクトル強度減衰率演算手段104は、前記求めた空間周波数スペクトルについて、空間周波数に対するスペクトル強度の減衰が最小となる方向の減衰率を求める手段である。距離演算手段105は、前記求めた減衰率に基づき当該領域の被写体と撮影手段101との距離を求める手段である。
【0035】
補間演算手段106は、前記入力した撮影画像内の輝度変化が前記所定値未満の領域について、距離演算手段105により距離が求められた領域からの補間によって被写体と撮影手段101との距離を求める手段である。
【0036】
また本実施形態の3次元形状計測装置は、コンピュータとプログラムによっても実現でき、そのプログラムを記録媒体に記録することも、ネットワークを通して提供することも可能であるものとする。
【0037】
図2は本実施形態の3次元形状計測装置の処理概要を示す図である。焦点位置の近い撮影手段101によって撮影が行われると、ステップ201で3次元形状計測装置の画像入力手段102は、その撮影手段101で撮影された撮影画像206を入力する。取得された撮影画像206は撮影手段101から距離の近い領域207は鮮明に写っているのに対して距離の遠い領域208はぼやけた画像となっている。
【0038】
ステップ202において空間周波数スペクトル演算手段103は、撮影画像内の輝度変化が所定値以上である領域の空間周波数スペクトルを求める。
【0039】
まず、輝度変化が所定の設定値以上の領域を抽出した輪郭領域抽出データ209を求める。すると、物体の輪郭部等はその他の領域に比べると輝度変化が著しく大きいので、輝度変化が所定の設定値以上の領域を取り出すことによって輪郭部をより多く含む領域が効率良く抽出できる。
【0040】
次に、この領域に含まれる点毎に空間周波数スペクトルを求める。例えば、領域上のある点210の空間周波数スペクトルを求めると空間周波数スペクトル211に示す2次元の空間周波数スペクトルが得られる。なお、空間周波数スペクトル211のスペクトル強度を表す縦軸は対数的に取っているものとする。
【0041】
ステップ203においてスペクトル強度減衰率演算手段104は、ステップ202で抽出された領域の空間周波数に対するスペクトル強度の減衰が最小となる方向の減衰率を求める。
【0042】
例えば空間周波数スペクトル211の減衰率は領域212の平均値として得られる。なお、求めた空間周波数スペクトル211は2次元で表現されるので、最もスペクトル強度の減衰が小さい方向を決定してその方向における傾斜の平均値を求める減衰率とする。鮮明に写っている画像であれば減衰率は小さいが、焦点が合っていない領域のぼやけた画像はより大きな減衰率となる。
【0043】
空間周波数に対するスペクトル強度の減衰が最小となる方向を選んで減衰率を求めるのは、この方向におけるスペクトル強度の減衰率が、最も安定して測定可能であり、かつ、最も被写体の奥行き方向の距離情報を反映しているためである。
【0044】
ステップ204において距離演算手段105は、ステップ203で求めたスペクトル強度減衰率からその領域と撮影手段101までの距離を求める。焦点位置から遠い距離にある物体ほど画像がぼやけるのでその減衰率を-k[dB/Oct(dB per octave)]とすれば、kは焦点から該領域までの距離情報を反映するのでkより焦点から該領域までの距離を求めることが出来る。また、焦点位置と撮影手段101までの距離は既知なので前記求めた距離に焦点位置と撮影手段101までの距離を加えることによって撮影手段101と該領域間の距離が求められる。
【0045】
ところで、kはレンズの焦点位置自体、絞りの大きさ、レンズのMTF(Modulation Transfer Function;振幅伝達関数の略称であり、ある光学系で明暗の縞模様を結像させたときの明暗のコントラスト低下の度合いを表わす)、絞り等で生じる回折の影響も受けて変動するが、これら全ての影響を解析的に除去することは困難である。そこで、これらの影響要因が被写体に依存せず撮影手段の結像光学系のみで決まることに着目し、予めその撮影手段を用いて、不連続に輝度変化する領域の、ある被写体(例えば、右半分が黒、左半分が白の平面等)を距離を変えて撮影していき、距離とスペクトル強度減衰率をその都度計測することによって、減衰率→距離参照テーブル213を事前に作成しておく。この参照テーブルは、撮影手段の結像光学系の影響を全て織り込み済みなので、その後の計測時には、求めた減衰率から参照テーブルを参照して距離を読み出すことによって、撮影手段の結像光学系の影響を除去して距離だけを求めることが出来る。
【0046】
ステップ205において補間演算手段106は、ステップ204までの処理で距離の求められなかった領域について、距離演算手段105により距離を求めた近傍の領域から補間することによって距離を生成する。例えば、距離の求められなかった領域にある画素214の奥行きの距離zは、近傍の距離の求められたi点の画素215に対して、画素214までの距離をli、その画素における奥行き距離をZiとして、以下の数1による線形補間(1次補間)で求める。
【0047】
【数1】
z = Σ(Zi/li)/Σ(1/li)
【0048】
なお、近傍領域は所定面積の領域とするか、距離の求められた画素を所定数含む面積可変の領域とするか、また、補間方法も高次の補間方法、種々のスプライン関数に代表される有理補間方法等、様々なバリエーションがあり得るが、本発明の補間方法は特定の近傍領域の定義や補間方法に限定されるものではない。
【0049】
ステップ204までの処理で距離を求められなかった領域は、ステップ202において輝度変化がある設定値以下であった領域である。これらの領域は連続に輝度変化している場合が多いので、近傍の距離の求められた部分から補間して求めても比較的良い近似値を得ることが出来る。
【0050】
前記の様に本実施形態の3次元形状計測方法では、これらのステップを適用することによって、ある距離までの撮影対象の3次元形状の概略を簡易に計測することが可能となる。
次に、本実施形態の3次元形状計測装置のより具体的な構成と、その動作について説明する。
【0051】
図3は本実施形態の3次元形状計測装置の具体例を示す図である。図3の撮影カメラ301は焦点位置の近いカメラ、画像入力部302は撮影カメラ301で撮影された撮影画像を入力する入力部、画像記録メモリ303は入力された撮影画像を記録する為のメモリ、エッジ検出器304は画像内において画素の輝度値の変化が所定の設定値以上の領域を検出する検出器、輝度変化領域記録メモリ305は輝度値の変化が所定の設定値以上の領域を記録する為のメモリ、空間周波数スペクトル演算器306は撮影画像内の輝度変化が所定値以上の領域について空間周波数スペクトルを求める演算器である。エッジ検出器304、輝度変化領域記録メモリ305及び空間周波数スペクトル演算器306の組み合わせによって図2に掲げた空間周波数スペクトル演算手段103を構成している。
【0052】
空間周波数スペクトル記録メモリ307は前記求められた空間周波数スペクトルを記録する為のメモリ、最大分布方向検出器308は前記求められた空間周波数スペクトルの分布が最も広がっている方向を検出する検出器、スペクトル強度減衰率演算器309は最大分布方向検出器308が検出した方向における空間周波数に対するスペクトル強度の減衰率を算出する演算器、距離演算器310はスペクトル強度減衰率の値を距離に変換する演算器、減衰率→距離参照テーブル325はスペクトル強度減衰率の値を距離に変換する際に参照する参照テーブル、補間演算器311は近傍の距離を求めた領域から距離の値を補間する演算器、3次元形状記録メモリ312は計測された3次元形状データを格納する為のメモリである。また撮影物体313は撮影の対象となる物体であり、焦点位置314は撮影カメラ301のピントが最も合う位置を示している。なお、本装置の計測範囲の最も近距離側は焦点位置314までとなる。
【0053】
撮影画像データ315は、撮影カメラ301によって撮影され画像記録メモリ303に記録された画像データを表している。輪郭領域抽出データ316は、エッジ検出器304によって検出され輝度変化領域記録メモリ305に記録された、画素の輝度値の変化がある設定値以上であった領域を表している。空間周波数スペクトル317は、空間周波数スペクトル演算器306によって求められ空間周波数スペクトル記録メモリ307に記録された、ある画素を中心とする空間周波数スペクトルを表している。
【0054】
ある画素を中心とする空間周波数スペクトルは、1画素につき、この図の様に2次元分布のデータとなる。一般に空間周波数スペクトルは中心点(直流成分)が最大となり、空間周波数が増大するにつれて減衰していく。また空間周波数スペクトルは、輪郭部の法線方向に最も高周波数まで分布し、接線方向には急激な減衰を示す。
【0055】
図4は本実施形態の図3の3次元形状計測装置の処理手順を示すフローチャートである。図3の装置を用いて本実施形態の3次元形状計測方法を実行する動作を図4のフローチャートに従って説明する。
【0056】
撮影カメラ301で撮影物体313が撮影されると、ステップ401において画像入力部302は、撮影カメラ301で撮影された撮影画像を入力し、その入力した撮影画像データ315を画像記録メモリ303に記録する。
【0057】
ステップ402においてエッジ検出器304は、画像記録メモリ303から撮影画像データ315を読み出し、ある画素とその画素に隣接する画素の輝度値の差が予め設定した値以上である様な画素を全て抽出することによって輪郭領域を決定し、その輪郭領域の画素の情報を取り出して輝度変化領域記録メモリ305に輪郭領域抽出データ316の様に書き込む。なお、この時、隣接条件は4近傍であっても8近傍であっても構わないものとする。
【0058】
図5は本実施形態の画素の隣接条件の概要を示す図である。図5に示す様に、撮影画像データ315の座標(x,y)の画素Px,yと隣接する8近傍の画素は、Px-1,y-1、Px-1,y、Px-1,y+1、Px,y-1、Px,y+1、Px+1,y-1、Px+1,y、Px+1,y+1であり、4近傍の画素は、Px-1,y、Px,y-1、Px,y+1、Px+1,yである。
【0059】
ステップ403において空間周波数スペクトル演算器306は、輝度変化領域記録メモリ305から輪郭領域を読み出して、各々の画素毎に該画素を中心とする近傍のN×N画素の画像を画像記録メモリ303から読み出し、該近傍領域の画素をフーリエ変換することによって空間周波数スペクトル317を求めて空間周波数スペクトル記録メモリ307に書き込む。
【0060】
本実施形態ではフーリエ変換を用いる例をあげたが、コサイン/サイン変換やWaveLet変換等の異なる直交基底変換を用いても構わない。また空間周波数スペクトル分布の概略が近似的に判れば良いので、アダマール変換やウォルシュ変換等を用いることも可能であり、本実施形態は空間周波数スペクトルを求める為に使用する直交基底変換関数の種類を限定するものではない。また、FFTやWFT等の高速演算法を用いても良く、本実施形態は高速化の有無やその手法を限定するものではない。
【0061】
ステップ404において最大分布方向検出器308は、前記求められた空間周波数スペクトル317が最も高周波領域まで伸びている最大分布方向318を検出する。空間周波数スペクトル317は、図の様な分布形状をしているので、中心から各方向毎に周波数に対するスペクトル強度の減衰率を求めて最も減衰率の小さい方向を最大分布方向318としても良いが、ある空間周波数ωだけ中心から離れた同心円上において最大の空間周波数である地点と中心を結ぶことによって簡易的に最大分布方向318を検出しても良い。
【0062】
ステップ405においてスペクトル強度減衰率演算器309は、前記検出された最大分布方向318に向けた空間周波数スペクトル強度の周波数に対する減衰の平均値を求め、この値をスペクトル強度減衰率とする。
【0063】
ステップ406において距離演算器310は、減衰率→距離参照テーブル325を参照し、前記求められたスペクトル強度減衰率に対応する距離を減衰率→距離参照テーブル325から求める。なお、減衰率→距離参照テーブル325は図6に示す手順に従って以下の手続きで予め作成されているものとする。
【0064】
図6は本実施形態の減衰率→距離参照テーブル作成処理の処理手順を示すフローチャートである。右半分が黒で左半分が白の校正用撮影板608が撮影カメラ301の焦点位置x0に置かれると、ステップ601において3次元形状計測装置は、校正用撮影板608と撮影カメラ301との距離xを初期値のx0に設定する。
【0065】
次に撮影カメラ301によって校正用撮影板608が撮影されると、ステップ602において画像入力部302は、撮影された撮影画像を撮影カメラ301から入力し、画像記録メモリ303に格納する。
【0066】
ステップ603において空間周波数スペクトル演算器306は、前記格納した撮影画像を画像記録メモリ303から読み出した後、その撮影画像より白と黒の境界部における水平方向の空間周波数スペクトルを求め、空間周波数スペクトル記録メモリ307に格納する。
【0067】
ステップ604においてスペクトル強度減衰率演算器309は、前記格納した空間周波数スペクトルを空間周波数スペクトル記録メモリ307から読み出した後、水平方向の空間周波数スペクトル強度の周波数に対する減衰の平均値を求め、この値をスペクトル強度減衰率kとする。
【0068】
ステップ605において3次元形状計測装置は、校正用撮影板608と撮影カメラ301との距離xの値と前記求められたスペクトル強度減衰率kのペアを減衰率→距離参照テーブル325に書き加えていく。
【0069】
次に校正用撮影板608の位置がδxだけ撮影カメラ301から離されると、ステップ606において3次元形状計測装置は、校正用撮影板608と撮影カメラ301との距離xの値にδxを加算する。
【0070】
ステップ607では、校正用撮影板608との距離xの値と予め設定した最大計測距離とを比較し、距離xが最大計測距離以上であるならこの処理を終了し、そうでなければステップ602に戻る。以上のステップによって減衰率→距離参照テーブル325を生成する。
【0071】
ステップ407において補間演算器311は、ステップ402で取り出されなかった画素、即ち、距離演算器310によって距離の求められなかった画素全てについてステップ408とステップ409を適用することによってその画素における距離を補間生成する。
【0072】
ステップ408において補間演算器311は、ある画素を選択し、補間概略図319の様にその画素を原点320にした時の第1象限から第4象限までの各象限毎に該画素に最も近くかつ距離の求められた画素を1つずつ選択することによって、計4つの画素321〜324を求め、数1に従って該画素における距離を補間生成する。なお、第1象限から第4象限までの4画素を選択する理由は、補間される画素が必ず4画素を結ぶ四角形の内部に存在するのでより精度の高い内挿による補間が可能となるからである。しかしながら、画像の四隅に近い画素は必ずしもこの選択法で4画素求められないため、その場合には求められた画素のみから数1に従って補間生成する。また、本実施形態では各象限毎に画素を1つ選択したが、本実施形態は画素の選択法をこれに限定するものではない。そしてステップ409において補間演算器311は、前記補間生成した距離を3次元形状記録メモリ312に書き込む。
【0073】
以上説明した様に本実施形態の3次元形状計測装置によれば、所定の焦点位置で撮影された撮影画像における空間周波数スペクトルのスペクトル強度減衰率からその領域と撮影手段間の距離を求めるので、1枚の画像だけからShape from Focus法によって簡易的な3次元形状を求めることが可能である。
【0074】
(実施形態2)
以下に異なる焦点位置で撮影された2つの撮影画像における空間周波数スペクトルのスペクトル強度減衰率からその領域と撮影手段間の距離を求める実施形態2の3次元形状計測装置について説明する。
【0075】
図7は本実施形態の3次元形状計測装置の概略構成を示す図である。図7に示す様に本実施形態の3次元形状計測装置は、画像入力手段703と、空間周波数スペクトル演算手段704と、スペクトル強度減衰率演算手段705と、距離演算手段706と、補間演算手段707とを有している。
【0076】
画像入力手段703は、所定の位置に焦点位置を有する第1の撮影手段701で撮影された第1の撮影画像と前記所定の位置とは異なる焦点位置を有する第2の撮影手段702で撮影された第2の撮影画像とをそれぞれ入力する手段である。
【0077】
空間周波数スペクトル演算手段704は、前記入力した第1及び第2の撮影画像内の輝度変化の少なくとも一方が所定値以上の領域について、輝度変化がより大きい方の撮影画像の空間周波数スペクトル及び他方の撮影画像の空間周波数スペクトルをそれぞれ第1の空間周波数スペクトル及び第2の空間周波数スペクトルとして求める手段である。
【0078】
スペクトル強度減衰率演算手段705は、前記第1の空間周波数スペクトルについて、空間周波数に対するスペクトル強度の減衰が最小となる方向の減衰率を第1の減衰率として求め、前記第2の空間周波数スペクトルについて、同じ方向の空間周波数に対するスペクトル強度の減衰率を第2の減衰率として求める手段である。
【0079】
距離演算手段706は、前記求めた第1及び第2の減衰率に基づき当該領域の被写体と前記第1の撮影手段701または第2の撮影手段702との距離を求める手段である。補間演算手段707は、前記入力した第1及び第2の撮影画像内の輝度変化がいずれも前記所定値未満の領域について、距離演算手段706により距離が求められた領域からの補間によって当該被写体と前記第1の撮影手段701または第2の撮影手段702との距離を求める手段である。
【0080】
本実施形態の3次元形状計測装置は、コンピュータとプログラムによっても実現でき、そのプログラムを記録媒体に記録することも、ネットワークを通して提供することも可能であるものとする。
【0081】
図8は本実施形態の3次元形状計測処理の処理概要を示す図である。焦点位置の遠い撮影手段701によって撮影が行われると、ステップ801で3次元形状計測装置の画像入力手段703は、その撮影手段701で撮影された撮影画像807を入力する。取得された撮影画像807は撮影手段701から距離の遠い領域808は鮮明に写っているのに対して距離の近い領域809はぼやけた画像となっている。
【0082】
焦点位置の近い撮影手段702によって撮影が行われると、ステップ802において画像入力手段703は、その撮影手段702で撮影された撮影画像810を入力する。取得された撮影画像810は撮影手段702から距離の近い領域811は鮮明に写っているのに対して距離の遠い領域812はぼやけた画像となっている。
【0083】
なお、ステップ801とステップ802に関しては時間的な順序関係が無いので、ステップ802、ステップ801の順に行っても良く、撮影光軸を同軸とした2つの撮影手段を用いてステップ801とステップ802を同時に行っても良い。
【0084】
ステップ803において空間周波数スペクトル演算手段704は、撮影画像807内と撮影画像810内の少なくともどちらかの輝度変化がある設定値以上である輪郭領域抽出データ813に対して、その位置の領域における撮影画像807と撮影画像810の空間周波数スペクトルをそれぞれ求め、輝度変化のより大きい方を空間周波数スペクトル814、そうでない方を空間周波数スペクトル815とする。
【0085】
例えば、撮影画像810において領域816が所定の設定値以上の輝度変化であった場合、領域816の空間周波数スペクトルを求めて空間周波数スペクトル814とし、撮影画像807で領域816と同じ位置にある領域に対して空間周波数スペクトルを求めて空間周波数スペクトル815とする。なお、どちらの領域における輝度変化も同じ大きさであった場合には空間周波数スペクトル814と空間周波数スペクトル815の割り当ては任意で構わない。
【0086】
ステップ804においてスペクトル強度減衰率演算手段705は、空間周波数スペクトル814の周波数に対するスペクトル強度の減衰が最も小さい方向819における減衰率817を求め、空間周波数スペクトル815から同じ方向における減衰率を求める。
【0087】
ステップ805において距離演算手段706は、減衰率817と減衰率818からその領域と撮影手段間の距離を求める。具体的には減衰率817と減衰率818の比を求める。
【0088】
減衰率の比は焦点位置から該領域までの距離情報を反映するのでこの比より焦点位置から該領域までの距離を求めることが出来る。また、焦点位置と撮影手段までの距離は既知なので前記求めた距離に焦点位置と撮影手段までの距離を加えることによって撮影手段と該領域間の距離が求められる。
【0089】
ところで、減衰率の比はレンズの焦点位置自体、絞りの大きさ、レンズのMTF、絞り等で生じる回折の影響も受けて変動するが、これら全ての影響を解析的に除去することは困難である。そこで、これらの影響要因が被写体に依存せず撮影手段の結像光学系のみで決まることに着目し、予めその撮影手段を用いて、不連続に輝度変化する領域のある被写体(例えば、右半分が黒、左半分が白の平面等)を距離を変えて撮影していき、距離とスペクトル強度減衰率の比をその都度計測することによって、減衰率比→距離参照テーブル820を事前に作成しておく。この参照テーブルは撮影手段の結像光学系の影響を全て織り込み済みなので、その後の計測時には、求めた減衰率比から参照テーブルを参照して距離を読み出すことによって、撮影手段の結像光学系の影響を除去して距離だけを求めることが出来る。
【0090】
ステップ806において補間演算手段707は、ステップ805までの処理で距離の求められなかった領域について、距離演算手段706により距離を求めた近傍の領域から補間することによって距離を生成する。ステップ805までの処理で距離の求められなかった領域は、ステップ803において輝度変化がある設定値以下であった領域である。これらの領域は連続に輝度変化している場合が多いので、近傍の距離の求められた部分から補完することによって距離を近似することができる。この補間法は実施形態1の説明で示した方法で良い。
【0091】
これらのステップを適用することによって、撮影対象の3次元形状が簡易に計測できる。本実施形態の方法は、実施形態1の方法と比較して、より正確に距離を求められる、遠方の距離も計測できる等の長所を有する。
【0092】
また、画像の色情報も同時に取得したい場合、実施形態1の方法では遠景がぼやけるため、十分な高解像度の撮影手段を用いるか、色情報は別途の撮影手段を用いる必要があるが、本実施形態の方法では特に遠方に焦点位置を持つ撮影手段の焦点深度を深く設定しておくことによって容易に色画像を該撮影手段で同時に取得することも可能である。
次に、本実施形態の3次元形状計測装置のより具体的な構成と、その動作について説明する。
【0093】
図9は本実施形態の3次元形状計測装置の具体例を示す図である。図9の撮影カメラ901は焦点位置の遠いカメラ、撮影カメラ902は焦点位置の近いカメラである。ハーフミラー929とミラー930によって撮影カメラ901と撮影カメラ902は同軸上での画像撮影が可能となる。画像入力部903は撮影カメラ901及び撮影カメラ902で撮影された撮影画像を入力する入力部、画像記録メモリ904は撮影カメラ901の画像を記録する画像記録メモリ、画像記録メモリ905は撮影カメラ902の画像を記録する画像記録メモリ、エッジ検出器906は撮影カメラ901の撮影画像または撮影カメラ902の撮影画像のうち少なくとも一方の画像内における輝度値の変化が所定の設定値以上の領域を検出する検出器、輝度変化領域記録メモリ907は輝度値の変化が所定の設定値以上の領域をどちらの画像かの情報も含めて記録するメモリ、空間周波数スペクトル演算器908は前記検出された領域について空間周波数スペクトルを求める演算器である。
【0094】
空間周波数スペクトル記録メモリ909は撮影カメラ901の撮影画像の空間周波数スペクトルを記録するメモリ、空間周波数スペクトル記録メモリ910は撮影カメラ902の撮影画像の空間周波数スペクトルを記録するメモリ、最大分布方向検出器911は、より輝度変化の大きい方の画像よって空間周波数に対するスペクトル強度の減衰が最も小さい方向を検出する検出器、スペクトル強度減衰率演算器912は最大分布方向検出器911の検出した方向における撮影カメラ901の撮影画像のスペクトル強度減衰率を算出する演算器、スペクトル強度減衰率演算器913は最大分布方向検出器911の検出した方向における撮影カメラ902の撮影画像のスペクトル強度減衰率を算出する演算器、距離演算器914は、撮影カメラ901の撮影画像のスペクトル強度減衰率と撮影カメラ902の撮影画像のスペクトル強度減衰率の比を距離に変換する演算器、減衰率比→距離参照テーブル937はスペクトル強度減衰率の比を距離に変換する際に参照する参照テーブル、補間演算器915は近傍の距離を求めた領域から距離の値を補間する演算器、3次元形状記録メモリ916は計測された3次元形状データを格納するメモリ、撮影物体917は撮影の対象となる物体である。焦点位置918は撮影カメラ901のピントが最も合う位置、焦点位置919は撮影カメラ902のピントが最も合う位置を示している。なお、本装置の計測範囲は焦点位置918から焦点位置919の間である。
【0095】
図10は本実施形態の図9の3次元形状計測装置の処理手順を示すフローチャートである。図9の装置を用いて本実施形態の3次元形状計測方法を実行する動作を図10のフローチャートに従って説明する。
【0096】
撮影カメラ901で撮影物体917が撮影されると、ステップ1001において画像入力部903は、撮影カメラ901で撮影された撮影画像を入力し、その入力した画像データ920を画像記録メモリ904に記録する。
【0097】
撮影カメラ902で撮影物体917が撮影されると、ステップ1002において画像入力部903は、撮影カメラ902で撮影された撮影画像を入力し、その入力した画像データ921を画像記録メモリ905に記録する。
【0098】
ステップ1003においてエッジ検出器906は、画像記録メモリ904及び905から画像データ920及び921を読み出し、各々の画像毎に、ある画素とその画素に隣接する画素の輝度値の差が予め設定した値以上である様な画素を全て抽出することによって輪郭領域を決定し、輝度変化領域記録メモリ907に該領域を輪郭領域抽出データ922の様に書き込む。この際、より大きな輝度値の差を有する画像の情報も書き込む。例えば、白抜きで示した輪郭領域923は画像データ921から得た輪郭領域を表し、黒線で示した輪郭領域924は画像データ920から得た輪郭領域を表している。
【0099】
ステップ1004において空間周波数スペクトル演算器908は、輝度変化領域記録メモリ907から輪郭領域を読み出して、輪郭領域を構成する各々の画素毎に、該画素を中心とする近傍のN×N画素の画像を画像記録メモリ904及び905から読み出してフーリエ変換することによって空間周波数スペクトルを求めて空間周波数スペクトル記録メモリ909及び910に書き込む。
【0100】
本実施形態ではフーリエ変換を用いる例をあげたが、コサイン/サイン変換やWaveLet変換等の異なる直交基底変換を用いても構わない。また空間周波数スペクトル分布の概略が近似的に判れば良いので、アダマール変換やウォルシュ変換等を用いることも可能であり、本実施形態は空間周波数スペクトルを求める為に使用する直交基底変換関数の種類を限定するものではない。また、FFTやWFT等の高速演算法を用いても良く、本実施形態は高速化の有無やその手法を限定するものではない。
【0101】
ステップ1005において最大分布方向検出器911は、各々の画素毎に輝度変化のより大きい方の撮影画像の空間周波数スペクトルを空間周波数スペクトル記録メモリ909または空間周波数スペクトル記録メモリ910から選択し、空間周波数スペクトルが最も高周波領域まで伸びている方向を検出する。例えば、輪郭領域抽出データ922において画素925の空間周波数スペクトルを画像データ920及び921の画像から求めたものが空間周波数スペクトル926及び927である。画素925は白抜き線の画素なので、より輝度変化の大きい画像は画像データ921である。従って、画像データ921から空間周波数スペクトル927が最も高周波領域まで伸びている方向928を検出する。
【0102】
ステップ1006においてスペクトル強度減衰率演算器912及び913は、検出した方向における空間周波数に対するスペクトル強度の減衰率を画像毎にそれぞれ算出する。
【0103】
ステップ1007において距離演算器914は、前記算出されたそれぞれのスペクトル強度減衰率の比を取って、減衰率比→距離参照テーブル937を参照し、その減衰率比に対応する距離を減衰率比→距離参照テーブル937から求める。なお、減衰率比→距離参照テーブル937は図11に示す手順に従って以下の手続きで予め作成されているものとする。
【0104】
図11は本実施形態の減衰率比→距離参照テーブル作成処理の処理手順を示すフローチャートである。右半分が黒、左半分が白の校正用撮影板1109が撮影カメラ902の焦点位置919に置かれると、ステップ1101において3次元形状計測装置は、校正用撮影板1109と撮影カメラとの距離xを初期値に設定する。
【0105】
次に撮影カメラ901及び902によって校正用撮影板1109が撮影されると、ステップ1102において画像入力部903は、撮影された撮影画像を撮影カメラ901及び902から入力し、画像記録メモリ904及び905に格納する。
【0106】
ステップ1103において空間周波数スペクトル演算器908は、前記格納した撮影画像を画像記録メモリ904及び905から読み出した後、それらの撮影画像より白と黒の境界部における水平方向の空間周波数スペクトルをそれぞれ求め、空間周波数スペクトル記録メモリ909及び910にそれぞれ格納する。
【0107】
ステップ1104においてスペクトル強度減衰率演算器912及び913は、前記格納した空間周波数スペクトルを空間周波数スペクトル記録メモリ909及び910から読み出した後、それぞれの空間周波数スペクトルから周波数に対するスペクトル強度の減衰率をそれぞれ求める。
【0108】
ステップ1105において3次元形状計測装置は、前記求められたスペクトル強度の減衰率の比krを取り、ステップ1106において、校正用撮影板1109と撮影カメラとの距離xと前記求められたスペクトル強度減衰率比krのペアを減衰率比→距離参照テーブル937に書き加える。
【0109】
次に校正用撮影板1109の位置がδxだけ撮影カメラから離されると、ステップ1107において3次元形状計測装置は、校正用撮影板1109と撮影カメラとの距離xの値にδxを加算する。
【0110】
ステップ1108において、校正用撮影板1109との距離xの値と遠焦点位置918までの距離とを比較し、距離xが遠焦点位置918より遠くなれば処理を終了し、そうでなければステップ1102に戻る。以上のステップを実行することによって減衰率比→距離参照テーブル937を生成する。
【0111】
ステップ1008において補間演算器915は、ステップ1003で取り出されなかった画素、即ち、距離演算器914によって距離の求められなかった画素全てについてステップ1009とステップ1010を適用することによってその画素における距離を補間生成する。
【0112】
ステップ1009において補間演算器915は、ある画素を選択し、補間概略図931の様にその画素を原点932にした時の第1象限から第4象限までの各象限毎に該画素に最も近くかつ距離の求められた画素を1つずつ選択することによって、計4つの画素933〜936を求め、数1に従って該画素における距離を補間生成する。なお、第1象限から第4象限までの4画素を選択する理由は、補間される画素が必ず4画素を結ぶ四角形の内部に存在するのでより精度の高い内挿による補間が可能となるからである。しかしながら、画像の四隅に近い画素は必ずしもこの選択法で4画素求められないため、その場合は求められた画素のみから数1に従って補間生成する。また、本実施形態では各象限毎に画素を1つ選択したが、本実施形態は画素の選択法をこれに限定するものではない。そしてステップ1010において補間演算器915は、前記補間生成した距離を3次元形状記録メモリ916に書き込む。
【0113】
以上説明した様に本実施形態の3次元形状計測装置によれば、異なる焦点位置で撮影された2枚の撮影画像における空間周波数スペクトルのスペクトル強度減衰率からその領域と撮影手段間の距離を求めるので、2枚の画像だけからShape from Focus法によってより精度が高く計測範囲も広い3次元形状を求めることが可能である。
【0114】
(実施形態3)
以下に輝度変化する境界部の法線方向における1次元空間周波数スペクトルのスペクトル強度減衰率から距離を求める実施形態3の3次元形状計測装置について説明する。
【0115】
図12は本実施形態の3次元形状計測装置の概略構成を示す図である。図12に示す様に本実施形態の3次元形状計測装置は、画像入力手段1203と、法線方向1次元空間周波数スペクトル演算手段1204と、スペクトル強度減衰率演算手段1205と、距離演算手段1206と、補間演算手段1207とを有している。
【0116】
画像入力手段1203は、所定の位置に焦点位置を有する第1の撮影手段1201で撮影された第1の撮影画像と前記所定の位置とは異なる焦点位置を有する第2の撮影手段1202で撮影された第2の撮影画像とをそれぞれ入力する手段である。
【0117】
法線方向1次元空間周波数スペクトル演算手段1204は、前記入力した第1及び第2の撮影画像内の輝度変化の少なくとも一方が所定値以上の領域について、輝度変化がより大きい方の撮影画像の該輝度変化の境界部の法線方向を求めると共に、輝度変化がより大きい方の撮影画像の該法線方向の1次元空間周波数スペクトル及び他方の撮影画像の該法線方向の1次元空間周波数スペクトルをそれぞれ第1の空間周波数スペクトル及び第2の空間周波数スペクトルとして求める手段である。
【0118】
スペクトル強度減衰率演算手段1205は、前記第1及び第2の空間周波数スペクトルについて、空間周波数に対するスペクトル強度の減衰率をそれぞれ第1及び第2の減衰率として求める手段である。距離演算手段1206は、前記求めた第1及び第2の減衰率に基づき当該領域の被写体と前記第1の撮影手段1201または第2の撮影手段1202との距離を求める手段である。
【0119】
補間演算手段1207は、前記入力した第1及び第2の撮影画像内の輝度変化がいずれも前記所定値未満の領域について、距離演算手段1206により距離が求められている領域からの補間によって当該被写体と前記第1の撮影手段1201または第2の撮影手段1202との距離を求める手段である。
【0120】
図12では、実施形態2の様な装置で、輝度変化する境界部の法線方向における1次元空間周波数スペクトルのスペクトル強度減衰率から距離を求める場合の構成を示しているが、実施形態1の様な装置で同様にして距離を求めるものとしても良い。
【0121】
すなわち、画像入力手段1203では、所定の位置に焦点位置を有する撮影手段1201または撮影手段1202で撮影された撮影画像を入力し、法線方向1次元空間周波数スペクトル演算手段1204では、撮影画像内の輝度変化が所定値以上の領域について、該輝度変化の境界部の法線方向と該法線方向の1次元空間周波数スペクトルとを求め、スペクトル強度減衰率演算手段1205では、前記法線方向の1次元空間周波数スペクトルについて、空間周波数に対するスペクトル強度の減衰率を求め、距離演算手段1206では、前記減衰率に基づき当該領域の被写体と前記撮影手段との距離を求め、補間演算手段1207では、前記撮影画像内の輝度変化が前記所定値未満の領域について、距離演算手段1206により距離が求められている領域からの補間によって当該被写体と前記撮影手段との距離を求めるものとしても良い。
【0122】
また本実施形態の3次元形状計測装置は、コンピュータとプログラムによっても実現でき、そのプログラムを記録媒体に記録することも、ネットワークを通して提供することも可能であるものとする。
【0123】
図13は本実施形態の輝度変化する境界部の法線方向と空間周波数スペクトルの関係を示す図である。図13の撮影画像1301は輝度変化する境界部を撮影した画像であり、輝度変化境界部領域1302は輝度変化がある設定値以上であった境界部の領域である。輝度変化境界部法線方向1303は輝度変化する境界部の法線方向を矢印で示している。この輝度変化境界部領域1302の空間周波数スペクトルを求めると空間周波数スペクトル1304が得られる。
【0124】
輝度変化境界部法線方向1303において、空間周波数に対するスペクトル強度の減衰が最も小さい方向における減衰率を求めるわけであるが、この方向を矢印1305で示す。すると、輝度変化境界部法線方向1303と矢印1305は、ほぼ同方向であることがわかる。従って、輝度変化が所定の設定値以上の領域を検出する過程において、輝度変化する境界部の法線方向も検出しておけば、その方向の1次元空間周波数スペクトルを求め、それからスペクトル強度の減衰率を求めることによって同じ結果を得ることが出来る。これを行う為の処理を図14のフローチャートで示す。
【0125】
図14は本実施形態の3次元形状計測処理の処理概要を示す図である。所定の位置に焦点位置を有する撮影手段によって撮影が行われると、ステップ1401において画像入力手段1203は、その撮影手段で撮影された撮影画像を入力する。図12の様に実施形態2と同様の構成の場合であれば焦点位置の遠い撮影手段1201と焦点位置の近い撮影手段1202とを用いて2枚の画像を撮影し、実施形態1と同様の構成の場合であれば、焦点位置の近い撮影手段1202で画像を撮影する。
【0126】
ステップ1402において法線方向1次元空間周波数スペクトル演算手段1204は、輝度変化が所定の設定値以上の領域を検出する。前記の様に2枚の画像を撮影した場合には、それらの撮影画像内の輝度変化の少なくとも一方が所定値以上の領域を検出する。
【0127】
ステップ1403において法線方向1次元空間周波数スペクトル演算手段1204は、ステップ1402で検出した領域について、その中に含まれる輝度変化する境界部を検出して境界部の法線方向を求める。
【0128】
ステップ1404において法線方向1次元空間周波数スペクトル演算手段1204は、前記検出した法線方向の1次元空間周波数スペクトルを求め、スペクトル強度減衰率演算手段1205により周波数に対するスペクトル強度の減衰率を求める。前記の様に2枚の画像を撮影した場合には、輝度変化がより大きい方の撮影画像の該法線方向の1次元空間周波数スペクトル及び他方の撮影画像の該法線方向の1次元空間周波数スペクトルをそれぞれ第1の空間周波数スペクトル及び第2の空間周波数スペクトルとして求め、スペクトル強度減衰率演算手段1205により、前記第1及び第2の空間周波数スペクトルについて、空間周波数に対するスペクトル強度の減衰率をそれぞれ第1及び第2の減衰率として求める。
【0129】
ステップ1405において距離演算手段1206は、前ステップで求めた減衰率を用いて距離を求める。具体的な求め方は、実施形態1または実施形態2の作用で説明した方法に基づくものとする。また補間演算手段1207は、前記第1及び第2の撮影画像内の輝度変化がいずれも前記所定値未満の領域について、距離演算手段1206により距離が求められている領域からの補間によって当該被写体と前記第1の撮影手段1201または第2の撮影手段1202との距離を求める。
【0130】
本実施形態の3次元形状計測方法を用いることによって、2次元の空間周波数スペクトルを求める必要が無くなる為、計算コストを大幅に削減することが可能となり、処理時間も短縮できる。
次に、本実施形態の3次元形状計測装置のより具体的な構成と、その動作について説明する。
【0131】
図15は本実施形態の3次元形状計測装置の具体例を示す図である。本実施形態の3次元形状計測装置は、輝度変化する境界部の法線方向における1次元空間周波数スペクトルのスペクトル強度減衰率から距離を求める為の構成を、図3に示した実施形態1の装置に組み込んだものである。従って、実施形態1の図3の装置と全く同じ構成手段に関しては図3と同等の番号を与え説明を省略する。
【0132】
エッジベクトル検出器1501は、画像記録メモリ303に記録された画像内で輝度値の変化が所定の設定値以上の領域とその領域の法線ベクトルを検出する検出器、輝度変化領域記録メモリ1502は輝度値の変化が所定の設定値以上の領域とその法線ベクトルを記録するメモリ、空間周波数スペクトル演算器1503は法線ベクトル方向に1次元の空間周波数スペクトルを算出する演算器、空間周波数スペクトル記録メモリ1504は1次元の空間周波数スペクトルを記録するメモリである。
【0133】
図16は本実施形態の3次元形状計測処理の処理手順を示すフローチャートである。図15の装置を用いて本実施形態の3次元形状計測方法を実行する動作を図16のフローチャートに従って説明する。
【0134】
撮影カメラ301で撮影物体313が撮影されると、ステップ1601において画像入力部302は、撮影カメラ301で撮影された撮影画像を入力し、その入力した撮影画像データ315を画像記録メモリ303に記録する。
【0135】
ステップ1602においてエッジベクトル検出器1501は、画像記録メモリ303から撮影画像データ315を読み出し、ある画素とその画素に隣接する画素の輝度値の差が予め設定した値以上である様な画素を全て抽出することによって輪郭領域を決定する。次に輪郭領域を構成する各々の画素に対してその位置における輪郭領域と直交する法線ベクトルを求めて、輝度変化領域記録メモリ1502に該領域と法線ベクトルを書き込む。輪郭領域抽出データ1505はそのデータを模式的に表したものであり、各画素毎に単位長さの法線ベクトル1506も記録されているものとする。
【0136】
ステップ1603において空間周波数スペクトル演算器1503は、輝度変化領域記録メモリ1502から輪郭領域と法線ベクトルを読み出し、各々の画素毎に該画素を中心とし法線ベクトル方向の近傍のN画素の画像を画像記録メモリ303から読み出し、該近傍領域の画素をフーリエ変換することによって1次元の空間周波数スペクトル1507を求めて空間周波数スペクトル記録メモリ1504に書き込む。
【0137】
ステップ1604においてスペクトル強度減衰率演算器309は、1次元の空間周波数スペクトルからスペクトル強度減衰率を求める。
【0138】
ステップ1605において距離演算器310は、減衰率→距離参照テーブル325を参照し、前記求められたスペクトル強度減衰率に対応する距離を減衰率→距離参照テーブル325から求める。なお、減衰率→距離参照テーブル325は図6に示した手順に従って予め作成されているものとする。
【0139】
ステップ1606において補間演算器311は、ステップ1602で取り出されなかった画素、即ち、距離演算器310によって距離の求められなかった画素全てについてステップ1607とステップ1608を適用することによってその画素における距離を補間生成する。
【0140】
ステップ1607において補間演算器311は、ある画素を選択し、その画素を原点にした時の第1象限から第4象限までの各象限毎に該画素に最も近くかつ距離の求められた画素を1つずつ選択することによって、計4つの画素を求め、数1に従って該画素における距離を補間生成する。なお、本実施形態では各象限毎に画素を1つ選択したが、本実施形態は画素の選択法をこれに限定するものではない。そしてステップ1608において補間演算器311は、前記補間生成した距離を3次元形状記録メモリ312に書き込む。
【0141】
以上説明した様に本実施形態の3次元形状計測装置によれば、輝度変化する境界部の法線方向における1次元空間周波数スペクトルのスペクトル強度減衰率から距離を求めるので、計算コストを大幅に削減し処理時間を短縮させることが可能である。
【0142】
(実施形態4)
以下に水平方向の1次元空間周波数スペクトルのスペクトル強度減衰率から距離を求める実施形態4の3次元形状計測装置について説明する。
【0143】
図17は本実施形態の3次元形状計測装置の概略構成を示す図である。図17に示す様に本実施形態の3次元形状計測装置は、画像入力手段1702と、水平方向1次元空間周波数スペクトル演算手段1703と、スペクトル強度減衰率演算手段1704と、距離演算手段1705と、補間演算手段1706とを有している。
【0144】
画像入力手段1702は、所定の位置に焦点位置を有する撮影手段1701で撮影された撮影画像を入力する手段である。水平方向1次元空間周波数スペクトル演算手段1703は、前記入力した撮影画像内の輝度変化が所定値以上の領域について、水平方向の1次元空間周波数スペクトルを求める手段である。
【0145】
スペクトル強度減衰率演算手段1704は、前記水平方向の1次元空間周波数スペクトルについて、空間周波数に対するスペクトル強度の減衰率を求める手段である。距離演算手段1705は、前記求めた減衰率に基づき当該領域の被写体と撮影手段1701との距離を求める手段である。
【0146】
補間演算手段1706は、前記入力した撮影画像内の輝度変化が前記所定値未満の領域について、距離演算手段1705により距離が求められている領域からの補間によって当該被写体と撮影手段1701との距離を求める手段である。
【0147】
図17では、実施形態1の様な装置で水平方向の1次元空間周波数スペクトルのスペクトル強度減衰率から距離を求める場合の構成を示しているが、実施形態2の様な装置で同様にして距離を求めるものとしても良い。
【0148】
すなわち、画像入力手段1702では、所定の位置に焦点位置を有する第1の撮影手段1701で撮影された第1の撮影画像と前記所定の位置とは異なる焦点位置を有する第2の撮影手段(図示せず)で撮影された第2の撮影画像とをそれぞれ入力し、水平方向1次元空間周波数スペクトル演算手段1703では、前記第1及び第2の撮影画像内の輝度変化の少なくとも一方が所定値以上の領域について、輝度変化がより大きい方の撮影画像の水平方向の1次元空間周波数スペクトル及び他方の撮影画像の水平方向の1次元空間周波数スペクトルをそれぞれ第1の空間周波数スペクトル及び第2の空間周波数スペクトルとして求め、スペクトル強度減衰率演算手段1704では、前記第1及び第2の空間周波数スペクトルについて、空間周波数に対するスペクトル強度の減衰率をそれぞれ第1及び第2の減衰率として求め、距離演算手段1705では、前記第1及び第2の減衰率に基づき当該領域の被写体と前記第1または第2の撮影手段との距離を求め、補間演算手段1706では、前記第1及び第2の撮影画像内の輝度変化がいずれも前記所定値未満の領域について、距離演算手段1705により距離が求められている領域からの補間によって当該被写体と前記第1または第2の撮影手段との距離を求めるものとしても良い。
【0149】
また本実施形態の3次元形状計測装置は、コンピュータとプログラムによっても実現でき、そのプログラムを記録媒体に記録することも、ネットワークを通して提供することも可能であるものとする。
【0150】
図18は本実施形態の輝度変化する方向と水平方向の1次元空間周波数スペクトルの関係を示す図である。図18の撮影画像1801は水平方向に輝度変化する境界部を撮影した画像であり、輝度変化境界部領域1802は水平方向に輝度変化する境界部の領域である。この輝度変化境界部領域1802の水平方向の1次元空間周波数スペクトルを求めると空間周波数スペクトル1803が得られる。空間周波数スペクトル1803より減衰率1804を求めることによって水平方向に輝度変化する境界部の減衰率を効率良く求められる。
【0151】
一方、撮影画像1805は垂直方向に輝度変化する境界部を撮影した画像である。この撮影画像1805の輝度変化境界部領域1806の水平方向の1次元空間周波数スペクトルを求めると空間周波数スペクトル1807が得られる。空間周波数スペクトル1807は殆ど高周波成分が含まれないため減衰率を求めることができない。
【0152】
従って本実施形態の方法では、水平方向に輝度変化する境界部は正しく処理できるが、境界部が傾くに連れて誤差が大きくなり垂直方向に輝度変化する境界部は計測できない。しかしながら、視差効果を利用する3D画像生成に用いる場合は、主に水平方向に輝度変化する境界部だけ捉えられば十分なことが多いので、この種の用途に対しては本方法は有用である。更に本実施形態の方法では、実施形態3の方法と比較して境界部の向きの検出等が不要となるため、計算コストの削減や処理速度の向上を更に計ることが可能となる。
【0153】
図19は本実施形態の3次元形状計測処理の処理概要を示す図である。所定の位置に焦点位置を有する撮影手段によって撮影が行われると、ステップ1901において画像入力手段1702は、その撮影手段で撮影された撮影画像を入力する。図17の様に実施形態1と同様の構成の場合であれば、焦点位置の近い撮影手段1701で画像を撮影し、実施形態2と同様の構成の場合であれば、焦点位置の遠い撮影手段と焦点位置の近い撮影手段を用いて2枚の画像を撮影する。
【0154】
ステップ1902において水平方向1次元空間周波数スペクトル演算手段1703は、輝度変化が所定の設定値以上の領域を検出する。
【0155】
ステップ1903において水平方向1次元空間周波数スペクトル演算手段1703は、ステップ1902で検出した領域について、水平方向の1次元の空間周波数スペクトルを求め、スペクトル強度減衰率演算手段1704により空間周波数に対するスペクトル強度の減衰率を求める。
【0156】
ステップ1904において距離演算手段1705は、前ステップで求めた減衰率を用いて距離を求める。具体的な求め方は、実施形態1または実施形態2の作用で説明した方法に基づくものとする。また補間演算手段1706は、前記撮影画像内の輝度変化が前記所定値未満の領域について、距離演算手段1705により距離が求められている領域からの補間によって当該被写体と撮影手段1701との距離を求める。
【0157】
本実施形態の3次元形状計測方法を用いることによって、2次元の空間周波数スペクトルを求める必要が無くなり、輝度変化する境界部の向きを求める必要も無くなるので、計算コストを大幅に削減することが可能となり、処理時間も短縮できる。
【0158】
一方で、本実施形態の方法は、水平方向の処理のみなので垂直方向に距離が変わる領域を計測することができない。しかしながら、視差画像を生成する場合等では水平方向にのみ距離が変わる領域を計測できれば十分であることが多く、その様な用途に用いる場合は問題が無い。
次に、本実施形態の3次元形状計測装置のより具体的な構成と、その動作について説明する。
【0159】
図20は本実施形態の3次元形状計測装置の具体例を示す図である。本実施形態の3次元形状計測装置は、水平方向の1次元空間周波数スペクトルのスペクトル強度減衰率から距離を求める為の構成を、図3に示した実施形態1の装置に組み込んだものである。従って、実施形態1の図3の装置と全く同じ構成手段に関しては図3と同等の番号を与え説明を省略する。
【0160】
水平方向1次元空間周波数スペクトル演算器2001は水平方向の1次元空間周波数スペクトルを算出する演算器である。空間周波数スペクトル記録メモリ2002は水平方向の1次元空間周波数スペクトルを記録するメモリである。スペクトル強度減衰率演算器2003は水平方向の1次元空間周波数スペクトルの周波数に対するスペクトル強度の減衰率を算出する演算器である。
【0161】
図21は本実施形態の3次元形状計測処理の処理手順を示すフローチャートである。図20の装置を用いて本実施形態の3次元形状計測方法を実行する動作を図21のフローチャートに従って説明する。
【0162】
撮影カメラ301で撮影物体313が撮影されると、ステップ2101において画像入力部302は、撮影カメラ301で撮影された撮影画像を入力し、その入力した撮影画像データ315を画像記録メモリ303に記録する。
【0163】
ステップ2102においてエッジ検出器304は、画像記録メモリ303から撮影画像データ315を読み出して、ある画素とその画素に隣接する画素の輝度値の差が予め設定した値以上である様な画素を全て抽出することによって輪郭領域を決定し、輝度変化領域記録メモリ305に該領域を書き込む。
【0164】
ステップ2103において水平方向1次元空間周波数スペクトル演算器2001は、輝度変化領域記録メモリ305から輪郭領域を読み出し、各々の画素毎に該画素を中心とした水平方向の近傍のN画素の画像を画像記録メモリ303から読み出し、該近傍領域の画素をフーリエ変換することによって1次元の空間周波数スペクトル2004を求めて空間周波数スペクトル記録メモリ2002に書き込む。
【0165】
ステップ2104においてスペクトル強度減衰率演算器2003は、1次元の空間周波数スペクトルから水平方向のスペクトル強度減衰率を求める。
【0166】
ステップ2105において距離演算器310は、減衰率→距離参照テーブル325を参照し、前記求められたスペクトル強度減衰率に対応する距離を減衰率→距離参照テーブル325から求める。なお、減衰率→距離参照テーブル325は図6に示した手順に従って予め作成されているものとする。
【0167】
ステップ2106において補間演算器311、ステップ2102で取り出されなかった画素、即ち、距離演算器310によって距離の求められなかった画素全てについてステップ2107とステップ2108を適用することによってその画素における距離を補間生成する。
【0168】
ステップ2107において補間演算器311は、ある画素を選択し、その画素を原点にした時の第1象限から第4象限までの各象限毎に該画素に最も近くかつ距離の求められた画素を1つずつ選択することによって、計4つの画素を求め、数1に従って該画素における距離を補間生成する。なお、本実施形態では各象限毎に画素を1つ選択したが、本実施形態は画素の選択法をこれに限定するものではない。そしてステップ2108において補間演算器311は、前記補間生成した距離を3次元形状記録メモリ312に書き込む。
【0169】
以上説明した様に本実施形態の3次元形状計測装置によれば、水平方向の1次元の空間周波数スペクトルのスペクトル強度減衰率から距離を求めるので、性能低下を最小限に押さえながら効率良く計算コストを削減することが可能である。
【0170】
(実施形態5)
以下に可変光学系による焦点位置可変撮影装置を用いた実施形態5の3次元形状計測装置について説明する。
【0171】
図22は本実施形態の可変光学系による焦点位置可変撮影装置の概略構成を示す図である。図22に示す様に本実施形態の焦点位置可変撮影装置は、結像光学系2201と、撮像素子2202と、シャッタ手段2203と、伝達手段2204とを有している。
【0172】
結像光学系2201は、可動部が駆動されることによって焦点位置が変化する光学系である。撮像素子2202は、撮影対象の画像を検出する素子である。シャッタ手段2203は、2段階の押す深さを持つシャッタである。伝達手段2204は、シャッタ手段2203のシャッタの押された深さに応じて結像光学系2201の可動部を駆動する手段である。
【0173】
図22の(1)はシャッタを押す前の状態を表しており、結像光学系2201と撮像素子2202を合わせて焦点位置の可変光学系を用いた一つの撮影手段を構成している。
【0174】
本装置の動作を説明する。シャッタ手段2203を押すと、中間距離まで押し込まれた状態において図22の(2)に示す形態となる。この状態で1回目の撮影をすることによって、焦点位置の遠い撮影手段701で撮影された撮影画像807を入力する実施形態2のステップ801の処理を行うことができる。
【0175】
更にシャッタ手段2203を押し込むと、伝達手段2204によって撮像素子2202が結像光学系2201からより離れた位置に移動する。この時の形態を図22の(3)に示す。この結果、結像光学系2201と撮像素子2202を合わせて焦点位置の近い撮影光学系を構成することになるので、この状態で2回目の撮影をすることによって焦点位置の近い撮影手段702で撮影された撮影画像810を入力する実施形態2のステップ802の処理を行うことができる。
【0176】
本実施形態の焦点位置可変撮影装置を用いることにより、焦点位置を動かす為の専用の動力が必要無くなる、撮影者に特別な操作を強いることなく自然かつ高速に可変焦点撮影が可能となる等の利点を生じる。
次に、本実施形態の焦点位置可変撮影装置のより具体的な構成と、その動作について説明する。
【0177】
図23は本実施形態の可変光学系による焦点位置可変撮影装置の具体例を示す図である。シャッタボタン2301は、本実施形態の焦点位置可変撮影装置のシャッタを操作する為のボタンである。信号送信器2303はシャッタボタン2301が1段階目の深さ2302に達した時に信号を送る送信器である。信号送信器2305はシャッタボタン2301が2段階目の深さ2304に達した時に信号を送る送信器である。なお、信号送信器2303や信号送信器2305は能動的な素子で無く、単なる電気的なON/OFFを行うだけのスイッチであっても構わない。リンク機構2306はシャッタボタン2301が深さ2302から深さ2304に押されるときにその移動量を結像レンズ系2307に伝達する機構である。結像レンズ系2307は撮影画像を撮像素子2308上に結像する働きを有する。
【0178】
なお、リンク系の構成は本実施形態に限定するものではなく、シャッタボタンの移動量を伝達することによって結像レンズ系2307と撮像素子2308間の相対的な間隔を物理的または光学的に変えることができる構成であるならば本実施形態の焦点位置の可変光学系を駆動する伝達手段と見なされるものとする。また、結像レンズ系2307ではなく撮像素子2308の位置を動かすことによっても焦点位置を変えることができるのは言うまでもない。
【0179】
次に、本装置の動作を説明する。図23の(1)はシャッタボタン2301が押されていない状態である。この時、結像レンズ系2307は位置2309にあり、この状態でレンズの焦点位置は遠方にあるので遠くの物体にピントが合う状態である。
【0180】
図23の(2)はシャッタボタン2301が1段目の深さ2302に押された状態である。信号送信器2303によって撮影信号が送信され撮影を行うことができる。この際、結像レンズ系2307と撮像素子2308の相対的な位置は(1)と変わっていないので遠くの物体にピントが合う状態で撮影が行われる。
【0181】
図23の(3)はシャッタボタン2301が2段目の深さ2304に押された状態である。シャッタボタン2301が深さ2304まで押し込まれると、その動きはリンク機構2306を通して結像レンズ系2307に伝達され、結像レンズ系2307が位置2310へと前方に変移する。この状態ではレンズの焦点位置が近くなって、近くの物体にピントが合う状態となる。この状態で信号送信器2305によって撮影信号が送信され撮影を行うと、近くの物体にピントが合う状態で撮影が行われることになる。
【0182】
以上の様に本実施形態の焦点位置可変撮影装置では、特別な動力を必要とすること無く一つの撮影手段で異なる2焦点位置の撮影が可能、撮影者に特別な動作を強いること無く普通にシャッタボタンを押すだけで瞬時に焦点位置の異なる2枚の画像を続けて撮影可能とする利便性を提供できる。
【0183】
以上説明した様に本実施形態の3次元形状計測装置によれば、シャッタの押された深さに応じて光学系の可動部を駆動して焦点位置を変化させるので、動力を不要として低コスト化をはかり、かつ、簡便な操作で高速に焦点位置を変更することが可能である。
【0184】
【発明の効果】
本発明の方法及び装置によって、小型、低コスト低消費電力、計測環境や計測範囲に制限のない3次元形状計測装置を提供することができる。
本発明の方法及び装置によって、従来法では安定して計測できなかった領域も、計測できた領域から補間生成することによって、安定して概形を求めることができる。
本発明の方法及び装置によって、特に水平方向で変化する距離情報のみが必要な場合、更に計算コストが低く計算時間の早い計測装置を提供することができる。
本発明の装置によって、撮影者が普通にシャッタを押すだけで、焦点位置の異なる2枚の画像を続けて撮影可能とする装置を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施形態1の3次元形状計測装置の概略構成を示す図である。
【図2】実施形態1の3次元形状計測装置の処理概要を示す図である。
【図3】実施形態1の3次元形状計測装置の具体例を示す図である。
【図4】実施形態1の図3の3次元形状計測装置の処理手順を示すフローチャートである。
【図5】実施形態1の画素の隣接条件の概要を示す図である。
【図6】実施形態1の減衰率→距離参照テーブル作成処理の処理手順を示すフローチャートである。
【図7】実施形態2の3次元形状計測装置の概略構成を示す図である。
【図8】実施形態2の3次元形状計測処理の処理概要を示す図である。
【図9】実施形態2の3次元形状計測装置の具体例を示す図である。
【図10】実施形態2の図9の3次元形状計測装置の処理手順を示すフローチャートである。
【図11】実施形態2の減衰率比→距離参照テーブル作成処理の処理手順を示すフローチャートである。
【図12】実施形態3の3次元形状計測装置の概略構成を示す図である。
【図13】実施形態3の輝度変化する境界部の法線方向と空間周波数スペクトルの関係を示す図である。
【図14】実施形態3の3次元形状計測処理の処理概要を示す図である。
【図15】実施形態3の3次元形状計測装置の具体例を示す図である。
【図16】実施形態3の3次元形状計測処理の処理手順を示すフローチャートである。
【図17】実施形態4の3次元形状計測装置の概略構成を示す図である。
【図18】実施形態4の輝度変化する方向と水平方向の1次元空間周波数スペクトルの関係を示す図である。
【図19】実施形態4の3次元形状計測処理の処理概要を示す図である。
【図20】実施形態4の3次元形状計測装置の具体例を示す図である。
【図21】実施形態4の3次元形状計測処理の処理手順を示すフローチャートである。
【図22】実施形態5の可変光学系による焦点位置可変撮影装置の概略構成を示す図である。
【図23】実施形態5の可変光学系による焦点位置可変撮影装置の具体例を示す図である。
【符号の説明】
101…撮影手段、102…画像入力手段、103…空間周波数スペクトル演算手段、104…スペクトル強度減衰率演算手段、105…距離演算手段、106…補間演算手段、206…撮影画像、207…距離の近い領域、208…距離の遠い領域、209…輪郭領域抽出データ、210…点、211…空間周波数スペクトル、212…領域、213…減衰率→距離参照テーブル、214及び215…画素、301…撮影カメラ、302…画像入力部、303…画像記録メモリ、304…エッジ検出器、305…輝度変化領域記録メモリ、306…空間周波数スペクトル演算器、307…空間周波数スペクトル記録メモリ、308…最大分布方向検出器、309…スペクトル強度減衰率演算器、310…距離演算器、311…補間演算器、312…3次元形状記録メモリ、313…撮影物体、314…焦点位置、315…撮影画像データ、316…輪郭領域抽出データ、317…空間周波数スペクトル、318…最大分布方向、319…補間概略図、320…原点、321〜324…画素、325…減衰率→距離参照テーブル、608…校正用撮影板、701及び702…撮影手段、703…画像入力手段、704…空間周波数スペクトル演算手段、705…スペクトル強度減衰率演算手段、706…距離演算手段、707…補間演算手段、807…撮影画像、808…距離の遠い領域、809…距離の近い領域、810…撮影画像、811…距離の近い領域、812…距離の遠い領域、813…輪郭領域抽出データ、814及び815…空間周波数スペクトル、816…領域、817及び818…減衰率、819…方向、820…減衰率比→距離参照テーブル、901及び902…撮影カメラ、903…画像入力部、904及び905…画像記録メモリ、906…エッジ検出器、907…輝度変化領域記録メモリ、908…空間周波数スペクトル演算器、909及び910…空間周波数スペクトル記録メモリ、911…最大分布方向検出器、912及び913…スペクトル強度減衰率演算器、914…距離演算器、915…補間演算器、916…3次元形状記録メモリ、917…撮影物体、918及び919…焦点位置、920及び921…画像データ、922…輪郭領域抽出データ、923及び924…輪郭領域、925…画素、926及び927…空間周波数スペクトル、928…方向、929…ハーフミラー、930…ミラー、931…補間概略図、932…原点、933〜936…画素、937…減衰率比→距離参照テーブル、1109…校正用撮影板、1201及び1202…撮影手段、1203…画像入力手段、1204…法線方向1次元空間周波数スペクトル演算手段、1205…スペクトル強度減衰率演算手段、1206…距離演算手段、1207…補間演算手段、1301…撮影画像、1302…輝度変化境界部領域、1303…輝度変化境界部法線方向、1304…空間周波数スペクトル、1305…矢印、1501…エッジベクトル検出器、1502…輝度変化領域記録メモリ、1503…空間周波数スペクトル演算器、1504…空間周波数スペクトル記録メモリ、1505…輪郭領域抽出データ、1506…法線ベクトル、1507…空間周波数スペクトル、1701…撮影手段、1702…画像入力手段、1703…水平方向1次元空間周波数スペクトル演算手段、1704…スペクトル強度減衰率演算手段、1705…距離演算手段、1706…補間演算手段、1801…撮影画像、1802…輝度変化境界部領域、1803…空間周波数スペクトル、1804…減衰率、1805…撮影画像、1806…輝度変化境界部領域、1807…空間周波数スペクトル、2001…水平方向1次元空間周波数スペクトル演算器、2002…空間周波数スペクトル記録メモリ、2003…スペクトル強度減衰率演算器、2004…空間周波数スペクトル、2201…結像光学系、2202…撮像素子、2203…シャッタ手段、2204…伝達手段、2301…シャッタボタン、2302…深さ、2303…信号送信器、2304…深さ、2305…信号送信器、2306…リンク機構、2307…結像レンズ系、2308…撮像素子、2309及び2310…位置。

Claims (14)

  1. 影手段で撮影された撮影画像を入力する第1のステップと、
    前記撮影画像内の輝度変化が所定値以上の領域について、該領域内の画素を中心とする近傍領域の輝度の2次元空間周波数スペクトル分布を求める第2のステップと、
    前記2次元空間周波数スペクトル分布について、空間周波数に対するスペクトル強度の直流成分から高周波領域までの減衰が最小となる当該2次元空間周波数スペクトル分布の中心からの方向を検出し、該方向における前記減衰率を求める第3のステップと、
    前記第3のステップで求めた減衰率、および被写体と前記撮影手段との距離と前記減衰率との対応関係を予め記録したテーブルに基づき当該領域の被写体と前記撮影手段との距離を求める第4のステップと、
    前記撮影画像内の輝度変化が前記所定値未満の領域について、前記第4のステップで被写体と前記撮影手段との距離が求められた領域からの補間によって当該領域の被写体と前記撮影手段との距離を求める第5のステップとを有することを特徴とする3次元形状計測方法。
  2. 1の撮影手段で撮影された第1の撮影画像と前記第1の撮影手段の焦点位置とは異なる焦点位置を有する第2の撮影手段で撮影された第2の撮影画像とをそれぞれ入力する第1のステップと、
    前記第1及び第2の撮影画像内の輝度変化の少なくとも一方が所定値以上の領域について、輝度変化がより大きい方の撮影画像の前記領域内の画素を中心とする近傍領域の輝度の2次元空間周波数スペクトル分布及び他方の撮影画像の前記領域内の画素を中心とする近傍領域の輝度の2次元空間周波数スペクトル分布をそれぞれ第1の2次元空間周波数スペクトル分布及び第2の2次元空間周波数スペクトル分布として求める第2のステップと、
    前記第1の2次元空間周波数スペクトル分布について、空間周波数に対するスペクトル強度の直流成分から高周波領域までの減衰が最小となる当該2次元空間周波数スペクトル分布の中心からの方向を検出し、該方向における前記減衰率を第1の減衰率として求め、前記第2の2次元空間周波数スペクトル分布について、前記方向と同じ方向における前記減衰率を第2の減衰率として求める第3のステップと、
    前記第3のステップで求めた第1の減衰率と第2の減衰率の比を減衰率比として求め、該減衰率比、および被写体と前記第1または第2の撮影手段との距離と前記減衰率比との対応関係を予め記録したテーブルに基づき当該領域の被写体と前記第1または第2の撮影手段との距離を求める第4のステップと、
    前記第1及び第2の撮影画像内の輝度変化がいずれも前記所定値未満の領域について、前記第4のステップで被写体と前記第1または第2の撮影手段との距離が求められた領域からの補間によって当該領域の被写体と前記第1または第2の撮影手段との距離を求める第5のステップとを有することを特徴とする3次元形状計測方法。
  3. 影手段で撮影された撮影画像を入力する第1のステップと、
    前記撮影画像内の輝度変化が所定値以上の領域について、該輝度変化の境界部の法線方向と該法線方向の輝度の1次元空間周波数スペクトル分布とを求める第2のステップと、
    記1次元空間周波数スペクトル分布について、空間周波数に対するスペクトル強度の直流成分から高周波領域までの減衰率を求める第3のステップと、
    前記第3のステップで求めた減衰率、および被写体と前記撮影手段との距離と前記減衰率との対応関係を予め記録したテーブルに基づき当該領域の被写体と前記撮影手段との距離を求める第4のステップと、
    前記撮影画像内の輝度変化が前記所定値未満の領域について、前記第4のステップで被写体と前記撮影手段との距離が求められた領域からの補間によって当該領域の被写体と前記撮影手段との距離を求める第5のステップとを有することを特徴とする3次元形状計測方法。
  4. 1の撮影手段で撮影された第1の撮影画像と前記第1の撮影手段の焦点位置とは異なる焦点位置を有する第2の撮影手段で撮影された第2の撮影画像とをそれぞれ入力する第1のステップと、
    前記第1及び第2の撮影画像内の輝度変化の少なくとも一方が所定値以上の領域について、輝度変化がより大きい方の撮影画像の該輝度変化の境界部の法線方向を求めると共に、輝度変化がより大きい方の撮影画像の該法線方向の輝度の1次元空間周波数スペクトル分布及び他方の撮影画像の該法線方向の輝度の1次元空間周波数スペクトル分布をそれぞれ第1の1次元空間周波数スペクトル分布及び第2の1次元空間周波数スペクトル分布として求める第2のステップと、
    前記第1及び第2の1次元空間周波数スペクトル分布について、空間周波数に対するスペクトル強度の直流成分から高周波領域までの減衰率をそれぞれ第1及び第2の減衰率として求める第3のステップと、
    前記第3のステップで求めた第1の減衰率と第2の減衰率の比を減衰率比として求め、該減衰率比、および被写体と前記第1または第2の撮影手段との距離と前記減衰率比との対応関係を予め記録したテーブルに基づき当該領域の被写体と前記第1または第2の撮影手段との距離を求める第4のステップと、
    前記第1及び第2の撮影画像内の輝度変化がいずれも前記所定値未満の領域について、前記第4のステップで被写体と前記第1または第2の撮影手段との距離が求められた領域からの補間によって当該領域の被写体と前記第1または第2の撮影手段との距離を求める第5のステップとを有することを特徴とする3次元形状計測方法。
  5. 影手段で撮影された撮影画像を入力する第1のステップと、
    前記撮影画像内の輝度変化が所定値以上の領域について、水平方向の輝度の1次元空間周波数スペクトル分布を求める第2のステップと、
    記1次元空間周波数スペクトル分布について、空間周波数に対するスペクトル強度の直流成分から高周波領域までの減衰率を求める第3のステップと、
    前記第3のステップで求めた減衰率、および被写体と前記撮影手段との距離と前記減衰率との対応関係を予め記録したテーブルに基づき当該領域の被写体と前記撮影手段との距離を求める第4のステップと、
    前記撮影画像内の輝度変化が前記所定値未満の領域について、前記第4のステップで被写体と前記撮影手段との距離が求められた領域からの補間によって当該領域の被写体と前記撮影手段との距離を求める第5のステップとを有することを特徴とする3次元形状計測方法。
  6. 1の撮影手段で撮影された第1の撮影画像と前記第1の撮影手段の焦点位置とは異なる焦点位置を有する第2の撮影手段で撮影された第2の撮影画像とをそれぞれ入力する第1のステップと、
    前記第1及び第2の撮影画像内の輝度変化の少なくとも一方が所定値以上の領域について、輝度変化がより大きい方の撮影画像の水平方向の輝度の1次元空間周波数スペクトル分布及び他方の撮影画像の水平方向の輝度の1次元空間周波数スペクトル分布をそれぞれ第1の1次元空間周波数スペクトル分布及び第2の1次元空間周波数スペクトル分布として求める第2のステップと、
    前記第1及び第2の1次元空間周波数スペクトル分布について、空間周波数に対するスペクトル強度の直流成分から高周波領域までの減衰率をそれぞれ第1及び第2の減衰率として求める第3のステップと、
    前記第3のステップで求めた第1の減衰率と第2の減衰率の比を減衰率比として求め、該減衰率比、および被写体と前記第1または第2の撮影手段との距離と前記減衰率比との対応関係を予め記録したテーブルに基づき当該領域の被写体と前記第1または第2の撮影手段との距離を求める第4のステップと、
    前記第1及び第2の撮影画像内の輝度変化がいずれも前記所定値未満の領域について、前記第4のステップで被写体と前記第1または第2の撮影手段との距離が求められた領域からの補間によって当該領域の被写体と前記第1または第2の撮影手段との距離を求める第5のステップとを有することを特徴とする3次元形状計測方法。
  7. 影手段で撮影された撮影画像を入力する画像入力手段と、
    前記撮影画像内の輝度変化が所定値以上の領域について、該領域内の画素を中心とする近傍領域の輝度の2次元空間周波数スペクトル分布を求めるスペクトル演算手段と、
    前記2次元空間周波数スペクトル分布について、空間周波数に対するスペクトル強度の直流成分から高周波領域までの減衰が最小となる当該2次元空間周波数スペクトル分布の中心からの方向を検出し、該方向における前記減衰率を求める減衰率演算手段と、
    前記減衰率演算手段で求めた減衰率、および被写体と前記撮影手段との距離と前記減衰率との対応関係を予め記録したテーブルに基づき当該領域の被写体と前記撮影手段との距離を求める距離演算手段と、
    前記撮影画像内の輝度変化が前記所定値未満の領域について、前記距離演算手段で被写体と前記撮影手段との距離が求められた領域からの補間によって当該領域の被写体と前記撮影手段との距離を求める補間演算手段とを備えることを特徴とする3次元形状計測装置。
  8. 1の撮影手段で撮影された第1の撮影画像と前記第1の撮影手段の焦点位置とは異なる焦点位置を有する第2の撮影手段で撮影された第2の撮影画像とをそれぞれ入力する画像入力手段と、
    前記第1及び第2の撮影画像内の輝度変化の少なくとも一方が所定値以上の領域について、輝度変化がより大きい方の撮影画像の前記領域内の画素を中心とする近傍領域の輝度の2次元空間周波数スペクトル分布及び他方の撮影画像の前記領域内の画素を中心とする近傍領域の輝度の2次元空間周波数スペクトル分布をそれぞれ第1の2次元空間周波数スペクトル分布及び第2の2次元空間周波数スペクトル分布として求めるスペクトル演算手段と、
    前記第1の2次元空間周波数スペクトル分布について、空間周波数に対するスペクトル強度の直流成分から高周波領域までの減衰が最小となる当該2次元空間周波数スペクトル分布の中心からの方向を検出し、該方向における前記減衰率を第1の減衰率として求め、前記第2の2次元空間周波数スペクトル分布について、前記方向と同じ方向における前記減衰率を第2の減衰率として求める減衰率演算手段と、
    前記減衰率演算手段で求めた第1の減衰率と第2の減衰率の比を減衰率比として求め、該減衰率比、および被写体と前記第1または第2の撮影手段との距離と前記減衰率比との対応関係を予め記録したテーブルに基づき当該領域の被写体と前記第1または第2の撮影手段との距離を求める距離演算手段と、
    前記第1及び第2の撮影画像内の輝度変化がいずれも前記所定値未満の領域について、前記距離演算手段で被写体と前記第1または第2の撮影手段との距離が求められた領域からの補間によって当該領域の被写体と前記第1または第2の撮影手段との距離を求める補間演算手段とを備えることを特徴とする3次元形状計測装置。
  9. 影手段で撮影された撮影画像を入力する画像入力手段と、
    前記撮影画像内の輝度変化が所定値以上の領域について、該輝度変化の境界部の法線方向と該法線方向の輝度の1次元空間周波数スペクトル分布とを求めるスペクトル演算手段と、
    記1次元空間周波数スペクトル分布について、空間周波数に対するスペクトル強度の直流成分から高周波領域までの減衰率を求める減衰率演算手段と、
    前記減衰率演算手段で求めた減衰率、および被写体と前記撮影手段との距離と前記減衰 率との対応関係を予め記録したテーブルに基づき当該領域の被写体と前記撮影手段との距離を求める距離演算手段と、
    前記撮影画像内の輝度変化が前記所定値未満の領域について、前記距離演算手段で被写体と前記撮影手段との距離が求められた領域からの補間によって当該領域の被写体と前記撮影手段との距離を求める補間演算手段とを備えることを特徴とする3次元形状計測装置。
  10. 1の撮影手段で撮影された第1の撮影画像と前記第1の撮影手段の焦点位置とは異なる焦点位置を有する第2の撮影手段で撮影された第2の撮影画像とをそれぞれ入力する画像入力手段と、
    前記第1及び第2の撮影画像内の輝度変化の少なくとも一方が所定値以上の領域について、輝度変化がより大きい方の撮影画像の該輝度変化の境界部の法線方向を求めると共に、輝度変化がより大きい方の撮影画像の該法線方向の輝度の1次元空間周波数スペクトル分布及び他方の撮影画像の該法線方向の輝度の1次元空間周波数スペクトル分布をそれぞれ第1の1次元空間周波数スペクトル分布及び第2の1次元空間周波数スペクトル分布として求めるスペクトル演算手段と、
    前記第1及び第2の1次元空間周波数スペクトル分布について、空間周波数に対するスペクトル強度の直流成分から高周波領域までの減衰率をそれぞれ第1及び第2の減衰率として求める減衰率演算手段と、
    前記減衰率演算手段で求めた第1の減衰率と第2の減衰率の比を減衰率比として求め、該減衰率比、および被写体と前記第1または第2の撮影手段との距離と前記減衰率比との対応関係を予め記録したテーブルに基づき当該領域の被写体と前記第1または第2の撮影手段との距離を求める距離演算手段と、
    前記第1及び第2の撮影画像内の輝度変化がいずれも前記所定値未満の領域について、前記距離演算手段で被写体と前記第1または第2の撮影手段との距離が求められた領域からの補間によって当該領域の被写体と前記第1または第2の撮影手段との距離を求める補間演算手段とを備えることを特徴とする3次元形状計測装置。
  11. 影手段で撮影された撮影画像を入力する画像入力手段と、
    前記撮影画像内の輝度変化が所定値以上の領域について、水平方向の輝度の1次元空間周波数スペクトル分布を求めるスペクトル演算手段と、
    記1次元空間周波数スペクトル分布について、空間周波数に対するスペクトル強度の直流成分から高周波領域までの減衰率を求める減衰率演算手段と、
    前記減衰率演算手段で求めた減衰率、および被写体と前記撮影手段との距離と前記減衰率との対応関係を予め記録したテーブルに基づき当該領域の被写体と前記撮影手段との距離を求める距離演算手段と、
    前記撮影画像内の輝度変化が前記所定値未満の領域について、前記距離演算手段で被写体と前記撮影手段との距離が求められた領域からの補間によって当該領域の被写体と前記撮影手段との距離を求める補間演算手段とを有することを特徴とする3次元形状計測装置。
  12. 1の撮影手段で撮影された第1の撮影画像と前記第1の撮影手段の焦点位置とは異なる焦点位置を有する第2の撮影手段で撮影された第2の撮影画像とをそれぞれ入力する画像入力手段と、
    前記第1及び第2の撮影画像内の輝度変化の少なくとも一方が所定値以上の領域について、輝度変化がより大きい方の撮影画像の水平方向の輝度の1次元空間周波数スペクトル分布及び他方の撮影画像の水平方向の輝度の1次元空間周波数スペクトル分布をそれぞれ第1の1次元空間周波数スペクトル分布及び第2の1次元空間周波数スペクトル分布として求めるスペクトル演算手段と、
    前記第1及び第2の1次元空間周波数スペクトル分布について、空間周波数に対するスペクトル強度の直流成分から高周波領域までの減衰率をそれぞれ第1及び第2の減衰率として求める減衰率演算手段と、
    前記減衰率演算手段で求めた第1の減衰率と第2の減衰率の比を減衰率比として求め、該減衰率比、および被写体と前記第1または第2の撮影手段との距離と前記減衰率比との対応関係を予め記録したテーブルに基づき当該領域の被写体と前記第1または第2の撮影手段との距離を求める距離演算手段と、
    前記第1及び第2の撮影画像内の輝度変化がいずれも前記所定値未満の領域について、前記距離演算手段で被写体と前記第1または第2の撮影手段との距離が求められた領域からの補間によって当該領域の被写体と前記第1または第2の撮影手段との距離を求める補間演算手段とを備えることを特徴とする3次元形状計測装置。
  13. 前記請求項1乃至請求項6に記載のステップをコンピュータに実行させることを特徴とするプログラム。
  14. 前記請求項1に記載のプログラムを記録したことを特徴とするコンピュータ読み取り可能な記録媒体。
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