JP4091168B2 - 耐熱バルブ付バッグ・イン・ボックス - Google Patents

Description

【０００１】
【発明の属する技術分野】
本発明は、大量の液状又は流動性飲食品を、安価、且つ無菌的に移動することができるバッグ・イン・ボックスに関し、更に詳しくは、金属製コンテナーに代替可能な容量と取り扱い性を有し、また、金属製コンテナーに比べてより経済的に用いることができ、しかも、金属製コンテナーと同様に飲食品の充填・取出を無菌的に行うことができる、耐熱バルブ付バッグ・イン・ボックスに関する。
【０００２】
【従来の技術】
従来、食品用大型無菌充填容器として、ステンレススチール等の金属製コンテナー（以下、ハードコンテナーと略称する）が用いられている。しかし、ハードコンテナーは、▲１▼制作費が高いので初期投資費用が大きい、▲２▼使用量の変化に対応困難、▲３▼洗浄・保管等の保守管理のための広い場所及び費用が必要、▲４▼空容器返却費用が充填容器同様必要等の欠点がある。
【０００３】
一方、無菌充填用バッグ・イン・ボックス（以下、ＢＩＢと略称する）は、例えば、外装にダンボール、内装にプラスチックフィルムを使用した少量充填用のものが従来より使用されている。また、ＢＩＢの大型化も検討され使用されるようになってきているが、通常、大型ＢＩＢの場合、受入タンク等への配管が必要であって、その為、配管接続部での微生物汚染が問題になる。しかし、その内装バッグの充填・取出部材質がプラスチックであるので、充填・取出口を加熱殺菌するためには耐熱性や機械的強度に乏しい。その為、大型のＢＩＢは、無菌条件での製品の取り出しに対応が困難となり、例えば、微生物汚染の心配が無い飲食品製品等への使用に限定されているのが現状である。
【０００４】
【発明が解決しようとする課題】
特に大型ハードコンテナーの物理的、コスト的欠点が解決できるＢＩＢではあるが、上記のようにＢＩＢの充填・取出部にはプラスチック材質のものが取り付けられ、メーカーによりその充填口の仕様やサイズが異なるため、専用の充填機が必要となるなどの問題もある。しかし、ＢＩＢに関する最重要課題は、いかにして無菌的に飲食品製品を充填・取出可能にするか、特に、製品を取り出す際の取り出し口の殺菌処理対策をいかにするかであって、この対策こそ、充填された製品の微生物汚染防止の為に早急に解決されなければならない極めて重要な課題である。このことが解決されて初めて、コスト的にハードコンテナーよりも格段に有利であると言える。
【０００５】
【課題を解決するための手段】
そこで本発明者等は、上記課題を解決するため鋭意研究を行なってきた。その結果、ＢＩＢの内装バッグに取り付けられているプラスチック材質の充填・取出部に、金属製等の耐熱バルブを接続し、その後の容器滅菌、製品充填、移動、製品取出迄の全過程において、該耐熱バルブを接続したままで流通させることによって、製品取出時のバルブ蒸気殺菌が可能になり、微生物汚染が防止できるのみならず、充填時または取出時の移送容器との配管接続の適合性も向上することを見出し本発明を完成した。本発明により、ＢＩＢの欠点が改善され、ハードコンテナーよりコスト的に大いに有利になったと言える。以下に、本発明の具体的態様について説明する。
【０００６】
【発明の実施の形態】
本発明の例を図１に示した。プラスチックラミネートフィルム製の内装バッグ１に、プラスチック製の充填・取出口２が接着され、この充填・取出口２にサニタリー仕様のステンレススチールバルブ３がヘルール４を介して接続されている図である。
【０００７】
製品の充填前にバッグのガンマー線照射による滅菌処理が施され、製品の充填は、ヘルール６で取り付けられている閉止蓋７を取り除いて、受入側タンクからの配管を接続して行われる。その際、該配管の口径がバルブ３の口径と異なる場合は、レジューサーを挿入すればよい。充填終了時、コック５により弁を閉じ、バルブの外部側内面を洗浄した後閉止蓋７をヘルール６で取り付ける。
【０００８】
また、製品を取り出す時は、閉止蓋７を取り除いた後殺菌するため、蒸気をバルブ３の外部側内面に吹き込む。この際の高圧蒸気殺菌は、本発明のように耐熱バルブを接続することによって、はじめて可能になったものである。具体的には、予め殺菌された受入側タンク配管の端末バルブとＢＩＢ側の耐熱バルブが接続された状態にして接続部分を高圧蒸気殺菌し、殺菌後に受入側タンク配管の端末バルブ及びＢＩＢの耐熱バルブを開くことによって、微生物汚染の心配が全くなく製品を取り出すことができる。
【０００９】
なお、本発明のＢＩＢは、例えば、折り畳み可能なダンボール製や軽量スチール製枠などの外装ボックスの中に入れて充填、移動、取出を行った後、耐熱バルブは図１のヘルール４で取り外して上記の折り畳んだ外装ボックスとともに返却すればよい。内装バッグのみをワンウェイ容器として使用するので、経済効率を良くすることができる。
【００１０】
また、本発明で使用できるバルブは、例えば、１１０℃以上の耐熱性のものであれば樹脂製やカーボン製、或いは、セラミック製等のものでも使用可能であるが、好ましくは、経済的、衛生的、臭気的観点から金属製が良く、より好ましくは、サニタリー仕様のステンレススチール製のものを挙げることができる。
【００１１】
また、本発明の内装バッグは、接着されている充填・取出部が、充填・取出口を併用する１個のタイプのものでも、或いは、充填口と取出口が別個になっているタイプのものでも良い。プラスチックバッグの利点として、充填口は、充填後に密封できるので、充填口と取出口が別個になっているタイプの場合、取出口に耐熱バルブを接続しておけばよい。また、耐熱バルブの接続は、ヘルールを用いる他に、各種のサニタリー仕様の接続ができるものであれば同様に使用することができる。
【００１２】
【発明の効果】
本発明によって大量の液状又は流動性飲食品を、安価、且つ無菌的に移動することができるようになった。
【図面の簡単な説明】
【図１】 本発明の耐熱バルブ付バッグ・イン・ボックスの説明図である。
【符号の説明】
１ 内装バッグ
２ 充填・取出口
３ 耐熱バルブ
４ ヘルール
５ バルブコック
６ ヘルール
７ 閉止蓋

Claims (2)

1. プラスチックラミネートフィルム製の内装バッグに取り付けられたプラスチック製充填・取出部に、受入側タンク配管の端末バルブと接続できる蒸気殺菌可能な接続部分を有する耐熱性バルブが接続されていることを特徴とする、耐熱バルブ付バッグ・イン・ボックス。
2. 耐熱バルブがサニタリー仕様のステンレススチールバルブである、請求項１記載の耐熱バルブ付バッグ・イン・ボックス。

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