JP4089843B2 - 液晶表示装置 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、アクティブマトリクス型のカラー表示が可能な液晶表示装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来のアクティブマトリクス型、例えば、TFT(thin film transistor)型の液晶表示装置の液晶パネルは、例えば、図14(平面構造)及び図15(断面構造)に示すような構造を有する。
すなわち、液晶パネル1は、互いに対向して配置された透明基板2,3を備えている。そして、その一方の透明基板2に、アクティブ素子であるTFT(トランジスタ部)4が形成され、該TFT4のソース電極4aにITO(Indium Tin Oxide)からなる画素電極(画素ITO)5が接続されている。また、TFT4のゲート電極4cに接続され、図中左右に配置されたゲートライン(制御線)6と、TFT4のドレイン電極4bに接続され、図中上下に配置されたドレインライン(信号線)7とが、縦横に格子状に配置され、これら縦横に格子状に配置されたゲートライン6とドレインライン7とに画素電極5が周囲を囲まれた状態となっている。
【0003】
また、図15に示すように、この液晶パネル1においては、画素電極5とドレインライン7とがゲート絶縁膜(SiNx(窒化珪素))8上の同じ層に形成されており、画素電極5とドレインライン7との間に左右に間隔があけられている。また、ドレインライン7の部分は、SiNxからなる絶縁性のオーバーコート7aにより覆われており、画素電極5とドレインライン7とがオーバーコート7aにより絶縁されている。
そして、画素電極5とドレインライン7との間隔から光漏れを生じないように、光を遮断するシールドとして蓄積容量(Cs)9が画素電極5とドレインライン7との間隔を覆うように、一部が画素電極5と、ドレインライン7と重複した状態でゲート絶縁膜8の下に形成されている。そして、蓄積容量9が画素電極5の左右側縁部を囲むようにコ字状とされている。
この場合には、画素電極5の左右側縁部が蓄積容量9と重なり、その分だけ、画素電極5の光透過可能な面積が減り、液晶パネル1における開口率が減少することになる。
【0004】
なお、他方の透明基板3、すなわち、ITOからなる共通電極10が形成される透明基板3には、赤、緑、青(RGB)のカラーフィルタr、g、bが各画素毎に一色ずつ割り当てられるように形成されるとともに、各画素のカラーフィルタr、g、b同士の間に配置されるように、例えば、金属Crからなるブラックマトリクス11が形成されている。そして、カラーフィルタr、g、b上に、上記共通電極10が形成されている。
また、図示しないが、上記二枚の透明基板2、3のそれぞれの最も内面側には配向膜が形成されるとともに、二枚の透明基板2,3の間にビーズ状のスペーサが散布されて、二枚の透明基板2,3間にギャップを形成している。そして、これらの二枚の透明基板2、3間のギャップに液晶が注入されている。また、二枚の透明基板2,3の外面側には、図示しない偏光板が貼設されている。
【0005】
また、図16及び図17は、上記液晶パネル1とは異なる液晶パネル12を示すものであり、この液晶パネル12においては、画素電極5とドレインライン7とが有機絶縁膜13を介して異なる層に形成されている。すなわち、ドレインライン7がゲート絶縁膜8上に形成され、その上に有機絶縁膜13が形成され、この有機絶縁膜13上に画素電極5が形成されている。従って、画素電極5とドレインライン7とが上下に配置されるとともに、これらが有機絶縁膜13で絶縁されているので、画素電極5とドレインライン7とを絶縁した状態で、一部が上下に重複した状態で配置することができ、画素電極5とドレインライン7との間に絶縁のために左右に光漏れの原因となる間隔をあける必要がない。
【0006】
従って、光漏れを防ぐために、蓄積容量9を画素電極5とドレインライン7との重複部分に配置する必要がなく、蓄積容量9を例えば、ゲートライン6に沿った真っ直ぐな帯状のものとすることができる。
また、液晶パネル12の各画素の左右側縁部においては、画素電極5をドレインライン7と重なる位置まで延ばし、光の透過を制御して画像を表示できる画像領域を可及的に拡大させ、開口率を向上することができる。
【0007】
すなわち、前者の液晶パネル1においては、画素電極5の左右の側縁がドレインライン7の側縁から必要な間隔をとって内側に配置され、さらに、画素電極5の左右の側縁部が蓄積容量と重なるので、左右をドレインライン7,7に囲まれたスペースにおいて、ドレインライン7と画素電極5との間隔と、画素電極5と蓄積容量9とが重複する間隔とを合わせた距離だけドレインライン7の側縁より内側から画像領域となるが、液晶パネル12においては、ドレインライン7の側縁から画像領域となる。
なお、後者の液晶パネル12は、上述のドレインライン7と画素電極5と蓄積容量9との関係及び有機絶縁膜13の有無が異なる以外は、基本的に前者の液晶パネル1とほぼ同様の構成を有する。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、前者の液晶パネル1においては、上述のようにドレインライン7と画素電極5とが同層レベルにつまり水平方向に互いに間隔をあけて形成され、この間隔から光漏れを防止するために蓄積容量9をドレインライン7と画素電極5との間隔を覆うように配置するために、コ字状としているが、これにより、異なる電位の電圧が印加される画素電極5と蓄積容量9との間に横電界が発生する。
そして、液晶起動時に画素電極5と共通電極10との間の縦電界と、画素電極5と蓄積容量9との間の横電界とにより、液晶の配向状態が異なる二つのドメインを形成することになり、これらのドメインの境界がディスクリネーションラインとして表示に現れ、液晶表示装置の表示品位を低下させる要因となる。
【0009】
これを防止するためには、ディスクリネーションラインを隠すことが考えられるが、それは、ドレインライン7の下のドレインライン7と重複する蓄積容量9の線幅を太くするか、他方の透明基板(対向基板)3のブラックマトリクス11の線幅を太くする必要がある。しかし、これらの線幅を太くした場合には、液晶パネル1の画像領域が減り、開口率の低下を招くことになる。
また、上述のような構造を有する液晶パネル1は、耐圧力性に乏しいといった課題がある。
【0010】
すなわち、液晶パネル1を押した場合には、蓄積容量9やブラックマトリクス11で隠しているディスクリネーションラインが移動して画素内に現れるとともに、該ディスクリネーションラインが画素の反対側の上記横電界につかまり液晶パネル1を押すことをやめた後も液晶の配向状態が正常に戻らない、いわゆる「パネル押し不良」が生じる可能性がある。
【0011】
後者の液晶パネル12においては、蓄積容量9がゲートライン6に沿って延びる帯状に形成されているので、前者の液晶パネル1のように横電界が生じることがない。また、ドレインライン7と画素電極5を異なる層に配置することにより、上述のように、高開口率化を図ることができるが、ドレインライン7と画素電極5との間に形成される有機絶縁膜13をスピンコート等で透明基板2全面に塗布することになり、この有機絶縁膜13は、ほとんど透明基板2上に残ることになるが、有機膜のスピンコートは、異物等を巻き込むことが多く歩留まりを低下させる原因となる。
【0012】
さらに、液晶パネル12で用いられる有機絶縁膜13は感光性有機材料であり、感光性有機材料は、短波長側の透過率が低下することが知られている。例えば、後者の液晶パネル12の場合に、ドレインライン7と画素電極5のカップリング容量の関係から有機絶縁膜13の膜厚は、3〜3.5μm程度必要であり、このような有機絶縁膜13による透過率の低下は、図18のグラフに示すものとなる。
図18からわかるように、有機絶縁膜13が存在することで液晶パネル12の光透過率は5%程度低下する。
【0013】
また、液晶パネル1,12においては、二枚の透明基板2,3の間に、こらのの間隔を保つビーズ状スペーサを用いているが、ビーズ状スペーサは、液晶との境界で先述のディスクリネーションラインと似たような光漏れを起こす。これは電界のかかった状態、つまり黒表示時の透過率の浮き(上昇)を招きコントラスト低下の原因となる。
【0014】
さらに、ビーズ状スペーサの散布プロセスは非常に制御が困難で、散布密度、散布個数などのばらつきにより表示品位低下の原因となる。
また、TFT4が形成された透明基板2とカラーフィルタr、g、bが形成された透明基板3との貼り合わせ時の位置精度(合わせ精度)は、±4〜6μm程度と言われており、この合わせ精度の範囲で他方の透明基板3に存在する遮光のためのブラックマトリクス11の位置がずれた場合には、開口率を5%〜10%程度低下させる原因となる。
【0015】
本発明は上記事情に鑑みてなされたものであり、液晶パネルの光透過率を低下させることなく、液晶パネルの高開口率化を図ることができ、さらに、ディスクリネーションラインの発生を防止し、コントラスト、表示品位等の向上を図ることができる液晶表示装置を提供することを目的とする。
【0016】
【課題を解決するための手段】
本発明の請求項1記載の液晶表示装置は、互いに対向して配置された一対の透明基板と、これらの透明基板の間に封入された液晶と、前記一対の透明基板のうちの一方の透明基板の内面に形成された複数のアクティブ素子と、これらのアクティブ素子に接続された複数の配線と、前記アクティブ素子にそれぞれ接続された複数の画素電極と、これらの画素電極にそれぞれ対応させて設けられた複数のカラーフィルタと、他方の透明基板の内面に形成された共通電極とを備えるカラー液晶表示装置において、
前記複数のカラーフィルタは、感光性樹脂により形成され、それぞれの周辺に、中央側から側縁に向かうにつれて薄くなるように斜めに形成された側縁部を有し、隣り合う画素に対応するカラーフィルタの隣接する側縁部に前記透明基板の内面に対して60°以下の角度で傾斜する斜面が形成され、前記配線上で互いに隣接したカラーフィルタそれぞれの前記側縁部を、前記側縁部の重複する部分の幅が前記側縁部の斜面の幅より狭く、且つ前記側縁部の重複する部分の厚さが前記カラーフィルタの中央部の厚さよりも厚くならないように重ねて、前記アクティブ素子が形成された一方の透明基板の内面に積層され、
前記配線と前記画素電極とは、前記カラーフィルタの側縁部を介して互いにその周辺部を重ねて配置されていることを特徴とする。
【0017】
上記構成によれば、配線と画素電極とがカラーフィルタを挟んで絶縁された状態で異なる位置に積層配置されているので、配線の側縁部と画素電極の側縁部とを上下に重なった状態に配置し、配線と画素電極とを水平方向に離間しないようにすることが可能となり、これにより配線と画素電極との間の光漏れを防止することができる。
したがって、配線と画素電極との間からの光漏れを防止するための遮光膜を画素電極の側縁部に上下に重なるように設ける必要がないので、上記遮光膜により開口率が減少することなく、配線の側端面まで画素が開口され、高開口率の液晶パネルを得ることができる。
【0018】
また、配線と画素電極との間にカラーフィルタを配置して、配線と画素電極とを絶縁しているので、配線と画素電極とを異なる層に絶縁した状態で配置するために、有機絶縁膜を用いる必要がなく、有機絶縁膜を用いた場合のような歩留まりの悪化や、光透過率の減少といった不具合を発生させずに開口率の向上を図ることができる。
【0019】
さらに、複数のカラーフィルタは、感光性樹脂により形成され、それぞれの周辺に、中央側から側縁に向かうにつれて薄くなるように斜めに形成された側縁部を有し、隣り合う画素に対応するカラーフィルタの隣接する側縁部に前記透明基板の内面に対して60°以下の角度で傾斜する斜面が形成され、前記配線上で互いに隣接したカラーフィルタそれぞれの前記側縁部を、前記側縁部の重複する部分の幅が前記側縁部の斜面の幅より狭く、且つ前記側縁部の重複する部分の厚さが前記カラーフィルタの中央部の厚さよりも厚くならないように重ね合わせて、前記アクティブ素子が形成された一方の透明基板の内面の、前記配線と画素電極との間に積層されているので、隣接するカラーフィルタが重なり合う部分でのカラーフィルタの厚さが厚くなるのを防止して、液晶を均一な厚さにすることができる。
【0023】
また、上記構成によれば、配線上で重なる二つのカラーフィルタの前記側縁部の重複する部分の幅を、前記側縁部の斜面の幅より狭くしたことにより、カラーフィルタ同士が重なる部分が厚くなるのを防止して、アクティブ素子側の透明基板内表面を平坦化することができる。
【0024】
従って、上下の透明基板のそれぞれの内表面を平坦化することにより、安定した液晶の配向状態を得ることができる。
すなわち、透明基板の電極等の形成された面を平坦化することにより、透明基板の内面側に形成される配向膜の表面を平坦化することができるので、配向膜の表面にラビング処理を均一に施すことができ、液晶の配向状態を安定化することができる。
【0025】
本発明の請求項2記載の液晶表示装置は、前記一方の透明基板のアクティブ素子の上に、二枚の透明基板間の間隔を保持するスペーサとなるとともに遮光性を備えた遮光スペーサが形成され、かつ、他方の透明基板の内面のほぼ全面にほぼ一様に共通電極となる透明電極が形成されていることを特徴とする。
【0026】
上記構成によれば、アクティブ素子側の透明基板において、アクティブ素子の上に遮光スペーサを設けることにより、アクティブ素子を遮光してアクティブ素子の光による誤作動を防止するようにしているので、共通電極側の透明基板に、上述のように配線に対応するブラックマトリクスと、アクティブ素子に対応するブラックマトリクスが必要なくなる。
【0027】
したがって、共通電極側の透明基板から全てのブラックマトリクスをなくすことができるので、二枚の透明基板を貼り合わせた際の位置ずれによりブラックマトリクスが画素の開口部分に重なって開口率が低下することがなく、実質的に開口率を一層向上することができる。
また、共通電極側の透明基板は、ブラックマトリクスを形成せずに、共通電極となるITOをベタで形成すれば良いので、その製造を極めて容易なものとすることができる。
【0028】
また、遮光スペーサが二枚の透明基板の間隔を保持するスペーサとなるので、従来のビーズ状スペーサを用いる必要がないので、ビーズ状スペーサによるスペーサ周辺での光漏れによるコントラストの低下を招くことがなく、コントラストの向上を図ることができる。
また、遮光スペーサを用いることにより、ビーズ状スペーサに比較して液晶パネルの耐圧性を向上できるとともに、二枚の透明基板間の間隔の精度を向上することができる。
また、ビーズ状スペーサを使用しないことにより、手間のかかるビーズ状スペーサの散布を行わなくてすむので、液晶パネルの製造を省力化できる。
【0029】
本発明の請求項3記載の液晶表示装置は、前記遮光スペーサが樹脂に遮光性を備えた顔料を添加した樹脂ブラックからなり、かつ、上記一方の透明基板の画像が表示される表示領域の外側となる周縁部に上記樹脂ブラックからなる額縁保護層が形成されていることを特徴とする。
【0030】
上記構成によれば、額縁保護層は、上記遮光スペーサと同じ材質からなるので、遮光スペーサの形成に際し、額縁保護層を同時に形成することができ、かつ、額縁保護層は、表示領域周辺からの光漏れを阻止するだけでなく、遮光スペーサに対応して、従来の窒化珪素からなるオーバーコートよりも厚く形成することができるので、従来の薄いオーバーコートよりも確実に端子部や配線引き回し部を保護することができる。
【0031】
本発明の請求項4記載の液晶表示装置は、前記樹脂ブラックが、前記顔料の樹脂固形分に対する濃度が30重量%以下であることを特徴とする。
上記構成によれば、上記樹脂ブラックの顔料濃度が30重量%以下と低くされているので、樹脂ブラックとなる樹脂の接着性が顔料の添加により悪化するのを抑えることができ、二枚の透明基板を接着するシール剤と透明基板との間に額縁保護層が介在する状態となっても、十分に二枚の透明基板を接着することができる。
【0032】
本発明の請求項5記載の液晶表示装置は、前記額縁保護層を液晶を封入するためのシール剤に形成される注入口に対応する部分を除いた領域に形成し、かつ、前記注入口に対応する部分には、上記アクティブ素子の配線と同じ材質のメタル遮光層が形成されることを特徴とする。
【0033】
上記構成によれば、二枚の透明基板を接着するシール剤と透明基板との間に額縁保護層が介在する状態となり、二枚の透明基板の間隔が一定の場合に、額縁保護層が介在することにより、シール剤の厚みが薄くなり、この薄いシール剤に液晶を注入するための注入口を設けても、注入口がシール剤の厚み方向に狭いものとなり、液晶の注入が阻害されるが、額縁保護層のシール剤の注入口に対応する部分に切欠部を設けることにより、注入口を広くすることができ、液晶の注入を速やかに行うことができる。
【0034】
本発明の請求項6記載の液晶表示装置は、カラーフィルタ上に形成される画素電極がドライエッチングによりパターニングされていることを特徴とする。
上記構成によれば、カラーフィルタ上に画素電極を形成しても大きくサイドエッチングされることがなく、画素電極を高い精度でパターニングすることができる。
なお、カラーフィルタ上で画素電極となるITOをウエットエッチングした場合には、ガラス基板上でITOをウエットエッチングした場合に比較して、サイドエッチング量が多くなる傾向があり、上述のようにドライエッチングとすることで、画素電極のサイドエッチングを防止することができる。
【0035】
【発明の実施の形態】
以下に、参考例について図面を参照して説明する。
図1は参考例の液晶表示装置の液晶パネル20の平面構造を示し、図2は液晶パネル20の断面構造を示すものである。なお、従来例と同様の構成要素は、同一の符号を付してその説明を省略する。
参考例の液晶パネル20においては、図1及び図2に示すように、従来と同様に二枚の透明基板2,3を備え、その一方の透明基板2に、アクティブ素子であるTFT4が形成され、該TFT4のソース電極4aに画素電極5が接続されている。また、TFT4のゲート電極に接続され、図中左右に配置されたゲートライン(制御線)6と、TFT4のドレイン電極に接続され、図中前後に配置されたドレインライン(信号線)7とが、縦横に格子状に配置され、これら縦横に格子状に配置されたゲートライン6とドレインライン7とに画素電極5が周囲を囲まれた状態となっている。
なお、図1において、TFT4、ゲートライン6、ドレインライン7とは、ブラックマトリクス11に覆われた状態で図示されている。
【0036】
そして、参考例においては、ドレインライン7(配線)と画素電極5との間にカラーフィルタr、g、bが形成され、その結果、ドレインライン7と画素電極5とは、厚さ方向(断面方向)の位置が異なる配置となる。
そして、ドレインライン7と画素電極5とがカラーフィルタr、g、bにより絶縁された状態で、上下の異なる層となるように配置されているので、ドレインライン7と画素電極5とをその側縁部同士が重複するように配置可能であり、実際にドレインライン7の側縁部と、画素電極5の側縁部とが重複して配置されている。
【0037】
なお、ドレインライン7は、ゲート絶縁膜8上にストライプ状に形成されており、カラーフィルタr、g、bは、ゲート絶縁膜8及びドレインライン7上に形成されることになり、画素電極5はカラーフィルタr、g、b上に形成されることになる。
また、ドレインライン7は、各画素の境界部分に配置されており、カラーフィルタr、g、bの各色の境界となり、カラーフィルタr、g、bの各色が離間して配置されている場合に、ドレインライン7上で隙間が生じることになるが、ドレインライン7の左右の両側部においては、それぞれカラーフィルタr、g、bがドレインライン7上に載った状態となっている。
従って、ドレインライン7の側縁部に画素電極5の側縁部を重ねて配置した場合に、ドレインライン7の側縁部と画素電極5の側縁部との間に、カラーフィルタr、g、bが必ず挟まれた状態となっている。
そして、ドレインライン7と画素電極5とが上述のように重なることで、これらが水平方向(左右)に離間していないので、ドレインライン7と画素電極5との間で光漏れが生じることがなく、ドレインライン7と画素電極5との間に光遮光膜として蓄積容量9を配置する必要がない。従って、蓄積容量9は、ゲートライン6の近傍でゲートライン6に沿った真っ直ぐな帯状に形成されている。
これらのことから、各画素においては、ドレインライン7の側縁に接する部分まで開口した状態となっており、高開口率を確保している。
【0038】
また、ドレインライン7と画素電極5との間に従来のように有機絶縁膜を配置していないので、有機絶縁膜の形成により歩留まりが悪化することがないとともに、有機絶縁膜により液晶パネル20の開口部(表示部)の光透過率が低下することがない。
また、TFT4が形成された一方の透明基板2にカラーフィルタr、g、bを形成したことにより、他方の透明基板3には、カラーフィルタr、g、bが形成されず、透明基板3上にブラックマトリクス11と、共通電極10が形成されている。なお、ブラックマトリクス11は、ドレインライン7等のメタル配線部の反射光を遮光するためのものであり、上述のディスクリネーションライン等を隠すために線幅を太くする必要がなく、メタル配線による反射高を遮光するための最低限の線幅を有していれば良く、ブラックマトリクス11により開口率が低くなることがない。また、ブラックマトリクス11は、TFT4上を覆うように設けられており、TFT4の光による誤作動を防止している。
【0039】
そして、上記液晶パネル20の製造においては、従来と同様にドレインライン7を形成した後に、感光性カラーレジスト(RGB)を用いて、カラーフィルタ層(カラーフィルタr、g、b)を形成する。
次に、画素電極5の形成に際しては、カラーフィルタr、g、b上にスパッタ等でITO膜を成膜し、その後フォトレジスト塗布、露光、現像を経てフォトレジストを所望のパターンに形成し、ウエットまたはドライエッチングによりITOをエッチングし、レジストを剥離する。これにより、ITOからなる画素電極5が形成される。
【0040】
また、このようにカラーフィルタr、g、b上に画素電極5を形成することで、ドレインライン7と画素電極5とが、カラーフィルタr、g、bを挟んだ状態で異なる層に形成されることになり、上述のように開口率を向上することができる。
なお、ドレインライン7と画素電極5とが絶縁性のカラーフィルタr、g、bを挟んで配置されることにより、静電容量が生じることになるが、ここで生じる静電容量が0.15(fF/μm)を越えるといわゆる尾引き等の表示品位の低下を招くことになる。
【0041】
ここで用いられるカラーフィルタr、g、bは、従来と基本的に同じ材質ものであるが、その比誘電率は、以下の表1に示されるものであり、3.4〜4.3となっている。
【表1】
Figure 0004089843
そして、カラーフィルタr、g、bの膜厚と静電容量との関係を図3のグラフに示す。図3に示されるように、比誘電率が3〜4程度の場合には、カラーフィルタr、g、bの膜厚を2μm以上とすることが好ましく、確実に静電容量の影響を避けるためには、膜厚を3μm以上とすることが好ましい。
【0042】
また、上記カラーフィルタr、g、bは、従来、TFT4に対向する基板(透明基板3)側に形成される場合に、1〜1.5μmの膜厚で用いられており、この膜厚で所望の色特性が得られるように顔料濃度が調整されているが、参考例においては、上述のようにカラーフィルタr、g、bの膜厚が3μm程度とされているので、膜厚を3μm程度とした場合に、所望の色特性が得られるように顔料濃度を調整する必要がある。
【0043】
また、カラーフィルタr、g、bの比誘電率は、その材質により異なるが、カラーフィルタr、g、bの部分で生じる静電容量を0.15(fF/μm)以下とすることができれば、どのような材質のカラーフィルタr、g、bを用いるものとしても良く、カラーフィルタr、g、bの比誘電率の値に対応して、静電容量が0.15(fF/μm)以下となるように膜厚を決定し、該膜厚で所望の色特性が得られるように顔料濃度を決定すれば良い。
また、カラーフィルタr、g、bに用いられる樹脂は、たとえば、アクリル系、ポリイミド系、ポリビニルアルコール系、エポキシ系などの感光性樹脂を用いることができる。顔料としては、たとえば、アゾ顔料、フタロシアニン顔料、染付けレーキ顔料等を用いることができる。
【0044】
また、参考例では、画素電極5の形成に際しては、ウエットまたはドライエッチングによりITOをエッチングするものとしたが、カラーフィルタr、g、b上にITOをスパッタ等で成膜し、その後パターン加工を行う場合、ウエットエッチングで加工するとサイドエッチのため、微細加工が困難なものとなる。例えば、図4のグラフに下地がガラスの場合と、カラーフィルタの場合とで、ウエットエッチングによるITOの加工精度にどのくらいの差が生じるかを示した。
ガラス上に形成されたITO膜をエッチングしても、サイドエッチ(オーバーエッチング量)はほとんど見られないが、カラーフィルタ上に形成されたITO膜をエッチングした場合には、40秒以上のエッチング時間で10μm以上のサイドエッチングが認められる。
【0045】
従って、TFT4側の透明基板2にカラーフィルタr、g、bを形成し、その上にITOからなる画素電極5を形成する場合には、ウエットエッチングではなく、ドライエッチングを行うことが好ましい。
また、ドライエッチングによる画素電極5の形成に際しては、ITOの成膜、レジストの形成、レジストの露光と現像等の処理は、従来と同様に行い、エッチングプロセスを周知のドライ工程で行うようにする。
そして、画素電極5をドライエッチングにより形成するものとすれば、サイドエッチがほとんどなく、高精度の加工が可能である。
【0046】
以上のような、液晶表示装置の液晶パネル20によれば、ドレインライン7と画素電極5とがカラーフィルタr、g、bを挟んで絶縁された状態で異なる層に配置されているので、ドレインライン7の側縁部と画素電極5の側縁部とを上下に重なった状態に配置し、ドレインライン7と画素電極5とを水平方向に離間しないようにすることが可能となり、これによりドレインライン7と画素電極5との間の光漏れを防止することができる。
【0047】
従って、ドレインライン7と画素電極5との間の光漏れを防止するためのシールドを画素電極5の側縁部に上下に重なるように設ける必要がないので、上記シールドにより開口率が減少することなく、ドレインライン7の側縁まで画素を開口した状態とすることにより、高開口率の液晶パネル20を得ることができる。
【0048】
また、ドレインライン7と画素電極5との間にカラーフィルタr、g、bを配置して、ドレインライン7と画素電極5とを絶縁しているので、ドレインライン7と画素電極5とを異なる層に絶縁した状態で配置するために、有機絶縁膜を用いる必要がなく、有機絶縁膜を用いた場合のような歩留まりの悪化や、光透過率の減少といったことなく、開口率の向上を図ることができる。
なお、TFT4のソース電極4aを信号線としてのソースラインに接続し、ドレイン電極4bを画素電極5に接続した場合には、ソースラインと画素電極5との間にカラーフィルタr、g、bを配置するようにしても良い。
また、液晶パネル20は、従来例と同様の図示しない配向膜、偏光板、スペーサ、シール剤等の液晶パネルとして必要な部材を備え、かつ、駆動回路が接続されるとともに、バックライトや反射板等の光源が配置されて液晶表示装置として機能するものである。また、液晶表示装置は、テレビ、コンピュータ、各種電子機器(携帯型電子機器を含む)等のディスプレイとして機能するものである。
【0049】
次に、本発明の第例の液晶表示装置の液晶パネルを図5及び図6を参照して説明する。
図5及び図6に示す第例の液晶パネル30は、以下に説明する相違点を除いて、基本的に参考例の液晶パネル20と同様の構成を有するものであり、参考例の液晶表示装置の液晶パネル20と同様の構成要素に同一の符号を付してその説明を省略する。
例の液晶パネル30は、参考例の液晶パネル20と同様にドレインライン7と画素電極5との間にカラーフィルタr、g、bが形成された状態となっているとともに、ドレインライン7上において隣接する各色のカラーフィルタr、g、b同士を重複させ、ドレインライン7が完全にカラーフィルタr、g、bに覆われた状態とすることにより、ドレインライン7表面での反射を防止し、ブラックマトリクス11なしでも、ドレインライン7の反射によるコントラスト低下を防止できるようにしている。
【0050】
すなわち、ドレインライン7上において隣接するカラーフィルタr、g、bのパターンのパターンエッジが重複した状態、すなわち、ドレインライン7上において、各画素に対応するパターンで形成されたカラーフィルタr、g、bのエッジ部分が重複しており、ドレインライン7上でカラーフィルタr、g、bの各パターンが離間しておらず、ドレインライン7が完全にカラーフィルタr、g、bに覆われた状態となっている。
【0051】
また、図5に示すように、ドレインライン7上で互いに重複するカラーフィルタr、g、b同士の側縁部は、60度以下のテーパが付けられた状態となっている。すなわち、先に形成されてドレインライン7上で重複する二つのカラーフィルタr、g、b同士の境界面k(の延長線)と透明基板2とが成す角の角度が60度以下となっている。そして、下側に配置されるカラーフィルタr、g、bは、その側縁部が、カラーフィルタr、g、bの中央側から側縁に向かうにつれて薄くなるように斜めに形成されるとともに、その上に上側に配置されるカラーフィルタr、g、bの側縁部が配置されている。
【0052】
このようにドレインライン7上で重複する二つのカラーフィルタr、g、bのパターンのうちの下側のパターンの側縁部を斜めとすることにより、ドレインライン7上でほぼ同じ厚みのカラーフィルタr、g、b同士を重複するものとしても、二つのカラーフィルタr、g、bを重複させることにより、ドレインライン7上でカラーフィルタr、g、bが厚くなるのを防止することができる。
【0053】
また、カラーフィルタr、g、b同士の重複する部分の幅が斜面の幅より長くなってしまうと、カラーフィルタr、g、b同士の重複する部分で厚みが厚くなる部分ができてしまうので、重複する部分の幅は、斜面の幅より狭いことが好ましい。従って、斜面の傾斜角を60度以下と小さくすることにより、斜面の長さをある程度長くすることで、重複する部分の幅をある程度長くしても、重複部分でカラーフィルタr、g、bが厚くなるのを防止することができる。
なお、重複する部分の幅(斜面の幅)があまり短いと、それだけ高い精度でカラーフィルタr、g、bをパターニングする必要が生じてしまい、実際上、斜面の幅内で正確にカラーフィルタr、g、b同士を重複させることが困難になってしまうので、カラーフィルタr、g、bの膜厚を上述のように1μmから3μmとする場合に、傾斜角が60度以下であることが好ましい。
また、ドレインライン7の線幅より上記斜面(境界面)の長さが長い必要はなく、ドレインライン7の線幅とカラーフィルタr、g、bの厚みから傾斜角の下限もほぼ決まることになる。
【0054】
そして、上述のようにドレインライン7上でカラーフィルタr、g、b同士を重複させることにより、ドレインライン7上をカラーフィルタr、g、bで覆ってしまうことで、ドレインライン7による反射光を防止できるので、ドレインライン7に対向する他方の透明基板3には、上記反射光を防止する目的でブラックマトリクス11を形成する必要がないが、TFT4(トランジスタ)の(光電効果による)誤動作を防止するために、TFT4上を遮光することが好ましく、TFT4に対応する部分だけに、例えば、金属Crからなるブラックマトリクス21を形成している。
【0055】
なお、ゲートライン6は、ドレインライン7より下層にあり、ドレインライン7上にカラーフィルタr、g、bを形成した場合に、ゲートライン6もカラーフィルタr、g、bに覆われることになるので、ゲートライン6上もドレインライン7とほぼ同様に、隙間無くカラーフィルタr、g、bに覆われるようにすることで、ゲートライン6上のブラックマトリクス11も必要なくなる。
従って、第例の液晶パネル30の他方の透明基板3上には、ドレインライン7及びゲートライン6に対応して線状にブラックマトリクス11が形成されておらず、TFT4に対応する部分だけほぼ点状に多数のブラックマトリクス21が配置されることになる。
そして、上記液晶パネル30の製造は、参考例とほぼ同様に行われるが、上述のように、順次各色のカラーフィルタr、g、bを形成する際に、その側縁部がドレインライン7の中心線を越え、かつ、ドレインライン7を越してしまわないように形成する。
また、感光性樹脂であるカラーフィルタr、g、bの成膜時に、露光量と現像時間を最適化し、さらに現像後の水洗時にある程度の水圧を持った高圧水洗を行うことで、高圧水洗の工程後、カラーフィルタr、g、bのパターンエッジにテーパが形成された状態となる。
【0056】
従って、上述のようにカラーフィルタr、g、bのドレインライン7上で重複した部分の膜厚が厚くなることがなく、一方の透明基板2の上面の平坦化を図ることができ、TFT4側の透明基板2の平坦性を確保できるとともに、共通電極10側の透明基板3においてもカラーフィルタr、g、bが設けられていないことから平坦性を向上することができる。
【0057】
以上のように、第例の液晶表示装置の液晶パネル30によれば、参考例の液晶パネル20と同様の効果を奏するとともに、ドレインライン7上で、隣接するカラーフィルタr、g、b同士を上下に重ねるように配置し、ドレインライン7上で隣接するカラーフィルタr、g、b同士が離間することがなく、ドレインライン7がカラーフィルタr、g、bに覆われているので、ドレインライン7による反射光をカラーフィルタr、g、bで抑えることができる。
【0058】
従って、ドレインライン7の反射光によるコントラストの低下を防止するために、共通電極10側の透明基板3のドレインライン7に対向する位置にブラックマトリクス11を配置する必要がなくなる。
そして、ドレインライン7に対応してブラックマトリクス11を配置しない場合には、互いに対向して配置された透明基板2と透明基板3とを貼り合わせた際に、位置ずれが生じても、ドレインライン7に対応するブラックマトリクス11が存在せず、TFT4に対向する部分にだけほぼ点状にブラックマトリクス21が存在するだけなので、画素の開口部分にブラックマトリクス11が重複して開口率が低下するのを抑制することができる。
【0059】
従って、液晶表示装置の品質を安定させることができ、安定した表示スペックを有する液晶表示装置を提供することができる。
また、上述のようにドレインライン7上で重なるカラーフィルタr、g、bの側縁部にテーパを形成することにより、TFT4側の画素電極5を形成する下地層をを平坦化することができるとともに、共通電極10側の透明基板3からカラーフィルタr、g、bをなくすことにより、共通電極10の下地層も平坦なものとなる。
【0060】
従って、上下の透明基板2、3の各電極5,10表面が平坦化され、安定した液晶の配向状態を得ることができる。
すなわち、透明基板2,3の電極等の形成された内表面を平坦化することにより、透明基板2,3の内面側に形成される配向膜の表面を平坦化することができるので、配向膜の表面にラビング処理を均一に施すことができ、液晶の配向状態を安定化することができる。
【0061】
次に、本発明の第例の液晶表示装置の液晶パネル40を図7及び図8を参照して説明する。
図7及び図8に示す第例の液晶パネル40は、以下に説明する相違点を除いて、基本的に第例の液晶パネル30と同様の構成を有するものであり、第例の液晶表示装置の液晶パネル30と同様の構成要素に同一の符号を付してその説明を省略する。
【0062】
例の液晶パネル40は、参考例及び第例の液晶パネル20,30と同様にドレインライン7と画素電極5との間にカラーフィルタr、g、bが形成された状態となっている。また、第例の液晶パネル40は、第例の液晶パネル30と同様に、ドレインライン7上において隣接する各色のカラーフィルタr、g、b同士を重複させ、ドレインライン7が完全にカラーフィルタr、g、bに覆われた状態とすることにより、ドレインライン7の反射を防止し、ブラックマトリクス11なしでも、ドレインライン7の反射によるコントラスト低下を防止できるようにしている。
なお、TFT4の部分にはカラーフィルタr、g、bが無い構成となっている。
【0063】
そして、さらに、第例の液晶パネル40においては、第例の液晶パネル30において、例えば、金属Crにより共通電極10側の透明基板3にTFT4を覆うブラックマトリクス21を形成していたのに対して、TFT4側の透明基板2において、各TFT4上にカラーフィルタr、g、bと同様の樹脂に黒の顔料を添加した樹脂ブラックからなる遮光スペーサ41を設け、該遮光スペーサ41によりTFT4の誤作動を防止している。
【0064】
また、上記遮光スペーサ41は、その高さが透明基板2、3の間隔(ギャップ)とほぼ同じ高さに形成された柱状のものとなっており、ビーズ状のスペーサに代わってスペーサとして作用するようになっている。
なお、樹脂ブラックは、周知のものであり、上述のカラーフィルタr、g、bと同様に、感光性樹脂に顔料を添加(分散)したものである。
従って、共通電極10側の透明基板2には、ブラックマトリクス11,21は、全く存在せず、透明基板2の内面には、基本的に、共通電極10と図示しない配向膜が形成された状態となっている。
また、遮光スペーサ41がスペーサとして作用するので、二枚の透明基板2,3の間には、ビーズ状スペーサが存在しない。
【0065】
そして、第例の液晶パネル40の製造においては、他方の共通電極側の透明基板3においては、透明基板3内面に周知の方法により共通電極10と配向膜とが形成され、一方のTFT側の透明基板2においては、TFT4、ゲートライン6、ゲート絶縁膜8、ドレインライン7等が周知のように形成され、ゲート絶縁膜8及びドレインライン7上に、第例の場合と同様にカラーフィルタr、g、bが形成され、カラーフィルタr、g、b上に画素電極5が形成される。
【0066】
次いで、TFT4上に上記柱状の遮光スペーサ41が形成される。なお、TFT4側の透明基板2内面にも配向膜が形成される。
また、二枚の透明基板2,3の少なくとも一方に液晶を封入するためのシール剤が印刷等により形成され、二枚の透明基板2,3が張り合わされて、二枚の透明基板2,3の間のシール剤に囲まれた部分に液晶が注入される。
【0067】
なお、共通電極10側の透明基板3においては、カラーフィルタ及びブラックマトリクスを形成する必要がないので、透明基板3の内面に共通電極3となるITO膜を形成すれば良い。そして、透明基板3の内面に形成される共通電極10となるITOには、特にパターンは必要ないので、透明基板3内面のほぼ全面に一様に形成されていれば良い。すなわち、透明基板3上にベタで共通電極10となるITO膜が形成されていれば良い。
【0068】
以上のように遮光スペーサ41をTFT4側の透明基板2において、TFT4上に形成し、共通電極10側の透明基板3に全くブラックマトリクスを設けない構成とすることにより、二枚の透明基板2,3の貼り合わせ精度により多少の位置ずれが生じても、開口率が低下することがない。
すなわち、共通電極10側の透明基板3にブラックマトリクス11,21が存在する場合には、貼り合わせ精度(例えば、±4μm)の範囲で位置ずれが生じることにより、画素の開口部分にブラックマトリクス11,21が重なり、開口率の低下を招いていたが、第例において、共通電極10側には、ブラックマトリクス11,21が存在しないので、上記貼り合わせの際に位置ずれが生じても開口率の低下することがなく、開口率の向上を図ることができる。
【0069】
なお、遮光スペーサ41を透明基板2のTFT4上に形成する際の精度は、感光性樹脂である遮光スペーサ41の露光を行う際の露光装置のアライメント精度によりほぼ決まることになるが、上記アライメント精度は、±2μm程度であり、上述の貼り合わせ精度より高く、遮光スペーサ41の形成時に遮光スペーサ41の位置がずれて生じる開口率の低下は、従来の貼り合わせの際の位置ずれによる開口率の低下に比べて僅かなものである。
【0070】
実際に、遮光スペーサ41の形成時の位置の精度は、±2μmとすることができ、開口率の低下はほとんど認められなかった。
また、ビーズ状スペーサを散布する工程を行う必要がなく、且つ、共通電極10側の透明基板3へのブラックマトリクス11,21の形成工程を行わなくてすむので、液晶パネル40の製造工程数を減らすことができ、コストの面で格段に有利となる。
【0071】
さらに、柱状の遮光スペーサ41をスペーサとして機能させることにより、ビーズ状スペーサを用いる必要がなく、ビーズ状スペーサによるスペーサ周辺での光漏れによるコントラスト低下を防止することができる。
【0072】
またさらに、液晶表示装置の液晶セルにおけるセルギャップ精度(二枚の透明基板間の間隔の精度)は、ビーズ状スペーサを用いた場合に、±0.3μmであったのに対して柱状遮光スペーサ41をスペーサとして用いた場合のセルギャップ精度は、±0.05μmを実現することができる。すなわち、遮光スペーサ41をスペーサとして用いることにより、セルギャップ精度を極めて高精度なものとすることができる。
【0073】
加えて、遮光スペーサ41をスペーサとして用いた場合には、ビーズ状スペーサに比較して、耐圧力性が向上する。
例えば、図9及び図10に示す液晶パネル加圧試験の試験結果のグラフに示されるように、ビーズ状スペーサの場合には、約1kgの加重でパネルの透過率が約4%変化するが、柱状ブラック31をスペーサとして用いた場合には、透過率の変化がほとんど見られず、耐圧力性に優れていることが示されている。
【0074】
さらに、上述のように共通電極10側の透明基板10においては、共通電極10となるITO膜がベタに形成された状態なので、ITO膜をパターニングする必要がなく、製造の管理が簡単になるとともに、コストの面でも有利である。すなわち、省力化と低コスト化を図ることができる。
何故なら、従来、ブラックマトリクス及びカラーフィルタ上に共通電極10をスパッタリングにより形成する際には、メタルマスクを用いてマスクスパッタにより、所望のパターンを形成していたが、このようにした場合には、メタルマスクにコストがかかるとともに、マスクスパッタ特有の問題であるパターンエッジのボケがあり管理が非常に困難であったからである。
【0075】
次に、本発明の第例の液晶表示装置の液晶パネル50を図11を参照して説明する。
図11に示す第例の液晶パネル50は、以下に説明する相違点を除いて、基本的に第例の液晶パネル40と同様の構成を有するものであり、第例の液晶表示装置の液晶パネル40と同様の構成要素に同一の符号を付してその説明を省略する。
例の液晶パネル50は、参考例及び第例の液晶パネル20,30と同様にドレインライン7と画素電極5との間にカラーフィルタr、g、bが形成された状態となっているとともに、第例の液晶パネル30と同様に、ドレインライン7上において隣接する各色のカラーフィルタr、g、b同士を重複させ、かつ、上記柱状の遮光スペーサ41を用いることにより、ビーズ状スペーサと共通電極10側のブラックマトリクス11,21を用いないものとしている。なお、TFT4の部分にはカラーフィルタr、g、bが無い構成となっている。
【0076】
そして、第例の液晶パネル50においては、TFT4側の透明基板3のビューエリア(表示領域)内において、第例に示すように柱状の遮光スペーサ41を形成する際に、ビューエリア外(例えば端子部及び配線引き回し部等)の部分に遮光スペーサ41と同じ樹脂ブラックからなる額縁保護層51を形成し、上記端子部や配線引き回し部等を被覆している。すなわち、遮光スペーサ41を形成する(パターニングする)際に、遮光性スペーサ41及び額縁保護層51となる樹脂ブラックの層を形成した後に、露光して遮光性スペーサ41と額縁保護層51とを同時に形成している。
また、シール剤52が額縁保護層51上に印刷され、上下の透明基板2,3がシール剤52と額縁保護層51とを介して接合されている。
【0077】
なお、額縁保護層51は、透明基板2,3となるガラス(実際には、透明基板2,3上に形成されたゲート絶縁膜8等)との接着力があまり高くなく、従来、ブラックマトリクスとして用いられている樹脂ブラックをそのまま用いた場合には、液晶セル組立工程のスクライブ〜ブレイク工程時にシール印刷部分のガラス−樹脂ブラック界面で剥がれが発生することになる。
しかし、樹脂ブラックとなる感光性樹脂自体のガラスとの接着性は、それほど低いものではなく、感光性樹脂に顔料を添加することにより、ガラスとの接着性が低下したものであり、樹脂ブラックの顔料濃度を下げれば、樹脂ブラックの接着性を向上できる。
【0078】
以下に、感光性樹脂の接着性を示すデータを得るために以下の試験を行った。
ガラス全面に、上記樹脂ブラックと同一の基材(顔料を含まない感光性樹脂)に、各色の顔料(黒(ブラック、赤(Red)、緑(Green)、青(blue))を添加した各色のカラーレジストもしくは基材を塗布し、所定の工程で硬化した。
次いで、硬化したカラーレジストもしくは基材上にシール印刷を行い、このカラーレジストもしくは基材が接着されたガラスと素ガラスとを上記シールにより貼り合わせ、シールを硬化してテストパネルを得た。
そして、このテストパネルの二枚のガラスをプッシュプルゲージで加重をかけて引き剥がし試験を行い、2枚のガラスが剥がれたときの加重圧を計測した。
【0079】
以下の表2にその結果を示す。なお、顔料を含まない基材を挟んだ状態のテストパネルは、二枚のガラスが引き剥がれる前に、ガラスが割れてしまったので、その加重圧はガラスが割れた際のものである。
【表2】
Figure 0004089843
表2に示すように、顔料を添加していない基材は、加重圧5.2kg/cm2 でも二枚のガラスが引き剥がされることがなく、ガラスが破損したが、基材に40%の顔料を添加した樹脂ブラック(黒のカラーレジスト)を用いたものは、加重圧1.85kg/cm2 でガラスが引き剥がされ、基材への40重量%(固形分として)の顔料の添加が基材となる樹脂の接着性を低下させていることを示している。
【0080】
また、顔料は異なるが、25〜30重量%の顔料(固形分として)を添加したRed、Green、Blueのカラーレジストも2.3〜2.6kg/cm2 の加重圧でガラスが引き剥がされ、接着性の低下が認められるが、樹脂ブラックよりもガラスを引き剥がす加重圧が大きくなっている。これは、顔料の違いによる相違も考えられるが、主に樹脂ブラックが顔料を40%含むのに対して、他のカラーレジストが顔料濃度が25%〜30%と低くなっていることによるものと推定できる。
従って、顔料濃度を下げることにより、樹脂ブラックの接着性を向上でき、液晶パネル50の製造工程において、TFT4側の透明基板2のビューエリア外を額縁保護層51で覆うことにより、二枚の透明基板2,3が樹脂ブラック装置51を介してシール剤52で接着されることになっても、透明基板2と額縁保護層51との間で解離が生じないようにすることができる。
【0081】
ところで、額縁保護層51は、遮光スペーサ41とともに透明基板2上に同時に形成されことが好ましく、額縁保護層51と柱状遮光スペーサ41とで用いられる樹脂ブラックが同じものとなる。そして、遮光スペーサ41は、TFT4上に形成されてTFT4を遮光することによりTFT4の誤作動を防止するものであるが、従来、ブラックマトリクスに使用される樹脂ブラックは、表2で用いられた樹脂ブラックと同様に40%程度の顔料を含み、膜厚1μmでOD値=1である。従って、柱状遮光スペーサ41は、その厚み(高さ)を上述のように5μm程度とすることができ、顔料を40%とすれば、OD値=5程度となる。
【0082】
そして、TFT4の誤作動を防止する上では、OD値が2.5〜3であれが十分であり、例えば、樹脂ブラックの顔料濃度を従来の半分の20重量%(固形分として)程度としても、OD値が2.5前後を確保することができるとともに、顔料濃度を20%程度とすることにより、樹脂ブラックの接着性を2倍程度向上することが期待できる。
なお、顔料濃度としては、接着性を向上するために、30重量%(固形分として)以下とすることが好ましく、TFT4の誤作動を防止する上では、15重量%(固形分として)以上とすることが好ましい。
また、上記顔料は、基本的にはカーボンブラックであるが、その他の顔料を用いるものとしても良い。
【0083】
そして、第例の液晶パネル50によれば、額縁保護層51によりビューエリア外の端子部や配線引き回し部が覆われることで保護され、端子部や配線引き回し部の腐食等による劣化を防止することができる。また、従来、端子部や配線引き回し部は、窒化珪素からなるオーバーコートSiNxにより保護されていたが、オーバーコートの膜厚は、3000Å(0.3μm)程度であり、極めて、薄く、腐食等を完全に防止できなかったが、額縁保護層51は、その膜厚を柱状の遮光スペーサ41と同様に5μm程度とすることが可能であり、腐食等を完全に防止し、端子等を保護する保護層の信頼性を向上できる。
【0084】
また、額縁保護層51の顔料濃度を15〜30重量%の範囲とすることにより、TFT4の誤作動を防止した状態で、額縁保護層51の透明基板2への接着性を向上することができるので、二枚の透明基板2,3がシール剤52と額縁保護層51とにより接着されるものとなっても、二枚の透明基板2,3の貼り合わせ強度を十分なものとすることができる。
すなわち、TFT4側の透明基板2のビューエリア外に額縁保護層51を形成することにより、端子部や配線引き回し部の腐食等を確実に防止し、かつ、額縁保護層51の樹脂濃度を20%程度とすることにより、TFT4の誤作動を防止した状態で二枚の透明基板2,3の十分な貼り合わせ強度を確保できるので、信頼性の高い液晶パネル50を得ることができる。
なお、透明基板2の端子部等にCOG(Chip On Glass)接合等の接続を行う際には、透明基板2の端子部において額縁保護層51を剥離してから端子との接合を行う。
【0085】
次に、本発明の第例の液晶表示装置の液晶パネルを図12を参照して説明する。
図12に示す第例の液晶パネル60は、以下に説明する相違点を除いて、基本的に第例の液晶パネル50と同様の構成を有するものであり、第例の液晶表示装置の液晶パネル50と同様の構成要素に同一の符号を付してその説明を省略する。
【0086】
例の液晶パネル60は、第例の液晶パネル50と同様に、TFT4側の透明基板3のビューエリア(表示領域)内において、第例に示すように柱状の遮光スペーサ41を形成する際に、ビューエリア外(例えば端子部及び配線引き回し部等)の部分に額縁保護層51を形成し、上記端子部や配線引き回し部等を被覆している。そして、上述のように額縁保護層51の部分において、二枚の透明基板2,3がシール剤52により接着されていが、図13(A)(B)に示すように、シール剤52の液晶注入口61の部分まで、額縁保護層51を設けてしまうと、シール剤52に設けられた液晶注入口61がほとんど閉塞してしまうか、液晶注入口61が額縁保護層51と対向する透明基板3の内面との間の僅かな隙間だけの狭いものとなってしまう。
【0087】
従って、そのまま液晶を注入しようとすると、液晶注入にかなりの時間を要するか、最悪の場合、液晶が入らない可能性がある。
そこで、第例の液晶パネル60においては、図12(A)(B)に示すように、シール剤52の液晶注入口61に対応する部分には、額縁保護層51を形成しないようにしている。
【0088】
すなわち、感光性樹脂である額縁保護層51をパターニングする際に、液晶注入口61に対応する部分には、額縁保護層51を形成しないようにすることで、額縁保護層51の液晶注入口61に対応する部分において、額縁保護層51を液晶セルの外側から中側に貫通した状態の切欠部62を形成し、二枚の透明基板2,3を貼り合わせた際に、上記額縁保護層51の切欠部62が液晶注入口61の一部となるようにしている。
【0089】
従って、透明基板2の周縁部となる額縁状のビューエリア外の部分に額縁保護層51を形成するものとしても、液晶の注入時間が長くなったり、そのままの状態で液晶の注入が困難になるのを防止することができる。
また、透明基板2のビューエリア外の部分において、額縁保護層51だけがビューエリア外の遮光をしているものとした場合に、上述のようにビューエリア外に額縁保護層51を形成していない部分を設けてしまうと、ビューエリア外で光漏れが生じることになるが、図12(B)に示すように、例えば、ゲートライン6を形成する際に、上記シール剤52の注入口61に対応する額縁保護層51が形成されない部分に、ゲートラインとなるゲートメタルで、ダミーメタルパターンとしてメタル層63を形成することで、上述の光漏れを防止することができる。
【0090】
すなわち、ゲートライン6もしくはドレインライン7を形成する際に、額縁保護層51の切欠部62に対応する部分にもゲートライン6もしくはドレインライン7と同じ金属膜からなるメタル層63を同時に形成することで、手間をかけずに上記部分を遮光することができる。
従って、第例の液晶パネル60によれば、TFT4側の透明基板3の周縁部に二枚の透明基板2,3の間隔に近い厚みを有する額縁保護層51を形成するものとしても、額縁保護層51の液晶注入口61に対応する部分に上記切欠部62を形成することにより、液晶の注入時間の短縮を図ることができるとともに、液晶の注入不良を防止して液晶表示装置の安定した表示品位を確保することができる。
【0091】
【発明の効果】
本発明の請求項1記載の液晶表示装置によれば、配線と画素電極とがカラーフィルタを挟んで絶縁された状態で異なる位置に積層配置されているので、配線の側縁部と画素電極の側縁部とを上下に重なった状態に配置し、配線と画素電極とを水平方向に離間しないようにすることが可能となり、これにより配線と画素電極との間の光漏れを防止することができる。
したがって、信号線と画素電極との間の光漏れを防止するための遮光膜を画素電極の側縁部に上下に重なるように設ける必要がないので、上記遮光膜により開口率が減少することなく、信号線の側端まで画素を開口した状態とすることにより、高開口率の液晶パネルを得ることができる。
【0092】
また、配線と画素電極との間にカラーフィルタを配置して配線と画素電極とを絶縁しているので、配線と画素電極とを異なる層に絶縁した状態で配置するために、有機絶縁膜を用いる必要がなく、有機絶縁膜を用いた場合のような歩留まりの悪化や、光透過率の減少といったことなく、開口率の向上を図ることができる。
【0093】
さらに、複数のカラーフィルタは、感光性樹脂により形成され、それぞれの周辺に、中央側から側縁に向かうにつれて薄くなるように斜めに形成された側縁部を有し、隣り合う画素に対応するカラーフィルタの隣接する側縁部に前記透明基板の内面に対して60°以下の角度で傾斜する斜面が形成され、前記配線上で互いに隣接したカラーフィルタそれぞれの前記側縁部を、前記側縁部の重複する部分の幅が前記側縁部の斜面の幅より狭く、且つ前記側縁部の重複する部分の厚さが前記カラーフィルタの中央部の厚さよりも厚くならないように重ねて、前記アクティブ素子が形成された一方の透明基板の内面の、前記配線と画素電極との間に積層されているので、隣接するカラーフィルタが重なり合う部分でのカラーフィルタの厚さが厚くなるのを防止して、液晶を均一な厚さにすることができる。
【0094】
そして、配線に対応してブラックマトリクスを配置しない場合には、互いに対向して配置されたアクティブ素子側の透明基板と共通電極側の透明基板とを貼り合わせた際に、位置ずれが生じても、共通電極側透明基板に配線に対応するブラックマトリクスが存在しないので、画素の開口部分に配線に対向させてあるブラックマトリクスが重複して開口率が低下するのを抑制することができる。
従って、液晶表示装置の品質を安定させることができ、安定した表示スペックを有する液晶表示装置を提供することができる。
【0095】
そして、この液晶表示装置によれば、配線上で重なる二つのカラーフィルタの前記側縁部の境界面を、一方の透明基板の内面と前記境界面とがなす角度が60度以下に形成したので、アクティブ素子側の透明基板を平坦化することができる。
【0096】
従って、上下の透明基板のそれぞれの内面を平坦化することにより、安定した液晶の配向状態を得ることができる。
すなわち、透明基板の電極等の形成された内面を平坦化することにより、透明基板の内面側に形成される配向膜の表面を平坦化することができるので、配向膜の表面にラビング処理を均一に施すことができ、液晶の配向状態を安定化することができる。
【0097】
本発明の請求項2記載の液晶表示装置によれば、アクティブ素子側の透明基板において、アクティブ素子の上に遮光スペーサを設けることにより、アクティブ素子を遮光してアクティブ素子の光による誤作動を防止するようにした場合には、共通電極側の透明基板に、上述のように配線に対応するブラックマトリクスと、アクティブ素子に対応するブラックマトリクスとを設ける必要がなくなる。
【0098】
したがって、共通電極側の透明基板からブラックマトリクスをなくすことができるので、二枚の透明基板を貼り合わせた際の位置ずれによりブラックマトリクスが画素の開口部分に重なって開口率が低下することがなく、開口率をより一層向上させることができる。
また、共通電極側の透明基板は、ブラックマトリクスを形成せずに、共通電極となるITOをベタで形成すれば良いので、その製造を極めて容易なものとすることができる。
【0099】
また、遮光スペーサが二枚の透明基板の間隔を保持するスペーサとなるので、従来のビーズ状スペーサを用いる必要がないので、ビーズ状スペーサによるスペーサ周辺での光漏れによるコントラストの低下を招くことがなく、コントラストの向上を図ることができる。
また、遮光スペーサを用いることにより、ビーズ状スペーサに比較して液晶パネルの耐圧性を向上できるとともに、二枚の透明基板間の間隔の精度を向上することができる。
また、ビーズ状スペーサを使用しないことにより、手間のかかるビーズ状スペーサの散布を行わなくてすむので、液晶パネルの製造を省力化できる。
【0100】
本発明の請求項記載の液晶表示装置によれば、額縁保護層は、上記遮光スペーサと同じ材質からなるので、遮光スペーサの形成に際し、額縁保護層を同時に形成することができ、かつ、額縁保護層は、遮光スペーサに対応して、従来の窒化珪素からなるオーバーコートよりも厚く形成することができるので、従来の薄いオーバーコートよりも確実に端子部や配線引き回し部を保護することができる。
【0101】
本発明の請求項4記載の液晶表示装置によれば、上記樹脂ブラックの顔料濃度が30重量%以下と低くされているので、樹脂ブラックとなる樹脂の接着性が顔料の添加により悪化するのを抑えることができるので、二枚の透明基板を接着するシール剤と透明基板との間に額縁保護層が介在する状態となっても、十分に二枚の透明基板を接着することができる。
【0102】
本発明の請求項5記載の液晶表示装置によれば、二枚の透明基板を接着するシール剤と透明基板との間に額縁保護層が介在する状態となり、二枚の透明基板の間隔が一定の場合に、額縁保護層が介在することにより、シール剤の厚みが薄くなり、この薄いシール剤に液晶を注入するための注入口を設けても、注入口がシール剤の厚み方向に狭いものとなり、液晶の注入が阻害されるが、シール剤の注入口に対応する部分に額縁保護層を設けないようにすることにより、注入口を広くすることができ、液晶の注入を速やかに行うことができる。
【0103】
本発明の請求項6記載の液晶表示装置によれば、カラーフィルタ上に画素電極を形成しても大きくサイドエッチングされることがなく、画素電極を高い精度でパターニングすることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 参考例の液晶パネルの平面構造を示す概略図である。
【図2】 参考例の液晶パネルの断面構造を示す概略図である。
【図3】 カラーフィルタの膜厚と静電容量との関係を示すグラフである。
【図4】 画素電極の形成におけるガラス上とカラーフィルタ上とでの特性の違いを示すグラフである。
【図5】 本発明の第例の液晶パネルの平面構造を示す概略図である。
【図6】 第例の液晶パネルの断面構造を示す概略図である。
【図7】 本発明の第例の液晶パネルの平面構造を示す概略図である。
【図8】 第例の液晶パネルの断面構造を示す概略図である。
【図9】 第例の液晶パネルの遮光スペーサを用いた場合の耐圧性能を示すグラフである。
【図10】 第例の液晶パネルの遮光スペーサを用いずにビーズ状スペーサを用いた場合の耐圧性能を示すグラフである。
【図11】 本発明の第例の液晶パネルの断面構造を示す概略図である。
【図12】 本発明の第例の液晶パネルの断面構造及び平面構造を示す概略図である。
【図13】 第例の比較対象となる液晶パネルの断面構造及び平面構造を示す概略図である。
【図14】 従来の画素電極とドレインラインとを同じ層に配置した液晶パネルの平面構造を示す概略図である。
【図15】 従来の画素電極とドレインラインとを同じ層に配置した液晶パネルの断面構造を示す概略図である。
【図16】 従来の画素電極とドレインラインとの間に有機絶縁膜を配置した液晶パネルの平面構造を示す概略図である。
【図17】 従来の画素電極とドレインラインとの間に有機絶縁膜を配置した液晶パネルの断面構造を示す概略図である。
【図18】 従来の液晶パネルの透過率を示すグラフである。
【符号の説明】
r、g、b カラーフィルタ
2 透明基板(TFT側)
3 透明基板(共通電極側)
4 TFT(アクティブ素子)
5 画素電極
6 ゲートライン(制御線)
7 ドレインライン(信号線)
8 ゲート絶縁膜
9 蓄積容量
10 共通電極
11 ブラックマトリクス
20 参考例の液晶パネル
21 ブラックマトリクス
30 第一例の液晶パネル
40 第二例の液晶パネル
41 遮光スペーサ
50 第三例の液晶パネル
51 額縁保護層
52 シール剤
60 第四例の液晶パネル
61 注入口
62 額縁保護層の切欠部
63 メタル層

Claims (6)

  1. 互いに対向して配置された一対の透明基板と、これらの透明基板の間に封入された液晶と、前記一対の透明基板のうちの一方の透明基板の内面に形成された複数のアクティブ素子と、これらのアクティブ素子に接続された複数の配線と、前記アクティブ素子にそれぞれ接続された複数の画素電極と、これらの画素電極にそれぞれ対応させて設けられた複数のカラーフィルタと、他方の透明基板の内面に形成された共通電極とを備えるカラー液晶表示装置において、
    前記複数のカラーフィルタは、感光性樹脂により形成され、それぞれの周辺に、中央側から側縁に向かうにつれて薄くなるように斜めに形成された側縁部を有し、隣り合う画素に対応するカラーフィルタの隣接する側縁部に前記透明基板の内面に対して60°以下の角度で傾斜する斜面が形成され、前記配線上で互いに隣接したカラーフィルタそれぞれの前記側縁部を、前記側縁部の重複する部分の幅が前記側縁部の斜面の幅より狭く、且つ前記側縁部の重複する部分の厚さが前記カラーフィルタの中央部の厚さよりも厚くならないように重ねて、前記アクティブ素子が形成された一方の透明基板の内面に積層され、
    前記配線と前記画素電極とは、前記カラーフィルタの側縁部を介して互いにその周辺部を重ねて配置されていることを特徴とする液晶表示装置。
  2. 前記一方の透明基板のアクティブ素子の上に、二枚の透明基板間の間隔を保持するスペーサとなるとともに遮光性を備えた遮光スペーサが形成され、かつ、他方の透明基板の内面のほぼ全面にほぼ一様に共通電極となる透明電極が形成されていることを特徴とする請求項1に記載の液晶表示装置。
  3. 前記遮光スペーサが樹脂に遮光性を備えた顔料を添加した樹脂ブラックからなり、かつ、前記一方の透明基板の画像が表示される表示領域の外側となる周縁部に前記樹脂ブラックからなる額縁保護層が形成されていることを特徴とする請求項2に記載の液晶表示装置。
  4. 前記樹脂ブラックは、前記顔料の樹脂固形分に対する濃度が30重量%以下であることを特徴とする請求項3に記載の液晶表示装置。
  5. 前記額縁保護層を液晶を封入するためのシール剤に形成される注入口に対応する部分を除いた領域に形成し、かつ、前記注入口に対応する部分には、前記アクティブ素子の配線と同じ材質のメタル遮光層が形成されることを特徴とする請求項3または4に記載の液晶表示装置。
  6. 前記カラーフィルタ上に形成される画素電極がドライエッチングによりパターニングされていることを特徴とする請求項1から5のいずれか一つに記載の液晶表示装置。
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