JP4089400B2 - インクカートリッジ - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、インクジェットプリンター等の記録装置の記録ヘッドにインクを供給するためのインクカートリッジに関する。
【0002】
【従来の技術】
特許文献1に見られるようにインク容器の側面に圧電振動体からなるセンサを、圧電振動体がインクに接触するように取り付け、圧電振動体がインクに接触した場合と、大気に露出された場合とにおける残留振動の相違から、圧電振動体より上部までインクが存在するか否かを検出することが提案されている。
また、気泡は、液と大気との中間特性を有するため、圧電振動体の残留特性が不安定となり、検出ミスを起こすという問題がある。
このような問題を解消するため、特許文献2に見られるように液面センサが収容されている領域に水平方向に延びる壁を設けて気泡が液面センサに直接触れることを防止する工夫がなされている。
【特許文献1】
特開2001-328278号公報
【特許文献2】
欧州特許出願公開第1053877号明細書 第42頁第320項、Fig.79
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
しかながら、インクは、その成分に界面活性剤などが含まれているため、画像の印刷などにより記録ヘッドでインクが大量に消費されると、大気連通孔から進入する大気により気泡が発生し、それが大量の泡を発生させて堆積し、泡がセンサに付着する。もとより泡は、液と大気との中間特性を有するため、圧電振動体の残留特性が不安定となり、インクレベルの検出ミスを起こすという問題がある。
本発明は、このような技術的課題を解決するためになされたもので、インク中に発生した気泡による泡の付着にる検出ミスを防止してインクレベル、またはインク量を安定に検出することができるインクカートリッジを提供することを目的とする。
【0004】
【課題を解決するための手段】
前記した目的を達成するためになされた請求項1の発明は、インク収容室を備えた容器と、前記インク収容室の一部を区画して液面センサ収容領域を形成する仕切壁と、前記液面センサ収容領域を形成する前記インク収容室の側面壁に配置され、前記インク収容室のインクの消費状態を検出する圧電素子を備えた液面センサとを備え、
少なくとも前記仕切壁の上部及び下部には、前記インク収容室の前記液面センサ収容領域と前記インク収容室の他の領域とを連通させる上部空隙、及び下部空隙が形成されていると共に、
前記上部空隙の前記仕切壁の上方端縁と前記インク収容室の上面壁との間の寸法は0.5mm乃至1mmであり、
前記下部仕切壁の空隙の前記仕切壁の下方端縁と前記インク収容室の側面壁との間の寸法は0.5mmより小さく、
前記仕切壁の上部空隙と前記液面センサとの距離が少なくとも8mm以上であり、
前記仕切壁は、前記側面壁に対して30度以上60度以下の角度で、前記仕切壁の前記上部空隙側の先端が前記液面センサから離れる方向に傾斜して配置されるとともに、前記仕切壁の、上部空隙と下部空隙とを結ぶ方向と直交し、側壁面に平行である幅方向の寸法が、同方向におけるインク収容室の奥行き寸法と、泡が侵入しない程度に同程度に設定される。
このように構成されているため、泡の流動力が上部の空隙による毛細管力の臨界を越える以前は、泡がインク収容室の上部に溜まっても仕切壁の上部空隙を通過せず、センサ収容領域への流入が阻止される。そして、液面の泡の数が多くなって泡の流動力が空隙の毛細管力の臨界を越えると、泡が空隙からセンサ収容領域内に拡大しつつ移動し、この過程で消滅する。したがって、センサ周辺部に泡が侵入、集合するのが防止されて、液面センサを構成する圧電素子による液面レベルの誤検出を防止する。
【0005】
請求項の発明は、前記仕切壁が、水平方向に離間して複数配置されているため、気泡がセンサ収容領域に侵入するのをより確実に阻止できる。
請求項の発明は、前記上部空隙の前記液面センサ収容領域側の近傍が、前記液面センサ収容室側に拡開した空間を形成するように前記仕切板が配置されているため、上部空隙を通過しようとする泡の膨張を阻害することなく容易に消滅させる。
【0007】
【発明の実施の形態】
以下、本発明が適用されたインクカートリッジおよびこれを用いたインクジェット式記録装置につき、図に示す実施の形態に基づいて説明する。
図1は、本発明の実施形態に係るインクジェット式記録装置の全体構成の概略を示す斜視図で、下面部にインクジェット式記録ヘッド120が設けられたキャリッジ121は、その上面に記録ヘッドにインクを供給するブラックインクカートリッジ122およびブラックインクよりも幅が狭く形成されたカラーインクカートリッジ123が着脱可能に装着されている。
【0008】
次に上述のインクカートリッジの一実施例を、カラーインクカートリッジに例を採って説明する。
図2(a)および(b)は、本発明の第1実施形態に係るインクカートリッジの外観を示す斜視図で、一方側に開口する平面ほぼ矩形状の容器本体2と、この容器本体2の開口部を封止する蓋体3とによりインクを収容する容器が構成されている。
【0009】
前記容器本体2の下部には記録ヘッドに連通する図示しない中空のインク供給針に接続可能なインク供給口4が、また上方側部には記録装置のキャリッジに着脱可能な係止部材5、及び把持部材6が一体に設けられている。そして、係止部材5の下方には記憶手段7が配設され、把持部材6の下方にはバルブ収容室8が配設されている。
なお、前記インク供給口4内には、インク供給針の挿抜によって開閉する弁体(図示せず)が収容されている。
【0010】
次に、前記容器本体2の内部空間(インクカートリッジの内部)につき、図3(a)、(b)および図4を用いて説明する。図3(a)および(b)は、本発明の実施形態に係るインクカートリッジの内部構造を模式化して示す断面図である。図4は、同じく本発明の実施形態に係るインクカートリッジの要部を拡大して示す断面図である。
【0011】
図3(a)および(b)に示すように、前記容器本体2の内部空間は、記録ヘッドに対するインク供給口側が若干下方となるように延在する仕切壁10によって上下に分割形成されている。この内部空間の下部領域は、前記記録ヘッドに対するカートリッジ接続状態において大気中に開放する下部インク収容室11とされている。一方、上部領域は、前記下部インク収容室11の上方に位置する第1上部インク収容室16および第2上部インク収容室17とされている。これら各上部インク収容室16、17は、垂直壁41を介して互いに隣接している。前記垂直壁41の下方部には、左右方向に開口する連通口41aが形成されている。
【0012】
前記下部インク収容室11内には、前記第1上部インク収容室16に連通流路18を介して連通する隔室19が形成されている。これにより、隔室19からのインクA(図4を参照)が連通流路18内を上昇し、第1上部インク収容室16に向かって流動するように構成されている。この隔室19には、前記下部インク収容室11の上方領域に開口する上方流通口19aが、またその下方領域に開口する下方流通口19bが設けられている。
【0013】
また、前記下部インク収容室11内の上部には、記録装置側のキャリッジ121に装着されたとき、空気流路(領域43等)を介して大気中に連通する貫通孔(開放口)67が形成されている。これにより、インクカートリッジ1がカートリッジホルダに装着されると、最上流のインク収容室、この実施例では下部インク収容室11内に空気流路を介して大気を導入するように構成されている。
本実施例のカートリッジでは、下部インク収容室11、第1上部インク収容室16、第2上部インク収容室の順番でインクが消費されるように下方流通口19b、連通口41aの孔径が設定されている。
【0014】
前記第1上部インク収容室16は、前記第2上部インク収容室17の上流側および前記下部インク収容室11の下流側に配置されている。この第1上部インク収容室16内の上方角部付近(側面壁)には、前記垂直壁41に対向し、かつ前記貫通孔67の上方に位置する液面センサ61が取り付けられている。この液面センサ61は、前記第1上部インク収容室16内のインクレベルを検出するための圧電素子を備えたセンサから構成されている。
【0015】
図5は、上述の液面センサ61の一実施例を示すものであって、ケース100は、後述するセンサチップ110を露出させる窓101を底部に形成された有底筒状体として金属の絞り加工や、高分子材料の射出成型により構成されている。
ケース100の底面にはセンサチップ110の振動領域を露出させることができる程度の貫通孔102を備えた底板103が、接着層104を介して固定され、窓101の部分にセンサチップ110を載置し、センサチップ110の表面に接触するように異方性導電体105が収容されている。
【0016】
異方性導電体105の表面にフレキシブルケーブル等の配線基板106を載置し、必要に応じて蓋体等を介装して粘着性テープ107により異方性導電体105を圧縮した状態で固定して、配線基板106をカートリッジの表面に引き出した状態で液面センサ61が構成されている。
【0017】
図6(a)、(b)は、それぞれ上述のセンサチップ110の一実施例を示すものであって、板材111の中心部に貫通孔112を形成し、外側となる面に振動板113を積層、固定して基板114が形成されている。振動板113の表面側には下電極115、板状の圧電素子116、上電極117が形成され、それぞれの電極115、117は、他の領域より若干突出するように形成された接続端子118、119に接続されている。
【0018】
このように構成された液面センサ61は、圧電素子116に駆動信号を供給して、振動板113と圧電素子116との振動領域を所定回数振動させると、駆動信号を絶った時点から残留振動が生じ、圧電素子116に逆起電力が生じる。
この残留振動は、振動板113とインクとの接触の有無に起因する音響インピーダンスの変化に左右されるから、逆起電力を測定することにより液面センサ61の振動領域がインクに接しているか、否かを知ることができる。このため、第1上部インク収容室16内のインクが消費され、インクレベルがインクセンサの振動領域より下方に降下すると、このレベル変化に起因する少なくとも音響インピーダンスの相違が検出される。そして、第1上部インク収容室16内に「インクが十分に収容されている」か、あるいは「一定以上のインクが消費された状態である」かを検知できる。
【0019】
再び図3に戻って、前記第1上部インク収容室16内には、前記液面センサ61が配置されたセンサ収容領域65と他のインク収容領域に区画する様に仕切壁62が配設されている。この実施例では液面センサと対向するように仕切壁62が配置されており、この仕切壁62は、前記第1上部インク収容室16の側面壁から前記垂直壁41に向かって上る勾配(センサ取付面に対して約35°)を有し、かつ第1上部インク収容室16の奥行き程度、つまり泡が侵入しない程度に区画することができる幅を有する壁、この実施例では容器本体2と一体に成形された傾斜リブによって形成されている。これにより、インク消費に伴い発生する気泡a(図7に図示)を下方から上方に誘導し、かつ前記液面センサ61と反対側で捕捉し得るように構成されている。前記仕切壁62と前記第1上部インク収容室16の内面壁(上面壁および側面壁)との間には、センサ収容領域65が形成されている。このセンサ収容領域65は、第1空隙としての上部空隙63および第2空隙としての下部空隙64を有している。そして、前記液面センサ61の一部を収容し、前記上部空隙63を通過した気泡aを消滅させるように構成されている。
【0020】
前記上部空隙63は、前記仕切壁62の上方端縁と前記第1上部インク収容室16の上面壁との間に形成されている。この上部空隙63は、約0.5mm〜1mmの寸法に設定されている。これにより、センサ収容領域65外の他のインク収容領域の泡a'の流動力が上部空隙63による毛細管力、つまり上部空隙63に形成されたインクのメニスカスの保持力の臨界を越える前においては、泡a'が上部空隙63からセンサ収容領域65内に導入されることがない。また、泡a'の流動力が上部空隙63による毛細管力の臨界を超えると、泡a'が上部空隙63から前記センサ収容領域65内に導入される。
なお、前記上部空隙63が0.5mmより小さいと、泡a'が上部空隙63からセンサ収容領域65内に流動せず、第1上部インク収容室16内の上部に溜まったままである。一方、上部空隙63が1mmより大きいと、泡a'が上部空隙63からセンサ収容領域65内にそのまま流れ込み、液面センサ61に泡が付着する。
【0021】
一方、前記下部空隙64は、前記仕切壁62の下方端縁と前記第1上部インク収容室16の側面壁との間に形成されている。この下部空隙64は、0.5mmより小さい寸法に設定されている。これにより、下部空隙64からセンサ収容領域65内に泡a'が流入せず、インクAのみが流動してセンサ収容領域65内のインクレベルと第1上部インク収容室16のセンサ収容領域65以外のインク収容領域のインクレベルとが一致するように構成されている。
なお、下部空隙64の寸法は、第1上部インク収容室16の下部インク収容室11との連通口18aの位置が、下部空隙64と上下関係とならないように水平方向に離間していれば、0.5mmよりも大きくすることが可能であり、その場合には寸法は0.5mm乃至3mm程度が望ましい。
【0022】
また、前記第2上部インク収容室17は、前記第1上部インク収容室16の側方部に隣接して配置されている。この第2上部インク収容室17には、環状壁24によってフィルタ室34が形成されている。
このフィルタ室34の背面側には、図3(b)に示すように、仕切壁25を介して差圧弁収容室33が配置されている。この差圧弁収容室33は、前記インク供給口4に凹部35を介して連通されている。前記仕切壁25には、前記フィルタ室34から前記差圧弁収容室33にインクAを導く貫通孔25aが設けられている。
【0023】
前記仕切壁24と前記仕切壁10との間には、両側方(左右方向)に開口する連通口26aを有する仕切壁26が設けられている。また、前記仕切壁24の片側側方(第1上部インク収容室16と反対側)には、左右方向に開口する連通口27aを有する仕切壁27が設けられている。この仕切壁27と前記容器本体2との間には、前記連通口27aに連通し、かつ上下方向に延在する連通路28が設けられている。この連通路28は、貫通孔29および領域30、30aを介して前記フィルタ室34に連通されている。
【0024】
以上の構成により、記録装置側のカートリッジホルダにインクカートリッジ1が装着されると、下部インク収容室11が貫通孔67および空気流路(領域43等)を介して大気中に開放する。また、インク供給口4内の弁体(図示せず)がインク供給針(図示せず)の挿入によって開弁する。
そして、記録ヘッドによってインクAが消費されると、インク供給口4の圧力が規定値以下に低下するため、差圧弁収容室33内の差圧弁が開弁し(インク供給口4の圧力が規定値以上に上昇すると、差圧弁が閉弁する)、差圧弁収容室33内のインクAがインク供給口4を介して記録ヘッドに流れ込む。
さらに、記録ヘッドでのインクの消費が進行すると、下部インク収容室11のインクAが隔室19、連通流路18を介して第1上部インク収容室16に流れ込む。
【0025】
一方、インク消費に伴い、大気と連通した貫通孔67から空気が流入し、下部インク収容室11内のインクレベルが下がる。さらに、インクAが消費され、インクレベルが連通口19aに達すると、第1上部インク収容室16内に下部インク収容室11からのインクが連通流路18を経由して空気と共に流れ込む。これに伴い、気泡aが浮力によって第1上部インク収容室16内を上昇し、インクAだけが垂直壁41の下部の連通口41aを経て第2上部インク収容室17内に流れ込む。そして、第2上部インク収容室17から仕切壁27の連通口27aを通過して連通路28を上昇し、連通路28から貫通孔29および領域30、30aを介してフィルタ室34の上部に流れ込む。
【0026】
この後、フィルタ室34内のインクAがフィルタを通過して貫通孔25aから差圧弁収容室33に流れ込み、さらに差圧弁の開弁によって開口する貫通孔を通過してから、凹部35内を下降してインク供給口4に流れ込む。このようにして、インクカートリッジから記録ヘッドにインクを供給することができる。
【0027】
次に、仕切壁62の作用を図7に基づいて説明する。
仕切壁62は、インクの消費に伴い、第1上部インク収容室16内に下部インク収容室11からのインクが連通流路18を経由して空気と共に流れ込み、第1上部インク収容室16内のインクA中を気泡aが上昇する場合に、その機能が発揮される。
すなわち、インクAが消費されると、インクAの消費に対応して気泡aが進入する。この気泡aは、液面に対して傾斜するように配置された仕切壁62によりセンサ収容領域65から離れた位置に移動する(図7(a))。この気泡aは、インクに含まれている界面活性剤等の作用により泡a'として上部空間に停滞する。
【0028】
インクの消費に伴って進入した気泡aの数が増加すると、上部空間Sの泡a'の数が増加し(図7(b))、ついには仕切壁62の上部空隙63に到達する。
この状態においてインクAがさらに消費されると、気泡aによる泡a'には、その浮力により空間部Sから上部空隙63に移動させる力が作用するが、その力は上部空隙63内で生じるメニスカスMの毛細管力よりも小さいため、上部空隙63を通過できずに上部空隙63を拡大するように盛り上がる(図7(c))。なお、センサ収容領域65は、仕切壁62の下部空隙64を介して連通されているものの、このセンサ収容領域65には泡が侵入しないからインクAのレベルは初期の状態に維持されている。
【0029】
そして、インクAの消費がさらに進行してインク液面近傍の泡a'の流動力が上部空隙63のメニスカスMの毛細管力の臨界を越えると、この領域で合体して大きくなった泡a"が、上部空隙63内に絞られながら流入し(図7(d))、上部空隙63外(センサ収容領域65内)に拡散しながら流出し、限界点までシャボン玉のように拡大してセンサ収容領域65内で消滅する。
つまり、センサ収容領域65に流動した泡a"は、センサ収容領域65が上部空隙63からセンサ側に向かって漸次広がるように形成されているため、センサ収容領域63内において徐々に拡大して消滅する。
この実施例では、仕切板62がセンサ収容領域65の側に拡開するように配置されているため、上部空隙63からセンサ収容領域63に移動する気泡a”は、その膨張を阻害されることなく容易に消滅する。
以後、泡a'の数が多くなって上部空隙63で拡大すると、上述のようにセンサ収容領域65に拡大してから消滅し、そのたびにセンサ収容領域65のインクレベルが第1上部インク収容室16のインクレベルに対応するように変化する(図7(e))。
【0030】
したがって、本実施形態においては、センサ周辺部のインクAによる泡立ちが抑制されるため、液面センサ61の領域に個々の小さな泡a'が多数流入したり、また付着するのを確実に防止できて、レベル検出のための残留振動の周波数特性が変動するのを抑制することができ、インクカートリッジのインクレベルを安定、かつ高い精度で検出できる。
また、本実施形態においては、仕切壁62が傾斜リブによって形成されているため、上部空隙63から泡a'をセンサ収容領域65内に流動させ、センサ収容領域65の広がりによって徐々に拡大させて消滅させることができる。これにより、泡a'の消滅によって生じる飛沫の広がりは小さくなり、飛沫による音響インピーダンスの変動を可及的に防止して確実に液面を検出することができる。
【0031】
なお、本実施形態においては、仕切壁62が液面センサ61の取付面に対して35°傾斜する場合について説明したが、本発明はこれに限定されず、インク中を上昇する気泡をセンサ収容領域65から遠ざける方向に傾斜する程度の角度30°〜60°の角度に設定されていれば、気泡aが下方から上方に仕切壁62によって誘導され易い。
また、液面に対する傾斜角度としては30〜60°の範囲が好ましい。なお、ここで言う液面とはインクカートリッジが記録装置に装着された状態での液面である。
【0032】
また、本実施形態においては、仕切壁62と液面センサ61との空隙(最短寸法)が8〜12mmの寸法に設定されていることが望ましい。この空隙が上記範囲であれば、膨張した泡が消滅する前に液面センサ61に触れることに起因するインクレベルの誤検出を防止できる。また液面センサ周辺の容器本体2の剛性を高くできて、液面センサ61において良好な検出(振動)特性を得ることができる。
【0033】
この他、本実施形態においては、仕切壁62が傾斜リブである場合について説明したが、本発明はこれに限定されず、図8に示すような円弧状のリブ201あるいは図9に示すような鉤形状のリブ202としても実施形態と略同様の効果を得ることができる。
【0034】
図10(a)は、本発明の他の実施例を、容器本体2の構造でもって示すもので、この実施例においては下部インク収容室11の上部に形成された第1上部インク収容室16、及び第2上部インク収容室17とを区画する壁41が、底部を垂直壁41bに、その上部を側壁側に傾斜する斜面41cとして構成されている。
【0035】
また第2上部インク収容室17には、前記斜面41cの投影面内に位置するように液面センサ61を配置し、液面センサ61を挟むよう対向側に、下端が斜面41cとの間に空隙70を、また上端と空隙71を形成するように斜めの壁72が形成されている。
これにより、図10(b)に示したように空隙71の近傍は、センサ収容室73の内側に所定の角度θで拡開しており、気泡が空隙71からセンサ収容室73に押し出される場合には容易に膨張し、消滅することになる。
【0036】
この壁72は、液面センサ61を投影面内に含み、かつ上部が液面センサ61との距離が大きくなるように傾斜していて、第2上部インク収容室17を区画できる程度の幅、もしくは側面から気泡が侵入しない程度まで突出する幅に選択され、これら斜面41cと壁72とにより上方が拡開するセンサ収容領域73が形成されている。
なお、下部の空隙70は、好ましくはインク中で発生して上昇した気泡のサイズよりも狭く、かつインクの流下に支障を来さない程度、例えば0.5mm程度に設定されている。
【0037】
この実施例によれば、図11(a)に示したように連通流路18を経由して第1上部インク収容室16に流入したインクは、壁41の底部の連通口41aから第2上部インク収容室17に流れ込む。この流れ込むインクに気泡aが含まれていても、気泡aは垂直壁41bに沿って上昇し、さらに斜めの壁72に沿って液面センサ61から遠ざかる方向に上昇する。これにより気泡はセンサ収容領域73に進入することなく、第2上部インク収容室17の上部に停滞する。したがって、インクAが十分に存在する場合にはセンサ収容領域73に気泡aの進入による空気層の発生が防止される。
【0038】
一方、インクAが消費されて第1上部インク収容室16のインクが消費され尽くし、第2上部インク収容室17のインクAの液面が低下すると、図11(b)に示したようにセンサ収容領域73のインクが空隙70から流れ出し、センサ収容領域73の上部に空気層Bが発生する。
【0039】
これにより、前述したように液面センサ61を構成する圧電素子116の残留振動によって生じる逆起電力に変化が生じるため、液面センサ61の検出面よりもインクAの液面が低下したことを検出できる。
【0040】
この実施例においては、液面センサ61が、その検出面61aをインクの液面に対向させるように配置されているから、インクの液面が液面センサ61から離れた時点を、前述の実施例よりも明確に検出できる。
また、液面センサ61がカートリッジの頂部に配置されているため、記録ヘッドに装着されている状態では、液面センサ61の取り付け領域からのインクの漏洩を防止することができ、さらにはインクカートリッジがキャリッジに装着された状態でも、開放されている上面に位置するため、センサの厚みを無用に小さくする必要が無く、組み付けの自由度が向上する。
【0041】
なお、上述した実施例においては、気泡の進入防止とこれを消滅させる仕切壁63、72を容器の壁と間隙を形成するように配置した板材により構成しているが、気泡よりもサイズが小さいメッシュや、スリットを備えた板材を用い、上部及び下部に上記作用効果を有する様にメッシュの孔径やスリットの幅等を適宜調整することにより実現することも可能である。また仕切壁63、72を容器本体2と一体に形成しているが、別体、または蓋体3と一体に形成しても同様の作用を奏する。
【0042】
また、上述の実施例においては1枚の仕切壁によりセンサ収容領域を区画しているが、図12に示したように水平方向に離間させて、上部に前述の上部空隙63と同様の空隙74を形成するように、センサ収容領域73の側を拡開させてもう一枚の仕切壁75を配置すると、外側の仕切壁75により気泡を阻止しつつ仕切壁75の上部に誘導し、上部空隙74により泡を消滅させることができる。そして仕切壁75と仕切壁73との間で発生した数少ない泡を、さらに仕切壁72の上部空隙71で消滅させることができる。
これにより、泡を2段階で消滅させるため、センサ収容領域73への泡の侵入を確実に阻止して上部に配置された液面センサ61に気泡が付着するのを確実の防止することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の実施形態に係るインクジェット式記録装置の基本構成の概略を示す斜視図である。
【図2】 図(a)、(b)は、それぞれ本発明の第1実施形態に係るインクカートリッジの外観を示す斜視図である。
【図3】 図(a)、(b)は、それぞれ本発明の実施形態に係るインクカートリッジの内部構造を模式化して示す断面図である。
【図4】 図3(a)におけるインクカートリッジのセンサ収容領域近傍を拡大して示す断面図である。
【図5】 同上インクカートリッジに取り付けられる液面センサの一実施例を示す組み立て斜視図である。
【図6】 図(a)、(b)は、それぞれ同上液面センサを構成するセンサチップの一実施例を示す上面図と、線A−Aにおける断面図である。
【図7】 図(a)乃至(e)は、それぞれ本発明の実施形態に係るインクカートリッジにおける仕切壁の機能について説明するために示す断面図である。
【図8】 同上インクカートリッジの仕切壁の他の実施例を示す断面図である。
【図9】 同上インクカートリッジの仕切壁の他の実施例を示す断面図である。
【図10】 図(a)、(b)は、それぞれ本発明のインクカートリッジの他の実施例をインク収容室の構造で示す正面図と、上部に形成された空隙の領域を拡大して示す正面図である。
【図11】 図(a)、(b)は、それぞれ同上インクカートリッジのインク検出動作を示す説明図である。
【図12】 本発明のインクカートリッジの他の実施例を、インク収容室の構造で示す正面図である。
【符号の説明】
1 インクカートリッジ、 4 インク供給口、 10 仕切壁、 11、16、17 インク収容室、 61 液面センサ、 62、72 仕切壁、 63上部空隙、 64 下部空隙、 65 センサ収容領域、 73 センサ収容領域、 a 気泡、 a' 泡

Claims (8)

  1. インク収容室を備えた容器と、前記インク収容室の一部を区画して液面センサ収容領域を形成する仕切壁と、前記液面センサ収容領域を形成する前記インク収容室の側面壁に配置され、前記インク収容室のインクの消費状態を検出する圧電素子を備えた液面センサとを備え、
    少なくとも前記仕切壁の上部及び下部には、前記インク収容室の前記液面センサ収容領域と前記インク収容室の他の領域とを連通させる上部空隙、及び下部空隙が形成されていると共に、
    前記上部空隙の前記仕切壁の上方端縁と前記インク収容室の上面壁との間の寸法は0.5mm乃至1mmであり、
    前記下部仕切壁の空隙の前記仕切壁の下方端縁と前記インク収容室の側面壁との間の寸法は0.5mmより小さく、
    前記仕切壁の上部空隙と前記液面センサとの距離が少なくとも8mm以上であり、
    前記仕切壁は、前記側面壁に対して30度以上60度以下の角度で、前記仕切壁の前記上部空隙側の先端が前記液面センサから離れる方向に傾斜して配置されるとともに、前記仕切壁の、上部空隙と下部空隙とを結ぶ方向と直交し、側壁面に平行である幅方向の寸法が、同方向におけるインク収容室の奥行き寸法と、泡が侵入しない程度に同程度に設定されることを特徴とするインクカートリッジ。
  2. 前記仕切壁が、水平方向に離間して複数配置されている請求項1に記載のインクカートリッジ。
  3. 前記上部空隙の近傍の前記液面センサ収容領域が、前記液面センサ収容室の内部側に拡開した空間を形成するように前記仕切板が配置されている請求項1に記載のインクカートリッジ。
  4. 前記仕切壁が、平板状に形成されている請求項1に記載のインクカートリッジ。
  5. 前記仕切壁が、断面円弧状に形成されている請求項1に記載のインクカートリッジ。
  6. 前記仕切壁が、断面鉤形状に形成されている請求項1に記載のインクカートリッジ。
  7. 前記容器が、容器本体と、前記容器本体の開口部を封止する蓋体とから構成され、前記仕切壁が前記容器本体、または蓋体と一体に成形されている請求項1に記載のインクカートリッジ。
  8. 前記液面センサが、前記インク収容領域の上部領域、または側部領域に配置されている請求項1に記載のインクカートリッジ。
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