JP4087884B2 - 高周波モジュール - Google Patents

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Description

本発明は、携帯電話、自動車電話等の無線機器、或いはその他各種通信機器等の分野において利用可能な高周波モジュールに関する。特に、本発明は、トリプレート型ストリップライン共振器を用いたVCO(電圧制御発振器)、アンテナ切り換え器などに利用可能な高周波モジュールに関する。
以下、図面に基づいて従来例を説明する。
図3〜図5は従来例を示した図であり、図3〜図5中、1は部品搭載面(表面)、2は底面、3、4、5はGND電極、7はストリップライン導体、9はビア(Via)(または、ビアホール)、10、11はコンデンサ電極、12は不要接地容量発生部分を示す。
また、C1 〜C10はコンデンサ、C11は可変コンデンサ、L1 、L2 はコイル、R1 〜R4 は抵抗、VCはバリキャップダイオード(可変容量ダイオード)、SLはストリップライン、Q1 、Q2 はトランジスタ、INは入力端子、OUTは出力端子、Vccは電源電圧、VCONTは入力端子INに入力する制御電圧を示す。
§1:VCOの回路例の説明・・・図3参照
図3は従来のVCOの回路例である。以下、図3に基づいて、VCO(電圧制御発振器)の回路例を説明する。従来、VCOとして、図示のようなストリップライン共振器を用いたVCOの回路が知られていた。
このVCOの回路は、コンデンサC1 〜C10、可変コンデンサC11、コイルL1 、L2 、抵抗R1 〜R4 、バリキャップダイオード(可変容量ダイオード)VC、ストリップラインSL等で構成されている。そして、この回路には、入力端子INと、出力端子OUTが設けてあり、電圧Vccの電源に接続して使用するように構成されている。
前記構成において、コンデンサC1 、C2 、C3 は高周波短絡用(バイパス用)のコンデンサであり、可変コンデンサC11は、発振周波数調整用の可変コンデンサである。また、ストリップラインSLは、ストリップライン共振器を構成しており、発振周波数を決定する回路の一部となっている。
前記回路において、入力端子INに制御電圧VCONTが入力すると、該制御電圧VCONTに応じた周波数で発振し、出力端子OUTからVCOの出力信号を取り出すことができる。
§2:VCOモジュールの説明・・・図4参照
図4は従来のVCOモジュール断面図である。以下、図4に基づいて、VCOモジュールの1例を説明する。このVCOモジュール例は、図3に示したVCO回路の各素子を多層基板に実装してVCOモジュールとした例である。前記多層基板は、例えば、1000℃以下の低温焼成可能なガラス−セラミックスで構成し、電極は、銀を主体とした導体を使用する。
前記VCOモジュールの小型化のために、ストリップラインSL、コンデンサ、コイルを多層基板に内蔵させている。この場合、ストリップラインSLを構成するストリップライン導体7を多層基板の内部層に設定し、該ストリップライン導体7を、多層基板の積層方向の両側からGND電極で挟み込むようにして、2つのGND電極3、4を設けることにより、トリプレート型ストリップライン共振器としている。
前記トリプレート型ストリップライン共振器では、設計で必要とするラインインピーダンスにするため、2つのGND電極3、4と、ストリップライン導体7との間隔をある程度あける必要があるため、共振器としての厚みは、VCOモジュールの厚み全体に対して、かなりの部分を占めることになる。
図示の例では、トランジスタQ1 、Q2 、バリキャップダイオードVC、及び抵抗R1 〜R4 をディスクリート部品で構成し、多層基板の部品搭載面(表面)1に搭載する(図示省略)。
そして、前記部品以外の回路素子は、多層基板内部に設定するが、この場合、多層基板の積層方向の領域を、上側(部品搭載面1側)の領域Aと、下側(底面2側)の領域Bに分け、領域Bには、トリプレート型ストリップライン共振器を設定(内蔵)し、領域Aには、その他の素子(コンデンサ、コイル等)を設定する。
具体的には、次の通りである。先ず、多層基板の領域Bでは、底面2側の内部最下層にGND電極3を設け、その積層方向上側には、ストリップライン導体7を設け、更にその上側にはGND電極4を設ける。
このようにして、ストリップライン導体7を、積層方向の両側からGND電極3、4で挟み込むように各パターンを配置して、トリプレート型ストリップライン共振器を構成する。そして、ストリップライン導体7の一端部をビア9によりGND電極3に接続し、他端部をビア9によりコンデンサ電極(非接地電極)11(例えば、コンデンサC9 を構成する一方のコンデンサ電極)に接続する。
また、前記領域Aには、コンデンサC1 〜C10、及びコイルL1 、L2 を設定する。この場合、例えば、コンデンサ電極11とGND電極4との間には、不要接地容量発生部分12が発生する。
§3:基板の反りの説明・・・図5参照
図5は従来の基板の反り説明図であり、A図は基板の反り例1、B図は基板の反り例2である。以下、図5に基づいて、基板の反りについて説明する。
VCOモジュールは、複数の誘電体層を積層した多層基板により製作する。このVCOモジュールでは、基本的に多層基板を構成する誘電体層と、電極層の焼成縮率は略同等となるように設計されているが、完全には等しく設計することは困難である。
従って、前記のような電極配置の設計を行うと、基板の誘電体層と電極層の僅かな焼成縮率の差により基板焼成後、基板に反りが発生する。この場合、A図に示したように、上側に凸の反りが発生したり、或いは、B図に示したように、下側に凸に反りが発生したりする。
前記のような従来のものにおいては、次のような課題があった。
(1) :多層基板に、少なくとも、トリプレート型ストリップライン共振器、及び複数のコンデンサ等を内蔵させたVCOモジュールでは、多層基板の積層方向上側(部品搭載面1側)の領域Aに全てのコンデンサ電極をパターニングしているため、積層方向の上側に電極が密集している。
量産時には、これらのコンデンサの容量精度を安定的に作り上げていく必要があるが、コンデンサを設定した誘電体層は、必ずしも安定しておらず、製造ロット間で層厚みにバラツキが生じるため、それがそのまま内蔵コンデンサの定数バラツキとなる。
(2) :前記内蔵コンデンサバラツキを回避するために、コンデンサの層厚みについて事前に厚み判定をする必要がある。しかし、内蔵コンデンサが複数層にわたる場合は、厚みを判定する層が複数層となるため、厚み判定処理に手間と時間がかかる。
(3) :コンデンサによっては、接地していないものもあるため、不要に接地容量を持たないようにするためのパターニング上の配慮が必要となる。従って、多層基板内の電極の利用率は、必ずしも良好ではなかった。
(4) :特に、高周波短絡用(バイパス用)のコンデンサは、定数が大きく、かつ接地させる必要があるため、GND電極を大きめに設定する必要がある。従って、接地しないコンデンサにとっては、浮遊接地容量は、大敵で、VCOの特性劣化の大きな原因となっていた。
(5) :基本的に多層基板を構成する誘電体層と、電極層の焼成縮率は略同等となるように設計されているが、完全には等しく設計することは困難である。従って、前記のような電極配置の設計を行うと、基板の誘電体層と電極層の僅かな焼成縮率の差により基板焼成後、基板に反りが発生する。
この反りは極僅かであれば問題はないが、反りが大きくなると、焼成後の基板表面に、電極パターン等をスクリーン印刷する際、スクリーンが基板面に対して平行に当たらなくなる。その結果、印刷性が悪くなり、かつ印刷するパターンかすれや、にじみが発生し、場合によっては印刷時にスクリーンが破れたりする。
本発明は、このような従来の課題を解決し、量産時にコンデンサを設定する誘電体層のバラツキ対策を行う際の手間を少なくすると共に、焼成後の反りを防止して、基板表面の印刷処理が簡単にできるようにすることを目的とする。
本発明は前記の目的を達成するため、複数の誘電体層を積層した多層基板に、少なくとも、ストリップライン導体と、複数のGND電極と、複数のコンデンサを内蔵すると共に、前記ストリップライン導体に対し、積層方向の両側に、前記GND電極を配置してトリプレート型ストリップライン共振器を構成した高周波モジュール(VCOモジュール等)において、多層基板の積層方向の略中央部分に、前記トリプレート型ストリップライン共振器を設定し、該トリプレート型ストリップライン共振器に対し、積層方向の下側(底面側)には高周波短絡用のコンデンサを設定し、上側(部品搭載面側)には、その以外のコンデンサ等を配置した。
また、前記GND電極は積層基板に外層の誘電体層を介して内部に形成されていることを特徴とする。また、前記GND電極と前記ストリップライン導体との間にコンデンサ電極が形成されていないことを特徴とする。
更に、本発明は次のように構成した。
(1) :複数の誘電体層を積層した多層基板に、少なくとも、ストリップライン導体(7)と、複数のGND電極と、複数のコンデンサを内蔵すると共に、前記ストリップライン導体(7)に対し、積層方向の両側に、GND電極(3、4)を配置してトリプレート型ストリップライン導体共振器を構成した高周波モジュールにおいて、前記トリプレート型ストリップライン導体共振器に対し、積層方向の上側(部品搭載面側)と下側(底面側)の双方に、それぞれGND電極(3、4)からなるコンデンサを配置すると共に、前記GND電極(3、4)からなるコンデンサは積層基板に外層の誘電体層を介して内部に形成されていることを特徴とする。
(2) :前記(1) の高周波モジュールにおいて、前記GND電極(3、4)と前記ストリップライン導体(7)との間にコンデンサ電極が形成されておらず、前記GND電極(3)より下側であって、底面側の最下層にシールド用のGND電極(14)を配置し、該シールド用のGND電極(14)と、前記トリプレート型ストリップライン共振器を構成する下側のGND電極(3)との間に、前記高周波短絡用コンデンサを構成するホット側のコンデンサ電極(15、16)を設定して、サンドイッチ構造の電極配置としたことを特徴とする。
(作用)
前記構成に基づく本発明の作用を説明する。
VCOモジュール等の高周波モジュールを製造する場合、複数の誘電体層を用意し、それぞれの誘電体層に、導体ペーストの印刷等により、ストリップライン導体、GND電極、コンデンサ電極等の各導体パターン等をパターニングして、各誘電体層を積層する。その後、前記複数の誘電体層を積層した多層基板を焼成する。
前記の製造工程において、多層基板の積層方向の略中央となる誘電体層に、前記トリプレート型ストリップライン共振器を構成する各導体パターンをパターニングする。
また、トリプレート型ストリップライン共振器に対し、その積層方向の下側(底面側)の誘電体層には、高周波短絡用のコンデンサを構成するコンデンサ電極を導体ペーストの印刷等によりパターニングし、上側(部品搭載面側)の誘電体層には、その他のコンデンサを構成するコンデンサ電極や、その他の素子等の導体パターンを、導体ペーストの印刷等によりパターニングする。
ところで、高周波短絡用のコンデンサは、定数の精度は、例えば、約±30%程度でも問題はないが、それ以外のコンデンサは、約±5%程度の精度は必要である。しかし、実際の量産時では、多層基板の内蔵の高周波短絡用のコンデンサ以外のコンデンサは、誘電体層の厚みのバラツキがそのまま、定数のバラツキとなり、VCOの特性バラツキとなる。ただし、高周波短絡用のコンデンサについては、誘電体層の厚みバラツキは殆ど問題にならない。
例えば、多層基板が、シート積層方法で製作される場合、誘電体層は、シート製造時に、工程上の製造条件により製造ロット間でシートの厚みバラツキを起こすが、1本のシート内(製造ロット内)では製造条件が一定であるため、比較的シートの厚みバラツキは小さい。
従って、前記のように各パターンを配置すれば、高周波短絡用のコンデンサについては、シート厚みについて対策する必要がないため、量産時にコンデンサを設定する誘電体層のバラツキ対策を行う層数が少なくて済み、前記バラツキ対策のための手間が少なくなる。
また、多層基板の積層方向における電極パターンの密度が、積層方向の中央に対して、略対称的になる。従って、多層基板の焼成後の反りに対し、基板全体としてバランスがとれるようになるため、基板の反りが小さくなる。このため、基板焼成後の基板表面の印刷処理が良好に行え、かすれ、にじみ等の発生がなくなる。
本発明によれば次のような効果がある。
(1) :トリプレート型ストリップライン共振器の両側に、コンデンサを効率良く設定したので、VCOモジュールなど、高周波モジュールの量産時に、コンデンサの誘電体層の厚みバラツキの対策をするための手間が簡素化される。
(2) :トリプレート型ストリップライン共振器の両側に、コンデンサを効率良く設定したので、多層基板内に設定した電極を効率的に利用できる。従って、多層基板の積層数を無駄に増やさないで済む。また、電極の効率的な配置により、回路素子に寄生する不要接地容量を防止することができる。
(3) :例えば、底面側(最下層)にシールド用のGND電極を設定し、このGND電極と、トリプレート型ストリップライン共振器を構成する下側のGND電極との間に、高周波短絡用のコンデンサを構成するホット側のコンデンサ電極を設定して、サンドイッチ構造の電極配置としている。
このようにすれば、多層基板内の電極を有効利用することができると共に、コンデンサの容量値を効率良く大きくできる。
(4) :トリプレート型ストリップライン共振器を、多層基板の積層方向の略中央部分に設定し、その積層方向の両側に、コンデンサを配置している。従って、多層基板の積層方向における電極パターンの密度が、積層方向の中央に対して略対称的配置となり、多層基板の焼成後の反りに対し、基板全体としてバランスがとれるようになるため、基板の反りが小さくなる。そのため、焼成後の表面導体の印刷が良好に行える。
(5) :高周波短絡用のコンデンサ以外のコンデンサの中には、接地容量があってはならないものもあり、それらについては、トリプレート型ストリップライン共振器の特性に影響の少ない所に、トリプレート型ストリップライン共振器を構成する上側のGND電極の一部を除去して、コンデンサの片側の電極を設定している。
このため、前記コンデンサは、前記トリプレート型ストリップライン共振器の下側のGND電極に対しては、ある程度距離をおけるので、接地容量の影響を小さくすることができる。
以下、本発明の実施の形態を図面に基づいて説明する。
図1、図2は、本発明の実施例を示した図であり、図1、図2中、図3〜図5と同じものは、同一符号で示してある。また、14はGND電極、15〜18はコンデンサ電極、19は搭載部品のパッド電極を示す。なお、本実施例で使用するVCOの回路は、図3に示した従来の回路と同じなので、図3も援用して説明する。
§1:実施例の基本構成の説明・・・図1参照
図1は実施例の基本構成説明図である。以下、図1に基づいて、実施例の基本構成を説明する。この実施例は、図3に示したVCO回路の各素子を多層基板に実装してVCOモジュールとしたものである。
なお、部品搭載面1は、VCOモジュールを構成するディスクリート部品(トランジスタQ1 、Q2 等)を搭載する面であり、表面とも記す。また、底面2は、VCOモジュールを、マザーボード等へ実装する際の底面側(マザーボード側)のことである。そして、以下の説明では、部品搭載面1側を上側、底面2側を下側とも記す。
VCOモジュールの基本構成は次の通りである。図示のように、複数の誘電体層を積層した多層基板の積層方向の領域を、上側から領域A、領域B、領域C、領域Dに分け、前記領域Cを略中央部分の領域とする。
そして、前記領域Cに、ストリップライン導体7と、その積層方向の両側に配置したGND電極3、4からなるトリプレート型ストリップライン共振器を配置する。
また、前記領域Cの下側(底面2側)の領域Dには、高周波短絡用(バイパス用)のコンデンサC1 、C2 、C3 を配置し、前記領域Cの上側(部品搭載面1側)の領域Bには残りのコンデンサを配置し、更に、その上側の領域Aには、コイル等を配置する。
すなわち、多層基板の略中央の領域Cに、トリプレート型ストリップライン共振器を設定し、その下側の領域Dに、高周波短絡用のコンデンサC1 、C2 、C3 を設定する。また、前記トリプレート型ストリップライン共振器の上側の領域Bには、特性出しコンデンサC4 〜C10を設定し、更にその上側の領域Aには、その他の素子(コイル等)を設定する。
なお、この場合、GND電極4の一部を除去して、その部分にコンデンサ電極11を設定し、このコンデンサ電極11と、その上の層に設定したコンデンサ電極10とで、無接地のコンデンサを構成する。前記の配置にする理由は次の通りである。
(1) :VCOを構成する高周波短絡用のコンデンサC1 、C2 、C3 は、全てGNDに接続(接地)しており、かつ、信号を通過させるための他のコンデンサC4 〜C10より定数(容量)が大きい(5〜10倍)。
従って、効率的に容量値を得るためには、高周波短絡用のコンデンサC1 、C2 、C3 は、GND電極とサンドイッチ構造が作り易いトリプレート型ストリップライン共振器の下側の領域Dが適している。
(2) :高周波短絡用のコンデンサC1 、C2 、C3 以外のコンデンサ(特性出しコンデンサC4 〜C10)は、信号の周波数や、出力電力、信号のC/N比等を決めており、高周波短絡用のコンデンサに比べて定数(容量)は小さい。
また、高周波短絡用のコンデンサC1 、C2 、C3 以外の各々のコンデンサは、部品搭載面1に搭載した部品(トランジスタ等)と接続し、かつ、GND電極に接続(接地)しないものもあることから、多層基板の積層方向において、前記トリプレート型ストリップライン共振器の上側(部品搭載面1側)の領域Bが適している。
すなわち、前記高周波短絡用のコンデンサC1 、C2 、C3 以外のコンデンサで、接地容量があってはならないものについては、トリプレート型ストリップライン共振器の特性に影響の少ない所(例えば、ストリップライン導体7がパターニングされてない上側等)に、前記GND電極4の一部を除去し、その領域にコンデンサの片側の電極(コンデンサ電極11)を設定することができる。
上記に該当するコンデンサ電極11は、前記トリプレート型ストリップライン共振器の下側のGND電極3に対しては、ある程度距離をおけるので、接地容量の影響を小さくすることができる。
(3) :高周波短絡用のコンデンサC1 、C2 、C3 は、定数の精度は、約±30%程度でも問題はないが、それ以外のコンデンサは、約±5%程度の精度は必要である。しかし、実際の量産時では、多層基板の内蔵コンデンサは、誘電体層の厚みのバラツキがそのまま、定数のバラツキとなる。
例えば、多層基板が、シート積層方法で製作される場合、誘電体層は、シート製造時に、工程上の製造条件により製造ロット間で厚みバラツキを起こす。ただし、1本のシート内(製造ロット内)では製造条件が一定であるので、比較的シート厚みのバラツキは小さい。実際には、ロット間で約±10%、ロット内で約±3%程度である。
そのため、多ロットにわたる量産を行う場合、高周波短絡用のコンデンサC1 、C2 、C3 は、問題なく基板内に内蔵できるが、それ以外のコンデンサは、そのまま内蔵できない。
ただし、各コンデンサの電極は、スクリーン印刷により一定に形成されるため、各コンデンサ間の定数の比率は常に一定である。従って、製造されたシートの厚みが分かれば、その厚みに合ったコンデンサ用スクリーンを用意して量産に当たれば安定して製造することができる。
よって、基板内蔵のコンデンサを作るためには、できるだけ1つのスクリーン内(同一誘電体層上)に、前記コンデンサの片側の電極がパターニングされた方がシートの厚み判定を行う層数が少なくて済み効率的である。
(4) :前記のようにすれば、多層基板の積層方向における電極パターンの密度が積層方向の中央に対して、略対称的配置となり、若干の焼成縮率の異なる電極層と、誘電体からなる多層基板の焼成後の基板の反りに対し、基板全体としてバランスがとれるようになるため、基板の反りが小さくなる。
§2:具体例による説明・・・図2参照
図2は実施例のVCOモジュール断面図である。以下、図2に基づいて、VCOモジュールの具体例について説明する。
前記回路構成のVCOを多層基板で設計する場合、前記のように、高周波短絡用のコンデンサC1 、C2 、C3 と、他のコンデンサとを分けて設定する。この場合、高周波短絡用のコンデンサC1 、C2 、C3 は、定数の精度が±30%の精度で良いが、それ以外のコンデンサ(C4 〜C10)は、定数の精度を±5%以下にする必要がある。
例えば、VCOモジュールを1GHZ 帯用に設計する場合、高周波短絡用のコンデンサはC1 、C2 、C3 の定数は30pF程度であり、その他のコンデンサC4 〜C10は10pF以下となる。
図示のように、多層基板を、複数の誘電体層を積層したもので構成し、その積層方向の領域を、上側から領域A、領域B、領域C、領域Dに分け、前記領域Cを略中央部分の領域とする。そして、多層基板の積層方向の略中央の領域Cには、ストリップライン導体7、及び2つのGND電極3、4で構成されたトリプレート型ストリップライン共振器を設定する。
この場合、ストリップライン導体7の下側(底面2側)には、任意の間隔をあけてGND電極3を設定し、上側(部品搭載面1側)には、任意の間隔をあけてGND電極4を設定する。そして、ストリップライン導体7を、積層方向の両側から2つのGND電極3、4で挟み込むように配置(サンドイッチ構造)してトリプレート型ストリップライン共振器を構成する。
また、前記トリプレート型ストリップライン共振器を設定した領域Cの下側の領域Dには、高周波短絡用のコンデンサC1 、C2 、C3 を配置し、前記領域Cの上側の領域Bには、特性出しコンデンサC4 〜C10を設定し、更にその上側の領域Aには、その他の素子(コイル等)を設定する。
なお、前記ストリップライン導体7、GND電極3、4、コンデンサ電極、コイル等は、例えば、導体ペーストの印刷により、導体パターンとして各誘電体層上に形成する。以下、各領域について具体的に説明する。
(1) :前記領域Dに設定した高周波短絡用のコンデンサC1 、C2 、C3 は、次のようにして設定する。領域Dでは、底面2側(最下層)に、シールド用のGND電極14を、ベタパターン(誘電体層の略全面にパターニングした電極)として設定する。
そして、前記GND電極14と、前記トリプレート型ストリップライン共振器を構成するGND電極3との間に、前記高周波短絡用のコンデンサC1 、C2 、C3 のホット側のコンデンサ電極15、16を設定して、サンドイッチ構造の電極配置とする。この場合、ホット側のコンデンサ電極15、16の一端部は、ビア9により、領域B、領域Aの所定のパターンに接続する。
このようにすれば、多層基板内の電極を有効利用することができると共に、コンデンサの容量値を効率良く大きくできる。
(2) :領域Bに設定するコンデンサで、コンデンサC4 、C6 、C7 は、一方の電極を接地するコンデンサなので、トリプレート型ストリップライン共振器を構成するGND電極4の上側に設定する。
この場合、領域Bに、例えば、ホット側のコンデンサ電極17、18等を設定し、これらのコンデンサ電極17、18と、GND電極4により、前記コンデンサC4 、C6 、C7 を構成し、必要とする容量値が得られるように配置する。
一方、接地しないコンデンサC5 、C8 、C9 、C10は、前記GND電極4で、共振器としての特性に影響の少ない部分を除去して、その領域に、これらのコンデンサを設定する。例えば、接地しないコンデンサ電極10、11等を設定し、これらの電極により、前記各コンデンサC5 、C8 、C9 、C10を構成する。 このようにすれば、前記各コンデンサは、単一層(領域Bが単一層)で形成できる。従って、量産時には、その間の誘電体層のみ厚み判定を行い、その誘電体層の積層方向で、上側に配置するコンデンサの片側の電極について厚みに応じてパターン面積を変化させているスクリーンを用意しておけば、量産時のコンデンサの容量バラツキに対応することができる。
(3) :多層基板の領域Aには、コイルL1 、L2 のパターン、及び各素子間を結ぶ配線を設定する。また、可変コンデンサC11は、片側のコンデンサ電極を基板内部に設定し、もう一方のコンデンサ電極を部品搭載面1に設定する。そして、部品搭載面1に設定した電極をトリミング用として、周波数調整が行えるようにする。
このようにして作られた多層基板の表面、すなわち、部品搭載面1には、2個のトランジスタQ1 、Q2 と、バリキャップダイオードVCと、4個の抵抗器が搭載される。ただし、抵抗器については、印刷抵抗を用いても何ら問題はない。
(他の実施例)
以上実施例について説明したが、本発明は次のようにしても実施可能である。
(1) :前記実施例では、VCOモジュールを、1GHZ 帯として設計しているが、本発明は、任意の周波数帯でのVCOモジュールを設計することが可能である。特に、数100MHZ 帯用では、コンデンサの容量値が大きくなるため、基板内でのコンデンサの積層数は必然的に多くなる。従って、前記実施例のコンデンサ層について更に多層化しても良い。
その場合、多層基板の下側に設定した高周波短絡用のコンデンサは、シールド用のGND電極14が、必ず外側となるように配置し、ホット側のコンデンサ電極15、16とサンドイッチ構造にする。
また、トリプレート型ストリップライン共振器の上側(領域B)に設定したコンデンサ(特性出しコンデンサ)は、それぞれ、片方のコンデンサ電極を、積層方向で上側から覆い隠すようにして、他方のコンデンサ電極をパターニングする。
(2) :前記実施例で示した回路構成のVCOモジュールに限らず、他の同様なVCOモジュールに適用可能である。
(3) :VCOモジュールに限らず、ストリップラインを使用したアンテナ切り換え器等の各種高周波モジュールにも同様に適用可能である。
(4) :コンデンサ層を構成する誘電体層の材料は、他の層と同一でも良く、また、他の層より誘電率の高い誘電体を使用しても良い。更に、その誘電体層の厚みについては、他の層と同一でも良く、また他の層より薄くても良い。
実施例の基本構成説明図である。 実施例のVCOモジュール断面図である。 従来のVCOの回路例である。 従来のVCOモジュール断面図である。 従来の基板の反り説明図である。
符号の説明
1 部品搭載面(表面)
2 底面
3、4、5、14 GND電極
7 ストリップライン導体
10、11、15〜18 コンデンサ電極

Claims (2)

  1. 複数の誘電体層を積層した多層基板に、
    少なくとも、ストリップライン導体(7)と、複数のGND電極と、複数のコンデンサを内蔵すると共に、
    前記ストリップライン導体(7)に対し、積層方向の両側に、GND電極(3、4)を配置してトリプレート型ストリップライン導体共振器を構成した高周波モジュールにおいて、
    前記トリプレート型ストリップライン導体共振器に対し、積層方向の上側(部品搭載面側)と下側(底面側)の双方に、それぞれGND電極(3、4)からなるコンデンサを配置すると共に、
    前記GND電極(3、4)からなるコンデンサは積層基板に外層の誘電体層を介して内部に形成されていることを特徴とする高周波モジュール。
  2. 前記GND電極(3、4)と前記ストリップライン導体(7)との間にコンデンサ電極が形成されておらず、前記GND電極(3)より下側であって、底面側の最下層にシールド用のGND電極(14)を配置し、
    該シールド用のGND電極(14)と、前記トリプレート型ストリップライン共振器を構成する下側のGND電極(3)との間に、前記高周波短絡用コンデンサを構成するホット側のコンデンサ電極(15、16)を設定して、サンドイッチ構造の電極配置としたことを特徴とする請求項1記載の高周波モジュール。
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