JP4083289B2 - 偏心多軸型シールド装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、地下鉄や道路などに使用するトンネルを掘進するためのいわゆる偏心多軸型のシールド装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
図28は、多連シールドの施工例を示す。
この図28に示す多連シールド(三連シールド)71においては、中柱や中壁72が必要であった。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
前述のごとく、多連シールド71では、中柱や中壁72が必要であるため、その多連シールド71を地下鉄や道路として使用した場合、鉄道車両や自動車等の走行体を分岐したり、合流させたりすることができなかった。
【0004】
本発明は、上記の事情に鑑みなされたもので、その目的とするところは、偏心多軸型の親シールド機による全体掘進により大断面のトンネルを掘削後、機内から各分岐シールド機を安全にかつ簡易に発進させることができ、しかも掘削したトンネル内に鉄道車両や自動車等の走行体の分岐・合流部を自由に構築し得るシールド装置を提供することにある。
【0005】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するため、本発明では、横長ほぼ楕円形のシールド機筒を備えてなる親シールド機内の両側に、円形の偏心多軸型からなり分離掘進可能な分岐シールド機がそれぞれ設けられ、かつ前記シールド機筒内の中央部の上下部分であって前記各分岐シールド機の間にそれぞれ偏心多軸型からなる残置部上下カッタフレームが設けられ、トンネルの全体掘進時には、前記親シールド機の残置部上下カッタフレームと前記各分岐シールド機のカッタフレームとを同一方向に同期的に制御し、各分岐シールド機によるトンネルの分岐掘進時には、前記残置部上下カッタフレームと各分岐シールド機のカッタフレームとの同期制御を機内側から解除可能に構成している。
【0006】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施例を図面に基づいて説明する。
【0007】
図1〜図5は本発明シールド装置の一実施例を示すもので、図1はトンネルの全体掘進時における正面図、図2は同背面図、図3は同横断平面図、図4はトンネルの分岐掘進時における正面図、図5は同背面図である。
【0008】
これら図1〜図5に示すシールド装置1は、偏心多軸型の親シールド機2と、偏心多軸型の第1、第2分岐シールド機3,4とを備えている。
【0009】
前記親シールド機2は、楕円形のシールド機筒5と、残置部上カッタフレーム8と、残置部下カッタフレーム9と、カッタ駆動部13と、排土装置であるスクリューコンベア25と、シールドジャッキ(図示せず)などを備えている。前記シールド筒5の後部にはテールシール28が設けられている。前記残置部上、下カッタフレーム8,9の前面には、カッタビット12が多数設けられている。前記カッタ駆動部13は、残置部上、下カッタフレーム8,9にそれぞれ3台宛設置されている。各カッタ駆動部13は、回転駆動源16と、クランク17とを有している。そして、前記残置部上、下カッタフレーム8,9と当該カッタ駆動部13とは、クランクピン18により連結され、いわゆる偏心多軸型構造となっている。
【0010】
前記第1分岐シールド機3は、この実施例では円形のシールド筒6と、カッタフレーム10とカッタ駆動部14と、排土装置であるスクリューコンベア26と、シールドジャッキ(図示せず)等を備えている。前記カッタフレーム10の前面には、カッタビット12が多数設けられている。前記カッタ駆動部14は、4台設置されている。各カッタ駆動部14は、回転駆動源16と、クランク17とを有している。前記カッタフレーム10とカッタ駆動部14とは、クランクピン18により連結され、やはり偏心多軸型構造となっている。
【0011】
前記第2分岐シールド機4は、第1分岐シールド機3と同じ円形のシールド筒7と、カッタフレーム11と、カッタ駆動部15と、排土装置であるスクリューコンベア27と、シールドジャッキ(図示せず)等を備えている。前記カッタフレーム11の前面にも、カッタビット12が多数設けられている。前記カッタ駆動部15は、4台設置されている。各カッタ駆動部15は、回転駆動源16と、クランク17とを有している。前記カッタフレーム11とカッタ駆動部15とは、クランクピン18により連結されている。
【0012】
前記第1分岐シールド機3と第2分岐シールド機4間には、図3に示すように、同期金具取り付け用開口部19が設けられている。
【0013】
前記親シールド機2内には、図2および図3に示すように、同期金具20が設置されている。この同期金具20には、同じく図2、図3に示すように、親シールド機2のカッタ駆動部13の回転駆動源16と、第1分岐シールド機3のカッタ駆動部14の回転駆動部16と、第2分岐シールド機4のカッタ駆動部15の回転駆動源16とが、それぞれカップリング21と、回転子22と、ボス23とを介して連結されている。
【0014】
しかして、この実施例では前記カッタ駆動部13,14,15の各回転駆動源16と、同期金具20と、両部材を連結するためのカップリング21および回転子22ならびにボス23とにより、トンネルの全体掘進時には親シールド機2のカッタフレームである残置部上、下カッタフレーム8,9と第1分岐シールド機3のカッタフレーム10と第2分岐シールド機4のカッタフレーム11とを同一方向に同期的に制御し、第1、第2分岐シールド機3、4によるトンネルの分岐掘進時には親シールド機2の残置部上、下カッタフレーム8,9と、第1分岐シールド機3のカッタフレーム10と、第2分岐シールド機4のカッタフレーム11との同期制御を機内側から解除する手段を構成している。
【0015】
なお、図1において符号24を付しかつハッチングを施して示した部分は、トンネルの全体掘進時のビットエリアを示す。
【0016】
続いて、図6〜図13は前記シールド装置1を用いて、地下鉄用のトンネルを施工した場合の一例を示すもので、図6は一次覆工時の模式図、図7、図8および図9はそれぞれ図6のA−A′線、B−B′線およびC−C′線の拡大断面図であり、図10は二次覆工時の模式図、図11、図12および図13はそれぞれ図10のD−D′線、E−E′線、およびF−F′線、の拡大断面図である。
【0017】
これら図6〜図13及び前記図1〜図5により、分岐部を有する地下鉄用のトンネルの掘進、構築の一例を説明する。
【0018】
まず、トンネルの全体掘進を行う。この全体掘進時には、図2および図3に示すように、親シールド機2のカッタ駆動部13の回転駆動源16と、第1分岐シールド機3のカッタ駆動部14の回転駆動源16と、第2分岐シールド機4のカッタ駆動部15の回転駆動源16とを同期金具20に、カップリング21と、回転子22と、ボス23とを介して連結する。そして、この実施例では合計14台の回転駆動源16を一斉に駆動させる。これにより、親シールド機2のカッタフレームである残置部上、下カッタフレーム8,9と、第1分岐シールド機3のカッタフレーム10と、第2分岐シールド機4のカッタフレーム11とが一体となって同一方向に同期的に制御され、、しかも前記残置部上、下カッタフレーム8,9およびカッタフレーム10,11は、図1から分かるように、カッタ駆動部13,14,15のクランク17と、クランクピン18とを通じて、親シールド機2のシールド筒5の外形とほぼ同じ楕円形に平行リンク的に回動する。
【0019】
その結果、残置部上、下カッタフレーム8,9とカッタフレーム10,11の前面に設けられた多数のカッタビット12により、切羽が親シールド機2のシールド筒5の外形とほぼ同じ楕円形に掘削される。
【0020】
そして、親シールド機2内に設置されたシールドジャッキ(図示せず)により、親シールド機2の後方で組み立てられたセグメントに反力を取ってシールド装置1に推力を与え、掘進していく。
【0021】
掘削された土砂は、図1に示す親シールド機2内に設置されたスクリューコンベア25と、第1、第2分岐シールド機3,4内に設置されたスクリューコンベア26,27とにより、シールド装置1の後方へ搬出される。
【0022】
前述のごとく切羽を所定範囲掘進した後、シールドジャッキを縮小させ、親シールド機2の後方でセグメントを組み立てる
【0023】
以上の作業を繰り返して行い、親シールド機2と第1、第2分岐シールド機3,4とによる全体掘進により大断面のトンネルを掘進しつつ、一体型セグメントを用いてトンネル内の一次覆工を行う。
【0024】
大断面のトンネルの一次覆工に際して、地下鉄の例えばプラットホームに相当する区域には一体型セグメントとして、タイドアーチセグメントまたは図7に示すごとき中柱や中壁を有するいわゆる一体型セグメント29を用いる。また、地下鉄の例えば車両の分岐部に相当する区域には一体型セグメントとして、図8に示すごときタイドアーチセグメント30を用いる。
【0025】
前記全体掘進により大断面のトンネルを所定距離掘進後、トンネルの分岐掘進の準備を行う。かかる分岐掘進の準備としては、図3に示すカップリング21を操作し、親シールド機2のカッタ駆動部13の回転駆動源16および第1、第2分岐シールド機3,4のカッタ駆動部14,15の回転駆動源16と、同期金具20の回転子22との結合を解き、親シールド機2のカッタフレームである残置部上、下カッタフレーム8,9と、第1分岐シールド機3のカッタフレーム10と、第2分岐シールド機4のカッタフレーム11との同期制御を解除する。
【0026】
次に、親シールド機2の残置部上カッタフレーム8を上側に、残置部下カッタフレーム9を下側にそれぞれ移動させ、図4および図5に示すように、第1、第2分岐シールド機3,4の発進断面外に固定する。
【0027】
これら第1、第2分岐シールド機3,4の準備作業は、すべて機内で行うことができる。
【0028】
発進準備を整えた後、第1分岐シールド機3を発進させるときは、4台のカッタ駆動部14の回転駆動源16を同一方向に同期的に駆動させる。これにより、カッタ駆動部14のクランク17およびクランクピン18を通じて第1分岐シールド機3のカッタフレーム10は平行リンク的に回動する。さらに、第1分岐シールド機3のシールド筒6内に設置されたシールドジャッキ(図示せず)により推力を与え、第1分岐シールド機3を発進させる。
【0029】
また、第2分岐シールド機4を発進させるときは、4台のカッタ駆動部15の回転駆動源16を同一方向に同期的に駆動させる。これにより、カッタ駆動部15のクランク17およびクランクピン18を通じて第2分岐シールド機4のカッタフレーム11も平行リンク的に回動する。そして、第2分岐シールド機4のシールド筒7内に設置されたシールドジャッキ(これも図示せず)により推力を与え、第2分岐シールド機4を発進させる。
【0030】
前記第1分岐シールド機3と第2分岐シールド機4とは、同時に発進させても、別々に発進させてもよい。なお、これら第1、第2分岐シールド機3,4による分岐トンネルの掘進時には、親シールド機を残置するものとし、その残置親シールド機を図6および図10に符号2′で示す。
【0031】
前述のごとく、第1、第2分岐シールド機3,4を発進させると、当該カッタフレーム10,11の前面に設けられた多数のカッタビット12により、切羽が当該シールド筒6,7の外形とほぼ同じ円形に掘削される。
【0032】
そして、当該シールド筒6,7内に設置された前記シールドジャッキにより、第1、第2分岐シールド機3,4の後方で組み立てられたセグメントに反力を取って推力を与え、掘進していく。
【0033】
第1、第2分岐シールド機3,4により削除された土砂は、当該シールド筒6,7内に設置されたスクリューコンベア26,27により、当該第1、第2分岐シールド機3,4の後方へ搬出される。
【0034】
第1、第2分岐シールド機3,4でそれぞれ切羽を所定範囲掘進した後、当該シールドジャッキを縮小させ、当該第1、第2分岐シールド機3,4の後方でセグメントを組み立てる。
【0035】
以上の作業を繰り返して行い、第1、第2分岐シールド機3,4による分岐掘進により、それぞれ小断面の分岐トンネルを掘進しつつ、図9に示すように、円形セグメント31を用いて各分岐トンネル内の一時覆工を行う。
【0036】
以上により、大断面のトンネルの掘進後、第1、第2分岐シールド機3,4の発進時に、カッタフレーム10,11を改造する必要がなく、親シールド機2のカッタフレームである残置部上、下カッタフレーム8,9を撤去する必要がなく、また発進作業のため作業員が機外に出る必要がなく、さらには立坑を必要とせずに、機内から連続して第1、第2分岐シールド機3,4を発進させることができる。
【0037】
また、この実施例では図6および図8から分かるように、大断面のトンネルの所定区域には、中柱・中壁のない一体型セグメントを使用することもできるので、走行体の分岐・合流部を自由に構築することができる。
【0038】
前記のごとく、大断面のトンネルおよび小断面の二つの分岐トンネルの一次履工後、二次履工を行う。
【0039】
そして、大断面のトンネル内の駅部33には、図10および図11に示すように、トンネルの長さ方向に所定の間隔を置いて中柱34を建て、プラットホーム35を構築し、その両側には線路36を敷設する。また、分岐部37には図10および図12に示すように、二線路36,36間にX型にまたがる分岐38を構築する。さらに、小断面の二つのトンネル部39,40には、図10および図11に示すように、それぞれ単線の線路36を敷設する。
【0040】
以上の工事により、この実施例では駅部33、分岐部37および単線二線のトンネル部39,40を有する地下鉄を構築することができる。
【0041】
ついで、図14〜図25は地下高速道路用のトンネルを施工した場合の一例を示すもので、図14は掘削した地下高速道路用のトンネルの分流・合流模式図、図15はトンネルの一次履工時における図14のH−H′線,I−I′線およびJ−J′線の拡大断面図であって、この一次履工に使用する一体型セグメントの一例を示す図、図16、図17はそれぞれ一次履工に使用する一体型セグメントの他の例を示す図、図18、図19は同じく一次履工時における図14のK−K′線、L−L′線の拡大断面図、図20、図21および図22はトンネルの二次履工時における図14のH−H′線、I−I′線およびJ−J′線の拡大断面図、図23は大断面のトンネル内に非常駐車帯を設置した場合における図14のH−H′線の拡大断面図、図24、図25は同じく二次履工時における図14のK−K′線、L−L′線の拡大断面図である。
【0042】
これらの図に示す地下高速道路用のトンネルの掘削には、親シールド機の前部側における幅方向の中央部に第1分岐シールド機を、この第一分岐シールド機の幅方向の両側には第2、第3分岐シールド機をそれぞれ組み込んだシールド装置(図示省略)を用いる。
【0043】
前記シールド装置を使用して、図14に示す全体掘進部41では第1、第2および第3分岐シールド機のカッタフレームを同一方向に同期的に制御し、親シールド機により大断面のトンネルを掘進する。そして、前記大断面のトンネルの掘進と並行して、図15に示す中柱・中壁45およびタイバー46を有するいわゆる中柱タイバーセグメント44や、図16に示す中柱・中壁48を有するいわゆる中柱セグメント47、または図17に示すタイバー50を有するタイドアーチセグメント49を用いて一次履工を行う。
【0044】
前記全体掘進部41に続いて図14に示す分岐部42では、親シールド機を残置する。この残置親シールド機を、図14に符号51で示す。ついで、この分岐部42では第1、第2、第3分岐シールド機の同期制御を解除し、その第1、第2、第3分岐シールド機を独立に発進させる。そして、図14から分かるように、第1分岐シールド機により自動車用の本線トンネル52を、第2分岐シールド機により自動車用の分流トンネル53を、第3分岐シールド機により同じく自動車用の合流トンネル54をそれぞれ掘進する。
【0045】
前記本線トンネル52、分流トンネル53および合流トンネル54の掘進と並行して、図18、図19に示すように、本線トンネル52では一体型セグメントである本線用セグメント55を用い、分流トンネル53および合流トンネル54では一体型セグメントである分岐用セグメント56を用いてそれぞれ一次履工を行う。
【0046】
前記全体掘進部41の大断面のトンネル内には、図20に示すように、二次履工により第1本線57と、第2本線58と、第1予備室59と、第2予備室60とを設置する。
【0047】
また、前記大断面のトンネル内の図14に示す合流部61には、図21に示すように、二次履工により第1本線57から分岐する分流車線63を設置する。
【0048】
さらに、前記大断面のトンネル内の図14に示す合流部62には、図22に示すように、二次履工により第2本線58に合体する合流車線64を設置する。
【0049】
前記大断面のトンネル内には、図23に示すように、必要により第1本線57および第2本線58の傍らにそれぞれ非常駐車帯65,66を設置することもできる。
【0050】
続いて、図14に示す分岐部42には、図24に示すように、二次履工により本線トンネル52と分流トンネル53と合流トンネル54の周りに間詰コンクリート67を打設する。また、前記分岐部42には、二次履工により本線トンネル52の部分に第1、第2本線57,58を設置し、分流トンネル53の部分には分流車線63を設置し、合流トンネル54の部分には合流車線64を設置する。
【0051】
さらに、図14に示す分岐掘進部43においても、図25に示すように、二次履工により本線トンネル52内に第1、第2本線57,58を設置し、分流トンネル53内には分流車線63を設置し、合流トンネル54内には合流車線64を設置する。
【0052】
以上の工事により、第1、第2本線57,58と、分流車線63と、合流車線64とを有する地下高速道路を構築することができる。また、全体掘進部41に非常駐車帯65,66を設置することもできる。
【0053】
そして、これら図14〜図25に示す実施例においても、大断面のトンネルの掘進後、第1、第2、第3分岐シールド機の発進時に、カッタフレームを改造する必要がなく、また親シールド機のカッタフレームを撤去する必要がなく、さらに発進作業のため作業員が機外に出る必要がなく、さらには立坑を必要とすることなく、機内から連続して第1、第2、第3分岐シールド機を発進させることができる外、大断面の所定区域には中柱・中壁のない一体型セグメントを使用することもできるので、自動車の分岐車線や合流車線を自由に構築できるし、非常駐車帯も構築することができる。
【0054】
進んで、図26は同期金具の異なる本発明シールド装置の他の実施例を示す背面図、図27は図26の縦断側面図である。
【0055】
これら図26、図27に示す実施例では、親シールド機2のカッタフレームである残置部上、下カッタフレーム8,9と、第1分岐シールド機3のカッタフレーム10と、第2分岐シールド機4のカッタフレーム11とを、背面からみてほぼT字型の同期金具68により連結している。
【0056】
しかして、トンネルの全体掘進時に、前記同期金具68により前記残置部上、下カッタフレーム8,9およびカッタフレーム10,11を連結することによって、前記残置部上、下カッタフレーム8,9およびカッタフレーム10,11を同一方向に同期的に制御することができる。
【0057】
また、第1、第2分岐シールド機3,4の分岐発進時に、図26から分かるように、親シールド機2のカッタ駆動部13の回転駆動源16および第1、第2分岐シールド機3,4のカッタ駆動部14,15の回転駆動源16と、同期金具68とを各カップリング21の部分で切り離すことにより、機内作業で前記残置部上、下カッタフレーム8,9およびカッタフレーム10,11の同期制御を解除し、第1分岐シールド機3と第2分岐シールド機4とをそれぞれ独立に発進させることができる。
【0058】
この実施例の他の構成、作用については、前記図1〜図5に示す実施例と同様である。
【0059】
なお、本発明では親シールド機のカッタフレームと、分岐シールド機のカッタフレームとを同一方向に同期制御する手段は、図面に示す同期金具を用いて機械的に同期制御するものに限らず、電気的に同期制御するようにしてもよい。
【0060】
また、親シールド機の残置部カッタフレームにカッタ駆動部を設けなくとも、前記残置部カッタフレームを同期金具を介して分岐シールド機のカッタ駆動部に連結すれば、全体掘進時に分岐シールド機のカッタ駆動部により残置部カッタフレームを駆動することができる。
本実施例のシールド機には、セグメントを組立てるエレクターや排土装置、添加材注入構造などは図示していないが、これらは適宜取り付ける。
【0061】
さらに、一体型シールドのフード部を取り付けなければ、カッタフレームを同一断面内に配置することができる。なお、本実施例のシールド機にはセグメントを組立てるエレクターや排土装置、添加材注入機構などは特に図示していないが、これらは適宜取り付けられることは勿論である。
【0062】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明ではトンネルの全体掘進時には、親シールド機のカッタフレームと分岐シールド機のカッタフレームとを同一方向に同期的に制御し、各分岐シールド機によるトンネルの分岐掘進時には、親シールド機のカッタフレームと分岐シールド機のカッタフレームとの前記同期制御を機内側から解除可能に構成しており、親シールド機によるトンネルの全体掘進後、各分岐シールド機の発進時に、分岐シールド機のカッタフレームを改造する必要がないこと、親シールド機のカッタフレームを撤去する必要がないこと、また発進作業のため作業員が機外に出る必要がないこと、さらには、立坑を必要としないことが相俟ち、機内から各分岐シールド機を安全にかつ簡易に発進させ得る効果がある。
【0063】
また、本発明により全体掘進によって掘削された大断面のトンネルの所定区域には、中柱・中壁を持たない一体型セグメントを使用することもできるので、鉄道車両や自動車等の走行体の分岐・合流部を自由に構築し得る効果がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明シールド装置の一実施例を示すもので、トンネルの全体掘進時における正面図である。
【図2】図1に示すシールド装置の背面図である。
【図3】図1の横断平面図である。
【図4】図1に示すシールド装置において、トンネルの分岐掘進時における正面図である。
【図5】同トンネルの分岐掘進時における背面図である。
【図6】図1に示すシールド装置を用いて掘削した地下鉄用のトンネルの一次履工時の模式図である。
【図7】図6のA−A′線拡大断面図である。
【図8】図6のB−B′線拡大断面図である。
【図9】図6のC−C′線拡大断面図である。
【図10】同地下鉄用のトンネルの二次履工時の模式図である。
【図11】図10のD−D′線拡大断面図である。
【図12】図10のE−E′線拡大断面図である。
【図13】図10のF−F′線拡大断面図である。
【図14】本発明により地下高速道路用のトンネルを施工した場合におけるそのトンネルの分流・合流模式図である。
【図15】図14のH−H′線、I−I′線、およびJ−J′線拡大断面図であって、同トンネルの一次履工に使用する一体型セグメントの一例を示す図である。
【図16】同トンネルの一次履工に使用する一体型セグメントの他の例を示す図である。
【図17】同トンネルの一次履工に使用する一体型セグメントのさらに他の例を示す図である。
【図18】同トンネルの一次履工時における図14のK−K′線拡大断面図である。
【図19】同トンネルの一次履工時における図14のL−L′線拡大断面図である。
【図20】同トンネルの二次履工時における図14のH−H′線拡大断面図である。
【図21】同トンネルの二次履工時における図14のI−I′線拡大断面図である。
【図22】同トンネルの二次履工時における図14のJ−J′線拡大断面図である。
【図23】同トンネルの大断面図のトンネル内に非常駐車帯を設置した場合における図14のH−H′線拡大断面図である。
【図24】同トンネルの二次履工時における図14のK−K′線拡大断面図である。
【図25】同トンネルの二次履工時における図14のL−L′線拡大断面図である。
【図26】本発明は他の実施例を示すもので、同期金具の異なる実施例の背面図である。
【図27】図26の縦断側面図である。
【図28】従来技術により施工されたトンネルの断面図である。
【符号の説明】
1 シールド装置
2 親シールド機
第1、第2分岐シールド機
8,9 親シールド機のカッタフレームである残置部上、下カッタ
10,11 第1、第2分岐シールド機のカッタフレーム
13 親シールド機のカッタ駆動部
14、15 第1、第2分岐シールド機のカッタ駆動部
19 機内における同期金具取り付け用開口部
20 同期金具
21 カップリング
2′ 残置親シールド機
51 残置親シールド機
68 同期金具
Claims (1)
- 横長ほぼ楕円形のシールド機筒を備えてなる親シールド機内の両側に、円形の偏心多軸型からなり分離掘進可能な分岐シールド機がそれぞれ設けられ、かつ前記シールド機筒内の中央部の上下部分であって前記各分岐シールド機の間にそれぞれ偏心多軸型からなる残置部上下カッタフレームが設けられ、
トンネルの全体掘進時には、前記親シールド機の残置部上下カッタフレームと前記各分岐シールド機のカッタフレームとを同一方向に同期的に制御し、各分岐シールド機によるトンネルの分岐掘進時には、前記残置部上下カッタフレームと各分岐シールド機のカッタフレームとの同期制御を機内側から解除可能に構成したことを特徴とする偏心多軸型シールド機。
Priority Applications (1)
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JP13972298A JP4083289B2 (ja) | 1998-05-21 | 1998-05-21 | 偏心多軸型シールド装置 |
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JPH11324563A JPH11324563A (ja) | 1999-11-26 |
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