JP4081921B2 - 電子血圧計 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、人体の血圧を測定する血圧計に関するものであり、特に自動で非観血的に測定する電子血圧計に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来のこの種の電子血圧計は、腕や手首にカフを巻き付けカフに最高血圧以上の圧力を加えて血流を一時的に阻害した後に、徐々にカフの圧力を下げその過程で脈音が発生する時点と消失する時点の圧力から最高血圧値と最低血圧値を決定するコロトコフ音法や、同じくカフ圧の減圧過程における心拍に同期して発生するカフの微小な圧力変動の振幅の変化を用いて血圧値を決定するオシロメトリック法を用いて人体の血圧を決定するものが多かった。
【0003】
オシロメトリック法について図面を用いて説明する。図6(a)にカフの圧力変化、図6(b)に(a)の圧力変化からDC成分をカットして心臓の活動に伴なって発生する脈波に変換し、さらに、心臓の活動の一拍毎の振幅を算出した波形をそれぞれ示す。図6(a)に示すように、まずカフを最高血圧(SBP)以上に加圧し、そこから徐々に減圧していくと、図のように心臓の活動に起因する微小な圧力変化が現れるが、この微少な圧力変化のDC成分をカットして得られる脈波の振幅はカフ圧によって図6(b)のように変化する。カフの圧力を最高血圧以上の圧力から徐々に減圧していくと脈波の振幅は初めは増加していくが、これがある時点でピークを迎えた後は一転してカフの圧力の減少と共に振幅も減少していく。このカフの圧力と脈波の振幅の関係は人体の血圧値と強い相関があることが分かっており、統計的な調査の結果から、図6(b)のように、振幅が最大の時点より高いカフ圧において最大振幅に対してある割合の高さRhになる時点のカフの圧力値から最高血圧(SBP)を、さらに、最大振幅より低いカフ圧において最大振幅に対してある割合の高さRlになる時点のカフの圧力値から最低血圧(DBP)を決定している。なお、最高血圧や最低血圧を決定する際の最大振幅に対する割合は統計的に決定され、最高血圧では40%〜70%、最低血圧は50%〜80%が用いられる事が多い。
【0004】
さらに、これらの方法の測定精度向上を図るため、例えば、特開平3−151933号公報に記載されている電子血圧計では、上記のオシロメトリック法による血圧決定法に加え、カフ内の微小な圧力変化から得られる脈波の波形を用い、脈波の平坦部分を抽出して減圧測定において平坦部分が消失する点あるいは加圧測定において平坦部分が出現する点を最低血圧と決定している。この最低血圧の決定は、カフ圧が最高血圧よりも大きい場合は、血管が圧平されており(押し潰されており)、その区間は血管容積に変化がなく、心臓拡張期で脈波に変化のない部分(平坦部分)が生じ、また、カフ圧が最高血圧と最低血圧との間にある場合は、区間的にカフ圧より血管内圧が低いところがあり、そこでは血管が圧平されて脈波が平坦になり、更に、カフ圧が低くなり、最低血圧以下になると、血管はいずれの区間においても全く圧平されず、脈波の平坦部分は消失するというカフ圧の変化に伴ない発生する脈波の変化を用いて行っている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記従来の電子血圧計では、カフの減圧過程において脈音や圧力変動の振幅の変化、平坦部分の消失あるいは出現時点を用いているが、これらの変化はカフ圧の変化とは比例関係にはなく、従って、より正確な測定を行うためには減圧速度を下げてより多くのカフ圧に対し脈音や脈波を採取する必要があり、そのため、測定精度を維持したまま測定にかかる時間を短縮する事が困難であるという課題があった。
【0006】
【課題を解決するための手段】
本発明は上記課題を解決するため、人体の四肢に装着され内部の圧力変化によって装着部位の血液流動を阻害する加圧手段と、前記加圧手段に圧力を加える圧力発生手段と、前記加圧手段の圧力を徐々に減圧する微速排気弁と、前記加圧手段の圧力を検出する圧力検出手段と、前記加圧手段の近傍もしくは加圧手段より末梢側において心臓の活動によって生ずる脈波を検出する脈波検出手段と、脈波検出手段の出力波形から特徴となるパラメータを算出して出力する特徴値算出手段と、前記特徴値算出手段の出力と前記圧力検出手段の出力とにより前記人体の血圧値を決定する血圧値決定手段とからなり、前記特徴値算出手段は前記脈波検出手段の出力を心拍の一拍毎の波形に分割する波形分割手段と、前記波形分割手段により分割された波形の振幅を算出する振幅算出手段と、前記波形分割手段により分割された波形を前記振幅算出手段の出力で正規化して出力する波形正規化手段と、前記波形正規化手段の出力波形があらかじめ決められた値以上となる時間を算出する時間測定手段とを持ち、前記血圧値決定手段では前記特徴値算出手段の時間測定手段の出力の変化の開始点および終了点と圧力検出手段の出力とから前記人体の血圧値を決定するものである。
【0007】
上記発明によれば、時間測定手段の出力が、カフ圧が最高血圧と最低血圧の間にある時はカフ圧とほぼ比例関係にあり最高血圧以上あるいは最低血圧以下でははほとんど変化しないことを用いて、時間測定手段の出力の変化の開始点と終了点を求めて血圧値を算出するので、血圧値の算出に必要とするカフ圧と時間のデータ数を削減する事ができ、短い測定時間で正確な血圧を測定できる電子血圧計を提供できる。
【0008】
【発明の実施の形態】
本発明の請求項1にかかる電子血圧計は、人体の四肢に装着され内部の圧力変化によって装着部位の血液流動を阻害する加圧手段と、前記加圧手段に圧力を加える圧力発生手段と、前記加圧手段の圧力を徐々に減圧する微速排気弁と、前記加圧手段の圧力を検出する圧力検出手段と、前記加圧手段の近傍もしくは加圧手段より末梢側において心臓の活動によって生ずる脈波を検出する脈波検出手段と、脈波検出手段の出力波形から特徴となるパラメータを算出して出力する特徴値算出手段と、前記特徴値算出手段の出力と前記圧力検出手段の出力とにより前記人体の血圧値を決定する血圧値決定手段とからなり、前記特徴値算出手段は前記脈波検出手段の出力を心拍の一拍毎の波形に分割する波形分割手段と、前記波形分割手段により分割された波形の振幅を算出する振幅算出手段と、前記波形分割手段により分割された波形を前記振幅算出手段の出力で正規化して出力する波形正規化手段と、前記波形正規化手段の出力波形があらかじめ決められた値以上となる時間を算出する時間測定手段とを持ち、前記血圧値決定手段では前記特徴値算出手段の時間測定手段の出力の変化の開始点および終了点と圧力検出手段の出力とから前記人体の血圧値を決定する。
【0009】
そして、時間測定手段の出力が、カフ圧が最高血圧と最低血圧の間にある時はカフ圧とほぼ比例関係にあり最高血圧以上あるいは最低血圧以下でははほとんど変化しないことを用いて、時間測定手段の出力の変化の開始点と終了点を求めて血圧値を算出するので、血圧値の算出に必要とするカフ圧と時間のデータ数を削減する事ができ、短い測定時間で正確な血圧を測定できる。
【0010】
本発明の請求項2にかかる電子血圧計は特徴値算出手段は時間測定手段を複数持ち、波形正規化手段の出力波形がそれぞれ異なる値以上となる時間を測定して出力し、血圧値決定手段はこれら複数の時間測定手段の出力から人体の血圧値を決定する。
【0011】
そして、採取された脈波から複数の時間測定手段の複数の出力を用いて人体の血圧を決定するので、さらに短い測定時間で正確な血圧測定を実現できる。
【0016】
本発明の請求項3にかかる電子血圧計は、振幅算出手段は、波形分割手段の出力波形の最小値或いは最大値とその前後の値の少なくとも3点以上から決定される近似曲線を求めその最小値或いは最大値から両者の差を算出して出力する。
【0017】
そして、波形分割手段の分割した波形を正規化するために用いる振幅を算出する際に様々な誤差の影響を排除できるので、時間測定手段の測定精度を向上させることができ、従って、さらに短い測定時間で正確な血圧測定を実現できる。
【0020】
【実施例】
以下、本発明の実施例について図面を用いて説明する。
【0021】
(実施例1)
図1は本発明の実施例1における電子血圧計のブロック図、図2は波形正規化手段の出力と時間測定手段の測定する時間を示す波形図である。なお、本実施例の血圧計は人体の上腕部をカフを用いて加圧する上腕式電子血圧計の例を示す。図1において、1は人体の上腕を加圧する圧力印加手段であるカフ、2はカフ1に圧力を供給する加圧手段である加圧ポンプ、3はカフ2の圧力を徐々に減圧する微速排気弁、4は測定終了時や異常時に急速に開放しカフ圧を大気圧に戻す急速排気弁、5はカフ1内の圧力検出手段である圧力センサ、6は圧力センサ5の出力信号からDC成分をカットし心臓の活動に同期した微小な圧力変化を示す脈波を抽出して出力する脈波検出手段、7は脈波検出手段6が検出した脈波から血圧値算出に用いる特徴値を算出する特徴値算出手段、8は圧力センサ5の出力と特徴値算出手段7の出力とから人体の血圧値を決定する血圧値決定手段であり、また、これらの制御を司る制御手段9と測定の開始を指示するスタートボタン10、測定結果を表示するLCDからなる表示手段11である。これらのうちカフ1、加圧ポンプ2、微速排気弁3および急速排気弁4はゴム管12により空気圧がもれないように接続されている。さらに、特徴値検出手段7は脈波検出手段6の出力を心拍の1周期毎の波形に分割する波形分割手段13と、波形分割手段13の出力信号の振幅を算出する振幅算出手段14と、波形分割手段13の出力信号を振幅算出手段14が算出した振幅を用いて正規化して出力する波形正規化手段15と、波形正規化手段15の出力波形があらかじめ決められた値以上となる時間を算出する時間測定手段16とからなり、時間測定手段16の出力信号が血圧値決定手段8に出力される。
【0022】
次に動作、作用について説明する。血圧を測定する人体がカフ1を上腕の周囲に巻きつけスタートボタン10を押すと、制御手段9が加圧ポンプ2を動作させ、発生した圧力がゴム管12を通じてカフ1に供給されてカフ1が巻き付けられた人体の上腕部を加圧する。この時、制御手段9は圧力センサ5の出力をモニターし、カフ1の圧力が人体の最高血圧値より高くなるようにあらかじめ決められた加圧目標値を越えた場合に加圧ポンプ2の動作を停止して加圧を止め、微速排気弁3によりカフ1の圧力を徐々に減圧していく減圧動作に移行する。この時、圧力センサ5の出力には心臓の活動による血管の振動がカフ1に伝達されるため微小な圧力変化が現れ、脈波検出手段6が圧力センサ5の信号からDC成分を除去し脈動成分のみを取り出して脈波を抽出し特徴値算出手段7に出力している。特徴値算出手段7では、まず波形分割手段13が脈波検出手段6の検出した脈波を心臓の1拍毎の波形に分割し、振幅算出手段14が波形分割手段13により心臓の1拍毎の波形に分割された各波形の振幅を算出し、波形正規化手段15が波形分割手段13の出力波形を振幅算出手段14の算出した振幅で除して正規化し、時間測定手段16に出力している。時間測定手段16では、以下に示すようなカフ1の圧力と血圧値との大小関係により変化する波形正規化手段15の出力波形の変化を捉え、血圧値決定手段8に出力している。すなわち、カフ1の圧力が最高血圧以上の時は、カフ1の巻かれた上腕の血管は最高血圧より高い圧力で押さえられて完全に押しつぶされてしまうため血液が流れず、カフ1の圧力の微小な変動である脈波も図2(a)に示すような血管の心臓側から受ける圧力波のみによる鋭角的な波形を示す。次に、カフ1の圧力が最高血圧以下になると、カフ1の圧力が血圧より低い時間だけ血管に血液が流れ、この時の血液の体積分カフ1が圧迫されるため図2(b)に示すように血管に血液が流れる時間すなわち血圧よりカフ1の圧力が低い時間の長さに応じて脈波の最大値付近の波形が広がった波形となっていく。このような波形の変化はカフ1の圧力が低下し、カフ1直下の血管に血液が流れる時間の延長にしたがって広がってゆくが、カフ1の圧力が最低血圧以下になると常に血管に血液が流れるため図2(c)に示すように波形の最大値から直線的になだらかに減少する波形となり、カフ1の圧力が変化しても波形はほとんど変化しなくなる。本実施例では、時間測定手段16がこのような波形の変化を振り幅の60%の高さ以上となる時間Tを測定して出力している。図3(a)に時間測定手段16の出力とカフ圧の関係図を示す。最高血圧(SBP)以上ではほぼ一定でわずかにカフ1の圧力の低下に伴って小さくなる傾向があるが、SBP以下になるとカフ1の圧力の低下と共に急激に時間が長くなり最低血圧(図中DBP)以下になると時間の増加は止まりカフ1の圧力が低下してもほとんど変化がない。本実施例では、このような時間測定手段16の出力を、カフ1の圧力が高く時間測定手段16の出力の変動が少ないグループA、カフ1の圧力の変化に伴って時間測定手段16の出力値が長くなるように変化しているグループB、カフ1の圧力が低く時間測定手段16の出力の変動が少ないグループCの3つに分類し、それぞれについてカフ1の圧力と時間測定手段16の出力との回帰直線を求め、Aの直線とBの直線の交点となるカフ1の圧力を最高血圧、Bの直線とCの直線の交点となるカフ1の圧力を最低血圧として表示器11に出力している。
【0023】
図3(a)では従来の血圧計のようにゆっくりと減圧してカフ1の圧力の最大値から人体の最低血圧以下となるまで16点のカフ1の圧力と時間測定手段16の出力とで最高血圧と最低血圧を決定した例を示したが、図3(b)ではカフの減圧速度を図3(a)の倍に設定し、データを半数の8点とした場合を示している。図のようにA,B,Cの3本の直線はほとんど変化せず、従って、算出される最高血圧と最低血圧もほとんど変化しない。すなわち、従来の血圧計のように減圧速度を上げても精度の低下が少なく、測定精度を低下させることなく測定時間の短縮を実現する事が可能である。
【0024】
血圧値決定手段8では、上記に示す方法を用いて人体の最高血圧と最低血圧を決定して制御手段9に出力し、制御手段9は血圧値を表示手段11に表示させると共に、急速排気弁4を開放しカフ1の圧力を大気圧まで急速に低下させ、測定終了を人体に知らせている。
【0025】
上記のように、本実施例の電子血圧計は、カフ1の圧力と血圧値との大小関係に応じて変化する脈波波形の特徴を時間測定手段16で抽出し、圧力センサ5の出力と、時間測定手段16の出力とから人体の血圧値を決定するので、測定精度を低下させることなく測定時間の短縮を実現することができる。
【0026】
なお、本実施例では、時間測定手段16が波形正規化手段15の出力波形における振幅の60%を越える時間を計測して出力しているが、30%〜80%の高さの範囲なら同様な処理が可能である。ただし、振り幅の40%〜70%が精度の面でより望ましい。
【0027】
また、本実施例では時間測定手段を一つ設けているが、複数の時間測定手段を設けそれぞれ異なる高さ以上となる時間を測定し、これらの複数の測定結果を用いて血圧の決定をしてもよい。この場合、測定精度を更に上げる事が可能となり、結果として測定時間を更に短縮する事も可能となる。
【0028】
また、本実施例では振幅算出手段が波形分割手段により分割された各波形の振り幅を算出する際、単純に最小値と最大値の差を取るのではなく、最大値或いは最小値とその前後0.025秒間の計0.05秒間の波形データを用い、これらの波形データから2次の多項式による近似曲線を求め、その極大値或いは極小値の差から振幅を求めている。これによりノイズの影響を受けずに正確な振幅を算出でき、時間測定手段の測定時間の精度も向上させる事ができる。なお、ここでは近似式作成に用いるデータを最大値或いは最小値を中心とする0.05秒間の波形データを用い2次の多項式近似曲線を求めているが、時間幅やデータ数は少なくとも最大値又は最小値を含みその前後の点を含んでおれば算出は可能で、近似式の形式も他に適当なものがあれば適宜選択して用いればよく、これらを限定する事を発明の趣旨とするものではない。
【0029】
また、本実施例では人体の上腕にカフを巻きつけて血圧を測定する上腕式血圧計に適用した例を示しているが、手首や指、又は上肢に限らず太股や足首など下肢で血圧を測定する血圧計でも同じ効果が得られる。
【0030】
また、本実施例ではカフ1の圧力の微小な圧力変動から脈波を採取しているが、血液による光の吸収を利用した光電脈波や皮膚表面の振動を振動センサで採取する圧脈波を採取して血圧を算出してもよい。
【0031】
また、本実施例では、時間測定手段16の出力と圧力測定手段5の出力を3グループに分けそれぞれの近似直線を求めることによって血圧値を決定しているが、グループ分けをせずすべての点から近似曲線を求めてその変極点等の曲線の式から算術的に求められる値から血圧値を決定する構成でもよい。
【0032】
さらに、本実施例では時間計測手段16の出力と圧力センサ5の出力のみで人体の血圧値を決定しているが、振幅算出手段14の出力する脈波の振幅の変化を用いてオシロメトリック法による血圧値算出も合わせて行い、両者の結果を併記したり、両者の平均を持って血圧値として決定してもよく、これにより、ばらつきをおさえることができる。さらに、両者の血圧値が大きく異なっていた場合は、脈波波形の採取時に人体に体動が発生した場合などの大きなノイズ等が混入した場合と考えられるので、それを報知したり再度測定し直すように促すような表示をしてもよい。
【0033】
また、表示器11は装置に直接取り付けられる必要はなく、制御手段9が有線又は無線通信により他の機器に血圧値を送信し、そちらで表示させた記憶された過去の血圧値と共に表示してその推移を確認できるようにするなどしてもよい。
【0034】
また、微速排気弁3は排気速度が加圧ポンプによる加圧速度より十分遅い場合は、制御手段9による制御を受けずカフ1に圧力が加えられている時は常に一定の速度で空気を排気する構成でもよい。
【0035】
(実施例2)
図4は本発明の実施例2の電子血圧計のブロック図、図5は波形正規化手段の出力と時間測定手段および増加時間測定手段の測定する時間を示す波形図である。
【0036】
本実施例2において、実施例1と異なる点は時間計測手段16の他に増加時間計測手段17を持ち、血圧値決定手段8では時間計測手段16の出力と増加時間測定手段17の出力と圧力センサ5の出力とから人体の血圧値を算出する点にある。
【0037】
なお、実施例1と同一符号のものは同一構造を有し、説明は省略する。
【0038】
次に動作、作用を説明する。図5は波形正規化手段の出力で図5(a)はカフ1の圧力が最高血圧以上でカフ1直下にある血管が押しつぶされて血液が全く流れない状態、図5(b)はカフ1の圧力が最高血圧から最低血圧の間にあり、カフ1の圧力が血圧より低い時に限りカフ1直下にある血管に血液が流れる状態、図5(c)はカフ1の圧力が最低血圧以下でカフ直下にある血管に常に血液が流れている状態である。これを見ると図2と同様、カフ1の圧力が徐々に低下して血管に血液が流れる時間が多くなると共に振幅の60%以上となる時間は増加しているが、Tupで示される波形の最小値から最大値に至るまでに経過する時間もわずかながら増加する傾向にある。この増加もTと同様にカフ1の圧力とは比較的比例関係に近く、この値を時間測定手段16の出力の値に加えて用いる事によってさらに血圧値の測定精度を向上させる事が出来る。本実施例では増加時間測定手段17によりTupの値を測定して血圧値決定手段8に出力し、血圧値決定手段8では増加時間算出手段17の出力と時間測定手段16の出力との二乗和を算出して血圧値決定に用いている。この算出結果を用いて血圧値を決定するための血圧値決定手段8における処理は実施例1とほとんど同様であるが、上記処理により出力値からノイズの影響を減ずる事ができ、さらに精度のよい血圧値決定や測定時間の短縮を図る事が可能となる。
【0039】
上記に示すように本発明の電子血圧計は、精度の低下を起こす事なく従来よりも短時間で測定できるので、カフの加圧による圧迫感を減じる事ができ、手軽に計測できる電子血圧計を提供できる。
【0040】
【発明の効果】
以上説明したように本発明の請求項1に係る電子血圧計は、時間測定手段が測定する時間が、カフ圧が最高血圧と最低血圧の間にある時はカフ圧とほぼ比例関係にあり最高血圧以上あるいは最低血圧以下でははほとんど変化しないことを用いて、時間の変化の開始点と終了点を求めて血圧値を算出するので、血圧値の算出に必要とするカフ圧と時間のデータ数を削減する事ができ、短い測定時間で正確な血圧を測定できるという効果がある。
【0041】
また、請求項2に係る電子血圧計は、採取された脈波から複数の時間測定手段が測定した複数の時間を用いて人体の血圧を決定するので、さらに短い測定時間で正確な血圧測定を実現できるという効果がある。
【0044】
また、請求項3に係る電子血圧計は、波形分割手段の分割した波形を正規化するために用いる振幅を算出する際に様々な誤差の影響を排除できるので、時間測定手段の測定精度を向上させることができ、従って、さらに短い測定時間で正確な血圧測定を実現できるという効果がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施例1における電子血圧計のブロック図
【図2】(a)同電子血圧計の波形正規化手段のカフの圧力が最高血圧以上の場合の出力波形図
(b)同電子血圧計の波形正規化手段のカフの圧力が最高血圧以下かつ最低血圧以上の場合の出力波形図
(c)同電子血圧計の波形正規化手段のカフの圧力が最低血圧以下の場合の出力波形図
【図3】同電子血圧計の圧力センサの値に対する時間測定手段の出力図
【図4】本発明の実施例2における電子血圧計のブロック図
【図5】(a)同電子血圧計の波形正規化手段のカフの圧力が最高血圧以上の場合の出力波形図
(b)同電子血圧計の波形正規化手段のカフの圧力が最高血圧以下かつ最低血圧以上の場合の出力波形図
(c)同電子血圧計の波形正規化手段のカフの圧力が最低血圧以下の場合の出力波形図
【図6】(a)従来の電子血圧計のオシロメトリック法による血圧値決定法の説明図
(b)従来の電子血圧計のオシロメトリック法による血圧値決定法の説明図
【符号の説明】
1 カフ(圧力印加手段)
2 加圧ポンプ(加圧手段)
3 微速排気弁
5 圧力センサ(圧力検出手段)
6 脈波検出手段
7 特徴値算出手段
8 血圧値決定手段
13 波形分割手段
14 振幅算出手段
15 波形正規化手段
16 時間測定手段
17 増加時間測定手段
Claims (3)
- 人体の四肢に装着され内部の圧力変化によって装着部位の血液流動を阻害する加圧手段と、前記加圧手段に圧力を加える圧力発生手段と、前記加圧手段の圧力を徐々に減圧する微速排気弁と、前記加圧手段の圧力を検出する圧力検出手段と、前記加圧手段の近傍もしくは加圧手段より末梢側において心臓の活動によって生ずる脈波を検出する脈波検出手段と、脈波検出手段の出力波形から特徴となるパラメータを算出して出力する特徴値算出手段と、前記特徴値算出手段の出力と前記圧力検出手段の出力とにより前記人体の血圧値を決定する血圧値決定手段とからなり、前記特徴値算出手段は前記脈波検出手段の出力を心拍の一拍毎の波形に分割する波形分割手段と、前記波形分割手段により分割された波形の振幅を算出する振幅算出手段と、前記波形分割手段により分割された波形を前記振幅算出手段の出力で正規化して出力する波形正規化手段と、前記波形正規化手段の出力波形があらかじめ決められた値以上となる時間を算出する時間測定手段とを持ち、前記血圧値決定手段では前記特徴値算出手段の時間測定手段の出力の変化の開始点および終了点と圧力検出手段の出力とから前記人体の血圧値を決定する電子血圧計。
- 人体の四肢に装着され内部の圧力変化によって装着部位の血液流動を阻害する加圧手段と、前記加圧手段に圧力を加える圧力発生手段と、前記加圧手段の圧力を徐々に減圧する微速排気弁と、前記加圧手段の圧力を検出する圧力検出手段と、前記加圧手段の近傍もしくは加圧手段より末梢側において心臓の活動によって生ずる脈波を検出する脈波検出手段と、脈波検出手段の出力波形から特徴となるパラメータを算出して出力する特徴値算出手段と、前記特徴値算出手段の出力と前記圧力検出手段の出力とにより前記人体の血圧値を決定する血圧値決定手段とからなり、前記特徴値算出手段は前記脈波検出手段の出力を心拍の一拍毎の波形に分割する波形分割手段と、前記波形分割手段により分割された波形の振幅を算出する振幅算出手段と、前記波形分割手段により分割された波形を前記振幅算出手段の出力で正規化して出力する波形正規化手段と、前記波形正規化手段の出力波形があらかじめ決められた値以上となる時間を算出する時間測定手段とを持ち、前記血圧値決定手段では前記特徴値算出手段の時間測定手段の出力と圧力検出手段の出力とから前記人体の血圧値を決定する電子血圧計であって、特徴値算出手段は時間測定手段を複数持ち、波形正規化手段の出力波形がそれぞれ異なる値以上となる時間を測定して出力し、血圧値決定手段はこれら複数の時間測定手段の出力と圧力検出手段の出力とから人体の血圧値を決定する請求項1記載の電子血圧計。
- 振幅算出手段は、波形分割手段の出力波形の最小値或いは最大値とその前後の値の少なくとも3点以上から決定される近似曲線を求めその最小値或いは最大値から両者の差を算出して出力する請求項1乃至2のいずれか1項に記載の電子血圧計。
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