JP4080625B2 - 浸水検知センサおよび浸水検知ユニット - Google Patents

浸水検知センサおよび浸水検知ユニット Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、マンホール、ハンドホール、穴等の監視対象空間の浸水を検知する浸水検知センサおよび浸水検知ユニットに関するものである。
【0002】
【従来の技術】
例えば、管路網への光ケーブルの布設では、管路網を構成する管路に連通させて形成したマンホール、ハンドホール等の縦坑内に、光ケーブルの分岐接続用のクロージャが設置されることが一般的である。このクロージャは水濡れに弱い光接続部等を収納するため優れた防水性を有するものの、マンホールやハンドホールは、浸水によってクロージャが水没しないように管理して、クロージャ内への浸水を確実に防止したい要求がある。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、これまで、マンホール、ハンドホール等の縦坑の浸水は管理されておらず、光接続部等の保護はクロージャの防水性能に頼っていることが現状であり、また、マンホール、ハンドホール等の縦坑の浸水を検知する適当な技術も無かった。光ケーブルが布設された管路網に設けられた多数のマンホール、ハンドホール等について、浸水を常時監視するための技術も無かった。
また、クロージャ内に設置した浸水検知センサによりクロージャ内への浸水を検知する技術も提案されているが、しかし、これでは、クロージャ内への浸水という異常事態が発生しなければ検知できず、マンホール、ハンドホール等の浸水管理用センサとしては不適切であり、光線路網の異常回避管理用センサとしても不向きであった。
【0004】
本発明は、前述の課題に鑑みてなされたもので、マンホール、ハンドホール、穴等の監視対象空間の浸水を効率良く検知でき、しかも、これら監視対象空間から離れた所からでも浸水の有無を常時監視でき、監視効率が向上する浸水検知センサおよび浸水検知ユニットを提供することを目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】
本発明は、マンホール、ハンドホール、穴等の監視対象空間の浸水を検知する浸水検知センサであって、前記監視対象空間内に、該監視対象空間に引き込まれた光ケーブルに組み立てられたクロージャと、該クロージャの外側に配置されたセンサユニットとが設置され、前記光ケーブルから分岐され該クロージャから外側へ引き出された検知用光ファイバが前記センサユニットに引き込まれてなり、前記センサユニットは、前記監視対象空間内の浸水によって浮上する浮きを有する浸水検知部と、前記浮きの浮力によって駆動されて前記検知用光ファイバに曲げや伸び歪み等の変形を与える光ファイバ変形部とを備え、異なるセンサユニットの前記検知用光ファイバ同士が互いに接続されて、光パルス試験器に対して直列に接続され、前記浸水検知部は、前記監視対象空間内への浸水水位が、予め設定された検知水位に到達したときに、前記光ファイバ変形部における検知用光ファイバの曲げ変形が、光損失が増大する程度に達するように構成されていることを特徴とする浸水検知センサを前記課題の解決手段とした。
この浸水検知センサによれば、監視対象空間の浸水によって、センサユニットの浮きが浮上し、この浮きの浮力によって駆動された光ファイバ変形部が検知用光ファイバに曲げや伸び歪み等の変形を与える。監視対象空間に浸水が無ければ、光ファイバ変形部から検知用光ファイバへの変形力の作用は無い。
光ファイバ変形部では、光ファイバを破断させる必要は無い。また、浮きを浮上前の元の位置に戻すだけで再利用可能とすることが容易である。光ファイバも、変形前の状態に戻して光特性に影響が無ければ、再利用可能である。
【0006】
ところで、周知の通り、光ファイバへ光を入射すると、光ファイバ密度の僅かな不均一等により生じるレイリー散乱光、光ファイバ断線位置やコネクタ接続箇所からの反射光(フレネル反射光等)、並びに、光ファイバの伸び歪み等によって生じた散乱光(ブリルアン散乱光等)の後方散乱光等が戻り光として、入射端に戻ってくることが知られている。また、光ファイバの曲げ変形箇所や融着接続部等の接続点では、光損失が生じ、戻り光の強度が低下することも知られている。光パルス試験器は、光ファイバへの試験光の入射から、光パルス試験器での戻り光の受光までの時間(以下「戻り時間」)から、光ファイバの断線位置や光ファイバの歪み箇所等の位置(光パルス試験器からの距離)を把握することができる。
光ファイバに曲げ変形等が無い状態では、光ファイバ全長から光ファイバ固有のレイリー散乱光が戻り光として観測されるが、例えば、光ファイバの曲げによって損失が増大すると、曲げ変形箇所以後、光パルス試験器から遠い光ファイバからのレイリー散乱光の強度が、前記曲げ変形箇所を境にして急激に低下することから、光ファイバの曲げ変形発生を把握できる。また、戻り光強度が急低下する箇所、すなわち曲げ変形箇所の位置を戻り光の戻り時間から把握できる。
光ファイバの伸び歪みは、ブリルアン散乱光の観測により検出でき、また、ブリルアン散乱光の戻り時間から伸び歪みの生じた位置(光パルス試験器からの距離)の特定が可能である。
【0007】
本発明の浸水検知センサでは、光パルス試験器から光ケーブルを介して検知用光ファイバへ光が入射される。監視対象空間の浸水が無く、光ファイバ変形部による変形が検知用光ファイバに与えられていなければ、光ファイバ変形部による検知用光ファイバの変形に起因する損失増大や入射光の散乱は無く、検知用光ファイバの光ファイバ変形部によって変形される箇所から光パルス試験器への戻り光として、検知用光ファイバ固有の微小な歪み等によって生じるレイリー散乱光の後方散乱光のみが観測される。監視対象空間が浸水して光ファイバ変形部によって検知用光ファイバに変形が与えられれば、この変形箇所にて、検知用光ファイバに損失増大や入射光の散乱が生じ(光ファイバの曲げでは損失の増大、光ファイバの伸び歪みではブリルアン散乱光が生じる)、前記損失増大による戻り強度の低下や散乱光の後方散乱光が光パルス試験器にて観測される。これにより、光パルス試験器にて、監視対象空間の浸水を把握できる。
なお、歪みが与えられた光ファイバに試験光を入射した時に生じる後方散乱光の一つであるブリルアン散乱光の波長は、光ファイバに入射した試験光の波長からずれており、レイリー散乱光とは容易に区別できる。また、このブリルアン散乱光の入射光に対する周波数シフト量から、光ファイバの歪み量を把握することができる。
【0008】
この浸水検知センサでは、複数のセンサユニットの検知用光ファイバを光パルス試験器に対して接続しているため、1台の光パルス試験器によって、複数箇所の浸水を同時に監視できる。また、複数のセンサユニットの検知用光ファイバを、光パルス試験器に対して直列に接続しているため、各センサユニットを光パルス試験器に接続するための光線路は1本で済み、単純構成とすることができる。例えば、管路内への浸水検知センサの複数設置では、管路内に引き通す光ファイバは1心で済み、布設のために確保するスペースは少なくて済む。
【0009】
請求項2記載の発明は、請求項1記載の浸水検知センサにおいて、前記浸水検知部が、筒状のガイド部(4a)を備え、前記浮きは、前記浸水によって前記ガイド部内でこのガイド部に沿って浮上して前記光ファイバ変形部を駆動可能であり、かつ前記ガイド部の軸方向に沿って複数に分割されていることを特徴とする。
【0010】
請求項3記載の発明は、請求項1または2記載の浸水検知センサにおいて、前記クロージャにて、前記検知用光ファイバの一端を前記光パルス試験器側の光ケーブルと接続し、前記検知用光ファイバの他端を光パルス試験器から遠い側の別のセンサユニット側の検知用光ファイバが接続されている光ケーブルと接続することで、これら光ケーブルを介して複数の検知用光ファイバが前記光パルス試験器に対して接続されていることを特徴とする。この発明によれば、複数のセンサユニットの検知用光ファイバが光ケーブルを介して前記光パルス試験器に対して直列に接続される。光ケーブル長手方向に離間して設けられたクロージャ毎に設置したセンサユニットの検知用光ファイバ同士を接続する光線路として、光ケーブル内の光ファイバを利用するから、検知用光ファイバ同士を接続する光線路として光ファイバを別途布設する必要は無い。
【0011】
【発明の実施の形態】
以下本発明の1実施の形態の浸水検知センサ1を、図1から図4を参照して説明する。
図1は本実施の形態の浸水検知センサ1を示す光配線図、図2はハンドホール2内におけるクロージャ3およびセンサユニット4の設置状態を示す斜視図、図3はクロージャ3を示す斜視図、図4は浸水検知ユニットであるセンサユニット4を示す斜視図である。
【0012】
図1において、符号5は光パルス試験器(いわゆるOTDR。図1中、光試験装置)、6は心線選択装置(図1中「SW」)、7a,7b,7cは光ケーブルである。
光ケーブル7a,7b,7cはいずれも管路布設されており、管路の途中に設けられた監視対象空間としてのハンドホール2内に設置されたクロージャ3を介して互いに接続されている。光ケーブル7a,7b,7cはいずれも多心であり、各クロージャ3では、これら光ケーブル7a,7b,7c内蔵の光ファイバ8(光ファイバ心線や光コード等)同士が、融着接続部や光コネクタ等からなる光接続部9を介して接続されている。
本実施の形態においては、光ケーブル7a,7b,7cの光ファイバ8同士の接続は、1対1接続を基本とするが、これに限定されず、例えば、光スプリッタを介して1本の光ファイバ8に対して別の光ファイバ8を複数本接続することも可能である。
【0013】
心線選択装置6は、光パルス試験器5側の光ファイバ5aを、光ケーブル7aの複数本の光ファイバ8に対して選択的に接続する。光パルス試験器5は、光ファイバ5aを介して、この光ファイバ5aに接続された光ファイバ8に試験光を入射し、その戻り光を観測する。
光パルス試験器5は、光ケーブル7aの光ファイバ8と、これに接続されている光ファイバ等からなる光線路全線から、入射光の戻り光を受光する。この戻り光の観測結果から、光損失増大箇所の光ファイバの曲げや融着接続部等の存在、フレネル反射光等の反射光の発生箇所の光ファイバの破断やコネクタ接続の存在を把握できる。また、戻り光の戻り時間から、損失増大箇所や反射光発生箇所の位置(光パルス試験器5からの距離)を把握できる。
【0014】
図1および図2に示すように、監視対象空間としてのハンドホール2内では、光ケーブル7a、7b、7cから分岐してクロージャ3から外側へ引き出された検知用光ファイバ10が、前記クロージャ3とともにハンドホール2内に設置されたセンサユニット4に引き込まれている。また、
図1および図4に示すように、検知用光ファイバ10は、センサユニット4の光ファイバ変形部4d内に引き込まれてループ状に配線される。
【0015】
図2は光パルス試験器5に最も近いハンドホール2内におけるクロージャ3やセンサユニット4の設置状態、図3は、図2のクロージャ3の内部構造を示す。
図1および図3に示すように、検知用光ファイバ10の一端は、前記クロージャ3内にて光パルス試験器5側の光ケーブル7aの光ファイバ8と接続し、検知用光ファイバ10の他端は、光パルス試験器5から遠い側の別のセンサユニット4側の検知用光ファイバ10が接続されている光ケーブル7bの光ファイバ8とクロージャ3内にて接続されている。光ケーブル7a、7bの光ファイバ8と検知用光ファイバ10との間の光接続部11(融着接続部、光コネクタ等)は、光ケーブル7a、7bの光ファイバ8同士の光接続部9とともに、クロージャ3内にて防水性を確保して収納されている。これにより、検知用光ファイバ10が、光ケーブル7a、7bの光ファイバ8間に割り込ませるようにして接続される。
図2に示したセンサユニット4の隣のセンサユニット4(光パルス試験器5から遠い側のセンサユニット4)についても同様であり、光ケーブル7b、7cの光ファイバ8間に割り込ませるようにして接続された検知用光ファイバ10を光ファイバ変形部4dに引き込んで構成されている。
【0016】
図1中示していないが、光ケーブル7a、7b、7c…を介して光パルス試験器5と接続されている光線路の光ケーブル7cよりもさらに光パルス試験器5から遠い箇所にも、センサユニット4が接続されている。このセンサユニット4の設置場所である監視対象空間としては、ハンドホール2に限定されず、管路途中の凹所やマンホール、管渠、建物下の空間、その他の各種掘削穴内等、各種構成が採用される。
光パルス試験器5から最も遠いセンサユニット4の検知用光ファイバ10は、一端のみが光ケーブルの光ファイバに接続される。これにより、各センサユニット4の検知用光ファイバ10は、光ケーブル7a、7b、7c…を介して(詳細には、これら光ケーブルの光ファイバを介して)前記光パルス試験器5に対して直列に接続される。
各検知用光ファイバ10はクロージャ3にて光ケーブル7a、7b、7c…に対して適宜分岐接続すれば良く、複数のセンサユニット4の検知用光ファイバ10を光パルス試験器5と接続するための光線路を光ケーブル7a、7b、7c…に沿って別途布設する必要は無いので、検知用光ファイバ10を含むセンサユニット4の設置作業性を向上できる。検知用光ファイバ10を光パルス試験器5と接続するための光線路の別途布設が無いことは、管路等での光ケーブル7a、7b、7c…の布設作業に影響したり、光ケーブル7a、7b、7c…の心数(太さ)に制限を生じるといった不都合も回避できる点で有利である。
【0017】
検知用光ファイバ10は、単心光ファイバで良く、光ケーブル7a、7b、7c…の光ファイバ8の内、検知用光ファイバ10との接続に割り当てる光ファイバ8(説明の便宜上、符号8aを付す)も、1本の単心光ファイバであれば良い。このため、検知用光ファイバ10との接続に割り当てる光ファイバ8を確保するために光ケーブル7a、7b、7c…の心数を大幅に増大する等の必要は無く、例えば、通信回線として使用しない空きの光ファイバ8を検知用光ファイバ10との接続に割り当てれば足りる。
【0018】
図3に示すように、光接続部9、11は、クロージャ3内に上下に多段に設置されたトレー3aの内、比較的上部のトレー3a上に支持されている。下段のトレー3aには、浸水検知センサ3bが設置されている。この浸水検知センサ3bは、図3中詳細な構成を図示しないが、クロージャ3内の浸水に対応して、光ファイバ8(説明の便宜上、以下、符号8bを付す)に曲げ変形を与えるものであり、各種構成が採用可能である。例えば、浸水によって浮上する浮きの浮力を利用して光ファイバ8bに曲げ変形を与えるものや、吸湿膨潤材の吸水膨張を利用して光ファイバ8bに曲げ変形を与えるもの等が採用可能である。
【0019】
浸水検知センサ3aに引き込まれた光ファイバ8bは、各クロージャ3内にて互いに接続され、光パルス試験器5に対して直列になっている。これら浸水検知センサ3aが接続されているクロージャ内部浸水監視用の光線路を構成する光ファイバ8bは単心で良く、この光線路に対する光パルス試験器5からの入射光の戻り光を観測することで、各クロージャ3の内部の浸水の有無を監視できる。すなわち、クロージャ3内の浸水が無い状態では、いずれの浸水検知センサ3bでも光ファイバ8bの曲げ変形は無く、光パルス試験器5では、浸水検知センサ3bにおける光ファイバ8bの曲げ変形に伴う損失増大は観測されない。しかし、クロージャ3内の浸水によって、浸水検知センサ3bに引き込まれている光ファイバ8bに曲げ変形が与えられると、光パルス試験器5にて損失増大が観測される。戻り光の戻り時間から損失増大箇所の位置(光パルス試験器5からの距離)を把握できるから、これにより、浸水が生じたクロージャ3を特定できる。
なお、浸水検知センサ3bの設置位置は、トレー3a上に限定されず、適宜選択可能である。但し、クロージャ3内の浸水を迅速に検知する必要から、設置位置は、クロージャ3下部であることが好ましい。
【0020】
図1および図4に示すように、センサユニット4は、上下に延びるガイド部4aに沿って昇降自在の浮き4bを備えてなる浸水検知部4cと、ハンドホール2内の浸水によって浮上した前記浮き4bの浮力によって駆動されて検知用光ファイバ10に曲げや伸び歪み等の変形を与える光ファイバ変形部4dとを備えて構成されている。図4において、光ファイバ変形部4dは、ハンドホール2内の浸水によって浮上した浮き4bによって上方へ押し上げられる押圧ブロック4eの突出部4fが受け部材4gの凹所4hに入り込むことで、押圧ブロック突出部4fと受け部材凹所4hとの間に挟み込んだ検知用光ファイバ10に曲げ変形を与える曲げ機構4iを備えている。この曲げ機構4iを外側から覆うカバー4j内には、当該光ファイバ変形部4dに引き込んだ検知用光ファイバ10の余長をも湾曲収納し、この検知用光ファイバ10の前記曲げ機構4iに引き込んだ箇所以外に曲げ変形が与えられることを防止している。また、クロージャ3と光ファイバ変形部4dとの間においては、検知用光ファイバ10を保護ホース12内に収納して、曲げ変形や浸水から保護している。クロージャ3並びに光ファイバ変形部4dにも防水性が確保されており、これらクロージャ3や光ファイバ変形部4dの前記保護ホース12が導入されている口元も防水継手13(図4参照)等により、防水性が確保される。
このセンサユニット4は、浸水検知部4c並びに光ファイバ変形部4dが単純構成であるから、低コスト化、小型化が容易である。
なお、光ファイバ変形部の機構としては、前述に限定されず、各種変更が可能であることは言うまでも無い。
【0021】
この浸水検知センサ1によれば、各センサユニット4の検知用光ファイバ10が接続されている光線路に対する光パルス試験器5からの入射光の戻り光を観測し、光ファイバ変形部4dによる光ファイバ8の曲げ変形に伴う損失増大を検出することで、ハンドホール2等の監視対象空間内の浸水を把握できる。すなわち、監視対象空間内の浸水が無い状態では、いずれのセンサユニット4の光ファイバ変形部4dでも検知用光ファイバ10の曲げ変形は無く、光パルス試験器5では、光ファイバ変形部4dによる光ファイバ8の曲げ変形に伴う損失増大は観測されない。しかし、監視対象空間内の浸水によって、光ファイバ変形部4dに引き込まれている検知用光ファイバ10に曲げ変形が与えられると、光パルス試験器5にて損失増大が観測される。戻り光の戻り時間から損失増大箇所の位置(光パルス試験器5からの距離)を把握できるから、これにより、浸水した監視対象空間を特定できる。
【0022】
検知用光ファイバ10の光ファイバ変形部4d内に収納される部分、特に曲げ機構4iにセットされる部分は、曲げ変形を受けやすい光ファイバ心線や、光コード等になっている。また、浸水検知部4cのガイド部4aは、側面に開口されたスリット4kから内部への水の侵入を許容する長尺筒状であり、監視対象空間内に立設されており、前記曲げ機構4iは、ガイド部4a内に収納された浮き4bの、監視対象空間内の浸水の水位に対応した上昇によって、検知用光ファイバ10の曲げ程度が変化(浸水水位が高い程、検知用光ファイバ10の曲げが大きくなる)するようになっている。検知用光ファイバ10に光伝送に影響するような曲げが与えられると、光パルス試験器5にて観測される戻り光強度の低下から、検知用光ファイバ10の曲げ変形による光損失の急激な増大が検出され、浸水が検知される。センサユニット4は、浸水検知部4cにて検知される浸水水位が設定された検知水位に到達したときに、曲げ機構4iによる検知用光ファイバ10の曲げ変形が光損失が増大する程度に達するように構成される。前記検知水位は、ハンドホール2の底面と一致させても良いが、例えば、ハンドホール2底面よりも若干上に設定して、一過性の僅かな浸水は検知しないようにすることも可能である。
なお、筒状のガイド部4a内に収納された浮き4bは、ガイド部4a軸方向に沿って複数に分割されている。これにより、例えば、監視対象空間内に落下した土砂等に下部の浮き4bが埋没して浮上が困難になったとしても、上部の浮き4bが浮上することで監視対象空間内の浸水を確実に検知できる。
【0023】
心線選択装置6(図1参照)における光ファイバ5a、8間の切替接続と、光パルス試験器5から光ファイバ5a、8への入射光並びに戻り光の観測とは、随時、連続的になされることが好ましく、これにより、クロージャ内部浸水検知用の浸水検知センサ3bが複数接続されている光線路や、センサユニット4の検知用光ファイバ10が接続されている光線路について、光ファイバ8、10の曲げに伴う損失増大が随時監視されるから、実質的に、クロージャ3内や監視対象空間内の浸水の常時監視を実現できる。
【0024】
光パルス試験器5に接続された各光線路は、正常時には観測されない筈の箇所から損失増大や反射光が観測されたり、逆に、正常時に観測されるべき損失増大や後方散乱光や反射光が観測されなくなると、異常を検出したことになる。異常箇所は、光パルス試験器5への戻り光の戻り時間から、その場所(光パルス試験器5からの距離)を具体的に把握できるから、メンテナンスに有利である。
【0025】
本実施の形態の浸水検知センサによれば、ハンドホール2等の監視対象空間の浸水検知用の光線路について、光パルス試験器5からの入射光の戻り光を観測するだけで、センサユニット4を設置した監視対象空間の浸水の有無を効率良く監視できる。クロージャ3内の浸水検知センサ3bにて浸水が検知されていなくても、監視対象領域の浸水を検知できるので、クロージャ3内への浸水前に、監視対象領域の浸水の排水や、クロージャ3の退避等の対策をとることが可能であり、クロージャ3内への浸水を未然に防ぐことができる。
浸水検知後、浸水検知部4cの浮き4bをガイド部4a下部へ戻し、押圧ブロック4eを上昇前の元の位置に戻せば、センサユニット4全体を再度使用することが可能であり、低コスト化できる。
監視対象領域の浸水監視は、光パルス試験器5での戻り光の観測結果を把握するだけで良いので、監視対象空間としてのハンドホール2等から離れて、急な水没等の恐れの無い安全な所から効率良く行うことができる。
【0026】
ハンドホール2等の監視対象空間の浸水検知用の光線路は、光ファイバ8a、10を直列に接続するだけで構成できる。また、光ファイバ8a、10は単心でも充分に機能する。これにより、全体を単純構成とすることができるので、浸水検知センサ全体の構築が容易になり、また、クロージャ3等にあっては、融着接続部等の光接続部数や余長処理量等が大幅に増大することは無いため、小型化が図れる。本実施の形態では、浸水検知センサ3bが複数接続されている光線路も単心で良く、ハンドホール2等の監視対象空間の浸水検知用の光線路と合わせて、浸水検知関連の光ファイバは2心あれば足り、クロージャ3や心線選択装置6の大型化の必要は無い。
また、センサユニット4は、クロージャ3から外側へ引き出された検知用光ファイバ10を引き込むことで構成されるので、監視対象空間内にてクロージャ3近傍に配置することが容易である。しかも、監視対象空間内における検知用光ファイバ10の引き回しによって、センサユニット4の設置位置は自由に調整できるから、監視対象空間内の浸水検知に適した箇所(例えば、下へ窪んだ箇所等)へ設置することが容易である。さらに、検知用光ファイバ10を延長すれば、クロージャ3から離れた所へのセンサユニット4の設置も可能である。
【0027】
なお、光ファイバ変形部としては、検知用光ファイバ10に曲げ変形を与えるものに限定されず、検知用光ファイバ10に伸び歪みを与える構成も採用可能である。例えば、図4の曲げ機構4iにて検知用光ファイバ10の曲げ変形箇所の両側を引留具により固定しておくと、曲げ機構4iによって検知用光ファイバ10に曲げ変形が与えられると同時に、両引留具間にて検知用光ファイバ10に伸び歪みが与えられる。検知用光ファイバ10の伸び歪み発生は、光パルス試験器でのブリルアン散乱光の観測によって検出できる。但し、光パルス試験器としては、ブリルアン散乱光の後方散乱光を観測可能ないわゆるBOTDRを採用する。この場合、クロージャ内に設置される浸水検知センサも光ファイバに伸び歪みを与えるものに変更するか、あるいは、曲げ変形を与える構成の浸水検知センサを採用して、BOTDRとは別に用意したOTDRに光ファイバを接続する。
前記実施の形態では、光ケーブル7a、7b、7c…の一部の光ファイバ8を監視対象空間の浸水検知用の光線路として利用した構成を例示したが、本発明はこれに限定されず、光ケーブル7a、7b、7c…とは別の光ケーブルを監視対象空間の浸水検知用の光線路として布設する構成も採用可能である。この場合も、浸水検知専用の光ケーブルを、光ケーブル7a、7b、7c…間を接続するクロージャ内に引き込み、クロージャから検知用光ファイバを引き出す構成を採用することが、省スペース化、低コスト化の点で有利である。
クロージャから引き出した検知用光ファイバは、複数のセンサユニットに引き込むようにしても良い。センサユニット間では、検知用光ファイバの余長を確保して、光パルス試験器での戻り光の観測結果から、各センサユニットの位置を区別できるようにすることがより好ましい。
【0028】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明の浸水検知センサによれば、クロージャ外側に配置されたセンサユニットによって、マンホール、ハンドホール、穴等の監視対象空間の浸水を検知するため、監視対象空間内に設置されたクロージャ内の浸水を未然に防ぐことが可能になる。また、光ケーブルから分岐してクロージャから外側へ引き出され、センサユニットに引き込まれた検知用光ファイバが、光パルス試験器に対して複数直列に接続されるので、この検知用光ファイバに係る光線路を監視するだけで、監視対象空間の浸水を監視でき、しかも、監視対象空間の複数箇所、あるいは複数の監視対象空間の浸水監視を、これら監視対象空間から離れた安全な所から一括して効率良く行うことができるといった優れた効果を奏する。
【0029】
請求項2記載の浸水検知センサによれば、光ケーブル長手方向に離間して設けられたクロージャ毎に設置したセンサユニットの検知用光ファイバ同士を接続する光線路として、光ケーブル内の光ファイバを利用するから、検知用光ファイバ同士を接続する光線路として光ファイバを別途布設する必要が無く、施工が容易になり、しかも、低コスト化できるといった優れた効果を奏する。
【0030】
請求項3記載の浸水検知ユニットによれば、監視対象空間の浸水水位に対応して上昇する浮きの浮力によって駆動された光ファイバ変形部によって光ファイバに曲げや伸び歪み等の変形を与える構成であり、構成が単純であるから低コスト化できる。しかも、浸水検知後に浮きを浮上前の元の下方位置に戻せば再使用可能とすることが容易であり、これにより無駄が解消され、一層の低コスト化に寄与するといった優れた効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の1実施の形態の浸水検知センサの全体構成を示す光配線図である。
【図2】 監視対象領域としてのハンドホール内におけるクロージャおよびセンサユニットの設置状態を示す斜視図である。
【図3】 図2のクロージャを示す斜視図である。
【図4】 図2のセンサユニット(浸水検知ユニット)を示す斜視図である。
【符号の説明】
1…浸水検知センサ、2…監視対象空間(ハンドホール)、3…クロージャ、4…浸水検知ユニット,センサユニット、4a…ガイド部、4b…浮き、4c…浸水検知部、4d…光ファイバ変形部、5…光パルス試験器、7a,7b,7c…光ケーブル、10…検知用光ファイバ。

Claims (3)

  1. マンホール、ハンドホール(2)、穴等の監視対象空間の浸水を検知する浸水検知センサであって、
    前記監視対象空間内に、該監視対象空間に引き込まれた光ケーブル(7a、7b、7c)に組み立てられたクロージャ(3)と、該クロージャの外側に配置されたセンサユニット(4)とが設置され、
    前記光ケーブルから分岐され該クロージャから外側へ引き出された検知用光ファイバ(10)が前記センサユニットに引き込まれてなり、
    前記センサユニットは、前記監視対象空間内の浸水によって浮上する浮き(4b)を有する浸水検知部(4c)と、前記浮きの浮力によって駆動されて前記検知用光ファイバに曲げや伸び歪み等の変形を与える光ファイバ変形部(4d)とを備え、
    異なるセンサユニットの前記検知用光ファイバ同士が互いに接続されて、光パルス試験器(5)に対して直列に接続され、
    前記浸水検知部は、前記監視対象空間内への浸水水位が、予め設定された検知水位に到達したときに、前記光ファイバ変形部における検知用光ファイバの曲げ変形が、光損失が増大する程度に達するように構成されていることを特徴とする浸水検知センサ(1)。
  2. 前記浸水検知部が、筒状のガイド部(4a)を備え、
    前記浮きは、前記浸水によって前記ガイド部内でこのガイド部に沿って浮上して前記光ファイバ変形部を駆動可能であり、かつ前記ガイド部の軸方向に沿って複数に分割されていることを特徴とする請求項1に記載の浸水検知センサ。
  3. 前記クロージャにて、前記検知用光ファイバの一端を前記光パルス試験器側の光ケーブルと接続し、前記検知用光ファイバの他端を光パルス試験器から遠い側の別のセンサユニット側の検知用光ファイバが接続されている光ケーブルと接続することで、これら光ケーブルを介して複数の検知用光ファイバが前記光パルス試験器に対して接続されていることを特徴とする請求項1または2に記載の浸水検知センサ。
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