JP4080390B2 - 既存設備による能力未満の小ロット量の特殊鋼の溶製方法 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、設備の処理能力未満の小ロツトの特殊鋼を製造するための溶鋼の溶製方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
特殊鋼の製造において、多品種、小ロットの受注に対応して溶製する方法は鋼種の特性から必要不可欠な方法である。しかし、その製造設備における処理能力の最小ロット未満の小ロットの受注に対応する場合、受注した小ロット量の残りの溶鋼は長期仕掛りや屑落しなどのロスとなる問題がある。
【0003】
すなわち、特殊鋼の精錬は、電気炉で原料を溶解および精錬し、得られた溶鋼を取鍋精錬した後、さらに真空脱ガス処理するなどの必要な精錬工程がある。従って、これらの精錬工程を経る必要から、設備の最小処理能力以上のロット量で溶製する必要があるという制約上、特殊鋼におけるその製造設備未満の小ロットの製造に見合う小容量の特別な電気炉や取鍋や脱ガス処理設備などとするためには、これらの必要設備を新設したり、あるいは既存の設備を小ロット用に改造したりする必要がある。しかし、このような新設や設備の改造には多大な投資を必要とする。
【0004】
そこで、精錬済みの溶鋼を電気炉などから分割受鋼する特別な形状の取鍋が提案されている(特許文献1参照。)。しかし、この分割受鋼による方法は操業性を悪化し、さらに成分差の大きく異なる小ロットの製造の場合には不利となる問題がある。さらに、設備を改良する方法では、例えば、60t製鋼工場において電気炉での溶解可能な溶鋼量は50t〜100tであり、これに併せて3種類の取鍋(50t、75t、100t)を保有している。これらの保有する既存の取鍋が50t、75t、100tの3種類である場合、対応できる溶鋼の最小ロットの大きさは50tである。これらの設備をさらに小ロットに対応できるように改造することは、多大な投資を必要とする問題がある。
【0005】
【特許文献1】
特開昭62−133014号公報
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
本発明が解決しようとする課題は、上記の既存の製鋼工場設備において、小ロット用に新規に各種設備を製造したり、また、小ロット用に改造することなく既存の設備を使用して、設備能力に達しない小ロットの特殊鋼の精錬を無駄なく実施する方法を提供することである。
【0007】
【課題を解決するための手段】
上記の課題を解決するための本発明の手段は、既存の製鋼設備に配設の電気炉と最小容量の取鍋を使用して電気炉、取鍋精錬炉および真空脱ガス処理装置による通常の精錬工程により特殊鋼を溶製および脱ガス処理し、得られた溶鋼から分湯して目的とする小ロットのインゴットに鋳込み、残余の溶鋼を別途電気炉で溶製した別途成分の溶鋼に混合希釈し、この混合希釈した溶鋼を取鍋精錬し、続いて真空脱ガス処理して新規成分の溶鋼としてインゴットに鋳造する。このように分湯することで設備の最小処理容量を確保しながら既存の製鋼設備の操業性を悪化させること無く、目的とする小ロットの特殊鋼を溶製する方法である。
【0008】
すなわち、請求項1の発明では、電気炉、取鍋精錬炉、真空脱ガス処理装置などからなる既存の製鋼設備を使用し、該設備の取鍋精錬炉で操業可能な最小量の成分の特殊鋼を溶製および脱ガス処理し、この溶製および脱ガス処理した溶鋼から目的とするさらに小ロット量の溶鋼を分湯して該成分からなるインゴットに鋳造し、分湯した残余の溶鋼を新たに該電気炉で溶製した別途成分の溶鋼に混合希釈して新規の特殊鋼成分からなる溶鋼としてこの新規の特殊鋼成分からなる溶鋼を取鍋精錬炉および真空脱ガス処理装置により溶製および脱ガス処理することを特徴とする既存設備の能力未満の小ロット量の特殊鋼の溶製方法である。
【0009】
【発明の実施の形態】
本発明の実施の形態について以下に説明する。先ず、本発明の上記の手段の意義について説明する。
【0010】
1)取鍋精錬や真空脱ガス処理による特殊鋼などの精練工程は使用する取鍋の大きさによって処理できる溶鋼量が決まる。
2)電気炉の出鋼量は、その製鋼設備に備えられた複数の容量の異なる取鍋の処理能力の範囲、例えば取鍋が50t、75t、100tを有する製鋼設備では50t〜100t、で調整可能である。
3)通常、1チャージ目の鋳込完了と3チャージ目の出鋼は、ほぼ同タイミングで実施される。
【0011】
そこで、製鋼工場に備えられた50t、75t、100tの3基の取鍋(LF)を使用する従来の通常工程の場合を比較例として先ず説明する。
【0012】
比較例:電気炉(EF)により目的とする成分の特殊鋼を溶製し、続いてこの溶製した溶鋼を適切な大きさの取鍋に取って取鍋精錬し、さらに真空脱ガス処理装置(RH)により脱ガス処理して清浄度鋼とし、得られた清浄度鋼の溶鋼をインゴット鋳造(IC)する。この工程を表1に示す。なお、表1で示す矢印は処理したことを示している。
【0013】
【表1】
【0014】
次いで、本発明の実施の形態について説明すると、同じく50t、75t、100tの3基の取鍋を備えた製鋼工場において、これらの3基の取鍋を使用して分湯操業工程により実施する。この場合、表2に示すように、先ず電気炉により特殊鋼を溶製し、この溶製した溶鋼を続いて取鍋精錬し、さらに真空脱ガス処理装置により脱ガス処理して清浄度鋼とし、得られた清浄度鋼の溶鋼をインゴット鋳造する。なお、表2で示す矢印は処理したことを示している。
【0015】
【表2】
【0016】
【実施例】
表2に示す実施例では、1チャージ目として、質量%で、1.0%C、0.3%Si、0.5%Mn、1.4%Crを含有する高炭素クロム鋼の50tを電気炉で溶製し、続いて50tの取鍋を使用して取鍋精錬し、さらに真空脱ガス処理した後、25tを分湯して所要の25tをインゴットに鋳込んだ。この1チャージ目の残鋼の25tとは別に、2チャージ目として、質量%で、0.1%C、0.0%Si、0.1%Mn、0.1%Crを含有する75tの溶鋼を電気炉で溶製し、続いて75tの取鍋を使用して取鍋精錬し、さらに真空だつガス処理した後、出鋼して75tをインゴットに鋳込んだ。続いて3チャージ目として2チャージ目と同一の成分の溶鋼を電気炉で溶製し、続いて100tの取鍋を用意し、この取鍋に上記の1チャージ目の残鋼の25tと今回の電気炉で溶製した75tの計100tの溶鋼を受け入れて取鍋精錬し、さらに真空脱ガス処理装置により脱ガス処理した後、この100tの溶鋼を出鋼してインゴットに鋳造した。
【0017】
上記において、1チャージ目の残鋼と3チャージ目の75tの溶鋼を混合することにより、新規成分である0.3%C、0.1%Si、0.2%Mn、0.4%Crを含有する100tの溶鋼が溶製できる。このように、3チヤージ目は希釈されて1チャージ目の1.4%CrよりCrの低い成分の0.4%Crの鋼種が製造された。
【0018】
この本発明の方法によるとき、3チャージ目は0.4%CrよりCr量の多い鋼を造ることも可能で、この場合は、取鍋精錬のときにCrを含有する合金源を添加することでCrは0.4%超とする。
【0019】
以上のように分湯して残鋼を後続のチャージの電気炉で溶製した溶鋼と混合することでその設備の取鍋の能力を満たすことができるので、操業性を悪化させること無く、通常の処理方法で鋼塊を製造することができた。
【0020】
【発明の効果】
以上説明したとおり、本発明は、目的とする小ロットの溶鋼を分湯により得ることで、残鋼を後続のチャージの溶湯に混合することができ、したがって特別な容量の取鍋を新規に必要とすることなく、通常に設備されている容量の取鍋を使用することができることとなり、特殊鋼の小ロット製造を設備改造などのコストアップを生じることなく、さらに設備の操業性を損なうことなく、そのままの設備で実施することができるなど、優れた効果を奏するものである。
Claims (1)
- 電気炉、取鍋精錬炉、真空脱ガス処理装置などからなる既存の製鋼設備を使用し、該設備の取鍋精錬炉で操業可能な最小量の成分の特殊鋼を溶製および脱ガス処理し、この溶製および脱ガス処理した溶鋼から目的とするさらに小ロット量の溶鋼を分湯して該成分からなるインゴットに鋳造し、分湯した残余の溶鋼を新たに該電気炉で溶製した別途成分の溶鋼に混合希釈して新規の特殊鋼成分からなる溶鋼としてこの新規の特殊鋼成分からなる溶鋼を取鍋精錬炉および真空脱ガス処理装置により溶製および脱ガス処理することを特徴とする既存設備の能力未満の小ロット量の特殊鋼の溶製方法。
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JP2003206219A JP4080390B2 (ja) | 2003-08-06 | 2003-08-06 | 既存設備による能力未満の小ロット量の特殊鋼の溶製方法 |
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