JP4080147B2 - 系統縮約方法 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
この発明は、発電機や負荷などから構成される電力系統の解析演算を実施するに際して、主として計算量の軽減を目的として実施する系統縮約方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
図12は例えば昭和54年 社団法人電気協同研究会発行の「電気協同研究第34巻第5号」に示された従来の系統縮約方法による縮約系統を示す系統図であり、図において、1は発電所の発電機、2は系統内の母線、3は縮約点、4,5は送電線、6は負荷である。
【0003】
次に動作について説明する。
従来の系統縮約方法では、系統内の発電機1の等価インピーダンスをXd ’で表し、縮約点3から縮約系統を見た短絡容量を算定し、この逆数としての短絡インピーダンスXs ’を取得する。
【0004】
一方、縮約される発電機定数XG ’は、(1)式に示すように、系統内に存在する1台以上の発電機の等価インピーダンスXdi’を並列加算平均して求める。次に、(2)式に示すように、短絡インピーダンスXs ’と発電機定数XG ’の差を線路インピーダンスXL とし、また、(3)式に示すように、縮約系統内の負荷6の総和PL を発電機端子(または線路の中間点)に付けて縮約系統を作成する。
【0005】
なお、縮約発電機の内部電圧EG ’及び慣性定数MG は、(4)式及び(5)式に示すように、縮約系統内の発電機の容量荷重平均として与えられる。
【数1】
Figure 0004080147
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
従来の系統縮約方法は以上のように構成されているので、原系統を縮約することができるが、その縮約系統は原系統を対象とする安定度計算の計算結果に基づくものではなく、あくまでも静的な解析結果に基づくものであるため、安定度計算の結果を保証する縮約系統を導出することが困難であり、また、ループ系統に適用することが困難であるなどの課題があった。
なお、安定度計算の結果を保証する縮約系統を取得するために線路定数などを精密に導出しようとすると、従来の方法の特徴であるシンプルさが失われることになる。
【0007】
この発明は上記のような課題を解決するためになされたもので、安定度計算の結果を保証する縮約系統を導出することができるとともに、縮約部分の構成や定数によらず汎用的に縮約系統を導出することができる系統縮約方法を得ることを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】
この発明に係る系統縮約方法は、原系統を対象とする安定度計算の計算結果から接続点における時系列データを抽出するとともに、その時系列データに基づいて未知パラメータを抽出し、その未知パラメータから縮約系統の諸定数を決定するようにしたものである。
【0009】
この発明に係る系統縮約方法は、時系列データに基づいて未知パラメータを抽出する際、最小2乗法を用いるようにしたものである。
【0010】
この発明に係る系統縮約方法は、原系統内に複数の動揺モードが存在する場合、各動揺モード毎に原系統の発電機を縮約するようにしたものである。
【0011】
この発明に係る系統縮約方法は、時系列データに基づいて未知パラメータを抽出する際、縮約系統のトポロジーを設定するようにしたものである。
【0012】
この発明に係る系統縮約方法は、時系列データに基づいて未知パラメータを抽出する際、縮約系統における線路定数の均衡を図るようにしたものである。
【0013】
この発明に係る系統縮約方法は、原系統の縮約部分と非縮約部分の接続点における時系列データを抽出する際、負荷の特性を保有する母線の時系列データを作成するようにしたものである。
【0014】
この発明に係る系統縮約方法は、時系列データに基づいて未知パラメータを抽出する際、系統現象の時間領域の時系列データを用いるようにしたものである。
【0015】
この発明に係る系統縮約方法は、過渡安定度を検討するために原系統を縮約する場合、過渡領域の時系列データを用いるようにしたものである。
【0016】
この発明に係る系統縮約方法は、動態安定度を検討するために原系統を縮約する場合、動態領域の時系列データを用いるようにしたものである。
【0017】
この発明に係る系統縮約方法は、時系列データに基づいて未知パラメータを抽出する際、原系統における負荷の非線形項を考慮して未知パラメータを抽出するようにしたものである。
【0018】
この発明に係る系統縮約方法は、時系列データに基づいて未知パラメータを抽出する際、電圧の複素共役数の逆数項を考慮して未知パラメータを抽出するようにしたものである。
【0019】
この発明に係る系統縮約方法は、時系列データから負荷の電圧静特性を同定するようにしたものである。
【0020】
【発明の実施の形態】
以下、この発明の実施の一形態を説明する。
実施の形態1.
図1はこの発明の実施の形態1による系統縮約方法を示すフローチャートである。図において、ST1は原系統を対象とする詳細安定度計算を実施する安定度計算ステップ、ST2は詳細安定度計算の計算結果から原系統の縮約部分と非縮約部分の接続点における時系列データを抽出する時系列データ抽出ステップ、ST3は時系列データに基づいて未知パラメータを抽出する未知パラメータ算出ステップ、ST4は未知パラメータから系統定数を算出する系統定数算出ステップ、ST5は発電機データを縮約する縮約ステップである。
【0021】
次に動作について説明する。
まず、原系統における事故時の状態変化を把握するため、原系統を対象とする詳細安定度計算を実施する(ステップST1)。
【0022】
そして、詳細安定度計算が終了すると、その詳細安定度計算の計算結果から原系統の縮約部分と非縮約部分の接続点、即ち、連系点部分の時系列データを抽出する(ステップST2)。
連系点部分の時系列データとしては、発電機母線及び縮約点の有効電力P、無効電力Q、電圧Eや、発電機の位相角δなどのデータである。
【0023】
次に、連系点部分の時系列データを抽出すると、以下に示すように、その時系列データに基づく最小2乗法により未知パラメータG,Bを算出する(ステップST3)。
まず、図2に示すような原系統を縮約する場合において、縮約点が図3のようにn点存在するとすれば、縮約点から縮約系統に流れ込む潮流Pk ,Qk は、(6)〜(8)式で定義される。
【数2】
Figure 0004080147
【0024】
また、縮約系統の初期状態を原系統と一致させる為に、初期状態の関係式(事故が発生する前の時系列データが代入された(6)〜(8)式)を用いて等式制約をかけることで初期値が必ず一致するように(6)〜(8)式を変形する。
【0025】
具体的には、(7)〜(8)式より、アドミタンス行列における対地分Gkk,Bkkが(9)〜(10)式のように示され、(6)〜(8)式に初期状態(事故が発生する前の時系列データ)を代入すると、対地分要素が伝達分要素の関数となるので、この関数を(9)〜(10)式に代入することにより、(11)〜(12)式が得られる。
【数3】
Figure 0004080147
【0026】
次に、m点の時系列データを(11)〜(12)式に代入して、(11)〜(12)式を行列式に変換すると、(13)式のようになる。
【数4】
Figure 0004080147
Figure 0004080147
Figure 0004080147
【0027】
そして、(13)式を最小2乗法で解くと、(17)式に示すように、未知数ベクトルを求めることができる。
X=(AT A)-1T b ・・・(17)
このようにしてアドミタンス行列の伝達分Gki,Bkiが求まれば、その伝達分Gki,Bkiを(9)〜(10)式に代入することにより、アドミタンス行列における対地分Gkk,Bkkも算出することができる。
【0028】
ステップST3において、未知パラメータG,Bが算出されると、その未知パラメータG,Bを(18)〜(20)式に代入して、縮約系統の諸定数である系統定数R,X,PL を算出する(ステップST4)。
【数5】
Figure 0004080147
【0029】
そして、ステップST5では、縮約系統の諸定数である縮約系統内の発電機の諸量を短絡容量法と同様の手法、即ち、(21)〜(23)式より求める。
【数6】
Figure 0004080147
【0030】
以上で明らかなように、この実施の形態1によれば、原系統を対象とする安定度計算の計算結果から接続点における時系列データを抽出するとともに、その時系列データに基づいて未知パラメータG,Bを抽出し、その未知パラメータG,Bから縮約系統の諸定数を決定するように構成したので、安定度計算の結果を保証する縮約系統を導出することができる効果を奏する。
【0031】
実施の形態2.
この実施の形態2では、原系統内に複数の動揺モードが存在する場合に、複数の動揺モードを再現することが可能な縮約系統の導出について説明する。
例えば、図4に示すように、縮約対象の原系統内に複数の発電機の動揺モードが存在する場合、図5に示すように、各動揺モード毎に発電機を縮約するようにする。
これにより、縮約系統で複数の動揺モードを再現することができる効果を奏する。
【0032】
なお、この実施の形態2の場合も、上記実施の形態1と同様に、図1のフローチャートに従うが、ステップST5では、縮約する同じ動揺モードの発電機の諸量を短絡容量法と同様の手法で求める際、下記の演算式を使用する。
【数7】
Figure 0004080147
【0033】
実施の形態3.
上記実施の形態1,2では、縮約点及び発電機が複数存在する場合、これら各点の全ての組み合せについてラインが存在する形で縮約系統が求められる。そのため、その設定によっては、図6の実線部+点線部のように、非常に複雑で現実には有り得ない系統構成となる。
【0034】
そこで、この実施の形態3では、このようなケースにおいて、ほぼ任意のラインを消去できる(必要最低限のラインは消去できない)系統縮約方法について説明する。
【0035】
図1のフローチャートにおいて、ステップST1〜ステップST2は、上記実施の形態1と同様である。
ステップST3では、上記実施の形態1と同様にステップST2で抽出した時系列データを用いて最小2乗法により未知パラメータG,Bを算出するが、m点の時系列データを(11)〜(12)式に代入して、(13)式の行列式に変換する際、図7に示すように、行列A,Xから消去を希望するライン(例えば、図6における点線部)に相当する部分を削除することにより、縮約系統のトポロジーを設定する。
【0036】
そして、行列A,Xから行または列が削除された行列A’,X’を用いて、上記実施の形態1と同様に、(17)式より未知数ベクトルを算出すれば、任意のラインが消去された縮約系統を導出することができる。
【0037】
以上で明らかなように、この実施の形態3によれば、時系列データに基づいて未知パラメータを抽出する際、縮約系統のトポロジーを設定するように構成したので、縮約部分の構成や定数によらず汎用的に縮約系統を導出することができる効果を奏する。
【0038】
実施の形態4.
上記実施の形態1では、時系列データに基づいて未知パラメータを抽出する際、最小2乗法で線路定数(未知パラメータG,B)を求めるものについて示したが、時系列データを基にして最小2乗法で線路定数G,Bを求めているため、その算出した線路定数GとBのバランスがアンバランスになり、物理的に正しくない値を取る可能性がある。
【0039】
そこで、この実施の形態4では、線路定数GとBの均衡を図るため、線路定数GとBの関係式を追加し、縮約系統の線路定数G,Bを物理的に自然な値に近づけるようにする。
【0040】
図1のフローチャートにおいて、ステップST1〜ステップST2は、上記実施の形態1と同様である。
ステップST3では、上記実施の形態1と同様にステップST2で抽出した時系列データを用いて最小2乗法により未知パラメータを算出するが、この際、(27)式に示すような、線路定数GとBの関係式を追加することにより、時系列データを代入した(13)式のX行列を(28)式のようにする。
【数8】
Figure 0004080147
【0041】
以上で明らかなように、この実施の形態4によれば、時系列データに基づいて未知パラメータを抽出する際、縮約系統における線路定数G,Bの均衡を図るように構成したので、物理的に自然な縮約系統を導出することができる効果を奏する。
【0042】
実施の形態5.
この実施の形態5では、縮約系統内の負荷の特性をより実際に近づける系統縮約方法について説明する。
系統の安定度を低下させる要因の1つとして、負荷系統における定電力負荷の存在が挙げられる。しかし、上記実施の形態1の方法で原系統を縮約する場合、縮約系統の負荷が縮約発電機端または連系点につく形となるため電圧変動が比較的小さく、定電力負荷の安定度に与える影響が小さくなる問題が存在する。
【0043】
そこで、この実施の形態5では、縮約系統内に発電機が接続されない母線を設けることを考える。
即ち、上記実施の形態1では、ステップST2で時系列データを作成するのは、連系点及び発電機接続母線のみであるが、この実施の形態5では、負荷の特性を保存する母線についても時系列データを作成するようにする。
これにより、以後、上記実施の形態1と同様の手順を実施すると、図8に示すような負荷系統を残した形の縮約系統を作成することが可能となる。
【0044】
以上で明らかなように、この実施の形態5によれば、原系統の縮約部分と非縮約部分の接続点における時系列データを抽出する際、負荷の特性を保有する母線の時系列データを作成するように構成したので、負荷の特性を再現できる縮約系統を導出することができる効果を奏する。
【0045】
実施の形態6.
この実施の形態6では、解析対象とする系統現象の時間領域を考慮した系統縮約方法について説明する。
図1のフローチャートにおいて、ステップST1〜ステップST2は、上記実施の形態1と同様である。
ステップST3では、上記実施の形態1と同様にステップST2で抽出した時系列データを用いて最小2乗法により未知パラメータを算出するが、この際、解析対象とする系統現象の時間領域の時系列データを用いて縮約するようにする。
【0046】
例えば、過渡安定度を検討するために原系統を縮約する場合には、図9に示すような過渡領域の時系列データを用いて縮約を実施し、動態安定度を検討するために原系統を縮約する場合には、動態領域の時系列データを用いて縮約を実施する。
【0047】
以上で明らかなように、この実施の形態6によれば、時系列データに基づいて未知パラメータを抽出する際、系統現象の時間領域の時系列データを用いるように構成したので、系統現象の解析結果を保証する縮約系統を導出することができる効果を奏する。
【0048】
実施の形態7.
上記実施の形態1では、原系統を対象とする安定度計算の計算結果から接続点における時系列データを抽出するとともに、その時系列データに基づいて未知パラメータG,Bを抽出し、その未知パラメータG,Bから縮約系統の諸定数を決定するものについて示したが、時系列データに基づいて未知パラメータを抽出する際、原系統における負荷の非線形項を考慮して未知パラメータを抽出するようにしてもよい。
【0049】
具体的には、上記実施の形態1と同様に、詳細安定度計算を実施して(ステップST1)、連系点部分の時系列データ(発電機母線及び縮約点のP,Q,Eの時系列データ)を抽出すると(ステップST2)、その時系列データを用いて最小2乗法により未知パラメータを算出するが(ステップST3)、その際、原系統における負荷の非線形項を考慮して未知パラメータを抽出する。
【0050】
ここでは、図10の系統を縮約するものとし、図11のように縮約点が2点存在する場合について説明する。
縮約点が2点の場合、縮約点から縮約系統に流れる潮流は、(29)〜(32)式で定義される。
【数9】
Figure 0004080147
ただし、K1A,K1B,K2A,K2Bは、負荷の非線形項の実数部及び虚数部である。このように負荷の非線形項を加えることにより、負荷の電圧静特性(この場合、定電流特性と定インピーダンス特性)を模擬することができる。
【0051】
縮約系統の初期状態を原系統と一致させる為に、初期状態の関係式を用いて等式制約をかけることで初期値が必ず一致するように式を変形する。(29)〜(32)式より、アドミタンス行列における対地分は(33)〜(36)式のようになる。
【数10】
Figure 0004080147
【0052】
これらの式に初期状態を代入すると、対地分要素が伝達分要素の関数となるので、この関数を(33)〜(36)式に代入することにより、(37)〜(40)式が得られる。
【数11】
Figure 0004080147
【0053】
ここで、m点の時系列データをこれらの式に代入して行列式に変換すると、(41)式のようになる。
【数12】
Figure 0004080147
Figure 0004080147
【0054】
そして、(41)式を最小2乗法で解くと、(42)式に示すように、未知数ベクトルを求めることができる。
X=(AT A)-1T b ・・・(42)
このようにしてアドミタンス行列の伝達分が求まれば、その伝達分を(33)〜(34)式に代入することにより、アドミタンス行列における対地分も算出することができる。
【0055】
次にステップST4では、ステップST3で算出した未知パラメータを(43)〜(45)式に代入して、系統定数(R、X、PL )を算出する。
【数13】
Figure 0004080147
【0056】
次にステップST5では、縮約する系統内の発電機の諸量を短絡容量法と同様の手法、即ち、(46)〜(48)式より求める。
【数14】
Figure 0004080147
【0057】
以上で明らかなように、この実施の形態7によれば、時系列データに基づいて未知パラメータを抽出する際、原系統における負荷の非線形項を考慮して未知パラメータを抽出するように構成したので、負荷の電圧静特性を理論的に保存できる縮約系統を生成することができる効果を奏する。
なお、この実施の形態7では、縮約点が2点の場合について示したが、縮約点がn点の場合についても同様の手法で縮約を行うことができる。
【0058】
実施の形態8.
上記実施の形態7では、原系統における負荷の非線形項を考慮して未知パラメータを抽出するものについて示したが、さらに電圧の複素共役数の逆数項を考慮して未知パラメータを抽出するようにしてもよい。
この実施の形態8では、上記実施の形態7の系統縮約方法における母線への注入電流モデルにおいて、有効分負荷の定電力特性が模擬できる系統縮約方法について説明する。
【0059】
上記実施の形態7における負荷の非線形項K1A,K1B,K2A,K2Bを、電流式の定数項としてではなく、電圧の複素共役数の逆数項にかかる係数として考えると、縮約点から縮約系統に流れる潮流は、(49)〜(52)式で定義される。
【数15】
Figure 0004080147
【0060】
上記実施の形態7と同様に(49)〜(52)式を変形し、m点の時系列データを代入して行列式に変換すると(53)式のようになる。
【数16】
Figure 0004080147
Figure 0004080147
【0061】
上記実施の形態7と同様に(53)式を最小2乗法で解くことにより、未知数ベクトルを求めることができる。
【0062】
以上で明らかなように、この実施の形態8によれば、電圧の複素共役数の逆数項を考慮して未知パラメータを抽出するように構成したので、有効分負荷の定電力特性を模擬した縮約系統を生成することができる効果を奏する。
【0063】
実施の形態9.
上記実施の形態1では、原系統を対象とする安定度計算の計算結果から接続点における時系列データを抽出するとともに、その時系列データに基づいて未知パラメータG,Bを抽出し、その未知パラメータG,Bから縮約系統の諸定数を決定するものについて示したが、その時系列データから負荷の電圧静特性のみを別途同定するようにしてもよい。
【0064】
上記実施の形態1と同様にして、未知パラメータG,Bを抽出し、負荷の電圧静特性Fを(54)式で定義すると、縮約系統に流れ込む潮流は(55)〜(56)式となる。
【数17】
Figure 0004080147
【0065】
(55)〜(56)式にm点の時系列データを代入し、行列式に変換すると(57)式のようになる。
【数18】
Figure 0004080147
【0066】
上記の(57)式を最小2乗法で解くことにより、負荷の電圧静特性の係数を求めることができる。
【0067】
以上で明らかなように、この実施の形態9によれば、時系列データから負荷の電圧静特性を同定するように構成したので、負荷の電圧静特性を模擬した縮約系統を生成することができる効果を奏する。
【0068】
【発明の効果】
以上のように、この発明によれば、原系統を対象とする安定度計算の計算結果から接続点における時系列データを抽出するとともに、その時系列データに基づいて未知パラメータを抽出し、その未知パラメータから縮約系統の諸定数を決定するように構成したので、安定度計算の結果を保証する縮約系統を導出することができる効果がある。
【0069】
この発明によれば、時系列データに基づいて未知パラメータを抽出する際、最小2乗法を用いるように構成したので、複雑な計算を実施することなく未知パラメータを抽出することができる効果がある。
【0070】
この発明によれば、原系統内に複数の動揺モードが存在する場合、各動揺モード毎に原系統の発電機を縮約するように構成したので、複数の発電機の動揺モードを再現できる縮約系統を導出することができる効果がある。
【0071】
この発明によれば、時系列データに基づいて未知パラメータを抽出する際、縮約系統のトポロジーを設定するように構成したので、縮約部分の構成や定数によらず汎用的に縮約系統を導出することができる効果がある。
【0072】
この発明によれば、時系列データに基づいて未知パラメータを抽出する際、縮約系統における線路定数の均衡を図るように構成したので、物理的に自然な縮約系統を導出することができる効果がある。
【0073】
この発明によれば、原系統の縮約部分と非縮約部分の接続点における時系列データを抽出する際、負荷の特性を保有する母線の時系列データを作成するように構成したので、負荷の特性を再現できる縮約系統を導出することができる効果がある。
【0074】
この発明によれば、時系列データに基づいて未知パラメータを抽出する際、系統現象の時間領域の時系列データを用いるように構成したので、系統現象の解析結果を保証する縮約系統を導出することができる効果がある。
【0075】
この発明によれば、過渡安定度を検討するために原系統を縮約する場合、過渡領域の時系列データを用いるように構成したので、過渡安定度解析の解析結果を保証する縮約系統を導出することができる効果がある。
【0076】
この発明によれば、動態安定度を検討するために原系統を縮約する場合、動態領域の時系列データを用いるように構成したので、動態安定度解析の解析結果を保証する縮約系統を導出することができる効果がある。
【0077】
この発明によれば、時系列データに基づいて未知パラメータを抽出する際、原系統における負荷の非線形項を考慮して未知パラメータを抽出するように構成したので、負荷の電圧静特性を理論的に保存できる縮約系統を生成することができる効果がある。
【0078】
この発明によれば、時系列データに基づいて未知パラメータを抽出する際、電圧の複素共役数の逆数項を考慮して未知パラメータを抽出するように構成したので、有効分負荷の定電力特性を模擬した縮約系統を生成することができる効果がある。
【0079】
この発明によれば、時系列データから負荷の電圧静特性を同定するように構成したので、負荷の電圧静特性を模擬した縮約系統を生成することができる効果がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】 この発明の実施の形態1による系統縮約方法を示すフローチャートである。
【図2】 この発明の実施の形態1における縮約前の原系統を示す系統構成図である。
【図3】 この発明の実施の形態1における縮約系統を示す系統構成図である。
【図4】 この発明の実施の形態2における縮約前の原系統を示す系統構成図である。
【図5】 この発明の実施の形態2における縮約系統を示す系統構成図である。
【図6】 この発明の実施の形態3における縮約系統を示す系統構成図である。
【図7】 この発明の実施の形態3における行列式を説明するイメージ図である。
【図8】 この発明の実施の形態5における縮約系統を示す系統構成図である。
【図9】 この発明の実施の形態6における系統現象の時間領域を示す説明図である。
【図10】 縮約前の原系統を示す系統構成図である。
【図11】 縮約系統を示す系統構成図である。
【図12】 従来の系統縮約方法による縮約系統を示す系統図である。
【符号の説明】
ST1 安定度計算ステップ、ST2 時系列データ抽出ステップ、ST3 未知パラメータ算出ステップ、ST4 系統定数算出ステップ、ST5 縮約ステップ。

Claims (12)

  1. 原系統を対象とする安定度計算を実施して、その原系統の縮約部分と非縮約部分の接続点における時系列データを抽出するとともに、その時系列データに基づいて未知パラメータを抽出し、その未知パラメータから縮約系統の諸定数を決定する系統縮約方法。
  2. 時系列データに基づいて未知パラメータを抽出する際、最小2乗法を用いることを特徴とする請求項1記載の系統縮約方法。
  3. 原系統内に複数の動揺モードが存在する場合、各動揺モード毎に原系統の発電機を縮約することを特徴とする請求項1または請求項2記載の系統縮約方法。
  4. 時系列データに基づいて未知パラメータを抽出する際、縮約系統のトポロジーを設定することを特徴とする請求項1または請求項2記載の系統縮約方法。
  5. 時系列データに基づいて未知パラメータを抽出する際、縮約系統における線路定数の均衡を図ることを特徴とする請求項2記載の系統縮約方法。
  6. 原系統の縮約部分と非縮約部分の接続点における時系列データを抽出する際、負荷の特性を保有する母線の時系列データを作成することを特徴とする請求項1または請求項2記載の系統縮約方法。
  7. 時系列データに基づいて未知パラメータを抽出する際、系統現象の時間領域の時系列データを用いることを特徴とする請求項1または請求項2記載の系統縮約方法。
  8. 過渡安定度を検討するために原系統を縮約する場合、過渡領域の時系列データを用いることを特徴とする請求項7記載の系統縮約方法。
  9. 動態安定度を検討するために原系統を縮約する場合、動態領域の時系列データを用いることを特徴とする請求項7記載の系統縮約方法。
  10. 時系列データに基づいて未知パラメータを抽出する際、原系統における負荷の非線形項を考慮して未知パラメータを抽出することを特徴とする請求項1記載の系統縮約方法。
  11. 時系列データに基づいて未知パラメータを抽出する際、電圧の複素共役数の逆数項を考慮して未知パラメータを抽出することを特徴とする請求項10記載の系統縮約方法。
  12. 時系列データから負荷の電圧静特性を同定することを特徴とする請求項1記載の系統縮約方法。
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