JP4079297B2 - シールドトンネルの接続方法 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明はシールドトンネルの接続方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
地中に適宜間隔をもって並設した複数のシールドトンネルを隣接方向で接続する方法は、例えば図6に示すように、シールドトンネル12、13の上面および下面から隣接するシールドトンネル12、13側に向けてスライドさせたスライド鋼板14でシールドトンネル12、13の上部および下部の地山15を支持して、シールドトンネル間の地山16を掘削して、これらを接続する方法がある。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、上記のようなシールドトンネルの接続方法は、シールドトンネルの並設間隔が、例えば2〜3m以下のように狭い場合は使用することができるが、並設間隔が広くなると、シールドトンネル間の地山土量が大きくなり、スライド鋼板で地山を支持することが困難となる。特に並設間隔がシールドトンネルの構築幅より大きい場合には、スライド鋼板を使用することができないという問題があった。
【0004】
本発明は、このような問題に鑑みてなされたものであり、その目的は、広い間隔で並設されたシールドトンネルであっても接続できる方法を提供することである。
【0005】
【課題を解決するための手段】
以上の課題を解決するためのシールドトンネルの接続方法は、地中に適宜間隔をもって並設した複数のシールドトンネルの隣接面同士を軸方向に接続する方法であって、該シールドトンネル間の上部および下部の地山を地盤改良して強化層を形成した後、前記シールドトンネルの一方のトンネル空間から他方のトンネル空間に向けて前記シールドトンネル間の地山を掘削しつつ連結部材としての複数の鋼管を推進させて前記並設シールドトンネルを連結するとともに、該連結部材の外方に前記強化層の支持部材を設置し、前記シールドトンネル間の地山を掘削することを特徴とする。
【0006】
請求項1の発明によれば、シールドトンネル間に掛け渡された連結部材でシールドトンネルの上部および下部の強化層を支持することができるので、シールドトンネルの並設間隔が広い場合であっても、シールドトンネル間の地山を安全に掘削することができる。また連結部材として適宜口径の鋼管を用いることにより、外力条件に応じた断面性能を確保することができ、鉄筋組立や型枠組立・解体などの作業を軽減することができる。
【0007】
また請求項2の発明が、請求項1において、前記並設シールドトンネル間の掘削空間および前記シールドトンネル空間内の所定部分にコンクリートを打設して前記シールドトンネル同士を一体化することを特徴とする。
【0008】
請求項2の発明によれば、シールドトンネル同士を連結部材およびコンクリートで一体化することにより、構造的に十分な強度を有する地下構造物が得られる。
【0010】
請求項3の発明によれば、連結部材として適宜口径の鋼管を用いることにより、外力条件に応じた断面性能を確保することができ、鉄筋組立や型枠組立・解体などの作業を軽減することができる。
【0011】
また請求項3の発明が、請求項2において、前記鋼管内に無収縮モルタルを充填することを特徴とする。
【0012】
請求項3の発明によれば、無収縮モルタルを充填した鋼管を連結部材として用いることにより、連結部材の強度・剛性が向上し、強化層を十分安全に支持できる。
【0013】
【発明の実施の形態】
以下、本発明のシールドトンネルの接続方法の実施の形態を図面に基づいて説明する。図1は隣接したシールドトンネルの断面図、図2はシールドトンネルの接続方法の断面図である。
【0014】
図1は広い並設間隔、例えば4〜5mの間隔をもって構築された断面矩形のシールドトンネル1、2であり、これらのシールドトンネル1、2を隣接方向、すなわち側面同士でトンネル軸方向に連続的に接合するものである。これらのシールドトンネル1、2は断面矩形のシールド掘進機で掘削された横坑に鋼製または鉄筋コンクリート製のセグメント3を覆工して構築されるが、前記セグメント3としては、取り外しや溶接等の作業の容易性・正確性の面から鋼製セグメントを用いることが望ましい。
【0015】
これらのシールドトンネル1、2同士を接続するには、まず、シールドトンネル1、2間の上部および下部の地山4aの適宜範囲を地盤改良して強化層5を形成する。強化層5は、適度な強度と止水性を有するように、従来周知の工法で改良された層である。
【0016】
次いで、一方のシールドトンネル1のセグメント3の一部を取り外し、シールドトンネルの空間内から連結部材6を小口径推進工法によって、シールドトンネル間の地山4bを掘削しつつ他方のシールドトンネル2の空間内に向けて推進させる。このとき、図5に示すように、予めセグメント3の所定位置に連結部材6の断面寸法よりやや大き目の切欠部20を設けておくとよい。また、連結部材6としては、並設間隔や地盤条件などに応じて適宜口径の鋼管を用いるとよい。
【0017】
そして連結部材6をシールドトンネル1、2間にわたって複数本掛け渡してセグメント3またはその他の構造部材(図示せず)に定着する。この場合、鋼管を連結部材6として用いることにより、連結部材6とセグメント3との溶接作業も容易に行うことができる。
【0018】
次に、シールドトンネル1、2間の連結部材6の外方に支持部材7を設置して強化層5を支持する。支持部材7としては、例えば複数の支持材をトンネルの長手方向に沿って押し込むとともに、その外方に矢板8を掛け渡して、強化層5を支持するものであり、強化層が止水性を有するため、支持材および矢板8は適宜間隔で設置する。
【0019】
このようにシールドトンネル1、2の上部および下部の強化層5を支持部材7を介して連結部材6で支持した後、対向するシールドトンネル1、2側面のセグメント3aを解体してシールドトンネル間の地山4bを掘削すると、シールドトンネル1、2のトンネル空間同士が連通する。
【0020】
次に、前記連結部材6内に無収縮モルタル10を充填する。また、シールドトンネル1、2内に位置した連結部材6にスタットジベル11を設置するとともに、シールドトンネル1、2内およびシールドトンネル間の掘削空間9の所定範囲内にコンクリート21を打設してシールドトンネル1、2同士を構造的に一体化する。
【0021】
このように複数のシールドトンネル1、2を連結部材6とコンクリート2によって構造的に一体化すると、十分な強度を有する地下構造物が得られる。また、このような地下構造物を連続的に構築することにより、大規模な地下空間を有する構造物の構築が可能となる。
【0022】
【発明の効果】
シールドトンネル間に掛け渡された連結部材でシールドトンネルの上部および下部の強化層を支持したことにより、シールドトンネルの並設間隔が広いシールドトンネル間の地山を安全に掘削することができる。
【0023】
シールドトンネル同士を連結部材とコンクリートで一体化することにより、構造的に十分な強度を有する地下構造物が得られる。
【0024】
鋼管を連結部材として用いることにより、外力条件に応じた断面剛性を適宜選択することができ、鉄筋組立作業などを軽減できる。特に、鋼管に無収縮モルタルを充填することにより、連結部材の強度・剛性が向上し、並設間隔がトンネル構築幅より大きい場合であっても、安全に強化層を支持することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】適宜間隔をもって並設したシールドトンネルの断面図である。
【図2】シールドトンネル同士を連結部材によって接続した断面図である。
【図3】図3のA−A線断面図である。
【図4】図3のB−B線断面図である。
【図5】図3のC−C線断面図である。
【図6】従来のシールドトンネルの接続方法を示す断面図である。
【符号の説明】
1、2、12、13 シールドトンネル
3 セグメント
4a、4b、15、16 地山
5 強化層
6 連結部材
7 支持材
8 矢板
9 掘削空間
10 スタッドジベル
21 コンクリート
Claims (3)
- 地中に適宜間隔をもって並設した複数のシールドトンネルの隣接面同士を軸方向に接続する方法であって、該シールドトンネル間の上部および下部の地山を地盤改良して強化層を形成した後、前記シールドトンネルの一方のトンネル空間から他方のトンネル空間に向けて前記シールドトンネル間の地山を掘削しつつ連結部材としての複数の鋼管を推進させて前記並設シールドトンネルを連結するとともに、該連結部材の外方に前記強化層の支持部材を設置し、前記シールドトンネル間の地山を掘削することを特徴とするシールドトンネルの接続方法。
- 請求項1において、前記並設シールドトンネル間の掘削空間および前記シールドトンネル空間内の所定部分にコンクリートを打設して前記シールドトンネル同士を一体化することを特徴とするシールドトンネルの接続方法。
- 請求項1または2において、前記鋼管内に無収縮モルタルを充填することを特徴とするシールドトンネルの接続方法。
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1999
- 1999-04-06 JP JP09899599A patent/JP4079297B2/ja not_active Expired - Fee Related
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