JP4079275B2 - 会話支援装置 - Google Patents
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Description
本実施の形態では、データベースには、発話文データベースと、応答文データベースと、応答文テーブルと、被指示単語リストとが少なくとも格納されている。ここで、各データベースを以下に例示する。
まず、発話文データベースは、図2に示すように、日本語、英語…といった各国語ごとの発話文実体テーブルグループGを含む。発話文実体テーブルグループGには、さらに、「空港・機内」、「買い物」…などといったシーン識別子ごとに、発話文実体テーブルTが含まれている。
「この店の定休日はいつですか?」
であるとすると、キーワードとしては、
「店」、「定休日」、「いつ」
などが挙げられる。さらに、キーワードとしては、この発話文に関連して発声される可能性のある語であってもよい。例えば、上述の「この店の定休日はいつですか?」の例でいえば、「定休日」の類語としての、
「休み」、「閉まっている日」、
などといった表現をキーワードとして含んでもよい。
応答文データベースは、この発話文データベースと同様のものであり、日本語、英語…といった各国語ごとの応答文実体テーブルを含む。応答文実体テーブルでは、応答文識別子に対して応答文の実体が関連づけて記録されている。ここで応答文の実体とは、現実に発話されるべき文を記述した文字列である。また、本実施の形態では、日本語、英語…といった各国語ごとに、応答文に対応する音声データ(応答音声データ)と、当該応答音声データの識別子とを関連づけたテーブル(応答音声データテーブル)をデータベースに記録しておいてもよい。この場合、応答文実体テーブルには、各応答文識別子に対応する応答音声データの識別子を関連づけて含めてもよい(図3)。
応答文テーブルは、図4に示すように、発話文識別情報としての発話文識別子と、それによって識別される発話文に対する想定応答として予め列挙された応答文リストと、肯定または否定を表す単語による応答の可否を示す特定応答可否情報とを関連づけたものである。
「この店の定休日はいつですか?」
に対する発話文識別子には、
「日曜です」や「いつでも開いています」、などといった応答文のリストが関連づけられる。本実施の形態では、応答文のリストとして、応答文そのものではなく、応答文識別子が関連づけられている。
「もう少し安くなりませんか?」
に対する発話文識別子には、
「だめです」や「店長に相談してきます」などといった応答文のリスト(それぞれの応答文に対応する応答文識別子)が関連づけられるとともに、特定応答可否情報として、肯定または否定を表す単語による応答が可能である旨の情報(「Y」)が関連づけられている。
被指示単語リストは、図5に示すように、「空港・機内」、「買物」…などといった、発話文データベースにおけるのと同じシーン識別子ごとに、各シーンで指示語によって表現される可能性のあるものに対応する単語が列挙されて登録される。なお、各単語には、各国語での表現が文字列として互いに関連付けて保持されている。
本実施の形態では、これらのデータベースが、外部記憶媒体Mに格納され、ディスクドライブ15を介して、制御部11からアクセス可能であるようになっている。
本実施の形態の会話支援装置は、会話の当事者が交互に操作して会話を成立させる。一般的に会話を開始するための発話をする側(発話者側)と、それに対する応答を行う側(応答者側)との間で交互に操作を行うこととなる。発話者側は予め、自分の利用する言語と、応答者の利用する言語とを選択する指示操作を行っておく。制御部11は、当該指示操作を受けて、発話者側言語を表す情報(質問側言語情報)と、応答者側言語を表す情報(応答側言語情報)とを記憶部16に格納する。
「この店、いつがお休みなのかな」
といった会話調の質問が入力された場合、制御部11は、ここから、「店」、「いつ」、「休み」のキーワードを検出する。このとき、
「この店の定休日はいつですか?」
との発話文に対して、「店」、「定休日」、「休み」、「いつ」といったキーワードが関連づけられている場合、当該「この店の定休日はいつですか?」の発話文については、カウントは「3」ということになる。
「この店は、日本にもありますか?」
との発話文に対して、「店」、「日本」、「ある」といったキーワードが関連づけられている場合、上記質問から検出されたキーワードのうち「店」が一致するのみであるので、カウントは「1」となる。
発話文候補提示部33は、発話文候補選択部32から入力される情報に基づいて、発話文を選択し、選択した発話文を注目発話文として、当該注目発話文の文字列を、発話文実体テーブルから読み出す。そして当該読み出した文字列を、ディスプレイ19に表示するよう、画像処理ユニット18に指示する。
「この店の定休日はいつですか?」
という発話文が、ディスプレイ19に表示される。
「バーはどこですか」
という発話文が、ディスプレイ19に表示される。
なお、発話文候補提示部33は、発話文受入部31が検出したキーワードに、「これ」、「あれ」、「それ」といった、予め定められた指示語が含まれている場合、この指示語に関連する処理を実行してもよい。なお、この指示語も各国語ごとに予め定めておく。
「これ、ありますか?」
との質問を入力すると、「これ」、「ありますか」がそれぞれキーワードとして検出され、「これがありますか?」のような発話文が注目発話文として選択されることになる。
さらに発話文候補提示部33は、カウントが最大となっている発話文や、検出したキーワードに一致する発話文など、選択するべき発話文の候補が複数ある場合に、当該複数の候補の発話文の一覧を提示して、発話者に選択させてもよい。
「通路側の席に移りたいのですが」
「窓側の席に移りたいのですが」
「他の空いている席に移りたいのですが」
の3つの発話文では、いずれも「席」、「移りたい」といったキーワードが関連付けられ、このため、検出されたキーワードに係るカウントが同数となりやすい。そこで、これらに互いに共通のグループ識別子を関連付けておく。
「席を移りたいんだけど」
といった音声で質問を入力すると、「席」、「移りたい」とのキーワードが検出される。そして、これら検出されたキーワードに対するカウントが、上述の例のように、
「通路側の席に移りたいのですが」
「窓側の席に移りたいのですが」
「他の空いている席に移りたいのですが」
の3つの発話文のすべてについて「2」となって最大となる。
「通路側の席に移りたいのですが」
の発話文に対応する音声情報が鳴動される。
さらに発話文候補提示部33は、発話者の指示により発話文を強調する表現を追加してもよい。この場合、外部記憶媒体Mに格納するデータベースに、強調表現単語リストとして、各国語での強調表現の単語と、対応する音声のデータとを関連付けて格納しておく。この場合において、音声の表現としては、同じ「すごく…(extremely)」を意味する単語であっても、「すごく、美味しい」のように陽気に、あるいは肯定的に表現する場合と、(体調などが)「すごく、悪い」のように陰気に、否定的に表現する場合とでは異なる。そこで、この強調表現単語リストでは、図8に示すように、各国語ごとに、強調表現の単語と、対応する音声データとして、肯定的な場合の音声データと、否定的な場合の音声データとをそれぞれ関連付けておく。図8では、強調表現の単語として、「ちょっと」、「まあまあ」、「かなり」、「すごく」の4種類が示されている。
発話文候補提示部33が発話文に対応する音声情報を鳴動する等の処理を完了すると、応答文候補検索部34の処理が開始される。
本発明の実施の形態の会話支援装置は、上述の構成を備え、次のように動作する。ここでは例えば、日本語を母国語とする発話者側が、英語を母国語とする応答者と会話を行う場合を想定して説明する。発話者側は、会話支援装置を操作して、発話者側言語として「日本語」、応答者側言語として「英語」を設定しておく。また、利用する場所に応じて、シーンを選択しておく。ここでは例えば、シーンとして「食事」が選択されたものとする。
「お勧めがないか聞いてくれ」
のように、命令的な表現で入力を行ってもよい。
「お勧めはありますか?」
との発話文が見いだされたものとする。
「はい」
「いいえ」
「お勧めは売り切れです」
「メニューに書かれています」
などの応答の選択肢が表示される(図10)。
「これ、あるかな?」
のような発話文を入力すると、会話支援装置は当該入力された発話文から「これ」、「ある」などのキーワードを検出する。そして、当該検出したキーワードが最も数多く関連づけられている発話文、
「これは、ありますか?」
を見いだして、これが所望の内容であるか否かを発話者に問い合わせる。発話者が、所望のものであることを確認して、その旨の指示操作を行うと、会話支援装置は、さらに検出したキーワードに指示語「これ」が含まれていることを検出して、「食事」のシーンに関連付けられている被指示単語リストを表示して、発話者に選択を促す。発話者は、当該リストから、所望の単語である「スプーン」を選択する。すると、会話支援装置は、上記発話文に関連付けられている、応答者側言語「英語」での音声データを読み出し、当該音声データに基づく音声を鳴動するとともに、被指示単語リストから選択された「スプーン」に対応する英語の文字列をディスプレイ19に表示する(図11)。ここでは発話文に対応する英語での文章、
"Do you have this?"
も併せて表示された状態を示している。
「はい」
「いいえ」
「いま、持ってきます」
などの応答の選択肢が表示される。
さらに、本実施の形態の制御部11は、発話文候補提示部33が提示した発話文に関連して、発話者及び応答者に、所定の作業を求めてもよい。この場合は、外部記憶媒体Mに格納されているデータベースに、図12に示すような、発話文識別子と、各国語での発話者側への作業指示と、各国語での応答者側への作業指示とを関連付けた指示テーブルをさらに保持させておく。
さらに、本実施の形態におけるデータベースの内容は、例えば無線通信モジュール14を介して、ネットワーク上のサーバからダウンロードできるようにしておいてもよい。具体的な例としては、例えば被指示単語リストをダウンロードできるようにしておけば、シーンに応じた単語だけでなく、時代に応じた単語なども含めることができるようになる。
Claims (5)
- 発話文を識別する発話文識別情報と、前記発話文に対する想定応答として列挙された応答文リストと、を関連付けた応答文テーブル、及び、発話文を識別する発話文識別情報に対して、発話者側への作業指示と応答者側への作業指示とを関連づけた指示テーブルを記憶するデータベースにアクセス可能に接続され、
発話者の入力に基づいて前記発話文の一つを特定する発話文特定部と、
前記特定された発話文の前記発話文識別情報に関連づけられた発話者側への作業指示を、前記指示テーブルから読み出して提示する発話者側指示提示部と、
前記特定された発話文の前記発話文識別情報に関連づけられている、前記応答文リストを取得する応答文取得部と、
前記取得された応答文リストに含まれる応答文を列挙して表示するとともに、前記特定された発話文の前記発話文識別情報に関連づけられた応答者側への作業指示を、前記指示テーブルから読み出して提示する応答文表示部と、
を有することを特徴とする会話支援装置。 - 請求項1に記載の会話支援装置であって、
前記応答文テーブルにはさらに、発話文識別情報に関連付けて肯定または否定を表す単語による応答の可否を示す特定応答可否情報が記憶されており、
前記特定された発話文の前記発話文識別情報に関連づけられている特定応答可否情報を参照して、肯定または否定を表す単語による応答が可能である場合に、前記取得した応答文リストに、肯定または否定の単語を追加する応答文追加部、
をさらに含むことを特徴とする会話支援装置。 - 請求項1または2に記載の会話支援装置であって、
前記データベースは、指示語に対応する被指示単語リストを記憶しており、
前記特定された発話文に、指示語が含まれている場合に、前記被指示単語リストを提示して前記発話者に提示するリスト表示部、
をさらに含むことを特徴とする会話支援装置。 - コンピュータを用い、
前記コンピュータによって実現されるアクセス手段が、発話文を識別する発話文識別情報と、前記発話文に対する想定応答として列挙された応答文リストとを関連付けた応答文テーブル、及び、発話文を識別する発話文識別情報に対して、発話者側への作業指示と応答者側への作業指示とを関連づけた指示テーブルを記憶するデータベースにアクセスする工程と、
前記コンピュータによって実現される発話文特定手段が、発話者の入力に基づいて前記発話文の一つを特定する工程と、
前記コンピュータによって実現される発話者側指示提示手段が、前記特定された発話文の前記発話文識別情報に関連づけられた発話者側への作業指示を、前記指示テーブルから読み出して提示する工程と、
前記コンピュータによって実現される応答文取得手段が、前記特定された発話文の前記発話文識別情報に関連づけられている、前記応答文リストを取得する工程と、
前記コンピュータによって実現される応答文表示手段が、前記取得された応答文リストに含まれる応答文を列挙して表示するとともに、前記特定された発話文の前記発話文識別情報に関連づけられた応答者側への作業指示を、前記指示テーブルから読み出して提示する工程と、
を含むことを特徴とする会話支援方法。 - コンピュータを、
発話文を識別する発話文識別情報と、前記発話文に対する想定応答として列挙された応答文リストとを関連付けた応答文テーブル、及び、発話文を識別する発話文識別情報に対して、発話者側への作業指示と応答者側への作業指示とを関連づけた指示テーブルを記憶するデータベースにアクセスする手段と、
発話者の入力に基づいて前記発話文の一つを特定する手段と、
前記特定された発話文の前記発話文識別情報に関連づけられた発話者側への作業指示を、前記指示テーブルから読み出して提示する手段と、
前記特定された発話文の前記発話文識別情報に関連づけられている、前記応答文リストを取得する手段と、
前記取得された応答文リストに含まれる応答文を列挙して表示するとともに、前記特定された発話文の前記発話文識別情報に関連づけられた応答者側への作業指示を、前記指示テーブルから読み出して提示する手段と、
として機能させることを特徴とするプログラム。
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