JP4078957B2 - 点火コイル - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は点火コイル、より詳しくはエンジンの各気筒のプラグホールに直接取り付けられるスティックタイプの点火コイルに関する。
【0002】
【従来の技術】
スティックタイプの点火コイルとして、特許文献1には、外殻がコイルハウジングとタワーハウジングとから構成された点火コイルが紹介されている。同文献記載の点火コイルのコイルハウジングの内部には、中心コアと一次コイルと二次コイルとが配置されている。タワーハウジングの内部には、高圧ターミナルが配置されている。コイルハウジング内およびタワーハウジング内には、上記部材同士を接合し、また部材間の絶縁を確保するために、エポキシ樹脂が注入されている。
【0003】
図8に、点火コイル100の高圧ターミナル101付近の拡大断面図を示す。図に示すように、高圧ターミナル101は金属製であって弾丸状を呈している。タワーハウジング104は樹脂製であって円筒状を呈している。高圧ターミナル101は、タワーハウジング104の内周側にかつタワーハウジング104と同軸的に配置されている。高圧ターミナル101は、上方大径部102と下方小径部103とを備えている。上方大径部102とタワーハウジング104内周面との間には、小隙間105が区画されている。ここで高圧ターミナル101は、小隙間105が形成されているので、ここを通ってエポキシ樹脂が下方小径部とタワーハウジング104間に通るようになっており、しかもターミナルガイド筒79で調心されるようになっている。この調心により、凸部75が図示しないスプールの下端部に挿入されるように導かれている。下方小径部103とタワーハウジング104内周面との間には、大隙間106が区画されている。そしてこれら小隙間105および大隙間106には、硬化したエポキシ樹脂(図略)が介在している。
【0004】
【特許文献1】
特開2000−182859号公報(第3頁−4頁、第1図)
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、高圧ターミナル101は金属製である。一方、タワーハウジング104は樹脂製である。このため、高圧ターミナル101の線膨張率とタワーハウジング104の線膨張率とは、大きく異なる。しかしながら、高圧ターミナル101とタワーハウジング104とは、小隙間105および大隙間106に介在するエポキシ樹脂により接合されている。点火コイル100は、エンジンの運転と停止に伴い、昇温と降温を繰り返す。したがって、点火コイル100の温度変化により、線膨張率が大きく異なる高圧ターミナル101とタワーハウジング104とが膨張および収縮を繰り返すと、小隙間105および大隙間106に介在し両部材を接合しているエポキシ樹脂は、両部材から熱応力を受ける。
【0006】
ここで、従来の点火コイル100によると、ボイド(空洞)107が大隙間106に介在するエポキシ樹脂中に残留するおそれがあった。すなわち、エポキシ樹脂は小隙間105を介して大隙間106に注入される。このときエポキシ樹脂中の微小気泡が集まって、ボイド107が発生する場合がある。しかしながら小隙間105は狭小である。このため大隙間106に注入されたエポキシ樹脂は、ボイド107を含んだまま硬化してしまうおそれがあった。エポキシ樹脂中にボイド107が残留していると、前記熱応力により高圧ターミナル101やタワーハウジング104や硬化後のエポキシ樹脂に不具合が生じるおそれがある。またエポキシ樹脂中にボイド107が残留していると、高圧ターミナル101の絶縁を確保することが困難になる。そしてスプリング108に嵌合される点火プラグ(図略)に所望の高電圧を供給しにくくなる。
【0007】
本発明の点火コイルは上記課題に鑑みて完成されたものである。したがって本発明は、タワーハウジングと高圧ターミナルとの隙間に介在する樹脂絶縁材中に、ボイドが残留しにくい点火コイルを提供することを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】
(1)上記課題を解決するため、本発明の点火コイルは、中心コアと一次コイルと二次コイルとを内部に持つ筒状のコイルハウジングと、コイルハウジングの下方に配置される筒状のタワーハウジングと、タワーハウジング内に配置され、タワーハウジング内周面との間に小隙間を区画する上方大径部と、タワーハウジング内周面との間に小隙間より大なる小隙間を介してコイルハウジング内と連通する大隙間を区画する下方小径部と、を持ち二次コイルと電気的に接続される高圧ターミナルと、コイルハウジング内およびタワーハウジング内に注入され硬化し各部材間の絶縁を確保する樹脂絶縁材と、を備えてなる点火コイルであって、高圧ターミナル上方にはコイルハウジングに注入された上方大径部上方の樹脂絶縁材を有し、下方小径部の大隙間は、上方大径部の小隙間を介して上方大径部上方の樹脂絶縁材に連通しており、小隙間を形成するタワーハウジングの内周面および上方大径部の外周面のうち少なくとも一方は、大隙間に注入された樹脂絶縁材中に内在するボイドを上方大径部上方の樹脂絶縁材に逃がしやすくするボイド逃がし通路を持つことを特徴とする。
【0009】
つまり、本発明の点火コイルは、タワーハウジングおよび上方大径部のうち少なくとも一方に、小隙間と隣接するボイド逃がし通路を配置するものである。ボイド逃がし通路は、点火コイルの上下方向、すなわち軸方向において大隙間および上方大径部上方の樹脂絶縁材と連通している。またボイド逃がし通路は、点火コイルの径方向において小隙間と連通している。したがって、樹脂絶縁材注入時においてボイドは、小隙間およびボイド逃がし通路により確保された比較的幅の広い空間を介して、大隙間から上方大径部上方の樹脂絶縁材に移動することができる。すなわち、ボイド逃がし通路を配置すると、樹脂絶縁材注入時におけるボイドの通路断面積が拡張される。本発明の点火コイルによると、大隙間に注入された樹脂絶縁材中のボイドが抜けやすくなる。このため大隙間に樹脂絶縁材が充填される。したがって、熱応力により高圧ターミナルやタワーハウジングやエポキシ樹脂に不具合が生じるのを抑制することができる。また、高圧ターミナルの絶縁を容易に確保することができる。
【0010】
ところで、点火コイルが収容されるプラグホールは接地されている。このため、プラグホールの電位は、ほぼゼロである。これに対し、高圧ターミナルは、二次コイルと点火プラグとの間に介装されている。このため、高圧ターミナルの電位は高い。したがって、プラグホールと高圧ターミナルとの間には、分布容量が発生する。分布容量が大きくなると、点火プラグに所望の高電圧を印加できなくなるおそれがある。分布容量は、高圧ターミナルからプラグホールまでの距離に反比例する。また、分布容量は、高圧ターミナルとプラグホールとの間の対向面積に比例する。
【0011】
点火コイルにおいては、コイルハウジング、およびコイルハウジングに収容される中心コア、一次コイル、二次コイルなどの部材は、製造コスト削減の観点から、タイプの異なる複数のエンジン間で共通化したいという要請がある。しかしながら、エンジンのタイプにより、プラグホールの深さは異なる。そこで、タワーハウジングおよび高圧ターミナルの長さを変えることにより、点火コイル全長をプラグホール深さに対応させている。
【0012】
ここで、高圧ターミナルの長さが比較的長い点火コイルの場合、高圧ターミナルとプラグホールとの間の対向面積が大きくなってしまう。このため、上記分布容量が大きくなってしまう。そこで、この場合は、高圧ターミナルからプラグホールまでの距離を長くしている。すなわち、対向面積が大きくなった分の分布容量増加を、高圧ターミナルからプラグホールまでの距離を長く設定することにより相殺している。
【0013】
例えば、前出の図8に示す点火コイル100の高圧ターミナル101は、下方小径部103を備えている。上方大径部102からプラグホール(タワーハウジング104の外周側に配置されている。)までの距離よりも、下方小径部103からプラグホールまでの距離の方が長い。したがって、下方小径部103を配置すると、プラグホールまでの距離が長い分だけ分布容量が小さくなる。すなわち、点火コイル100においては、下方小径部103により点火プラグに印加する高電圧を確保しようとしている。
【0014】
しかしながら、分布容量を小さくするために下方小径部103を配置すると、大隙間106にボイド107が残留しやすくなり熱応力により高圧ターミナル101やタワーハウジング104や硬化後のエポキシ樹脂に不具合が生じるおそれがある。
【0015】
これに対し、本発明の点火コイルはボイド逃がし通路を備えている。このため、大隙間に介在するエポキシ樹脂中にボイドが残留するおそれが小さい。したがって、大隙間全体に絶縁性の高いエポキシ樹脂を行き渡らせることができ、かつ下方小径部を配置したことによる分布容量低減効果を充分に得ることができる。
【0016】
(2)好ましくは、ボイド逃がし通路を、上方大径部を上下方向に貫通するボイド逃がし溝とする構成がよい。ボイド逃がし通路は、タワーハウジング内周面および上方大径部外周面のうち少なくとも一方に配置される。
【0017】
(3)好ましくは、上記(2)の構成において、前記ボイド逃がし溝は、前記タワーハウジングの内周面に上下方向に凹設されたボイド逃がしスリットである構成とする方がよい。本構成によると、高圧ターミナルに加工を施すことなく、ボイドを逃がす通路を配置することができる。したがって、高圧ターミナルの製造が容易になる。
【0021】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の点火コイルの実施の形態について説明する。
【0022】
(1)第一実施形態
まず、本実施形態の点火コイルの構成について説明する。図1に本実施形態の点火コイルの軸方向断面図を示す。点火コイル1は、エンジンブロックの上部において、気筒毎に形成されたプラグホール(図略)内に収納されている。また、点火コイル1は、後述するように、点火プラグ(図略)と図中下側において接続されている。
【0023】
点火コイル1は、コイルハウジング2を備えている。このコイルハウジング2は、樹脂製であり上方に向かって拡径する段付円筒状を呈している。そしてコイルハウジング2の拡径した上端部には、広口部20が形成されている。また広口部20の側壁の一部には、切り欠き窓21が形成されている。
【0024】
コイルハウジング2の内部には、中心コア部5と一次スプール3と一次コイル30と二次スプール4と二次コイル40とが、収納されている。
【0025】
このうち中心コア部5は、中心コア54と弾性部材50とゴムチューブ52とからなる。中心コア54は、幅の異なる短冊状の珪素鋼板を直径方向に積層して形成されており、棒状を呈している。弾性部材50はシリコンゴム製であって円柱状を呈している。弾性部材50は、中心コア54の上端と下端とに計二つ配置されている。ゴムチューブ52は筒状を呈している。そして中心コア54および弾性部材50は、このゴムチューブ52により被覆されている。
【0026】
二次スプール4は、樹脂製であって有底円筒状を呈している。二次スプール4は、中心コア部5と同軸的に、かつ中心コア部5の外周側隣りに配置されている。二次コイル40は、二次スプール4の外周面に巻回されている。また二次スプール4の上端面からは、上方向に向かって延びるスプール側係合爪41が立設されている。このスプール側係合爪41は、周方向に離間して計三つ配置されている。
【0027】
一次スプール3は、二次スプール4と同軸的に、かつ二次スプール4の外周側隣りに配置されている。一次コイル30は、一次スプール3の外周面に巻回されている。また、一次スプール3の外周側には、長手方向に貫通するスリットの入った円筒状の外周コア31が配置されている。
【0028】
コネクタ部6は、コイルハウジング2の広口部20に配置されている。コネクタ部6は、信号入力用コネクタ64とイグナイタ65とを備えている。この信号入力用コネクタ64は、樹脂製であって角筒状を呈している。また信号入力用コネクタ64は、広口部20の切り欠き窓21から拡径方向に突出して配置されている。
【0029】
イグナイタ65は、樹脂製であって直方体状を呈している。このイグナイタ65は、広口部20のほぼ中心に配置されており、信号入力用コネクタ64の縮径側端部に一体的に形成されている。イグナイタ65の下端面62には、リング状の位置決めリブ63が下方に向かって立設されている。この位置決めリブ63は、中心コア部5の弾性部材50と、二次スプール4との隙間に上方から介挿されている。この介挿により、コイルハウジング2内における中心コア5と二次スプール4との位置決めがなされている。また下端面62における位置決めリブ63の外周側には、イグナイタ側係合爪66が下方に向かって立設されている。このイグナイタ側係合爪66も、前記スプール側係合爪41と同様に、周方向に離間して計三つ配置されている。そして、イグナイタ側係合爪66とスプール側係合爪41とが係合することにより、イグナイタ65を保持しているコネクタ部6に二次スプール4が係止されている。
【0030】
高圧タワー部7は、コイルハウジング2の下方に配置されている。高圧タワー部7は、タワーハウジング70と高圧ターミナル71とスプリング72とプラグキャップ73とを備えている。
【0031】
タワーハウジング70は、樹脂製であって円筒状を呈している。タワーハウジング70の内周面は、下方に向かって段状に縮径している。この縮径段差部分からは、上方に向かって延びるターミナルガイド筒79が一体に形成されている。つまりターミナルガイド筒79はタワーハウジング70の一部である。またターミナルガイド筒79の下方には、上方に向かって延びるターミナル支持筒76が形成されている。
【0032】
高圧ターミナル71は、金属製であって弾丸状を呈している。高圧ターミナル71の上端面中央には、上方に向かって突出する円柱状の凸部75が形成されている。この凸部75は、前記二次スプール4の下端部に挿入されている。一方、高圧ターミナル71の下端面周縁には、下方に向かって延びるリングリブ74が立設されている。このリングリブ74内周側には、前記ターミナル支持筒76が圧入されている。ここで高圧ターミナル71は小隙間を介して、ターミナルガイド筒79で調心されることにより、凸部75が二次スプール4の下端部に挿入されるよう導かれている。
【0033】
スプリング72は、螺旋状を呈している。スプリング72の上端は、高圧ターミナル71のリングリブ74内周側に止着されている。一方スプリング72の下端には、点火プラグ(図略)が嵌挿されている。
【0034】
プラグキャップ73は、ゴム製であって円筒状を呈している。このプラグキャップ73は、タワーハウジング70の下端部を覆っている。プラグキャップ73の内周側には、点火プラグが圧入され弾接している。
【0035】
エポキシ樹脂8は、コイルハウジング2内およびタワーハウジング70内に配置された上記各部材間に介在している。このエポキシ樹脂8は、エポキシプリポリマと硬化剤とを、前記広口部20から予め真空引きしたコイルハウジング2内およびタワーハウジング70内に注入することにより、上記部材間に循環浸透し硬化する。このエポキシ樹脂8は、上記各々の部材同士を接合し、かつ部材間の絶縁性を確保する役割を有する。エポキシ樹脂8は本発明にいう樹脂絶縁材に該当する。
【0036】
次に、本実施形態の点火コイル1の動作について説明する。制御信号は信号入力用コネクタ64からイグナイタ65を介して一次コイル30に伝達される。そしてこの制御信号による相互誘導作用で、二次コイル40に高電圧が発生する。二次コイル40に発生した高電圧は、高圧ターミナル71とスプリング72とを介して点火プラグに伝達される。そして、この高電圧により点火プラグのギャップに火花が発生する。
【0037】
次に、本実施形態の点火コイル1のボイド逃がし通路について説明する。図2に高圧ターミナル付近の拡大断面図を示す。なお、エポキシ樹脂は省略して示す。図に示すように、高圧ターミナル71は上下方向中央がくびれた弾丸状を呈している。すなわち高圧ターミナル71は、上方大径部77と下方小径部78とを備えている。上方大径部77とターミナルガイド筒79、つまりタワーハウジング70との間には、小隙間80が区画されている。下方小径部78とタワーハウジング70との間には、大隙間81が区画されている。上方大径部77の外周面には、周方向に離間する四つのボイド逃がし溝10が形成されている。このため上方大径部77の周縁は、ちょうど歯車状を呈している。ボイド逃がし溝10は、上下方向において大隙間81および前記コイルハウジング内と連通している。またボイド逃がし溝10は、径方向において小隙間80と連通している。
【0038】
ところで、エポキシ樹脂の原料となるエポキシプリポリマおよび硬化剤は、図1に示すように、コイルハウジング2およびタワーハウジング70の内周側に各部材が配設された後から、コイルハウジング2の広口部20を介して、コイルハウジング2内およびタワーハウジング70内に注入される。注入されたエポキシプリポリマおよび硬化剤は、コイルハウジング2の内周面に沿って流下する。そして、図2に示すタワーハウジング70の小隙間80およびボイド逃がし溝10を通って、大隙間81に流入する。
【0039】
ここで、小隙間80は狭小である。このため、仮にボイド逃がし溝10が配置されていない場合、小隙間80のみでは、大隙間81に介在するエポキシ樹脂中のボイド9を除去するのは困難である。したがって硬化したエポキシ樹脂中にボイド9が残留するおそれがある。
【0040】
これに対し、本実施形態の点火コイル1は、ボイド逃がし溝10を備えている。このため図2中矢印で示すように、大隙間81のエポキシ樹脂が硬化する前に、ボイド9はボイド逃がし溝10を通ってコイルハウジング内に放出される。したがって本実施形態の点火コイル1によると、大隙間81のエポキシ樹脂中に、ボイド9が残留しにくい。
【0041】
次に、本実施形態の点火コイル1の下方小径部78の分布容量低減効果について説明する。図3に、上方大径部と下方小径部との間の段差と点火プラグ印加電圧との関係をグラフで示す。なお、本実施形態の点火コイル1に要求される点火プラグ印加電圧は30kVである。図から、上方大径部77と下方小径部78との間の段差(△D、図2参照)を1mm、2mm、3mmのいずれに設定しても、30kVを超える高電圧を点火プラグに印加できることが判る。なお、本発明者の実験によると、高圧ターミナルの全長L(上方大径部77上端から下方の大径部下端までの長さ、図2参照)が15mm以上の場合は、段差△Dは1mm以上あることが望ましい。また、下方小径部78の直径が小さいほど、言い換えると下方小径部78とプラグホール内周面との距離が長くなるほど、点火プラグ印加電圧は大きくなることが判る。このように、本実施形態の点火コイル1によると、大隙間81のエポキシ樹脂中にボイド9が残留しにくいため、絶縁性低下が抑制でき、かつ点火プラグに所望の高電圧を印加することができる。
【0042】
(2)第二実施形態
本実施形態の点火コイルと第一実施形態の点火コイルとの相違点は、ボイド逃がし溝が螺旋状に配置されている点である。その他の構成、動作などは第一実施形態と同様である。したがって、本項では、相違点についてのみ説明する。
【0043】
図4に高圧ターミナル付近の拡大断面図を示す。なお図2と対応する部材については同じ記号で示す。図に示すように、本実施形態においては、ボイド逃がし溝10が上方大径部77の外周面に螺旋状に四つ形成されている。本実施形態のように、ボイド逃がし溝10を配置しても、エポキシ樹脂中へのボイドの残留を抑制することができる。
【0044】
(3)第三実施形態
本実施形態の点火コイルと第一実施形態の点火コイルとの相違点は、上方大径部にボイド逃がし溝が配置されておらず、代わりにタワーハウジングにボイド逃がしスリットが形成されている点である。なおボイド逃がしスリットは、本発明のボイド逃がし通路に含まれる。
【0045】
図5に高圧ターミナル付近の拡大断面図を示す。なお図2と対応する部材については同じ記号で示す。ボイド逃がしスリット11は、タワーハウジング70のターミナルガイド筒79を、上下方向に切り欠いて形成されている。ボイド逃がしスリット11は、周方向90゜ごとに計四つ配置されている。
【0046】
本実施形態のボイド逃がしスリット11は、ターミナルガイド筒79の一部を切除して形成されている。このため、比較的大きな通路断面積を確保することができる。
【0051】
(4)その他
以上、本発明の実施の形態について説明した。しかしながら実施の形態は上記形態に特に限定されるものではない。当業者が行いうる種々の変形的、改良的形態で実施することも可能である。例えば、上記実施形態においてはボイド逃がし通路を上方大径部およびタワーハウジングのいずれか一方に配置した。しかしながら、例えば上記第一実施形態の高圧ターミナルを上記第三実施形態のタワーハウジングに組み込んで、上方大径部およびタワーハウジングの双方にボイド逃がし通路を配置してもよい。こうすると、大きな通路断面積を確保することができる。またこの場合、双方のボイド逃がし通路の数および位置を合わせると、より大きな通路断面積を確保することができる。ただし、ボイド逃がし通路の数、形状などは特に限定するものではない。
【0052】
また、上記実施形態においては、大径部を上方に一つ(上方大径部)、下方に一つ、小径部をこれらの大径部の中間に一つ(下方小径部)、それぞれ配置した。しかしながら、大径部を上方に一つ(上方大径部)、小径部をその下方に一つ(下方小径部)配置してもよい。
【0053】
【発明の効果】
本発明によると、タワーハウジングと高圧ターミナルとの隙間に、ボイドが残留しにくい点火コイルを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 第一実施形態の点火コイルの軸方向断面図である。
【図2】 第一実施形態の点火コイルの高圧ターミナル付近の拡大断面図である。
【図3】 第一実施形態の点火コイルにおける上方大径部と下方小径部との間の段差と点火プラグ印加電圧との関係を示すグラフである。
【図4】 第二実施形態の点火コイルの高圧ターミナル付近の拡大断面図である。
【図5】 第三実施形態の点火コイルの高圧ターミナル付近の拡大断面図である。
【図6】 従来の点火コイルの高圧ターミナル付近の拡大断面図である。
【符号の説明】
1:点火コイル、10:ボイド逃がし溝、11:ボイド逃がしスリット、2:コイルハウジング、20:広口部、21:切り欠き窓、3:一次スプール、30:一次コイル、31:外周コア、4:二次スプール、40:二次コイル、41:スプール側係合爪、49:凸部挿入孔、5:中心コア部、50:弾性部材、52:ゴムチューブ、54:中心コア、6:コネクタ部、62:下端面、63:位置決めリブ、64:信号入力用コネクタ、65:イグナイタ、66:イグナイタ側係合爪、7:高圧タワー部、70:タワーハウジング、71:高圧ターミナル、72:スプリング、73:プラグキャップ、74:リングリブ、75:凸部、76:ターミナル支持筒、77:上方大径部、78:下方小径部、79:ターミナルガイド筒、8:エポキシ樹脂、80:小隙間、81:大隙間、9:ボイド。

Claims (3)

  1. 中心コアと一次コイルと二次コイルとを内部に持つ筒状のコイルハウジングと、
    該コイルハウジングの下方に配置される筒状のタワーハウジングと、
    該タワーハウジング内に配置され、該タワーハウジング内周面との間に小隙間を区画する上方大径部と、該タワーハウジング内周面との間に該小隙間より大なる大隙間を区画する下方小径部と、を持ち該二次コイルと電気的に接続される高圧ターミナルと、
    該コイルハウジング内および該タワーハウジング内に注入され硬化し各部材間の絶縁を確保する樹脂絶縁材と、
    を備えてなる点火コイルであって、
    該高圧ターミナル上方には該コイルハウジングに注入された該上方大径部上方の樹脂絶縁材を有し、該下方小径部の大隙間は、該上方大径部の該小隙間を介して該上方大径部上方の該樹脂絶縁材に連通しており、
    該小隙間を形成する該タワーハウジングの内周面および該上方大径部の外周面のうち少なくとも一方は、該大隙間に注入された該樹脂絶縁材中に内在するボイドを該上方大径部上方の該樹脂絶縁材に逃がしやすくするボイド逃がし通路を持つことを特徴とする点火コイル。
  2. 前記ボイド逃がし通路は、前記上方大径部を上下方向に貫通するボイド逃がし溝である請求項1に記載の点火コイル。
  3. 前記ボイド逃がし溝は、前記タワーハウジングの内周面に上下方向に凹設されたボイド逃がしスリットである請求項2に記載の点火コイル。
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