JP4078764B2 - 座標読取装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
この発明は、座標読取装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、図20(A)に示す座標読取装置が知られている。図20(A)は、従来の座標読取装置の構成を示す説明図である。
図20(A)に示す座標読取装置は、X座標を検出するためのX1〜Xmのセンスコイル(導線)およびY座標を検出するためのY1〜Ynのセンスコイル(導線)を有する座標入力シート91と、この座標入力シート91のセンスコイルを順次走査する走査回路92と、センスコイルに発生する誘導信号を検出して位置座標の演算を行う検出回路90とを備える。
【0003】
そして、交番磁界を発生するコイル101を有するペン(筆記手段)100が座標入力シート91に接触すると、ペン100が接触した付近のセンスコイルには、コイル101から発生した交番磁界との磁気結合により誘導信号97が誘起され、その誘導信号97は、検出回路90に入力される。検出回路90に入力された誘導信号97は、増幅器93によって増幅され、検波回路94によって例えば振幅検波される。次にA/D変換回路95は、上記検波された誘導信号の振幅を計測し、その計測値をCPU96に出力する。そして、CPU96は、入力されたデジタル値に基づいてペン100の位置座標を演算する。たとえば、デジタル値と位置座標とを対応付けた位置座標テーブルを参照し、デジタル値に対応する位置座標を選択するという演算手法を用いる。
【0004】
ところで、上述したような座標読取装置のうち、複数種類のペンを使用する場合において、ペンの種類などの属性を示す属性情報を符号列によってペンから送信し、その属性情報を座標入力シート側で認識するものが知られている(特開平5−233127号公報)。図20(B)は、ペンから送信する符号列を示す説明図である。
符号Gは、2ビットのスタートビット、ペンの属性情報を示す7ビットの属性情報ビットおよび1ビットのストップビットの計10ビットから構成されており、動作クロックFにしたがってペンから交番磁界に重畳されて出力される。
そして、座標入力シート側は、ペンから送信された交番磁界によってセンスコイルに発生した信号に重畳されている符号列を読取り、ペンの属性情報を認識する。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、上記従来の座標読取装置(特開平5−233127号公報)は、スタートビットからストップビットまでの複数の周期を受信しなければペンの属性情報を認識することができない。
また、ペン側の動作クロックおよび座標入力シート側の動作クロックの同期をとらなければペンの属性情報を認識することができない。
さらに、スタートビットからストップビットの途中からセンスコイルで検出開始された場合は、次のスタートビットが送信されるまで待機し、再度スタートビットからストップビットまでを受信しなければ、ペンの属性情報を認識することができない。
つまり、上記従来の座標読取装置は、ペンの属性情報を認識するために時間がかかるという問題がある。
【0006】
そこで、この発明は、上記問題を解決するためになされたものであり、情報を識別するために要する時間を短縮することができる座標読取装置を実現することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段、作用および発明の効果】
【0008】
【0009】
【0010】
【0011】
この発明は、上記目的を達成するため、請求項1および請求項2に記載の発明では、交番磁界と磁気結合可能な複数の導線が筆記面の下部に敷設された座標入力シートを有する本体と、前記交番磁界を発生する筆記手段とを備え、前記各導線をスキャンすることにより、信号を発生した導線を検出し、その検出した導線に発生した信号に基づいて前記筆記面上の前記筆記手段の位置座標を読取る座標読取装置において、前記筆記手段は、所定の周期の交番磁界を発生するコイルと、前記筆記手段が有する属性情報ごとに設定された単一の周期を有する信号を用いて、前記コイルから発生する交番磁界を角度変調して送信する送信手段とを備えており、前記本体は、前記検出した導線に発生した信号に基づいて前記筆記面上の前記筆記手段の位置座標を読取り、かつ、その読取りに用いた信号を復調することにより、前記筆記手段から送信された信号の1周期分の長さを半周期ごとに検出し、その検出された1周期分の長さに基づいて、前記筆記手段の属性情報を認識する受信手段を備えたという技術的手段を用いる。
【0012】
つまり、筆記手段から本体へ送信する信号の周期は単一であり、筆記手段の属性情報によって周期が異なるため、本体は、信号の1周期分を検出するだけで、筆記手段の属性情報を認識することができる。
したがって、従来のようにスタートビットからストップビットまでの複数の周期を利用して示される属性情報を認識するものよりも、属性情報を認識するために要する時間を短縮することができる。
特に、筆記手段から送信された信号の1周期分の長さを半周期ごとに検出し、その検出された1周期分の長さに基づいて、筆記手段の属性情報を認識することができる。
つまり、導線に発生した信号の1周期の途中で、その導線がスキャンされた場合であっても、その1周期の次の1周期の開始を待つ必要がなく、次の半周期からの1周期分の長さに基づいて、筆記手段の属性情報を認識できるため、属性情報の認識を高速に行うことができる。
また、信号の周期が僅かに異なるだけで、属性情報を認識することができる。たとえば、周期が、本体のシステムクロックの少なくとも1周期分異なるだけで属性情報を認識することができる。
したがって、非常に多くの種類の属性情報を送信することができるとともに、短時間で属性情報を認識することができる。
さらに、筆記手段のコイルから発生する交番磁界を角度変調することによって属性情報を送信し、座標入力シートに敷設された導線に発生する信号を復調することにより、筆記手段から送信された信号の単一の周期を検出し、その検出された周期に基づいて属性情報を認識するため、交番磁界の強度が変化した場合であっても、属性情報を示している部分である周期または位相は影響を受けないので、属性情報を正確に送受信することができる。
【0013】
請求項2に記載の発明では、請求項1に記載の座標読取装置において、前記送信手段は、前記信号を所定時間繰り返して送信するという技術的手段を用いる。
【0014】
つまり、筆記手段から信号を所定時間繰り返して送信することにより、筆記手段から交番磁界が発生したタイミングと、座標入力シート側が導線に発生する信号を検出するタイミングとが一致しなかった場合であっても、座標入力シート側は所定時間後に導線に発生する信号を検出することができるため、属性情報を認識することができる。
なお、上記座標入力シートには、可撓性を有していないシート状または板状のもの、あるいは可撓性を有するシート状または板状のものを含む。
【0015】
【発明の実施の形態】
[第1実施形態]
以下、この発明に係る座標読取装置の第1実施形態について図を参照して説明する。
なお、この第1実施形態では、この発明に係る座標読取装置として、座標入力シート上に描かれる手書き文字や図形などを電気的に読み取る、いわゆる電子黒板を例に挙げて説明する。また、角度変調の一種である周波数変調を用いた例で説明する。
[主要構成]
最初に、第1実施形態に係る電子黒板の主要構成について図1および図2を参照して説明する。
図1は、電子黒板の主要構成を示す外観斜視説明図であり、図2は、図1に示す電子黒板にパーソナルコンピュータ(以下、PCと略称する)およびプリンタを接続した状態を示す説明図である。
【0016】
電子黒板1には、筆記パネル10と、筆記面21aに筆記を行うためのペン60と、筆記された軌跡およびその軌跡を示すデータを消去するためのイレーサ40とが備えられている。筆記パネル10には、枠状のフレーム11が備えられており、そのフレーム11には、筆記パネル本体20が組み込まれている。フレーム11の前面下端には、その下端に沿って板状の台12が前面に張り出す形で取り付けられている。台12の上面には、ペン60を収容するための断面半円形状の凹部12aが形成されており、その凹部12aの右側には、イレーサ40などを置くための平面部12bが形成されている。
【0017】
フレーム11の前面右側には、操作部30が設けられている。操作部30には、操作音や警告音などの音を再生するスピーカ31と、筆記面21aに筆記された内容を示すデータ(以下、筆記データと略称する)を記憶したページ数を7セグメントのLEDによって表示するページ数表示LED32と、押すごとに1ページずつ戻るページ戻りボタン33と、押すごとに1ページずつ送るページ送りボタン34と、記憶されている筆記データを押すごとに1ページずつ消去する消去ボタン35と、記憶されている筆記データをプリンタ200(図2)へ出力するために押すプリンタ出力ボタン36と、記憶されている筆記データをPC100(図2)へ出力するために押すPC出力ボタン37と、ペン60の電池切れを報知する電池切れ報知用LED39と、この電子黒板1を起動あるいは停止するために押す電源ボタン38とが設けられている。
【0018】
フレーム11の前面下部には、この電子黒板1の電源となる単2乾電池14aを4本収容するバッテリケース14が設けられており、そのバッテリケース14の前面には、蓋14bが開閉可能に取付けられている。バッテリケース14の右側には、スピーカ31のボリュームを調節するボリューム調節つまみ13cが設けられており、その右側には、コネクタ13b、13aが設けられている。図2に示すように、コネクタ13bには、プリンタ200と接続された接続ケーブル201のプラグ202が接続され、コネクタ13aには、PC100と接続された接続ケーブル101のプラグ102が接続される。
つまり、電子黒板1の筆記面21aに筆記された内容を示す筆記データをPC100へ出力し、PC100に備えられたモニタ103により、電子黒板1に筆記された内容を見ることができる。また、筆記データをプリンタ200へ出力し、電子黒板1に筆記された内容を印刷用紙203に印刷することもできる。
【0019】
また、フレーム11の裏面上端の両端部には、この電子黒板1を壁に掛けるための金具15、15が取付けられている。
この第1実施形態では、筆記面21aの高さH1は900mmであり、幅W1は600mmである。また、フレーム11および台12は、ポリプロピレンなどの合成樹脂により軽量に形成されており、電子黒板1の総重量は10kg以下である。さらに、イレーサ40には交番磁界を発生するコイル、発振回路および電池などが内蔵されている。
【0020】
[ネットワークの構成]
次に、電子黒板1と他の電子黒板1との間でデータの通信を行う場合のネットワークの構成について、それをブロックで示す図3を参照して説明する。
なお、ここでは、企業内において電子黒板1を備えた複数の部屋間、あるいは、企業間で通信を行う場合を例に挙げて説明する。
企業2内の部屋3には、電子黒板1と、この電子黒板1と接続されたPC100と、このPC100と接続されたLANボード103とが備えられており、部屋4には、電子黒板1と、この電子黒板1と接続されたPC100と、このPC100と接続されたモデム108とが備えられている。各部屋3に備えられたLANボード103は、LANケーブル104によりHUB105に接続されている。また、HUB105は、サーバ106に接続されており、サーバ106は、インターネット300を介して他の企業5に接続可能になっている。また、部屋4に備えられたモデム108は、電話回線109から公衆通信交換網301を介して他の企業5に接続可能になっている。
なお、図示しないが、他の企業5内には、企業2内と同様に、PCを介して通信可能な電子黒板1が備えられている。
【0021】
ここで、上記ネットワークにおけるデータの流れについて説明する。
ある部屋3に備えられた電子黒板1に記憶された筆記データは、PC100からLANボード103およびHUB105を介して指定された部屋3のPC100へ送信される。そして、そのデータを受信した者は、PC100に備えられたモニタ103に受信データを表示することにより(図2)、あるいは、受信データをPC100に接続されたプリンタ200により用紙203に印刷することにより(図2)、受信データの内容を見ることができる。
また、筆記データを、たとえばTIFF(Tag Image File Format)形式で電子メールに画像ファイルとして添付し、サーバ106からインターネット300を介して他の企業5へ送信することもできる。これにより、他の企業5は、企業2から送信された電子メールに添付されている画像ファイルをデコードすることにより、筆記データの内容を見ることができる。
【0022】
[筆記パネル本体20の構造]
次に、筆記パネル本体20の構造について図4を参照して説明する。
図4は、筆記パネル本体20の各構成部材を示す説明図である。
筆記パネル本体20は、筆記面21aを有する筆記シート21と、板状のパネル22と、センスコイル23が敷設された枠形状の取付パネル24と、板状のバックパネル25とを順に積層した構造である。
この実施形態では、筆記シート21は、貼り合わされたPET(ポリエチレンテレフタラート)フィルムにより厚さ0.1mmに形成されており、パネル22は、アクリル樹脂、ABS(アクリロニトリル−ブタジエン−スチレン共重合体)、PC(ポリカーボネート)などにより厚さ3.0mmに形成されている。また、取付パネル24は、発泡スチロールなどの発泡樹脂製材料により厚さ40mmに形成されており、バックパネル25は、アルミニウムなどの導電性材料により厚さ1.0mmに形成されている。さらに、筆記パネル本体20の各端部を挾持するフレーム11の全体の厚さは50mmである。
【0023】
[センスコイル23の構成]
次に、センスコイル23の構成について図5を参照して説明する。
図5(A)は、図4に示すセンスコイル23の構成を一部を省略して示す説明図であり、図5(B)は、図5(A)に示すセンスコイル23の幅および重ねピッチを示す説明図である。
なお、以下の説明では、センスコイル23のうちX軸方向に配列されたセンスコイルをXコイルと称し、Y軸方向に配列されたセンスコイルをYコイルと称する。
図5(A)に示すように、X軸方向には、ペン60およびイレーサ40の(X,Y)座標のX座標を検出するためのX1〜XmのXコイルがm本配置されており、Y軸方向には、Y座標を検出するためのY1〜YnのYコイルがXコイルと直交してn本配置されている。XコイルおよびYコイルは、それぞれ略矩形状に形成されており、矩形部分の長辺の長さはそれぞれP2X,P2Yである。
【0024】
図5(B)に示すように、Xコイルは、それぞれ幅(矩形部分の短辺の長さ)P1に形成されており、隣接するXコイルは、P1/2のピッチでそれぞれ重ねられている。各Yコイルもそれぞれ幅P1に形成されており、隣接するYコイルは、P1/2のピッチでそれぞれ重ねられている。また、Xコイルの各端子23aは、Xコイル切替え回路50aに接続されており、Yコイルの各端子23bは、Yコイル切替え回路50bに接続されている(図9)。
この第1実施形態では、P1=50mmであり、P2X=680mmであり、P2Y=980mmである。また、m=22であり、n=33である。さらに、XコイルおよびYコイルは、共に表面に絶縁被膜層(たとえば、エナメル層)を有する直径0.35mmの銅線により形成されている。
なお、図5(A)では、コイルの配置を分かり易くするために各コイルの辺が重ならないように描かれているが、実際には、たとえばXコイルX1の長辺部には各YコイルY1,Y2,Y3・・・の短辺部が重なって配置されている。また、端子23a,23bは、その間隔を最小として構成されている。
【0025】
[位置座標テーブル]
次に、筆記面21a上のペン60の位置座標を検出するための位置座標テーブルについて図6および図7を参照して説明する。
図6(A)はXコイルX1〜X3の一部を示す説明図であり、図6(B)は図6(A)に示すXコイルX1〜X3に発生する電圧と幅方向の距離との関係を示すグラフであり、図6(C)は図6(A)に示すXコイルX1〜X3の相互に隣接するセンスコイル間の電圧差を示すグラフである。図7(A)は位置座標テーブルをグラフ化して示す説明図であり、図7(B)は位置座標テーブルの説明図であり、図7(C)は各Xコイルから検出した検出値の記憶状態を示す説明図である。
【0026】
図6においてXコイルX1,X2,X3の中心線をそれぞれC1,C2,C3とし、XコイルX1,X2,X3に発生する電圧をそれぞれex1,ex2,ex3とする。図6(B)に示すように、電圧ex1〜ex3は、それぞれセンスコイルの中心C1〜C3において最大となり、長手方向の端部に近づくにつれて小さくなる単峰性を示す。なお、各コイルは、自己のヌル点、すなわち電圧ex1〜ex3がそれぞれ0となる点が隣接するコイルの中心の外側となるようにP1/2で重ねられる。
また、図6(C)に示すようにXコイルX1〜X3の相互に隣接するセンスコイル間の電圧差は、センスコイルの中心C1〜C3上にそれぞれ最大値を有し、センスコイルの中心とセンスコイルの長辺部分との中間点、つまり隣接するセンスコイルが重なった部分の中間点で零となるグラフとなる。
【0027】
たとえば、図6(C)において(ex1−ex2)を示すグラフの右半分(実線で示す部分)は、XコイルX1の中心C1から、XコイルX2が重ねられた部分の中間点Q2までの距離(重ねピッチの1/2、つまりP1/4)と(ex1−ex2)との関係を示す。今、仮にペン60が点Q2に存在する場合、(ex1−ex2)を検出すれば中心C1からQ2点までの距離ΔX1を検出できるため、Q2点のX座標を求めることができる。
この実施形態では、コイル幅P1が50mmであるから、P1/4=12.5mmである。たとえば、図6(C)において(ex1−ex2)の特性を示す部分(実線で描いた部分)を8bitのデジタルデータに変換すると、図7(A)に示すグラフを得る。このグラフをテーブル形式に変換すると、図7(B)に示す位置座標テーブル58aを得る。この位置座標テーブル58aは、ROM58(図9)などに記憶され、ペン60の位置座標の演算に用いられる。
【0028】
次に、ペン60の主要構成について図8を参照して説明する。
図8(A)は、ペン60の内部構造を示す説明図であり、図8(B)は、図8(A)に示すペン60の電気的構成を示す説明図である。
[ペン60の内部構造]
ペン60には円筒形状の胴体部61aと、この胴体部61aの後端に着脱可能に取付けられた蓋61cとが備えられている。胴体部61aの内部には、コイルL1と、矢印F2で示す方向へ取り出し可能なインクカートリッジ63と、このインクカートリッジ63に挿入されたペン先62と、コイルL1から交番磁界を発生させるための発振回路などが実装された回路基板69と、この回路基板69に電源を供給する電池70とが設けられている。
また、インクカートリッジ63と回路基板69との間には、上記発振回路などへの電源の供給および遮断を行うための押しボタン式のスイッチ67が設けられている。スイッチ67は、ペン先62を筆記面21a(図1)に押し付け、インクカートリッジ63が矢印F1で示す方向へ移動するとONし、矢印F2で示す方向へ戻るとOFFする。つまり、ペン60によって筆記面21aに筆記を行っているときにコイルL1から交番磁界が発生する。
【0029】
[ペン60の電気的構成]
図8(B)に示すように、回路基板69に実装された回路は、インクの色やペン先の太さなどのペンの属性ごとに異なる変調周波数が設定されたCR発振回路69eと、このCR発振回路69eから発振された信号を搬送する搬送波を発振するLC発振回路69cと、このLC発振回路69cの発振周波数をCR発振回路69eの変調周波数によってFSK(Frequency Shift Keying)変調するFSK回路69dとから構成される。搬送波の発振周波数は、LC発振回路69cを構成するインダクタンスL1およびコンデンサC1,C2,C3によって決定し、変調周波数は、CR発振回路69eを構成するコンデンサC5および抵抗R2,R3によって決定する。また、搬送波の発振周波数の周波数偏位は、FSK回路69dのコンデンサC4の容量によって決定する。
【0030】
ペン60の属性と変調周波数fmとの関係は、その関係を説明する図10(A)に示すように設定されている。図10(A)において、「細」とはペン先62(図8(A))が細いことを示しており、「太」とはペン先62が太いことを示す。たとえば、黒太とはペン先が太く黒色インクを使用するペンを示す。
なお、イレーサ40もコイルを内蔵しており、そのコイルから発生した交番磁界によってセンスコイルに発生した信号に基づいてイレーサ40による消去範囲を演算するため、イレーサ40にも変調周波数fmを割り当て、ペン60と識別する。
【0031】
そして、スイッチ67がONすると、電池70の電源が各回路に供給され、CR発振回路69eの集積回路IC3の出力がFSK回路69dのMOS FETのゲートをスイッチングし、LC発振回路69cから発振した搬送波がCR発振回路69eから発振された信号によって周波数変調される。
この第1実施形態では、搬送波の中心周波数は410kHzであり、周波数偏位は±20kHzである。また、この第1実施形態では、集積回路IC1は東芝製のTC7SLU04Fであり、集積回路IC2およびIC3は共に東芝製のU04である。また、MOS FETは2SK2158である。抵抗R1およびR2は共に1MΩであり、可変抵抗R3の可変範囲は0Ω〜1MΩである。コンデンサC1,C4,C5は、それぞれ0.1μF,0.0015μF,100pFであり、コンデンサC2,C3は共に0.0033μFである。さらに、電池70はLR44であり、電圧は約1.5Vである。
【0032】
[電子黒板1の主な電気的構成および制御内容]
次に、電子黒板1の主な電気的構成および制御内容について図9、図10(B)および図11を参照して説明する。
図9は電子黒板1の電気的構成をブロックで示す説明図であり、図10(B)は図9の中のA、B、C点における信号を示す説明図であり、図11は図9に示すCPU56が実行する主な制御内容を示すフローチャートである。
図9に示す制御装置50に備えられたCPU56は、電源ボタン38(図1)がONしたことを検出すると(ステップ(以下、Sと略す)100:Yes)、ROM58に記憶されている制御プログラムや位置座標テーブル58a(図7(B))をRAM59のワークエリアにロードするなどの初期設定を行い(S200)、座標読取・ペン情報検出処理を実行する(S300)。
【0033】
[座標読取処理]
ここで座標読取処理について、その流れを示す図12のフローチャートを参照して説明する。
CPU56は、XコイルX1〜Xmを順に選択するコイル選択信号A(図10(B))を入出力回路(I/O)53を介してXコイル切替え回路50aに出力することにより、XコイルX1〜Xmのスキャンを行う(S302)。続いてペン60のコイルL1から発生した交番磁界と、いずれかのXコイルとの磁気結合によって発生した信号は、増幅器50c(図9)によって増幅され、その増幅信号(図10(B))は、バンドパスフィルタ(BPF)50dによって不要な帯域が濾波され、振幅検波回路51によって振幅検波される。続いてその振幅検波された信号(図10(B))は、A/D変換回路52によって振幅、つまり電圧値に対応したデジタル信号に変換され、入出力回路53を介してCPU56に入力される。
【0034】
続いてCPU56は、ペン60を検出したと判定し(S304:Yes)、XコイルX1〜Xmをスキャンして入力されたデジタル信号によって示される電圧値e1〜emを図7(C)に示すように、Xコイルのコイル番号と対応付けてRAM59の電圧値記憶エリア59aに順次記憶して行く(S306)。続いてCPU56は、電圧値記憶エリア59aに記憶された各電圧値に基づいて以下の手順によってペン60のX座標を演算する(S308)。
まず、電圧値記憶エリア59aに記憶されている電圧値e1〜emの中で最大の電圧値emaxを選択し、その電圧値emaxを発生したXコイルのコイル番号(以下、maxと称する)をRAM59に記憶する。
たとえば、図6に示すように、ペン60は位置Q3に存在し、図6(B)に示すように、XコイルX1,X2,X3からそれぞれ電圧値e1,e2,e3が発生したとすると、最大の電圧値e2を選択し、その電圧値e2を発生したXコイルのコイル番号2をmaxとしてRAM59に記憶する。
そして、CPU56はemaxの両隣の電圧値emax±1のうち大きい方を決定し、その決定した電圧値を発生したXコイルのコイル番号(以下、max2と称する)をRAM59に記憶する。
【0035】
図6に示す例では、e2の両隣の電圧値e3,e1のうち大きい方のe3を決定し、そのe3を発生したXコイルのコイル番号3をmax2としてRAM59に記憶する。
続いてCPU56は、RAM59に記憶されたコイル番号maxおよびmax2を比較して、コイル番号max2はコイル番号maxからX軸の+方向または−方向のどちらに存在しているかを判定する。そして、max2≧maxである場合は、変数SIDEを1に設定し、max2<maxである場合は、変数SIDEを−1に設定する。図6に示す例では、max=2でmax2=3であるから、max2>maxとなり、変数SIDEを1に設定する。
続いてCPU56は、
【0036】
DIFF=e(max)−e(max2)・・・(1)
【0037】
を演算し、その演算されたDIFFに最も近い位置座標をROM58に記憶されている位置座標テーブル58aから読出し、それをOFFSETとする。続いてCPU56は、
【0038】
X1=(P1/2)×max+OFFSET×SIDE・・・(2)
【0039】
を演算し、X座標X1を求める。ここで、(P1/2)×maxは、コイル番号maxの中心のX座標を示す。図6に示す例では、(2)式は、X=(P1/2)×2+(e2−e3)×1となり、位置Q3のX座標は、XコイルX2の中心線C2からX軸の+方向に(e2−e3)に対応する距離、たとえばΔX2離れた座標となる。
そしてCPU56は、各Yコイルのスキャンを実行し(S310)、各Yコイルから検出した電圧値をRAM59のYコイル用の電圧値記憶エリアに記憶する(S312)。続いてCPU56は、前述のS308におけるX座標の演算と同じ手法を用いてペン60のY座標を演算する(S314)。
【0040】
[ペン属性の判定]
次に、CPU56がペン属性を判定するための電気的構成および制御について図13ないし図18を参照して説明する。
図13はFSK復調回路55(図9)の電気的構成を示す説明図であり、図14は図13に示すFSK復調回路55の各部位に表れる信号波形を示す説明図である。
図15(A)はCR発振回路69eの出力信号(以下、CR信号と称する)と、LC発振回路69cの出力信号(以下、キャリア信号と称する)と、リミッタ回路54の出力信号(以下、リミッタ出力信号と称する)と、カウント回路55a(図13)によるカウント値との関係を示す説明図である。図15(B)はシフトレジスタ55b(図13)に格納されたカウント値がシフトする様子を示す説明図である。
図16(A)は絶対値コンパレータ55f(図13)によるしきい値判定出力と、CPU56の判定周期との関係を示す説明図であり、図16(B)はカウンタ55gによるカウント値が移動する様子を示す説明図である。図17はFSK復調回路55を構成するカウント回路55aから絶対値コンパレータ55fまでの処理(ペン属性検出処理1)の流れを示すフローチャートであり、図18はカウンタ55gおよび加算器55iの処理(ペン属性検出処理2)の流れを示すフローチャートである。
なお、図15(A)に示すキャリア信号は、たとえば前述したように中心周波数が410kHzであり、周波数偏移が±20kHzであるが、説明を分かり易くするために、図15(A)では周波数偏移を誇張して示している。
【0041】
最初に、ペン属性を検出するためのFSK復調回路55の特徴について図15を参照して説明する。
図15(A)に示す例では、CR信号のローレベルの間は、キャリア信号は高い周波数(たとえば430kHz)に変調されており、ハイレベルの間は低い周波数(たとえば390kHz)に変調されている。このため、CR信号がローレベルの間のリミッタ出力信号の周期をTBとすると、CR信号がハイレベルの間のリミッタ出力信号の周期はTBより長いTCとなる。
したがって、カウント回路55aによるリミッタ出力信号の1周期分のカウント値kは、CR信号がローレベルからハイレベルに変化したときに増加し、ハイレベルからローレベルに変化したときに減少する。
【0042】
つまり、カウント回路55aによるカウント値kが変化したタイミングを検出することにより、CR信号の立上がりまたは立ち下がりのタイミングを検出することができる。そして、カウント値kが変化してから次に変化するまでの時間はCR信号の半周期に対応するため、カウント値kの変化している時間の1周期分を計測すれば、CR信号の周期を求めることができるので、ペン属性を検出することができる。
ここで、FSK復調回路55の各構成要素の作用の概略を説明すると、カウント回路55aはカウント値kを計測し、シフトレジスタ55b、第1加重平均回路55c、第2加重平均回路55d、減算器55eおよび絶対値コンパレータ55fはカウント値kの変化タイミングを検出し、カウンタ55g、レジスタ55hおよび加算器55iはカウント値kが変化する周期を計測する。そして、CPU56は、加算器55iから出力された加算値に基づいてペン属性を判定する(S318)。
【0043】
次に、FSK復調回路55の動作を詳細に説明する。
バンドパスフィルタ50dから出力された信号は、リミッタ回路54によって図15(A)に示す方形波のリミッタ出力信号に変換され、FSK復調回路55に出力される。そして、FSK復調回路55は、リミッタ出力信号の立上がりを検出すると(図17のS10:Yes)、システムクロック(CLK)を用いてリミッタ出力信号の周期のカウントを開始し(S12)、リミッタ出力信号の次の立上がりを検出すると(S14:Yes)、カウント値kをシフトレジスタ55bに出力し(S16)、カウント値kをリセットする(S18)。
つまり、カウント回路55aはリミッタ出力信号の1周期の長さTBまたはTCを計測する。
【0044】
この実施形態では、シフトレジスタ55bは、図15(B)に示すように、リミッタ出力信号の1周期分のカウント値kをk1〜k8の8周期分格納し、最も新しいカウント値kを取り込むごとに最も古いカウント値kを破棄し、各カウント値kを1つずつシフトして行く。
第1加重平均回路55cは、シフトレジスタ55bに格納されている最も新しいカウント値から3番目に新しいカウント値までの加重平均値を演算し、その加重平均値(以下、第1加重平均値と称する)を減算器55eに出力する。また、第2加重平均回路55dは、シフトレジスタ55bに格納されている最も古いカウント値から3番目に古いカウント値までの加重平均値を演算し、その加重平均値(以下、第2加重平均値と称する)を減算器55eに出力する。
【0045】
このように、時間的に離れてカウントされたカウント値を加重平均回路によって加重平均するため、あるカウント値がノイズの影響を受けても、その影響を小さくすることができる。
減算器55eは、第1加重平均値と第2加重平均値との差Δmを演算し、その差Δmを絶対値コンパレータ55fに出力する(図17のS20)。
たとえば、図15(A)において、第1加重平均回路55cがカウント値k1〜k3の加重平均値を演算し、第2加重平均回路55dがカウント値k6〜k8の加重平均値を演算した場合、カウント値k6〜k8のうち、カウント値k7およびk8は、リミッタ出力信号の周期TBよりも長い周期TCをカウントしたものであるから、第2加重平均値は第1加重平均値よりも大きくなる。
したがって、第2加重平均値が第1加重平均値よりも大きくなったことを検出すれば、CR信号の周期の変化点を検出することができる。
つまり、CR信号の周期の変化点の周期を検出すれば、CR信号の周期を検出できるため、ペン60の属性情報を認識することができる。
なお、第1加重平均回路55cおよび第2加重平均回路55dは、それぞれ搬送波の周波数(LC発振回路69cの発振周波数)と変調周波数の比と、回路の複雑さとに基づいて決定する。また、シフトレジスタ55bが保持するカウント値、つまりリミッタ出力信号の周期の数はシステムクロック周波数と、搬送波の周波数の比で決定され、システムクロック周波数は、周波数の変化を十分弁別できる大きさに設定する。
【0046】
次に、絶対値コンパレータ55fから加算器55iまでの処理について図16を参照しながら説明する。
図16において(1)〜(8)はカウンタ55gによるカウント値を示す。
絶対値コンパレータ55fは、差Δmと、予め設定されているしきい値m1とを比較し、差Δmがしきい値m1以上であるか否かを判定し(図17のS22)、差Δmがしきい値m1以上であると判定すると(S22:Yes)、しきい値判定出力をローレベルからハイレベルに変化させる(S24)。
つまり、リミッタ出力信号の周期が変化した(CR信号の立上がりエッジを検出した)と判定する。
たとえば、図15(A)に示すリミッタ信号の短い方の周期TBのカウント回路55aによるカウント値を10、周期TCのカウント値を16、しきい値m1を2とすると、カウント値k1〜k6はいずれも10であるから、第1加重平均値=(k1+k2+k3)/3=10となる。また、カウント値k7およびk8は共に16であるから、第2加重平均値=(k6+k7+k8)/3=42/3=14となり、差Δm=10−14=−4となる。
【0047】
したがって、(差Δmの絶対値=4)>(しきい値m1=2)となるため、しきい値判定出力がローレベルからハイレベルに変化する(S24)。このハイレベルの状態は、次に絶対値コンパレータ55fが差Δmの絶対値がしきい値m1以上であると判定するまで維持される。
そして、第1加重平均回路55cおよび第2加重平均回路55dの演算範囲が、CR信号のエッジを通過した部分に到達すると、リミッタ出力信号の周期は一定になるため、両加重平均回路は共に同じ周期のカウント値の加重平均値を演算するので、減算器55eによる減算値は0になり、しきい値判定出力はハイレベル状態が続く。
【0048】
一方、カウンタ55gは、しきい値判定出力がローレベルからハイレベルに変化したことを検出すると(図18のS30:Yes)、判定出力がハイレベルになっている時間、つまり判定出力の半周期をシステムクロック(CLK)を用いてカウントする(S32)。そのカウント値を(1)とする(図16(B)の(B1))。
そして、再び絶対値コンパレータ55fが差Δmがしきい値m1以上であると判定すると(図17のS22:Yes)、しきい値判定出力をハイレベルからローレベルに変化させる(S24)。
つまり、リミッタ出力信号の周期が変化した(CR信号の立下がりエッジを検出した)と判定する。
これにより、カウンタ55gは、しきい値判定出力がハイレベルからローレベルに変化したことを検出し(S34:Yes)、図16(B)の(B2)に示すように、カウント値(1)をレジスタ55hへ出力する(S36)。続いてカウンタ55gは、カウント値(1)をリセットし(S38)、しきい値判定出力がローレベルになっている時間、つまりしきい値判定出力の半周期をカウントする(S32)。そのカウント値を(2)とする。
【0049】
続いて加算器55iは、カウンタ55gおよびレジスタ55hに共にカウント値が保持されたタイミング、つまり加算タイミングであると判定すると(S50:Yes)、カウンタ55gが保持しているカウント値(2)およびレジスタ55hが保持しているカウント値(1)を加算し(S52)、加算値(1)(2)をCPU56へ出力する(S54)。このとき、カウンタ55gは、図16(B)の(B3)に示すようにカウント値(2)をレジスタ55hへ出力する(図18のS36)。
そして、CPU56は、加算値(1)(2)を読込み(図12のS316)、その読込んだ加算値(1)(2)に基づいてペン属性を判定する(S318)。たとえば、加算値(1)(2)が245である場合は、図10(A)に示すようにペン属性は黒太であると判定する。また、CPU56は、ペン属性とXY座標とを対応付けてRAM59に記憶する。このような形で記憶された筆記データは、たとえばプリンタ200(図2)へ出力され、黒太で印刷される。また、PC100へ出力され、モニタ103(図2)に黒太で表示される。
つまり、ペン60の属性の通りに筆記データを再生することができる。
【0050】
続いて加算器55iは、レジスタ55hのカウント値(2)およびカウンタ55gのカウント値(3)を加算し、CPU56へ出力する(図16(B)の(B3))。
以降、しきい値判定出力が変化するごとに、カウンタ55gによるカウント値は、レジスタ55hに出力され、加算器55iは、カウンタ55gによるカウント値およびレジスタ55hに保持されたカウント値を加算し、その加算値をCPU56へ出力するというサイクルを繰り返す。
つまり、図16(B)に示すように、加算器55iは、カウンタ55gによってカウントされた最新のカウント値と、レジスタ55hに保持されている1つ前のカウント値とを加算し、それをCPU56へ出力するため、図16(A)に示すように、CPU56は、しきい値判定出力の半周期ごとに、最新のカウント値および1つ前のカウント値の加算値に基づいてペン属性を判定する。
したがって、しきい値判定出力の途中、たとえば図16(A)の時刻t0とt1との間でセンスコイル23のスキャンが行われた場合であっても、しきい値判定出力の次の1周期(t2〜t4)の加算値を取り込まなくても、時刻t0から半周期後の時刻t1〜t3の1周期の加算値を取り込めばよいため、ペン属性の判定を高速に行うことができる。
【0051】
ここで図11の説明に戻り、また、CPU56は、ページ戻りボタン33、ページ送りボタン34および消去ボタン35が押されたときに、記憶されている筆記データのページ単位での戻し、送り、あるいは消去などのページ処理を行う(S400)。さらに、CPU56は、操作部30に設けられた各種ボタン(図1)の操作により発生するスイッチング信号をI/F回路57(図9)を介して取り込み、RAM59に格納されている位置座標データを記憶するページをページ単位で送ったり、戻したり、あるいは位置座標データをページ単位で消去するなどのページ処理を実行する(S400)。また、CPU56は、RAM59に格納されている位置座標データのうち、目的のページの位置座標データを適当なフォーマットに変換してPC100やプリンタ200(図2)へ出力するデータ出力処理を実行する(S500)。
【0052】
さらに、CPU56は、各種ボタンが押された際に発生するスイッチング信号に基づいて音声回路31aを動作させてスピーカ31から「ピー」、「ピッ」などの操作音を発生する音声出力処理を実行する(S600)。またCPU56は、イレーサ40に内蔵されたコイルから発生する交番磁界によってXコイルおよびYコイルに発生する電圧に基づいてイレーサ40の払拭軌跡を演算し、その演算した払拭軌跡内の位置座標データをRAM59(図9)から消去するイレーサ処理を実行する(S700)。
【0053】
以上のように、第1実施形態の電子黒板1を使用すれば、ペン60からペン60の属性に対応した周期のCR信号を筆記パネル本体20へ送信し、そのCR信号の1周期を計測することにより、ペン60の属性を認識することができるため、従来のように、符号列を複数周期で送信するものよりも、ペン60の属性を認識するために要する時間を短縮することができる。
たとえば、CR発振回路69eの変調周波数が5kHzである場合は、CR信号の1周期、つまり、ペン属性の認識に要する時間は、最短で1/5,000=200(μs)となる。また、図20に示した従来の座標読取装置において符号列を送信する周波数が5kHzであるとすると、1bitを送信するために200(μs)必要であり、計10bit送信するから、ペン属性を示す符号列を送信するために要する時間は、200(μs)×10=2,000(μs)となる。
つまり、第1実施形態の電子黒板1を使用すれば、ペン属性を認識するために要する時間を従来の200/2,000=1/10に短縮することができる。
【0054】
しかも、CR信号の周期が小さく変化しても、その変化はリミッタ出力信号の周期の変化となって表れ、その変化はFSK復調回路55によって検出され、さらにCPU56によって検出できるため、ペン60の属性ごとにCR信号の周期を細かく設定した場合であってもペン60の属性を認識することができる。
たとえば、上述した第1実施形態のように、リミッタ出力信号の周期TB,TCをシステムクロックを用いてカウントする場合は、リミッタ出力信号の周期がシステムクロックの少なくとも1周期以上変化すれば、カウント値が変化してペン属性を認識可能となるため、CR信号の周期が少なくともシステムクロックの1周期以上異なるようにペン60ごとに属性を設定すればよい。
したがって、非常に多くのペン属性を設定することができる。
さらに、CR信号の周期の計測結果に基づいてペン属性を認識できるため、従来のように、ペン側の動作クロックおよび座標入力シート側の動作クロックの同期をとる必要もないし、ペン側に動作クロックを発生する分周器などを設ける必要もないため、ペン60の回路構成を簡易なものにすることができる。
【0055】
また、CR信号を単一の周期で繰り返し送信できるため、CR信号の1周期の途中でスキャンされた場合であっても、次の1周期を計測することにより、ペン属性を認識することができるため、従来のように、次のスタートビットが送信されるまで待機し、そのスタートビットからストップビットまでの複数周期を受信する必要がないので、ペン属性の認識に要する時間を短縮できる。
さらに、LC発振回路69cによる搬送波をCR信号によって周波数変調しているため、搬送波の振幅が変化した場合であっても、CR信号の周期は変化しないため、CR信号の周期によって示されるペン属性が変化してしまうことがない。たとえば、ペン60に内蔵の電池70の電圧が低下し、コイルL1から発生する交番磁界の強度が低下した場合であっても、ペン60の属性情報を正確に送信することができる。
【0056】
[第2実施形態]
次に、この発明の第2実施形態について図19を参照して説明する。
この第2実施形態の電子黒板は、XコイルおよびYコイルを1つおきにスキャンすることにより、XY座標を高速に読取ることができることを特徴とする。
図19は、この第2実施形態の電子黒板に備えられたCPU56が実行する座標読取処理の流れを示すフローチャートである。なお、この第2実施形態では、座標読取処理以外のCPU56が実行する処理および他の構成は、前述の第1実施形態の電子黒板と同じであるため、その同じ部分の説明を省略し、座標読取処理の流れについてのみ説明する。また、第1実施形態の電子黒板と同じ構成については同一の符号を用いる。
【0057】
CPU56は、Xコイルを1つおきにスキャンし(S330)、ペン60を検出すると(S332:Yes)、各Xコイルの電圧値をRAM59の電圧値記憶エリア59aに順次記憶して行く(S334)。続いてCPU56は、電圧値記憶エリア59aに記憶されている電圧値e1〜emの中で最大の電圧値emaxを発生したXコイルXiを検出し(S336)、XコイルXiの両隣のXコイル(Xi−1)および(Xi+1)をスキャンする(S338)。
つまり、Xコイルを1つおきにスキャンしているため、XコイルXiの両隣のXコイル(Xi−1)および(Xi+1)の一方が、XコイルXiよりも電圧値が高い可能性があるため、XコイルXiの両隣のXコイル(Xi−1)および(Xi+1)をスキャンする。
【0058】
続いてCPU56は、Xコイル(Xi−1)、Xiおよび(Xi+1)の3つのXコイルの中で最大電圧のXコイルを求め、そのXコイルのコイル番号(以下、maxと称する)をRAM59に記憶する(S340)。続いてCPU56はmaxの両隣のXコイルの電圧値のうち大きい方を選択し、その選択した電圧値を発生したXコイルのコイル番号(以下、max2と称する)をRAM59に記憶する。
続いてCPU56は、RAM59に記憶されたコイル番号maxおよびmax2を比較して、コイル番号max2はコイル番号maxからX軸の+方向または−方向のどちらに存在しているかを判定する。そして、max2≧maxである場合は、変数SIDEを1に設定し、max2<maxである場合は、変数SIDEを−1に設定する。
【0059】
続いてCPU56は、第1実施形態において記載した式(1)を用いてDIFFを演算し、その演算されたDIFFに最も近い位置座標をROM58に記憶されている位置座標テーブル58aから読出し、それをOFFSETとする。続いてCPU56は、式(2)を用いてX座標X1を求める。
そして、CPU56は、Yコイルについても1つおきにスキャンし、上述したX座標の演算と同じ手法(S332〜S344)により、Y座標Y1を演算する。
たとえば、Xコイルが22本である場合は、Xコイルを1つおきにスキャンすると、S330におけるスキャン回数は22/2=11回となり、S338におけるスキャン回数が2回であるから、スキャン回数の合計は11回+2回=13回となる。
したがって、22回スキャンするところを13回のスキャンで済むため、9回(=22回−13回)分のスキャン時間を短縮することができる。
なお、スキャン時間を短縮した場合も、
【0060】
以上のように、第2実施形態の電子黒板を使用すれば、ペン属性の認識のために要する時間を短縮できることに加えて、センスコイル23のスキャン時間をも短縮できるため、より一層の高速化を実現することができる。
【0061】
また、上述した各実施形態では、CR信号の1周期の長さに基づいてペン属性を認識したが、CR信号のデューティ比が50%一定である場合は、CR信号の半周期に基づいてペン属性を認識することもできる。この場合、ペン属性の認識に要する時間を各実施形態の場合の1/2に短縮できる。
さらに、ペン属性ごとにCR信号の1周期の長さを変えて設定することに加えて、デューティ比を変えるようにすることにより、より一層多くのペン情報を設定することができる。
また、ペン60の使用者別にCR信号のデューティ比を設定し、使用者名およびデューティ比を対応付けてEEPROMなどに記憶しておくことにより、使用者名を付して筆記データを印刷したり表示したりすることができる。なお、周波数変調に代えて位相変調を用いることもできる。
【0062】
さらに、上述の各実施形態に記載の技術は、たとえば、セキュリティ装置に適用することもできる。たとえば、建物の出入り口や窓などの監視を行う箇所に取付けらセンサの出力にペン60と同じ機能を有する送信装置を取付け、管理室などに受信装置を設ける。この場合、送信装置に備えられたCR発振回路の周期は、センサごとに異なる周期を設定する。そして、あるセンサがONすると、そのセンサに接続された送信装置が作動し、信号を受信装置へ送信する。続いて受信装置は、送信された信号を前述した各実施形態において述べた復調手段によって復調し、信号を送信したセンサが、どのセンサであるかを識別する。
したがって、CR発振回路の周期を少し異ならせるだけでセンサを識別することができるため、非常に多くのセンサを取付けることができる。
【0063】
ところで、ペン60がこの発明の筆記手段に対応し、センスコイル23が導線に対応し、取付パネル24が座標入力シートに対応する。また、図8(B)に示すペン60の電気的構成が、送信手段として機能し、図9に示す電子黒板1の電気的構成が受信手段として機能する。
【図面の簡単な説明】
【図1】 この発明の実施形態に係る電子黒板の主要構成を示す外観斜視説明図である。
【図2】 図1に示す電子黒板にPCおよびプリンタを接続した状態を示す説明図である。
【図3】 電子黒板1と他の電子黒板1との間でデータの通信を行う場合のネットワークの構成をブロックで示す説明図である。
【図4】 筆記パネル本体20の各構成部材を示す説明図である。
【図5】 図5(A)は図5に示すセンスコイル23の構成を一部を省略して示す説明図であり、図5(B)は図5(A)に示すセンスコイル23の幅および重ねピッチを示す説明図である。
【図6】 図6(A)はXコイルX1〜X3の一部を示す説明図であり、図6(B)は図6(A)に示すXコイルX1〜X3に発生する電圧と幅方向の距離との関係を示すグラフであり、図6(C)は図6(A)に示すXコイルX1〜X3の相互に隣接するセンスコイル間の電圧差を示すグラフである。
【図7】 図7(A)は位置座標テーブルをグラフ化して示す説明図であり、図7(B)は位置座標テーブルの説明図であり、図7(C)は各Xコイルから検出した電圧値の記憶状態を示す説明図である。
【図8】 図8(A)は、ペン60の内部構造を示す説明図であり、図8(B)は、図8(A)に示すペン60の電気的構成を示す説明図である。
【図9】 電子黒板1の電気的構成をブロックで示す説明図である。
【図10】 図10(A)はペン60の属性と変調周波数fmとの関係を示す説明図であり、図10(B)は図9の中のA、B、C点における信号を示す説明図である。
【図11】 図9に示すCPU56が実行する主な制御内容を示すフローチャートである。
【図12】 第1実施形態における座標読取処理の流れを示すフローチャートである。
【図13】 FSK復調回路55(図9)の電気的構成を示す説明図である。
【図14】 FSK復調回路55の各部位に表れる信号波形を示す説明図である。
【図15】 図15(A)はCR信号と、キャリア信号と、リミッタ出力信号と、カウント回路55a(図13)によるカウント値との関係を示す説明図であり、図15(B)はシフトレジスタ55b(図13)に格納されたカウント値がシフトする様子を示す説明図である。
【図16】 図16(A)は絶対値コンパレータ55f(図13)によるしきい値判定出力と、CPU56の判定周期との関係を示す説明図であり、図16(B)はカウンタ55gによるカウント値が移動する様子を示す説明図である。
【図17】 図17はFSK復調回路55を構成するカウント回路55aから絶対値コンパレータ55fまでの処理(ペン属性検出処理)の流れを示すフローチャートである。
【図18】 カウンタ55gおよび加算器55iの処理の流れを示すフローチャートである。
【図19】 第2実施形態における座標読取処理の流れを示すフローチャートである。
【図20】 図20(A)は、従来の座標読取装置の構成を示す説明図であり、図20(B)は、ペンから送信する符号列を示す説明図である。
【符号の説明】
1 電子黒板(座標読取装置)
21a 筆記面(座標入力面)
23 センスコイル(導線)
24 取付パネル(座標入力シート)
30 操作部
55 FSK復調回路
56 CPU
58a 位置座標テーブル
60 ペン(筆記手段)
69c LC発振回路
69d FSK回路
69e CR発振回路
L1 コイル
Claims (2)
- 交番磁界と磁気結合可能な複数の導線が筆記面の下部に敷設された座標入力シートを有する本体と、
前記交番磁界を発生する筆記手段とを備え、前記各導線をスキャンすることにより、信号を発生した導線を検出し、その検出した導線に発生した信号に基づいて前記筆記面上の前記筆記手段の位置座標を読取る座標読取装置において、
前記筆記手段は、
所定の周期の交番磁界を発生するコイルと、
前記筆記手段が有する属性情報ごとに設定された単一の周期を有する信号を用いて、前記コイルから発生する交番磁界を角度変調して送信する送信手段とを備えており、
前記本体は、
前記検出した導線に発生した信号に基づいて前記筆記面上の前記筆記手段の位置座標を読取り、かつ、その読取りに用いた信号を復調することにより、前記筆記手段から送信された信号の1周期分の長さを半周期ごとに検出し、その検出された1周期分の長さに基づいて、前記筆記手段の属性情報を認識する受信手段を備えたことを特徴とする座標読取装置。 - 前記送信手段は、
前記信号を所定時間繰り返して送信することを特徴とする請求項1に記載の座標読取装置。
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