JP4077010B2 - 偏光膜連続製造装置 - Google Patents
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Description
従来、ポリビニルアルコール系偏光フィルムの製造法としては、未配向のポリビニルアルコールフィルムにヨウ素や染料を吸着させた後に数倍に延伸して作る方法(例えば、特許文献1参照。)と、あらかじめ延伸配向を施したポリビニルアルコールフィルムにヨウ素や染料を吸着させる方法(例えば、特許文献2参照。)がある。
また、ポリビニルアルコールフィルムの配向方法には湿潤法による延伸(例えば、特許文献1参照。)と、乾式法による延伸(例えば、特許文献3参照。)がある。
本発明の偏光膜連続製造装置は、プラスチックフィルム原反を巻出しロールから巻取りロールに連続的に供給する過程において同一径の複数の駆動ロールにより一定方向に一軸延伸させて偏光膜を製造する装置において、プラスチックフィルム原反の移動速度の小さい状態で延伸する第1段延伸部の下流側に移動速度の大きい状態で延伸する第2段延伸部を設けたことを特徴としている。
また、本発明の偏光膜連続製造装置は、プラスチックフィルム原反の移動速度が、第1段延伸部においては2〜4cm/分、第2段延伸部においては8〜16cm/分であることを特徴としている。
また、本発明の偏光膜連続製造装置は、第1段延伸部において、入口の駆動ロールの回転数を1としたとき出口の駆動ロールの回転数が約1.25倍であり、第2段延伸部において、第1段延伸部の入口の駆動ロールの回転数を1としたとき出口の駆動ロールの回転数が約5倍であることを特徴としている。
また、本発明の偏光膜連続製造装置は、第1段延伸部と第2段延伸部との間に軟化処理部を設け、第2段延伸部には吸着処理槽に続いて定着槽を設け、また、第2段延伸部に続いて乾燥処理部を設けることを特徴としている。
また、本発明の偏光膜連続製造装置は、第1段延伸部の駆動ロールを第1モータにより駆動し、また、第2段延伸部の駆動ロール及び乾燥処理部の下流側の駆動ロールを第2モータにより駆動するように動力伝達機構を設け、各駆動ロールにはそれぞれ減速機を設け、各駆動ロールの回転数を制御装置で制御するようにしたことを特徴としている。
また、本発明の偏光膜連続製造装置は、駆動ロール上方に、プラスチックフィルム原反を駆動ロールに押し付けかつプラスチックフィルム原反と駆動ロールとのスリップを防止するため表面にゴムが装着されたニップロールを設け、該ニップロールを流体シリンダにより上下に移動可能とすることを特徴としている。
(1)移動速度の小さい状態で延伸する第1段延伸部の下流側に移動速度の大きい状態で延伸する第2段延伸部を設けることにより、縦、横ともに強度を落とすことなく、かつ、分子が一定方向に並んだ均一な性質を持つ偏光膜を連続して製造することができる。
(2)第1段延伸部と第2段延伸部との間に軟化処理部を設け、第2段延伸部には吸着処理槽に続いて定着槽を設け、また、第2段延伸部に続いて乾燥処理部を設けることにより、延伸を効率よく行うことができる。
(3)各駆動ロールにはそれぞれ減速機を設け、各駆動ロールの回転数を制御装置で制御することにより、プラスチックフィルム原反に無理な力を及ぼすことなく、延伸させることができる。
(4)ニップロールを流体シリンダにより上下に移動可能とすることにより、プラスチックフィルムの装着を簡単に行うことができ、作業人員も少なくできる。
これらニップロール60〜68は、プラスチックフィルム原反100の最初の装着時に駆動ロール3、7、11、13、17、21、25、29及び53との間に相応の隙間を確保する必要から、その両端の軸受70、70と共に上方に持上げられなければならないこと、また、プラスチックフィルム原反100の圧着の際には、駆動ロール3、7、11、13、17、21、25、29及び53に均一に圧力を加えなければならないことから、両端の軸受70、70にそれぞれシリンダ71、71を取付け、空気圧又は油圧を使用して上下に移動できるようにされている。
その際、駆動ロールの回転数は、第1駆動ロール3の回転数を1としたとき第3駆動ロール11の回転数は約1.25倍(約1.25倍とは、本明細書においては、1.2〜1.3倍を意味する。)に設定され、第2駆動ロール7の回転数は両駆動ロール3、11の中間程度に設定する。これは、プラスチックフィルム原反100に無理な力を加えないためである。
このように、第1駆動ロール3から第2駆動ロール7及び第3駆動ロール11までに水洗を行いながら約1.25倍までプラスチックフィルム原反100の速度を上昇させる。その際、プラスチックフィルム原反100がスリップすると延伸効果が得られなくなるため、上記したニップロール60〜62を駆動ロール3、7、11に対してそれぞれ一定圧で押し付ける。
第1駆動ロール3から第2駆動ロール7及び第3駆動ロール11の回転数を変えることにより、プラスチックフィルム原反100に付着している不純物の除去が容易に行える。
その際、駆動ロールの回転数は、第1駆動ロール3の回転数を1としたとき第8駆動ロール29の回転数は約5倍に設定される。また、第4駆動ロール13から第7駆動ロール25の回転数も段階的に比率を上げ、プラスチックフィルム原反100に無理な力を加えないようにする。
このように、第2段延伸部130における延伸率は、第1段延伸部110における延伸率よりも大きく設定されているが、プラスチックフィルム原反100が軟化処理部120において軟化処理された後であるので、スムースな延伸が行われる。
また、プラスチックフィルム原反100がスリップすると延伸効果が得られなくなるため、上記したニップロール63〜67を駆動ロール13、17、21、25、29に対してそれぞれ一定圧で押し付ける。
乾燥室77内には、複数のガイドローラ31〜51が設けられていて、各乾燥室にはそれぞれ複数のガイドローラが配置され、プラスチックフィルム原反100が各ガイドローラの上下面に交互に接触しながらガイドされ、均一な乾燥が行われる。また、図1において、プラスチックフィルム原反100上部のガイドロールを乾燥室の上部部材に、プラスチックフィルム原反100下部のガイドロールを乾燥室の下部部材に取付け、プラスチックフィルム原反100の装着時には上部部材を必要な高さまで持ち上げ、装着後に所定の位置まで降下させるようにしてもよい。
また、延伸されたプラスチックフィルム原反100の両面を保護するため、図示しないラミネートフィルムをプラスチックフィルム原反100の上面及び下面に沿うように供給し、第9駆動ロール53を通して巻取りロール56に移動させるようにする。
駆動ロール3、7、11、13、17、21、25、29、53は、図2に示すように、フレーム95上部で両端を支持され、装置の上方に位置して同じ高さで設けられており、その一側端部には、図3に示すように、それぞれ歯車82が設けられている。駆動ロールを駆動する第1モータ83及び第2モータ84は、駆動ロールの一側下方に位置して台枠96上に設置されている。
第1モータ83の駆動力は、歯車機構85、86から伝達軸87、歯車機構88を経て減速機89に伝えられ、減速機89で減速されて歯車90に伝達され、歯車90からチエーン91を経て歯車82を介して駆動ロール3、7、11に伝達される。
第2モータ84の回転力は、歯車機構85、86から伝達軸92、歯車機構88を経て減速機89に伝えられ、減速機89で減速されて歯車90に伝達され、歯車90からチエーン91を経て歯車82を介して駆動ロール13、17、21、25、29、53
に伝達される。
プラスチックフィルム原反100は、製造会社によって品質が微妙に異なることから、駆動ロールの回転数もそれに応じてコントロールする必要があること、及び、プラスチックフィルム原反100の移動速度が毎分1.5cmから毎分20cmと遅いことから、減速機89は、ギヤードモータに無段変速機を組み入れた構造としている。
また、各駆動ロールは、各々回転数が異なることから、各駆動ロールに対応して減速機89がそれぞれ設置され、各々の減速機89は、当該駆動ロ−ルにおいて必要とされる回転数が得られるように図示しない制御装置により制御されるようになっている。
(1)まず、プラスチックフィルム原反100が巻取られている巻出しロール1を支持部材に装着する。
(2)第1水槽72及び第2水槽73内に清浄液を供給し、温水槽74内にも処理液を供給して一定温度に加温する。また、吸着処理槽75内にヨウ素や染料からなる吸着液を供給し、定着槽76内にも定着液を供給する。
(3)ニップロール60〜69を流体シリンダ71を作動させて上方に退避させる。また、乾燥室77の上部部材及びこれに装着されたガイドロールを必要な高さまで持ち上げる。
(4)プラスチックフィルム原反100を巻出しロール1から巻出し、駆動ロール及びガイドロールの上面に接するようにして順次引き出し、第1段延伸部110、軟化処理部120、第2段延伸部130、乾燥処理部140を通り、駆動ロール53、テンションロール54を介して巻取りロール56にその先端部を装着する。
(5)ニップロール60〜68を流体シリンダ71を作動させて下方に降下させ、駆動ロール上面にプラスチックフィルム原反100を押し付ける。また、ガイドロール4〜6、8〜10、12、14〜16、18〜20、26〜28を液中に沈下させる。さらに、乾燥室の上部部材及びこれに装着されたガイドロールを降下させる。
(6)送風機78から温風を送るとともに、第1モータ83、第2モータ84及びトルクモータ93を駆動させる。
(7)プラスチックフィルム原反100は、第1段延伸部110、軟化処理部120、第2段延伸部130、乾燥処理部140を通り、駆動ロール53、テンションロール54を介して巻取りロール56に至る間に、第1段延伸部110及び第2段延伸部130の駆動ロールにより無理のない延伸がなされ、品質のよい偏光膜が得られる。
(8)1つの巻出しロールに巻かれたプラスチックフィルム原反100の延伸処理が終了したら、次の巻出しロールをセットして、上記(1)〜(7)の手順を繰り返す。
3、7、11、13、17、21、25、29、53 駆動ロール
2、4〜6、8〜10、12、14〜16、18〜20、22〜24、26〜28、
30〜52、55 ガイドロール
54 テンションロール
56 巻取りロール
60〜68 ニップロール
70 軸受
71 流体シリンダ
72 第1水槽
73 第2水槽
74 温水槽
75 吸着処理槽
76 定着槽
77 乾燥室
78 送風機
82 歯車
83 第1モータ
84 第2モータ
85、86 歯車機構
87 伝達軸
88 歯車機構
89 減速機
90 歯車
91 チエーン
92 伝達軸
93 トルクモータ
95 フレーム
96 台枠
100 プラスチックフィルム原反
110 第1段延伸部
120 軟化処理部
130 第2段延伸部
140 乾燥処理部
Claims (3)
- 剥離加工されたプラスチックフィルム原反を巻出しロールから巻取りロールに連続的に供給する過程において同一径の複数の駆動ロールにより一定方向に一軸延伸させて偏光膜を製造する装置において、プラスチックフィルム原反の移動速度2〜4cm/分で延伸する第1段延伸部の下流側に移動速度8〜16cm/分で延伸する第2段延伸部を設け、第1段延伸部において、入口の駆動ロールの回転数を1としたとき出口の駆動ロールの回転数が約1.25倍であり、第2段延伸部において、第1段延伸部の入口の駆動ロールの回転数を1としたとき出口の駆動ロールの回転数が約5倍であり、第1段延伸部には水槽を設け、該水槽内をプラスチックフィルム原反が蛇行しながら移動するためのガイドロールを水槽内に設け、第1段延伸部と第2段延伸部との間に軟化処理部を設け、第2段延伸部には吸着処理槽に続いて定着槽を設け、また、第2段延伸部に続いて乾燥処理部を設けることを特徴とする偏光膜連続製造装置。
- 第1段延伸部の駆動ロールを第1モータにより駆動し、また、第2段延伸部の駆動ロール及び乾燥処理部の下流側の駆動ロールを第2モータにより駆動するように動力伝達機構を設け、各駆動ロールにはそれぞれ減速機を設け、各駆動ロールの回転数を制御装置で制御するようにしたことを特徴とする請求項1記載の偏光膜連続製造装置。
- 駆動ロール上方に、プラスチックフィルム原反を駆動ロールに押し付けかつプラスチックフィルム原反と駆動ロールとのスリップを防止するため表面にゴムが装着されたニップロールを設け、該ニップロールを流体シリンダにより上下に移動可能とすることを特徴とする請求項1又は2記載の偏光膜連続製造装置。
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