JP4076368B2 - 放熱部材及び電子機器 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、放熱部材及びそれが組み込まれた電子機器に関する。
【0002】
【従来の技術】
近年、コンピューターやワードプロセッサー、ゲーム機、デジタルビデオカメラ、デジタルカメラ等の電子機器は、携帯用使用の小型サイズのものが好まれるようになっている。それに伴い、半導体素子も高密度化・小型化され、そこから発生する熱も増加の一途をたどり、それを効率良く除去することが重要な課題となっている。従来、この放熱は、電子機器と放熱部品との間に放熱部材を挟むことによって行われており、高熱伝導化による熱抵抗の低減化が鋭意検討されている。放熱部材としては、放熱シート、放熱スペーサー、フェーズチェンジタイプ、液状タイプがある。
【0003】
放熱シート、放熱スペーサーというのは、いずれもシリコーンをマトリックスとする、熱伝導性フィラーの充填された放熱材料であるが、硬度(柔軟性)に著しい差異がある。放熱スペーサーは、アスカーC硬度が例えば50以下の柔らかい弾性体である。主な用途は、放熱フィンを取り付けるスペースがないとか、電子機器が密閉されていて放熱フィンからの放熱が困難な場合において、電子機器のケースに直接伝熱して放熱するとき、あるいはIC・LSIの半導体素子をプリント基板に実装するときの放熱に用いられる。これに対し、放熱シートは、アスカーC硬度が二桁以上の固いゴムシートであり、主に発熱性電子部品が搭載された基板を放熱フィンに取り付ける際に用いられる。フェーズチェンジタイプというのは、加温によって形態変化する熱塑性樹脂やワックス・パラフィンに熱伝導性フィラーが充填されたものである。また、液状タイプは放熱グリースである。
【0004】
熱抵抗は、放熱部材の厚みに正比例、熱伝導率に反比例し、また放熱部材と電子部品との間の熱接触抵抗の大きさに左右されることから、放熱部材の熱抵抗の低減には、熱伝導性フィラーを高充填して放熱部材自身の熱伝導率を高めるとともに、電子部品等との接合面に微視的に追随して密着させることによって熱接触抵抗を低減させ、しかも放熱部材の厚みを極力薄くすることが理想的である。
【0005】
そこで、放熱シートや放熱スペーサーの放熱部材では、熱抵抗を小さくするために、放熱部材の厚みを薄くしたり、柔軟性を付与して熱接触抵抗を低減することが行われているが、その反面、放熱部材の取り扱い性が悪化するので、このような方法で熱抵抗を低減させるにはおのずと限界があった。
【0006】
一方、フェーズチェンジタイプの放熱部材は、密着性が良好であるので熱抵抗の低減効果が大きいが、装着時に加圧・加熱溶融が必要となるので、発熱性電子部品を損傷させる危険性がある。また、放熱シートや放熱スペーサーと比較して耐熱信頼性に劣る。さらには、装着前の厚みはできるだけ薄いことが望ましいが、薄肉化によって脆くなり、取り扱いが不便となる。
【0007】
また、液状タイプの放熱材料では、塗布工程での作業性の悪さ、塗布厚みの不均一さ、材料のしみ出し、高温に長期間曝されると硬化するなどの問題から、今日敬遠される傾向にある。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
本発明の目的は、上記に鑑み、取り扱いが容易で、装着時の接合面の界面熱抵抗を著しく小さくした、放熱特性に優れた放熱部材と、それが組み込まれた電子機器を提供することである。
【0009】
【課題を解決するための手段】
すなわち、本発明は、熱伝導性フィラーの充填されたシリコーン硬化物の少なくとも一面の全部又は部分に、パラフィンワックス層を形成させてなることを特徴とする放熱部材である。この場合において、パラフィンワックス層が、10質量%以下(0を含まず)のシリコーンオイル及び/又は流動パラフィンを含有してなり、熱伝導性フィラーを含まないことが好ましい。また、シリコーン硬化物が、付加反応型液状シリコーンと熱伝導性フィラーを含む配合物の固化物であり、熱伝導率1W/m・K以上、アスカーC硬度40以下の放熱スペーサーであることが好ましい。さらに、本発明は、上記放熱部材が組み込まれた電子機器である。
【0010】
【発明の実施の形態】
以下、更に詳しく本発明について説明する。
【0011】
放熱部材の組み込まれた電子機器の放熱特性は、放熱部材の熱抵抗と実装面の界面熱抵抗の総和で表すことができる。これが小さいほど放熱特性は大きくなる。放熱部材の熱抵抗は、マトリックスと熱伝導性フィラーの種類と両者の割合によってほぼ定まる。これに対し、界面熱抵抗は、放熱部材と相手材の間に発生するものであり、多くの場合、総熱抵抗の半分以上を占める。そのため、放熱部材の放熱特性を最大限引き出すには、この界面抵抗を極力小さくなるように実装することである。本発明で採用されたその手段は、相手材との密着性を高めるだけの、できるだけ薄いパラフィンワックス層を、熱伝導性フィラーの充填されたシリコーン硬化物からなる基材面に形成させたことである。
【0012】
このパラフィンワックス層は、室温で固体のパラフィンワックスを用いて形成させることができる。具体的には、固形のパラフィンワックス層をシリコーン硬化物の上下に置いてフィルム等で挟み、加熱ローラー等を通すことで形成させることができる。形成部位は、基材の少なくとも一面の全部又は部分である。放熱部材は、相手材との間に挟まれて実装されることを考慮し、好ましくは相対する二面の全面である。
【0013】
パラフィンワックスとしては、平均分子量300〜600であるものが好ましい。電子機器の温度が低いときには、低分子量のパラフィンワックスが用いられ、温度が高いときには高分子量のパラフィンワックスが用いられる。パラフィンワックスの具体例としては、日本精鑞社製の「パラフィンワックス・シリーズ」、「マイクロクロスタリンワックスHi―Micシリーズ」などをあげることができる。
【0014】
パラフィンワックス層の厚みは、相手材の表面凹凸を吸収し密着性を高めるために少なくとも1μmは必要である。その上限は、熱抵抗を高めないためできるだけ薄い方が望ましく、200μmまで、特に100μmまでである。このパラフィンワックス層には、相手材の表面凹凸を吸収する機能を担わせるため、熱伝導性フィラー等の異物は含有させない方がよい。しかし、この機能を助長させる働きのあるシリコーンオイル及び/又は流動パラフィンを、最大10質量%まで含有させることは好ましいことである。これによって、放熱部材を再使用する際に、相手材からの剥離が容易となる利点もある。
【0015】
パラフィンワックス層の形成される基材は、熱伝導性フィラーの充填されたシリコーン固化物である。具体的には、窒化硼素、窒化珪素、窒化アルミニウム、アルミナ等の熱伝導性フィラーとシリコーンとを含む配合物の固化物からなる放熱シート又は放熱スペーサーである。特に好ましくは、付加反応型液状シリコーンと熱伝導性フィラーを含む配合物の固化物であり、熱伝導率1W/m・K以上、アスカーC硬度40以下の放熱スペーサーである。このような放熱シート又は放熱スペーサーには市販品があるので、それを用いることができる。中でも、骨格部と、骨格部の一部又は全部と一体的に形成された樹脂部の構造からなる熱伝導性シリコーン成形体(特開2000−185328号特許請求の範囲等参照)が好ましい。
【0016】
放熱スペーサーからなる基材は、付加反応型液状シリコーン40〜60体積%と熱伝導性フィラー60〜40体積%の配合物を、フッ素樹脂やステンレス等の型に流し込み、真空脱泡等で脱泡した後、加熱固化させることによって製造することができる。付加反応型液状シリコーンとしては、一液性のシリコーン、又は末端あるいは側鎖にビニル基を有するオルガノポリシロキサンと末端あるいは側鎖に2個以上のH−Si基を有するオルガノポリシロキサンとの二液性のシリコーンが使用される。放熱スペーサーの厚みは、一般的には0.3〜20mmである。また、その平面ないし断面の形状は、三角形、四角形、五角形等の多角形、円形、楕円形等である。
【0017】
本発明の電子機器は、本発明の放熱部材が実装されたものである。実装する箇所は、例えばパソコンのMPUと放熱フィン(ヒートシンク)との間である。
【0018】
【実施例】
以下、実施例、比較例をあげて更に本発明を説明する。
【0019】
実施例1〜4、比較例1
熱伝導性フィラーの充填されたシリコーン硬化物として、放熱スペーサー(電気化学工業社製商品名「FSB020G」)用意した。このものは、熱伝導率(TO−3形状:6cm2での測定)16W/m・K、アスカーC硬度35、寸法15mm×15mm×0.2mmである。この放熱スペーサーの相対する上下面に表1に示すパラフィンワックス層を形成した。
【0020】
パラフィンワックス層の形成は、固形のパラフィンワックス(日本精鑞社製商品名「WAX115」)をシリコーン硬化物の上下に置きPET製フィルムに挟み、100℃に加熱したローラーを通すことによって行った。実施例2〜5では、パラフィンワックス層に、シリコーンオイル(信越化学社製商品名「KF−96−100CS」)又は流動パラフィン(松村石油研究所社製商品名「モレスコホワイトP−500」)の所定量を混入した。
【0021】
得られた放熱部材1を、電子機器に組む込むことを想定し、図1に示すヒーター内蔵の銅製ブロック2(伝熱面1cm角)と銅製冷却板3(8cm角)からなる熱抵抗測定機に挟みセットした。銅製ブロックをフッ素樹脂製保持ケース5で覆い、銅製ブロック側に錘4を用いて9.8Nの荷重を掛け、また銅製冷却板側からホットプレートを使用し、銅製ブロック側の温度が60℃になるまで放熱部材を加熱圧縮した。ついで、熱抵抗測定機ごと室温まで冷却し、熱抵抗を測定した。
【0022】
熱抵抗は、ヒーターに15Wの印加電力を4分間掛け、銅製ブロックと銅製冷却板の温度差を測定し、式、熱抵抗(℃/W)=温度差(℃)/印加電力(W)、により算出した。それらの結果を表1に示す。
【表1】
【0023】
表1から、本発明の放熱部材は、極めて優れた放熱特性を発現し、またその繰り返しの使用も従来材(比較例1)と比べて何ら遜色のないものであることがわかる。
【0024】
【発明の効果】
本発明によれば、取り扱いが容易で、界面熱抵抗の著しく小さくい、放熱特性に優れた放熱部材と、それが組み込まれた電子機器が提供される。
【図面の簡単な説明】
【図1】熱抵抗測定機の概略図
【符号の説明】
1 放熱部材
2 銅製ブロック
3 銅製冷却板
4 錘
5 保持ケース
Claims (4)
- 熱伝導性フィラーの充填されたシリコーン硬化物の少なくとも一面の全部又は部分に、パラフィンワックス層を形成させてなることを特徴とする放熱部材。
- パラフィンワックス層が、10質量%以下(0を含まず)のシリコーンオイル及び/又は流動パラフィンを含有してなり、熱伝導性フィラーを含まないことを特徴とする請求項1記載の放熱部材。
- シリコーン硬化物が、付加反応型液状シリコーンと熱伝導性フィラーを含む配合物の固化物であり、熱伝導率1W/m・K以上、アスカーC硬度40以下の放熱スペーサーであることを特徴とする請求項1又は2記載の放熱部材。
- 請求項1〜3に記載のいずれかの放熱部材が組み込まれた電子機器。
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