JP4075526B2 - 超音波流量計 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、流体の流量を計測する超音波流量計に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来、この種の流量計として、図8に示すような超音波流量計1がある。図8は、断面図を示し、流体の流れる流路2の上流側と下流側とに一対の超音波変換器3、4を流体を介し、対向して設置し、一対の超音波変換器間を伝搬する超音波の伝搬時間から流体の流速を計測し、流量を演算し、流量計としていた。なお、図中の片矢印5(実線)は流体の流れる方向を示し、両矢印6(破線)は超音波の伝搬する方向を示している。なお、流体の流れる方向と、超音波の伝搬する方向とは、図に示すように交差角θで交叉している。
【0003】
図9に、上流側(もしくは下流側)の超音波変換器3(もしくは4)を駆動した時の矩形波状の駆動波形7と、下流側(もしくは上流側)の超音波変換器4(もしくは3)で受信した時の受信波形8とを示す。横軸に時間を、縦軸に受信電圧を示す。なお、図中の横線9(破線)は、コンパレ−タの設定電圧(Vref)を示す。なお、コンパレ−タの設定電圧9(Vref)は、受信波形8の第3番目の受信電圧の山(V3)と第4番目の受信電圧の山(V4)との間となるよう設定してある。超音波変換器3、4間を伝搬する超音波の伝搬時間Tpは、駆動波形の立ち上がり点10から、受信波形8が、コンパレ−タの設定電圧9を越えた次のゼロクロス点11(黒丸)までとしていた(図中のTp参照)。この場合、真の伝搬時間Tsは、上記の伝搬時間Tpから、受信波形の3.5波分(図中のTi参照)を差し引いた時間となる。即ち、超音波の真の伝搬時間Tsは、Ts=Tp−Tiとして、流量演算に用いていた。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、従来の流量計1の超音波伝搬時間Ts(=Tp−Ti)は、例えば、一対の超音波振動子3、4間を伝搬する超音波が、流路2を流れる流体の流速分布や、発生した渦などにより、あるいは、流体の温度変化などにより、受信波形8の受信感度、即ち、受信振幅が変化したりし、或いは、受信波形が変形したりしていたため、コンパレ−タの設定電圧9と受信振幅との相対関係、あるいは、超音波の真の伝搬時間Tsと超音波の伝搬時間Tpとの相対関係が変化し、ある時は、その差が2.5波分であったり、またある時は、その差が4.5波分、あるいは、3.0波分になったりしていた。このため、流体の流速計測に誤差が生じ、演算した流体の流量が不正確になるという課題を有していた。また、上流側あるいは下流側の超音波変換器が、温度変化などで、その特性が変化し、例えば、超音波到達時点からゼロクロス点11までの時間、Ti、が変化したりした場合には、超音波伝播時間に誤差が発生し、誤計測することがあるという課題も有していた。
【0005】
本発明は、上記従来の課題を解決するもので、超音波の受信感度、あるいは受信波形が、渦あるいは不規則な流速分布などにより変化・変形しても、流体の流速を正確に計測することができ、精度のよい流量計を提供することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】
前記従来の課題を解決するために、本発明の超音波流量計は、一対の超音波変換器を流体が流れる流路の上流側と下流側とに、流体を介して対向配置し、一方の超音波変換器を複数の駆動周波数で駆動し、超音波を他方の超音波変換器へ向かって送信するとともに、他方の超音波変換器で受信した受信波の複数のゼロクロス点までの伝搬時間から超音波の真の到着時間を判定し、この判定時間を用いて流量を演算する構成とした。この構成により、流体の温度変化や、流体の流速分布などにより、超音波の受信波形が変形したりしても、複数の駆動周波数で、送信側の超音波変換器を駆動し、受信側の超音波変換器で受信した受信波形の複数のゼロクロス点までの時間を計測し、それらの時間から真の超音波伝播時間を判定するので、超音波の伝搬時間を正確に計測することができ、高精度な超音波流量計を実現できる。
【0007】
【発明の実施の形態】
請求項1に記載の発明は、流体が流れる流路と、前記流路の上流側と下流側とに流体を介して対向配置した一対の超音波変換器と、前記超音波変換器の一方を複数の駆動周波数で駆動し、もう一方の超音波変換器へ向けて超音波を送信する駆動回路と、前記もう一方の超音波変換器が受信した超音波信号のゼロクロス点を検知する検知回路とを備え、前記検知回路で検知した駆動周波数毎の複数のゼロクロス点から得られる近似直線同士の交点を求め、かつ、この交点から超音波の真の伝搬時間を判定し、かつ、この判定された真の伝播時間を用いて流量を演算する制御・演算回路を有し、流量を測定する構成とした。この構成により、複数の駆動周波数および複数のゼロクロス点までの伝搬時間から、真の超音波伝播時間を計測することができ、高精度な超音波流量計を実現できる。
【0008】
請求項2に記載の発明は、特に請求項1記載の駆動周波数を、相互に5[%]以上異なるよう構成した。この構成により、複数のゼロクロス点までの超音波伝搬時間から計測する真の超音波伝播時間を、安定して、容易に演算するこができ、高精度な超音波流量計を実現できる。
【0009】
請求項3に記載の発明は、特に請求項1記載の駆動周波数の数を3以上とする構成とした。この構成により、真の伝搬時間が複数個得られるので、誤判定を防止することができ、高精度に真の伝搬時間を判定することができ、高精度な超音波流量計を実現できる。
【0010】
請求項4に記載の発明は、特に請求項1記載の送信側の超音波変換器を駆動する駆動波数を、超音波到着時点を起点として検出するゼロクロス点を含む波数以上とする構成とした。この構成により、ゼロクロス点までの時間が安定するので、超音波の真の伝搬時間を安定して、S/Nよく検出することができるため、高精度な超音波流量計を実現できる。
【0011】
請求項5に記載の発明は、特に請求項1記載の複数のゼロクロス点が、超音波変換器固有の立上がり波数に含まれる数よりも小さく設定する構成とした。この構成により、受信波形内のゼロクロス点を含む領域において、受信波形の位相が大きく乱れることがないので、正確に真の超音波伝播時間を判定することができ、高精度な超音波流量計を実現できる。
【0012】
請求項6に記載の発明は、特に請求項2記載の超音波変換器を、感度特性が、最大感度の75[%]以上の周波数帯域(dFr/Fc)が、20[%]以上のとする構成とした。この構成により、複数の駆動周波数間の差を大きくとることができ、真の超音波伝播時間を、S/N良く判定することができ、高精度な超音波流量計を実現できる。
【0013】
請求項7に記載の発明は、特に請求項5記載の複数のゼロクロス点を、受信感度の大きい方から順次トリガレベルを低下させて検出する構成とした。この構成により、受信感度の大きく、時間分解能の大きなゼロクロス点を優先して採用することができ、真の超音波伝播時間を、S/N良く判定することができ、高精度な超音波流量計を実現できる。
【0014】
請求項8に記載の発明は、特に請求項1記載の超音波の真の伝搬時間から超音波の平均音速を演算する構成とした。この構成により、得られた音速から真の超音波伝播時間の妥当性を判定することができ、誤動作を防止できる。
【0015】
【実施例】
以下、本発明の実施例について図面を用いて説明する。なお、図中の同一番号を付けているものは、同一なものを示しているので、説明を省略する。
【0016】
(実施例1)
図1は、本発明の実施例1における流量計21の断面図を示し、流体の流れる流路22の上流側と下流側とに一対の超音波変換器23、24を流体を介し対向して設置し、超音波変換器間の距離Ldは、約100[mm]、流路22の断面積Srは約30[mm^2]とした。なお、図中の片矢印25(実線)は流体の流れる方向を示し、両矢印26(破線)は超音波の伝搬する方向を示している。なお、流体の流れる方向は、超音波の伝搬する方向とは交叉角θ(45度)で交叉するようにした。図2は、流量計21のブロック図を示す。この構成において、トリガ−回路30が予め設定された間隔でスタ−ト命令を、駆動回路31および時間回路32に出力する。スタ−ト命令を受けた駆動回路31では、送信側切換SW33で選択されている送信側超音波変換器(例えば、上流側の超音波変換器23)に駆動信号を出力する。送信側超音波変換器が、流路の流体中に送信した超音波は、受信側切換SW34で選択されている超音波変換器(例えば、下流側の超音波変換器24)で受信され、その信号は増幅器35で増幅される。一方、スタ−ト命令を受けた時間回路32では、一定間隔の時間パルスを発生する。また、予め決められた経過時間後、検知回路37へ、ゲ−ト開放信号を送出する。ゲ−ト開放信号を受けた検知回路37は、超音波の受信波からゼロクロス点を検出し、超音波受信時間を制御・演算回路に出力する。制御・演算回路36では、検知回路37からは超音波伝搬を検知したゼロクロス時間を、時間回路32から一は定間隔の時間パルスを受け取り時間経過を認識し、超音波伝搬時間を判定する。この超音波送信・検知を、順次ゼロクロス点を更新しながら繰り返す。
【0017】
以上のことを図3を用いて説明する。図3(a)に、250[kHz]からなる矩形状のバ−スト信号で構成した駆動信号38を示す。超音波受信信号39は、受信側の超音波変換器で受信した信号を示す。破線40、41は、検知回路37へゲ−ト開放信号を送出するトリガ−レベルを示す。例えば、トリガ−レベルが破線40で示したように設定されていると、すなわち破線40が受信波形39の3番目と4番目のピ−クV3、V4間に設定されていると、検知回路が計測するゼロクロス点は42で示す位置となる。また、トリガ−レベルが破線41で示したように設定されていると、すなわち破線41が受信波形39の1番目と2番目のピ−クV1、V2間に設定されていると、検知回路が計測するゼロクロス点は43で示す位置となる。順次トリガ−レベルを変更することにより、そらぞれ異なった位置のゼロクロス点を計測することができる。この場合、超音波の真の伝播時間、すなわち、駆動信号38の立上がり時点から超音波信号得られる時点までの時間、Tsに変化はない。しかし、駆動信号38の立上がり時点からゼロクロス点までの時間、Tpに変化することになる。
【0018】
異なったゼロクロス点までの時間、Tiが各ゼロクロス点に対して得られる。
【0019】
図4に異なった周波数で駆動した場合の受信波形を示す。受信波形44(破線)は、受信波形45(実線)に比べ低い周波数で駆動した場合を示す。それぞれの受信波形44、45において真の超音波伝播時間、Tsは一定であるが、ゼロクロス点までの時間、すなわち受信波形44(破線)のゼロクロス点までの時間Ti(2)は、受信波形45(実線)のゼロクロス点までの時間、Ti(1)に比べ大きくなっている。より低い周波数で駆動すると、ゼロクロス点までの時間は伸張し、より高い周波数で駆動すると、ゼロクロス点までの時間は短縮する。
【0020】
このように、ともに、お互いに周波数の異なる駆動信号で超音波変換器を駆動し、順次トリガ−レベルを変更し、複数のゼロクロス点を計測すると、図5に示しすような結果が得られる。図5の横軸は、受信波形の仮想的なゼロクロス点の番号を、縦軸に駆動信号からゼロクロス点までの超音波伝播時間、Tpを示す。図中の黒丸(●)は、ある高い周波数で超音波変換器を駆動した場合の仮想的なゼロクロス点番号と超音波伝播時間、Tp、との関係を示し、実線46はそれらの関係から最小二乗近似で得られた近似直線を示す。また、白丸(○)は、ある低い周波数で超音波変換器を駆動した場合の仮想的なゼロクロス点番号と超音波伝播時間、Tp、との関係を示し、破線47はそれらの関係から最小二乗近似で得られた近似直線を示す。この二直線、実線46と破線47との交点48(大きい黒丸印で示す)が真の超音波伝播時間、Tsを示している。
【0021】
このようにして得られた超音波伝搬時間Tsを用いて制御・演算回路36で流体の流量を演算する。
【0022】
具体的には、上流側の超音波変換器23から下流側の超音波変換器24への超音波の到達時間をTud、下流側の超音波変換器24から上流側の超音波変換器23への真の超音波伝播時間をTduとし、超音波の流体中を伝搬する伝搬速度をVs、流体の流速をVfとすると、
Tud=Ld/[Vs+Vf・cos(θ)]、
Tdu=Ld/[Vs−Vf・cos(θ)]となる。
これらより、
Vs+Vf・cos(θ)=Ld/Tud、
Vs−Vf・cos(θ)=Ld/Tduとなり、
これらの両辺を引き算すると、
2*Vf・cos(θ)=(Ld/Tud)−(Ld/Tdu)
=Ld*[(1/Tud)−(1/Tdu)]となる。
【0023】
よって、Vf={Ld/[2・cos(θ)]}*[(1/Tud)−(1/Tdu)]となり、流体の流速Vfが得られたことになる。
さらに、流路22の断面積Srを乗じ、流量Qmとなる。
即ち、Qm=Sr*Vfが、計測した流量値となる。
【0024】
このように、上流側の超音波変換器23から下流側の超音波変換器24への真の超音波伝播時間Tud、および下流側の超音波変換器24から上流側の超音波変換器23への真の超音波伝播時間Tduとから流路を流れる流体の流量Qmが得られることになる。以上説明したように、流体の温度が変化したり、あるいは流れる流体の流速分布が変化したりして受信波形が変動しても、複数のゼロクロス点、および複数の駆動周波数で得られるゼロクロス点と超音波の伝播時間Tpとの関係から真の超音波伝播時間、Tsを計測するので、非常に安定して真の超音波伝播時間、Tsを得ることができる。
【0025】
なお、上記実施例において、流体の流れる方向と、超音波が伝搬する方向との交叉角を約45度としたが、流体の流れが超音波の伝搬時間に影響を与える角度であればよく、垂直方向以外であればよく、平行であってもよい。
【0026】
(実施例2)
請求項2について、図5を用いて説明する。すなわち、超音波変換器を駆動する周波数は、その差が大きいほど、実線46と破線47との交叉角が大きくなり、交点の位置、すなわち、真の超音波伝播時間、Tsが明確となる。従って、簡単に精度よく、真の超音波伝播時間、Tsを判定することができる。
【0027】
(実施例3)
請求項3について、図6を用いて説明する。図6は駆動周波数が3つの場合の結果を示す。実線49はある周波数で駆動した場合の仮想的なゼロクロス番号と超音波伝播時間、Tpとの近似直線を、破線50はより低い周波数で駆動した場合の近似9直線を、2点鎖線51はさらに低い周波数で駆動した場合の近似直線を示す。このように、3つ以上駆動周波数で駆動し、仮想的なゼロクロス点の番号と超音波伝播時間、Tpとの関係を計測すると、例えば、この場合には、実線49と破線50との関係から交点52が得られる。同様に、実線49と2点鎖線51との関係から交点が得られる。また、破線50と2点鎖線51との関係からも交点が得られる。駆動周波数が2つの場合であれば、交点はただ一つしか得られないが、駆動周波数が3つ以上になれば、それぞれの関係から複数の交点が得られる。これらの複数の交点、すなわち、真の超音波伝播時間を、相互に比較することにより、誤ることなく、正確の真の超音波伝播時間、Tsを得ることができる。従って、高精度な超音波流量計を実現できる。
【0028】
(実施例4)
請求項4について、図3を用いて説明する。図3の駆動波形38は波数3.0の矩形波を示している。この場合のは、安定しているゼコクロス点は、43で示したゼロクロス点の次のゼロクロス点までが安定している。すなわち、受信波形のピ−ク3つまで、あるいは3つ目までの谷(3つ目の谷は、ピ−クV3とV4の間の谷)のゼロクロス点が安定している。駆動波数に含まれるゼロクロス点までが安定して計測することができる。この意味するところは、図5に示した、仮想的なゼロクロス番号と超音波伝播時間、Tpとの関係が、仮想的なゼロクロス点の番号が大きいところでは、徐々に直線から外れて来ることを意味している。駆動波数以内のゼロクロス点が安定していることは、経験的に見出した。
【0029】
(実施例5)
請求項5について、以下に説明する。一般的に、超音波変換器は、超音波信号を受信した場合、超音波変換器固有の立上がり特性で立上がる。すなわち、超高周波の矩形波で駆動しても、階段状のステップ波形で駆動しても、受信波形の立上がり形状は同じであるといわれている。種々の波数の駆動波数で駆動し、受信波形のゼロクロス点を計測した結果、超音波変換器固有の立上がり波数以内のゼロクロス点であれば、安定して計測することができた。なお、立上がり波数を超えてゼロクロス点を計測すると、位相関係が乱れるため、実施例4で説明したように、直線性が徐々に悪くなるという結果が得られた。
【0030】
(実施例6)
請求項6について、図7を用いて説明する。図7は用いた超音波変換器の周波数特性53を示す。図3に示した駆動波数3.0の矩形波を用い、種々の周波数で超音波変換器を駆動し、受信した電圧と駆動周波数との関係を示す。横軸に周波数を、縦軸に受信電圧を示す。破線54は最大受信電圧の75[%]のレベルを示す。最大受信電圧が得られた周波数をFp、最大受信電圧の75[%]以上得られる周波数幅をdFrとすると、その比、すなわち周波数帯域(dFr/Fp)は、20[%]以上で有った。このように帯域の大きい超音波変換器を用いると、複数の駆動周波数の周波数差を、例えば5[%]、あるいは10[%]というように大きくとっても、受信電圧が大きく減少することがないので、S/Nよくゼロkクロス点を計測することができる。
【0031】
(実施例7)
請求項7について、図3を用いて説明する。例えば、V4とV3のピ−クを比較すると、ゼロクロス点に時間分解能、すなわち電圧の不確かさと時間の不確かさとを比較すると、例えば、ゼロクロス点検出時のゼロ安定度が、例えば、受信波形の最大振幅の(1/1000)の約1[mV]であったとし、またV3の次のゼロクロス点の電圧/時間の傾きが、例えば、1[V]/[μsec]、V4の次のゼロクロス点での傾きが、例えば、2[V]/[μsec]で有ったとすると、それぞれ時間の不確かさは、1[nsec]および0.5[nsec]となる。このように受信振幅が大きいほど、ゼロクロス点での時間の不確かさが小さくなり、それだけ安定してゼロクロス点を計測することができることになる。従って、受信振幅の大きいところのゼロクロス点から順次計測するほうが、比較的少ない数のゼロクロス点からでも、より精度も高い、真の超音波伝播時間が得られる。
【0032】
(実施例8)
請求項8について説明する。上記において、超音波が超音波変換器間を伝播する時間として、
Tud=Ld/[Vs+Vf・cos(θ)]および
Tdu=Ld/[Vs−Vf・cos(θ)]を用いたが、
これらより、
Vs+Vf・cos(θ)=Ld/Tud、
Vs−Vf・cos(θ)=Ld/Tduとなり、
これらの両辺を足し算すると、
2*Vs=(Ld/Tud)+(Ld/Tdu)
=Ld*[(1/Tud)+(1/Tdu)]となる。
【0033】
よって、Vs=(Ld/2)*[(1/Tud)+(1/Tdu)]より、
超音波の音速が得られることになる。このように、真の超音波伝播時間の平均値から超音波の音速を流体の流速に関わらず演算することができる。
【0034】
例えば、理科年表には空気の音速値、Vs(Air)が掲載されている。すなわち、
Vs(Air)=331.45+0.607*T[℃][m/sec]
例えば、気温が−30[℃]であれば、Vs(−30)=313.24[m/sec]であるし、また、気温が+60[℃]であれば、Vs(+60)=367.87[m/sec]である。
【0035】
従って、例えば、空気の場合、上記の演算により、超音波の音速が得られ、その値が、313.24〜367.87[m/sec]以内であれば、正常であると判定できる。もし、その値が、上記の範囲外であれば、ありえない通常ありえない気温と判断することができる。このように、音速を演算することにより、超音波流量計が正常に動作しているか、あるいは異常動作であるかを判断することができる。なお、流体の種類が異なっても、あらかじめその音速範囲を記憶しておくことにより、超音波流量計んp正常動作、異常動作を簡単に判定することができる。
【0036】
(実施例9)
請求項9について説明する。超音波流量計における寸法を上記のように設定すると、超音波が超音波変換器間、Ld、を往復する超音波の伝播時間は、
Tud+Tdu=Ld/[Vs+Vf・cos(θ)]+Ld/[Vs−Vf・cos(θ)]
≒(Ld/Vs)*[1−(Vf/Vs)・cos(θ)]
+ (Ld/Vs)*[1+(Vf/Vs)・cos(θ)]
= 2*(Ld/Vs)となる。
【0037】
このように、上流側(もしくは下流側)の超音波変換器を駆動し、下流側(もしくは上流側)の超音波変換器で反射してきた超音波を上流側(もしくは下流側)の超音波変換器でゼロクロス点を上記の実施例で示したように、複数の駆動周波数、複数のゼロクロス点から、真の超音波往復伝搬時間を計測することにより、伝搬距離が2倍(2*Ld=約200[mm])となり、また更に、計測時間が、ほぼ超音波の往復時間、例えば、空気の場合、常温で、約200[mm]/約340[m/sec]として、 約590[μsec]が得られ、このような短時間で計測することができるので、上流から下流および下流から上流との平均の伝搬時間計測(実施例8)に比べ、非常に高精度に超音波の音速を計測することができ、超音波流量計の正常動作、異常動作を、高精度に判定することができる。
【0038】
(実施例10)
請求項10について説明する。実施例8および9において、超音波流量計内を伝搬する超音波の音速を簡単に、高精度に計測できることを示した。ここでは、例えば、超音波流量計を流れる流体の超音波音速の温度依存性が予め既知であれば、例えば、空気であれば上記で示した温度から音速を演算する関係式を、逆算することにより、容易に流体の温度を知ることができる。この場合も、流体の温度が、例えば、−30〜+60[℃]以内であれば、超音波流量計が正常に動作していると判定することができる。また、範囲外であれば、異常動作であると判定するこもできる。
【0039】
(実施例11)
請求項11について説明する。実施例10で説明したように、本発明の超音波流量計では、流体の温度を容易に演算することができるので、例えば、流量値を、常温(例えば、20[℃])、1気圧に換算して流量を算出することができる。また、例えば、流体の密度が予め既知であると、質量流量として演算することもできる。
【0040】
従って、周囲温度に関わらず、正確な流量値、あるいは、常に標準状態での流量値として表示することのできる、賢い超音波流量計を実現できる。
【0041】
(実施例12)
請求項12について説明する。実施例11において、本発明の超音波流量計は、標準状態での流量値あるいは質量流量値を演算できるので、例えば、質量流量値あるいは標準状態で流量値を、容易に積算することができる。従って、例えば、ボンベなどで供給される流体などの場合、例えば、体積流量値を積算している場合には、使用量が周囲の温度により大きく変動するので、ボンベ残量の算出に大きな誤差が発生することになるが、質量流量積算、あるいは、標準状態の流量値積算であれば、誤動作することがなくなる。
【0042】
以上のように上記各実施例によれば、流体の流速分布や、あるいは渦などにより、あるいは、流体の温度変化などにより、超音波の受信波形が変化しても、超音波の真の伝搬時間を正確に検出することができ、高精度な流量計を実現できる。
【0043】
また、超音波の音速を知ることができるので、流体の温度なども間単に得られ、超音波流量計の正常動作、異常動作を簡単に判定できる。また、質量流量表示などのできる、高精度な超音波流量計をも実現できる。
【0044】
【発明の効果】
以上のように、本発明によれば、超音波の真の伝搬時間を正確に検出することができ、高精度な流量計を実現できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の実施例1における波流量計の断面図
【図2】 本発明の実施例1における計測のブロック図
【図3】 本発明の実施例1における駆動波形と受信波形図
【図4】 本発明の実施例1における駆動周波数と受信波形との関係図
【図5】 本発明の実施例1におけるゼロクロス点と伝搬時間との関係図
【図6】 本発明の実施例3におけるゼロクロスと伝搬時間との関係図
【図7】 本発明の実施例6における周波数特性図
【図8】 従来の流量計の断面図
【図9】 従来の流量計における駆動波形と受信波形を示す図
【符号の説明】
21 超音波流量計
22 流路
23 上流側の超音波送変換器
24 下流側の超音波送変換器
31 駆動回路
33 送信側切換SW
34 受信側切換SW
37 検知回路
38 駆動波形
39 受信波形

Claims (8)

  1. 流体が流れる流路と、
    前記流路の上流側と下流側とに流体を介して対向配置した一対の超音波変換器と、
    前記超音波変換器の一方を複数の駆動周波数で駆動し、もう一方の超音波変換器へ向けて超音波を送信する駆動回路と、
    前記もう一方の超音波変換器が受信した超音波信号のゼロクロス点を検知する検知回路とを備え、
    前記検知回路で検知した駆動周波数毎の複数のゼロクロス点から得られる近似直線同士の交点を求め、かつ、この交点から超音波の真の伝搬時間を判定し、かつ、この判定された真の伝播時間を用いて流量を演算する制御・演算回路を有し、流量を測定する超音波流量計。
  2. 前記複数の周波数は、相互に5%以上異なる請求項1記載の超音波流量計。
  3. 駆動周波数の数を3以上とする請求項1記載の超音波流量計。
  4. 駆動波数は、超音波到着時点を起点として検出するゼロクロス点を含む波数以上とする請求項1記載の超音波流量計。
  5. 複数のゼロクロス点は、超音波変換器固有の立上がり波数に含まれる数よりも小さく設定される請求項1記載の超音波流量計。
  6. 超音波変換器の感度75%以上の周波数帯域(dFr/Fc)が、20%以上とする請求項2記載の超音波流量計。
  7. 前記複数のゼロクロス点を、受信感度の大きい方から順次トリガレベルを低下させて検出する請求項5記載の超音波流量計。
  8. 超音波の真の伝搬時間から超音波の平均音速を演算する請求項1記載の超音波流量計。
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