JP4074090B2 - 組レンズおよびその製造方法 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、少なくとも2枚のレンズを組み合わせてなる組レンズおよびそのような組レンズの製造方法に係わり、例えば射出成形等の成形工程により製作されたレンズを用いて組み立てられる組レンズおよびその製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来より、様々な用途において、光学樹脂材料よりなる、いわゆるプラスチックレンズが多用されている。このプラスチックレンズは、通常、射出成形法によって製造される。この射出成形法は、成形対象レンズの形状に対応したキャビティ(空洞)を有する金型を用い、このキャビティ内に溶融した光学樹脂材料を流し込み、これを冷却して固化させることで所望の形状のレンズを得るというものである。
【0003】
図3は、従来のプラスチックレンズ成形加工に用いられるレンズ用金型の一断面構成を表すものである。このレンズ用金型は、主として、第1の金型部材101と、第2の金型部材102と、第3の金型部材103と、第4の金型部材104とを組み合わせて構成されている。
【0004】
第1および第2の金型部材101,102は、固定側の金型部材であり、以後、これらを総称して固定側金型部材101,102と呼ぶ。第3および第4の金型部材103,104は、可動側の金型部材であり、以後、これらを総称して可動側金型部材103,104と呼ぶ。金型部材101〜104は、相互に連結されることにより、成形対象レンズの形状に対応したキャビティ108を構成するようになっている。
【0005】
レンズの成形は、次のようにして行われる。すなわち、まず、金型のゲート (図示せず)から溶融した光学樹脂材料を流し込んでキャビティ108内に充填する。次に、金型を冷却してキャビティ108内の光学樹脂材料を固化させたのち、可動側金型部材103,104を固定側金型部材101,102から離れる方向に移動させる。そして、キャビティ108内に形成されたレンズを固定側金型部材101,102から引き離して取り出す。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
図4は、図3に示したレンズ用金型によって成形されたレンズの形状を表すものである。レンズ用金型のキャビティ108に光学樹脂を流し込んだときに、各金型部材101〜104の合わせ目110の僅かな隙間に光学樹脂が入り込み、図4に示したように、レンズ107におけるレンズ面の外周に一体形成されたこば部分に、ばり111,112が発生することがある。ばり111,112の高さは、光学樹脂材料の種類や形成条件、および各金型部材101〜104の製作精度や組立精度等によって異なるが、例えば0.005mm〜0.2mm程度である。これらのばり111,112は、通常、キャビティ108の周囲に一様に発生するのではなく、周囲の一部、特に、射出圧力が最も高くなる位置(具体的には、ゲートと反対側の位置)に発生しやすい。
【0007】
このようなばり111,112が発生したレンズ107を、例えば図5に示したように絞り部115および他のレンズ116と組み合わせて、組レンズを構成したとする。この場合、レンズ107における一方のばり111が絞り部115とレンズ107との当接面から突き出ており、他方のばり112が他のレンズ116とレンズ107との当接面から突き出ている。このため、これらのばりによって、絞り部115とレンズ107との間にα°の傾きが生じ、レンズ107とレンズ116との間にβ°の傾きが生じる。この結果、組レンズ全体として所定の光学性能を満たせないという問題がある。
【0008】
ばりによる傾きを回避する方法として、ばり発生箇所に間隔環等を入れて調整する方法もあるが、部品点数が増えることからコストアップになると共に、光学系の全長が長くなることから組レンズ製品が大きくなる等の不利な点が生じることになる。
【0009】
本発明はかかる問題点に鑑みてなされたもので、その目的は、製造工程でレンズこばに不要なばりが形成された場合であっても、光学性能の劣化、部品点数の増加およびサイズの大型化を招くことなく、2以上のレンズを組み合わせて構成することができる組レンズおよびその製造方法を提供することにある。
【0010】
【課題を解決するための手段】
本発明の第1の組レンズは、それぞれ、光学面と、光学面の外側に設けられた周縁部と、周縁部に形成された突起部とを有するレンズを少なくとも2枚組み合わせてなる組レンズであって、組み合わされた2枚のレンズは、周縁部において互いに当接すると共に、2枚のレンズの何れか一方の周縁部における、他方のレンズの突起部に対応する位置に、双方のレンズの不要な突起部を収容するための凹部を設けたものである。
【0011】
本発明の第1の組レンズでは、レンズ製造工程で双方のレンズの周縁部に不要な突起部が形成されても、双方のレンズを組み合わせた際に、それらの突起部が、一方のレンズの周縁部に形成された凹部に収まる。すなわち、2枚のレンズのうちの一方の周縁部に形成された凹部は、自らのレンズの周縁部に形成された突起部のみならず、組み合わせ相手のレンズの周縁部に形成された突起部をも収容するようになる。この結果、双方のレンズの当接面に突起部が介在することによって生ずる可能性のあるレンズの傾きや浮きが防止される。
【0012】
発明の組レンズは、特に、互いに当接するように組み合わされる2枚のレンズが光学樹脂材料からなるいわゆるプラスチックレンズである場合に好適に適用される。
【0013】
本発明の組レンズの製造方法は、複数の金型部材の組合せよりなる金型を用いてレンズを成形する成形工程と、成形されたレンズを少なくとも2枚組み合わせて組レンズを組み立てる組立工程とを含み、成形工程において、組立工程で組み合わされるべき2枚のレンズのいずれか一方を、複数の金型部材の合わせ目部分に凸部を有する金型を用いて、この凸部に対応した位置に凹部を有する形状に成形し、組立工程において、2枚のレンズを互いに当接させる際に、これらの双方のレンズの、金型部材の合わせ目部分に対応した位置に形成される突起部を、上記の凹部に収容するようにしたものである。
また、本発明の第2の組レンズは、複数の金型部材の組合せよりなる金型を用いて成形されるレンズを少なくとも2枚組み合わせ、互いに当接してなる組レンズであって、互いに当接した状態にある2枚のレンズの双方に形成された金型部材の合わせ目部分に対応した位置に形成される突起部と、当接した状態にある2枚のレンズのいずれか一方において、金型部材の合わせ目部分に凸部を有する金型によりこの凸部に対応した位置に形成され、突起部を収容する凹部とを設けたものである。
【0014】
本発明の製造方法または本発明の第2の組レンズでは、複数の金型部材の合わせ目部分に凸部を有する金型を用いて、組立工程で組み合わされるべき2枚のレンズのいずれか一方の成形が行われ、金型の凸部に対応した位置に凹部を有する形状のレンズが得られる。こうして成形されるレンズには、金型部材の合わせ目部分に対応した位置に突起部が形成され得る。次に、組立工程において2枚のレンズを互いに当接させる際に、これらの双方のレンズの上記突起部が凹部に収容される。この結果、双方のレンズの当接面に突起部が介在することによって生ずる可能性のあるレンズの傾きや浮きが防止される。
【0015】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態について、図面を参照して詳細に説明する。
図1は、本発明の一実施の形態に係る組レンズの断面構成を表すものである。この組レンズは、例えばCCD(電荷結合素子)やMOS(Metal Oxide Semiconductor )等の撮像素子を用いた小型の電子カメラなどに適用可能なものである。この図で、(A)は組レンズ全体の断面構造を表し、(B)および(C)は、それぞれ、(A)の要部を拡大して表したものである。
【0016】
この組レンズは、鏡筒11と、この鏡筒11の内部に物体側(図1(A)において左側)から順に配置された第1のレンズ12および第2のレンズ13と、第1のレンズ12の物体側に配置された開口絞り14と、第2のレンズ13の像面側(図1(A)において右側)に配置されたストッパ15とを備えて構成されている。以下、第1のレンズ12および第2のレンズ13を、単にレンズ12,13と記するものとする。また、以下の説明においては、適宜、物体側を前方といい、像面側を後方というものとする。
【0017】
なお、レンズ12,13よりなる撮影レンズの図示しない結像面(図1(A)においてストッパ15の右側に位置)には、例えば上記した撮像素子や撮影フィルムが配置されるようになっている。
【0018】
レンズ12およびレンズ13は、射出成形により形成されたプラスチックレンズであり、それぞれ、光学機能面(光学面または光面)と、光学機能面の外側の周囲に設けられたこば部(周縁部)とを有している。レンズ13は、その後側のこば面13Aが鏡筒11の光軸に直交する段差面11Aに当接するようにして配置され、レンズ12は、その後側のこば面12Aがレンズ13の前側のこば面13Bに当接するようにして配置されている。なお、鏡筒11の段差面11Aが、この組レンズにおける組み込み基準となる面である。
【0019】
ストッパ15は、鏡筒11の最後方(図1(A)において最右方)に形成された段差面11Bに固着されている。このストッパ15は、中央部に例えば円形の開口15Aを有し、撮像エリアを制限する機能や、不要入射光を遮光する機能を有している。
【0020】
開口絞り14は、中央部に可変または固定サイズの開口14Aを有する板状の部材であり、入射光量を制御して露出を調整する機能を有している。開口絞り14はまた、鏡筒11の内部において、レンズ12を押さえる機能をも有している。より具体的には、開口絞り14の後側の面の外周付近が段差面11Cに当接して、これに固着されると共に、開口絞り14の後側の面の内周領域が、レンズ12の前側のこば面12Bに当接し、レンズ12を押さえ付けて固定している。
【0021】
レンズ12の後側のこば面12Aには、その最内周領域に(光学機能面の周縁に沿って)、溝状の凹部16Aが形成されている(図1(B)参照)。レンズ12の前側のこば面12Bには、その最内周領域に、溝状の凹部16Bが形成されている(図1(C)参照)。凹部16Aは、レンズ12の射出成形時にこば面12Aの側に形成されるばり18と、レンズ13の射出成形時にこば面13Bに形成されるばり19の双方を収容することができるように形成されている。一方、凹部16Bは、レンズ12の射出成形時にこば面12Bの側に形成されるばり17を収容することができるように形成されている。これらのばり17〜19は、いずれも、後述するように、レンズ成形に用いられる金型を構成する金型部材の合わせ目の僅かな隙間に起因して生じ得る不要な突起物である。
【0022】
レンズ12のこば面12Aの側においては、ばり18が、凹部16Aの底面から、これとほぼ直交する方向に伸びるように形成されている。ところが、凹部16Aは、ばり18の長さ(高さ)よりも深く形成されている。このため、ばり18は、レンズ12の組立時の基準面であるこば面12Aから突き出ることがなく、凹部16Aの内部に完全に収容された形になっている。同様に、レンズ12のこば面12Bの側では、ばり17が、凹部16Bの底面から、これとほぼ直交する方向に伸びるように形成されている。このため、ばり17は、こば面12Bから突き出ることがなく、凹部16Bの内部に完全に収容された形になっている。
【0023】
一方、レンズ13においては、ばり19が、前側のこば面13Bから、これとほぼ直交する方向に伸びるように形成されている。ところが、ばり19に相対する位置のレンズ12のこば面12Aには凹部16Aが形成されており、しかも、この凹部16Aは、ばり19の長さ(高さ)よりも深く形成されている。このため、ばり19は、レンズ12,13が組み立てられた状態においても、凹部16Aの底面には到達せず、凹部16Aの内部に完全に収容された形になっている。
【0024】
なお、ばり17〜19の高さが0.005mm〜0.2mm程度であるとすると、凹部16A,16Bの深さは、例えば0.2mm〜0.3mm程度の寸法とするのが好ましい。
【0025】
このように、レンズ12の一方のこば面12Aに形成された凹部16Aは、自らのレンズ12の成形時に生じたばり18のみならず、組み合わせ相手のレンズ13の成形時に生じたばり19をも完全に収容している。この結果、ばり18,19は、レンズ組立の際に、レンズ12のこば面12Aとレンズ13のこば面13Bとが隙間なく密着することを妨げない。このため、レンズ12がレンズ13に対して傾いたり浮き上がった状態で組み込まれることがなく、結像面における像面傾き等に起因する光学性能の劣化を回避することができる。
【0026】
また、レンズ12のこば面12Bに形成された凹部16Bは、自らのレンズ12の成形時に生じたばり17を完全に収容している。この結果、開口絞り14がレンズ12に対して傾いたり浮き上がることがなく、レンズ12を確実に押さえることができる。
【0027】
〈組レンズの製造方法〉
次に、以上のような構成の組レンズの製造方法を説明する。ここでは、各レンズの成形工程と組立工程とに分けて説明する。
【0028】
成形工程
レンズ12,13は、双方ともプラスチックレンズであり、金型を用いた射出成形によって製造される。ここでは、レンズ12を例にとって説明する。まず、金型の構造について説明する。
【0029】
図2は、レンズ12の射出成形時に用いられるレンズ用金型の断面構造を表すものである。このレンズ用金型は、第1の金型部材21と、第2の金型部材22と、第3の金型部材23と、第4の金型部材24とを組み合わせて構成されている。
【0030】
第1および第2の金型部材21,22は、固定側の金型部材であり、以後、これらを総称して、固定側金型部材21,22と呼ぶ。第2の金型部材22は、主として、レンズ12の前側の光学機能面を形成するための部材であり、第1の金型部材21に形成された貫通穴21Hに嵌合している。第1の金型部材21は、レンズ12の前側のこば面12Bを形成するための部材であり、貫通穴21Hの周囲に沿って、レンズ12の凹部16Bを形成するための円形堤状の凸部28Bが形成されている。
【0031】
第3および第4の金型部材23,24は、可動側の金型部材であり、以後、これらを総称して、可動側金型部材23,24と呼ぶ。第4の金型部材24は、主として、レンズ12の他の光学面を形成するための部材であり、第3の金型部材23に形成された貫通穴23Hに嵌合している。第3の金型部材23は、主としてレンズ12の外周面と後側のこば面12Aとを形成するための部材であり、貫通穴23Hの周囲に沿って、レンズ12の凹部16Aを形成するための円形堤状の凸部28Aが形成されている。
【0032】
これらの金型部材21〜24は、相互に連結されることにより、成形対象のレンズ12の形状に対応したキャビティ27を構成するようになっている。
【0033】
レンズの成形は、次のようにして行われる。まず、金型のゲート(図示せず)から溶融した光学樹脂材料を流し込んでキャビティ27内に充填する。次に、金型を冷却してキャビティ27内の光学樹脂材料を固化させたのち、可動側金型部材23,24を固定側金型部材21,22から離れる方向に移動させる。そして、キャビティ27内に形成されたレンズを固定側金型部材21,22から引き離して取り出す。こののち、図示しないゲート部分を切断して、レンズ12を得る。
【0034】
このようにして、一方のこば面12Aに凹部16Aを有すると共に他方のこば面12Bに凹部16Bを有するレンズ12の成形が完了する。
【0035】
なお、レンズ13もまた、金型を用いて上記と同様の射出成形工程により成形される。但し、レンズ13の場合には、こば面に凹部を形成する必要がないので、金型には上記のような凸部を設けないでよい。
【0036】
組立工程
次に、このようにして成形されたレンズの組み立てを行う。この組立工程では、まず、ストッパ15が取り付けられた鏡筒11に、レンズ13,12を、この順に組み込む。次に、開口絞り14を、これによってレンズ12の前側のこば面12Bを押さえるように組み込む。なお、開口絞り14の固定は、例えば、鏡筒11の内周に設けた溝にはめ込むことによって行うようにしてもよいし、あるいは、接着剤によって段差面11Cに接着することで行うようにしてもよい。
【0037】
レンズ12を組み込む際、レンズ13のばり19は、レンズ12の凹部16Aの内部に完全に収容されるので、レンズ12のこば面12Aとレンズ13のこば面13Bとの間に隙間が生じることがない。このため、レンズ12の倒れや浮きが生ずることがない。
【0038】
なお、レンズ13の成形時において、こば面13の側にも、ばり20が形成されることがあるが、このばり20は、鏡筒11の開口の内側を臨む位置に形成されているので、レンズ13の倒れや浮きは生じない。
【0039】
以上説明したように、本実施の形態によれば、組レンズにおける互いに当接した状態にある2枚のレンズの何れか一方に、これらの2枚のレンズの双方に形成された突起部を収容するための凹部を設けるようにしたので、これらの2つのレンズの製造工程において双方のレンズにばりが形成されたとしても、双方のレンズ12,13を組み合わせた際に、双方のレンズのばりが、一方のレンズに形成された凹部に収まることになる。この結果、双方のレンズの当接面の間に隙間が生じてレンズの傾きや浮きが発生し、所定の光学性能が得られなくなるという事態を回避することができる。したがって、たとえ製造工程でレンズにばりが形成されたとしても、間隔環等の部品点数の増加や、光学系の全長や鏡筒のサイズの大型化を招くことなく、所期の光学性能を備えた組レンズを得ることができる。
【0040】
また、本実施の形態によれば、2つのレンズの双方に凹部を設けるのではなく、一方のレンズにのみ凹部を設ければ足りるので、双方に凹部を設ける場合に比べて、レンズ単体の製造がより容易となり、コストアップを抑制することが可能である。一般に、そのような凹部をレンズに形成するためには金型に凸部を設ける必要があることから金型の形状が複雑化しコストアップの要因となり得るところ、本実施の形態では、そのような凸部を一方のレンズ用の成形金型にのみ設ければよいからである。
【0041】
以上、実施の形態を挙げて本発明を説明したが、本発明はこれに限定されず、種々の変形が可能である。例えば、上記実施の形態では、レンズのこば面の全域にわたって溝状の凹部を形成するようにしたが、円周の一部(特にばりが発生しやすい箇所)にのみ凹部を設けるようにしてもよい。
【0042】
また、上記実施の形態では、組レンズを構成するレンズがプラスチックレンズである場合について説明したが、ガラスモールドレンズについても適用可能である。このガラスモールドレンズは、例えば次のような工程により形成可能である。すなわち、まず、水平に配置した固定側金型部材上に、ほぼレンズ形状のガラス材料を載せてこれを加熱し、ガラス材料が柔らかくなった時点で可動側金型部材を押し付ける。そして、冷却によりガラスを固化させたのち、可動側金型部材を引き離してレンズを取り外す。この方法により形成されるガラスレンズにおいてもばりが生じるようであれば、組立時において相対する2つのレンズのこば面に生ずるばりを一括して収容するための凹部を、一方のガラスレンズにのみ設けるだけで、上記実施の形態の場合と同様の効果を得ることができる。
【0043】
【発明の効果】
以上説明したように本発明の請求項1または請求項に記載の組レンズによれば、周縁部において互いに当接した状態にある2枚のレンズの何れか一方の周縁部における、他方のレンズの突起部に対応する位置に、これらの2枚のレンズの双方の周縁部に形成された突起部を収容するための凹部を設けるようにしたので、これらの突起部は、レンズ組立の際に、双方のレンズの当接面同士が隙間なく密着することを妨げない。このため、2つのレンズが相対的に傾いたり浮き上がった状態で組み込まれることがなく、結像面における像面傾き等に基づく光学性能の劣化を回避することができる。したがって、たとえ製造工程でレンズの周縁部に不要な突起部が形成されたとしても、部品点数の増加やサイズの大型化を招くことなく、所期の光学性能を満たす組レンズを得ることができる。
【0045】
本発明の請求項に記載の組レンズの製造方法または請求項4に記載の組レンズによれば、成形工程において、組立工程で組み合わされるべき2枚のレンズのいずれか一方を、複数の金型部材の合わせ目部分に凸部を有する金型を用いて、この凸部に対応した位置に凹部を有する形状に成形し、組立工程において、2枚のレンズを互いに当接させる際に、これらの双方のレンズの、金型部材の合わせ目部分に対応した位置に形成される突起部を、上記の凹部に収容するようにしたので、これらの突起部が双方のレンズの当接面に介在することによって生ずる可能性のあるレンズの傾きや浮きの発生が回避される。また、本発明では、2つのレンズの双方に凹部を設けるのではなく、一方のレンズにのみ凹部を設ければ足りるので、双方に凹部を設ける場合に比べて、組レンズを構成する個々のレンズの製造がより容易となり、コストアップを抑制することが可能である。一般に、そのような凹部をレンズに形成するためには金型に凸部を設ける必要があることから金型の形状が複雑化しコストアップの要因となり得るところ、本発明では、そのような凸部を一方のレンズ用の成形金型にのみ設ければよいからである。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施の形態に係る組レンズの構成を示す断面図である。
【図2】図1に示した一方のレンズを成形に用いられる金型の構造を表す断面図である。
【図3】従来のプラスチックレンズ成形加工に用いられる金型の構造を表す断面図である。
【図4】図3に示した金型により成形されたプラスチックレンズの構成を示す図である。
【図5】従来の組レンズにおける問題点を説明するための断面図である。
【符号の説明】
11…鏡筒、11A〜11C…段差面、12…第1のレンズ、12A、12B…こば面13…第2のレンズ、13A,13B…こば面、14…開口絞り、15…ストッパ、16A,16B…凹部、17〜19…ばり (突起部)、21…第1の金型部材、22…第2の金型部材、23…第3の金型部材、24…第4の金型部材、27…キャビティ、28A,28B…凸部。

Claims (4)

  1. それぞれ、光学面と、前記光学面の外側に設けられた周縁部と、前記周縁部に形成された突起部とを有するレンズを少なくとも2枚組み合わせてなる組レンズであって、
    前記組み合わされた2枚のレンズは、前記周縁部において互いに当接すると共に、
    前記2枚のレンズの何れか一方の周縁部における、他方のレンズの突起部に対応する位置に、双方のレンズの不要な突起部を収容するための凹部を有する
    ことを特徴とする組レンズ。
  2. 前記当接した状態にある2枚のレンズは光学樹脂材料からなることを特徴とする請求項1に記載の組レンズ。
  3. 複数の金型部材の組合せよりなる金型を用いてレンズを成形する成形工程と、成形されたレンズを少なくとも2枚組み合わせて組レンズを組み立てる組立工程とを含み、
    前記成形工程において、前記組立工程で組み合わされるべき2枚のレンズのいずれか一方を、前記複数の金型部材の合わせ目部分に凸部を有する金型を用いて、この凸部に対応した位置に凹部を有する形状に成形し、
    前記組立工程において、前記2枚のレンズを互いに当接させる際に、これらの双方のレンズの、前記金型部材の合わせ目部分に対応した位置に形成される突起部を、前記凹部に収容するようにした
    ことを特徴とする組レンズの製造方法。
  4. 複数の金型部材の組合せよりなる金型を用いて成形されるレンズを少なくとも2枚組み合わせ、互いに当接してなる組レンズであって、
    互いに当接した状態にある2枚のレンズの双方に形成された前記金型部材の合わせ目部分に対応した位置に形成される突起部と、
    前記当接した状態にある2枚のレンズのいずれか一方において、前記金型部材の合わせ目部分に凸部を有する金型によりこの凸部に対応した位置に形成され、前記突起部を収容する凹部と
    を有することを特徴とする組レンズ。
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