JP4073086B2

JP4073086B2 - ２連耐張がいし装置用がいし取替装置

Info

Publication number: JP4073086B2
Application number: JP22572398A
Authority: JP
Inventors: 大輔下廣; 清伸加藤; 鉄男鶴見; 雅彦魚住; 隆司佐藤; 純男川村
Original assignee: Chubu Electric Power Co Inc
Current assignee: Chubu Electric Power Co Inc
Priority date: 1998-08-10
Filing date: 1998-08-10
Publication date: 2008-04-09
Anticipated expiration: 2018-08-10
Also published as: JP2000059936A

Description

【０００１】
【発明の属する技術分野】
本発明は、鉄塔アームに取り付けられ、送電線を張設するための懸垂型がいし装置のがいし部分の取替装置に関するものであって、特に、２連耐張がいし装置に好適ながいし取替装置に関する。
【０００２】
【従来の技術】
高圧送電線を所定の鉄塔アーム間に張設するため、ライン側および接地側のヨークの間に、多数の懸垂型がいし単体を連結して構成した２連のがいし連を配置した、いわゆる２連耐張がいし装置が用いられている。
【０００３】
このような耐張がいし装置において、がいし連を構成するがいし単体に不具合が生じて、これを取り外し、新しいがいしと取り替えるには、次に説明するような装置および方法が実用化されている。
先ず、がいし連の中間部分に位置するがいし単体を個別に取り替える場合について、図４を参照して説明する。
【０００４】
図４正面図（Ａ）には、がいし連の中間部分が示されていて、この部分に適用される取替装置では、図示した最上部のがいし単体１０ａ、と最下部のがいし単体１０ｂのそれぞれの頭部１１ａ、１１ｂに挟み付けて取付られた上部把持金具２１ａと下部把持金具２１ｂの両側アーム端部間を各２本クランクロッド２２で連結し、そのクランクロッド２２の中間部分において、図４側面図（Ｂ）に示すように、伸縮ストロークを備えた油圧伸縮構造の油圧ラム２３が水平方向に取り付けてあり、高圧ホース２３ａを通じて、作動油を出し入れすることにより、伸縮ストロークを伸縮させ、結果、把持金具２１ａ、２１ｂ間の距離を伸縮可能としている。
【０００５】
この取替装置において、前記伸縮ストロークを伸長させ、結果、把持金具２１ａ、２１ｂ間の距離を短縮させれば、最上部のがいし単体１０ａと最下部のがいし単体１０ｂの間の連結が緩むので、中間部分のがいし単体１０ｃ（図４では２個のがいし単体が相当する）から連結金具を抜き取って、それらを取り外すことができるようになる。かくして、所望のがいし単体を取り外してから、新たながいし単体を組付け、この取替装置を撤去することにより、中間部分のがいし単体を取り替えることができるのである。
【０００６】
なお、以上説明したがいし取替装置では、がいし連の接地側またはライン側の先頭に位置するがいし単体、すなわち最外側のがいし単体を取り替えるには、適当でなく、他の形式の専用の取替装置が用いられる。例えば、接地側がいし単体用としては、図５に例示するような、取替装置を利用される。
【０００７】
図５によれば、最上部のがいし単体１１ｘの直上に連結される接地側（鉄塔側）金具３にアタッチメント３１、３１がボルトで固定され、また下方のがいし単体１０ｙの頭部１１ｙには下部把持金具３２が挟み付けて取付られており、それぞれに設けられているがいし連の両側に張り出したアーム間は、各２本クランクロッド３３で連結されている。
【０００８】
そして、このクランクロッド３３の中間部分においては、先の図４に示したのと同様に、油圧伸縮構造の油圧ラム（図示せず）が水平方向に取り付けてある。そして、以下同様にこの油圧ラムを操作することにより、アタッチメント３１と下部把持金具３２間の距離を伸縮できるから、図４の場合と同様にして、最上部のがいし単体１１ｘを取り替えることができるのである。
【０００９】
また、ライン側のがいし単体の場合には、原理的には、図５に示す接地側用の取替装置を上下転倒させるものであるが、ライン側ヨーク金具に固定するのに好適な形状の専用アタッチメントを使用して、同様に取り外し、取付けなどの取替作業を行うことになる。
【００１０】
ところが、このような各種取替装置では、がいし単体ではなく、がいし連全体を取り替える必要が生じたときには、効率よく対応しにくい問題があった。例えば、取替作業に際して、前記した接地側、ライン側、中間部のがいし単体のための専用装置を準備したうえ、それら３か所について順次、危険な高所作業である取替作業を行う必要があった。さらに、通常は、がいし連が多数個のがいし単体から構成されているので、中間部のがいしを１度に取り替えることができず、中間部の交換作業は、その個数に応じて、数回に分けて順次行う必要があって、非常に工数がかかるという問題があった。
【００１１】
また、耐張がいし装置のがいし連を一括して取り替えるための装置およびその工法については、本発明の出願人らが特許第２５９８９４８号（特願昭６３−４８０８０号）として提案しているが、この技術は、耐張がいし装置のヨーク金具と送電線とを切り離して、ヨーク金具を取り付けた状態のがいし連を取り替えるのに適したものではあるが、本発明が目的とするがいし連のみを取り替えるためには利用できない装置および工法であった。
【００１２】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、上記の問題点を解決するためになされたものであり、２連耐張がいし装置において、１組のがいし連を一体として同時に取り外し、取り付けが可能とするとともに、構造が簡単で重量が軽く取扱も容易ながいし取替装置を提供する。
【００１３】
【課題を解決するための手段】
上記の問題を解決するためになされた本発明の２連耐張がいし装置用がいし取替装置は、接地側ヨークとライン側ヨークとの間に２連のがいし連を配設した２連耐張がいし装置における前記がいし連を取り替えるための取替装置であって、前記接地側およびライン側の各ヨークに固定される接地側およびライン側のアタッチメントと、これらアタッチメントの、前記ヨークに沿った平面上を一方のがいし連の外側にまで延びるよう設けられたアームと、それぞれのアーム間を連結する伸縮自在なリンクロッドとからなることを特徴とするものである。
【００１４】
また、本発明は、前記リンクロッドが油圧駆動のピストン・シリンダからなる油圧伸縮装置とターンバックルとを介在させたものである形態、あるいは、前記接地側およびライン側アタッチメントには、固定される前記接地側およびライン側ヨークの設けられている既製のボルト孔を利用する固定用ボルト孔が穿設されるとともに、前記リンクロッドの緊縮操作時に前記ヨークの端面を押圧するための太径ボルトを装着することができる、ボルト孔が穿設されている形態の２連耐張がいし装置用がいし取替装置として具体化することができる。
【００１５】
【発明の実施の形態】
次に、本発明の２連耐張がいし装置用がいし取替装置に係る実施形態を図１〜３を参照して説明する。
本発明の２連耐張がいし装置用がいし取替装置は、先ず、図１において、接地側およびライン側から１点支持された接地側ヨーク１２と同じくライン側ヨーク１３との、それぞれの支点１２ａ、および同１３ａの両側相互間に対称に配設された２連のがいし連１ａ、１ｂを備えたところの２連耐張がいし装置における前記がいし連１ａ、１ｂを取り替えるための取替装置である。
【００１６】
そして、その特徴とするところは、前記接地側ヨーク１２とライン側ヨーク１３の一方のそれぞれのがいし連側に固定される（図１では、がいし連１ｂ側に固定されている）、接地側アタッチメント４１およびライン側のアタッチメント４２と、このアタッチメント４１、４２との間を連結する伸縮自在なリンクロッド５とを備えたものであるが、このリンクロッド５の両端は、前記それぞれのヨーク１２、１３における前記２連のがいし連１ａと同１ｂの支点を結ぶ延長平面上、すなわち前記ヨーク１２、１３に沿った平面上をがいし連１ｂの外側にまで延びるよう設けられたところの、接地側アタッチメント４１のアーム４１ａおよびライン側アタッチメント４２のアーム４２ａとに連結されている点を重要な特徴とするものである。
【００１７】
図１の事例では、伸縮自在なリンクロッド５は、具体的には、その上端は、直角クレビスリンク５１を介して接地側アタッチメント４１のアーム４１ａの先端に取り付けられ、またその下端は、１枚リンク５２を介してライン側アタッチメント４２のアーム４２ａの先端に取り付けられている。そして、各アタッチメント４１、４２は鋼鉄製などの板状剛体から形成され、またリンクロッド５自体は、鋼鉄製などの棒状リジッド部５０と油圧駆動のピストン・シリンダからなる油圧伸縮装置５３とターンバックル５４とを直列に配置して、長さを可変にした伸縮自在なロッドとして構成されている。
【００１８】
このように構成されたがいし取替装置の操作について、図１を参照して説明する。
先ず、図示の２連のがいし連１ａ、１ｂを備えた２連耐張がいし装置の接地側ヨーク１２およびライン側ヨーク１３とのそれぞれに、前記した接地側アタッチメント４１およびライン側アタッチメント４２をボルトで固定し、図１では右側のがいし連１ｂの右側方向に延びたそれぞれのアーム４１ａ、４２ａ間を前記伸縮自在なリンクロッド５で連結する。
【００１９】
このように配置してから、このリンクロッド５の全長を短縮させるよう、リンクロッド５の油圧伸縮装置５３を作動させる。この場合には、この耐張がいし装置が負担していた送電線路などの全荷重は、このリンクロッド５から側方に位置するがいし連１ａとこのリンクロッド５とで負担することになる。すなわち、リンクロッド５に隣接するがいし連１ｂには、荷重がかからなくなるので、各構成がいし単体の相互間の連結は弛緩するから、このがいし連１ｂを取り外すことが可能となる。
この場合、がいし連１ｂ全体を同時に取り外すこともできるし、もちろん最下部のがいし単体から順次、上方に１個づつ取り外すことも可能である。
【００２０】
かくしてがいし連１ｂを取り外した後、新たながいし連を取り付けることにより、このがいし連１ｂの取替作業が一段落するのである。なお、他方のがいし連１ａの方を取り替えるには、この取替装置をがいし連１ｂから同１ａの方に移し替えて、前記と同様に作業すればよい。
【００２１】
以上説明したように、本発明のがいし取替装置によれば、この取替装置の上下の準備されたアタッチメントを耐張がいし装置の接地側、ライン側ヨークに固定し、油圧操作をするだけで、所定のがいし連全体を取り替えることができるようになるので、構造が簡単で重量が軽いうえ、取扱も容易であって、取替作業が短時間で行える利点が得られる。
【００２２】
さらに、本発明のがいし取替装置のリンクロッド５の短縮操作時には、図１において、接地側およびライン側から１点支持された支点１２ａ、および同１３ａを支軸とする梃子の原理に従い、全荷重が配分されるので、アームの長さの長いリンクロッド５の荷重は軽減されるので、その操作力もより少ない力で済むことになる。従って、このがいし取替装置の構成部品は構造強度も比較的軽易なもので構成でき、装置全体の重量も少なく、送電鉄塔上の高所作業に負荷の少ない好適なものとなる。
【００２３】
また、本発明のリンクロッド５を伸縮自在なものとするには、前記のように油圧駆動のピストン・シリンダからなる油圧伸縮装置５３とターンバックル５４とを介在させればよい。この場合には、比較的簡単な構造で操作が容易な油圧伸縮装置５３によって大きな作動力が得られる利点があり、ターンバックル５４によってマニュアルで迅速に大きな伸縮ストロークが得られるとともに、油圧伸縮装置に不都合が生じても手動で作業を続けることができる利点がある。
【００２４】
次に、前記接地側およびライン側アタッチメントの好ましい形態について説明する。
図２は、接地側アタッチメント４１と接地側ヨーク１２との位置関係を示す正面図（Ａ）、および固定ボルトを付記した側面断面図（Ｂ）である。
このアタッチメント４１は、例えば、鋼鉄板材からなり、この２枚のアタッチメント４１で図２（Ｂ）のように、接地側ヨーク１２を挟んだ状態でボルト締にて固定している。
【００２５】
そして、このアタッチメント４１には、接地側ヨーク１２の設けられている既製のボルト孔を利用する複数の固定用ボルト孔４３、４３、が穿設されるとともに、前記リンクロッドの緊縮操作時に前記ヨーク１２の端面を押圧するための太径ボルト４４ａを装着することができる、太径ボルト孔４４が穿設されている。
【００２６】
また、図３は、ライン側アタッチメント４２とライン側ヨーク１３との位置関係を示す正面図（Ａ）、および固定ボルトを付記した側面断面図（Ｂ）である。
そして、このアタッチメント４２には、先の図２に示した接地側アタッチメント４１の場合と同様に、ライン側ヨーク１３の設けられている既製のボルト孔を利用する複数の固定用ボルト孔４５、４５、が穿設されるとともに、前記リンクロッドの緊縮操作時に前記ヨーク１２の端面を押圧するための太径ボルト４６ａを装着することができる、太径ボルト孔４６が穿設されており、同様に機能するのである。
【００２７】
このように、この形態のアタッチメントによれば、ヨークにすでに設けられている、ホーン取付け用などの既製のボルト孔を利用し、容易にボルト締めして固定することができる。さらに、アタッチメントには、前記リンクロッドの緊縮操作時に前記ヨークの端面を押圧することができる位置関係に、太径ボルト孔４４、４６が設けられているので、前記リンクロッドの緊縮操作におけるヨークとアタッチメントの固定強度、あるいは操作上要求される構造強度を十分余裕のある条件に設定することができる利点が得られる。
【００２８】
なお、本発明における２連耐張がいし装置とは、課電側または接地側の支持金具の中央を支点として、がいし連を左右に振り分けて懸垂する形式の耐張がいし装置を意味するのであり、がいし連の数が左右１連づつのものに限定されるものではない。
【００２９】
【発明の効果】
本発明の２連耐張がいし装置用がいし取替装置は、以上に説明したように構成されているので、２連耐張がいし装置において、１組のがいし連の全体を同時に取り外し、取り付けが可能とするとともに、構造が簡単で重量が軽く取扱も容易ながいし取替装置を提供することができるから、送電鉄塔上で行う高所作業の困難性を軽減することができるようになる。よって本発明は従来の問題点を解消した２連耐張がいし装置用がいし取替装置として、その工業的価値は極めて大なるものがある。
【図面の簡単な説明】
【図１】本発明の実施形態を説明するための要部正面図。
【図２】本発明の接地側アタッチメントを示す正面、側面図。
【図３】本発明のライン側アタッチメントを示す正面、側面図。
【図４】従来のがいし取替装置を示す正面、側面図。
【図５】従来の他の形式のがいし取替装置を示す正面図。
【符号の説明】
１ａ、１ｂがいし連、１２接地側ヨーク、１２ａ支点、１３ライン側ヨーク、１３ａ支点、４１接地側アタッチメント、４１ａアーム、４２ライン側のアタッチメント、４２ａアーム、４３固定用ボルト孔、４４太径ボルト孔、４５固定用ボルト孔、、４６太径ボルト孔、５リンクロッド、５０棒状リジッド部、５３油圧伸縮装置、５４ターンバックル。

Claims

接地側ヨークとライン側ヨークとの間に２連のがいし連を配設した２連耐張がいし装置における前記がいし連を取り替えるための取替装置であって、前記接地側およびライン側の各ヨークに固定される接地側およびライン側のアタッチメントと、これらアタッチメントの、前記ヨークに沿った平面上を一方のがいし連の外側にまで延びるよう設けられたアームと、それぞれのアーム間を連結する伸縮自在なリンクロッドとからなることを特徴とする２連耐張がいし装置用がいし取替装置。
前記リンクロッドが油圧駆動のピストン・シリンダからなる油圧伸縮装置とターンバックルとを介在させたものである請求項１に記載の２連耐張がいし装置用がいし取替装置。
前記接地側およびライン側アタッチメントには、固定される前記接地側およびライン側ヨークの設けられている既製のボルト孔を利用する固定用ボルト孔が穿設されるとともに、前記リンクロッドの緊縮操作時に前記ヨークの端面を押圧するための太径ボルトを装着することができる、ボルト孔が穿設されている請求項１または２に記載の２連耐張がいし装置用がいし取替装置。