JP4070874B2 - 含水土壌の改良剤および改良方法 - Google Patents

含水土壌の改良剤および改良方法 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、含水土壌を改良する含水土壌の改良剤および改良方法に関するものであり、さらに詳しくは、例えば、砂の代替品としての再利用を図る際に好適な、含水土壌を粒状に改良する改良剤および改良方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
一般に、例えば、場所打杭工法や泥水シールド工法等を採用した掘削工事等に伴う建設廃材の処理においては、掘削孔に掘削泥水を供給することにより、掘削時に発生する発生土を該掘削泥水と共に外部に排出している。
【0003】
上記の発生土は、土砂が分離され、工事現場の切り盛り等に再利用されるため、廃棄物処理法に定める産業廃棄物には該当しない。しかしながら、泥状の状態、より詳しくは、粘土と共に水を多量に含んだスラリー状を有し、流動性を呈する掘削泥水は、標準仕様ダンプトラックに山積みができず、例えばその上を人が歩けない状態を呈している。従って、上記の掘削泥水は、そのままでは埋戻材料等に使用することができず、廃棄物処理法に則った産業廃棄物として処理しなければならない。このため、上記の掘削泥水は、運搬等が行えるように脱水プレスする等して固液分離を行った後、必要に応じて、脱水ケーキ等として得られる汚泥、即ち含水土壌に、セメントや重合体等が混合されて固化(改良)される。そして、これらの改良方法により改良された含水土壌は、例えば埋め立て処分場等の所定の廃棄場所に廃棄されるか、或いは、掘削孔の埋め戻しが必要な土木工事においては、改良された含水土壌を掘削孔に注入することが行われている。
【0004】
このような改良方法として、例えば、特開平1-176499号公報には、含水土壌に、水溶性の合成高分子物質等を混合する方法が開示されている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、含水土壌は産業廃棄物として処理しなければならないので、多大な処分費用がかかる。また、建設廃材としての含水土壌の最終処分量は膨大な量に上ると共に、含水土壌を廃棄するための最終処分場用地の取得難や住民の反対等により、含水土壌の埋立処分は日々困難となっている。従って、上記従来の改良方法で含水土壌を処理すると、廃棄場所等、最終処分場用地の確保が困難となるという問題点も有している。このため、含水土壌の再利用を図ることができる改良方法が切望されている。
【0006】
ところで、例えば、特開平4-345685号公報には、カルボキシル基を有する水溶性重合体と石灰とからなる含水土壌の改良剤が開示されている。上記の水溶性重合体は、例えばアクリル酸ナトリウムとアクリルアミドとを共重合することによって製造されている。しかしながら、該改良剤は、水溶性重合体がアクリルアミドを用いて製造されているので、含水土壌に石灰を添加・混合すると、該水溶性重合体からアンモニアが発生し、作業環境を著しく損ねる。それゆえ、含水土壌の改良時における作業環境を良好な状態に保つことができる(安全な)改良剤が求められている。
【0007】
本発明は、上記従来の問題点に鑑みなされたものであり、その目的は、含水土壌を改良し、再利用を図る際に好適な改良剤、および、改良方法を提供することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】
本願発明者等は、上記の目的を達成すべく、含水土壌の改良剤および改良方法について鋭意検討した。その結果、カルボキシル基を有する単量体と、或る特定の分子構造を有する単量体とを含む単量体成分を重合してなる水溶性重合体を含む改良剤を含水土壌に混合することで、含水土壌を固化させ、産業廃棄物として廃棄することなく、再利用することができることを見い出して、本発明を完成させるに至った。
【0009】
即ち、発明の含水土壌の改良剤は、上記の課題を解決するために、カルボキシル基を有する単量体(a)と、N- ビニルアセトアミド、メトキシポリエチレングリコール(メタ)アクリレート、 N- ビニル -2- ピロリドンおよびヒドロキシエチル(メタ)アクリレートからなる群より選ばれる少なくとも一種の単量体(b)とを含む単量体成分を重合してなる水溶性重合体を含むことを特徴としている
【0010】
発明の含水土壌の改良剤は、上記の課題を解決するために、上記含水土壌の改良剤において、上記単量体成分が、(メタ)アクリル酸および/またはその塩を含むことを特徴としている。
【0011】
発明の含水土壌の改良方法は、上記の課題を解決するために、上記含水土壌の改良剤を含水土壌に混合することを特徴としている。
【0012】
発明の含水土壌の改良方法は、上記の課題を解決するために、上記含水土壌の改良方法において、上記含水土壌を粒状に改良することを特徴としている。
【0013】
上記の各構成によれば、通常、汚泥として廃棄される含水土壌を、トラックで運搬することが可能であり、例えばその上を人が歩ける状態に改良された固化物、より好ましくは、充分な強度並びに所定の粒子径を有する粒子状に細粒化された固化物に改良することができる。これにより、改良後の含水土壌を、例えば砂の代替品として埋め戻しや農園芸用等に有効に活用することができ、資源として再利用することができる。また、改良後の含水土壌を粒状固化物にすれば、地面に埋め戻した際の通水性を向上させることができ、より広い範囲での含水土壌の再利用が可能となる。これにより、環境保全、省資源、および廃棄場所の延命を図ることができると共に、含水土壌の処分費用を低減することができる。
【0014】
また、上記の構成によれば、改良剤は、カルボキシル基を有する単量体(a)と、或る特定の分子構造を有する単量体(b)とを含む単量体成分を重合してなる水溶性重合体を含んでいる。上記の水溶性重合体は、該重合体を構成する上記単量体(a)単位並びに単量体(b)単位に、含水土壌に例えばセメントや生石灰等の水硬性物質を添加・混合したときにアンモニアを発生する官能基を有していない。それゆえ、含水土壌の改良時における作業環境を良好な状態に保つことができる(安全な)改良剤を提供することができる。
【0015】
以下に本発明を詳しく説明する。
【0016】
本発明にかかる改良剤および改良方法によって固化(改良)される含水土壌は、どの様なものでもよく、また、従来は再利用が困難であった粘土やシルトでも、改良土として、例えば「建設発生土利用技術マニュアル」(1994年、(財)土木研究センター発行)に定められた建設汚泥に該当しない固化物、即ち、トラックで運搬することが可能であり、例えばその上を人が歩ける状態の固化物、より好ましくは、充分な強度並びに所定の粒子径を有する粒子状に細粒化された固化物とすることが可能である。
【0017】
上記含水土壌としては、具体的には、例えば、地中連続壁工法、泥水シールド工法等を採用した掘削工事での掘削時に発生する発生土を土砂と泥水とに分離し、該泥水を脱水プレスする等して固液分離を行った後、脱水ケーキ等として得られる汚泥;建設作業に伴って発生する泥水を沈殿槽に静置し、沈殿として得られる汚泥;掘削残土、軟弱残土;採石場並びに砕石場にて発生する含水石粉等の汚泥;等が挙げられる。
【0018】
上記含水土壌は、JIS A 1203(含水比試験方法)に基づいて測定され、「(水(g)/固形分(g))×100 」で表される含水比が20%〜200%の範囲内のものが好ましく、50%〜150%の範囲内のものがより好ましい。含水比が200%を超える含水土壌は、水の含有量(以下、水分量と称する)が多いので、改良剤を多量に用いなければならず、改良剤のコストが高くなり、好ましくない。
【0019】
上記含水土壌の出所は、特に限定されるものではなく、また、上記含水土壌としては、粘土やシルトの他に、ベントナイト等を含有するものであっても構わない。
【0020】
本発明にかかる改良剤および改良方法は、上述したように、含水土壌の出所に拘らず適用することができるが、そのなかでも、関東地方で発生した含水土壌に特に適している。建設副産物実態調査によれば、全国でも、関東地方建設局管内における建設発生土の発生量が最も多い。しかしながら、関東地方で発生した建設発生土は、一般に、関東ローム(火山灰質粘性土)、シルト、粘土等を多く含み、粒状に固化させることが困難である。そこで、関東地方で発生した発生土を含む含水土壌の再利用が絶望視されるなか、本発明によれば、従来、粒状に固化させることが困難な、関東地方で発生した含水土壌を、充分な強度並びに所定の粒子径を有する粒子状に細粒化された固化物とすることができる。
【0021】
本発明の含水土壌の改良剤として用いられる水溶性重合体(以下、単に重合体と記す)は、カルボキシル基を有する単量体(a)と、N- ビニルアセトアミド、メトキシポリエチレングリコール(メタ)アクリレート、 N- ビニル -2- ピロリドンおよびヒドロキシエチル(メタ)アクリレートからなる群より選ばれる少なくとも一種の単量体(b)とを含む単量体成分を重合してなる重合体であり、水溶性を備えている。
【0022】
上記の重合体は、カルボキシル基を有する単量体(a)と、N- ビニルアセトアミド、メトキシポリエチレングリコール(メタ)アクリレート、 N- ビニル -2- ピロリドンおよびヒ ドロキシエチル(メタ)アクリレートからなる群より選ばれる少なくとも一種の単量体(b)とを共重合させることにより、或いは、該単量体(a)・(b)と共重合可能なその他の単量体(以下、単に、その他の単量体と記す)と共重合させることにより、容易に得ることができる。つまり、上記単量体成分は、カルボキシル基を有する単量体(a)と、N- ビニルアセトアミド、メトキシポリエチレングリコール(メタ)アクリレート、 N- ビニル -2- ピロリドンおよびヒドロキシエチル(メタ)アクリレートからなる群より選ばれる少なくとも一種の単量体(b)とだけを含んでいるか、或いは、該単量体(a)・(b)とその他の単量体とを含んでいる。
【0023】
カルボキシル基を有する単量体(a)としては、具体的には、例えば、アクリル酸、メタクリル酸、クロトン酸、ビニル酢酸、マレイン酸、イタコン酸、メサコン酸、フマル酸、シトラコン酸、N-(メタ)アクリロイルアスパラギン酸、および、これら単量体のアルカリ金属塩やアンモニウム塩等が挙げられるが、特に限定されるものではない。これら単量体は、一種類のみを用いてもよく、また、二種類以上を併用してもよい。上記例示の単量体のうち、(メタ)アクリル酸および/またはその塩がより好ましく、(メタ)アクリル酸を単独で用いることが特に好ましい
【0024】
上記単量体(b)は、一種類のみを用いてもよく、また、二種類以上を併用してもよい。そして、上記の単量体のうち、N-ビニルアセトアミド、メトキシポリエチレングリコール(メタ)アクリレート、および、N-ビニル-2-ピロリドンが特に好ましい。つまり、単量体成分が、N-ビニルアセトアミド、メトキシポリエチレングリコール(メタ)アクリレート、および、N-ビニル-2-ピロリドンからなる群より選ばれる少なくとも一種の単量体を含んでいることが特に好ましい。
【0025】
本発明において、前記単量体(a)と単量体(b)との割合、即ち、上記の重合体を構成する全単量体単位に占める該単量体(a)単位と単量体(b)単位との割合は、99/1〜1/99の範囲内であることが好ましく、97/3〜3/97の範囲内であることがより好ましい。単量体(a)と単量体(b)との割合が上記範囲を外れると、場合によっては含水土壌を粒状化することができなくなるので好ましくない。
【0026】
また、上記その他の単量体は、前記単量体(a)・(b)と共重合可能な単量体であればよく、特に限定されるものではない。つまり、本発明にかかる重合体を構成する、前記単量体(a)単位並びに単量体(b)単位以外の構造単位は、特に限定されるものではない。その他の単量体としては、具体的には、例えば、2-アクリルアミド-2-メチルプロパンスルホン酸、(メタ)アリルスルホン酸、アリルオキシベンゼンスルホン酸、2-ヒドロキシ-3-(2-プロペニルオキシ)プロパンスルホン酸、イソプロペニルスルホン酸、スチレンスルホン酸、ビニルスルホン酸、アリルホスホン酸、イソプロペニルホスホン酸、ビニルホスホン酸、スルホエチル(メタ)アクリレート、イソプレンのスルホン化物、ホスホエチルメタクリレート、および、これら単量体のアルカリ金属塩やアンモニウム塩等の、モノエチレン性不飽和酸;
酢酸ビニル、プロピオン酸ビニル、ピバリン酸ビニル、安息香酸ビニル、桂皮酸ビニル等のビニルエステル;
メチルビニルエーテル、エチルビニルエーテル等のアルキルビニルエーテル;
3-メチル-3-ブテン-1-オール、3-メチル-2-ブテン-1-オール、2-メチル-3-ブテン-2-オール等の不飽和アルコール;
アクロレイン等のアルデヒド基含有ビニル単量体;
(メタ)アクリロニトリル等のニトリル基含有ビニル単量体;
スチレン等の上記以外の官能基を含有する単量体;等が挙げられる。これらその他の単量体は、一種類のみを用いてもよく、また、二種類以上を併用してもよい。上記例示のその他の単量体のうち、2-アクリルアミド-2-メチルプロパンスルホン酸、および、スルホエチル(メタ)アクリレートが特に好ましい。
【0027】
本発明において、上記単量体成分中における前記単量体(a)・(b)の割合、即ち、上記の重合体を構成する全単量体単位に占める該単量体(a)・(b)単位の割合は、50モル%以上であることが好ましく、80モル%以上であることがより好ましく、90モル%以上であることがさらに好ましい。上記単量体(a)・(b)の割合が50モル%未満である場合には、得られる改良剤の使用量が多くなると共に、場合によっては含水土壌を粒状化することができなくなるので好ましくない。
【0028】
上記重合体の製造方法、即ち、上記単量体成分の重合方法は、特に限定されるものではなく、例えば、ラジカル重合開始剤等の重合開始剤を用いる重合方法;イオン化放射線、電子線等の放射線や、紫外線を照射する重合方法;加熱による重合方法;等の従来公知の種々の方法を採用することができる。
【0029】
上記ラジカル重合開始剤としては、過酸化物系やレドックス系、アゾ系の開始剤を用いることができ、具体的には、例えば、過硫酸アンモニウム、過硫酸カリウム、過酸化水素、過酸化ベンゾイル、t-ブチルパーオキサイド等の、過酸化物系やレドックス系で好適に用いられる過酸化物;
亜硫酸水素ナトリウム、メタ重硫酸ナトリウム、硫酸第一鉄アンモニウム、L-アスコルビン酸、トリエタノールアミン等の、レドックス系で好適に用いられる還元剤;
2,2'-アゾビス(2,4-ジメチルバレロニトリル)、2,2'-アゾビス(2-アミノプロパン)二塩酸塩、2,2'-アゾビスイソブチルアミド二水和物、2,2'-アゾビス[2-(2-イミダゾリン-2-イル)プロパン]二塩酸塩等のアゾ系開始剤;等が挙げられるが、特に限定されるものではない。尚、重合開始剤の使用量や、重合反応の反応条件等は、特に限定されるものではない。
【0030】
本発明において、得られる重合体の重量平均分子量は、特に限定されるものではないが、100,000よりも大きいことがより好ましく、1,000,000よりも大きいことがさらに好ましく、2,000,000よりも大きいことが特に好ましい。
【0031】
上記重合体の重量平均分子量が100,000未満である場合には、改良後の含水土壌を粒状化することができなくなるおそれがある。本願発明者等が検討した結果、関東地方で発生した含水土壌は、上記重合体の重量平均分子量が小さい場合、具体的には、100,000未満の場合には、粒状化しない場合があり、一方、重量平均分子量が大きい程、粒状化させるために必要とする重合体の使用量が少なくて済むことが判った。また、本願発明者等がさらに検討した結果、上記重合体の使用量が等しければ、上記重合体の重量平均分子量が大きい程、改良後の含水土壌、即ち、含水土壌の固化物を、産業廃棄物の規定にあてはまらない範囲内で、細粒化させる(粒径を小さくする)ことができることが判った。
【0032】
本発明において、上記重合体の重量平均分子量は、特に限定されるものではないが、20,000,000を超える場合には、上記の重合体を含水土壌に混合したときに増粘効果が生じて両者を均一に混合することができなくなるおそれがあると共に、該重合体の製造が困難である。このため、上記重合体の重量平均分子量の上限は、特に限定されるものではないが、実質的に、20,000,000以下とすることが好ましい。
【0033】
上記重合体は、取り扱い性並びに混合性の観点から、乾燥、粉砕することにより、粉体として用いる。尚、上記重合体の乾燥方法並びに粉砕方法は、特に限定されるものではない。
【0034】
上記の重合体を粉体(粒子)として用いる場合における該重合体の粒子径は、0.01mm〜2mmの範囲内が好ましく、0.02mm〜1mmの範囲内がより好ましい。上記重合体の粒子径が2mmを超える場合には、上記の固化物を細粒化するために必要とする上記重合体の使用量を多くしなければならないのでコストが高くなり、好ましくない。一方、上記重合体の粒子径が0.01mm未満である場合には、上記重合体を取り扱う際に粉塵が発生し易くなると共に、重合体が吸湿し易くなる。従って、作業性が低下すると共に、含水土壌に添加した際に継粉を生じることになる。このため、含水土壌を改良してなる固化物を細粒化するためには使用量を多くしなければならないのでコストが高くなり、好ましくない。
【0035】
含水土壌100重量部に対する上記重合体の使用量は、0.01重量部〜5重量部の範囲内が好ましく、0.02重量部〜1重量部の範囲内がより好ましい。上記重合体の使用量が0.01重量部未満である場合には、上記含水土壌の固化物を細粒化することができなくなるので好ましくない。また、重合体の使用量を5重量部より多くしても、上記の範囲内で使用した場合と殆ど効果が変わらない。従って、過剰に使用した重合体が無駄となるので好ましくない。尚、重合体を水溶液の状態で用いる場合には、上記重合体の使用量は、水溶液中の該重合体の量(純分)を示すものとする。
【0036】
以上のように、本発明にかかる含水土壌の改良剤は、所定の性状等を備えた重合体、即ち、カルボキシル基を有する単量体(a)と、N- ビニルアセトアミド、メトキシポリエチレングリコール(メタ)アクリレート、 N- ビニル -2- ピロリドンおよびヒドロキシエチル(メタ)アクリレートからなる群より選ばれる少なくとも一種の単量体(b)とを含む単量体成分を重合してなる重合体からなっている。次に、上記構成の改良剤を用いて含水土壌を改良する改良方法について、以下に説明する。
【0037】
本発明にかかる改良方法では、含水土壌に対し、上記の改良剤(即ち、上述の重合体)を混合することで、改良土として、トラックで運搬することが可能であり、例えばその上を人が歩ける状態の固化物、より好ましくは、充分な強度並びに所定の粒子径を有する粒子状に細粒化された固化物を得ることができる。含水土壌と上記の改良剤とを混合する際に用いられる混合機としては、両者の混合物を混練することなく攪拌・混合することができる装置が好ましく、両者の混合物に対して剪断力を付与しながら攪拌することができるように、攪拌翼の形状が棒状や釣針状等に形成されている装置が好適である。つまり、攪拌翼は、攪拌・混合によって移動する混合物の移動方向に対して、できるだけ直角方向に拡がった形状が、混練による粒子径の粗大化を抑制することができると共に、攪拌翼や装置内壁への混合物の付着を防止することができるので、望ましい。
【0038】
このような装置としては、例えば、水平軸型混合機や垂直軸型混合機が挙げられる。そして、水平軸型混合機としては、例えば、一軸および複数軸パドル型混合機が好ましい。垂直軸型混合機としては、例えば、パンミキサ型混合機が好ましく、遊星型混合機がより好ましく、さらに、該遊星型混合機のうち、ソイルミキサ、モルタルミキサ、およびアイリッヒ混合機がさらに好ましい。上記の混合機を用いて含水土壌と改良剤とを混合すると共に、攪拌翼によって生じる剪断力を用いることにより、混合物を粒子径が0.1mm〜50mmの範囲内、好ましくは0.3mm〜10mmの範囲内である粒子状に細粒化(粒状固化)することができる。尚、含水土壌と改良剤との混合方法は、特に限定されるものではない。
【0039】
そして、得られた改良土(粒状固化物)をより一層有効に活用(再利用)するためには、該改良土に水硬性物質を添加して混合することが好ましい。尚、含水土壌に改良剤を混合する前に水硬性物質を混合すると、含水土壌を粒状固化させることができない。
【0040】
上記水硬性物質としては、水中で硬化が進行する物質であればよく、特に限定されるものではないが、具体的には、例えば、セメント、生石灰、消石灰、石膏、およびこれらの混合物等が挙げられる。上記例示の水硬性物質のうち、セメントおよび生石灰がより好ましい。
【0041】
上記のセメントとしては、公知の各種セメントを採用することができる。該セメントとしては、具体的には、例えば、普通ポルトランドセメント、早強ポルトランドセメント、超早強ポルトランドセメント等のポルトランドセメント;高炉セメント;アルミナセメント;カルシウムセメント;フライアッシュセメント;等が挙げられるが、特に限定されるものではない。
【0042】
含水土壌100重量部に対する上記水硬性物質の使用量は、1重量部〜20重量部の範囲内が好ましく、1重量部〜10重量部の範囲内がより好ましい。水硬性物質の使用量が1重量部未満である場合には、改良土(粒状固化物)の強度(後述する)が不充分となる場合がある。また、水硬性物質の使用量を20重量部より多くしても、上記の範囲内で使用した場合と殆ど効果が変わらない。従って、過剰に使用した水硬性物質が無駄となるので好ましくない。
【0043】
改良土(粒状固化物)に水硬性物質を混合する際に用いられる混合機は、特に限定されるものではないが、両者の混合物を混練することなく攪拌・混合することができる装置が好適である。また、このような混合機を用いて混合する際には、上記含水土壌と改良剤との混合時ほどに剪断力がかからないようにし、改良土(粒状固化物)の表面に水硬性物質を付着させる(まぶす)ように攪拌することが好ましい。これにより、改良土(粒状固化物)の表面に水硬性物質がほぼ均一に付着した改良土(粒状固化物)が得られる。尚、水硬性物質は、その一部が改良土(粒状固化物)の内部に入り込んでいてもよい。また、改良土(粒状固化物)と水硬性物質との混合方法は、特に限定されるものではない。
【0044】
得られた改良土(粒状固化物)は、即時埋め戻しを行ってもよいが、常温で3日間〜7日間程度放置することによって水硬性物質が養生されるので、所定の強度を備えることができる。
【0045】
以上のようにして得られる改良土は、トラックで運搬することが可能であり、例えばその上を人が歩ける状態に改良された固化物、より好ましくは、粒状固化物である。従って、上記改良土は、産業廃棄物には該当せず、再利用が可能である。特に、粒状固化物は、所定の粒子径および強度を備えているので、粉砕やふるい分け等の操作を行わなくても、例えば砂の代替品等の資源としての再利用を図ることができる。つまり、掘削孔の埋め戻しが必要な土木工事においては、砂等を別途に用意しなくとも、該粒状固化物を用いて埋め戻しを行うことができる。また、上記粒状固化物は、地面に埋め戻した際の通水性を向上させることができるので、より広い範囲での含水土壌の再利用が可能となる。上記粒状固化物は、例えば、埋設管や構造物等を埋め戻す際の埋め戻し材、人工砂等としての遮断層材、のり面に吹き付けて該のり面を加工する植生基材、土壌改良材、保水材、透水材、水質改善材等に好適に用いることができる。このように、本発明の改良剤並びに改良方法を用いれば、通常、汚泥として廃棄される含水土壌を再利用することができるので、環境保全、省資源、および廃棄場所の延命を図ることができると共に、含水土壌の処分費用を低減することができる。
【0046】
また、上記の構成によれば、改良剤は、カルボキシル基を有する単量体(a)と、或る特定の分子構造を有する単量体(b)とを含む単量体成分を重合してなる重合体を含んでいる。上記の重合体は、該重合体を構成する上記単量体(a)単位並びに単量体(b)単位に、含水土壌に水硬性物質を添加・混合したときにアンモニアを発生する官能基を有していない。それゆえ、含水土壌の改良時における作業環境を良好な状態に保つことができる(安全な)改良剤を提供することができる。
【0047】
【実施例】
以下、実施例および比較例により、本発明をさらに詳細に説明するが、本発明はこれらにより何ら限定されるものではない。尚、改良剤としての重合体の重量平均分子量(Mw)は、ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)により測定した。
【0048】
〔実施例1〕
関東地方において一般土木掘削工事によって発生した発生土から、含水土壌を得た。含水土壌の含水比は、110重量%であった。
【0049】
次に、釣針状のフック型攪拌翼を備えたプラネタリ式混合機(遊星型混合機)に、上記の含水土壌を所定量仕込んだ。続いて、該含水土壌を160rpmで攪拌しながら、該含水土壌に、本発明にかかる改良剤としての粉末状の、N-ビニル-2-ピロリドン/アクリル酸ナトリウム共重合体(A)を、上記含水土壌に対する割合が0.1重量%となるように少しずつ添加、混合した。
【0050】
上記N-ビニル-2-ピロリドン/アクリル酸ナトリウム共重合体(A)におけるN-ビニル-2-ピロリドンとアクリル酸ナトリウムとのモル比は97/3であり、N-ビニル-2-ピロリドン/アクリル酸ナトリウム共重合体(A)の重量平均分子量(Mw)は5,000,000、粒子径は0.05mm〜0.25mmの範囲内であった。
【0051】
次に、得られた粒状物を160rpmで攪拌しながら、該粒状物に、水硬性物質としての生石灰を、上記の含水土壌に対する割合が3重量%となるように少しずつ添加、混合した。
【0052】
この結果、粒子径が0.1mm〜5mmの範囲内であり、平均粒子径が1mmの細粒化物を得た。その後、該細粒化物を常温で7日間放置して、粒状固化物を得た。細粒化物並びに粒状固化物には、アンモニア臭が認められなかった。主な固化条件、および、細粒化物の粒子径等を表1に示す。
【0053】
〔実施例2〕
実施例1の混合機と同一の混合機に、実施例1の発生土から得た含水比145%の含水土壌を所定量仕込んだ。続いて、該含水土壌を160rpmで攪拌しながら、該含水土壌に、粉末状の前記N-ビニル-2-ピロリドン/アクリル酸ナトリウム共重合体(A)を、上記含水土壌に対する割合が0.2重量%となるように少しずつ添加、混合して粒状物を得た。
【0054】
次に、得られた粒状物を160rpmで攪拌しながら、該粒状物に、水硬性物質としてのポルトランドセメントを、上記の含水土壌に対する割合が3重量%となるように少しずつ添加、混合した。
【0055】
この結果、粒子径が0.5mm〜5mmの範囲内であり、平均粒子径が2mmの細粒化物を得た。その後、該細粒化物を常温で7日間放置して、粒状固化物を得た。細粒化物並びに粒状固化物には、アンモニア臭が認められなかった。主な固化条件、および、細粒化物の粒子径等を表1に示す。
【0056】
〔実施例3〕
実施例1の混合機と同一の混合機に、実施例1の発生土から得た含水比110%の含水土壌を所定量仕込んだ。続いて、該含水土壌を160rpmで攪拌しながら、該含水土壌に、本発明にかかる改良剤としての粉末状の、N-ビニルアセトアミド/メタクリル酸ナトリウム共重合体(B)を、上記含水土壌に対する割合が0.2重量%となるように少しずつ添加、混合した。
【0057】
上記N-ビニルアセトアミド/メタクリル酸ナトリウム共重合体(B)におけるN-ビニルアセトアミドとメタクリル酸ナトリウムとのモル比は90/10であり、N-ビニルアセトアミド/メタクリル酸ナトリウム共重合体(B)の重量平均分子量(Mw)は3,000,000、粒子径は0.02mm〜1mmの範囲内であった。
【0058】
次に、得られた粒状物を160rpmで攪拌しながら、該粒状物に、水硬性物質としての消石灰を、上記の含水土壌に対する割合が5重量%となるように少しずつ添加、混合した。
【0059】
この結果、粒子径が0.1mm〜10mmの範囲内であり、平均粒子径が2mmの細粒化物を得た。その後、該細粒化物を常温で7日間放置して、粒状固化物を得た。細粒化物並びに粒状固化物には、アンモニア臭が認められなかった。主な固化条件、および、細粒化物の粒子径等を表1に示す。
【0060】
〔実施例4〕
実施例1の混合機と同一の混合機に、実施例1の発生土から得た含水比145%の含水土壌を所定量仕込んだ。続いて、該含水土壌を160rpmで攪拌しながら、該含水土壌に、粉末状の前記N-ビニルアセトアミド/メタクリル酸ナトリウム共重合体(B)を、上記含水土壌に対する割合が0.3重量%となるように少しずつ添加、混合して粒状物を得た。
【0061】
次に、得られた粒状物を160rpmで攪拌しながら、該粒状物に、水硬性物質としての生石灰を、上記の含水土壌に対する割合が8重量%となるように少しずつ添加、混合した。
【0062】
この結果、粒子径が0.3mm〜5mmの範囲内であり、平均粒子径が2mmの細粒化物を得た。その後、該細粒化物を常温で7日間放置して、粒状固化物を得た。細粒化物並びに粒状固化物には、アンモニア臭が認められなかった。主な固化条件、および、細粒化物の粒子径等を表1に示す。
【0063】
【表1】
Figure 0004070874
【0064】
〔実施例5〕
実施例1の混合機と同一の混合機に、実施例1の発生土から得た含水比145%の含水土壌を所定量仕込んだ。続いて、該含水土壌を160rpmで攪拌しながら、該含水土壌に、本発明にかかる改良剤としての粉末状の、メトキシポリエチレングリコールアクリレート/アクリル酸共重合体(C)を、上記含水土壌に対する割合が0.2重量%となるように少しずつ添加、混合した。
【0065】
メトキシポリエチレングリコールアクリレートにおけるエチレングリコールの平均重合度は10モルであった。また、上記メトキシポリエチレングリコールアクリレート/アクリル酸共重合体(C)におけるメトキシポリエチレングリコールアクリレートとアクリル酸とのモル比は50/50であり、メトキシポリエチレングリコールアクリレート/アクリル酸共重合体(C)の重量平均分子量(Mw)は2,500,000、粒子径は0.05mm〜0.25mmの範囲内であった。
【0066】
次に、得られた粒状物を160rpmで攪拌しながら、該粒状物に、水硬性物質としての高炉セメントを、上記の含水土壌に対する割合が5重量%となるように少しずつ添加、混合した。
【0067】
この結果、粒子径が0.5mm〜10mmの範囲内であり、平均粒子径が3mmの細粒化物を得た。その後、該細粒化物を常温で7日間放置して、粒状固化物を得た。細粒化物並びに粒状固化物には、アンモニア臭が認められなかった。主な固化条件、および、細粒化物の粒子径等を表2に示す。
【0068】
〔実施例6〕
実施例1の混合機と同一の混合機に、実施例1の発生土から得た含水比110%の含水土壌を所定量仕込んだ。続いて、該含水土壌を160rpmで攪拌しながら、該含水土壌に、本発明にかかる改良剤としての粉末状の、ヒドロキシエチルメタクリレート/メタクリル酸共重合体(D)を、上記含水土壌に対する割合が0.4重量%となるように少しずつ添加、混合して粒状物を得た。
【0069】
上記ヒドロキシエチルメタクリレート/メタクリル酸共重合体(D)におけるヒドロキシエチルメタクリレートとメタクリル酸とのモル比は20/80であり、ヒドロキシエチルメタクリレート/メタクリル酸共重合体(D)の重量平均分子量(Mw)は1,500,000、粒子径は0.05mm〜0.15mmの範囲内であった。
【0070】
得られた粒状物を160rpmで攪拌しながら、該粒状物に、水硬性物質としてのフライアッシュを、上記の含水土壌に対する割合が10重量%となるように少しずつ添加、混合した。
【0071】
この結果、粒子径が1mm〜20mmの範囲内であり、平均粒子径が4mmの細粒化物を得た。その後、該細粒化物を常温で7日間放置して、粒状固化物を得た。細粒化物並びに粒状固化物には、アンモニア臭が認められなかった。主な固化条件、および、細粒化物の粒子径等を表2に示す。
【0072】
【表2】
Figure 0004070874
【0073】
〔比較例1〕
実施例1の混合機と同一の混合機に、実施例1の発生土から得た含水比110%の含水土壌を所定量仕込んだ。続いて、該含水土壌を160rpmで攪拌しながら、該含水土壌に、水硬性物質としてのポルトランドセメントを、上記の含水土壌に対する割合が10重量%となるように少しずつ添加、混合した。しかしながら、含水土壌は塊状に固まってしまい、粒状物を得ることができなかった。主な固化条件を表3に示す。
【0074】
〔比較例2〕
実施例1の混合機と同一の混合機に、実施例1の発生土から得た含水比110%の含水土壌を所定量仕込んだ。続いて、該含水土壌を160rpmで攪拌しながら、該含水土壌に、比較用の改良剤としての粉末状のポリアクリルアミド(E)を、上記含水土壌に対する割合が0.2重量%となるように少しずつ添加、混合した。
【0075】
上記ポリアクリルアミド(E)の重量平均分子量(Mw)は6,000,000、粒子径は0.5mm〜20mmの範囲内であった。
【0076】
次に、上記混合物を160rpmで攪拌しながら、該混合物に、水硬性物質としての消石灰を、上記の含水土壌に対する割合が5重量%となるように少しずつ添加、混合した。
【0077】
この結果、粒子径が0.5mm〜20mmの範囲内であり、平均粒子径が4mmの細粒化物を得た。その後、該細粒化物を常温で7日間放置して、粒状固化物を得た。しかしながら、細粒化物並びに粒状固化物には、アンモニア臭が認められた。主な固化条件、および、細粒化物の粒子径等を表3に示す。
【0078】
〔比較例3〕
実施例1の混合機と同一の混合機に、実施例1の発生土から得た含水比145%の含水土壌を所定量仕込んだ。続いて、該含水土壌を160rpmで攪拌しながら、該含水土壌に、比較用の改良剤としての粉末状のアクリル酸ナトリウム/アクリルアミド共重合体(F)を、上記含水土壌に対する割合が0.3重量%となるように少しずつ添加、混合して粒状物を得た。
【0079】
上記アクリル酸ナトリウム/アクリルアミド共重合体(F)におけるアクリル酸ナトリウムとアクリルアミドとのモル比は50/50であり、アクリル酸ナトリウム/アクリルアミド共重合体(F)の重量平均分子量(Mw)は5,000,000、粒子径は0.05mm〜0.15mmの範囲内であった。
【0080】
得られた粒状物を160rpmで攪拌しながら、該粒状物に、水硬性物質としての生石灰を、上記の含水土壌に対する割合が3重量%となるように少しずつ添加、混合した。
【0081】
この結果、粒子径が0.5mm〜5mmの範囲内であり、平均粒子径が2mmの細粒化物を得た。その後、該細粒化物を常温で7日間放置して、粒状固化物を得た。しかしながら、細粒化物並びに粒状固化物には、アンモニア臭が認められた。主な固化条件、および、細粒化物の粒子径等を表3に示す。
【0082】
【表3】
Figure 0004070874
【0083】
表1ないし表2に記載の結果から、本発明にかかる改良剤を用いれば、アンモニアを発生させること無く、上記の含水土壌を細粒化することができることが判る。また、表3に記載の結果(比較例1〜3)から、改良剤を含まない場合には、上記の含水土壌を粒状化することができないことが判る。さらに、表3に記載の結果(比較例2,3)から、アクリルアミドを重合することによって得た重合体を含む比較用の改良剤は、上記の含水土壌を粒状化することができるものの、重合体からアンモニアが発生し、作業環境を著しく損ねることが判る。
【0084】
【発明の効果】
本発明の含水土壌の改良剤は、以上のように、カルボキシル基を有する単量体(a)と、N- ビニルアセトアミド、メトキシポリエチレングリコール(メタ)アクリレート、 N- ビニル -2- ピロリドンおよびヒドロキシエチル(メタ)アクリレートからなる群より選ばれる少なくとも一種の単量体(b)とを含む単量体成分を重合してなる水溶性重合体を含む構成である。本発明の含水土壌の改良剤は、以上のように、上記単量体成分が、(メタ)アクリル酸および/またはその塩を含む構成である。
【0085】
上記の構成によれば、改良後の含水土壌を、トラックで運搬することが可能であり、例えばその上を人が歩ける状態に改良された固化物、より好ましくは、充分な強度並びに所定の粒子径を有する粒子状に細粒化された固化物とすることができるので、通常、汚泥として廃棄される含水土壌を、例えば砂の代替品等の資源として有効に活用(再利用)することができるという効果を奏する。また、改良後の固化物は再利用することができるので、環境保全、省資源、および廃棄場所の延命を図ることができると共に、含水土壌の処分費用を低減することができるという効果も併せて奏する。さらに、上記の構成によれば、改良剤は、カルボキシル基を有する単量体(a)と、或る特定の分子構造を有する単量体(b)とを含む単量体成分を重合してなる水溶性重合体を含んでいる。上記の水溶性重合体は、該重合体を構成する上記単量体(a)単位並びに単量体(b)単位に、含水土壌に例えばセメントや生石灰等の水硬性物質を添加・混合したときにアンモニアを発生する官能基を有していない。それゆえ、含水土壌の改良時における作業環境を良好な状態に保つことができる(安全な)改良剤を提供することができるという効果も併せて奏する。
【0086】
また、本発明の含水土壌の改良方法は、以上のように、上記含水土壌の改良剤を含水土壌に混合する方法である。本発明の含水土壌の改良方法は、以上のように、上記含水土壌を粒状に改良する方法である。
【0087】
上記の方法によれば、改良後の含水土壌を、トラックで運搬することが可能であり、例えばその上を人が歩ける状態に改良された固化物、より好ましくは、充分な強度並びに所定の粒子径を有する粒子状に細粒化された固化物とすることができるので、通常、汚泥として廃棄される含水土壌を、例えば砂の代替品等の資源として有効に活用(再利用)することができるという効果を奏する。また、改良後の固化物は再利用することができるので、環境保全、省資源、および廃棄場所の延命を図ることができると共に、含水土壌の処分費用を低減することができるという効果も併せて奏する。

Claims (6)

  1. カルボキシル基を有する単量体(a)と、N- ビニルアセトアミド、メトキシポリエチレングリコール(メタ)アクリレート、 N- ビニル -2- ピロリドンおよびヒドロキシエチル(メタ)アクリレートからなる群より選ばれる少なくとも一種の単量体(b)とを含む単量体成分を重合してなる水溶性重合体を含み、
    上記水溶性重合体が、粉体であることを特徴とする含水土壌の改良剤。
  2. 上記単量体成分が、(メタ)アクリル酸および/またはその塩を含むことを特徴とする請求項記載の含水土壌の改良剤。
  3. 上記水溶性重合体の粒子径が、 0.01mm 〜2 mm の範囲内であることを特徴とする請求項1または2記載の含水土壌の改良剤。
  4. 上記水溶性重合体の重量平均分子量が、 1,000,000 よりも大きく、 20,000,000 以下であることを特徴とする請求項1〜3の何れか1項に記載の含水土壌の改良剤。
  5. 請求項1〜の何れか1項に記載の含水土壌の改良剤を含水土壌に混合することを特徴とする含水土壌の改良方法。
  6. 上記含水土壌を粒状に改良することを特徴とする請求項記載の含水土壌の改良方法。
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