JP4069337B2 - マイクロレンズアレイの製造方法 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、配向膜が一体形成されたマイクロレンズアレイ及びその製造方法並びに表示装置に関する。
【0002】
【発明の背景】
これまでに、複数の微小なレンズが並べられて構成されるマイクロレンズアレイが、例えば液晶パネルに適用されてきた。マイクロレンズアレイを適用することで、各レンズによって各画素に入射する光が集光するので、表示画面を明るくすることができる。
【0003】
また、マイクロレンズアレイを製造する方法として、ドライエッチング法又はウェットエッチング法を適用する方法が知られている。しかし、これらの方法によれば、個々のマイクロレンズアレイを製造する毎に、リソグラフィ工程が必要であってコストが高くなる。
【0004】
そこで、特開平3−198003号公報に開示されるように、レンズに対応する曲面が形成された原盤に樹脂を滴下し、この樹脂を固化させて剥離することで、マイクロレンズアレイを製造する方法が開発されている。
【0005】
この方法は、要するに、原盤を型としてマイクロレンズアレイを転写形成することで、製品毎のリソグラフィ工程を不要とする方法である。原盤は、一旦製造すればその後、耐久性の許す限り繰り返し使用できるため、原盤の耐久性が高いほどー製品あたりに占める原盤コストが低減し、製品の低コスト化に繋がる。
【0006】
そして、液晶パネル用のマイクロレンズアレイには、その後、配向膜が形成される。配向膜は、液晶分子の配向処理を行うもので、平坦性が要求される。また、配向膜は、例えばポリイミド樹脂などを塗布しこれを焼成して形成されるが、その熱は、マイクロレンズアレイに悪影響を与えるのみならず、これを構成する材料に制約を受けるという問題がある。
【0007】
本発明は、このような問題点を解決するもので、その目的は、配向膜を有するマイクロレンズアレイを安価に製造する方法及びその方法により製造されるマイクロレンズアレイ並びにこれを表示装置を提供することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】
(1)本発明に係るマイクロレンズアレイの製造方法は、基台上に配向膜を形成する第1工程と、
前記配向膜に、複数のレンズを有する光透過性層を設ける第2工程と、
前記配向膜を、前記光透過性層と一体的に前記基台から剥離する第3工程と、
を含む。
【0009】
本発明によれば、基台上で配向膜が形成されるので、配向膜の平坦性を確保することが容易である。また、本発明では、焼成を行って配向膜が形成されてから、その上に光透過性層が設けられる。したがって、配向膜を焼成するときに、まだ光透過性層が形成されていないので、この光透過性層に対して、焼成時の高温の影響を与えない。また、光透過性層を構成する材料は、焼成時の高温に耐えられるものに限定されないので、材料選択の自由度が増す。
【0010】
(2)上記マイクロレンズアレイの製造方法において、
前記第2工程の前に、前記光透過性層を前記配向膜とは別に形成する工程を含み、
前記第2工程で、完成した前記光透過性層を前記配向膜に接着してもよい。
【0011】
これによれば、予め得られたレンズ付きの光透過性層を利用できるので、汎用性のある製造方法となる。
【0012】
(3)上記マイクロレンズアレイの製造方法において、
前記第2工程で、光透過性層前駆体から光透過性層を、前記基台の上で形成しながら前記配向膜に接着してもよい。
【0013】
これによれば、連続的に配向膜及び光透過性層を形成するので、全体的な工程を短縮することができる。
【0014】
(4)上記マイクロレンズアレイの製造方法において、
前記基台は、放射線透過性を有し、
前記第3工程で、前記基台を通して前記配向膜に前記放射線を照射して、前記配向膜と前記基台との界面における結合力を低減させてもよい。
【0015】
このように、配向膜と基台との界面における結合力を低減させることで、配向膜を基台から剥離しやすくすることができる。
【0016】
(5)上記マイクロレンズアレイの製造方法において、
前記第1工程で、前記基台には予め分離層を形成し、前記分離層の上に前記配向膜を形成し、
前記基台は、放射線透過性を有し、
前記第3工程で、前記基台を通して前記分離層に前記放射線を照射して、前記基台と前記分離層との界面における結合力を低減させてもよい。
【0017】
これによれば、基台と分離層との界面における結合力が低減して、分離層を基台から剥離することができる。
【0018】
(6)上記マイクロレンズアレイの製造方法において、
前記第1工程で、前記基台には予め分離層を形成し、前記分離層の上に前記配向膜を形成し、
前記基台は、放射線透過性を有し、
前記第3工程で、前記基台を通して前記分離層に前記放射線を照射して、前記配向膜と前記分離層との界面における結合力を低減させてもよい。
【0019】
これによれば、配向膜と分離層との界面における結合力が低減して、配向膜を分離層から剥離することができる。
【0020】
(7)上記マイクロレンズアレイの製造方法において、
前記第1工程で、前記基台には予め分離層を形成し、前記分離層の上に前記配向膜を形成し、
前記基台は、放射線透過性を有し、
前記第3工程で、前記基台を通して前記分離層に前記放射線を照射して、前記分離層の内部における結合力を低減させてもよい。
【0021】
これによれば、分離層の内部における結合力が低減して、この分離層の内部に剥離(凝集破壊)が生じる。したがって、分離層の一部はマイクロレンズアレイに付着し、分離層の残りは基台に付着する。
【0022】
(8)上記マイクロレンズアレイの製造方法において、
前記第3工程後に、前記配向膜の表面を洗浄処理する工程を含んでもよい。
【0023】
こうすることで、放射線の照射により劣化した配向膜の一部を除去することができる。
【0024】
(9)上記マイクロレンズアレイの製造方法において、
前記第3工程後に、前記配向膜の表面に付着した前記分離層を除去する工程を含んでもよい。
【0025】
こうすることで、マイクロレンズアレイに付着した分離層又はその残骸を除去することができる。
【0026】
(10)上記マイクロレンズアレイの製造方法において、
前記基台の表面には、少なくとも一つの凹部が形成され、
前記第1工程で、前記基台の前記凹部に前記配向膜の材料を充填して、前記配向膜と一体化した凸部を形成し、
前記凸部は、液晶パネル(液晶セル)における液晶を封入するための間隔(セルギャップ)を一定に保つための支持部材(スペーサ)となってもよい。
【0027】
この方法によれば、支持部材を配向膜と同時形成できるとともに、支持部材の配置箇所を容易に調整することができる。
【0028】
(11)前記凹部は、前記基台上の前記レンズ間に対応する領域に形成され、
前記第2工程は、前記基台の前記凹部を前記レンズ間に位置させて行われてもよい。
【0029】
この方法により、レンズ上に支持部材が形成されないようにすることができるため、歩留りが向上し、且つ、製造工程を簡略化することができる。
【0030】
(12)上記マイクロレンズアレイの製造方法において、
前記基台の表面の所定領域には、前記配向膜に形成する配向溝に対応する突起が形成され、
前記第1工程で、前記配向膜の所定領域に前記配向溝を形成してもよい。
【0031】
これによれば、配向膜形成工程で、配向膜上に配向溝も同時に形成することができるので、工程の短縮を図ることができる。ここで、配向溝とは、液晶分子を所定の方向に配列させるための溝を指す。
【0032】
(13)上記マイクロレンズアレイの製造方法において、
前記配向膜及び前記光透過性層の一方の上に透明電極膜を形成する工程を含み、
前記第2工程では、前記透明電極膜を介して、前記配向膜に前記光透過性層を設けてもよい。
【0033】
こうすることで、透明電極膜を有するマイクロレンズアレイを容易に製造することができる。
【0034】
(14)上記マイクロレンズアレイの製造方法において、
前記透明電極膜を、前記配向膜上に形成してもよい。
【0035】
こうすることで、光透過性層とは別に、透明電極膜にアニール処理を施すことができるので、光透過性層に熱の影響を与えないようにすることができる。
【0036】
(15)本発明に係るマイクロレンズアレイは、上記方法により製造される。
【0037】
(16)本発明に係る表示装置は、上記マイクロレンズアレイと、前記マイクロレンズアレイに向けて光を照射する光源と、を有する。
【0038】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の好適な実施の形態について図面を参照して説明する。
【0039】
(第1の実施形態)
図1(A)〜図6(C)は、本発明の第1の実施形態を説明する図である。
【0040】
(原盤製造工程)
図1(A)〜図1(E)は、第1の実施形態における原盤を製造する工程を示す図である。
【0041】
まず、図1(A)に示すように、基板12上にレジスト層14を形成する。基板12は、表面をエッチングして原盤10(図1(E)参照)とするためのもので、エッチング可能な材料であれば特に限定されるものではないが、シリコン又は石英は、エッチングにより高精度の曲面部19(図1(E)参照)の形成が容易であるため、好適である。
【0042】
レジスト層14を形成する物質としては、例えば、半導体デバイス製造において一般的に用いられている、クレゾールノボラック系樹脂に感光剤としてジアゾナフトキノン誘導体を配合した市販のポジ型のレジストをそのまま利用できる。ここで、ポジ型のレジストとは、所定のパターンに応じて放射線に暴露することにより、放射線によって暴露された領域が現像液により選択的に除去可能となる物質のことである。
【0043】
レジスト層14を形成する方法としては、スピンコート法、ディッピング法、スプレーコート法、ロールコート法、バーコート法等の方法を用いることが可能である。
【0044】
次に、図1(B)に示すように、マスク16をレジスト層14の上に配置し、マスク16を介してレジスト層14の所定領域のみを放射線18によって暴露する。
【0045】
マスク16は、図1(E)に示す曲面部19の形成に必要とされる領域においてのみ、放射線18が透過するようにパターン形成されたものである。
【0046】
また、放射線としては波長200nm〜500nmの領域の光を用いることが好ましい。この波長領域の光の利用は、液晶パネルの製造プロセス等で確立されているフォトリソグラフィの技術及びそれに利用されている設備の利用が可能となり、低コスト化を図ることができる。
【0047】
そして、レジスト層14を放射線18によって暴露した後に所定の条件により現像処理を行うと、図1(C)に示すように、放射線18の暴露領域17のレジスト層14のみが選択的に除去されて基板12の表面が露出し、それ以外の領域はレジスト層14により覆われたままの状態となる。
【0048】
こうしてレジスト層14がパターン化されると、図1(D)に示すように、このレジスト層14をマスクとして基板12を所定の深さエッチングする。詳しくは、基板12におけるレジスト層14から露出した領域に対して、どの方向にもエッチングが進む等方性エッチングを行う。例えば、ウエットエッチングを適用して、化学溶液(エッチング液)に基板12を浸すことで、等方性エッチングを行うことができる。基板12として石英を用いた場合には、エッチング液として、例えば、沸酸と沸化アンモニウムを混合した水溶液(バッファード沸酸)を用いてエッチングを行う。等方性エッチングを行うことで、基板12には、凹状の曲面部19が形成される。なお、曲面部19は、最終的に製造する光透過性層40のレンズ42(図4(C)参照)の反転形状に等しく、曲面となっている。
【0049】
次に、エッチングの完了後にレジスト層14を除去すると、図1(E)に示すように、基板12に曲面部19が形成されており、これが原盤10となる。
【0050】
この原盤10は、本実施形態では、一旦製造すればその後、耐久性の許す限り何度でも使用できるため経済的である。また、原盤10の製造工程は、2枚目以降のマイクロレンズアレイの製造工程において省略でき、工程数の減少および低コスト化を図ることができる。
【0051】
上記実施の形態では、基板12上に曲面部19を形成するに際し、ポジ型のレジストを用いたが、放射線に暴露された領域が現像液に対して不溶化し、放射線に暴露されていない領域が現像液により選択的に除去可能となるネガ型のレジストを用いても良く、この場合には、上記マスク16とはパターンが反転したマスクが用いられる。あるいは、マスクを使用せずに、レーザ光あるいは電子線によって直接レジストをパターン状に暴露しても良い。
【0052】
(中間盤製造工程)
図2(A)〜図2(C)は中間盤を形成する工程を示す図である。まず、図2(A)に示すように、原盤10の曲面部19を有する面上に、中間盤前駆体22を載せる。そして、補強板20を、この中間盤前駆体22を介して原盤10と密着させることにより、中間盤前駆体22を所定領域まで塗り拡げて図2(B)に示すように、原盤10と補強板20の間に中間盤前駆体22からなる層を形成する。
【0053】
ここでは、中間盤前駆体22を原盤10上に載せたが、補強板20に載せるか、原盤10及び補強板20の両方に載せてもよい。また、スピンコート法、スプレーコート法、ロールコート法、バーコート法、ディッピング法等の方法により、原盤10及び補強板20のいずれか一方、または、両方に、予め中間盤前駆体22を所定領域まで塗り拡げてもよい。
【0054】
補強板20は、中間盤24を補強するためのもので、中間盤24を作製する工程や中間盤24から複製盤30を作製する工程において、プロセス耐性を有するものであれば特に限定されるものではなく、例えば、石英、ガラス、樹脂、金属又はセラミック製等の基板が利用できる。なお、中間盤24単独で、上記プロセス耐性を満足できれば、補強板20は不要である。
【0055】
中間盤前駆体22としては、原盤10からの離型性及び曲面部19の形状の転写性が良好であり、かつ、この後の工程の中間盤24から複製盤30を形成する工程において、プロセス耐性を有し、中間盤24から複製盤30への曲面部26の形状の転写性が良好な物質であれば特に限定されない。ただし、中間盤前駆体22は、液状あるいは液状化可能な物質であることが好ましい。液状とすることで、原盤10の複数の曲面部19へ中間盤前駆体22を充填することが容易となる。液状の物質としては、エネルギーの付与により硬化可能な物質が利用でき、液状化可能な物質としては、可塑性を有する物質が利用できる。
【0056】
また、中間盤前駆体22として樹脂を選択するときには、エネルギー硬化性を有するもの、あるいは可塑性を有するものが好適である。
【0057】
エネルギー硬化性を有する樹脂としては、光及び熱の少なくともいずれかー方の付与により硬化可能であることが望ましい。光や熱の利用は、汎用の露光装置、ベイク炉やホットプレート等の加熱装置を利用することができ、省設備コスト化を図ることが可能である。
【0058】
このようなエネルギー硬化性を有する樹脂としては、例えば、アクリル系樹脂、エポキシ系樹脂、メラミン系樹脂、ポリイミド系樹脂等が利用できる。特に、アクリル系樹脂は、市販品の様々な前駆体や感光剤(光重合開始剤)を利用することで、光の照射で短時間に硬化するものが容易に得られるため好適である。
【0059】
光硬化性のアクリル系樹脂の基本組成の具体例としては、プレポリマーまたはオリゴマー、モノマー、光重合開始剤があげられる。
【0060】
プレポリマーまたはオリゴマーとしては、例えば、エポキシアクリレート類、ウレタンアクリレート類、ポリエステルアクリレート類、ポリエーテルアクリレート類、スピロアセタール系アクリレート類等のアクリレート類、エポキシメタクリレート類、ウレタンメタクリレート類、ポリエステルメタクリレート類、ポリエーテルメタクリレート類等のメタクリレート類等が利用できる。
【0061】
モノマーとしては、例えば、2−エチルヘキシルアクリレート、2−エチルヘキシルメタクリレート、2−ヒドロキシエチルアクリレート、2−ヒドロキシエチルメタクリレート、N−ビニル−2−ピロリドン、カルビトールアクリレート、テトラヒドロフルフリルアクリレート、イソボルニルアクリレート、ジシクロペンテニルアクリレート、1,3−ブタンジオールアクリレート等の単官能性モノマー、1,6−ヘキサンジオールジアクリレート、1,6−ヘキサンジオールジメタクリレート、ネオペンチルグリコールジアクリレート、ネオペンチルグリコールジメタクリレート、エチレングリコールジアクリレート、ポリエチレングリコールジアクリレート、ペンタエリスリトールジアクリレート等の二官能性モノマー、トリメチロールプロパントリアクリレート、トリメチロールプロパントリメタクリレート、ペンタエリスリトールトリアクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート等の多官能性モノマーが利用できる。
【0062】
光重合開始剤としては、例えば、2,2−ジメトキシ−2−フェニルアセトフェノン等のアセトフェノン類、α−ヒドロキシイソブチルフェノン、p−イソプロピル−α−ヒドロキシイソブチルフェノン等のブチルフェノン類、p−tert−ブチルジクロロアセトフェノン、p−tert−ブチルトリクロロアセトフェノン、α,α−ジクロル−4−フェノキシアセトフェノン等のハロゲン化アセトフェノン類、ベンゾフェノン、N,N−テトラエチル−4,4−ジアミノベンゾフェノン等のベンゾフェノン類、ベンジル、ベンジルジメチルケタール等のベンジル類、ベンゾイン、ベンゾインアルキルエーテル等のベンゾイン類、1−フェニル−1,2−プロパンジオン−2−(o−エトキシカルボニル)オキシム等のオキシム類、2−メチルチオキサントン、2−クロロチオキサントン等のキサントン類、ミヒラーケトン、ベンジルメチルケタール等のラジカル発生化合物が利用できる。
【0063】
なお、必要に応じて、酸素による硬化阻害を防止する目的でアミン類等の化合物を添加したり、塗布を容易にする目的で溶剤成分を添加してもよい。溶剤成分としては、特に限定されるものではなく、種々の有機溶剤、例えば、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、メトキシメチルプロピオネート、エトキシエチルプロピオネート、エチルラクテート、エチルピルビネート、メチルアミルケトン等が利用可能である。
【0064】
これらの物質によれば、高精度のエッチングが可能な点で原盤材料として優れているシリコン又は石英からの離型性が良好であるため好適である。
【0065】
また、可塑性を有する樹脂としては、例えば、ポリカーボネート系樹脂、ポリメチルメタクリレート系樹脂、アモルファスポリオレフィン系樹脂等の熱可塑性を有する樹脂が利用できる。このような樹脂を軟化点温度以上に加温することにより可塑化させて液状とし、図2(B)に示すように、原盤10と補強板20の間に挟み込んだ後、可塑化させた樹脂を冷却することにより固化させると、中間盤24が形成される。
【0066】
このような中間盤前駆体22を介して原盤10と補強板20を密着させることで、中間盤前駆体22は原盤10の曲面部19に対応する形状になる。なお、必要に応じて、原盤10と補強板20とを貼り合わせる際に、原盤10及び補強板20の少なくともいずれかー方を介して加圧しても良い。加圧することで、中間盤前駆体22が所定領域まで塗れ拡がる時間を短縮できることで作業性が向上し、かつ、曲面部19への充填が確実となる。
【0067】
そして、中間盤前駆体22に応じた固化処理を施す。例えば、光硬化性の樹脂を用いた場合であれば、所定の条件で光を照射する。これにより中間盤前駆体22を固化させて、図2(B)に示すように、中間盤24を形成する。
【0068】
次いで、図2(C)に示すように、原盤10から中間盤24及び補強板20を剥離する。こうして得られた中間盤24には、原盤10の凹状の曲面部19に対応して、凸状の曲面部26が形成されている。
【0069】
(複製盤製造工程)
図3(A)〜図3(C)は、中間盤から複製盤を形成する工程を示す図である。まず、図3(A)に示すように、中間盤24の曲面部26が形成されている側の面上に金属膜32を形成して、その表面を導電(体)化する。金属膜32としては、例えば、ニッケル(Ni)を500〜1000オングストローム(10-10m )の厚みで形成すればよい。金属膜32の形成方法としては、スパッタリング、CVD、蒸着、無電解メッキ法等の方法を用いることが可能である。なお、中間盤24の表面が、この後の電気鋳造法による金属層の形成において必要な導電性を有していれば、この導電化は不要である。
【0070】
そして、金属膜32を陰極とし、チップ状あるいはボール状のNiを陽極として電気鋳造法によりさらにNiを電着させて、図3(B)に示すように、厚い金属層34を形成する。電気メッキ液の一例を以下に示す。
【0071】
スルファミン酸ニッケル:550g/l
ホウ酸 : 35g/l
塩化ニッケル : 5g/l
レベリング剤 :20mg/l
続いて、図3(C)に示すように、金属膜32及び金属層34を、中間盤24から剥離し、必要があれば洗浄する等して、複製盤30が得られる。複製盤30には、中間盤24の凸状の曲面部26に対応して、凹状の曲面部36が形成される。曲面部36は、図4(C)に示すレンズ42を転写により形成するための反転パターンとなっている。
【0072】
また、金属膜32は、必要に応じて剥離処理を施して、複製盤30から除去してもよい。
【0073】
(光透過性層形成工程)
次に、図4(A)〜図4(C)は、複数のレンズを有する光透過性層を形成する工程を示す図である。
【0074】
まず、図4(A)から図4(B)にかけて示すように、複製盤30と補強板44とを、光透過性層前駆体38を介して密着させる。この工程は、図2(A)から図2(B)にかけて示す工程と同様であり、光透過性層前駆体38も、図2(A)に示す中間盤前駆体22として選択可能な物質から選ぶことができるが、光透過性を有することが必要である。特に、アクリル系樹脂は、市販品の様々な前駆体や感光剤(光重合開始剤)を利用することで、光の照射で短時間に硬化し、優れた光学特性を有する光透過性層40を形成することが可能であるため好適である。
【0075】
また、補強板44としては、マイクロレンズアレイとして要求される光透過性等の光学的な物性や、機械的強度等の特性を満足するものであれば特に限定されるものではなく、例えば、石英やガラス、あるいは、ポリカーボネート、ポリアリレート、ポリエーテルサルフォン、ポリエチレンテレフタレート、ポリメチルメタクリレート、アモルファスポリオレフィン等のプラスチック製の基板あるいはフィルムを利用することが可能である。なお、光透過性層40単独で、マイクロレンズアレイとして要求される機械的強度等の特性を満足することが可能であれば、補強板44は不要である。
【0076】
このようにして光透過性層40が複製盤30上に形成されると、図4(C)に示すように、光透過性層40と補強板44を一体的に複製盤30から剥離する。光透過性層40は、曲面部36から転写された複数のレンズ42を有しているので、光透過性層40及び補強板44からなる構成を、一般的にはマイクロレンズアレイと称することがあるが、本願においては、これに少なくとも配向膜51(図6(C)参照)を加えた構成をマイクロレンズアレイと定義する。
【0077】
以上の工程では、要するに、曲面部19を有する原盤10から中間盤24を製造し、この中間盤24を基にして複製盤30を複製し、その複製盤30を製品ごとに用いて、補強板44にて補強された光透過性層40(一般的にはマイクロレンズアレイ)を形成する方法である。これによれば、高価な原盤10は中間盤24の製造時にのみ用いるので、原盤10が劣化して製造し直す頻度が減少し、一般的な意味でのマイクロレンズアレイの製造コストを低減することができる。また、原盤10から複製盤30を直接形成しないので、両者の材料選択の幅が広がり、複製盤30を形成するための方法の自由度が増すため、曲面部26、36の形状を高い精度で転写することが容易となる。さらに、原盤10及び複製盤30の耐久性の向上が容易となる。
【0078】
(配向膜形成工程)
図5(A)及び図5(B)は、配向膜を形成する工程を示す図である。図5(A)において、配向膜51は、基台50上にポリイミド樹脂又はその前駆体の材料を塗布などの方法で設けて、これを100℃〜350℃で焼成して形成される。塗布方法としては、スピンコート法、ロールコート法やフレキソ印刷法等の方法が利用できる。焼成の温度は、使用する材料に応じて適宜設定される。配向膜51の形成は、上記図1(A)〜図4(C)の工程とは別に行うが、形成時期については同時でも別でもよい。
【0079】
その後、図5(B)に示すように、基台50に形成された配向膜51上に透明電極膜52を形成する。透明電極膜52は、例えばITO(Indium Tin Oxide)膜等であり、スパッタや蒸着などの真空成膜法により形成された後、アニール処理が施される。アニール処理の温度は、通常100〜300℃であるが、一般に温度が高いほど抵抗値が下がり良質の電極膜となるので好ましい。なお、配向膜51の形成のための焼成と透明電極膜52のアニール処理とを同時に行ってもよい。
【0080】
配向膜51及び透明電極膜52を均一の厚みで平坦に形成するために、基台50の表面は平坦であることが好ましい。具体的には、基台50の凹凸は、±0.1μm以内であることが望ましい。基台50は、その後、補強板44にて補強された光透過性層40(一般的な意味でのマイクロレンズアレイ)上に、配向膜51及び透明電極膜52を転写するまでこれらを支持するための基板となる。ここで、基台50として、後の工程での必要があれば、放射線透過性を有するものが使用される。なお、基台50は、配向膜51を形成するときの焼成温度及び透明電極膜52を形成するときのアニール温度に耐えられることが要求される。
【0081】
次に、図5(C)に示すように、透明電極膜52上に、遮光性層54を形成する。遮光性層54は、表示装置の画素に対してブラックマトリクスとなるもので、画素配列に応じて所定の領域を遮光するように形成される。
【0082】
(配向膜接着工程)
次に、図6(A)に示すように、基台50における遮光性層54等が形成された側と、光透過性層40のレンズ42が形成された側と、を接着層前駆体56を介して貼り合わせる。詳しくは、接着層前駆体56を、基台50又は光透過性層40の少なくともいずれか一方に滴下又は塗布して、両者を貼り合わせる。接着層前駆体56は、補強板44及び光透過性層40の自重(貼り合わせの際に基台50が上側に配置される場合は基台50の自重)又は光透過性層40もしくは基台50を介して加圧されることで、両者を密着させて接着する。
【0083】
ここで、接着層前駆体56は、光透過性を有して接着力のあるものであれば特に限定されるものでなく、エネルギーの付与により硬化可能な物質、可塑性を有する物質等も利用することができる。例えば、図4(A)に示す光透過性層駆体38として選択可能な物質から選択することもできる。
【0084】
こうして、補強板44にて補強された光透過性層40と、配向膜51、透明電極膜52及び遮光性層54が形成された基台50とは、図6(B)に示すように、接着層58によって接着された状態となる。
【0085】
(基台剥離工程)
次に基台50の剥離を行うが、基台50及び配向膜51を構成する物質の組み合わせによっては、これらの間の密着力が高くなって、配向膜51が基台50から剥離しにくくなり、配向膜51の欠落やクラックの発生等といった不良品発生率の増大、剥離に要する時間がかかることによる生産性の低下、さらには、基台50の耐久性の低下等の問題が発生する場合がある。
【0086】
そこで、図6(B)に示すように、基台50を通して、配向膜51と基台50との界面に放射線60を照射する。こうすることで、配向膜51と基台50との密着力を低減又は消失させて、図6(C)に示すように、基台50から配向膜51を良好に剥離することができる。
【0087】
詳しくは、基台50と配向膜51との界面において、原子間又は分子間の種々の結合力を低減又は消失させて、アブレーション等の現象を発生させて界面剥離(破壊)に至らしめることができる。あるいは、放射線60によって、配向膜51に含有されていた成分が気化して放出されることで分離効果が発現して界面剥離に寄与する場合もある。
【0088】
このように、放射線60の照射によって界面剥離を生じさせるには、基台50が放射線60を透過する材質であり、かつ、配向膜51が放射線60のエネルギーを吸収する物質からなることが必要である。
【0089】
ここで、基台50の放射線60の透過率は10%以上、特に50%以上であることが好ましい。照射された放射線60が基台50を透過するときの減衰を小さくし、小さなエネルギーでアブレーション等の現象を起こせるように、基台50における放射線60の透過率は高いことが好ましい。基台50の例として、石英が挙げられる。石英は、短波長領域の光の透過率が高く、機械的強度や耐熱性においても優れている。
【0090】
放射線60として、例えばディープUV光が挙げられる。その発生源として、例えばエキシマレーザは、短波長領域で高エネルギーを出力するものとして実用化されている。エキシマレーザによれば、極めて短時間で界面近傍においてのみアブレーションが引き起こされ、基台50及び配向膜51に温度衝撃をほとんど与えることがない。
【0091】
そして、基台50から剥離された配向膜51の表面には、洗浄処理を施して、放射線60により劣化した部分を除去することが好ましい。なお、基台50及び配向膜51が相互に剥離しやすいものであれば、放射線60の照射は省略してもよい。
【0092】
以上のようにして、配向膜(及び透明電極膜)付きのマイクロレンズアレイ70を得ることができる。液晶パネルに適用される場合には、配向膜51には、液晶分子を所定の方向に配向させるための溝(配向溝)を形成するために、ラビング処理が施される。
【0093】
本実施形態によれば、配向膜52を予め基台50に形成しておくため、補強板44にて補強された光透過性層40(一般的な意味でのマイクロレンズアレイ)への焼成温度によるダメージがない。また、光透過性層40は、焼成時の高温にさらされることがないので、材料選択の自由度が増す。
【0094】
(第2の実施形態)
図7(A)〜図11は、本発明の第2の実施形態を説明する図である。
【0095】
まず、図7(A)に示すように、第1の原盤110及び第2の原盤120を用意する。第1の原盤110には、複数の曲面部112が形成されており、各曲面部112は、凸状の曲面の反転パターンとなるように凹状をなしている。一方、第2の原盤120には、複数の凸部122が形成されている。複数の凸部122は、平面視において、ブラックマトリクスの形状をなす。
【0096】
第1及び第2の原盤110、120は、それぞれの曲面部112及び凸部122を対向させて、かつ、各凸部122が曲面部112の間に対向するように配置されている。
【0097】
そして、原盤110と原盤120とを、第1の光透過性層前駆体130を介して密着させる。第1の光透過性層前駆体130は、図7(C)に示す第1の光透過性層132の材料となる。なお、図7(A)では、原盤110が下に位置しているが、原盤120が下であってもよい。
【0098】
光透過性層前駆体130は、第1の実施形態の光透過性層前駆体38として選択可能な物質から選ぶことができる。
【0099】
そして、図7(B)に示すように、光透過性層前駆体130を所定領域まで拡げる。必要に応じて所定の圧力を原盤110、120の少なくとも一方に加えてもよい。ここでは、光透過性層前駆体130を原盤110上に滴下したが、原盤120に滴下するか、原盤110、120の両方に滴下してもよい。また、スピンコート法、ディッピング法、スプレーコート法、ロールコート法、バーコート法等の方法を用いて、原盤110、120のいずれか一方、または、両方に光透過性層前駆体130を塗布してもよい。
【0100】
さらに、光透過性層前駆体130が例えば紫外線硬化型の樹脂であれば、図7(C)に示すように、原盤110、120の少なくともいずれか一方から紫外線140を所定量照射して光透過性層前駆体130を硬化させる。この場合、紫外線を照射する側の原盤は、紫外線透過性を有することが必要である。
【0101】
こうして、原盤110、120の間に第1の光透過性層132を形成する。光透過性層132の一方の面には、複数の曲面部112から転写された複数のレンズ134が形成されているので、一般的には、これをマイクロレンズアレイと称することもある。また、光透過性層132の他方の面には、複数の凸部122から転写された複数の凹部136が形成されている。複数の凹部136は、図示しない平面視において、ブラックマトリクスの形状をなす。なお、凹部136は、レンズ134間に対応して形成されている。
【0102】
そして、図8(A)に示すように、原盤120を、光透過性層132から剥離して、凸部122から転写された凹部136を開口させる。
【0103】
次に、図8(B)に示すように、光透過性層132の凹部136に遮光性材料142を充填し、遮光性層138を形成する。この遮光性層138は、ブラックマトリクスとなる。
【0104】
遮光性材料142は、光透過性のない材料であって耐久性があれば種々の材料を適用可能である。例えば、黒色染料あるいは黒色顔料をバインダー樹脂とともに溶剤に溶かしたものを、遮光性材料142として用いる。溶剤としては、特にその種類に限定されるものではなく、水あるいは種々の有機溶剤を適用することが可能である。有機溶剤としては、例えば、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノプロピルエーテル、メトキシメチルプロピオネート、エトキシエチルプロピオネート、エチルセロソルブ、エチルセロソルブアセテート、エチルラクテート、エチルピルビネート、メチルアミルケトン、シクロヘキサノン、キシレン、トルエン、ブチルアセテート等のうち一種または複数種の混合溶液を利用することができる。
【0105】
凹部136への遮光性材料142の充填方法としては、特に限定されるものではないが、インクジェット方式が好適である。インクジェット方式によれば、インクジェットプリンタ用に実用化された技術を応用することで、高速かつインクを無駄なく経済的に充填するとが可能である。
【0106】
図8(B)には、インクジェットヘッド144によって、遮光性材料142を凹部136に充填する様子を示してある。詳しくは、凹部136に対向させてインクジェットヘッド144を配置し、各遮光性材料142を各凹部136に吐出する。
【0107】
インクジェットヘッド144は、例えばインクジェットプリンタ用に実用化されたもので、圧電素子の体積変化を利用してインクに圧力を加えて吐出させるピエゾジェットタイプ、あるいはエネルギー発生素子として電気熱変換体を用いて、インクの体積を膨張させたり気化させ、その圧力でインクを吐出するタイプ等が使用可能であり、射出面積および射出パターンは任意に設定することが可能である。
【0108】
本実施形態では、インクジェットヘッド144から遮光性材料142を吐出させる。そのため、遮光性材料142には、インクジェットヘッド144からの吐出を可能とするため、流動性を確保する必要がある。
【0109】
遮光性材料142を充填するときには、光透過性層132に形成された凹部136に均一な量で充填されるように、インクジェットヘッド144を動かす等の制御を行って、打ち込み位置を制御する。凹部136の隅々にまで均一に遮光性材料142が満たされたら、充填を完了する。溶剤成分が含まれている場合には、熱処理により遮光性材料142から溶剤成分を除去する。なお遮光性材料142は、溶剤成分を除去すると収縮するため、必要な遮光性が確保できる厚みが収縮後でも残される量を充填しておくことが必要である。
【0110】
次に、図9(A)に示すように、光透過性層132上に接着層前駆体146を滴下する。接着層前駆体146は、第1の実施形態の接着層前駆体56として使用できる材料から選ぶことができる。そして、予め透明電極膜150及び配向膜151が形成された基台148を、接着層前駆体146に密着させて、この接着層前駆体146を押し拡げる。透明電極膜150及び配向膜151の形成については、第1の実施形態の透明電極膜52及び配向膜51と同じである。基台148は、第1の実施形態の基台50として使用可能な材料から選択することができる。
【0111】
接着層前駆体146は、スピンコート法、ロールコート法等の方法により、光透過性層132上に、或いは基台148上に塗り拡げてから、基台148を密着させてもよい。
【0112】
こうして、接着層前駆体146は、基台148に形成された配向膜151上の透明電極膜150と、光透過性層132の遮光性層138が形成された面と、を接着する接着層149となる。
【0113】
続いて、図9(C)に示すように、原盤110を光透過性層132から剥離する。光透過性層132には、原盤110の曲面部112によって、レンズ134が形成されているので、一般的には、これをマイクロレンズアレイと称することもあるが、本願では、少なくとも配向膜151を有するものをマイクロレンズアレイと定義する。
【0114】
次に、図10(A)に示すように、光透過性層132のレンズ134を有する面と、補強板154とを第2の光透過性層前駆体152を介して密着させる。その工程は、図9(A)に示す工程と同様であり、第2の光透過性層前駆体152は、第1の光透過性層前駆体130として選択可能な物質の中から選択できる。
【0115】
なお、補強板154は、マイクロレンズアレイを補強するためのもので、マイクロレンズアレイ製造工程において要求されるプロセス耐性や、マイクロレンズアレイとして要求される機械的強度等の特性を、マイクロレンズアレイ単独で満足できれば、補強板154は不要である。
【0116】
そして、図10(B)に示すように、基台148を通して、配向膜151と基台148との界面に放射線60を照射して、図11に示すように基台148を剥離する。なお、基台148及び配向膜151が相互に剥離しやすいものであれば、放射線60の照射は省略してもよい。
【0117】
こうして、図11に示すように、配向膜151(及び透明電極膜150)が形成されたマイクロレンズアレイ160が得られる。液晶パネルに適用される場合には、配向膜151には、液晶分子を所定の方向に配列させるための溝(配向溝)を形成するために、ラビング処理が施される。
【0118】
本実施形態によれば、第1及び第2の原盤110、120を第1の光透過性層前駆体130を介して密着させて、第1の原盤110の曲面部112を転写してレンズ134を形成する。こうして、複数のレンズ134を有する第1の光透過性層132を簡単に製造することができる。この製造方法によれば、材料の使用効率が高く、かつ工程数の短縮を図ることができ、コストダウンを図ることができる。また、第1及び第2の原盤110、120は、一旦製造すればその後、耐久性の許す限り何度でも使用できるため、2枚目以降のマイクロレンズアレイの製造工程において省略でき、工程数の減少および低コスト化を図ることができる。
【0119】
さらに、光透過性層132には、第2の原盤120の凸部122によって、凹部136が転写形成されており、この凹部136に遮光性材料142が充填される。この遮光性材料142からなる遮光性層138は、ブラックマトリクスを構成し、画素間のコントラストを向上させることができる。
【0120】
本実施形態によれば、配向膜形成時の焼成温度による第1及び第2の光透過性層132、156へのダメージをなくすことに加えて、コントラストを向上させることもできるマイクロレンズアレイを転写法によって簡単に製造することができる。
【0121】
(第3の実施形態)
図12(A)〜図13(C)は、本発明の第3の実施形態を説明する図である。
【0122】
上述した第1の実施形態では、凸状のレンズを有するマイクロレンズアレイが製造されるが、凹状のレンズを有するマイクロレンズアレイを製造する場合には、原盤10の曲面部19を凹状にすることが必要である。
【0123】
また、第1の実施形態では、原盤10から中間盤24を介して複製盤30が製造されたが、原盤から直接複製盤を製造することも可能である。この場合、第1の実施形態と同様に凸レンズを有するマイクロレンズアレイを製造するには、凸状の曲面部を有する原盤を用意し、この原盤から凹状の曲面部を有する複製盤を製造することが必要である。
【0124】
そこで、本実施形態は、凸状の曲面部を有する原盤の形成方法に関する。
【0125】
まず、図12(A)に示すように、基板212上にレジスト層214を形成する。この工程並びに基板212及びレジスト層214の材料については、第1の実施形態(図1(A)参照)と同様である。
【0126】
次に、図12(B)に示すように、マスク216をレジスト層214の上に配置し、マスク216を介してレジスト層214の所定領域のみを放射線218によって暴露する。マスク216は、図13(C)に示す曲面部219の形成に必要とされる領域においてのみ、放射線218が透過するようにパターン形成されたものである。
【0127】
そして、レジスト層214を放射線218によって暴露した後に所定の条件により現像処理を行うと、図12(C)に示すように、放射線218の暴露領域217のレジスト層214のみが選択的に除去されて基板212の表面が露出し、それ以外の領域はレジスト層214により覆われたままの状態となる。
【0128】
こうしてレジスト層214がパターン化されると、リフロー工程で、レジスト層214を加熱する。そして、レジスト層214が熱により溶融されると、表面張力により、図12(D)に示すようにレジスト層214の表面は、曲面形状をなす。
【0129】
続いて、図12(E)に示すように、このレジスト層214をマスクとして、エッチャント220によって、基板212を所定の深さエッチングを行う。詳しくは、異方性エッチング、例えば反応性イオンエッチング(RIE)などのドライエッチングを行う。
【0130】
図13(A)〜図13(C)は、基板がエッチングされる過程を示す図である。基板212は、部分的に、曲面形状をなすレジスト層214によって覆われている。基板212は、まず、レジスト層214に覆われていない領域においてエッチングされる。そして、レジスト層214は、エッチャント220によりエッチングされて、図13(A)及び図13(B)に示すように、二点鎖線で示す領域から実線で示す領域へと徐々に小さくなる。ここで、レジスト層214は曲面形状をなしているので、この形状のレジスト層214が徐々に小さくなると、基板212は徐々に露出していき、この露出した領域が連続的に徐々にエッチングされていく。こうして、基板212が連続的に徐々にエッチングされるので、エッチング後の基板212の表面形状は曲面となる。最後には、図13(C)に示すように、基板212に凸状の曲面部219が形成されて、原盤210が得られる。
【0131】
この原盤210も、一旦製造すればその後、耐久性の許す限り何度でも使用できるため経済的である。また、原盤210の製造工程は、2枚目以降のマイクロレンズアレイの製造工程において省略でき、工程数の減少および低コスト化を図ることができる。
【0132】
(第4の実施形態)
図14〜図15(B)は、本発明の第4の実施形態を説明する図である。図14に示すように、本実施形態では、第1の実施形態で使用された原盤10と、遮光性層54、透明電極膜52及び配向膜51が形成された基台50と、光透過性層前駆体38と、が使用される。そして、原盤10の曲面部19が形成された側と、基台50の遮光性層54等が形成された側と、を対向させて配置し、光透過性層前駆体38を介して両者を密着させる。
【0133】
こうして、図15(A)に示すように、基台50と原盤10との間に、光透過性層310が形成される。光透過性層310には、原盤10の曲面部19に対応して、複数の凸状のレンズ312が形成されている。
【0134】
そして、図15(B)に示すように、原盤10を光透過性層310から剥離し、基台50を配向膜51から剥離することで、配向膜51(及び透明電極膜52)が形成されたマイクロレンズアレイ300が得られる。液晶パネルに適用される場合には、配向膜51には、液晶分子を所定の方向に配列させるための溝(配向溝)を形成するために、ラビング処理が施される。なお、剥離工程については、第1の実施形態と同様である。
【0135】
本実施形態によれば、光透過性層前駆体38から光透過性層310を、基台50の上で形成しながら配向膜51に対して接着する。したがって、全体的な工程を短縮することができる。ここで、原盤10から光透過性層310を剥離した後に、光透過性層310上に必要に応じて第2の光透過性層、補強板等を設けても良い。また、第1の実施形態と同様に、焼成温度による光透過性層310に対するダメージを与えないようにすることができる。
【0136】
(第5の実施形態)
図16〜図17(C)は、本発明の第5の実施形態を説明する図である。本実施形態は、第1の実施形態の変形例であって、図16に示すように、基台50と配向膜51との間に、分離層320が形成される。すなわち、基台50上に、まず分離層320が形成されてから、分離層320上に配向膜51が形成され、その上に透明電極膜52が形成される。その他の構成は、第1の実施形態と同様である。
【0137】
そして、基台50を通して分離層320に放射線60を照射すると、基台50と透明電極52とが剥離しやすくなる。
【0138】
分離層320を構成する材料として、例えば、非晶質シリコン、酸化ケイ素、ケイ酸化合物、酸化チタン、チタン酸化合物、酸化ジルコニウム、ジルコン酸化物、酸化ランタン、ランタン酸化合物などの各種酸化物セラミックス、(強)誘電体あるいは半導体、窒化ケイ素、窒化アルミニウム、窒化チタン等の窒化セラミックス、アクリル系樹脂、エポキシ系樹脂、ポリアミド、ポリイミド等の有機高分子材料、Al、Li、Ti、Mn、In、Sn、Y、La、Ce、Nd、Pr、Gd、Smの中から選ばれた1種又は2種以上の合金等が利用できる。これらの中から、プロセス条件、基台50、配向膜51及び透明電極膜52の材質等に応じて適宜選択される。
【0139】
分離層320の形成方法は、特に限定されるものではなく、その組成や形成膜厚に応じて適宜選択される。具体的には例えば、CVD、蒸着、スパッタリング、イオンプレーティング等の各種気相成長法、電気メッキ、無電解メッキ、ラングミュア・ブロジェット(LB)法、スピンコート法、ディッピング法、スプレーコート法、ロールコート法、バーコード法等が利用される。
【0140】
分離層320の厚さは、薄すぎると配向膜51へのダメージが大きくなる一方、厚すぎると分離層320の良好な剥離性を確保するために必要な放射線46のエネルギー量を大きくしなければならない。そこで、分離層320の厚さは、剥離目的や組成により異なるが、通常は、1nm〜20μm程度が好ましく、10nm〜10μm程度がさらに好ましく、40nm〜1μm程度とすることが最も好ましい。なお、分離層320の膜厚は、できるだけ均一であることが好ましい。
【0141】
このような分離層320に対して、図16に示すように放射線60を照射すると、基台50からの剥離が可能になる。剥離形態は、大きく分けて図17(A)〜図17(C)に示すように、3種類がある。
【0142】
図17(A)には、基台50と分離層320との界面における結合力が低減して、両者間の界面に剥離が生じた例が示されている。この場合には、分離層320を配向膜51から除去するために、剥離(洗浄)処理を施すことが好ましい。
【0143】
図17(B)には、配向膜51と分離層320との界面における結合力が低減して、両者間の界面に剥離が生じた例が示されている。この場合でも、分離層320の一部が配向膜51に付着していることがあるため、配向膜51の表面に洗浄処理を施すことが好ましい。
【0144】
図17(C)には、分離層320の内部において、分子又は原子間の結合力が低減して剥離が生じた例が示されている。この場合においても、分離層320の残骸を配向膜51から除去するために洗浄処理を施すことが好ましい。
【0145】
(第6の実施形態)
図18(A)〜図18(C)は、本発明の第6の実施形態を説明する図である。本実施形態は、第1の実施形態の変形例であって、ラビング処理を省略できる製造方法である。
【0146】
本実施形態では、図18(A)に示すように、すじ状の突起331が形成された基台330が使用される。この突起331は、従来のラビング処理にて配向膜に形成される溝(配向溝)の反転パターンとなっている。そして、ポリイミド樹脂等を基台330上に塗布するなどの方法で設け、これを焼成して配向膜332を形成する。続いて、図18(B)に示すように、配向膜332上に透明電極膜52を形成する。
【0147】
そして、図5(C)〜図6(C)に示すのと同様の工程を経て、図18(C)に示すマイクロレンズアレイ350が得られる。このマイクロレンズアレイ350は、配向膜332を有し、この配向膜332には、基台330の突起331に対応して配向溝333が形成されている。
【0148】
本実施形態によれば、配向膜332の形成工程で、液晶分子を所定の方向に配列させるための配向溝333を同時に形成することができるので、ラビング処理を省略することができる。
【0149】
(第7の実施形態)
図19(A)〜図19(C)は、本発明の第7の実施形態を説明する図である。本実施形態は、第2の実施形態の変形例であって、マイクロレンズアレイが液晶パネルに使用されたときに、配向膜にスペーサ(支持部材)を一体成形する製造方法である。
【0150】
本実施形態では、図19(A)に示すように、凹部341が形成された基台340が使用される。なお、凹部341は、エッチングなどによって形成する。そして、ポリイミド樹脂等を、凹部341にも充填されるように、基台340上に塗布するなどして設け、これを焼成して配向膜342を形成する。配向膜342上には、図19(B)に示すように、透明電極膜150を形成する。そして、図7(A)〜図11に示すのと同様の工程を経て、図19(C)に示すマイクロレンズアレイ370が得られる。このマイクロレンズアレイ370は、配向膜342と一体形成されたスペーサ343を有する。
【0151】
凹部341の深さはスペーサ343の高さに相当し、製造しようとする液晶パネルに応じて加工される。例えば、TFTを駆動素子として用いたVGA仕様の液晶パネルでは、2〜6μm程度の深さである。
【0152】
基台340の凹部341の深さはエッチング技術により高精度に制御することができる。例えば、凹部341の深さ3μmに対し、エッチング誤差は±0.05μmである。従って、スペーサ343の高さ、即ち、セルギャップを一定に保持することができるため、液晶パネルの光透過率、コントラスト比、応答速度等の表示特性を好適な値に保持することが容易となる。
【0153】
本実施形態においては、隣り合うレンズ134間に、凹部341を配置することが好ましい。かかる構成により、レンズ134間に容易にスペーサ343を設けることができる。従って、光を集光させるレンズ134上にスペーサ343が配置されることはなく、マイクロレンズアレイ又は液晶パネルの製造上の歩留りを向上させることができる。
【0154】
また、遮光性層138(ブラックマトリクス)上に、凹部341を配置することが好ましい。かかる構成により、遮光性層138上に容易にスペーサ343を設けることができる。従って、画素上にスペーサ343が配置されることはない。また、スペーサ343を遮光性層138に設けることで、スペーサ343による液晶の配向ムラや液晶パネルの偏光特性への影響等を低減することができ、液晶パネルの画質を好ましい状態に保持することができる。
【0155】
凹部341の形状は、円柱状、角柱状等の形状が適用できるが、特に、円柱状が好ましい。スペーサ343を円柱状に形成することにより、液晶の配向の乱れを抑制することができる。
【0156】
なお、スペーサ343は、全ての隣り合うレンズ134間あるいは全ての画素間の遮光性層138上に配置する必要はなく、任意の位置に配置してもよい。但し、スペーサ343の配置は、セルギャップを均一に保持するため、必要な強度が得られるように配置することが必要である。例えば、スペーサ343の配置間隔として、100〜200μmの範囲が好ましい。
【0157】
本実施形態は、上述した第6の実施形態と組み合わせることもできる。すなわち、基台340における凹部341の形成された面に、図18(A)に示す基台330の突起331と同様の突起を形成しておき、配向膜342における所定の領域に配向溝を形成してもよい。
【0158】
図20は、本発明に係るマイクロレンズアレイを適用した液晶プロジェクタの一部を示す図である。この液晶プロジェクタは、上述した第1の実施形態に係る方法により製造されたマイクロレンズアレイ70を組み込んだライトバルブ400と、光源としてのランプ410とを有する。
【0159】
マイクロレンズアレイ70は、レンズ42をランプ410からみて凹状になるように配置されている。また、配向膜51からギャップをあけて、TFT基板414が設けられている。TFT基板414には、透明な個別電極416及び薄膜トランジスタ418が設けられており、これらの上に配向膜420が形成されている。また、TFT基板414は、配向膜420を配向膜51に対向させて配置されている。
【0160】
配向膜51、420間には、液晶430が封入されており、薄膜トランジスタ418によって制御される電圧によって、液晶430が駆動されるようになっている。
【0161】
この液晶プロジェクタによれば、ランプ410から照射された光440が、各画素毎にレンズ42にて集光するので、明るい画面を表示することができる。
【0162】
なお、その前提として、接着層58の光屈折率na と、光透過性層40の光屈折率nb とは、
na<nb
の関係にあることが必要である。この条件を満たすことで、屈折率の大きい媒質から、屈折率の小さい媒質に光が入射することになり、光440は両媒質の界面の法線から離れるように屈折して集光する。そして、画面を明るくすることができる。
【0163】
図21は、本発明に係るマイクロレンズアレイを適用した液晶プロジェクタの一部を示す図である。この液晶プロジェクタは、上述した第2の実施形態に係る方法により製造されたマイクロレンズアレイ160を組み込んだライトバルブ500と、光源としてのランプ410とを有する。
【0164】
マイクロレンズアレイ160は、レンズ134をランプ410から見て凸状になるように配置されている。また、配向膜151からギャップをあけて、TFT基板414が設けられている。TFT基板414には、透明な個別電極416及び薄膜トランジスタ418が設けられており、これらの上に配向膜420が形成されている。また、TFT基板414は、配向膜420を配向膜151に対向させて配置されている。
【0165】
配向膜151、420間には、液晶430が封入されており、薄膜トランジスタ418によって制御される電圧によって、液晶430が駆動されるようになっている。
【0166】
この液晶プロジェクタによれば、ランプ410から照射された光440が、各画素毎にレンズ134にて集光するので、明るい画面を表示することができる。
【0167】
なお、その前提として、第1の光透過性層132の光屈折率 na′と、第2の光透過性層156の光屈折率 nb′とは、
na′>nb′
の関係にあることが必要である。この条件を満たすことで、屈折率の小さい媒質から、屈折率の大きい媒質に光が入射することになり、光440は両媒質の界面の法線に近づくように屈折して集光する。そして、画面を明るくすることができる。
【0168】
【図面の簡単な説明】
【図1】図1(A)〜図1(E)は、第1の実施形態における原盤を製造する工程を示す図である。
【図2】図2(A)〜図2(C)は、第1の実施形態において原盤から中間盤を製造する工程を示す図である。
【図3】図3(A)〜図3(C)は、第1の実施形態において中間盤から複製盤を製造する工程を示す図である。
【図4】図4(A)〜図4(C)は、第1の実施形態に係るマイクロレンズアレイを製造する工程を示す図である。
【図5】図5(A)〜図5(C)は、第1の実施形態に係るマイクロレンズアレイを製造する工程を示す図である。
【図6】図6(A)〜図6(C)は、第1の実施形態に係るマイクロレンズアレイを製造する工程を示す図である。
【図7】図7(A)〜図7(C)は、第2の実施形態に係るマイクロレンズアレイの製造方法を示す図である。
【図8】図8(A)及び図8(B)は、第2の実施形態に係るマイクロレンズアレイの製造方法を示す図である。
【図9】図9(A)〜図9(C)は、第2の実施形態に係るマイクロレンズアレイの製造方法を示す図である。
【図10】図10(A)及び図10(B)は、第2の実施形態に係るマイクロレンズアレイの製造方法を示す図である。
【図11】図11は、第2の実施形態に係るマイクロレンズアレイの製造方法を示す図である。
【図12】図12(A)〜図12(E)は、第3の実施形態に係る原盤の製造方法を示す図である。
【図13】図13(A)〜図13(C)は、第3の実施形態におけるエッチングの過程を示す図である。
【図14】図14は、第4の実施形態に係るマイクロレンズアレイの製造方法を示す図である。
【図15】図15(A)及び図15(B)は、第4の実施形態に係るマイクロレンズアレイの製造方法を示す図である。
【図16】図16は、第5の実施形態に係るマイクロレンズアレイの製造方法を示す図である。
【図17】図17(A)〜図17(C)は、第5の実施形態に係るマイクロレンズアレイの製造方法を示す図である。
【図18】図18(A)〜図18(C)は、第6の実施形態に係るマイクロレンズアレイの製造方法を示す図である。
【図19】図19(A)〜図19(C)は、第7の実施形態に係るマイクロレンズアレイの製造方法を示す図である。
【図20】図20は、本発明を適用したマイクロレンズアレイを備える電子機器を示す図である。
【図21】図21は、本発明を適用したマイクロレンズアレイを備える電子機器を示す図である。
【符号の説明】
38 光透過性層前駆体
40 光透過性層
42 レンズ
50 基台
51 配向膜
60 放射線
70 マイクロレンズアレイ
138 遮光性層
142 遮光性材料
320 分離層
331 突起
333 配向溝
341 凹部
343 スペーサ(支持部材)
Claims (14)
- 基台上に配向膜を形成する工程であって前記配向膜を焼成することを含む第1工程と、
前記配向膜の焼成後に、前記配向膜に、複数のレンズを有する光透過性層を設ける第2工程と、
前記配向膜を、前記光透過性層と一体的に前記基台から剥離する第3工程と、
を含むマイクロレンズアレイの製造方法。 - 請求項1記載のマイクロレンズアレイの製造方法において、
前記第2工程の前に、前記光透過性層を前記配向膜とは別に形成する工程を含み、
前記第2工程で、完成した前記光透過性層を前記配向膜に接着するマイクロレンズアレイの製造方法。 - 請求項1記載のマイクロレンズアレイの製造方法において、
前記第2工程で、光透過性層前駆体から光透過性層を、前記基台の上で形成しながら前記配向膜に接着するマイクロレンズアレイの製造方法。 - 請求項1から請求項3のいずれかに記載のマイクロレンズアレイの製造方法において、
前記基台は、放射線透過性を有し、
前記第3工程で、前記基台を通して前記配向膜に前記放射線を照射して、前記配向膜と前記基台との界面における結合力を低減させるマイクロレンズアレイの製造方法。 - 請求項1から請求項3のいずれかに記載のマイクロレンズアレイの製造方法において、
前記第1工程で、前記基台には予め分離層を形成し、前記分離層の上に前記配向膜を形成し、
前記基台は、放射線透過性を有し、
前記第3工程で、前記基台を通して前記分離層に前記放射線を照射して、前記基台と前記分離層との界面における結合力を低減させるマイクロレンズアレイの製造方法。 - 請求項1から請求項3のいずれかに記載のマイクロレンズアレイの製造方法において、
前記第1工程で、前記基台には予め分離層を形成し、前記分離層の上に前記配向膜を形成し、
前記基台は、放射線透過性を有し、
前記第3工程で、前記基台を通して前記分離層に前記放射線を照射して、前記配向膜と前記分離層との界面における結合力を低減させるマイクロレンズアレイの製造方法。 - 請求項1から請求項3のいずれかに記載のマイクロレンズアレイの製造方法において、
前記第1工程で、前記基台には予め分離層を形成し、前記分離層の上に前記配向膜を形成し、
前記基台は、放射線透過性を有し、
前記第3工程で、前記基台を通して前記分離層に前記放射線を照射して、前記分離層の内部における結合力を低減させるマイクロレンズアレイの製造方法。 - 請求項4記載のマイクロレンズアレイの製造方法において、
前記第3工程後に、前記配向膜の表面を洗浄処理する工程を含むマイクロレンズアレイの製造方法。 - 請求項5から請求項7のいずれかに記載のマイクロレンズアレイの製造方法において、
前記第3工程後に、前記配向膜の表面に付着した前記分離層を除去する工程を含むマイクロレンズアレイの製造方法。 - 請求項1から請求項9のいずれかに記載のマイクロレンズアレイの製造方法において、
前記基台の表面には、少なくとも一つの凹部が形成され、
前記第1工程で、前記基台の前記凹部に前記配向膜の材料を充填して、前記配向膜と一体化した凸部を形成し、
前記凸部は、液晶パネルにおける液晶を封入するための間隔を一定に保つための支持部材となるマイクロレンズアレイの製造方法。 - 請求項10記載のマイクロレンズアレイの製造方法において、
前記凹部は、前記基台上の前記レンズ間に対応する領域に形成され、
前記第2工程は、前記基台の前記凹部を前記レンズ間に位置させて行われるマイクロレンズアレイの製造方法。 - 請求項1、2、3、4、10又は11のいずれかに記載のマイクロレンズアレイの製造方法において、
前記基台の表面の所定領域には、前記配向膜に形成する配向溝に対応する突起が形成され、
前記第1工程で、前記配向膜の所定領域に前記配向溝を形成するマイクロレンズアレイの製造方法。 - 請求項1から請求項12のいずれかに記載のマイクロレンズアレイの製造方法において、
前記配向膜及び前記光透過性層の一方の上に透明電極膜を形成する工程を含み、
前記第2工程では、前記透明電極膜を介して、前記配向膜に前記光透過性層を設けるマイクロレンズアレイの製造方法。 - 請求項13記載のマイクロレンズアレイの製造方法において、
前記透明電極膜を、前記配向膜上に形成するマイクロレンズアレイの製造方法。
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