JP4067557B2 - 抗cd14抗体融合蛋白質 - Google Patents
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Description
敗血症発症のトリガー段階は、感染細菌の構成成分、例えば、グラム陰性細菌におけるリポ多糖(LPS)やグラム陽性細菌におけるリポタイコ酸(LTA)などが白血球(単球/マクロファージおよび好中球)や血管内皮細胞に作用し、各種炎症メディエーターの産生を惹起するイベントである。近年の研究により、細菌構成成分によるこれら標的細胞の活性化には、本来白血球の分化抗原として見出されたCD14(非特許文献2参照)、および自然免疫系におけるパターン認識分子として位置付けられるToll−like−receptors(TLR)が重要な働きをしていることが明らかにされている(非特許文献3参照)。
(1)(I)抗CD14抗体もしくはその活性断片またはそれらの誘導体、および、(II)蛋白分解酵素の阻害物質もしくはその活性断片またはそれらの誘導体を含有する蛋白質、
(2)前記(II)の阻害物質が蛋白性阻害物質である、前記(1)の蛋白質、
(3)前記(II)の阻害物質が多価酵素阻害物質である、前記(1)〜(2)の蛋白質、
(4)前記(II)の蛋白分解酵素が血液凝固因子(血液凝固系蛋白分解酵素)または炎症性プロテアーゼである、前記(1)〜(3)の蛋白質、
(5)前記(II)の蛋白分解酵素がFXaおよび/またはFXIaである、前記(1)〜(4)の蛋白質、
(6)前記(II)の蛋白分解酵素がトロンビンである、前記(1)〜(4)の蛋白質、
(7)前記(II)の阻害物質がUTI由来である、前記(1)〜(6)の蛋白質、
(8)前記(II)の阻害物質がトロンボモジュリン由来である、前記(1)〜(6)の蛋白質、
(9)前記(II)の阻害物質がUTIの第二ドメイン由来である、前記(1)〜(6)の蛋白質、
(10)前記(II)の阻害物質がトロンボモジュリンの機能ドメイン由来、特にEGF様ドメイン由来である、前記(1)〜(8)の蛋白質、
(11)前記(II)の蛋白分解酵素がエラスターゼである、前記(1)〜(4)の蛋白質、
(12)前記(II)の阻害物質が分泌性白血球プロテアーゼインヒビターである、前記(1)〜(4)または(11)の蛋白質、
(13)前記(II)の阻害物質がUTI第二ドメインの1〜4の何れかの数のアミノ酸置換変異体である、前記(1)〜(11)の蛋白質、
(14)前記(I)の抗CD14抗体が中和能を有する抗体である、前記(1)〜(13)の蛋白質、
(15)前記(I)の抗CD14抗体がヒトCD14のアミノ酸番号269〜315の領域の少なくとも一部を認識する抗体である、前記(1)〜(14)の蛋白質、
(16)前記(I)の抗CD14抗体がキメラ抗体である、前記(1)〜(15)の蛋白質、
(17)前記(I)の抗CD14抗体がヒト化抗体である、前記(1)〜(16)の蛋白質、または、
(18)前記(I)の抗CD14抗体が、表2に記載の重鎖CDR1、CDR2およびCDR3を重鎖可変領域のCDR1、CDR2およびCDR3として、または、表2に記載の軽鎖CDR1、CDR2およびCDR3を軽鎖可変領域のCDR1、CDR2およびCDR3として含有する、前記(1)〜(17)の蛋白質である。
(19)前記(1)〜(18)の蛋白質の少なくとも一部をコードするポリヌクレオチドである。
本発明の第三の態様は、本発明の第二の態様のポリヌクレオチドを含有するベクターである。すなわち、
(20)前記(19)のポリヌクレオチドを含有するベクターである。
本発明の第四の態様は、本発明の第二の態様のポリヌクレオチドまたは本発明の第三の態様のベクターを含有する細胞である。すなわち、
(21)前記(19)のポリヌクレオチドまたは前記(20)のベクターを含有する細胞である。
本発明の第五の態様は、本発明の第二の態様のポリヌクレオチド、本発明の第三の態様のベクターまたは本発明の第四の態様の細胞の少なくともいずれか一つを用いることを特徴とする、本発明第一の態様の蛋白質の製造方法である。すなわち、
(22)前記(19)のポリヌクレオチド、前記(20)のベクターまたは前記(21)の細胞の少なくともいずれか一つを用いることを特徴とする、前記(1)〜(18)の蛋白質の製造方法である。
本発明の第六の態様は、本発明第一の態様の蛋白質、本発明の第二の態様のポリヌクレオチド、本発明の第三の態様のベクターまたは本発明の第四の態様の細胞の少なくともいずれか一つを含有することを特徴とする、疾患の予防および/または治療剤である。すなわち、
(23)前記(1)〜(18)の蛋白質、前記(19)のポリヌクレオチド、前記(20)のベクターまたは前記(21)の細胞の少なくともいずれか一つを含有することを特徴とする、疾患の予防および/または治療剤、または、
(24)前記疾患が敗血症、重症敗血症もしくは敗血症ショック、SIRS関連疾患、エンドトキシンショック、またはARDSである、前記(23)の予防および/または治療剤である。
本発明第一の態様の蛋白質は、その種類については特に制限されず、単純蛋白質(またはポリペプチド)および複合蛋白質(糖蛋白質他)等を含む。
本発明第一の態様の蛋白質において、(I)抗CD14抗体もしくはその活性断片またはそれらの誘導体と(II)蛋白分解酵素阻害物質もしくはその活性断片またはそれらの誘導体の結合様式は、特に限定されず、通常共有結合であるが、化学的方法(化学合成法もしくはケミカルコンジュゲーション)または遺伝子組換技術の何れによる結合であっても良い。本発明第一の態様の蛋白質は、好ましくは遺伝子工学的に作製される融合蛋白質である。
本発明第一の態様の蛋白質において(II)蛋白分解酵素の阻害物質は必ずしも限定されず、非蛋白性阻害物質または低分子化合物等であっても良いが、好ましくは蛋白性阻害物質である。
UTIは、ビクニンまたはウリナスタチンと同一であり、トリプシン、プラスミンおよび好中球エラスターゼ等に対するプロテアーゼインヒビターである。
SLPIは、好中球エラスターゼおよびカテプシン等に対するインヒビターである。
TFPIは、リポ蛋白結合性凝固インヒビター(LACI:lipoprotein−associated coagulation inhibitor)または外因系凝固インヒビター(EPI:extrinsic pathway inhibitor)とも呼ばれ、血液凝固第Xa因子(FXa)と結合して、第VIIa因子−組織因子(第III因子)複合体を阻害し、外因系血液凝固の開始を抑制する。
トロンボモジュリン(TM)は、血管内皮細胞が産生する抗凝固因子の1つであり、細胞膜上でトロンビンと複合体を作り、続いてプロテインCが活性化され、血液凝固反応が抑制される。TMは1981年に発見され、血管内皮細胞上に存在し、トロンビンを凝固酵素から抗凝固酵素に変換する。また、トロンビン活性を直接阻害するとともに、プロテインC(PC)の活性化を促進し、生じた活性化プロテインC(APC)は、活性化血液凝固因子第V因子(FVa)、第VIII因子(FVIIIa)を不活性化することによって血液凝固カスケード反応にネガティブフィードバックをかけ、トロンビンの生成を抑制する。つまりTMはトロンビン依存性に凝固・線溶活性の双方を阻害する。この作用には、ヘパリンのようにアンチトロンビンIIIを必要とせず、出血傾向の助長が少ないとされている。
本発明で用いるTM、その活性断片および誘導体は、TMのアミノ酸配列およびそれをコードする核酸配列、ならびにTMのドメイン構造と機能が公知(例えば、黒澤晋一郎、別冊・医学のあゆみ 血液疾患−state of arts(Ver.2),1998年、205−207頁)であることから、それらを基に、公知の方法で調製し、また、活性を測定しうる(例えば、特開平1−6219及びWO88/5053)。TMは5つのドメイン、すなわち、細胞外のN末端より、レクチン様ドメイン、Epidermal growth factor(EGF)様ドメイン、O型糖鎖結合ドメイン、膜貫通ドメインおよび細胞質ドメイン(Kurosawa,S et al.,J.Biol.Chem.,263,5993,1988)からなりそのひとつEGF様ドメインは6つの繰り返し単位からなる(本明細書ではEGF1−6またはTM123456のように記載することがある)。その活性最小単位は、EGF様ドメインの第4〜6番目の繰り返し単位、すなわちEGF4−6とされている。
TMの好ましい活性断片、誘導体または機能ドメインの例としては、EGF様ドメイン、それを含有するTMの活性断片もしくはその誘導体、またはEGF様ドメインの活性断片もしくはその誘導体、好ましくはEGF4−6、さらに好ましくはEGF3−6、特に好ましくはEGF2−6、それを含有するTMの活性断片もしくはその誘導体、具体的には、実施例で作製されたTMの活性断片もしくはその誘導体であり、特に、TM23456M、TM234567Mまたはそれらの活性断片もしくは誘導体である。誘導体の好ましい例としては、TMのアミノ酸番号388番目のメチオニンをロイシンに置換した変異体(M388L)が挙げられ、TM23456LおよびTM234567Lである。これらの作製方法および活性測定方法は、公知の方法に従ってもよく、具体的には、実施例に記載されている。
UTI−D2の3アミノ酸または4アミノ酸置換変異体の具体例は、実施例7の表9に示されており、特に、UTI−D2(4)(R11S/R15T/Q19K/Y46D)が好ましい。
FXaおよび/またはFXIaに対する阻害活性ならびにエラスターゼ阻害活性を有する、UTI第二ドメイン改変体、具体的にはUTI−D2(3)は特に好ましい。
また、表5に記載の変異体の内、特定のもの、特に、P294H、Q295A、P296HおよびP294/296Aの少なくとも1つ、好ましくは全てとの結合性がヒトCD14との結合性と比較して有意に低下していること、より好ましくは、該特定の変異体に対する結合性の低下に加えて、他の変異体との結合性が実質的に変化していないことを指標として、CD14阻害活性を有する抗CD14抗体を簡便にスクリーニングもしくは同定または調製することができ、本発明はそのような方法をも提供する。
本発明第一の態様の蛋白質における前記(I)の抗体の可変領域配列の好ましい例を図1および図2(配列番号123〜126)に、および、該抗体がキメラ抗体である融合蛋白質の好ましい例を図7〜17および実施例に示した。
「ヒト化抗体」とは、ヒトフレームワーク、非ヒト抗体からの少なくとも一つのCDRを含む抗体を云い、その中に存在する何らかの定常領域は、ヒト抗体定常領域と実質的に同一である、すなわち少なくとも約85〜90%、好ましくは少なくとも95%同一である。従って、恐らくCDRを除く、ヒト化抗体の全ての部分は、1以上の天然のヒト抗体配列の対応する部分と実質的に同一である。例えば、ヒト化抗体は、キメラマウス可変領域/ヒト定常領域抗体を含まない。
(a)受容体抗体のヒトフレームワーク領域中の該アミノ酸がヒト抗体のその位置に稀であり、そして供与体抗体中の対応するアミノ酸がヒト抗体中のその位置に典型的である;
(b)該アミノ酸がCDRの1つに一次配列上近接もしくは隣接している;または、
(c)該アミノ酸が供与体もしくはヒト化抗体の三次元モデルにおいてCDRの約5、好ましくは4、より好ましくは3オングストローム以内に原子を有する(Coら,Proc,Natl.Acad.Sci.USA,1991;88:2869)。
ヒト化抗体の製造の詳細な説明については、Queenら,Proc,Natl.Acad.Sci.USA,1989;86:10029、WO90/07861、WO92/11018、Coら,Proc,Natl.Acad.Sci.USA,1991;88:2869、CoおよびQueen,Nature,1991;351:501頁、ならびに、Coら,J.Immunol.,1992;148:1149(これらの引例をもって本明細書の一部と成す)が参照される。
軽鎖では3〜4箇所を、重鎖では7〜8箇所を供与体、例えばラット由来のアミノ酸に変更することによりFRがラット抗体の構造に近くなり、CDR領域のアミノ酸の配置がCD14との結合活性を最適にすることが容易になる場合がある。
1)エフェクター部分がヒトであるので、ヒト免疫系の他の部分とより良好に相互作用しうる(例えば、補体依存性細胞障害(CDC)又は抗体依存性細胞障害(ADCC)による、より効率的な標的細胞の破壊)。
2)ヒト免疫系は、ヒト化抗体のフレームワーク又はC領域を異物として認識せず、従って、このような投与された抗体に対する抗体応答は、全部が異物であるマウス抗体又は一部分が異物であるキメラ抗体より少ない。
3)投与されたラットまたはマウス抗体は、通常の抗体の半減期よりも非常に短い、ヒト体内での循環における半減期を有すると報告されている(ショー D.ら、J.Immunol.,1987;138:4534−4538)。投与されたヒト化抗体は、恐らく、自然に生じるヒト抗体の半減期とより近い半減期を有し、より少量、又はより少ない頻度の投与で有効である。
第二の態様のポリヌクレオチドを組み込むベクターとしては、必ずしも限定されないが、蛋白質遺伝子等の発現に汎用され、特に抗体または抗体を含有する融合蛋白質等の遺伝子発現に適合するベクターまたは高発現用ベクターが好ましい。好適な例としては、ヒトエロンゲーションファクター(EF)1αプロモーターおよび/またはCMVエンハンサーを含有するベクターが挙げられ、例えば、pEF−BOSまたは実施例で用いたベクターがある。また、通常、VH部分もしくはVH部分と阻害物質部分、好ましくはそれらの融合蛋白質をコードするポリヌクレオチド、および、VL部分もしくはVL部分と阻害物質部分、好ましくはそれらの融合蛋白質をコードするポリヌクレオチドを組み込んだ発現ベクターをそれぞれ作製し、宿主細胞にcotransfectするが、単一の発現ベクターに組み込んでも良い。以上については公知の材料および方法を利用し得るが、具体例は実施例に記載されている。
本発明第一の態様の蛋白質は、本発明の第二の態様のポリヌクレオチドまたは第三の態様のベクターを用いたin vitro翻訳により、または、本発明の第四の態様の細胞を適当な条件下で培養することにより生産することができる(本発明の第五の態様)。生産された蛋白質は公知の適当な精製方法を組み合わせることにより単離することができる。好適な例は実施例に記載されている。
また、これらの疾患に伴う炎症性サイトカイン、特に血中のTNF濃度の上昇に伴う症状の改善または予防に有用である。さらに、LPSが関与するグラム陰性細菌感染、LTA若しくはペプチドグリカン等が関与するグラム陽性細菌感染、またはマイコプラズマ感染に伴う敗血症の治療または予防、すなわち、これらの疾患の症状が表れたとき若しくは進行したときの治療効果のみならず、血中にLPS、LTAもしくはマイコプラズマ等が高値である患者、特定のCD14分子種(WO01/22085およびWO2004/44005参照)の血中濃度が高値である患者または以上のような状況に置かれることが予想される細菌感染者における予防効果が期待できる。
また、本発明の医薬組成物は、抗生物質、ステロイド、各種サイトカイン抗体もしくは抗凝固因子等を含んでいてもよい。これらは、有効成分である本発明の蛋白質と相加効果もしくは相乗効果を示し、より有効な医薬組成物と成ることができる。
(実施例1)キメラ抗体および抗体融合蛋白質の構築
1−1)キメラ抗体および抗体融合蛋白質の構築(F1024)
(1)材料
用いた主な材料および装置は以下のとおりである。すなわち、
プライマー:表1に記載のプライマー(SIGMA Genosys Japanにて合成)、
PCR反応用酵素:Ex Taq(TAKARA BIO INC.)、
制限酵素:Eco RI、Bam HI、Not I、Nhe I、Eco RV、Stu I、Bgl II等(TAKARA BIO INC.)、
ゲノムDNA:HeLa genome(lot.N34707−1、BD Biosciences Clontech)、
PCR装置:DNA Engine(MJ RESEARCH,INC.)、
アガロース電気泳動ゲル:SeaKem GTG Agarose(TAKARA BIO INC.)、
50xTAE(2mol/L Tris−acetate,0.05mol/L EDTA)(NIPPON GENE)、
分子量マーカー(Sty I消化λDNA断片)、
ゲルからのDNA断片抽出キットQIAEX II(QIAGEN K.K.)、
哺乳細胞用発現ベクター:pEF2cew(pEF−BOSの改良型ベクター)、
ヒトIgG4重鎖定常領域(Cγ4)遺伝子を有するプラスミド:pTK−2232、
TAクローニング用ベクター:pT7BlueT(NOVAGEN)およびライゲーション用試薬:TaKaRaライゲーションKit ver.2(TAKARA BIO INC.)、
E.coli Competent cell:JM109(TAKARA BIO INC.)、
プラスミドDNAおよびゲノムDNA精製キット(QIAGEN K.K.)、
シークエンス用キット:DYEnamic ET Terminator Cycle Sequencing Premix Kit lot.1767(Amersham Biosciences)および解析装置:ABI3100 genetic analyzer(Applied Biosystems)、
トータルRNA分離試薬:TRIzol(GIBCO BRL)、
5’RACE用キット:5’RACE system for Rapid Amplification of cDNA Ends,v.2.0(Invitrogen)、
ダルベッコMEM培地(SIGMA)、
トランスフェクション用試薬:FuGENE6(ロシュダイアグノスティックス)
等を用いた。
用いた主な実験方法を以下に示す。
・PCR反応
酵素付属の取り扱い説明書に従って行った。
・アガロースゲル電気泳動
まず、0.8%濃度のアガロースゲルを作製し、これを1xTAEを満たした泳動槽に置き、ウエルにサンプル5μLをアプライ後、135Vで15分間泳動を行った。泳動終了後、ゲルをエチジウムブロマイドで染色し、さらにUV照射することでバンドを検出した。
・ゲルからのDNA断片抽出
目的とするバンドを剃刀で切り出し、付属の取扱説明書に従い、QIAEX IIキットを用いてゲル片からDNA断片を抽出した。抽出されたDNA断片を20μLの滅菌水に溶解した。
抽出を終えたDNA断片1μLとクローニング用ベクターのpT7BlueTを1μL、およびライゲーションkit ver.2のI液2μLを混和し、室温で15分間静置することでライゲーションを行った。
・大腸菌への形質転換
コンピテント大腸菌50μLを氷上で融解し、ライゲーション反応産物4μLを加え、そのまま氷上に30分間静置した。42℃で45秒熱ショックを与え、終濃度50μg/mLアンピシリン含有LBプレート上に塗布し、37℃で一晩インキュベートした。
・プラスミドの精製およびシークエンス反応
キットの取り扱い説明書に従って行った。
・ハイブリドーマからのトータルRNAの分離と5’RACE
キットの取り扱い説明書に従って行った。なお、ハイブリドーマは5×107個使用した。
・トランスフェクション
FuGENE6の取り扱い説明書に従って行った。すなわち、6穴プレートの場合、トランスフェクション前日にCOS−1細胞を1.5×105cells/mLの密度で各ウェルに2mL植え込んだ。翌日、97μLのダルベッコMEM培地に3μLのFuGENE6と1μgの発現プラスミドを混和し15分以上静置した後、2mLの無血清ダルベッコ−MEM培地に滴下し、この培養液と交換することで、トランスフェクションを行った。
WO02/42333に記載の方法で得られたハイブリドーマF1024(1×107細胞)を、PBS−(SIGMA)で洗浄後、TRIzol(GIBCO BRL)を用いてトータルRNAを抽出した。次に、5μgのトータルRNAを、5’RACE system for Rapid Amplification of cDNA Ends,v.2.0(Invitrogen)を用いて5’RACEを行い、重鎖および軽鎖可変領域をコードする遺伝子断片をそれぞれ増幅した。尚、操作手順はキット付属のマニュアルに従い、重鎖可変領域はrIgH−cプライマーで逆転写反応を行った後、ターミナルデオキシヌクレオチドトランスフェラーゼで末端にdCを付加し、rIgH−cプライマーとAAPプライマー(キット付属)とで1回目のPCRを行った。軽鎖可変領域も同様に、rIgK−bプライマーで逆転写反応後、rIgK−bプライマーとAAPプライマーとで1回目のPCRを行った。つづいて、各反応産物を鋳型とした2回目のPCR反応を、重鎖可変領域はrIgH−bプライマーとAUAPプライマー(キット付属)とで、軽鎖可変領域はrIgK−aプライマーとAUAPプライマーとで行い、それぞれ特異的に増幅されたDNA断片をアガロースゲルでの電気泳動で確認した。DNA断片をゲルから抽出後、塩基配列を決定し、各領域のアミノ酸配列を決定した(図1および2)。なお、表2にKabatの定義に従った場合のCDR配列を示す。また、表2に示した配列は、配列番号173〜178に示す。
抗原結合活性を有する可変領域がハイブリドーマ抗体由来、すなわちラット抗体由来であり、定常領域がヒト由来の抗体であるキメラ抗体を作製することにより、ヒトへの抗原性が少ない抗体を得ることが出来る。キメラ抗体は1984年のMorrisonら(Proc,Natl.Acad.Sci.USA,81:6851,1984)の報告以来多くのものが開発されている。
各可変領域の開始コドンの直前に、制限酵素Eco RIの認識配列を付した5’側プライマー(重鎖は1024H−a、軽鎖は1024K−a)と、各可変領域の3’側配列のアミノ酸配列を変えることなく、ヒト定常領域との連結可能な制限酵素認識部位(重鎖はNhe I認識配列、軽鎖はBsi WI認識配列)を付した3’側プライマー(重鎖はHchainEco47NheI、軽鎖はrIgK−BsiWI)を設計した。これらのプライマーを用いて、本実施例1−1)−(3)で調製した逆転写反応後の重鎖および軽鎖各サンプルを鋳型としたPCRをあらためて行った。増幅されたPCR産物とpT7BlueTベクター(NOVAGEN)を混和し、TaKaRaライゲーションKit ver.2(TAKARA BIO INC.)を用いて室温15分でライゲーション反応を行った。その反応液を用いてコンピテントセルE.coli(JM109、TAKARA BIO INC.)にトランスフォーメーションを行った。
次に、インサートが確認されたコロニーをLB培地で一晩培養し、QIAGEN plasmid midi kit(QIAGEN)を用いてプラスミドを精製した(重鎖可変領域をコードする遺伝子断片をもつプラスミドをpT7−1024H、軽鎖可変領域をコードする遺伝子断片をもつプラスミドをpT7−1024Kとした。)。精製したプラスミドは、M4プライマーおよびT7プライマーを用いて塩基配列を確認した
OとPを混合して鋳型とし、再度プライマーSLPI−cおよびSLPI−gでPCR反応を行うことで、両断片が連結された増幅産物Qを得た。
この増幅産物QおよびRを、それぞれpT7BlueTベクターにクローニングし、ヒトSLPIのSer1−Ala107(SLPI(D1D2)と記載することがある)およびArg58−Ala107(SLPI(D2)と記載することがある)をコードする配列であることを確認し、pT7−SLPI(D1D2)およびpT7−SLPI(D2)とした。いずれも、SLPIの5’側には制限酵素Bgl IIの認識配列、3’側の停止コドンの直後にはNot Iの認識配列を有するように構築した。各プラスミドをそれぞれ制限酵素Bgl IIおよびNot Iで切断し、SLPI(D1D2)断片SとSLPI(D2)断片Tを調製した。
COS−1細胞は10%牛胎児血清入りのダルベッコMEM培地で継代し、トランスフェクション前日に、1.5×105cells/mLの密度で培養容器に植え込んだ。翌日、軽鎖発現プラスミド(pTK−2344)と各重鎖発現プラスミドを1:1の重量比で混合後、トランスフェクション試薬(FuGENE6、ロシュダイアグノスティックス)と適当量混和した後に、無血清のダルベッコMEM培地に滴下し、これを培養液と交換することで、トランスフェクションを行った。5%CO2存在下、37℃で2〜3日間培養し、上清を回収した。精製はProsep−Aカラム(MILLIPORE)を用いて行い、PBS(pH7.4)で透析後、280nmの吸光度より濃度を算出した。
(1)ハイブリドーマ抗体遺伝子可変領域のクローニングおよび配列決定(F1031)
CD14に結合するが、CD14阻害活性のない抗ヒトCD14抗体、F1031−13−2抗体(マウスIgG2b/κ)のCDR配列を以下の方法で決定した。
まず、F1031−13−2発現ハイブリドーマより、TRIzolを用いてtotal RNAを調製し、SuperScript III First−Strand Synthesis System for RT−PCR(Invitrogen)を用いて一本鎖cDNAの合成を行った。
一方、マウスIgG2b重鎖の可変領域増幅用としセンスプライマー1031H−aおよびmIgG2b−c、アンチセンスプライマーmIgG2b−a、を合成し、κ鎖可変領域増幅用としてセンスプライマーIGKV4−1−aおよびIgK−d、アンチセンスプライマーrIgK−a、をそれぞれ合成した(表1参照)。
次に合成したハイブリドーマ一本鎖cDNAを鋳型に、プライマーは重鎖(i)1031H−aとmIgG2b−a、重鎖(ii)mIgG2b−cとmIgG2b−a、軽鎖(i)IGKV4−1−aとrIgK−a、軽鎖(ii)IgK−dとrIgK−aとの組み合わせでPCRを行った。PCR反応条件は反応液を96℃で2分熱した後に、96℃ 30秒、55℃ 30秒、72℃ 30秒のサイクルを25回繰り返した。
得られた産物について直接配列を決定した結果、重鎖(i)(ii)、軽鎖(i)(ii)共に同一の配列であった。尚、軽鎖については5’端が不完全で翻訳開始コドンが確定できなかったため、これまで報告のあるマウスκ鎖において、フレーム領域で相同性を示す配列を検索した。図3および4(配列番号127〜130)にF1031−13−2抗体の可変領域重鎖および軽鎖配列(核酸およびアミノ酸)を示す。尚、下線はプライマー由来の配列である。
F1031−13−2キメラ抗体発現プラスミドは実施例1−1)(F1024キメラ抗体発現プラスミド構築)と同様の方法で構築した。すなわち、上記1−2)(1)で得られた配列を参考に、重鎖発現プラスミド構築用プライマーとして、可変領域の開始コドン直前に制限酵素EcoRI認識配列を付加した5’側プライマー13HcS−EcoRおよび可変領域の3’側配列のアミノ酸配列を変えることなく、ヒト定常領域との連結可能な制限酵素NheI認識部位を付加した3’側プライマー13HcA−Nheを合成した。軽鎖の5’側の配列は確定していないが、相同性検索から5’端側の配列を予想し、可変領域の開始コドン直前に制限酵素EcoRI認識配列を付加した5’側プライマー13LcS−EcoRおよび可変領域の3’側配列のアミノ酸配列を変えることなく、ヒト定常領域との連結可能な制限酵素BsiWI認識部位を付加した3’側プライマー13LcA−BsiWを合成した(表1参照)。
次に実施例1−1)で構築したF1024キメラ抗体重鎖発現プラスミドpTK−2370あるいは軽鎖発現プラスミドpTK−2344をそれぞれEcoRIおよびNheIあるいはEcoRIおよびBsiWIで消化し、それぞれ約5.7kbあるいは4.8kbの断片を回収した。これらに先のPCR産物由来断片をそれぞれ挿入し、定法に従いJM109大腸菌コンピテントセルを形質転換してF1031−13−2重鎖発現プラスミドpF31−13HUあるいは軽鎖発現プラスミドpF31−13Lを得た。F1031−13−2軽鎖の5’端配列については、本構築において新たに確定した配列もあるため、図5および6(配列番号131〜134)に発現プラスミドの重鎖可変領域および軽鎖可変領域配列について再度示した。尚、下線は構築用のプライマー由来の配列である。
上記1−2)(2)で構築した重鎖発現プラスミドおよび軽鎖発現プラスミドをCOS−1細胞へ導入し、キメラ抗体融合蛋白質の発現を確認した。
まず、COS−1細胞を10%非働化FBS含有DMEM培地にて、2.0−2.4×105cells/wellで6ウェルプレートへ植え込み、37℃、5%CO2条件下で一晩培養した。翌日、FuGENE6 6μLと重鎖発現プラスミド1μg+軽鎖発現プラスミド1μgを混合し、FuGENE6添付プロトコールに従い、COS−1細胞へ滴下した。尚、FBS由来イムノグロブリンの混入を防ぐために、FuGENE/plasmid混合液を細胞に滴下する前に以下の操作を行った。COS−1細胞を一晩培養後、細胞の上清を除去し、生産培地(Hybridoma−SFM(Invitrogen)もしくはCellgro Complete Serum Free Medium(Mediatech))で2回洗浄を行った。その後、2mL/wellの生産培地をプレートに添加し、FuGENE/plasmid混合液を細胞に滴下した。37℃、5%CO2で3〜4日間培養を続けた後、上清を回収し、上清中に含まれるキメラ抗体融合蛋白質の量を実施例2に記載するELA法と同様の操作により確認した。但し、検出に用いたHRP標識抗体として、ペルオキシダーゼ標識UTI抗体の代わりに、HRP標識抗ヒトκ軽鎖抗体(DAKO)を用いた。その結果、キメラ抗体は10−20μg/mL程度の発現であった。なお、本実験で調製した培養上清を、実施例1−3)(1)のIL−6産生抑制活性実験に用いた。
(1)IL−6産生抑制活性確認試験
実施例1−1)および1−2)で調製した抗体融合蛋白質の抗体機能ドメインの活性について調べるために、以下の実験を行った。
ヒト膠腫由来細胞株U−373MGを、2%非働化FBSを含むMEM培地(SIGMA)にて96−well plateに、1×104cells/wellで植え込み、5%CO2、37℃で一晩培養を行った。翌日、以下の溶液をそれぞれ調製した。
1)0.2%ヒト血清アルブミン(SIGMA)を含む生理食塩水(大塚製薬)(以下0.2%HSA/生理食塩水と表記)
2)0.2%ヒト血清アルブミン(SIGMA)を含むMEM培地(以下0.2%HSA/MEMと表記)
3)0.2%HSA/生理食塩水と0.2%HSA/MEMを1:1の割合で混合した溶液(以下0.1%HSA/1/2MEMと表記)
4)4%ヒト血清を含むMEM培地(以下4%HS/MEMと表記)
5)LPS(E.Coli 0111:B4、SIGMA)を生理食塩水で1mg/mLに調製した溶液を10分間ソニケーションした後に、0.2%HSA/MEMにて200ng/mLに希釈した溶液(以下200ng/mL LPS B4と表記)
6)4%HS/MEMと200ng/mL LPS B4を9:1の割合で混合した溶液(以下2×(HS+LPS)と表記)
その結果、CD14阻害活性を示す抗体の場合、キメラ抗体融合蛋白質においても抗体活性は維持されており、CD14阻害活性を示さないF1031−13−2抗体の場合、キメラ抗体融合蛋白質にしても抑制活性を示さなかった。なお、図20中、試料未添加のIL−6産生量を100%(IL−6%Control)として表記した。
実施例1−1)および1−2)で調製した抗体融合蛋白質の酵素阻害機能ドメインの活性を確認するためにトリプシン阻害活性を以下のように測定した。
被験試料を0.1mol/LNaCl/5mmol/L CaCl2/20mmol/L Tris−HCl(pH7.4)(以下、希釈液)にて終濃度の10倍濃度となるように希釈調製した。これと併行してヒト膵由来トリプシン(Athens Research and Technology)を0.1w/v%BSA/1mmol/L HCLにて1μg/mL調製し、また合成基質S2222(テストチーム、第一化学薬品)を水にて4mmol/Lに希釈調製した。
各試薬類を調製後、96ウエルマイクロタイタープレート(Nunc)に希釈液70μL、1μg/mLヒトトリプシン溶液を10μL、および被験試料溶液10μLを添加し、37℃にて3分間インキュベーションした。次いで、合成基質S2222溶液を各ウエルに10μL添加して、さらに37℃にて60分間インキュベーションした。その後、20v/v%酢酸水溶液にて反応を停止させ、反応液の405nmにおける吸光度を測定した。図21に典型的な試験結果を示す。その結果、キメラ抗体融合蛋白質においても酵素阻害活性はほぼ維持されていた。
(1)F1024S−D2(3)およびF1031−13S−D2(3)の大量生産
F1024S−D2(3)を大量生産するためにCOS−1細胞を利用した一過性発現の系を用いた。すなわち、CellsTACK−10 Chamber(Corning)に10%非働化FBSおよび10mM HEPES(pH7.0−7.6)を含むDMEM培地1700mLを添加し、これに21×106のCOS−1細胞を植え込んだ。CellsTACK−10 Chamber内を5%CO2を含む混合ガスに置換した後、密栓し、37℃でインキュベーションした。
4日後に以下の手順にてトランスフェクションを行った。
まず、DMEM培地63.6mLにFuGENE6トランスフェクション試薬(ロシュ・ダイアグノスティックス株式会社)2.12mLを添加・混合した。5分後に実施例1で調製した重鎖をコードするプラスミドpTK2370および軽鎖をコードするプラスミドpTK2344を各530μgずつ添加し、混合後、15分間室温で静置した。一方、CellsTACK−10 Chamberの培地を10mM HEPES(pH7.0−7.6)を含むHybridoma−SFM(インビトロジェン株式会社)(以下、生産培地)1300mLに交換し、調製したトランスフェクション試薬・プラスミド混合溶液を添加した。37℃で3日間インキュベーションした後、生産培地を回収した。さらに、CellsTACK−10 Chamberに新しい生産培地1300mLを添加し、4日後に再度生産培地を回収した。
また、F1031−13S−D2(3)についても、実施例1で調製した重鎖をコードするプラスミドpF31−13HUおよび軽鎖をコードするプラスミドF31−13Lを用いて同様に生産した。
サンドイッチEIA法によりF1024S−D2(3)濃度を測定した。
固相化蛋白質として、実施例6と同様の方法で調製した、ヒトCD14の全長356アミノ酸からなる組換ヒトCD14、および、標識抗体として、特開2002−14104に記載された手順に従って作製したペルオキシダーゼ標識UTI抗体を用いたサンドイッチEIA系を作製した。
標準品として実施例1にて調製したF1024S−D2(3)を用いた。すなわち、組換ヒトCD14をPBS(pH7.4)で4μg/mLに希釈し、NUNC−Immuno plate Maxisorp(NUNC)の各ウェルに50μL添加した。4℃で一晩反応後、0.05%Tween20/0.9%塩化ナトリウム溶液で3回洗浄し、2%StabilGuard(SurModics,Inc.)を含むPBS(pH7.4)を各ウェルに100μL添加し、ブロッキングした。次に0.1%BSAを含むPBS(pH7.4)を希釈液として測定試料および標準品の希釈検体を調製した。同時に10%ウサギ血清を含むPBS(pH7.4)で希釈したペルオキシダーゼ標識UTI抗体を調製した。各ウェルに、希釈したペルオキシダーゼ標識抗体25μLおよび希釈検体25μLを添加し、37℃で1時間反応させた。反応終了後、0.05%Tween20/0.9%塩化ナトリウム溶液で3回洗浄し、テトラメチルベンジジン溶液(BioFX)を各ウェルに50μLずつ添加した。室温で約20分反応後、1mol/L塩酸溶液50μLで反応停止し、プレート分光光度計で450nmの吸光度を測定した。
また、F1031−13S−D2(3)についても同様に濃度を測定した。ただし、標準品として濃度既知のF1031−13S−D2(3)を用いた。
以下の操作は特に記載のない限り、4℃にて実施した。
実施例2(1)で生産されたCOS培養上清を1μmのカプセルカートリッジフィルター(アドバンテック東洋)に、0.22μmのフロロダインII−DFLPフィルター(日本ポール)を接続し、培養上清中の不溶物を除去した。このろ過液を予めPBS(シグマ)にて平衡化したProSep−vAカラム(日本ミリポア株式会社)に供し、非吸着成分をPBSにて洗い流した。更に非特異的に吸着している成分を10×PBS(シグマ)にて洗い流した後、25mM Glycine−HCl(pH2.5)にて溶出し、F1024S−D2(3)を回収した。得られた溶出画分はMacIlvaineバッファーを加えpH5に調製した。溶出液に認められた沈殿を遠心分離により除去後、遠心上清液を分子量カットオフ10,000の透析チューブ(SPECTRUM社)を用い生理食塩液に対して透析し、得られた透析液を精製標品とした。
以下の操作は特に記載のない限り、4℃にて実施した。
実施例2(1)で生産されたCOS培養上清を1μmのカプセルカートリッジフィルター(アドバンテック東洋)に、0.22μmのフロロダインII−DFLPフィルター(日本ポール)を接続し、培養上清中の不溶物を除去した。このろ過液を予めPBS(シグマ)にて平衡化したProSep−vAカラムに供し、非吸着成分をPBSにて洗い流した。更に非特異的に吸着している成分を1M塩化ナトリウム溶液にて洗い流した後、100mM Glycine−HCl(pH2.7)にて溶出し、F1031−13S−D2(3)を回収した得られた溶出画分は1Mトリス塩酸pH8.0を加え中和した。これを分子量カットオフ3,500の透析チューブ(SPECTRUM社)を用い生理食塩液に対して透析した。さらにYM10限外ろ過膜(日本ミリポア株式会社)を用いて濃縮し、得られた濃縮液を精製標品とした。
3−1)抗体活性の確認
(1)ヒト血管内皮細胞のLPS誘導IL−6産生に対する阻害活性の確認
ヒト臍帯静脈血管内皮細胞(HUVEC、三光純薬社)を0.05%トリプシン、0.02%EDTAを含むPBS(−)で剥離後、ヒト血清(TENNESSEE BLOOD SERVICE社)を10%含むRPMI−1640培地(SIGMA社)にて懸濁し、96ウェルプレートに2×104細胞/wellで播種し、37℃、5%CO2の条件下で一晩培養した。培養後、LPS(WE.coli 055:B5、DIFCO社)を終濃度が10ng/mLとなるように添加すると同時に、F1024S−D2(3)を終濃度が0.03、0.1、0.3、1、3、10μg/mLとなるように添加した。37℃、5%CO2の条件下で6時間培養した後、培養上清中のIL−6を、添付のプロトコールに従い、ヒトIL−6 EIAキット(DIACLONE Research社)で測定した。F1024S−D2(3)のIL−6産生阻害のIC50値は、0.38μg/mLであった。この結果より、F1024S−D2(3)がグラム陰性菌の菌体成分であるLPSにより誘導される、ヒト血管内皮細胞のサイトカイン産生を抑制することが示された。
F1031−13S−D2(3)およびF1024D−SLPI(D1D2)、F1024D−SLPI(D2)、F1024S−SLPI(D1D2)またはF1024S−SLPI(D2)の阻害活性を同様のアッセイ系を用いて評価する。
ヒト臍帯静脈血管内皮細胞(HUVEC、三光純薬社)を実施例3−1)(1)に示す方法で播種し、培養後、LPS(WE.coli 055:B5、DIFCO社)を終濃度が10ng/mLとなるように添加すると同時に、F1024S−D2(3)を終濃度が0.03、0.1、0.3、1、3、10μg/mLとなるように添加した。37℃、5%CO2の条件下で6時間培養した後に、培養液を除去し、PBS(−)で2回洗浄した。ドライヤーで乾燥させた後に、2%パラホルムアルデヒドを含有するPBS(−)を100μL/wellで添加した。室温で20分間インキュベーションした後に、PBS(−)で3回洗浄した。1%ヒト血清を含有するRPMI1640で希釈したビオチン化抗ヒトE−Selectin抗体(コスモ・バイオ社)を100μL/wellで添加し、室温で60分間インキュベーションした。その後、PBS(−)で3回洗浄し、ペルオキシダーゼ標識したストレプトアビジン溶液(DAKO Cytomation社)を100μL/wellで添加し、室温で30分間インキュベーションした。洗浄後、発色基質(TMB)を100μL/wellで添加し、室温で30分間反応させた後に、2N硫酸を100μL/wellで加えて反応を停止した。450nmと650nmの波長での吸光度を測定し、ΔOD(450nm−650nm)をE−Selectinの発現量とした。F1024S−D2(3)のE−Selectin発現阻害のIC50値は、0.43μg/mLであった。この結果より、F1024S−D2(3)がLPSにより誘導されるヒト血管内皮細胞の接着分子発現を抑制することが示された。
F1031−13S−D2(3)およびF1024D−SLPI(D1D2)、F1024D−SLPI(D2)、F1024S−SLPI(D1D2)またはF1024S−SLPI(D2)の阻害活性を同様のアッセイ系を用いて評価する。
正常ヒト末梢血単核球(hPBMC、Bio Whittaker社)を、10%ヒト血清および25mM HEPES(SIGMA社)を含有するRPMI1640で懸濁し、96ウェルプレートに2.5×105細胞/wellで播種した。F1024S−D2(3)を終濃度が0.1、0.3、1、3、10、30μg/mLとなるように添加し、室温で20分間静置した後に、LPS(WE.coli 055:B5、DIFCO社)を終濃度が0.1ng/mLとなるように添加した。37℃、5%CO2の条件下で6時間培養した後、培養上清中のTNF−αを、添付のプロトコールに従い、ヒトTNF−α EIAキット(DIACLONE Research社)で測定した。
F1024S−D2(3)のTNF−α産生阻害のIC50値は、0.58μg/mLであった。この結果より、F1024S−D2(3)がLPSにより誘導されるヒト白血球のサイトカイン産生を抑制することが示された。
F1031−13S−D2(3)およびF1024D−SLPI(D1D2)、F1024D−SLPI(D2)、F1024S−SLPI(D1D2)またはF1024S−SLPI(D2)の阻害活性を同様のアッセイ系を用いて評価する。
正常ヒト末梢血単核球(hPBMC、Bio Whittaker社)を実施例3−1)(3)に示す方法で播種し、F1024S−D2(3)を終濃度が0.1、0.3、1、3、10、30μg/mLとなるように添加し、室温で20分間静置した後に、LPS(WE.coli 055:B5、DIFCO社)を終濃度が0.1ng/mLとなるように添加した。37℃、5%CO2の条件下で6時間培養し、細胞懸濁液のPCAを正常ヒト血漿(DADE BEHRING社)を用いて測定した。すなわち、0.15M NaClおよび0.1%BSAを含有する50mM Tris−HCl(pH7.4)溶液で2.5倍希釈した後、20秒間超音波破砕(SIMAZU社)し、このサンプルを血液凝固測定装置(AMAX CS190、エム・シー・メディカル社)にセットした。血液凝固測定装置にてサンプルを20μL分取し、25mM CaCl2を20μL添加して、37℃で3分間インキュベートした。正常ヒト血漿を90μL添加して凝固反応を開始し、凝固時間を測定した。凝固時間から算出したF1024S−D2(3)のPCA阻害のIC50値は、20.86μg/mLであった。この結果より、F1024S−D2(3)がLPSに誘導されるヒト白血球のPCA促進を抑制することが示された。
F1031−13S−D2(3)およびF1024D−SLPI(D1D2)、F1024D−SLPI(D2)、F1024S−SLPI(D1D2)またはF1024S−SLPI(D2)の阻害活性を同様のアッセイ系を用いて評価する。
雄性ウサギ(ニュージーランドホワイト種、3.4kg、北山ラベス)の耳動脈よりヘパリン(持田製薬)を10unit/mL添加して採血した全血をマイクロチューブに移し、F1024S−D2(3)を終濃度が0.3、1、3、10、30μg/mLとなるように添加した。室温で30分間静置した後に、LPS(WE.coli 055:B5、DIFCO社)を終濃度が0.1ng/mLとなるように添加した。
37℃で6時間インキュベーションした後、4℃、8000rpm(TOMY社)の条件で10分間遠心して血漿分離し、血漿中のTNF−αを抗ウサギTNF−α抗体を用いたサンドイッチELISAで測定した。すなわち、1%BSAを含有するPBS(−)で希釈した血漿100μLを抗ウサギTNF−α抗体(BD Biosciences社)を4μg/mLで固相化したプレートに移し、室温で2時間インキュベーションした。0.05%Tween20を含むPBS(−)400μL/wellで3回洗浄し、ビオチン化抗ウサギTNF−α抗体溶液(2μg/mL、BD Biosciences社)を100μL/wellで添加し、室温で1時間インキュベートした。洗浄後、ペルオキシダーゼ標識したストレプトアビジン溶液(Invitrogen社)を100μL/wellで添加し、室温で30分間インキュベーションを行った。洗浄後、発色基質(TMB)を100μL/wellで添加し、室温で30分間反応させた後に、2N硫酸を100μL/wellで加えて反応を停止した。450nmと650nmの波長での吸光度を測定し、サンプル中のTNF−α産生量を算出した。F1024S−D2(3)のTNF−α産生阻害のIC50値は、0.83μg/mLであった。この結果より、F1024S−D2(3)がLPSにより誘導されるウサギ全血のサイトカイン産生を抑制することが示された。
F1031−13S−D2(3)およびF1024D−SLPI(D1D2)、F1024D−SLPI(D2)、F1024S−SLPI(D1D2)またはF1024S−SLPI(D2)の阻害活性を同様のアッセイ系を用いて評価する。
F1024S−D2(3)およびF1024D−D2(3)の酵素阻害機能ドメインの活性を確認するために、各種酵素に対する阻害活性を以下のように測定した。また、各測定系において、活性測定用サンプルの蛋白質濃度は、ウシγグロブリン(日本バイオ・ラッド ラボラトリーズ株式会社)をスタンダードとしてプロテインアッセイ染色液(日本バイオ・ラッド ラボラトリーズ株式会社)を用いて測定し、抗体融合蛋白質の推定分子量よりモル濃度に換算した。試験結果を図22ないし25に示す。各図の縦軸は各種酵素の残存活性、横軸は活性測定用サンプルの反応液中の濃度を示す。
F1024S−D2(3)およびF1024D−D2(3)を0.14M塩化ナトリウム/5mM塩化カルシウム/20mMトリス塩酸緩衝液(pH7.4)と10%BSAを99:1の比率で混合した希釈液(以下、希釈液)で段階希釈し、阻害活性測定用サンプルとした。これと併行して、Human FactorXa(Enzyme Research Laboratories)を希釈液にて0.1U/mLとなるよう調製し、FactorXa溶液とした。また、合成基質S−2222(第一化学薬品株式会社)を希釈液にて2mMとなるよう調製し、S−2222溶液とした。各試薬類を調製後、96ウェルマイクロタイタープレート(Nunc)に、阻害活性測定用サンプル10μL、希釈液50μLおよびFactorXa溶液20μLを添加し、37℃で5分間インキュベーションした。次いで、S−2222溶液を各ウェルに20μL添加して、さらに37℃で30分間インキュベーションした。その後、各ウェルに20%酢酸溶液50μLを添加して反応を停止し、反応液の波長405nmにおける吸光度を測定した。
F1031−13S−D2(3)の阻害活性を同様のアッセイ系を用いて評価する。
F1024S−D2(3)およびF1024D−D2(3)を希釈液(既出)で段階希釈し、阻害活性測定用サンプルとした。これと併行して、Human FactorXIa(American Diagnostica Inc.)を希釈液にて750ng/mLとなるよう調製し、FactorXIa溶液とした。また、合成基質S−2366(第一化学薬品株式会社)を水にて5mMとなるよう調製し、S−2366溶液とした。
各試薬類を調製後、96ウェルマイクロタイタープレート(Nunc)に、阻害活性測定用サンプル10μL、希釈液60μLおよびFactorXIa溶液10μLを添加し、37℃で5分間インキュベーションした。次いで、S−2366溶液を各ウェルに20μL添加して、さらに37℃で30分間インキュベーションした。その後、各ウェルに20%酢酸溶液100μLを加えて反応を停止させ、反応液の波長405nmにおける吸光度を測定した。
図23に示す結果より、D2(3)がFXIa阻害活性を有することが判明した。
F1031−13S−D2(3)の阻害活性を同様のアッセイ系を用いて評価する。
F1024S−D2(3)およびF1024D−D2(3)を希釈液(既出)で段階希釈し、阻害活性測定用サンプルとした。これと併行して、500mM塩化ナトリウム/50mM酢酸ナトリウム(pH5.5)に溶解して凍結保存していたElastase,Human Neutrophil(Athens Research & Technology)を希釈液にて20μg/mLとなるよう調製し、エラスターゼ溶液とした。また、合成基質S−2484(第一化学薬品株式会社)はジメチルスルホキシドに溶解して冷蔵保存し、使用時に水にて2mMとなるよう調製し、S−2484溶液とした。
各試薬類を調製後、96ウェルマイクロタイタープレート(Nunc)に、阻害活性測定用サンプル10μL、希釈液70μLおよびエラスターゼ溶液10μLを添加し、37℃で3分間インキュベーションした。次いで、S−2484溶液を各ウェルに10μL添加して、さらに37℃で正確に10分間インキュベーションした。その後、各ウェルに20%酢酸溶液50μLを加えて反応を停止させ、反応液の波長405nmにおける吸光度を測定した。
F1031−13S−D2(3)およびF1024D−SLPI(D1D2)、F1024D−SLPI(D2)、F1024S−SLPI(D1D2)またはF1024S−SLPI(D2)のの融合蛋白質の阻害活性を同様のアッセイ系を用いて評価する。
F1024S−D2(3)およびF1024D−D2(3)を希釈液(既出)で段階希釈し、阻害活性測定用サンプルとした。これと併行して、Kallicrein from Human plasma(SIGMA−Aldrich Co.)を希釈液にて20mU/mLとなるよう調製し、血漿カリクレイン溶液とした。また、合成基質S−2302(第一化学薬品株式会社)を水にて4mMとなるよう調製し、S−2302溶液とした。
各試薬類を調製後、96ウェルマイクロタイタープレート(Nunc)に、阻害活性測定用サンプル10μL、希釈液70μLおよび血漿カリクレイン溶液10μLを添加し、37℃で3分間インキュベーションした。次いで、S−2302溶液を各ウェルに10μL添加して、さらに37℃で30分間インキュベーションした。その後、各ウェルに20%酢酸溶液50μLを加えて反応を停止させ、反応液の波長405nmにおける吸光度を測定した。
F1031−13S−D2(3)の阻害活性を同様のアッセイ系を用いて評価する。
(1)ヒトおよびウサギにおける活性化部分トロンボプラスチン時間(APTT)延長作用の確認
正常ヒト血漿は、デイドサイトロールレベル1(DADE BEHRING社)を使用した。ウサギ血漿は、雄性ウサギ(ニュージーランドホワイト種、2.6〜2.7kg、北山ラベス)の耳動脈より1/10容の3.8%クエン酸ナトリウム(血沈用チトラート、岩城製薬)を含むシリンジを用いて採血し、4℃、3000rpm(05PR−22、日立社)の条件で10分間遠心することにより取得した。
ヒトあるいはウサギ血漿113μLに、F1024S−D2(3))溶液20μLを終濃度が0、1.56、3.13、6.25、12.5、25、50、100μg/mLとなるように添加し、血液凝固測定装置(AMAX CS190、エム・シー・メディカル社)にセットした。血液凝固測定装置にて混合液から50μLを分取し、APTT測定用試薬(DADE BEHRING社)50μLを加え、2分間インキュベーションした後に、25mM CaCl2を50μL添加して、凝固時間を測定した。その結果、F1024S−D2(3)は、濃度に依存してヒトおよびウサギAPTTを延長し、ヒトおよびウサギのAPTT1.5倍延長濃度は、それぞれ9.06μg/mLおよび40.96μg/mLであった。
F1031−13S−D2(3)のAPTT延長を同様のアッセイ系を用いて評価する。
4−1)LPS負荷ウサギ敗血症モデルにおける融合蛋白質の生存率改善効果
LPS負荷ウサギ敗血症致死モデルを作製し、融合蛋白質の後投与での生存率改善を検討した。
LPS負荷ウサギ敗血症モデルを、Schimkeらの方法(Proc.Natl.Acad.Sci.USA,95:13875,1998)に準じ、ニュージーランドホワイト種(1.8−2.6kg、北山ラベス)にLPS(Salmonella Minnesota Re595、SIGMA社)を15μg/kgで0、5および24時間に耳静脈内投与して作製した。F1024S−D2(3)を1mg/kgの用量で2、8および23時間に耳介静脈内投与した。対照群には融合蛋白質の替わりにヒト免疫グロブリンを投与した。48時間まで生死を観察し、カプランマイヤー生存曲線を描いた。その結果、F10243−D2(3)投与により、対照群に比べて生存率が改善された(図26)。
同試験系において、F1024D−SLPI(D1D2)、F1024D−SLPI(D2)、F1024S−SLPI(D1D2)またはF1024S−SLPI(D2)の投与も生存率改善作用を示す。
LPS負荷ウサギ敗血症モデルを作製し、融合蛋白質の後投与での炎症および凝固パラメーターへの影響を検討した。
LPS負荷ウサギ敗血症モデルは、Schimkeらの方法(Proc.Natl.Acad.Sci.USA,95:13875,1998)に準じ、ニュージーランドホワイト種(1.8−2.6kg、北山ラベス)にLPS(Salmonella Minnesota Re595、SIGMA社)を10μg/kgで0、5および24時間に耳静脈内投与して作製した。F1024S−D2(3)を0.3、1および3mg/kgの用量で2、8および23時間に耳介静脈内投与した。対照群には融合蛋白質の替わりにヒト免疫グロブリンの3mg/kgを投与した。
炎症パラメーターは白血球数および血漿中TNF−濃度、凝固パラメーターは血小板数および血漿中アンチトロンビンIII活性とした。
血球数はSysmex F−820(シスメックス株式会社)を用いて計数した。TNF−α濃度はPurified Goat Anti−rabbit TNF polyclonal Antibody(BD Biosciences)およびBiotinylated Mouse Anti−rabbit TNF−α monoclonal Antibody(BD Biosciences)によるサンドイッチELISA法にて測定した。
アンチトロンビンIII活性はテストチームATIII・2キット(第一化学薬品株式会社)を用いて測定した。
同試験系においてF1031−13S−D2(3)投与群は対照群と比較して、白血球数の減少、血漿中TNF−α濃度の上昇、血小板数の現象およびアンチトロンビンIII活性の減少に対して改善作用を示す。
LPS負荷ウサギ敗血症モデルを作製し、融合蛋白質の後投与での血圧低下改善効果を検討した。
LPS負荷ウサギ敗血症モデルは、Schimkeらの方法(Proc.Natl.Acad.Sci.USA,95:13875,1998)に準じ、ニュージーランドホワイト種(1.8−2.6kg、北山ラベス)にLPS(Salmonella Minnesota Re595、SIGMA社)を5μg/kgで0および5時間に耳静脈内投与して作製した。F1024S−D2(3)は1mg/kgの用量でLPS初回投与後2時間に耳介静脈内投与した。対照群には融合蛋白質の替わりにヒト免疫グロブリンの1mg/kgを投与した。
LPS投与前、ならびに投与4、6および8時間後に頸動脈に挿入したカテーテルを血圧トランスデューサー(DT−XX、日本BDメディカルシステムズ)に接続して平均動脈血圧を測定した。その結果、F1024S−D2(3)投与群は対照群と比較して血圧低下が改善された(図30)。
同試験系においてF1031−13S−D2(3)投与群は対照群と比較して血圧低下を改善することが確認される。
5−1)F1024S−D2(3)およびF1024D−D2(3)生産株用発現プラスミドの構築
F1024S−D2(3)およびF1024D−D2(3)を生産する安定生産株の樹立に用いる発現プラスミドは以下の方法で構築した。
実施例1で構築したF1024S−D2(3)重鎖発現プラスミドpTK−2370あるいはF1024D−D2(3)重鎖発現プラスミドpTK−2368をそれぞれEcoRIおよびKpnIで消化し、約1.7kbの断片を回収した。また、マウスDHFR発現ユニット、EF1αプロモーターを持つ発現プラスミドpM1103(WO97/42319参照)を、同様にEcoRIおよびKpnIで消化し、約7.9kbの断片を回収した。それぞれの重鎖発現プラスミドの消化断片と、pM1103消化断片をライゲーションした後、定法に従いJM109コンピテントセルを形質転換することで、生産株作製用F1024S−D2(3)重鎖発現プラスミドpEFD2370あるいはF1024D−D2(3)重鎖発現プラスミドpEFD2368を得た。一方、軽鎖発現プラスミドはF1024S−D2(3)、F1024D−D2(3)で共通であり、以下の方法で構築した。一過性用発現プラスミドpTK−2344をBamHIで消化後、末端を平滑化し、さらにEcoRIで消化することにより、0.7kbの断片を回収した。また、pM1103をKpnIで消化後、末端を平滑化した後に、EcoRI消化して約7.9kbの断片を回収した。pTK−2344消化断片とpM1103消化断片をライゲーションした後、定法に従いJM109コンピテントセルを形質転換することで、生産株作製用軽鎖発現プラスミドpEFD2344を得た。
DHFR遺伝子欠損CHO細胞に実施例5−1)で構築した重鎖および軽鎖発現プラスミドをco−transfectionし、キメラ抗体融合蛋白質産生形質転換CHOを樹立した。すなわち、HT media Supplement(50×)Hybri−Max(SIGMA;終濃度1×で使用)および200mML−Glutamine(SIGMA;終濃度4mMで使用)を含むEX−CELL 325 PF CHO(JRH Bioscience)にて馴化培養したCHO DXB11をtransfection当日に遠心後、8×106cells/150Rouxの濃度でフラスコに植え込んだ。FuGENE6(ロッシュダイアグノティクス)125μLを用いて、重鎖発現プラスミド12.5μgと軽鎖発現プラスミド12.5μg(すなわち、pEFD2370+pEFD2344あるいはpEFD2368+pEFD2344)をFuGENE6添付プロトコールに準じ調製し、先のCHO DXB11へco−transfectionした。5%CO2で37℃、2日間培養した後に、細胞を回収し、HT不含4mML−Glutamine含有EX−CELL 325 PF CHO培地(以下EX−CELL(HT−)と記載)で一度、PBS−で一度洗浄し、EX−CELL(HT−)に再度懸濁した。次に3,000〜48,000cells/wellで96ウェルプレートに細胞を蒔き直し、5%CO2、37℃で培養を続け、3日あるいは4日毎に培地の半量を新しいEX−CELL(HT−)に交換した。約1ヶ月間培養を続けた後、コロニーが発生したウェル内の細胞を新しいプレートに移し、培養上清中のキメラ抗体量を実施例2に記載のEIA方で測定した。上清中にキメラ抗体の発現が確認された細胞をキメラ抗体融合蛋白質産生形質転換株として得た。
実施例5−2)で得られたキメラ抗体融合蛋白質発現形質転換CHO株を、Methotrexate(以下MTXと表記)を含むEX−CELL(HT−)培地で選択培養することにより、遺伝子増幅作業を行い目的のキメラ抗体融合蛋白質の生産量が上昇しているクローンの選択を行った。
上記5−2)で得られたF1024S−D2(3)産生形質転換株を100nM MTX含有EX−CELL(HT−)培地に懸濁し、96ウェルプレートに巻き込んだ。3日あるいは4日毎に培地の半量を新しい100nM MTX含有EX−CELL(HT−)に交換し、コロニーが生じるまで5%CO2、37℃で培養を続けた。得られたコロニーの発現量をEIA法で確認し、生産量の増加しているクローンを選択し、引き続き300nM MTX含有EX−CELL(HT−)培地にて懸濁し、96ウェルプレートに巻き込み選択培養を行った。その後、100nM MTXの選択培養と同様の操作を行い、生産量が約20倍上昇した形質転換株を得ることができた。尚、MTXの濃度を3〜10倍段階的に上げた培地で選択培養を繰り返すことで、さらに生産量が増加するクローンを得ることができる。
上記5−2)で得られたF1024D−D2(3)産生形質転換株を実施例5−2)と同様の方法で処理し高生産株を得た。MTX選択培養は1回目が100nMの濃度で、2回目は1000nMの濃度で行った。その結果、生産量がEIA値で約60μg/mLのクローンを得ることができた。
6−1)可溶型ヒトCD14アミノ酸置換体発現プラスミド構築
F1024抗体の認識領域を解析するため、表5に記載した可溶型ヒトCD14アミノ酸置換体31種をそれぞれ作製した。尚、可溶型CD14分子のN末端より263番目のAsnをGlnに置換した1アミノ酸置換体を「N263Q」と記載し、他の1アミノ酸置換体も同様に記載した。但し、294番目のProおよび296番目のProの両方をAlaに置換した2アミノ酸置換体は「P294/296A」と記載した。これらの置換体発現プラスミドは以下の方法で構築した。
上記7−1)で作製した各発現プラスミドを下記の方法でCOS−1細胞に導入した。すなわち、FuGENE6(ロシュ・ダイアグノスティックス社)50μLを上記プラスミドDNA各12.5μgと添付プロトコールに従い混合し、150cm2フラスコにセミコンフルエントに増殖したCOS−1細胞に添加した。引き続き、5%CO2、37℃の条件下で3〜4日間培養行い、上清中にヒトCD14アミノ酸置換体を発現させた。発現の有無の確認はWO02/42333に記載のCD14抗体を用いたEIA法にて行った。その結果、表5に記載の置換体の内、N263Q、L276A、L283A、N288AおよびL290A以外の全ての発現が確認できた。
可溶型ヒトCD14アミノ酸置換体を以下の方法で精製した。上記6−2)で得られた培養上清を、抗ヒトCD14抗体(3C10)を結合したアフィニティー精製用カラム(NHS−activated Sepharose4 Fast Flow;アマシャム バイオサイエンス)に供して選択的に吸着させ、10mM HClにて溶出した。得られた溶出画分は、直ちに10×PBS−(SIGMA)を終濃度2×になるように加え、中和した。その後、生理食塩水に対して透析し、得られた透析液を精製標品とした。
各可溶型ヒトCD14アミノ酸置換体のF1024抗体に対する反応性を確認するために、以下の競合実験を行った。まず、可溶型CD14分子(356(CHO);調製方法は下記6−5)に記載)をPBS−にて4μg/mLに希釈し、96ウェルプレート(F8 MaxiSorp;NUNC)に50μL/wellで添加し、4℃で一晩静置した。その後、0.05%Tween20を含むPBS−で3回洗浄し、2%StabilGuard(SurModics,Inc.)を含むPBS−を各ウェルに200μL/well添加し、37℃で30分インキュベーションした後に、4℃で保存した。一方、実施例6−3)で精製した各可溶型ヒトCD14アミノ酸置換体を0.1%BSA含有PBS−で2〜0.02μg/mLに希釈した。また、HRP標識F1024抗体を0.1%BSA含有PBS−で2μg/mLに希釈し、先のヒトCD14アミノ酸置換体と等量(25μL+25μL)混合した。次に可溶型CD14固相化プレートのwellから液を除去し、CD14アミノ酸置換体/HRP標識F1024混合液を50μL/well添加し、37℃で2時間インキュベーションした。0.05%Tween20含有PBS−で5回洗浄後、発色基質としてTMB溶液(BioFX)を各ウェルに50μL/wellずつ添加した。室温で5分間反応後、1M 塩酸溶液50μL/wellで反応を停止し、プレート分光光度計で450nmの吸光度を測定した。
その結果、多くのアミノ酸置換体は添加濃度依存的に吸光度が低下しており、356(CHO)と競合して、F1024抗体に結合しているのが確認されたが、P294H、P294/296A、Q295AおよびP296Hでは、添加濃度に関わらず、吸光度の低下が確認されず、F1024抗体への結合が起きていないと判断した(図31)。すなわち、CD14の294、295、296番目のPro、Gln、ProがF1024抗体の結合に重要な領域であることが明らかになった。
CHO細胞を用いて可溶型ヒトCD14分子(356(CHO))を以下の方法で調製した。
(1)発現プラスミドの構築
WO02/42333に記載のpM1656をHindIIIで消化し、DNA Blunting Kit(タカラバイオ)を用いて、末端を平滑化した。次にXbaIで消化を行い、電気泳動により、約1.4kbの断片を分離回収した。また、マウスDHFR発現ユニット、EF1αプロモーターを持つ発現プラスミドpM1103をNotIで消化し、DNA Blunting Kit(タカラバイオ)を用いて、末端を平滑化した。次にXbaIで消化を行い、電気泳動により、約8.0kbの断片を分離回収した。この約8.0kbの断片にpM1656由来の約1.4kb断片を挿入ライゲーションし、大腸菌JM109を形質転換することで、356(CHO)発現プラスミドを得ることができた。
DHFR遺伝子欠損CHO細胞にこの発現プラスミドを導入し、356(CHO)を発現する形質転換株を樹立した。すなわち、すなわちFuGENE6(ロシュ・ダイアグノスティックス)50μLを上記プラスミドDNA12.5μgと添付プロトコールに従い混合し、150cm2フラスコにセミコンフルエントに増殖したCHO DXB11細胞(増殖培地は10%非働化FBS含有Ham’s F−12培地(Invitrogen)を使用)に添加し、5%CO2で37℃、一晩培養した。翌日、細胞をトリプシンで剥離回収し、10%非働化透析FBS含有α−MEM(リボヌクレオシド・デオキシリボヌクレオシド不含)(Invitrogen)培地(以下、選択培地と記載)にて、96ウェルプレートに細胞を蒔き直した。5%CO2、37℃で培養を続け、3日あるいは4日毎に培地の半量を新しい選択培地に交換した。3〜4週間培養を続けた後、コロニーが発生したウェル内の細胞を新しいプレートに移し、培養上清中の可溶型CD14産生量をWO02/42333に記載のCD14抗体を用いたEIA法にて行った。発現量の高いクローンNo.P3を可溶型CD14発現株として樹立した。
356(CHO)発現量を増加させるために、MTXを含む選択培地でP3クローンを選択培養し、遺伝子増幅により356(CHO)の生産量を増加させた。すなわち、実施例6−5)(2)で得られたP3クローンを、15nMのMTXを含む選択培地に懸濁し、10cm培養dishに巻き込んだ。3日あるいは4日毎に培地を新しい15nM MTX含有選択培地に交換し、コロニーが生じるまで5%CO2、37℃で培養を続けた。得られたコロニーをプレートに植え継ぎ、上清中の356(CHO)発現量をEIA法で確認し、発現量の増加しているクローンP3−54を得た。
上記6−5)(3)で得られたP3−54クローンを選択培地で培養し、その上清中に発現している356(CHO)を実施例6−3)と同様の方法で精製した。
7−1)F1024S−D2のUTI第2ドメインの改変体の作製
UTIドメインの15番目のアルギニンをアラニンに置換(R15Aと表記)した場合を例にとると、先ず、変異を導入したい部分およびその近傍10アミノ酸前後をコードするプライマー(表7)を設計し、合成を行った。
この増幅産物を制限酵素BamHIおよびNotIで切断後、アガロースゲル電気泳動し、その断片を抽出した後に、予め同様にBamHIおよびNotIで切断しておいたpTK−2355のベクター部分とT4DNAリガーゼで連結することにより、R15A変異を導入したF1024S−D2改変体重鎖を発現可能なプラスミド(pTK−2730)を構築することができた。このプラスミドをCOS−1細胞に、軽鎖発現プラスミド(pTK−2344)とコトランスフェクションさせることで、培養上清中にF1024S−D2(R15A)改変体が発現されるのを確認し、Prosep−Aカラムで発現産物の精製を行った。
同様の方法を用いることで、表9に示す80種類のF1024S−D2のUTI第2ドメイン改変体を作製し、CD14抗原に対し、結合能を保持していることを確認した。また、表9に示す各改変体のUTI第2ドメインのアミノ酸配列は、図32〜図35に示す。
実施例3−2)の(3)と同様の方法により、上記で作製した80種類のF1024S−D2改変体及びF1024−D2(3)のエラスターゼ阻害活性を測定した。ただし、S−2484溶液添加後の37℃インキュベーションは5分間とした。その結果、以下の発現プラスミド由来融合蛋白質(F1024S−D2改変体)はF1024S−D2(3)と同等のエラスターゼ阻害活性を示すことが確認された。
pTK−2730(R15A)、pTK−2737(R15I)、pTK−2739(R15L)、pTK−2740(R15M)、pTK−2745(R15T)、pTK−2746(R15V)、pTK−2866(R11S/R15T/Q19A/Y46D)、pTK−2867(R11S/R15T/Q19C/Y46D)、pTK−2868(R11S/R15T/Q19D/Y46D)、pTK−2869(R11S/R15T/Q19E/Y46D)、pTK−2870(R11S/R15T/Q19F/Y46D)、pTK−2871(R11S/R15T/Q19G/Y46D)、pTK−2872(R11S/R15T/Q19H/Y46D)、pTK−2873(R11S/R15T/Q19I/Y46D)、pTK−2874(R11S/R15T/Q19L/Y46D)、pTK−2875(R11S/R15T/Q19M/Y46D)、pTK−2876(R11S/R15T/Q19N/Y46D)、pTK−2877(R11S/R15T/Q19P/Y46D)、pTK−2878(R11S/R15T/Y46D)、pTK−2879(R11S/R15T/Q19R/Y46D)、pTK−2880(R11S/R15T/Q19S/Y46D)、pTK−2881(R11S/R15T/Q19T/Y46D)、pTK−2882(R11S/R15T/Q19V/Y46D)、pTK−2883(R11S/R15T/Q19W/Y46D)、pTK−2884(R11S/R15T/Q19Y/Y46D)、pTK−2889(R11S/R15T/F17A/Y46D)、pTK−2890(R11S/R15T/F17C/Y46D)、pTK−2891(R11S/R15T/F17D/Y46D)、pTK−2892(R11S/R15T/F17E/Y46D)、pTK−2932(R11A/R15T/Y46D)、pTK−2893(R11S/R15T/F17G/Y46D)、pTK−2933(R11C/R15T/Y46D)、pTK−2895(R11S/R15T/F17H/Y46D)、pTK−2934(R11D/R15T/Y46D)、pTK−2896(R11S/R15T/F17I/Y46D)、pTK−2935(R11E/R15T/Y46D)、pTK−2897(R11S/R15T/F17L/Y46D)、pTK−2936(R11F/R15T/Y46D)、pTK−2898(R11S/R15T/F17M/Y46D)、pTK−2937(R11G/R15T/Y46D)、pTK−2899(R11S/R15T/F17N/Y46D)、pTK−2938(R11H/R15T/Y46D)、pTK−2900(R11S/R15T/F17P/Y46D)、pTK−2939(R11I/R15T/Y46D)、pTK−2901(R11S/R15T/F17Q/Y46D)、pTK−2940(R11K/R15T/Y46D)、pTK−2902(R11S/R15T/F17R/Y46D)、pTK−2941(R11L/R15T/Y46D)、pTK−2903(R11S/R15T/F17S/Y46D)、pTK−2942(R11M/R15T/Y46D)、pTK−2904(R11S/R15T/F17T/Y46D)、pTK−2943(R11N/R15T/Y46D)、pTK−2905(R11S/R15T/F17V/Y46D)、pTK−2944(R11P/R15T/Y46D)、pTK−2906(R11S/R15T/F17W/Y46D)、pTK−2945(R11Q/R15T/Y46D)、pTK−2907(R11S/R15T/F17Y/Y46D)、pTK−2946(R15T/Y46D)、pTK−2947(R11T/R15T/Y46D)、pTK−2948(R11V/R15T/Y46D)、pTK−2949(R11W/R15T/Y46D)、pTK−2950(R11Y/R15T/Y46D)、pTK−2824(R11S/R15I/Q19K/Y46D)、pTK−2825(R11S/R15L/Q19K/Y46D)、pTK−2826(R11S/R15T/Q19K/Y46D)、pTK−2827(R11S/R15V/Q19K/Y46D)
融合蛋白質F1024−D2(4)(R11S/R15T/Q19K/Y46D)の全アミノ酸配列の説明図を示したものを図36に示す。
8−1)F1024S−TM発現プラスミドの構築
抗CD14抗体(F1024S)とTMの各種機能ドメインとの融合蛋白質を作製するため、HeLaゲノムDNAを鋳型とし、プライマー対(TM−b,TM−g)によるPCRを行って、ヒトのトロンボモジュリン(以下TM)遺伝子全長を増幅し、pT7−BlueベクターへTAクローニングした。配列を確認後、pT7−TMとした。
次にpT7−TMを鋳型とし、プライマー対(TMD123456,TMdomain2−Not1Bgl2)でPCRを行い、得られた増幅断片を制限酵素BamHIおよびBglIIで切断後、予め調製しておいたベクター(実施例1表3に記載のpTK−2354を、制限酵素BamHIで切断後、脱リン酸化処理を行って調製)と混合し、T4DNAリガーゼによる結合反応を行うことで、TMのアミノ酸番号227番目のシステイン〜462番目のシステイン(Cys227〜Cys462)をF1024Sに付加した融合蛋白質(F1024S−TM123456Mと表記)の重鎖を発現可能なプラスミドpTK−2754を構築した。同様の方法で、プライマー対(TMD123456,TMdomain3−Not1Bgl2)を用いることで、アミノ酸番号227番目のシステイン〜497番目のセリン(Cys227〜Ser497)を付加した融合蛋白質(F1024S−TM1234567Mと表記)の重鎖を発現可能なプラスミドpTK−2755を、プライマー対(TMD23456,TMdomain2−Not1Bgl2)を用いることで、263番目のトレオニン〜462番目のシステイン(Thr263〜Cys462)を付加した融合蛋白質(F1024S−TM23456Mと表記)の重鎖を発現可能なプラスミドpTK−2756を、プライマー対(TMD23456,TMdomain3−Not1Bgl2)を用いることで、263番目のトレオニン〜497番目のセリン(Thr263〜Ser497)を付加した融合蛋白質(F1024S−TM234567Mと表記)の重鎖を発現可能なプラスミドpTK−2757を、プライマー対(TMD3456,TMdomain2−Not1Bgl2)を用いることで、306番目のグルタミン〜462番目のシステイン(Glu306〜Cys462)を付加した融合蛋白質(F1024S−TM3456Mと表記)の重鎖を発現可能なプラスミドpTK−2758を、プライマー対(TMD3456,TMdomain3−Not1Bgl2)を用いることで、306番目のグルタミン〜497番目のセリン(Glu306〜Ser497)を付加した融合蛋白質(F1024S−TM34567Mと表記)の重鎖を発現可能なプラスミドpTK−2759を、プライマー対(TMD456,TMdomain2−Not1Bgl2)を用いることで、345番目のバリン〜462番目のシステイン(Val345〜Cys462)を付加した融合蛋白質(F1024S−TM456Mと表記)の重鎖を発現可能なプラスミドpTK−2760を、プライマー対(TMD456,TMdomain3−Not1Bgl2)を用いることで、345番目のバリン〜497番目のセリン(Val345〜Ser497)を付加した融合蛋白質(F1024S−TM4567Mと表記)の重鎖を発現可能なプラスミドpTK−2761をそれぞれ構築した。
一方、TMの酸化による活性低下を抑制する為に、アミノ酸番号388番目のメチオニン(Met388)をロイシン(Leu)に置換した変異体(M388L)も、以下の方法で作製した〔Clarke,JH.ら、J.Biol.Chem.268,6309−6315(1993)〕。すなわち、pT7−TMを鋳型とし、各プライマー対〔TMD123456,TM(M388L)−a〕および〔TMdomain2−Not1Bgl2,TM(M388L)−s〕によるPCR反応後に、各増幅産物を混合し、プライマー対(TMD123456,TMdomain2−Not1Bgl2)で再度PCRすることで、M388Lの変異を有した227番目のシステインから462番目のシステイン(Cys227〜Cys462)をコードする遺伝子断片を増幅することができた。上記と同様に、この断片を制限酵素BamHIおよびBglIIによる切断およびリガーゼ反応によるベクターへの結合によって、M388Lの変異を有するTMの227番目のシステインから462番目のシステイン(Cys227〜Cys462)領域を、抗体分子F1024Sに付加した融合蛋白質(F1024S−TM123456Lと表記)の重鎖を発現可能なプラスミドpTK−2762を構築した。最終的に、pTK−2755にM388Lの変異を導入した融合蛋白質(F1024S−TM1234567Lと表記)の重鎖を発現可能なpTK−2763、pTK−2756にM388Lの変異を導入した融合蛋白質(F1024S−TM23456Lと表記)の重鎖を発現可能なpTK−2764、pTK−2757にM388Lの変異を導入した融合蛋白質(F1024S−TM234567Lと表記)の重鎖を発現可能なpTK−2765、pTK−2758にM388Lの変異を導入した融合蛋白質(F1024S−TM3456Lと表記)の重鎖を発現可能なpTK−2766、pTK−2759にM388Lの変異を導入した融合蛋白質(F1024S−TM34567Lと表記)の重鎖を発現可能なpTK−2767、pTK−2760にM388Lの変異を導入した融合蛋白質(F10248−TM456Lと表記)の重鎖を発現可能なpTK−2768、pTK−2761にM388Lの変異を導入した融合蛋白質(F1024S−TM4567Lと表記)の重鎖を発現可能なpTK−2769をそれぞれ構築した。
表10に使用したプライマーの配列、表11に、各抗CD14抗体(F1024S)融合蛋白質と各発現プラスミドを示す。
なお、各抗CD14抗体(F1024S)融合蛋白質のアミノ酸配列は、図37〜44並びに配列表に示す。
また、融合蛋白質F1024−TM23456Lの全アミノ酸配列の説明図を示したものを図45に示す。
尚、各融合蛋白質がCD14抗原に対し結合活性があることを、EIAによる結合実験で確認した。
トロンボモジュリン(TM)が、血中でトロンビンと複合体を形成し、血液凝固阻害因子のプロテインCを活性化する作用を指標として以下のようにTM活性を測定した。
反応(活性測定)はマルチチューブにて実施した。希釈は0.14mol/L塩化ナトリウム、10mmol/L塩化カルシウム及び1mg/mL牛血清アルブミンを含む25mmol/Lトリス−塩酸緩衝液(pH7.4)で行った。検体40μLに6U/mLヒトトロンビン(SIGMA)10μLを加え、37℃で10分間プレインキュベートした。次いで、24μg/mLプロテインC(american diagnostica inc.)10μLを加え、37℃で5分間インキュベートした。0.15U/mLアンチトロンビンIII(ミドリ十字)−15U/mLヘパリン(持田製薬)混合液40μLを加え、37℃で10分間インキュベートした。3.2mmol/L活性化プロテインC基質S−2366(第一化学薬品)100μLを加え37℃で10分間インキュベート後、50%酢酸200μLを加え反応を停止した。反応液300μLを96穴平底プレートに移し、プレートリーダー(Molecular Devices)にて405nmの吸光度を測定した。ポジティブコントロールとしてはヒトトロンボモジュリンMR−33(持田製薬)を使用した。その結果、すべてのF1024S−TM融合蛋白質はプロテインC活性化促進活性を有していた。特に、F1024S−TM23456M、F1024S−TM234567M、F1024S−TM23456LおよびF1024S−TM234567Lは高いプロテインC活性化促進活性を有していた。また、M388L型の置換変異体の活性が相対的に高かった(図46)。
9−1)発現プラスミドの構築
LinkerSG−4−s(5’ pGATCTGGAGGTGGAG 3’:5’端はリン酸化)およびLinker SG−4−a(5’ pGATCCTCCACCTCCA 3’:5’端はリン酸化)を混合後、96℃で2分間インキュベートし、ゆっくり室温にもどしアニールさせた。その適量を予め調製しておいたベクター断片〔実施例1に記載のpT7−SLPI(D2)を、制限酵素BglIIで切断し、さらに脱リン酸化処理を行って、アガロースゲル電気泳動およびゲルからの断片抽出を行ったもの〕と混合し、T4DNAリガーゼで結合させた。この作業によって、SLPI(D2)に1コピーのGGGGSリンカーが付加されたプラスミドpTK−2729を構築した。さらに、このpTK−2729を制限酵素BglIIで切断し、上記と同様の作業を繰り返すことで、SLPI(D2)に2コピーのGGGGSリンカーが付加されたpTK−2749と3コピーが付加されたpTK−2750を構築した。
次に、pTK−2729、pTK−2749およびpTK−2750を制限酵素BglIIおよびNotIで切断し、リンカー+SLPI(D2)部分をコードする遺伝子断片を調製した(それぞれ、断片1、断片2および断片3)。実施例1(表3)に記載のpTK−2396構築時と同様、遺伝子断片AおよびDと各断片とをT4DNAリガーゼによりひとつにつなげ、抗体分子とSLPI(D2)との間にリンカーとしてGSGGGGS或いはGSGGGGSGGGGS、GSGGGGSGGGGSGGGGSを有するF1024S−SLPI(D2)リンカー改変体重鎖発現プラスミド(それぞれpTK−2751、pTK−2752、pTK−2753)を構築した。
これらのプラスミドをCOS−1細胞に、軽鎖発現プラスミド(pTK−2344)とコトランスフェクションさせることで、培養上清中にF1024S−SLPI(D2)リンカー改変体が発現され、Prosep−Aカラムで発現産物の精製を行った。
精製産物は、いずれもCD14抗原に対して結合活性があることを確認した。
なお、表12および表13に各プライマーおよびリンカーの配列番号を示す。
実施例3−2)の(3)と同様の方法により1024D−SLPI(D1D2)、F1024D−SLPI(D2)、F1024S−SLPI(D1D2)およびF1024S−SLPI(D2)、さらには、SLPI(D2)に1、2および3コピーのGGGGSリンカーが付加された融合蛋白質のエラスターゼ阻害活性を測定した。ただし、S−2484溶液添加後の37℃インキュベーションは5分間とした。
なお、コントロールとして、希釈液80μLにエラスターゼ溶液10μLを混合し、37℃で3分間インキュベーションした後、S−2484溶液10μLを加え、37℃で正確に5分間インキュベーション後、20%酢酸溶液50μLを加えたものを使用した。その結果、F1024S−SLPI(D1D2)、F1024S−SLPI(D2)の50%阻害濃度はそれぞれ22.5μg/mLおよび26.9μg/mLであった。また、SLPI(D2)に1、2および3コピーのGGGGSリンカーが付加された融合蛋白質の50%阻害濃度はそれぞれ11.6μg/mL、11.9μg/mLおよび11.6μg/mLであった。
F1024−1−3ラット抗体の重鎖および軽鎖可変領域の各アミノ酸配列をデータベース上でサーチした結果、それぞれヒト抗体であるIGHV7−81(BC032733)およびHUMIGRFFM(L48242)と相同性が高いと判断した。そこで、F1024抗体両鎖の3つの相補性決定領域(CDR)を、(1)IGHV7−81およびHUMIGRFFM(以下RFと表記)の、あるいは(2)結晶構造解析が詳細に行われているNEW、EuおよびREIの、各フレームワーク(FR)に移植することで、ヒト化を行った(図47参考)。各アミノ酸配列(図48)を基に、塩基配列を設計し、いくつかに分割して合成することで、全6種類の遺伝子断片をそれぞれ調製した。各断片を、重鎖はpTK−2370、軽鎖はpTK−2344の各可変領域と置換し、発現プラスミド(重鎖:IGHV7−81−HAはpTK−2887、NEW−HAはpTK−2679、Eu−HAはpTK−2685、軽鎖:RF−KAはpTK−2955、REI−KAはpTK−2680、Eu−KAはpTK−2681)を構築した。これらの各プラスミドと、キメラ抗体発現プラスミド(重鎖はpTK−2370、軽鎖はpTK−2344)とをCOS−1細胞に様々な組み合わせでコトランスフェクションし、その上清中に分泌された抗体の、GPVI抗原に対する結合活性を比較した。
重鎖に関しては、ヒト化したことによって、いずれも発現量が著しく低下していた。そこで、各FRにいくつかの変異を導入して検討を行なった。一方、軽鎖はいずれも発現および結合活性が確認できた。
3種類のヒト化重鎖発現プラスミドに関しては、FR中のヒト特異的配列のいくつかをラット由来の配列に戻して作製した変異体を多数構築し、詳細に解析したことで、最終的に発現および結合活性を維持した配列(IGHV7−81−HCはpTK−2909、IGHV7−81−HXはpTK−3007、NEW−HBはpTK−2803、Eu−HBはpTK−2811)を得ることができた。(図49にアミノ酸配列を記載)
最後に、ヒト化重鎖およびヒト化軽鎖の組み合わせを検討し、最も発現および結合活性の高い組み合わせが、IGHV7−81−HXとRF−KAその他の軽鎖との組合せであった。
同様の手法を用いて、他の抗体融合蛋白質についても抗体部分をヒト化する。
1−1 F1024S−D2(3)安定高発現プラスミド(pTK−2671)の構築
F1024S−D2(3)重鎖一過性発現プラスミド(pTK−2370:実施例1に記載)を鋳型とし、表14に示すプライマー対(F1024H−kozak,IgG4−l)でPCRを行った。この増幅産物を制限酵素EcoRIおよびNheIで切断後、アガロースゲルで電気泳動し、F1024抗体重鎖可変領域を含む遺伝子断片(断片U)を抽出した。なお、表14に使用プライマーの配列番号を示す。
EFプロモーター、ヒト軽鎖定常領域およびマウスDHFR発現ユニット〔プロモーターとしてSV40プロモーター(エンハンサー領域は含まない)、polyAシグナルもSV40由来〕を有するプラスミド(pTK−2577)を、制限酵素BsiWIおよびEcoRIで切断後、アガロースゲルで電気泳動し、目的とするベクター断片(断片X)を抽出した。一方、Sse8387IおよびNcoIで切断後、アガロースゲルで電気泳動し、EFプロモーター領域を含む遺伝子断片(断片Y)も抽出した。
各遺伝子断片U〜Yを、T4DNAリガーゼ(タカラバイオ株式会社)で、ひとつにつなげ、F1024S−D2(3)の重鎖、軽鎖を同時に発現可能であり、導入細胞でのマーカーとなるマウスDHFR発現ユニットを有する安定発現用プラスミド(pTK−2671)を構築した。
他の抗体融合蛋白質についても同様の手法を用いて、安定高発現プラスミドを構築する。
12−1)ブラジキニン産生阻害作用の確認
(1)APTT試薬惹起ヒトおよびウサギ血漿中ブラジキニン産生に対する抑制作用の確認
正常ヒト血漿はデイドサイトロールレベル1(DADE BEHRING社)を使用した。ウサギ血漿は、雄性ウサギ(ニュージーランドホワイト種、北山ラベス)の耳動脈より1/10容の3.8%クエン酸ナトリウム(血沈用チトラート、岩城製薬)を含むシリンジを用いて採血し、4℃、3000rpm(05PR−22、日立)の条件で10分間遠心して取得した。ヒトあるいはウサギ血漿80μLにo−phenanthroline溶液を添加後、希釈液で段階希釈したF1024S−D2(3)溶液を終濃度が0、1、3、10および30μg/mLとなるように、あるいはヒト免疫グロブリン(hIg)は終濃度が30μg/mLになるように添加し、混合した後に、37℃で10分間インキュベーションした。ミリQ水で希釈したAPTT試薬を80μL添加し、37℃で10分間インキュベーションした。採取した100μLにブラジキニン測定キット(マーキットMブラジキニン、大日本製薬)に付属の除蛋白剤を20μL添加した後、4℃、10000rpm(MRX−150、TOMY)、10分間の遠心で取得した上清中のブラジキン濃度をブラジキニン測定キットを用いて測定した。その結果、F1024S−D2(3)は濃度に依存してヒトおよびウサギのAPTT試薬惹起血漿中ブラジキニン産生を抑制した(図50〜51)。
(1)トロンボプラスチン惹起(FactorXI依存性)ヒト血漿中トロンビン産生に対する抑制作用の確認
ヒト血小板3×105/μLを含むヒト血漿およびウサギ血小板3×105/μLを含むウサギ血漿のそれぞれにF1024S−D2(3)溶液を終濃度が0、3、10、30、100、300μg/mLになるように、あるいはヒト免疫グロブリン(hIg)は終濃度が300μg/mLになるように加え、37℃にて10分間プレインキュベートした。その後、25mmol/L CaCl2溶液にて8000倍に希釈したトロンボプラスチン(シンプラスチンエクセル、BIOMERIEUX)溶液を添加し、37℃でインキュベートを開始した。トロンボプラスチン溶液添加前および添加後は経時的にインキュベート溶液を5μLずつ採取し、Buffer B((0.5mg/mL BSA、0.1mol/L NaCl、20mmol/L EDTAを含む50mmol/L Tris−HCl緩衝液(pH7.9))100μLと2mmol/L S−2238 25μLの混合液に添加して、37℃にて10分間インキュベートした。50vol% 酢酸 100μLを添加した後、反応液を200μL/wellずつ96穴プレートに移し、405nmにおける吸光度をプレートリーダー(Thennomax microplate reader、Molecular Device)にて測定した。その結果、F1024S−D2(3)は濃度に依存してトロンボプラスチン惹起ヒトおよびウサギ血漿中トロンビン産生を抑制した(図52〜53)。
(1)ヒトAPTT延長作用の確認
実施例8で作製したF1024S−TM23456M、F1024S−TM23456L、F1024S−TM234567MおよびF1024S−TM234567LのAPTT延長作用を終濃度としてそれぞれ2.00、2.00、1.95および2.29μg/mLにおいて、実施例3−3)の(1)と同様の方法でヒト正常ヒト血漿を用いて評価した。その結果、上記の4つの融合蛋白質はAPTTをそれぞれ26、32、42および57%延長した。
13−1)F1024S−D2(3)の抗炎症作用の確認
ウサギ、ニュージーランドホワイト種(1.8−2.6kg,北山ラベス)にF1024S−D2(3)の10mg/kgを耳介静脈内投与し、経時的にクエン酸加採血した。採取した血液にLPS(WE.Coli 055:B5、DIFCO)を終濃度1ng/mLで添加し、37℃で4時間インキュベーションした。4℃、10000rpm(MRX−150、TOMY)、10分間の遠心で取得した血漿中のTNF−α濃度を抗ウサギTNF−α抗体を用いたELISAにより測定した。その結果、LPS刺激血液のTNF−α産生はF1024S−D2(3)投与後24時間まで抑制された(図54)。
実施例13−1)の採血直後に遠心分離により取得した血漿を活性化トロンボプラスチン時間(APTT)の測定に供した。APTTの測定は実施例3−3)と同様に実施した。その結果、F1024S−D2(3)投与後8時間までAPTT延長がみられた(図55)。
14−1)ウサギ盲腸穿刺腹膜炎(CLP:Cecal Ligation and Puncture)モデル
ウサギ盲腸穿刺腹膜炎モデルを作製し、F1024S−D2(3)投与後での生存率および凝固パラメーターの改善を確認した。
ウサギ盲腸穿刺腹膜炎モデルは、Keith Aらの方法(Journal of Surgical Research,29:189,1980)に準じ,ニュージーランドホワイト種(1.8−2.6kg,北山ラベス)に麻酔下で盲腸に穴を開け、盲腸内容物を腹腔に播種することにより作製した.2時間後にF1024S−D2(3)の10mg/kgを耳介静脈内投与し、以後は1日2回の同投与を3日間続けた。対照群にはF1024S−D2(3)の替わりにヒト免疫グロブリン(hIg)を投与した。72時間まで生死の観察、記録を行い、カプランマイヤー生存曲線を描いた。さらに盲腸穿刺後8時間にクエン酸加採血し、血漿中の凝固パラメーターとしてDダイマーを測定した。その結果、生存率(図56)およびDダイマー(図57)ともにF1024S−D2(3)群は対照群に比べて改善された。
なお、図56および図57の対照群の概要を表15に示す。
Claims (25)
- (I)TLR発現細胞のLPS誘導IL−6産生に対する阻害活性を有する、抗CD14抗体もしくはその活性断片またはそれらの誘導体、および、
(II)以下に1)または2)で示される蛋白分解酵素の阻害物質、
を含有する、融合蛋白質:
1)配列番号4の474−543番のアミノ酸配列で示されるヒトUTI第2ドメイン(以下、「UTI−D2」という)もしくは配列番号6の474−543番のアミノ酸配列で示されるヒトUTI第2ドメイン3アミノ酸置換変異体(R11S/Q19K/Y46D)(以下、「UTI−D2(3)」という)のいずれかのアミノ酸配列からなるポリペプチド、
2)前記1)のアミノ酸配列において1ないし数個のアミノ酸の付加、欠失、置換もしくは挿入を有する変異体であって、抗凝固作用もしくは血液凝固因子阻害作用を有する、前記1)の変異体。 - 以下の(A)または(B)のいずれかの融合蛋白質:
(A)(I)TLR発現細胞のLPS誘導IL−6産生に対する阻害活性を有する、抗CD14抗体もしくはその活性断片またはそれらの誘導体、および、
(II)以下に1)または2)で示される蛋白分解酵素の阻害物質、
が結合してなる、融合蛋白質:
1)UTI−D2もしくはUTI−D2(3)のいずれかのアミノ酸配列からなるポリペプチド、
2)前記1)のアミノ酸配列において1ないし数個のアミノ酸の付加、欠失、置換もしくは挿入を有する変異体であって、抗凝固作用もしくは血液凝固因子阻害作用を有する、前記1)の変異体、
(B)(I)TLR発現細胞のLPS誘導IL−6産生に対する阻害活性を有する、抗CD14抗体もしくはその活性断片またはそれらの誘導体、および、
(II)以下に1)または2)で示される蛋白分解酵素の阻害物質、
が、リンカーを用いて結合してなる、融合蛋白質:
1)UTI−D2もしくはUTI−D2(3)のいずれかのアミノ酸配列からなるポリペプチド、
2)前記1)のアミノ酸配列において1ないし数個のアミノ酸の付加、欠失、置換もしくは挿入を有する変異体であって、抗凝固作用もしくは血液凝固因子阻害作用を有する、前記1)の変異体。 - TLR発現細胞のLPS誘導IL−6産生に対する阻害活性、および抗凝固作用もしくは血液凝固因子阻害作用を有する、請求項1または2に記載の融合蛋白質。
- FXaもしくはFXIa阻害活性またはAPTT延長作用を有する、請求項1ないし3のいずれかに記載の融合蛋白質。
- FXIa阻害活性またはAPTT延長作用を有する、請求項1ないし4のいずれかに記載の融合蛋白質。
- CD14とTLRとの結合を阻害する活性を有する、請求項1ないし5のいずれかに記載の融合蛋白質。
- 前記(I)の抗CD14抗体がCD14とTLRとの結合を阻害する抗体である、請求項1ないし6のいずれかに記載の融合蛋白質。
- (I)CD14とTLRとの結合を阻害する活性を有する、抗CD14抗体もしくはその活性断片またはそれらの誘導体、および、
(II)UTI−D2またはUTI−D2(3)のいずれかのアミノ酸配列からなるポリペプチド
が、リンカーを用いて結合してなる、融合蛋白質。 - 前記(I)の抗CD14抗体がヒトCD14のアミノ酸番号269〜315の領域の少なくとも一部を認識する抗体である、請求項1ないし8のいずれかに記載の融合蛋白質。
- 前記(I)の抗CD14抗体がヒトCD14のアミノ酸番号294〜296の領域の少なくとも一部を認識する抗体である、請求項1ないし9のいずれかに記載の融合蛋白質。
- 前記(I)の抗CD14抗体が、配列番号173、174および175のアミノ酸配列からなる重鎖CDR1、CDR2およびCDR3を重鎖可変領域のCDR1、CDR2およびCDR3として、または、配列番号176、177および178のアミノ酸配列からなる軽鎖CDR1、CDR2およびCDR3を軽鎖可変領域のCDR1、CDR2およびCDR3として含有する、請求項1ないし10のいずれかに記載の融合蛋白質。
- (I)配列番号173、174および175のアミノ酸配列からなる重鎖CDR1、CDR2およびCDR3を重鎖可変領域のCDR1、CDR2およびCDR3として、または、配列番号176、177および178のアミノ酸配列からなる軽鎖CDR1、CDR2およびCDR3を軽鎖可変領域のCDR1、CDR2およびCDR3として含有する、抗CD14抗体もしくはそのCD14結合活性断片またはそれらの誘導体、および、
(II)UTI−D2またはUTI−D2(3)のいずれかのアミノ酸配列からなるポリペプチド
が、リンカーを用いて結合してなる、融合蛋白質。 - 前記(I)の抗CD14抗体がキメラ抗体である、請求項1ないし12のいずれかに記載の融合蛋白質。
- 前記(I)の抗CD14抗体がヒト化抗体である、請求項1ないし13のいずれかに記載の融合蛋白質。
- 前記(I)の抗CD14抗体が一価の抗体である、請求項1ないし14のいずれかに記載の融合蛋白質。
- 前記(I)の抗CD14抗体が二価の抗体である、請求項1ないし14のいずれかに記載の融合蛋白質。
- 前記(II)の阻害物質が、前記(I)の抗CD14抗体もしくはそのCD14結合活性断片またはそれらの誘導体の重鎖のC末端側に融合する、請求項1ないし16のいずれかに記載の融合蛋白質。
- 請求項1ないし17のいずれかに記載の融合蛋白質をコードする塩基配列を含有するポリヌクレオチド。
- 請求項1ないし17のいずれかに記載の融合蛋白質の、前記(I)の抗CD14抗体の重鎖部分および前記(II)蛋白分解酵素の阻害物質を含有するポリペプチドをコードする塩基配列を含有するポリヌクレオチド。
- 請求項1ないし16のいずれかに記載の融合蛋白質の、前記(I)の抗CD14抗体の軽鎖部分および前記(II)蛋白分解酵素の阻害物質を含有するポリペプチドをコードする塩基配列を含有するポリヌクレオチド。
- 請求項18ないし20のいずれかのポリヌクレオチドを含有するベクター。
- 請求項18ないし20のいずれかに記載のポリヌクレオチドまたは請求項21に記載のベクターを含有する細胞。
- 請求項18ないし20のいずれかに記載のポリヌクレオチド、請求項21に記載のベクターまたは請求項22に記載の細胞の少なくともいずれか一つを用いることを特徴とする、請求項1ないし17のいずれかに記載の融合蛋白質の製造方法。
- 請求項1ないし17のいずれかに記載の融合蛋白質、請求項18ないし20のいずれかに記載のポリヌクレオチド、請求項21に記載のベクターまたは請求項22に記載の細胞の少なくともいずれか一つを含有することを特徴とする、疾患の予防および/または治療剤。
- 前記疾患が敗血症、重症敗血症、敗血症性ARDSもしくは敗血症性ショック、SIRS関連疾患、またはエンドトキシンショックである、請求項24に記載の予防および/または治療剤。
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