JP4067121B2 - 小型ボートの着水および回収のための装置 - Google Patents
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Description
船舶上のボートを着水または再収容する際の1つの問題は、寸法の相違のため、水上での船舶とボートとの動きが異なることである。その結果、船舶とボートとの間に大きな相対運動が生じる。加えて、船舶の舷側に沿う波が、他のところよりも高く波打つことが多いため、船舶とボートとの間に大きい付加的な相対運動が生じる。
今日、船舶に搭載されているボートは、通常、吊柱に懸吊されており、該吊柱によって水上へ着水させられる。従来の吊柱は、主として着水用であり、外洋でボートを回収する場合には、十分な機能を発揮しない。
救命ボートは、通常、吊柱ウィンチで操作する2点吊りワイヤで懸吊されている。ピックアップボート用のいくつかの装置では、1点取付け形式が採用されている。ボートの着水および回収時には、鉤をボートに掛け外しするが、その場合、概して重い鉤と、鉤に結合されたブロックとが、船舶とボートとの大きな相対運動のため、ボートにぶつかる危険がある。さらに、2点吊上げ方式を用いた装置の場合には、一方の鉤のみが掛け外しされる危険があり、そうした場合には、船舶・ボート間の相対縦運動がとる方向に応じて、縦に船舶の舷側に沿って吊されたままになる危険がある。乗員がボートへの鉤の掛け外しに成功しても、ワイヤが、ボートにぶつかるほど、たるむ危険もある。このことは、ボートが波頭よりも高く吊上げられていない状態の場合に、当てはまる。
母船を制御された状態に維持しようと思えば、ある程度は前進を続ける必要があり、そのことでまた、前述の掛け外し操作を前進中に実施できなければならないことになる。このことが、従来の装置を用いてボートを着水または回収することを一層難しくする。
したがって、当該技術分野では、前述の欠点が除去されるか、少なくとも極小化された、ボートの着水および回収のための装置を必要としている。
本発明は、ここではドックと呼ぶ装置を含み、ドックに収容されたボートが母船に搭載され保管される。ドックは浮き体である。また、このドックは、吊柱または類似物に結合されており、ボートは、着水位置まで降下されたドックに出入される。
刊行物第141929号および第162184号によって公知である装置の場合は、着水位置に降ろされたボートが、それぞれ回収または着水用の特別な装置に出入する。しかし、これらの先行技術には、ボート本体を吊上げる前に、装置を比較的長い距離吊上げねばならない欠点がある。船舶の舷側に沿って生じる大きな波の結果、ボートが装置に対して運動し、その場合、ボートが装置部分に衝突して装置内で傾いた姿勢になり、装置が上昇したときに、転覆したり、鉤、ケーブル、類似物等がボートにぶつかる危険がある。前記刊行物第162184号により、ボートの吊上げに使用するネットが公知である。このネットは、船舶が水上に静止している場合は、十分に機能するが、船舶が進行中または流れに乗っている場合には、ネットは意図する形状を維持せず、おおよそトロール網状にふるまう。ネットが正常に位置しなければ、言うまでもなくボートを吊上げる際に問題が生じる。
浮きドックとボートとは可及的に類似する水上挙動(seakeeping)特性を有するのが望ましく、そうすることで、ボートは、比較的簡単にドックに出入できる。なぜなら、ボートとドックとが同じ運動パターンを示すだろうからであり、言い換えると、ドックとボートとの相対運動が僅かだからである。つまり、ドックは、ボートとちょうど同じ速さで波に応動するようにしなければならない。
前述の必要性および要望は、請求項1に記載された装置によって実現された。
しかし、この種の装置に、さらに望まれることは、ボートと、その関連ドックまたは類似物とが、迅速に1つのユニットを形成し、それによってドックとボートとの相対運動の危険を極小化することである。
別の要望は、現在使用されている船舶に簡単に適用可能な装置を得ることである。このことは、本発明によれば、従来の吊柱システムを採用することで実現された。その結果、通常、母船に小規模な変更を加えるだけでよい。先に引用した第162184号による装置の場合には、特殊な2腕クレーンを使用することが必要になる。
かかる技術的背景の下で、本発明によれば、以下の、吊柱またはクレーンによって支持された昇降手段を併用して、救命ボートを包含する小型ボートを着水させかつ回収する装置が提供される。
前記装置が、浮揚部材と、前記小型ボートを下から支持する手段とを含み、
前記小型ボートを下から支持する手段が、クレードルを有し、
前記小型ボートを着水させかつ回収する装置が、前記クレードルを持ち上げることにより前記小型ボートの全体または一部を水上に持ち上げるためのクレードル持ち上げ装置を更に含む、前記昇降手段を併用して前記小型ボートを着水させかつ回収する装置において、
前記クレードルおよび前記浮揚部材の水上挙動特性を前記小型ボートの水上挙動特性と可及的に整合させるべく、設計上、前記浮揚部材の形状および排水量が選択されており、
また、前記小型ボートを着水させかつ回収する装置が、少なくとも該装置に適する型式の前記小型ボートを、満載状態にして担持できるだけの余裕浮力を有することを特徴とする小型ボートの着水および回収のための装置。
請求の範囲における各従属請求項に、本発明の複数の好適形態が示されている。
以下の記述で、種々の部材について前部という場合、通常使用時に、該部材がボートの前部領域と協働するか、または前部領域に配置されている部材を意味すると理解されたい。また、後部および類似の表現についても同様である。
以下で、添付図面に示した種々の実施例について、本発明を詳説する。
図1は本発明の一具体例の側面図である。
図2は本発明の変形態様を示す平面図である。
図3は図2のIII−IIIに沿って切断した断面図である。
図4は図2のIV−IV線に沿って切断した断面図である。
図5はボートを受容するクレードルの一具体例の詳細図である。
図6は他の具体例の、図4に対応する断面図である。
ドックは、ボート14を支持かつ運搬するクレードル2を支持する1つ以上の浮揚部材を有している。クレードル2は、フレーム構造物またはフレーム3内に配置され、フレーム3は、適当な形式で浮揚部材に固定されている。
図示例では、浮揚部材が、フレーム3の両側に配置された浮揚体またはポンツーン1から成っている。別の例(図示せず)では、浮揚部材が、連続的な1つの胴体、フレーム両側の2つ以上の浮揚体等々から成っている。
選択した形状および数は別にして、浮揚部材は、完全載荷されたボート14と共にドックを支持する上で十分な総排水量を有していなければならない。浮揚部材は、ボート14が簡単にドックに出入できるように、ドック(より詳しく言えばクレードル)が正確な浮揚位置を占めることを保証するものでなければならない。加えて、浮揚部材は、ドック全体にボート14と等しい水上挙動特性を与えるような形状と排水量とを有していなければならない。ドックの水上挙動特性や浮揚位置等には、浮揚部材の形状および寸法を変更することで影響を与えることができる。ドックには、ボートのローリング/ピッチング周期に出来るだけ密接に対応するローリング/ピッチング周期を与えて、類似の水上挙動特性を実現せねばならない。正確な形状と寸法とを一般的に言うことはできず、それらは、ドックやボート14の各特定実施例に対しテストを行って得る必要がある。
浮揚部材の外側にはフェンダ5が設けられ、それによって船舶の舷側に対して発生し得る衝突を緩衝できる。フェンダ5は、適当な排水量を有するように造られ、言い換えると、浮揚部材の一部をなす。適当なフェンダの一例は、膨張させたゴム製フェンダである。フェンダ5は、外側に摩耗表面(例えば、ゴム)を備えている。
ドック内に配置されたクレードル2は、ボート14の底部形状に適合するようにされている。ボート14は、平底、異なる曲率を有する丸底、異なる角度の竜骨のいずれかを有するか、またはこれらの組合わせを有するものである。例えば噴射水流駆動式のボートの場合、船尾では底部が平坦であるが、舳先へ向かって底部が丸くなっている。図4および図5に示した例の場合、クレードル2は、それぞれ底部ビーム17から成る2つ以上の横方向に配置された部材と、2つの傾斜支柱(struts)18と、2つの縁部支柱19とから構成されている。傾斜支柱18の傾斜は、ボートの底部形状に適合するようにされている。クレードル2の中間には、ローラ組10がボート側に面して配置され、傾斜支柱18の、ボート14側に面する両側に1つ以上の摺動帯材11が配置されている。摺動帯材11とローラ組10とは、いずれも、底部ビーム17と、傾斜支柱18と、縁部支柱19とから成る部材の間に長手方向に配置されている。この場合、ボート14は、ドックに出入操作される際、必要であれば、ローラ組10と摺動帯材11条を滑動できるように構想されている。図2および図3から分かるように、ローラ組10は、ボートを所定位置に進めるために、ボートの外側と協働するように配置されている。当業者には、別例(図示せず)として、ローラ組10のみ、または摺動帯材11のみを使用すること、またはローラ組もしくは摺動帯材が、それぞれ、図示例とは異なる位置に配置されるようにすることも考えられるだろう。ドックへの進入時にボート底部への衝突荷重を緩衝するため、一具体例では、クレードルもフレーム内に弾性的に取付けられている(図5)。この弾性的取付けは、いくつかのばね12、ゴム部材、その地弾性的な部材のいずれかを、クレードル2の底部ビーム17とフレーム3との間に配置することで可能になる。別の一具体例(図示せず)によれば、クレードル2は、フレーム3内の弾性部材に懸架されている。
さらに別の一具体例では、クレードルがネット26から成り(図6)、該ネットが、クレードルを形成するように、ばね27によってフレーム3内に張設されている。この例の場合、ローラ組10または摺動帯材11は用いられておらず、ボートはネット自体の上を滑動する。一例として、ネットは、例えばポリアミド、ポリエステル、アラミド等の合成繊維を含む適当な繊維材料製のベルトまたは線材と織り合わされたガラス繊維ロッドから成っている。
さらに別の例(図示せず)では、クレードル2が、2本以上の立柱(ポスト)が配置された底部ビーム17から成っている。これらの立柱は、通常、内方へいくぶん傾斜し、ローラ組または支持摺動帯材を備えている。当業者であれば、クレードル2が、ボート14の形状に適合する限りにおいて、多くの異なる形式で構成できることを理解できるだろう。
図示例では、フレーム3が、底部ビーム20を形成する2つ以上の横方向に配置された部材と、サイドビーム21と、サイドビーム21を連結し長方形を形成するクロスビーム22とを含む。
これらの横方向に配置されたフレーム部材20〜22の間には、少なくとも1つの上部相互連結ビーム23と下部相互連結ビーム25とが、長手方向に位置し、サイドビーム21と結合されている。いくつかの例では、さらに、間に1つ以上の相互連結ビーム24が配置される。フレーム3のサイドビーム21は、浮揚体に固定されている。当業者には、この固定が、いくつかの別の形式で実現できることが理解されようが、この特徴は、本発明に密接に関係する部分を構成していないことを考え、ここでは詳細には説明はしない。
当業者には、さらに、フレーム3の構造が、多くの形式で変更できること、例えば一例として、既述のようにフレーム3が下部のみから成り、また別の実施例では、クレードル2がフレーム3の下部を形成することも可能であることが理解されよう。さらに、サイドビームの傾斜配置および/または相互連結ビームの十字形配置が可能である。いくつかの実施例では、上部ビームまたは間に位置する相互連結ビーム23、24は、さらに他の細かい部材および、ネット、座席、手すり等の部品を懸架するために用いられる。
フレーム3の上部には、ウィンチワイヤ16との協働用の係留箇所4が設けられている。ウィンチワイヤ16と係留箇所4との永久連結により、重い鉤を備える必要はなくなる。従来の装置に用いられていた鉤は、ボート本体に結合されていたため、ボート内の乗員にとって危険であった。ワイヤに生じ得るたるみを引締めるためには、自己緊締式ウィンチおよび/またはいわゆる引上げ補正装置を用いる。通例、引上げ補正装置の基本構想は、ワイヤが、ばね力を負荷されたブロック上を走行し、その場合、たるみを引締める能力は、とりわけ、ばねの最大行程長さによって決定される。特別な安全設備として、フレーム3は、いくつかの例では、屋根(図示せず)を有し、該屋根上にたるんだケーブルを受容できる。
係留箇所4は、ワイヤが自己緊締式ウィンチおよび/または引巻上げ補正装置が引締め得る以上にたるんだ場合に、危険を極小化させるために、高い位置に設けられている。
ドックの前部には、内側を向いたストッパ7が設けられている。ストッパ7は、ボート14の舳先に対応して設計されている。ストッパ7の機能は、ボート14を案内して、ボートがクレードル2内で正しい位置を占めるようにし、かつボート14のはみ出しを防止することである。
ドックへの進入を容易にするために、いくつかの具体例では、ドックがスクリーン13および/またはローラ組10を備え、これらが、ボート外側と協働して、ボートをドック内へ向けて進入させる。
一例として、ストッパ7が、ドックの前部に配置された捕捉ネット6で補助され、捕捉ネットがボート14の舳先を受容する。捕捉ネット6は、ボートを穏やかに拘束するように設計され、支承されている。さらに、この捕捉ネットは、舳先の最前部に乗員が着席できないボート14の場合にだけ使用できる。
ボート14とドックとは、ボート14をドックに固定するための適当な協働ロック機構9、15を備えている。このロック機構は、ボートが制御されずにクレードルから滑り出ることを防止する。図示例では、ロック機構は、ボート上に配置された回転鉤9から成り、該回転鉤が、浮揚体1に配置されたピン15と協働する。当業者には、このロック機構が種々の別の形式で構成可能であり、別の協働部材を多くの別の箇所に(多くの別の位置に)配置可能であることを理解できるだろう。最も簡単な場合には、ロック機構が、ロープ端部とロープ端部に協働する係柱とから成っている。
図示例では、クレードル2がフレーム3内に傾斜支承され、しかも、水面から最も高いクレードル部分がドックの前側に位置している。別の例では、クレードル2が傾斜しない。さらに、いくつかの実施例の場合、クレードル2は、その前部が旋回可能に支承されており、その場合には、クレードル持ち上げ装置8が備えられ、該クレードル持ち上げ装置が、クレードル2の後尾を持ち上げ、それと共に、ボート14の船尾が持ち上げられ、それによって、ボート14は、その全体または部分が水面を離れ、それによりクレードル2内に安定的に静止させられる。さらに別の例では、クレードル2全体が垂直方向に可動に支承され、クレードル持ち上げ装置8が、後尾部分だけでなくクレードル2全体を持ち上げる。クレードル持ち上げ装置8は、1つ以上のアーム、アクチュエータ、その他から成り、圧縮空気容器、液圧蓄圧器、電気バッテリのいずれかによって駆動される。捕捉ネット6が用いられる場合、そのケーブルが直接にクレードル2に結合され、ボートが進入し、捕捉ネット6が引締められると、クレードル2全体またはその後部が持ち上げられ、持ち上げられた位置にロック機構(図示せず)によってロックされる。その場合、ボートの固有運動エネルギーがクレードルの持ち上げに利用される。このことは、またクレードルがネットから成る実施例にも当てはまる。いくつかの実施例では、接触部材がストッパ7と結合されて備えられており、該接触部材は、ボート14がストッパ7の方へ進入すると、クレードル持ち上げ装置8を自動的に起動させる。
吊柱からのウィンチワイヤ16に加えて、ドックは係留・案内ケーブル(図示せず)によっても母船に結合されている。フレーム3上には、係留・案内ケーブル用の適当な係留箇所(図示せず)が設けられている。係留・案内ケーブルによって、ボート14は、母船に対し適当な位置に保持され、母船の、可能な前進運動に追従する。係留・案内ケーブルは、ドックおよび/または母船のウィンチ装置に結合されるか、もしくはドックまたは母船それぞれに固定結合箇所を有し、その場合には、これらの係留・案内ケーブルは固定長さを有している。
ボート14と吊柱とを有するドックは、母船上のどこか適当と考えられる任意の箇所に配置される。ドックは、また船尾に配置することもでき、それによって、信頼のおける安全な曳航が可能になる。
ボート14を着水させなければならないときには、ドックは、吊柱のウィンチ装置によって降ろされる。ドックが水面に達して自由に浮遊する際、既述のクレードル持ち上げ装置を具備する例では、まず、ボート14(正確には、クレードル)が降される。次いで、ロック機構9が外され、その後でボート14が、クレードル2から滑り出るか、後進させられる。浮揚部材は、次のような位置に、すなわち、ボート14が解放される場合に、必要ならば、ボート14をドックから後進させ得るように、十分に深くされた位置にクレードル2を保持できるように設計されている。通常、ボート14は、浮遊位置となるが、その場合、ドックが母船の前進に連行されるため、ボートはドックから脱出する。さらに、浮揚部材は、ボート14全体がドックに進入した場合(すなわち舳先がストッパ7や、おそらくは捕捉ネットへ当付けられるまで進入した場合)、ボート14は、ドックに対し少なくとも2箇所で当付けられる。その場合、ボート14は、少なくとも断続的にクレードル2の少なくとも1箇所で支承される。ボート14とクレードル2との間隔が小さいことで、ドックの上昇運動時には、最大でも僅かなクレードル2・ボート14間の相対運動を伴うのみである。ドックは、船舶の舷側の適当な位置に係留・案内ケーブルによって保持される。このように、ドックは、役目が完了すれば、所定位置に保持され、ボート14を収容する用意を整えて浮遊または水上に待機する。
ドックに適当な手すりと可能な座席箇所を設け、ドックを浮揚体とクレードル下のネットとに結合する(もしくはクレードルがネットから成るようにする)ことによって、遭難者を母船に救助するためにドックを使用することができる。それらの部品は、フレーム3上方の相互連結ビーム23〜25により支持することができる。ドックは、その場合、ドック内にボートを載せないままで吊上げられる。これにより、遭難者を母船へ移すのにドックを使用すると同時に、ボート14を他の遭難者の救助または捜索に使用することができる。
ボート14を母船へ回収する場合には、ボートをドックへ収容する。ドックとボート14とがほとんど完全に等しい水上挙動特性を有している場合には、ドックの浮揚部材のため、大荒れの海上でも比較的簡単にドックへボート14を収容できる。ドックがボート14なしで海上に浮遊している場合、クレードル2は、ボート14がドック内へ進入し得るだけ十分に深く位置している。同時に、クレードル2は、ボート14が進入して、舳先がストッパ7とおそらく捕捉ネット6とに当付けられる場合、少なくとも1箇所でボート底部を断続的に支持する位置より深くには位置していない。必要とあれば、クレードル2は、ボート14がドックへ進入するさい、ボート14により押下げられる。ボート14は、ストッパ7または捕捉ネット6に接触すると直ぐに、ロック機構9によってドック内の所定位置にロックされる。ボート14とドックとは、こうして迅速にまとまったユニットを形成し、このユニット形式で、双方が少なくとも2箇所で接触し、ドックが船舶へ引上げられる際、互いにがたがたと揺れる恐れがない。ドックが、ボート14の全体または部分を水から引上げるためのクレードル持ち上げ装置8を備えている場合、該クレードル持ち上げ装置は、(まだ起動されていな場合は)捕捉ネット6またはストッパ7の接触部材によって起動される。次の段階は、クレードル2内のボート14と共にドックを母船へ引上げることである。
前記の詳細な説明は、本発明の限られた数の実施例についてのものであり、当業者にとっては、本発明が、添付請求の範囲の枠を逸脱することなしに多くの実施例を含むことが、容易に理解されることであろう。
Claims (11)
- 吊柱またはクレーンによって支持された昇降手段を併用して、救命ボートを包含する小型ボート(14)を着水させかつ回収する装置であって、
該装置が、浮揚部材と、前記小型ボート(14)を下から支持する手段(3)とを含み、
前記小型ボート(14)を下から支持する手段(3)が、クレードル(2)を有し、
前記小型ボート(14)を着水させかつ回収する装置が、前記クレードル(2)を持ち上げることにより前記小型ボート(14)の全体または一部を水上に持ち上げるためのクレードル持ち上げ装置(8)を更に含む、前記昇降手段を併用して前記小型ボートを着水させかつ回収する装置において、
前記クレードル(2)および前記浮揚部材の水上挙動特性を前記小型ボート(14)の水上挙動特性と可及的に整合させるべく、設計上、前記浮揚部材の形状および排水量が選択されており、
また、前記小型ボートを着水させかつ回収する装置が、少なくとも該装置に適する型式の前記小型ボート(14)を、満載状態にして担持できるだけの余裕浮力を有することを特徴とする小型ボートの着水および回収のための装置。 - 前記小型ボート(14)の全体が、前記小型ボート(14)を下から支持する手段(3)内に進入した時に、前記小型ボート(14)が、少なくとも2箇所で前記小型ボート(14)を下から支持する手段(3)に当接するようになされ、また前記小型ボート(14)を下から支持する手段に対して前記小型ボート(14)をロックするロック装置(9、15)を有することを特徴とする請求項1に記載された、小型ボートの着水および回収のための装置。
- 前記浮揚部材が、2つ以上の浮揚体またはポンツーン(1)から成るか、または前記浮揚部材が1つにまとめられた浮揚胴体であることを特徴とする請求項1または請求項2に記載された、小型ボートの着水および回収のための装置。
- 前記小型ボート(14)を下から支持する前記クレードル(2)が、前記小型ボート(14)の底部形状に適合する形状を有しており、
また、前記クレードル(2)が、横方向に配置された部材(17〜19)を含み、前記小型ボート(14)の底部に面するローラ(10)および/または摺動面を有することを特徴とする請求項1から請求項3までのいずれか1項に記載された、小型ボートの着水および回収のための装置。 - 前記小型ボート(14)を下から支持する前記クレードルがネット(26)から成ることを特徴とする請求項1から請求項3までのいずれか1項に記載された、小型ボートの着水および回収のための装置。
- 前記クレードルが、後端部より前端部が高くなるように傾斜配置されているか、前記クレードルが、少なくともその後端部で垂直方向に動かし得るように支承されているか、前記クレードルが、ばね部材(12、27)を介して支承されているかのいずれか、または、それらの全てであることを特徴とする請求項4または請求項5に記載された、小型ボートの着水および回収のための装置。
- 前記小型ボート(14)を下から支持する手段がフレーム(3)を含み、該フレーム(3)が、前記クレードル(2)および前記浮揚部材を支持するとともに、前記吊柱またはクレーンによって支持された前記昇降手段のワイヤ(16)と協働する係留手段(4)を有することを特徴とする請求項1に記載された、小型ボートの着水および回収のための装置。
- 前記クレードル(2)で支えられた前記小型ボート(14)の全体または一部が前記クレードル持ち上げ装置によって水から持ち上げられ、もって前記小型ボート(14)が安定的に前記クレードル(2)内に位置づけられ、また、前記クレードル持ち上げ装置(8)が、1つ以上のピストン、アクチュエータを包含する手段を用いて、空気式、液圧式、電気式のいずれかによって駆動されるように構成されていることを特徴とする請求項1項から請求項7までのいずれか1項に記載された、小型ボートの着水および回収のための装置。
- 前記小型ボート(14)を下から支持する手段がフレーム(3)を含み、該フレーム(3)が、前記クレードル(2)および前記浮揚部材を支持しており、
前記フレーム(3)、または、前記クレードル(2)の前部で、内向きにストッパ(7)が設けられ、前記小型ボート(14)の舳先に対応するように設計されており、もって前記小型ボート(14)が前記クレードル(2)内を正しく案内され、前記クレードル(2)内に進入し過ぎることが防止され、
また、次のいずれか、または両方の構成、すなわち、
(a)前記ストッパ(7)が接触装置を備え、前記小型ボート(14)が前記ストッパ(7)に当接すると、前記小型ボート(14)を支える前記クレードル(2)を持ち上げるための前記クレードル持ち上げ装置(8)が起動せしめられる構成、
(b)前記小型ボートの着水および回収のための装置の小型ボート進入側に配設されたスクリーン(13)、および/または、前記小型ボート(14)の底部に面して配設されたローラ(10)を具備する構成、を採用したことを特徴とする請求項8に記載された、小型ボートの着水および回収のための装置。(前記小型ボート(14)の底部に面するローラ(10)) - 前記小型ボート(14)の進入し過ぎを防ぐために、前記ストッパ(7)が、前記フレーム(3)または前記クレードル(2)の前部に張設された捕捉ネット(6)として形成されており、該捕捉ネット(6)が、前記クレードル(2)に結合され、もって、前記ボートが前記捕捉ネット(6)で捕捉された時に、前記小型ボート(14)の運動エネルギーによって該小型ボート(14)が持ち上げられることを特徴とする請求項9に記載された、小型ボートの着水および回収のための装置。
- フェンダー(5)が、前記フレーム(3)または前記クレードル(2)の外側に設けられていることを特徴とする請求項1から請求項10までのいずれか1項に記載された、小型ボートの着水および回収のための装置。
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