JP4064656B2 - 静電アクチュエータ及びその駆動方法 - Google Patents

静電アクチュエータ及びその駆動方法 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
この発明は、可動子を静電気力で駆動する静電アクチュエータ及びその駆動方法に係り、特に、個別に駆動可能な可動子を有する静電アクチュエータ及びその駆動方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
静電アクチュエータは、小型、軽量であることから内視鏡、携帯電話などの移動電話、或いは各種PDAなどの機器に搭載されるレンズ系の焦点合わせに使用することが可能であり、最近注目されている。
【0003】
図1は、従来の静電アクチュエータを示す斜視図であり、静電アクチュエータ100は、可動子101と固定子102とからなる。可動子101は、中空部を有する略直方体に形成され、固定子102は、その貫通孔が長手方向に延出された略直方体に形成されている。固定子102の貫通孔には、可動子101がスライド可能に挿入され、固定子102内をその長手方向に可動子101が移動可能に配置されている。尚、固定子102と可動子101との間には、数ミクロン程度の間隙が設けられている。
【0004】
また、可動子101は、凸状ストライプ電極103A−103Bがエッチングなどにより形成され、固定子102の内面に対向されている一対の電極面を有している。可動子101の中空部には、貫通孔方向に沿って光軸を有する複数のレンズ104が配置固定され、この可動子101が移動されることによってそのレンズの焦点が被写体に合わせられる。
【0005】
尚、可動子101には、駆動信号を印加するための配線105が接続されている。
【0006】
また、固定子102は、電極103A−103Bと対向する面にガラス板106A,106Bが装着され、このガラス板106A,106Bの表面には、導電材をパターニングして第1グループGA及び第2グループGBの電極107A並びに第3グループGC及び第4グループGDの電極107Bが形成される。第1グループGA及び第2グループGBの電極107Aは、同一ピッチで交互に配置され、同様に第3グループGC及び第4グループGD107Bも同一ピッチで交互に配置されている。また、電極107Aと電極107Bとは、互いに半ピッチずれる関係に配置されている。
【0007】
このような構造を有する静電アクチュエータの動作を図2を参照して説明する。
【0008】
(1)まず、電極107Aの第1のグループGAに+V[V]の電圧が印加される。従って、第1のグループGAの電極107Aと電極103Aとの間に静電気力、即ち、吸引力が発生される。この静電気力によって可動子101は、固定子102のガラス板106A側への移動が開始され、一定時間経過後には、電極103Aが第1のグループGAの電極107Aに吸着される。
【0009】
(2)次に、電極107Bのうち第3のグループGCの電極107Bに+V[V]の電圧が印加される。従って、第3のグループGCの電極107Bと電極103Bとの間に静電気力が発生される。この静電気力によって可動子101は、固定子102のガラス板106B側への移動が開始され、一定時間経過後には電極103Bは第3のグループGCの電極107Bに吸着される。この可動子101は、(1)で説明された位置に比べ図2の右方向に電極107Aもしくは107Bの配列ピッチの半分だけ移動される。
【0010】
(3)更に、電極107Aの第2のグループGBに+V[V]の電圧が印加される。従って、第2のグループGBの電極107Aと電極103Aとの間に静電気力が発生される。この静電気力により可動子101は、再度ガラス板106A側への移動が開始され、一定時間後には電極103Aが第2のグループGBの電極107Aに吸着される。この可動子101は、で説明された位置に比べ図2の右方向に電極106Aもしくは106Bの配列ピッチだけ移動される。
【0011】
(4)更にまた、電極107Bの第4のグループGDの電極107Aに+V[V]の電圧が印加される。第4のグループGDの電極107Aと電極103Bとの間に静電気力が発生される。従って、この静電気力により可動子101は、再度ガラス板106B側への移動が開始され、一定時間後には電極103Bは第4のグループGDの電極107Bに吸着される。この可動子101は、(1)で説明された位置に比べ図2の右方向に電極107Aもしくは107Bの配列ピッチの1.5倍だけ移動される。
【0012】
上記(1)〜(4)の工程を繰り返すことによって可動子101は、図2の右方向に1/2配列ピッチ単位で移動させることができる。
【0013】
また、(4)、(3)、(2)、(1)の工程の順番で各電極に電圧が印加されると、可動子101を図2の左方向に1/2配列ピッチ単位で移動させることができる。
【0014】
このような(1)〜(4)の工程によって可動子101を移動させ、この可動子101に装着されたレンズ104を移動して被写体に焦点を合わせることができる。
【0015】
【発明が解決しようとする課題】
上述したように、従来の静電アクチュエータでは、可動子を所望位置に移動させて被写体に焦点を合わせて画像を撮影することはできるが、撮像される画像を拡大もしくは縮小させるズーミング機能を実現することができない問題がある。これは、単一の可動子によってレンズ系が移動されることに基づいている。
【0016】
また、仮に従来の静電アクチュエータに、画像を拡大もしくは縮小させる為に複数の可動子が設けられても、拡大もしくは縮小の為には、複数の可動子が夫々独立して移動もしくは固定されなければならない。しかしながら、従来のような構造の静電アクチュエータにおいては、固定子内で複数の可動子を独立して移動もしくは固定させて動作させることはできない問題がある。
【0017】
【課題を解決するための手段】
この発明の目的は、撮像される画像の拡大もしくは縮小を行うための複数の可動子を、互いに独立して動作させることが可能な静電アクチュエータを提供するにある。
【0018】
この発明によれば、
移動方向に沿って配列され、その夫々がこの移動方向に交差する方向に沿って延出されている第1の固定子電極と、
この第1の固定子電極に対向して配置され、前記移動方向に沿って延出される第2の固定子電極と、
前記第1の固定子電極に対向して配置され、前記第2の固定子電極とは電気的に分離されるように前記移動方向に沿って延出されている第3の固定子電極と、
前記第1の固定子電極と前記第2及び第3の固定子電極との間に規定される空間内を前記移動方向に沿って移動可能に配置され、前記第1の固定子電極に対向し、前記移動方向に沿って配列され、前記移動方向に交差する方向に沿って延出されている第1の可動子電極及び前記第2の固定子電極に対向し、前記移動方向に沿って延出されている第2の可動子電極を具備する第1の可動子と、
前記移動空間内を前記移動方向に沿って前記第1の可動子とは独立に移動可能に配置され、前記第1の固定子電極に対向し、前記移動方向に沿って配列され、前記移動方向に交差する方向に沿って延出されている第3の可動子電極及び前記第3の固定子電極に対向し、前記移動方向に沿って延出されている第4の可動子電極を具備する第2の可動子と、
から構成されることを特徴とする静電アクチュエータが提供される。
【0019】
また、この発明によれば、
ある移動方向に沿って延びる空間をその内に規定する中空の固定子枠、この固定子枠の第1の内面に配置され、前記移動方向に沿って並列され、夫々がこの移動方向に交差する方向に沿って延出される第1の固定子電極を含む第1の電極領域及び前記固定子枠の第1の内面に対向する第2の内面に配置され、前記移動方向に沿って延出され、互いに電気的に分離された第2及び第3の固定子電極を含む第2の電極領域を有する固定子と、
前記固定子内の空間に前記移動方向に沿って移動可能に配置され、前記第1の電極領域に対向するように前記第1の固定子電極に対応して前記移動方向に沿って並列され、前記移動方向に交差する方向に沿って延出されている第1の可動子電極及び前記第2の電極領域に対向するように前記第2の固定子電極に対応して前記移動方向に沿って延出される第2の可動子電極を具備する第1の可動子と、
前記空間内を前記移動方向に沿って前記第1の可動子とは独立に移動可能に配置され、前記第1の電極領域に対向するように前記第1の固定子電極に対応して前記移動方向に沿って並列され、前記移動方向に交差する方向に沿って延出されている第3の可動子電極及び前記第2の電極領域に対向するように前記第3の固定子電極に対応して前記移動方向に沿って延出される第4の可動子電極を具備する第2の可動子と、
前記第1の固定子電極に第1の駆動信号を供給し、前記第2の固定子電極に第2の駆動信号又は保持電圧信号の一方を供給し、前記第3の固定子電極に第3の駆動信号又は保持電圧信号の一方を供給して第1及び第2の可動子の両方或いは一方を前記移動方向に沿って移動させる駆動回路と、を具備することを特徴とする静電アクチュエータが提供される。
【0020】
更に、この発明によれば、
ある移動方向に沿って配列され、そのそれぞれがこの移動方向に交差する方向に沿って延出されている第1の固定子電極と、
この第1の固定子電極に対向して配置され、前記移動方向に沿って延出される第2の固定子電極と、
前記第1の固定子電極に対向して配置され、前記第2の固定子電極とは電気的に分離されるように前記移動方向に沿って延出されている第3の固定子電極と、
前記第1の固定子電極と前記第2及び第3の固定子電極との間に規定される移動空間内を前記移動方向に沿って移動可能に配置され、前記第1の固定子電極に対向し、前記移動方向に沿って配列され、前記移動方向に交差する方向に沿って延出されている第1の可動子電極及び前記第2の固定子電極に対向し、前記移動方向に沿って延出されている第2の可動子電極を備えた中空の第1の可動子と、
前記移動空間内を前記移動方向に沿って前記第1の可動子とは独立に移動可能に配置され、前記第1の固定子電極に対向し、前記移動方向に沿って配列され、前記移動方向に交差する方向に沿って延出されている第3の可動子電極及び前記第3の固定子電極に対向し、前記移動方向に沿って延出されている第4の可動子電極を具備する中空の第2の可動子と、
前記第1の可動子中に前記移動方向に沿って配置された光軸を有する第1の光学レンズ系と、
前記第2の可動子中に前記移動方向に沿って配置された光軸を有する第2の光学レンズ系であって、第1及び第2のレンズ系の相対位置に従ってその光学倍率が定まり、第1及び第2のレンズ系の位置に従って結像面に被写体像が結像される第2の光学系と、
前記第1の固定子電極に第1の駆動信号を供給し、前記第2の固定子電極に第2の駆動信号又は保持電圧信号の一方を供給し、前記第3の固定子電極に第3の駆動信号又は保持電圧信号の一方を供給して第1及び第2の可動子の両方或いは一方を前記移動方向に沿って移動させる駆動回路と、から構成されることを特徴とする被写体像をその結像面に結像させる画像装置が提供される。
【0021】
更にまた、この発明によれば、
移動方向に沿って配列され、その夫々がこの移動方向に交差する方向に沿って延出されている第1の固定子電極と、
この第1の固定子電極に対向して配置され、前記移動方向に沿って延出される第2の固定子電極と、
前記第1の固定子電極に対向して配置され、前記第2の固定子電極とは電気的に分離されるように前記移動方向に沿って延出されている第3の固定子電極と、
前記第1の固定子電極と前記第2及び第3の固定子電極との間に規定される空間内を前記移動方向に沿って移動可能に配置され、前記第1の固定子電極に対向し、前記移動方向に沿って配列され、前記移動方向に交差する方向に沿って延出されている第1の可動子電極及び前記第2の固定子電極に対向し、前記移動方向に沿って延出されている第2の可動子電極を具備する第1の可動子と、
前記移動空間内を前記移動方向に沿って前記第1の可動子とは独立に移動可能に配置され、前記第1の固定子電極に対向し、前記移動方向に沿って配列され、前記移動方向に交差する方向に沿って延出されている第3の可動子電極及び前記第3の固定子電極に対向し、前記移動方向に沿って延出されている第4の可動子電極を具備する第2の可動子と、
から構成される静電アクチュエータを駆動する方法において、
第1の駆動信号を前記第1の固定子電極に供給し、
第2の駆動信号を前記第2の固定子電極に供給し、
第1の保持信号を前記第2の固定子電極に供給し、
第3の駆動信号及び第2の保持信号の一方を前記第3の固定子電極に供給して前記第1及び第2の可動子の一方或いは両方を前記移動方向に沿って移動させることを特徴とする静電アクチュエータの駆動方法が提供される。
【0022】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の静電アクチュエータの実施の形態について図面を参照して説明する。
【0023】
静電アクチュエータは、小型、軽量であることから内視鏡や携帯電話などの移動電話、各種PDAなどに搭載されるレンズの焦点合わせに使用することが可能であり最近注目されている。
【0024】
図3(a)乃至図3(c)は、第1の実施の形態に係る静電アクチュエータを示している。
【0025】
図3(a)は、第1の実施の形態に係る静電アクチュエータを概略的に示す斜視図である。この図3(a)に示される静電アクチュエータ1は、その上面及び下面に1対の可動子電極4,8,5,11を有する第1及び第2の可動子2A,2Bと、この可動子電極4,8,5,11に対向して配置される1対の固定子電極部12、14(以下の説明において、符号14は、保持用電極部と称する。)を有する固定子3とから構成される。
【0026】
なお、可動子電極4,8,5,11は、可動子を駆動するための駆動用電極4,8及び可動子2A,2Bを固定する為の固定用電極5,11とからなり、固定子電極部12、14は、同様に可動子を駆動する為の駆動用電極部12と可動子2A,2Bをその位置に保持する為の保持用電極部14とからなる。
【0027】
始めに、固定子3の構造について説明する。
【0028】
固定子3は、貫通部を有する中空の立方体形状の枠体なる固定子枠3Aから構成されている。この固定子枠3Aは、上方内面3A−1,下方内面を面3A−2及び側内面3A−3,3A−4を有している
固定子枠3Aの一内面、例えば、上面3A−1には、可動子2A、2Bを駆動する為の駆動用電極部12が形成されている。更に、上面に対向する他の内面、例えば、下面3A−2には、可動子2A、2Bをその位置に保持する為の保持用電極部14が形成されている。
【0029】
この駆動用電極部12は、図3(b)に示すようにガラス板13表面に所望の形状にパターニングして形成され、所定方向、例えば、固定子3の長手方向に対して交差する方向、即ち、横手方向に延伸する複数の電極が並列されている。なお、駆動用電極部12を有したガラス板13は、固定子3の内面3A−1に嵌着される。また、駆動用電極部12の一つ電極12A〜12Dの幅は、20ミクロン程度である。また、駆動用電極部12の電極12A〜12D間の間隔は、20ミクロン程度であり、電極12A〜12Dは、ほぼ40ミクロンのピッチで配列されている。
【0030】
駆動用電極部12に対向する固定子枠3Aの内面3A−2には、保持用電極部14が形成される。保持用電極部14は、ガラス板15の表面に所望の形状にパターニングによって所定方向に形成される。なお、保持用電極部14が形成されたガラス板15は、固定子3内壁の面3A−2に嵌着される。保持用電極部14は、後述する第1の可動子2Aの3本の可動子側固定電極5及び第2の可動子2Bの2本の可動子側固定電極11に対応して5本の電極が並行に形成されている。図3(c)に示されるように5本の保持用電極部14は、ガラス板15上の中央領域を含む殆どの領域では離間して並設され、ガラス板15上の長手方向の一方の側部領域では、可動子側固定電極5に対応する3本の保持用電極部14Aがガラス板15の端部で電気的に接続され、また、可動子側固定電極11に対応する2本の保持用電極部14Bは、ガラス板15上の長手方向の他方の側部領域では、電気的にそれぞれ接続されている。このように保持用電極部14A,14Bは、第1及び第2の可動子2A,2Bを独立して制御するように電気的に独立して配置される。
【0031】
また、固定子枠3Aの側方内面3A−3,3A−4には、第1及び第2の可動子2A,2Bの側面が内面3A−3,3A−4に直接接触することを防止するためのストッパ16がその内部に突出するように長手方向に延出されている。また、同様に可動子2A,2Bと駆動用電極部12,14とが直接接触しないように、内面3A−1,3A−2には、ストッパ16が設けられている。
【0032】
次に、2個の可動子2A,2Bの構造について詳細に説明する。
【0033】
第1及び第2の可動子2A,2Bは、中空部を有する導電材料で形成された略直方体の支持体と、その表面に形成される各電極4,5,8,11と、その中空部に配置されたレンズ6,9と、支持体から電荷を取り除くための配線7,10とから構成される。尚、支持体と各電極4,5は、一体的に形成されても良い。
【0034】
第1の可動子2A,第2の可動子2Bは、互いに離間して所定方向に移動可能に貫通孔に挿入されている。
【0035】
固定子側駆動用電極部12に対向する第1の可動子2Aの表面、例えば、上面には、可動子側駆動用電極4が設けられ、保持用電極部14に対向する第1の可動子2Aの表面、例えば、下面には、可動子側固定電極5が設けられている。可動子側駆動用電極4は、長手方向、即ち、移動方向に交差するようにエッチングにより突起状の複数のストライプが延出され、長手方向に並列されている。また、可動子側固定電極5は、この移動方向に延出され、横手方向に並列されるようにエッチングにより突起状の複数のストライプが形成されている。可動子側駆動用電極4は、凹凸に形成され、その間隔は、20ミクロン程度であり、凸部の高さは凹部内の面から高さ10ミクロン程度を有している。即ち、可動子側駆動用電極4の凸の端面は、駆動用電極部12の一つ電極12A〜12Dの幅に等しく、また、可動子側駆動用電極4の凹の底面は、この電極12A〜12D間の間隔に等しい幅を有し、可動子側駆動用電極4の凹或いは凸は、ほぼ40ミクロンのピッチで配列されている。
【0036】
図3(a)に示されるアクチュエータでは、第1の可動子2Aには、長手方向に延出され、横手方向に並設されている3本の固定電極5が設けられている。また、第1の可動子2Aの中空部には、光軸を一致させた複数のレンズ6が固定されている。
【0037】
第2の可動子2Bには、第1の可動子2Aの可動子側駆動用電極4と同様な形状及びディメンションを有する可動子側駆動用電極8が設けられている。また、可動子2B内には、レンズ6と同様にレンズ9が固定されている。レンズ6及び9の配置が変えられることによって両者で構成されるレンズ系は、ワイド及びテレ間でズームされ、このズームされた焦点距離に応じて被写体に対して焦点が合わせられる。第2の可動子2Bには、同様に長手方向に延出され、横手方向に並設されている2本の固定電極11が設けられている。固定電極11は、エッチングにより形成される。
【0038】
上述から明らかなように、可動子側駆動用電極4,8は、その凹凸が略並行であり、可動子側固定電極5,11もまたその凹凸形状が略並行に設けられている。可動子側駆動用電極4,8と可動子側固定電極5,11とは、その延出方向が互いに交差する関係にあり、また、可動子側固定電極5,11は、その長手方向に延出され、その横手方向では、互いに重ならないように並列される関係にある。
【0039】
このような第1,第2の可動子2A,2Bは、移動方向、即ち、長手方向に並べられ相互に独立して移動可能である。
【0040】
このような構造を有するアクチュエータの動作を図4(a)を参照して説明する。
【0041】
図4(a)は、第1及び第2の可動子2A,2Bが固定子枠3A内に挿入されている状態を示す断面図であり、図4(b)は、図4(a)をX−X線で切断し矢印方向から見た横断面図であり、図4(c)は、図4(a)をY−Y線で切断し矢印方向から見た横断面図である。
【0042】
図4(a)に示すように駆動用電極部12は、移動方向に沿って配置された各グループが4相の電極12A〜12Dからなる複数の電極グループから構成されている。駆動用電極12A〜12Dは、制御部19に接続され制御部19からの制御電圧信号が入力されて駆動される。即ち、複数の駆動用電極12A〜12Dのグループが長手方向に配置され、ある駆動用電極12A〜12Dは、夫々他のグループの対応する駆動用電極12A〜12Dに共通接続されて制御部19に接続され、電圧信号は、各グループの駆動用電極12A〜12Dに独立して印加される。例えば、駆動用電極12Aに電圧が印加される場合には、電極部12の全てのグループの駆動用電極12Aに対応する凸部に電圧信号が印加される。
【0043】
図4(d)に示されるように可動子2Aまたは2Bの固定電極5または11の幅Wm及び固定子3の固定子電極14の幅Wsは、可動子2Aまたは2Bが固定子3の枠中で横手方向に移動したとしてもその移動長(ΔL)よりも大きく定められることが必要とされる。この移動長ΔLは、可動子2Aまたは2Bが固定子5または11の一方の側面に設けられたストッパ16に当接された際の可動子2Aまたは2Bの幅(Lm)と固定子5または11の一方の側面に設けられたストッパ間の距離(Ls)の差に相当している。幅Wm及びWsが移動長(ΔL)よりも大きく定められる理由は、可動子がΔLだけ側面方向に移動することで、対向する電極5,14が外れることがあり、極端に重なり合う面積が小さくなると、可動子2Aを固定する力が発生できなくなってしまうためである。
【0044】
また、電極5、11または14間の空間もΔLよりも広くなければならず、固定電極本数が増えることは、電極の無い部分も増加することになり、吸引力を発生させるためには、不利な条件となる。
【0045】
また、可動子2A、2Bの夫々が1つ電極である場合に、これらが中央領域の左又は右に設けられるのでは、各可動子2A、2Bの夫々を進行方向に対して対称に設けることができない。その結果として駆動時における可動子2A、2Bが不安定に移動される虞があり、可動子2A、2Bの夫々には、少なくとも2つの電極が設けられる必要がある。
【0046】
そこで、小型のアクチュエータでは、固定子電極として例えば、2系統の固定子電極を有する構造では、一方の可動子2A、2Bに2本の電極が設けられ、他方の可動子2A、2Bに3本の電極が設けられる組み合わせ、或いは、一方の可動子2A、2Bに3本の電極が設けられ、他方の可動子2A、2Bに4本の電極が設けられる組み合わせが好ましい。
【0047】
ここで、第1及び第2の可動子2A,2Bの動作には、以下の4つの動作モードがあり、各動作モードについて説明する。
【0048】
▲1▼ 第1及び第2の可動子2A,2Bを共に図4(a)の右方向に移動させる場合。(以下、単に動作モード▲1▼と称する。)この動作は、レンズ系の焦点を被写体に合わせるフォーカシングモードに相当する。
【0049】
▲2▼ 第1及び第2の可動子2A,2Bを共に図4(a)の左方向に移動させる場合。(以下、単に動作モード▲2▼と称する。)この動作は、同様にレンズ系の焦点を被写体に合わせるフォーカシングモードに相当する。
【0050】
▲3▼ 第1の可動子2Aが固定されて第2の可動子2Bのみを図4(a)の左もしくは右方向に移動される場合。(以下、単に動作モード▲3▼と称する。)この動作は、テレ或いはワイド側にレンズ系を切り換えるズーミングモードに相当する。
【0051】
▲4▼ 第2の可動子2Bが固定されて第1の可動子2Aのみが図4(a)の左もしくは右方向に移動される場合。(以下、単に動作モード▲4▼と称する。)この動作は、テレ或いはワイド側にレンズ系を切り換えるズーミングモードに相当する。
【0052】
上述した4つの動作モードについて以下に説明する。
【0053】
▲1▼ 第1及び第2の可動子2A,2Bを共に図4(a)の右方向に移動させる動作モード▲1▼は、次の順序で実現される。
【0054】
(1)まず、可動子2A、2Bの駆動用電極4,8が接地されたままに維持される。この状態で、図5(a)に示されるように駆動用電極12Aに電圧Hが印加される。駆動用電極12Aの近傍の可動子側駆動用電極4,8が駆動用電極12Aに静電気力によって吸引されて、駆動用電極12Aに可動子側駆動用電極4,8が吸着される。従って、第1及び第2の可動子2A,2Bは、ガラス板13側に移動される。
【0055】
(2)次に、時点t1に駆動用電極12Aの電圧が低レベルLに変化され、図5(e)及び図5(f)に示すように保持用電極部14A,14Bに電圧Hが印加される。従って、保持用電極部14Aと可動子側固定電極5との間に強い静電気力が生成されて、第1の可動子2Aは、ガラス板15側に移動されて可動子側固定電極5が保持用電極部14Aに吸着される。また、保持用電極部14Bと可動子側固定電極11との間に強い静電気力が生成されて、第2の可動子2Bはガラス板15側に移動されて可動子側固定電極11は保持用電極部14Bとに吸着される。
【0056】
(3)次に、時点t2に保持用電極部14A,14Bの電圧が低レベルLに変化され、図5(b)に示されるように駆動用電極12Bに電圧Hが印加される。駆動用電極12Bの近傍の可動子側駆動用電極4,8が駆動用電極12Bに静電気力によって吸引されて、駆動用電極12Bに可動子側駆動用電極4,8が吸着される。従って、第1及び第2の可動子2A,2Bは、ガラス板13側に移動される。このとき(1)の時に比べて図4(a)の右方向に駆動用電極部12の一つのストライプ分、即ち、1ピッチだけ移動されることとなる。
【0057】
(4)次に、時点t3に駆動用電極12Bの電圧が低レベルLに変化され、図5E及び5Fに示すように再び保持用電極部14A,14Bに電圧Hが印加される。保持用電極部14Aと可動子側固定電極5との間に強い静電気力が生成されて、第1の可動子2Aはガラス板15側に移動されて可動子側固定電極5は、保持用電極部14Aに吸着される。また、保持用電極部14Bと可動子側固定電極11との間に強い静電気力が生成されて、第2の可動子2Bは、ガラス板15側に移動され可動子側固定電極11は保持用電極部14Bに吸着される。
【0058】
(5)更に、時点t4に保持用電極部14A,14Bの電圧が低レベルLに変化され、図5(c)に示されるように駆動用電極12Cに電圧が印加される。駆動用電極12C近傍の可動子側駆動用電極4,8が駆動用電極12Cに静電気力によって吸引されて、駆動用電極12Cに可動子側駆動用電極4,8が吸着される。第1及び第2の可動子2A,2Bは、ガラス板13側に移動される。このとき(1)の時に比べて図4(a)の右方向に駆動用電極部12の二つのストライプ分、即ち、2ピッチだけ移動されることになる。
【0059】
(6)次に、時点t5に駆動用電極12Cの電圧が低レベルLに変化され、図5(e)及び図5(f)に示すように再び保持用電極部14A,14Bに電圧が印加される。保持用電極部14Aと可動子側固定電極5との間に強い静電気力が生成されて、第1の可動子2Aは、ガラス板15側に移動されて可動子側固定電極5は保持用電極部14Aに吸着される。また、保持用電極部14Bと可動子側固定電極11との間に強い静電気力が生成されて、第2の可動子2Bは、ガラス板15側に移動されて可動子側固定電極11は、保持用電極部14Bに吸着される。
【0060】
(7)次に、時点t6に保持用電極部14A,14Bの電圧が低レベルLに変化され、図5(d)に示されるように駆動用電極12Dに電圧が印加される。駆動用電極12Dの近傍の可動子側駆動用電極4,8が駆動用電極12Dに静電気力によって吸引されて、駆動用電極12Dに可動子側駆動用電極4,8が吸着される。第1及び第2の可動子2A,2Bは、ガラス板13側に移動される。このとき(1)の時に比べて図4(a)の右方向に駆動用電極部12の三つのストライプ分、即ち、3ピッチだけ移動されることになる。
【0061】
(8)次に、時点t7に駆動用電極12Dの電圧が低レベルLに変化され、図5(e)及び図5(f)に示すように再び保持用電極部14A,14Bに電圧が印加される。保持用電極部14Aと可動子側固定電極5との間に強い静電気力が生成されて、第1の可動子2Aは、ガラス板15側に移動されて可動子側固定電極5は保持用電極部14Aに吸着される。また、保持用電極部14Bと可動子側固定電極11との間に強い静電気力が生成されて、第2の可動子2Bは、ガラス板15側に移動され可動子側固定電極11は、保持用電極部14Bに吸着される。
【0062】
(9)次に、時点t8に保持用電極部14A,14Bの電圧が低レベルLに変化され、図5(a)に示されるように再び駆動用電極12Aに電圧が印加される。駆動用電極12A近傍の可動子側駆動用電極4,8が駆動用電極12Aに静電気力によって吸引されて、駆動用電極12Aに可動子側駆動用電極4,8が吸着される。第1及び第2の可動子2A,2Bは、ガラス板13側に移動される。このとき(1)の時に比べて図4(a)の右方向に駆動用電極部12の四つのストライプ分、4ピッチだけ移動されることになる。
【0063】
以上のような(1)〜(9)の工程を、第1及び第2の可動子2A,2Bを移動させたい距離だけ繰り返される。
【0064】
▲2▼ 第1及び第2の可動子2A,2Bを共に図4(a)の左方向に移動させる場合。
【0065】
上記▲1▼ の工程を逆に行えば、左方向へ第1及び第2の可動子2A,2Bを移動させることができる。つまり、上述した▲1▼のモードにおいて、(9)、(8)、(7)、(6)、(5)、(4)、(3)、(2)、(1)の順に移動させたい距離だけ繰り返し各工程を実施して、第1及び第2の可動子2A,2Bを移動させれば良い。
【0066】
ここで、▲1▼及び▲2▼のモードは、何れも被写体に焦点を合わせるフォーカシングモードの動作であり、第1及び第2の可動子2A,2Bの初期位置によってどちらの方向に移動させれば短時間で焦点を合わせることができるかによって適宜選択される。
【0067】
▲3▼第1の可動子2Aを固定して第2の可動子2Bのみを図4(a)の左もしくは右方向に移動させる場合。
【0068】
以下に第2の可動子2Bを右方向に移動させる場合について説明する。
【0069】
(1)まず、可動子2A、2Bの駆動用電極4,8が▲1▼のモードと同様に接地されたままに維持される。図6(f)に示すように保持用電極部14Bに電圧が印加される。保持用電極部14Bと可動子側固定電極5との間に静電気力が生成されて、第2の可動子2Bは、ガラス板15側に移動され、可動子側固定電極5は、保持用電極部14Bに吸着される。図6(e)に示すように保持用電極部14Aに電圧が印加される場合には、第1の可動子2Aは、ガラス板15に吸着され、一時的に固定される。
【0070】
(2)次に、図6(e)に示すように保持用電極部14Aに電圧Hを印加したまま図6(a)に示されるように時点t1に駆動用電極12Aに電圧Hが印加される。駆動用電極12A近傍の可動子側駆動用電極8が駆動用電極12Aに静電気力によって吸引されて、駆動用電極12Aに可動子側駆動用電極8が吸着される。従って、第2の可動子2Bは、ガラス板13側に移動される。これに対して、保持用電極部14Aに電圧Hが印加されていることから、第1の可動子2Aは、ガラス板15側に固定されたままに維持される。
【0071】
(3)次に、保持用電極部14Aに電圧を印加したまま、図6(f)に示すように時点t2において、保持用電極部14Bに電圧Hが印加される。従って、保持用電極部14Bと可動子側固定電極11との間に強い静電気力が生成されて、第2の可動子2Bは、ガラス板15側に移動され可動子側固定電極11は、保持用電極部14Bに吸着される。
【0072】
(4)次に、保持用電極部14Aに電圧を印加したまま図6(b)に示すように時点t3で駆動用電極12Bに電圧Hが印加される。駆動用電極12Bの近傍の可動子側駆動用電極8が駆動用電極12Bに静電気力によって吸引されて、駆動用電極12Bに可動子側駆動用電極8が吸着される。従って、第2の可動子2Bは、ガラス板13側に移動される。第1の可動子2Aは、同様にガラス板15側に固定されたままに維持される。このとき(1)の時に比べて図4(a)の右方向に駆動用電極部12の一つのストライプ分だけ、即ち、1ピッチだけ第2の可動子2Bは移動される。
【0073】
(5)次に、保持用電極部14Aに電圧を印加したまま図6(f)に示すように時点t4で保持用電極部14Bに電圧Hが印加される。保持用電極部14Bと可動子側固定電極11との間に強い静電気力が生成されて、第2の可動子2Bは、ガラス板15側に移動され可動子側固定電極11は保持用電極部14Bに吸着される。
【0074】
(6)次に、保持用電極部14Aに電圧を印加したまま図6(c)に示すように時点t5で駆動用電極12Cに電圧が印加される。駆動用電極12C近傍の可動子側駆動用電極8が駆動用電極12Cに静電気力によって吸引されて、駆動用電極12Cに可動子側駆動用電極8が吸着される。従って、第2の可動子2Bは、ガラス板13側に移動される。第1の可動子2Aは、依然ガラス板15側に固定されたままに維持される。このとき(1)の時に比べて図4(a)の右方向に駆動用電極部12の二つのストライプ分、即ち、2ピッチだけ第2の可動子2Bは移動される。
【0075】
(7)次に、保持用電極部14Aに電圧を印加したまま図6(f)に示すように時点t6で保持用電極部14Bに電圧Hが印加される。保持用電極部14Bと可動子側固定電極11との間に強い静電気力が生成されて、第2の可動子2Bは、ガラス板15側に移動され、可動子側固定電極11は、保持用電極部14Bに吸着される。
【0076】
(8)次に、保持用電極部14Aに電圧を印加したまま図6(d)に示すように時点t7に駆動用電極12Dに電圧が印加される。駆動用電極12D近傍の可動子側駆動用電極8が駆動用電極12Dに静電気力によって吸引されて、駆動用電極12Dに可動子側駆動用電極8が近接する。第2の可動子2Bは、ガラス板13側に移動される。第1の可動子2Aは、ガラス板15側に固定されたままにある。このとき(1)の時に比べて図4(a)の右方向に駆動用電極部12の三つのストライプ分、即ち、3ピッチだけ第2の可動子2Bが移動される。
【0077】
(9)次に、保持用電極部14Aに電圧を印加したまま図6(f)に示すように時点t8で保持用電極部14Bに電圧が印加される。保持用電極部14Bと可動子側固定電極11との間に強い静電気力が生成されて、第2の可動子2Bは、ガラス板15側に移動されて可動子側固定電極11は、保持用電極部14Bに吸着される。
【0078】
(10)次に、保持用電極部14Aに電圧を印加したまま図6(a)に示すように時点t9で駆動用電極12Aに電圧が印加される。駆動用電極12A近傍の可動子側駆動用電極8が駆動用電極12Aに静電気力によって吸引されて、駆動用電極12Aに可動子側駆動用電極8が吸着される。第2の可動子2Bは、ガラス板13側に移動される。第1の可動子2Aは、同様にガラス板15側に固定されたままに維持される。このとき(1)の時に比べて図4(a)の右方向に駆動用電極部12の四つのストライプ分、4ピッチだけ第2の可動子2Bが移動される。
【0079】
以上のような(1)〜(10)の工程を、第2の可動子2Bを移動させたい距離だけ繰り返し行い可動子2Bを移動させる。
【0080】
また、可動子2Bを右方向に移動させたい場合には、上述した▲3▼において(1)、(10)、(9)、(8)、(7)、(6)、(5)、(4)、(3)、(2)の順に移動させたい距離だけ繰り返し行うことで、第2の可動子2Bを移動させることができる。
【0081】
▲4▼ 第2の可動子2Bを固定して第1の可動子2Aのみを図4(a)の左もしくは右方向に移動させる場合。
【0082】
以下に第1の可動子2Aを右方向に移動させる場合について説明する。
【0083】
(1)まず、可動子2A、2Bの駆動用電極4,8が▲1▼の動作モードと同様に接地されたままに維持される。図7(e)に示すように保持用電極部14Aに電圧が印加される。保持用電極部14Aと可動子側固定電極11との間に静電気力が生成されて、第1の可動子2Aは、ガラス板15側に移動され可動子側固定電極5は、保持用電極部14Aに吸着される。ここで、図7(f)に示すように保持用電極部14Bに電圧が印加される場合には、第2の可動子2Bは、ガラス板15に吸着され、固定されたままに維持される。
【0084】
(2)次に、図7(f)に示すように保持用電極部14Bに電圧Hが印加されたまま図7(a)に示されるように時点t1に駆動用電極12Aに電圧Hが印加される。従って、駆動用電極12Aの近傍の可動子側駆動用電極4が駆動用電極12Aに静電気力によって吸引されて、駆動用電極12Aに可動子側駆動用電極4が吸着される。その結果、第1の可動子2Aは、ガラス板13側に移動される。これに対して、保持用電極部14Bに電圧Hが印加されていることから、第2の可動子2Bは、ガラス板15側に固定されたままに維持される。
【0085】
(3)次に、保持用電極部14Bに電圧Hを印加したまま図7(e)に示されるように時点t2に保持用電極部14Aに電圧Hが印加される。保持用電極部14Aと可動子側固定電極5との間に強い静電気力が生成されて、第1の可動子2Aは、ガラス板15側に移動され可動子側固定電極5は保持用電極部14Aに吸着される。
【0086】
(4)次に、保持用電極部14Bに電圧Hを印加したまま図7(b)に示すように時点t3において、駆動用電極12Bに電圧Hが印加される。駆動用電極12B近傍の可動子側駆動用電極4が駆動用電極12Bに静電気力によって吸引されて、駆動用電極12Bに可動子側駆動用電極4が吸着される。第1の可動子2Aは、ガラス板13側に移動される。第2の可動子2Bは、ガラス板15側に固定されたままに維持される。このとき(1)の時に比べて図4(a)の右方向に駆動用電極部12の一つのストライプ分、即ち、1ピッチだけ第1の可動子2Aが移動される。
【0087】
(5)次に、保持用電極部14Bに電圧Hを印加したまま図7(e)に示されるように時点t4に保持用電極部14Aに電圧Hを印加する。保持用電極部14Aと可動子側固定電極5との間に強い静電気力が生成されて、第1の可動子2Aは、ガラス板15側に移動され可動子側固定電極5は、保持用電極部14Aに吸着される。
【0088】
(6)次に、保持用電極部14Bに電圧Hを印加したまま図7(c)に示されるように時点t5に駆動用電極12Cに電圧Hが印加される。駆動用電極12C近傍の可動子側駆動用電極4が駆動用電極12Cに静電気力によって吸引されて、駆動用電極12Cに可動子側駆動用電極4が吸着される。従って、第1の可動子2Aは、ガラス板13側に移動される。第2の可動子2Bは、ガラス板15側に固定されたままに維持される。このとき(1)の時に比べて図4(a)の右方向に駆動用電極部12の二つのストライプ分、即ち、2ピッチだけ第1の可動子2Aが移動される。
【0089】
(7)次に、保持用電極部14Bに電圧Hを印加したまま図7(e)に示されるように時点t6に保持用電極部14Aに電圧Hが印加される。保持用電極部14Aと可動子側固定電極5との間に強い静電気力が生成されて、第1の可動子2Aは、ガラス板15側に移動され、可動子側固定電極5は保持用電極部14Aに吸着される。
【0090】
(8)次に、保持用電極部14Bに電圧Hを印加したまま図7(d)に示されるように時点t7に駆動用電極12Dに電圧Hを印加する。駆動用電極12D近傍の可動子側駆動用電極4が駆動用電極12Dに静電気力によって吸引されて、駆動用電極12Dに可動子側駆動用電極4が吸着される。第1の可動子2Aは、ガラス板13側に移動される。やはり第2の可動子2Bは、ガラス板15側に一時的に固定されたままにある。このとき(1)の時に比べて図4(a)の右方向に駆動用電極部12の三つのストライプ分、即ち、3ピッチだけ第1の可動子2Aが移動される。
【0091】
(9)次に、保持用電極部14Bに電圧Hを印加したまま図7(e)に示されるように時点t8に保持用電極部14Aに電圧Hが印加される。保持用電極部14Aと可動子側固定電極5との間に強い静電気力が生成されて、第1の可動子2Aは、ガラス板15側に移動され可動子側固定電極5は、保持用電極部14Aに吸着される。
【0092】
(10)次に、保持用電極部14Bに電圧を印加したまま図7(a)に示されるように時点t9に駆動用電極12Aに電圧Hが印加される。駆動用電極12A近傍の可動子側駆動用電極4が駆動用電極12Aに静電気力によって吸引されて、駆動用電極12Aに可動子側駆動用電極4が近接する。第1の可動子2Aは、ガラス板13側に移動される。第2の可動子2Bは、ガラス板15側に一時的に固定されたままである。このとき(1)の時に比べて図4(a)の右方向に駆動用電極部12の4つのストライプ分、4ピッチだけ第1の可動子2Aが移動される。
【0093】
以上のような(1)〜(10)の工程を第1の可動子2Aを移動させたい距離だけ繰り返されて第1の可動子2Aが移動される。
【0094】
また、第1の可動子2Aを左方向に移動させたい場合には、▲3▼の動作モードにおいて(1)、(10)、(9)、(8)、(7)、(6)、(5)、(4)、(3)、(2)の順に移動させたい距離だけ繰り返されて第1の可動子2Aが移動される。
【0095】
ここで、▲3▼及び▲4▼の動作モードは、どちらも撮像される画像を拡大もしくは縮小するために行われる動作であり、第1及び第2の可動子2A,2Bの初期位置によってどちらの方向にどちらの可動子を移動させれば短時間で拡大もしくは縮小ができるかは適宜選択されるものとする。
【0096】
なお、図4(b)は第1の可動子2Aがガラス板13側に移動したときを、図4(c)は第2の可動子2Bがガラス板15側に移動したときを、それぞれ示している。
【0097】
図4(a)に示されたアクチュエータにおいては、駆動用電極部12の駆動用電極12A〜12Dは、可動子側駆動用電極4及び8の幅にほぼ等しく、しかも、配列ピッチに等しく定められている。このようなアクチュエータの変形例として、図8(a)〜図8(c)に示すように駆動用電極部12の駆動用電極12A〜12Dは、可動子側駆動用電極4及び8の幅の1/2以下に定められ、しかも、配列ピッチが1/4に定められても良い。このような構造を有するアクチュエータでは、可動子2A、2Bが夫々駆動用電極部12の駆動用電極12A〜12Dに引き付けられると、可動子側駆動用電極4及び8の夫々は、図8(a)〜図8(c)に示すように常に2つの駆動用電極12A〜12Dに対向される。
【0098】
図8(a)〜図8Cに示すアクチュエータの動作について、図9(a)〜図9(f)、図10(a)〜図10(f)及び図11(a)〜図11(f)を参照して以下に説明する。
【0099】
▲1▼ 第1及び第2の可動子2A,2Bが図8(a)に示すように同時に右方向に移動される動作モード▲1▼は、次の順序で実現される。
【0100】
(1)まず、可動子2A、2Bの駆動用電極4,8が接地されたままに維持される。この状態で、図9(a)及び図9(b)に示されるように駆動用電極12A及び12Bに電圧Hが印加される。駆動用電極12A、12Bの近傍の可動子側駆動用電極4,8が駆動用電極12A、12Bに静電気力によって吸引されて、駆動用電極12A、12Bに可動子側駆動用電極4,8が吸着される。従って、第1及び第2の可動子2A,2Bは、ガラス板13側に移動される。
【0101】
(2)次に、図9(a)及び図9(b)に示すように時点t1に駆動用電極12A及び12Bの電圧が低レベルLに変化され、図9(e)及び図9(f)に示すように保持用電極部14A,14Bに電圧Hが印加される。従って、保持用電極部14Aと可動子側固定電極5との間に強い静電気力が生成されて、第1の可動子2Aは、ガラス板15側に移動されて可動子側固定電極5が保持用電極部14Aに吸着される。また、保持用電極部14Bと可動子側固定電極11との間に強い静電気力が生成されて、第2の可動子2Bは、ガラス板15側に移動されて可動子側固定電極11は、保持用電極部14Bとに吸着される。
【0102】
(3)次に、図9(e)及び図9(f)に示すように時点t2に保持用電極部14A,14Bの電圧が低レベルLに変化され、図9B及び図9Cに示されるように駆動用電極12B及び12Cに電圧Hが印加される。駆動用電極12B及び12Cの近傍の可動子側駆動用電極4,8が駆動用電極12B及び12Cに静電気力によって吸引されて、駆動用電極12B及び12Cに可動子側駆動用電極4,8が吸着される。従って、第1及び第2の可動子2A,2Bは、ガラス板13側に移動される。このとき(1)の時に比べて図8(a)の右方向に駆動用電極部12の1つのストライプ分、即ち、1ピッチだけ移動されることとなる。
【0103】
(4)次に、時点t3に駆動用電極12B及び12Cの電圧が低レベルLに変化され、図9(e)及び図9(f)に示すように再び保持用電極部14A,14Bに電圧Hが印加される。保持用電極部14Aと可動子側固定電極5との間に強い静電気力が生成されて、第1の可動子2Aは、ガラス板15側に移動されて可動子側固定電極5は、保持用電極部14Aに吸着される。また、保持用電極部14Bと可動子側固定電極11との間に強い静電気力が生成されて、第2の可動子2Bは、ガラス板15側に移動され可動子側固定電極11は保持用電極部14Bに吸着される。
【0104】
(5)更に、時点t4に保持用電極部14A,14Bの電圧が低レベルLに変化され、図9C及び9Dに示されるように駆動用電極12C及び12Dに電圧が印加される。駆動用電極12C及び12D近傍の可動子側駆動用電極4,8が駆動用電極12C及び12Dに静電気力によって吸引されて、駆動用電極12C及び12Dに可動子側駆動用電極4,8が吸着される。第1及び第2の可動子2A,2Bは、ガラス板13側に移動される。このとき(1)の時に比べて図8(a)の右方向に駆動用電極部12の二つのストライプ分、即ち、2ピッチだけ移動されることになる。
【0105】
(6)次に、時点t5に駆動用電極12C及び12Dの電圧が低レベルLに変化され、図9(e)及び図9(f)に示すように再び保持用電極部14A,14Bに電圧が印加される。保持用電極部14Aと可動子側固定電極5との間に強い静電気力が生成されて、第1の可動子2Aは、ガラス板15側に移動されて可動子側固定電極5は保持用電極部14Aに吸着される。また、保持用電極部14Bと可動子側固定電極11との間に強い静電気力が生成されて、第2の可動子2Bは、ガラス板15側に移動されて可動子側固定電極11は、保持用電極部14Bに吸着される。
【0106】
(7)次に、時点t6に保持用電極部14A,14Bの電圧が低レベルLに変化され、図9D及び図9Aに示されるように駆動用電極12B及び12Aに電圧Hが印加される。駆動用電極12B及び12Aの近傍の可動子側駆動用電極4,8が駆動用電極12B及び12Aに静電気力によって吸引されて、駆動用電極12B及び12Aに可動子側駆動用電極4,8が吸着される。第1及び第2の可動子2A,2Bは、ガラス板13側に移動される。このとき(1)の時に比べて図8(a)の右方向に駆動用電極部12の三つのストライプ分、即ち、3ピッチだけ移動されることになる。
【0107】
(8)次に、時点t7に駆動用電極12Aの電圧が低レベルLに変化され、図9(e)及び図9(f)に示すように再び保持用電極部14A,14Bに電圧Hが印加される。保持用電極部14Aと可動子側固定電極5との間に強い静電気力が生成されて、第1の可動子2Aは、ガラス板15側に移動されて可動子側固定電極5は、保持用電極部14Aに吸着される。また、保持用電極部14Bと可動子側固定電極11との間に強い静電気力が生成されて、第2の可動子2Bは、ガラス板15側に移動され可動子側固定電極11は、保持用電極部14Bに吸着される。
【0108】
(9)次に、時点t8に保持用電極部14A,14Bの電圧が低レベルLに変化され、図9(a)及び図9(b)に示されるように再び駆動用電極12A及び12Bに電圧が印加される。駆動用電極12A及び12B近傍の可動子側駆動用電極4,8が駆動用電極12A及び12Bに静電気力によって吸引されて、駆動用電極12A及び12Bに可動子側駆動用電極4,8が吸着される。第1及び第2の可動子2A,2Bは、ガラス板13側に移動される。このとき(1)の時に比べて図8(a)の右方向に駆動用電極部12の四つのストライプ分、4ピッチだけ移動されることになる。
【0109】
以上のような(1)〜(9)の工程を、第1及び第2の可動子2A,2Bを移動させたい距離だけ繰り返される。
【0110】
▲2▼ 第1及び第2の可動子2A,2Bを共に図4(a)の左方向に移動させる場合には、上記▲1▼の動作モードの工程を逆に行えば、左方向へ第1及び第2の可動子2A,2Bを移動させることができる。つまり、上述した▲1▼のモードにおいて、(9)、(8)、(7)、(6)、(5)、(4)、(3)、(2)、(1)の順に移動させたい距離だけ繰り返し各工程を実施して、第1及び第2の可動子2A,2Bを移動させれば良い。
【0111】
▲3▼第1の可動子2Aを固定して第2の可動子2Bのみを左もしくは右方向に移動させる場合。
【0112】
以下に図8(b)に示すように第2の可動子2Bを右方向に移動させる場合について説明する。
【0113】
(1)まず、可動子2A、2Bの駆動用電極4,8が▲1▼の動作モードと同様に接地されたままに維持される。図10(f)に示すように保持用電極部14Bに電圧が印加される。保持用電極部14Bと可動子側固定電極5との間に静電気力が生成されて、第2の可動子2Bは、ガラス板15側に移動され可動子側固定電極5は保持用電極部14Bに吸着される。図10(e)に示すように保持用電極部14Aに電圧が印加される場合には、第1の可動子2Aは、ガラス板15に吸着される。
【0114】
(2)次に、図10(e)に示すように保持用電極部14Bに電圧Hを印加したまま図10(a)及び10Bに示されるように時点t1に駆動用電極12A及び12Bに電圧Hが印加される。駆動用電極12A及び12Bの近傍の可動子側駆動用電極8が駆動用電極12A及び12Bに静電気力によって吸引されて、駆動用電極12A及び12Bに可動子側駆動用電極8が吸着される。従って、第2の可動子2Bは、ガラス板13側に移動される。これに対して、保持用電極部14Aに電圧Hが印加されていることから、第1の可動子2Aは、ガラス板15側に固定されたままに維持される。
【0115】
(3)次に、保持用電極部14Aに電圧を印加したまま、図10(f)に示すように時点t2において、保持用電極部14Bに電圧Hが印加される。従って、保持用電極部14Bと可動子側固定電極11との間に強い静電気力が生成されて、第2の可動子2Bは、ガラス板15側に移動され可動子側固定電極11は保持用電極部14Bに吸着される。
【0116】
(4)次に、保持用電極部14Aに電圧を印加したまま図10B及び図10Cに示すように時点t3で駆動用電極12B及び12Cに電圧Hが印加される。駆動用電極12B及び12Cの近傍の可動子側駆動用電極8が駆動用電極12B及び12Cに静電気力によって吸引されて、駆動用電極12B及び12Cに可動子側駆動用電極8が吸着される。従って、第2の可動子2Bは、ガラス板13側に移動される。第1の可動子2Aは、同様にガラス板15側に固定されたままに維持される。このとき(1)の時に比べて図8(b)の右方向に駆動用電極部12の一つのストライプ分だけ、即ち、1ピッチだけ第2の可動子2Bは移動される。
【0117】
(5)次に、保持用電極部14Aに電圧を印加したまま図10(f)に示すように時点t4で保持用電極部14Bに電圧Hが印加される。保持用電極部14Bと可動子側固定電極11との間に強い静電気力が生成されて、第2の可動子2Bは、ガラス板15側に移動され可動子側固定電極11は保持用電極部14Bに吸着される。
【0118】
(6)次に、保持用電極部14Aに電圧を印加したまま図10(c)及び図10Dに示すように時点t5で駆動用電極12C及び12Dに電圧が印加される。駆動用電極12C及び12Dの近傍の可動子側駆動用電極8が駆動用電極12Cに静電気力によって吸引されて、駆動用電極12C及び12Dに可動子側駆動用電極8が吸着される。従って、第2の可動子2Bは、ガラス板13側に移動される。第1の可動子2Aは、依然ガラス板15側に固定されたままに維持される。このとき(1)の時に比べて図8(b)の右方向に駆動用電極部12の二つのストライプ分、即ち、2ピッチだけ第2の可動子2Bは移動される。
【0119】
(7)次に、保持用電極部14Aに電圧を印加したまま図10(f)に示すように時点t6で保持用電極部14Bに電圧Hが印加される。保持用電極部14Bと可動子側固定電極11との間に強い静電気力が生成されて、第2の可動子2Bは、ガラス板15側に移動され、可動子側固定電極11は、保持用電極部14Bに吸着される。
【0120】
(8)次に、保持用電極部14Aに電圧を印加したまま図10(d)、図10(d)及び10Aに示すように時点t7に駆動用電極12D及び12Aに電圧が印加される。駆動用電極12D及び12Aの近傍の可動子側駆動用電極8が駆動用電極12D及び12Aに静電気力によって吸引されて、駆動用電極12D及び12Aに可動子側駆動用電極8が近接する。第2の可動子2Bはガラス板13側に移動される。第1の可動子2Aは、ガラス板15側に固定されたままにある。このとき(1)の時に比べて図8(b)の右方向に駆動用電極部12の三つのストライプ分、即ち、3ピッチだけ第2の可動子2Bが移動される。
【0121】
(9)次に、保持用電極部14Aに電圧を印加したまま図10(f)に示すように時点t8で保持用電極部14Bに電圧が印加される。保持用電極部14Bと可動子側固定電極11との間に強い静電気力が生成されて、第2の可動子2Bは、ガラス板15側に移動されて可動子側固定電極11は、保持用電極部14Bに吸着される。
【0122】
(10)次に、保持用電極部14Aに電圧を印加したまま図10(a)及び図10(b)に示すように時点t9で駆動用電極12A及び12Bに電圧が印加される。駆動用電極12A及び12B近傍の可動子側駆動用電極8が駆動用電極12A及び12Bに静電気力によって吸引されて、駆動用電極12A及び12Bに可動子側駆動用電極8が近接する。第2の可動子2Bは、ガラス板13側に移動される。第1の可動子2Aは、同様にガラス板15側に固定されたままに維持される。このとき(1)の時に比べて図10Bの右方向に駆動用電極部12の四つのストライプ分、4ピッチだけ第2の可動子2Bが移動される。
【0123】
以上のような(1)〜(10)の工程を、第2の可動子2Bを移動させたい距離だけ繰り返し行い可動子2Bを移動させる。
【0124】
また、可動子2Bを右方向に移動させたい場合には、上述した▲3▼において(1)、(10)、(9)、(8)、(7)、(6)、(5)、(4)、(3)、(2)の順に移動させたい距離だけ繰り返し行うことで、第2の可動子2Bを移動させることができる。
【0125】
▲4▼ 第2の可動子2Bを固定して第1の可動子2Aのみを左もしくは右方向に移動させる場合。
【0126】
以下に、図8(c)に示すように第1の可動子2Aを右方向に移動させる場合について説明する。
【0127】
(1)まず、可動子2A、2Bの駆動用電極4,8が▲1▼の動作モードと同様に接地されたままに維持される。図11(e)に示すように保持用電極部14Aに電圧が印加される。保持用電極部14Aと可動子側固定電極11との間に静電気力が生成されて、第1の可動子2Aは、ガラス板15側に移動され可動子側固定電極5は、保持用電極部14Aに吸着される。ここで、図11(f)に示すように保持用電極部14Bに電圧が印加される場合には、第2の可動子2Bは、ガラス板15に吸着される。
【0128】
(2)次に、図11(f)に示すように保持用電極部14Bに電圧Hが印加されたまま図11(a)に示されるように時点t1に駆動用電極12A及び12Bに電圧Hが印加される。従って、駆動用電極12A及び12Bの近傍の可動子側駆動用電極4が駆動用電極12A及び12Bに静電気力によって吸引されて、駆動用電極12A及び12Bに可動子側駆動用電極4が吸着される。その結果、第1の可動子2Aは、ガラス板13側に移動される。これに対して、保持用電極部14Bに電圧Hが印加されていることから、第2の可動子2Bは、ガラス板15側に固定されたままに維持される。
【0129】
(3)次に、保持用電極部14Bに電圧Hを印加したまま図11(e)に示されるように時点t2に保持用電極部14Aに電圧Hが印加される。保持用電極部14Aと可動子側固定電極5との間に強い静電気力が生成されて、第1の可動子2Aは、ガラス板15側に移動され可動子側固定電極5は保持用電極部14Aに吸着される。
【0130】
(4)次に、保持用電極部14Bに電圧Hを印加したまま図11(b)に示すように時点t3において、駆動用電極12B及び12Cに電圧Hが印加される。駆動用電極12B及び12C近傍の可動子側駆動用電極4が駆動用電極12B及び12Cに静電気力によって吸引されて、駆動用電極12B及び12Cに可動子側駆動用電極4が吸着される。第1の可動子2Aは、ガラス板13側に移動される。第2の可動子2Bは、ガラス板15側に固定されたままに維持される。このとき(1)の時に比べて図8(c)の右方向に駆動用電極部12の一つのストライプ分、即ち、1ピッチだけ第1の可動子2Aが移動される。
【0131】
(5)次に、保持用電極部14Bに電圧Hを印加したまま図11(e)に示されるように時点t4に保持用電極部14Aに電圧Hを印加する。保持用電極部14Aと可動子側固定電極5との間に強い静電気力が生成されて、第1の可動子2Aは、ガラス板15側に移動され可動子側固定電極5は、保持用電極部14Aに吸着される。
【0132】
(6)次に、保持用電極部14Bに電圧Hを印加したまま図12C及び12Dに示されるように時点t5に駆動用電極12C及び12Dに電圧Hが印加される。駆動用電極12C及び12D近傍の可動子側駆動用電極4が駆動用電極12C及び12Dに静電気力によって吸引されて、駆動用電極12C及び12Dに可動子側駆動用電極4が吸着される。従って、第1の可動子2Aは、ガラス板13側に移動される。第2の可動子2Bは、ガラス板15側に固定されたままに維持される。このとき(1)の時に比べて図4(a)の右方向に駆動用電極部12の二つのストライプ分、即ち、2ピッチだけ第1の可動子2Aが移動される。
【0133】
(7)次に、保持用電極部14Bに電圧Hを印加したまま図11(e)に示されるように時点t6に保持用電極部14Aに電圧Hが印加される。保持用電極部14Aと可動子側固定電極5との間に強い静電気力が生成されて、第1の可動子2Aは、ガラス板15側に移動され、可動子側固定電極5は保持用電極部14Aに吸着される。
【0134】
(8)次に、保持用電極部14Bに電圧Hを印加したまま図11(d)及び11Aに示されるように時点t7に駆動用電極12B及び12Aに電圧Hを印加する。駆動用電極12B及び12A近傍の可動子側駆動用電極4が駆動用電極12B及び12Aに静電気力によって吸引されて、駆動用電極12B及び12Aに可動子側駆動用電極4が吸着される。第1の可動子2Aは、ガラス板13側に移動される。やはり第2の可動子2Bは、ガラス板15側に一時的に固定されたままにある。このとき(1)の時に比べて図8(c)の右方向に駆動用電極部12の三つのストライプ分、即ち、3ピッチだけ第1の可動子2Aが移動される。
【0135】
(9)次に、保持用電極部14Bに電圧Hを印加したまま図11(e)に示されるように時点t8に保持用電極部14Aに電圧Hが印加される。保持用電極部14Aと可動子側固定電極5との間に強い静電気力が生成されて、第1の可動子2Aは、ガラス板15側に移動され可動子側固定電極5は、保持用電極部14Aに吸着される。
【0136】
(10)次に、保持用電極部14Bに電圧を印加したまま図11(a)及び11Bに示されるように時点t9に駆動用電極12A及び12Bに電圧Hが印加される。駆動用電極12A及び12B近傍の可動子側駆動用電極4が駆動用電極12A及び12Bに静電気力によって吸引されて、駆動用電極12A及び12Bに可動子側駆動用電極4が近接する。第1の可動子2Aは、ガラス板13側に移動される。第2の可動子2Bは、ガラス板15側に一時的に固定されたままである。このとき(1)の時に比べて図8(c)の右方向に駆動用電極部12の4つのストライプ分、4ピッチだけ第1の可動子2Aが移動される。
【0137】
以上のような(1)〜(10)の工程を第1の可動子2Aを移動させたい距離だけ繰り返されて第1の可動子2Aが移動される。
【0138】
また、第1の可動子2Aを右方向に移動させたい場合には、▲3▼の工程において(1)、(10)、(9)、(8)、(7)、(6)、(5)、(4)、(3)、(2)の順に移動させたい距離だけ繰り返されて第1の可動子2Aが移動される。
【0139】
次に、第1及び第2の可動子2A,2Bの位置とレンズ系のズームング倍率(拡大もしくは縮小の倍率)との関係について図12(a)及び図12(b)を参照して説明する。
【0140】
通常、ズーミングのための制御信号は、使用者が静電アクチュエータが具備されたPDA等の装置に設けられた入力部例えば、ボタンやつまみに入力した信号が装置内の制御部19に送られ、この入力信号に基づいて制御部19で生成される。この制御信号にしたがって第1及び第2の可動子2A,2Bが駆動される。
【0141】
まず、図12(a)は静電アクチュエータの縦断面図を示し、図12(b)は第1及び第2の可動子2A,2Bの軸方向の位置と光学倍率との関係を示すグラフである。図12(b)において、曲線Pは、第1の可動子2Aの移動範囲を示し、曲線Qは、第2の可動子2Bの移動範囲を示している。この図12(b)から明らかなように、固定子3の略中央付近では、第1及び第2の可動子2A,2Bの移動範囲が重なり合う領域がある。なお、図12(b)のグラフにおいて、横軸の原点は、静電アクチュエータの固定子3の第1の可動子2Aが設けられた側の一方の開口部に定められている。
【0142】
図12(a)に示すように、固定子3の第2の可動子2Bが設けられた側の他方の開口部には、レンズ6,9の結像面にCCDセンサ17が固定板18上に配置され、固定板18が固定子3の他方の開口部に固定されている。
【0143】
また、図12(b)に示すように、光学系がある光学倍率Xに設定される場合には、第1の可動子2Aが点Eに、第2の可動子2Bが点Fに配置される。同様に光学系が光学倍率Xよりも大きい光学倍率をYに設定される場合には、第1の可動子2Aが点Gに、第2の可動子2Bが点Hに配置される。また、光学系が光学倍率Yよりも大きい光学倍率をZに設定される場合には、第1の可動子2Aが点Iに、第2の可動子2Bが点Jに配置される。
【0144】
第1及び第2の可動子2A,2Bが所望の光学倍率に対応する所望の位置に移動される場合には、まず第1及び第2の可動子2A,2Bが粗動作され、次に、第1及び第2の可動子2A,2Bのどちらか一方が固定されて、移動可能な他方の可動子が微動されてその位置が所望の位置に設定される。次に、位置が設定された他方の可動子が固定されて一方の可動子が微動されて所望の位置に設定される(微動作)。
【0145】
このような動作を上述した▲1▼〜▲4▼の動作モードの工程により第1及び第2の可動子2A,2Bが独立して移動されることで光学系は、所望の倍率に設定される。
【0146】
なお、上述した実施例では、第1及び第2の可動子2A,2Bが粗動作された後、一方の可動子が固定され、他方の可動子が微動されて所望の位置に設定されて光学系は、光学倍率設定されている。しかしながら、第1及び第2の可動子2A,2Bが独立して制御されることによって位置設定を途中でどちらか一方の第1及び第2の可動子2A,2Bを固定することなく、第1及び第2の可動子2A,2Bをそれぞれの所望の位置に直接移動させて、所望の光学倍率が得られてもよい。また、このような動作では、第1の可動子2Aが、駆動用電極部12側に移動もしくは駆動用電極部12側に一時的に固定されている場合には、必ず第2の可動子2Bは、保持用電極部14B側に移動もしくは保持用電極部14Bに一時的に固定されている。ただし、後者の動作の場合には前者に比べて若干拡大もしくは縮小に必要な時間が大きくなる。
【0147】
以上述べたような第1の実施の形態では、撮像される画像の拡大もしくは縮小するための複数の可動子を、独立して動作させることで所望の光学倍率を得ることができる。
【0148】
次に、この発明の第2の実施の形態に係るアクチュエータについて図13(a)〜13Cを参照して説明する。
【0149】
なお、以下の各実施の形態において同一構成要素は同一符号を付し重複する説明は省略する。
【0150】
第2の実施の形態に係るアクチュエータでは、可動子側固定電極5,11が、第1及び第2の可動子2A,2Bのほぼ下面全域に形成されている。
【0151】
図13(a)は、この発明の第2の実施の形態に係るアクチュエータの可動子を概略的に示す側面図であり、図13(b)は、図13(a)に示された可動子の下面を概略的に示す平面図であり、図13(c)は、この発明の第2の実施の形態に係るアクチュエータのガラス板であって、図13(a)に示された可動子がスライドされるガラス板の上面を概略的に示す平面図である。
【0152】
図13(a)に示される第1の可動子2Aの下面には、図13(b)に示すように形状の可動子側固定電極5が設けられている。この可動子側固定電極5は、第1の可動子2Aの下面内に平面的に広がり、第2の可動子2B側に3つの突出領域及びその間に2つの凹み領域を有する略櫛形状に形成されている。
【0153】
また、第2の可動子2Bの下面には、図13(b)に示すように可動子側固定電極11が図設けられている。この可動子側固定電極11は、第2の可動子2Bの下面内に平面的に広がり、第1の可動子2A側に3つの凹み領域及びその間に2つの突出領域を有する略櫛形状に形成されている。図13(b)から明らかなように可動子側固定電極5、11は、互いに一方の凹部領域が他方の突部領域にはめ合わせられような相補形状に形成されている。
【0154】
また、保持用電極部14A,14Bは、図13(c)に示されるようにガラス板15の中央部で電気的に分離されように平坦に広がり、その中央部では、夫々可動子側固定電極5、11の形状に対応する形状に形成されている。つまり、ガラス板15中央部分では、保持用電極部14A,14Bは、互いに一方の凹部領域が他方の突部領域にはめ合わせられような相補形状に形成されている。 このような構造を有するアクチュエータでは、図4(a)に示されたアクチュエータと同様に動作される。ただし、第1の可動子2Aをガラス板15側に一時的に固定する保持用電極部14Aは、ガラス板15の略中央部分にまでしか形成されておらず、また、第2の可動子2Bをガラス板15側に一時的に固定する保持用電極部14Bは、保持用電極部14Aが形成されていないガラス板15の略中央部分までしか形成されていないため、第1の可動子2Aは開口部からガラス板15の略半分付近までしか移動させることができず、また第2の可動子2Bは、CCDセンサ17からガラス板15の略半分付近までしか移動されることができない。
【0155】
また、第1及び第2の可動子2A,2Bの移動が終了した後、新たに移動開始されるまでは、第1の可動子2Aは、駆動用電極部12,14Aのいずれかに、第2の可動子2Bは駆動用電極部12,14Bのいずれかに、それぞれ一時的に固定され続けられる。この固定された状態では、静電アクチュエータが搭載された装置の主電源を切った場合においても内部電源により通電がなされ保持され続けられる。
【0156】
以上述べたような第2の実施の形態に係るアクチュエータでは、撮像される画像の拡大もしくは縮小するための複数の可動子を独立して動作させることで、所望の光学倍率を得ることができる。
【0157】
また、第1及び第2の可動子2A,2Bの移動範囲は、前述した第1の実施の形態よりも小さくなるが、第1及び第2の可動子2A,2Bが接触することによって破損する可能性がなくなり、静電アクチュエータの信頼性が向上される。
【0158】
次に、この発明の第3の実施の形態に係るアクチュエータについて図14(a)〜図14(c)を参照して説明する。
【0159】
図14(b)に示されるようにこのアクチュエータでは、可動子側固定電極5,11が平板状に形成されている。
【0160】
図14(a)はこの発明の第3の実施の形態に係る可動子を概略的に示す側面図あり、図14(b)は図14(a)に示された可動子の下面を概略的に示す平面図であり、図14(c)は、この発明の第3の実施の形態に係るアクチュエータのガラス板の上面を概略的に示す平面図である。
【0161】
可動子側の固定電極5は、図14(b)左側に示すように平板状に形成される。ただし、可動子側の固定電極5は、第1の可動子2A下面の面積に対し少なくとも半分以上の面積を有し、かつ全域にわたって形成されていないものとする。例えば、可動子側固定電極5は、所定方向に偏位して可動子2Bから離れるように設けられる。
【0162】
可動子側固定電極11は、図14(c)右側に示すように平板状に形成される。ただし、可動子側固定電極11は、第2の可動子2B下面の面積に対し少なくとも半分以上の面積を有し、かつ全域にわたって形成されていないものとする。例えば、可動子側固定電極11は、所定方向とは逆側に偏位して可動子2Aから離れるように設けられる。
【0163】
さらに、保持用電極部14A,14Bは、夫々図14(c)のように平坦に延出される形状に形成される。つまりガラス板15上には、平板状の2つの保持用電極部14A,14Bが離間して形成される。四角形な保持用電極部14A,14Bの面積は、各可動子の移動範囲(光学倍率)によって設定され、略同一であっても異なっていてもどちらでも良い。また、例えば、保持用電極部14Aは、ガラス板15上で所定方向に偏位して配置され、保持用電極部14Bは、ガラス板15上で所定方向とは逆側に偏位して配置される。
【0164】
このような構造を有するアクチュエータでは、上述した第1の実施の形態とほぼ同様に動作されるる。また、第1及び第2の可動子2A,2Bは、第2の実施の形態と同様に保持用電極部14A,14Bが形成された範囲内でしか移動することができない。また、第1及び第2の可動子2A,2Bの移動が終了した後、新たなに移動を開始するまでは、第1の可動子2Aは、駆動用電極部12,14Aのいずれかに、第2の可動子2Bは、駆動用電極部12,14Bのいずれかにそれぞれ一時的に固定され続けられる。この固定された状態は、静電アクチュエータが搭載された装置の主電源を切った場合においても内部電源により通電がなされ保持されているものとする。
【0165】
以上述べたような構造のアクチュエータでは、撮像される画像の拡大もしくは縮小を行うための複数の可動子を独立して動作させることで、所望の光学倍率を得ることができる。
【0166】
また、第1及び第2の可動子2A,2Bの移動範囲は、第1の実施の形態よりも小さくなるが、第1及び第2の可動子2A,2Bが接触することによって破損する可能性がなくなり、静電アクチュエータの動作の信頼性が向上する。
【0167】
また、保持用電極部14A,14Bの形状を平板状の四角形にしたことで容易に製作することができ製作費用の低減にも寄与する。
【0168】
次に、上述した第1〜第3の実施の形態における第1及び第2の可動子2A,2B及び固定子3の製造方法について図15(a)乃至図19を参照して説明する。
【0169】
まず、固定子3の製造方法について図15(a)から図15(c)を参照して説明する。
【0170】
図15(a)は、可動子の部品を展開して示す平面図であり、図15(b)は、図15(a)に示された可動子の部品を組立て示す斜視図であり、図15(c)は、固定子枠の製造過程において金型に可動子部品を装着した状態を概略的に示す平面図であり、図15(d)は、図15(c)の工程を経て製造された可動子を概略的に示す斜視図である。
【0171】
図15(a)に示すように、第1の可動子2Aの部品は、電極4が設けられた第1の平板20、電極5が設けられた第2の平板21、第1及び第2の平板20,21を接続する円弧状の第1の接続部材22、円弧状の第2の接続部材23、第1の平板20に貼付される当接部材24、から構成される。第1の平板20および第2の平板21表面には、凹凸形状の可動子側駆動用電極4,可動子側固定電極5がエッチングにより形成されている。第1の平板20、第2の平板21、第1の接続部材22,22、第2の接続部材23,23、合わせ部材24は、金属板から一体的にプレス成形によって成形される。
【0172】
このような第1の可動子2Aの部品は、図15(b)に示すように折り曲げられて組み立てられる。可動子側駆動用電極4,可動子側固定電極5が外側に配置されるように第1の平板20と第1の接続部材22,22との接続部、第2の平板21と第1の接続部材22,22との接続部、第2の平板21と第2の接続部材23,23との接続部、第2の接続部材23,23と合わせ部材24との接続部とがそれぞれ折り曲げられて、折り曲げた後に当接部材24と第1の平板20とがスポット溶接などにより接合される。第1及び第2の接続部材22,22、23,23は、外部からの圧力を弾性的に受けることができる部材であり、可動子構造は、柔軟性を有することとなる。
【0173】
次に、図15(c)に示すように、第1の可動子2Aの部品は、樹脂で固定される。
【0174】
第1の可動子2Aを固定するには、4つに分離可能な金型25A,25B,25C,25Dが用いられる。金型25A,25Bの内面には、可動子側駆動用電極4,可動子側固定電極5の凸部が当接されるため、凹形状にくぼんだ空間が設けられる。金型25A,25Bの挟まれて固定される金型25Cは、金型25A,25Bの内壁と向かいあう面側に、段差形状のレンズ6がはめ込まれるための凸部が形成されている。金型25Cに対向して金型25A,25Bに挟まれて固定される金型25Dは、金型25Cに当接するように、かつ第1及び第2の平板20,21の可動子側駆動用電極4,可動子側固定電極5を有しない面に対して隙間を設けて配置される。
【0175】
まず、第1の可動子2Aの可動子側駆動用電極4,可動子側固定電極5の凸部と、金型25A,25Bとが、接触するように配置される。
【0176】
次に、第1の可動子2Aの上下方向を塞ぐように金型25C,25Dが金型25A,25Bの隙間に挿入される。第1の可動子2Aは、金型25A〜25Dによって周囲を覆われる。このとき接続部材22,22、23,23によって第1の平板20と第2の平板21とは、金型25A,25Bに対して付勢されている。金型25A〜25Dは、動かないように固定される。
【0177】
次に、金型25Bの一部に貫通する樹脂導入孔26から樹脂が隙間に導入される。このとき金型25A〜25Dは、ヒータなどの加熱手段により約150℃に保持され、また、樹脂は約300℃に保持された状態で、樹脂が流し込まれる。樹脂が流し込まれた後、時間経過と共に徐々に室温程度にまで温度を低下させていき樹脂を固化させる。樹脂を固化させることによって第1の可動子2Aが、接続部材22,22,23,23によって移動されることなく固定されることになる。
【0178】
このとき常に一定の弾性力で第1及び第2の平板20,21が、金型25A,25Bに付勢されているため、第1と第2の平板20,21とは略一定の距離を有する。このため樹脂を固化して製作された第1の可動子2Aの可動子側駆動用電極4,可動子側固定電極5間の距離が略一定となり、かつ複数の第1の可動子2A間で製作精度にばらつきのないほぼ一定の形状を得ることができる。
【0179】
図15(d)に示すように、第1の可動子2Aの軸方向の一面にレンズ6が設けられる。
【0180】
なお、可動子2Bも上述した通り、第1の可動子2Aと同様の製造方法によって製作される。
【0181】
また、流させる樹脂は、カーボン等が混入された導電性を有する材料を用いることで、可動子2A、2Bへの配線の信頼性を向上させることができる。
【0182】
次に、固定子枠3の製造について図16(a)〜図16(c)の製造の説明図を参照して説明する。
【0183】
図16(a)に示す通り、2つに分離可能な金型30A,30Bには、金型30A,30Bが組み合わされた状態で固定子枠3の外形状が形成されるような穿設孔が設けられる。
【0184】
始め金型30A,30Bは分離された状態にある。
【0185】
金型30A,30Bの一対の対向する面31A,31Bの凸部に、横断面がほぼU字状のガラス板13,15の背面が接触するように配置される。このガラス板13,15の背面に対向する面には、パターニングされた駆動用電極部12,保持用電極部14が形成され、駆動用電極部12,保持用電極部14が対向するように面31A,31Bに配置される図。なお図16(b)には、これら電極の形状が簡略化したガラス板13,15で示されていることに注意されたい。
【0186】
図16(d)に示される直方体形状の中子32の側面が、面31cの凸部と接触するように、また面31Dと非接触となるように、駆動用電極部12,保持用電極部14の縁33と接触するように、金型30A,30Bが組み合わされる。金型30A,30Bが組み合わされた時には、図16(c)に示されるように駆動用電極部12,保持用電極部14の凹部と、中子32、面31Dおよび面31cの凹部と、は非接触である図。なお図16(c)において金型30A,30Bの形状の細部は一部省略して図示している。
【0187】
また、中子32と面34A,34B,34Dとは非接触であり、中子32は面34Cの凸部と接触されている。
【0188】
中子32と面34A〜34Dとの隙間に、樹脂が流し込まれる。このとき金型30A,30Bはヒータなどの加熱手段により約150℃に保持されており、また樹脂は約300℃に保持された状態で隙間に流し込まれる。樹脂が流し込まれた後、時間経過と共に徐々に室温程度にまで温度を低下させていき樹脂を固化させる。
【0189】
一定時間経過後(樹脂の固化完了後)に中子32を取り出し、金型30A,30Bを分離させ、所望の形状の固定子3を得る。
【0190】
このようにして製作された第1及び第2の可動子2A,2B、固定子3、ガラス板13,15を組み合わせて静電アクチュエータを作り上げる。
【0191】
次に、可動子の別の製造方法について図17(a)から17Cを参照して説明する。
【0192】
図17(a)に示すように、可動子側駆動用電極4は、シリコン製基板を加工してなるものであり、可動子側駆動用電極4の凹凸形状は、シリコン製基板の一面が所望の大きさ(数ミクロンオーダ)を有する凹凸形状となるようにエッチングによって形成される。エッチングは、LSIの高集積化のために行われる方法と略同一であり、ウェットエッチングまたはドライエッチングどちらであっても構わない。
【0193】
また、図17(b)に示す通り、可動子本体35は、導電性の樹脂で形成された平板を直方体状に組み立ててなるものである。可動子本体35の軸方向にはレンズ6が搭載されており、可動子本体35の側面の一部にはグランドに接続される接地配線7が接続されるためのパッド部36が形成されている。
【0194】
このように製作された可動子側駆動用電極4と可動子本体35とは、図17(c)に示すように、可動子本体35の上面に可動子側固定電極5を例えば紫外線で硬化するアクリル系接着剤にて貼設して第1の可動子2Aが製作される。
【0195】
このようにして製作された第1の可動子2Aと固定子3とを組み合わせることにより静電アクチュエータが製作される。
【0196】
次に、可動子の製造方法について図18を参照して説明する。
【0197】
図18は、可動子の製造方法の説明図であり、金型37A〜37Dを組み合わせて金型37A〜37Dの隙間に樹脂を注入して第1の可動子2Aを形成する。なお金型37Cに到達する長さを有する金型37Dを用いている。
【0198】
ここで、金型37A〜37Dの空間に流し込まれる樹脂は、導電性を有するカーボン粒子38とカーボンファイバ39とが混合されたものである。なおカーボン粒子38は、直径数ミクロンの略球形状をなしたものであり、またカーボンファイバ39は直径約10ミクロン長さ数十ミクロンの棒形状をしたものである。この樹脂を固化させることでレンズを有していない第1の可動子2Aを製作する。
【0199】
このような製造方法であれば、第1の可動子2Aの可動子側駆動用電極4,可動子側固定電極5の凸形状は例えば約20ミクロン間隔で形成されるため、凸部40とその隣に設けられる凸部40との間(つまり凹部41)にはカーボンファイバ39が入りこまない可能性があるが、カーボン粒子38が混入されていることにより仮にカーボンファイバ39が凹部に入り込まなくとも、カーボン粒子38が入り込むため良好な導電性を有する第1の可動子2Aを得ることができる。
【0200】
また、導電性の樹脂でない場合でも、処理後、メッキ処理を施すことで導電性を持たせることが可能であり、製造工程が増加する欠点はあるが、良好な導電性を確保することができる。
【0201】
次に、可動子と固定子の別の製造方法について図19を参照して説明する。
【0202】
図19は可動子と固定子との製造方法の説明図であり、金型42Aに第1及び第2の可動子2A,2Bとこの第1及び第2の可動子2A,2Bが挿入される固定子3と、が同一金型に形成される。なお図19は、2つの固定子、可動子が形成された金型の例を示している。
【0203】
第1及び第2の可動子2A,2Bの金型の形状は、図18に示すものと略同様であり、また固定子3の形状が形成された金型の形状は、図16(a)に示すものと略同様である。第1の可動子2Aの金型の対向する一対の内面43A−43Bには、可動子側駆動用電極4,可動子側固定電極5の形状が形成されている。また、固定子3の金型の対向する一対の内面44A,44Bには、駆動用電極部12,保持用電極部14の形状が形成される。
【0204】
このような構造を有する金型42A,42Bを用いることにより、寸法精度のばらつきの少ない第1及び第2の可動子2A,2B及び固定子枠3を短期間で大量に生産することができる。
【0205】
なお、本発明は上記各実施の形態には限定されずその主旨を逸脱しない範囲で種々変形して実施できることは言うまでもない。例えば、2つの可動子の位置を光センサなどにより検出し可動子が衝突するような状態であれば、どちらか一方を一時的に固定して衝突を防止することもできる。
【0206】
また、固定子に挿入される可動子は、2つでなくとも所望の倍率を得るために3つ以上設けてもよい。
【0207】
また、第1の接合部材及び第2の接合部材の形状は、弾性特性を有する形状であればどのような形状であっても構わない。
【0208】
【発明の効果】
以上のようにこの発明の静電アクチュエータによれば、複数の可動子を、互いに独立して動作させることができ、従って、この発明の静電アクチュエータをカメラ等の光学機器に適用する場合には、撮像される画像の拡大もしくは縮小させるズーミング機能を実現することができ、しかも、被写体に焦点を合わせるフォーカス機能をも実現できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】従来の静電アクチュエータにおいて可動子を固定子 から抜き出して概略的に示す斜視図である。
【図2】従来の静電アクチュエータ内の構造を概略的に示す縦断面図である。
【図3】(a)は、この発明の第1の実施の形態に係る静電アクチュエータの構造を破断して概略的に示す斜視図であって、一対の可動子が固定子枠から抜き出して示している斜視図であり、(b)は、(a)に示された駆動側固定子の固定子電極の配列を概略的に示す斜視図であり、及び、(c)は、(a)に示された可動子を保持する側の固定子の固定子電極配列を概略的に示す斜視図である。
【図4】(a)は、図3(a)に示された静電アクチュエータの内部構造を概略的に示す縦断面図であり、(b)は、(a)に示される静電アクチュエータをX−X線で切断して概略的に示す断面図であり、(c)は、(a)に示される静電アクチュエータをY−Y線で切断して概略的に示す断面図であり、及び(d)は、(a)に示される静電アクチュエータにおいて可動子の固定電極の本数と側面ギャップの関係を概略的に示す断面図である。
【図5】(a)から(f)は、図4(a)に示される静電アクチュエータにおいて2つの可動子を同時に同方向に移動させる場合における固定子の電極に与えられる電圧を示すタイミングチャートである。
【図6】(a)から(f)は、図4(a)に示される静電アクチュエータにおいて2つの可動子の一方をある方向に移動させる場合における固定子の電極に与えられる電圧を示すタイミングチャートである。
【図7】(a)から(f)は、図4(a)に示される静電アクチュエータにおいて2つの可動子の他方をある方向に移動させる場合における固定子の電極に与えられる電圧を示すタイミングチャートである。
【図8】(a)から(c)は、図4(a)に示される静電アクチュエータの変形例であって、夫々2つの可動子の動作状態を概略的に示す断面図である。
【図9】(a)から(f)は、図8(a)に示されるように2つの可動子を同時に同方向に移動させる場合における固定子の電極に与えられる電圧を示すタイミングチャートである。
【図10】(a)から(f)は、図8(b)に示されるように2つの可動子の一方をある方向に移動させる場合における固定子の電極に与えられる電圧を示すタイミングチャートである。
【図11】(a)から(f)は、図8(c)に示されるように2つの可動子の他方をある方向に移動させる場合における固定子の電極に与えられる電圧を示すタイミングチャートである。
【図12】(a)は、この発明の第1の実施の変形例に係る静電アクチュエータの内部構造を概略的に示す縦断面図であり、及び(b)は、(a)に示された静電アクチュエータにおける第1及び第2の可動子の位置と光学倍率との関係を表すグラフである。
【図13】(a)は、この発明の第2の実施の変形例に係る静電アクチュエータの可動子を概略的に示す縦断面図であり、(b)は、(a)に示される可動子の下面の電極パターンを概略的に示す平面図であり、及び(c)は、(a)及び(b)に示される可動子が組み込まれた静電アクチュエータの固定子のガラス板上の電極パターンを概略的に示す平面図である。
【図14】(a)は、この発明の第2の実施の変形例に係る静電アクチュエータの可動子を概略的に示す縦断面図であり、(b)は、(a)に示される可動子の下面の電極パターンを概略的に示す平面図であり、及び(c)は、(a)及び図14に示される可動子が組み込まれた静電アクチュエータの固定子のガラス板上の電極パターンを概略的に示す平面図である。
【図15】(a)は、図4(a)に示された静電アクチュエータの可動子の部品を分解して概略的に示す平面図であり、(b)は、(a)に示され可動子部品を組み立てた状態を概略的に示す斜視図であり、(c)は、(b)に示された可動子の部品及びその可動子部品が組み込まれた金型を概略的に示す断面図であり、及び(d)は、(c)に示された金型で作られた可動子を概略的に示す斜視図である。
【図16】(a)は、図4(a)に示された静電アクチュエータの固定子を製造する為の金型を一部透過して概略的に示す斜視図であり、(b)は、図4(a)に示された静電アクチュエータの固定子を製造する為のガラス板を概略的に示す斜視図であり、(c)は、(a)に示された固定子の金型にガラス板を装着した組み立て構造体を一部透過して概略的に示す斜視図であり、及び(d)は、(c)に示される固定子の金型に装着される中子を概略的に示す斜視図である。
【図17】(a)は、この発明の静電アクチュエータの製造方法で用いられる可動子の電極を概略的に示す斜視図であり、(b)は、この発明の静電アクチュエータの製造方法で用いられる可動子本体を概略的に示す斜視図であり、及び(c)は、(a)に示された可動子の電極を(b)に示された可動子本体に固定されて作られる可動子を概略的に示す斜視図である。
【図18】この発明の静電アクチュエータの製造方法に用いられる可動子と可動子の金型を概略的に示す縦断面図である。
【図19】この発明の静電アクチュエータの製造方法に用いられる可動子及び固定子の金型を概略的に示す平面図である。
【符号の説明】
1...静電アクチュエータ
2A,2B...第1及び第2の可動子
3...固定子
3A...固定子枠
4,8,5,11...可動子電極
4,8...駆動用電極
6,9...レンズ
5,11...固定用電極
12...固定子電極部
14、14A,14B...保持用電極部
12A〜12D...電極
13、15...ガラス板
22,22、23,23...接続部材
25A〜25D...金型

Claims (16)

  1. 移動方向に沿って配列され、その夫々がこの移動方向に交差する方向に沿って延出されている第1の固定子電極と、
    この第1の固定子電極に対向して配置され、前記移動方向に沿って延出される第2の固定子電極と、
    前記第1の固定子電極に対向して配置され、前記第2の固定子電極とは電気的に分離されるように前記移動方向に沿って延出されている第3の固定子電極と、
    前記第1の固定子電極と前記第2及び第3の固定子電極との間に規定される空間内を前記移動方向に沿って移動可能に配置され、前記第1の固定子電極に対向し、前記移動方向に沿って配列され、前記移動方向に交差する方向に沿って延出されている第1の可動子電極及び前記第2の固定子電極に対向し、前記移動方向に沿って延出されている第2の可動子電極を具備する第1の可動子と、
    前記移動空間内を前記移動方向に沿って前記第1の可動子とは独立に移動可能に配置され、前記第1の固定子電極に対向し、前記移動方向に沿って配列され、前記移動方向に交差する方向に沿って延出されている第3の可動子電極及び前記第3の固定子電極に対向し、前記移動方向に沿って延出されている第4の可動子電極を具備する第2の可動子と、
    から構成されることを特徴とする静電アクチュエータ。
  2. 前記第1及び第2の可動子内には、レンズが内蔵されていることを特徴とする請求項1に記載の静電アクチュエータ。
  3. 前記第1の固定子電極、第1の可動子電極及び第3の可動子電極は、互いにほぼ並行に且つ等ピッチで配置され、互いに等しい幅を有することを特徴とする請求項1に記載の静電アクチュエータ。
  4. 第1の可動子電極及び第3の可動子電極は、互いにほぼ並行に且つ等ピッチで配置され、互いに等しい幅を有することを特徴とする請求項1に記載の静電アクチュエータ。
  5. 前記第1の固定子電極は、第1の可動子電極及び第3の可動子電極のピッチの1/4ピッチで配置されていることを特徴とする請求項4に記載の静電アクチュエータ。
  6. 前記第2の可動子の前記第4可動子電極が前記固定子の前記第3固定子電極に吸引されて前記第2の可動子が固定された状態で前記移動空間内を前記第1の可動子が移動することが可能であることを特徴とする請求項1に記載の静電アクチュエータ。
  7. 第1及び第2の駆動信号を前記第1及び第2の固定子電極に供給して前記第1の可動子を移動方向に移動し、保持信号を前記第3の固定子電極に供給して第2の可動子を保持する駆動回路を更に具備することを特徴とする請求項1に記載の静電アクチュエータ。
  8. ある移動方向に沿って延びる空間をその内に規定する中空の固定子枠、この固定子枠の第1の内面に配置され、前記移動方向に沿って並列され、夫々がこの移動方向に交差する方向に沿って延出される第1の固定子電極を含む第1の電極領域及び前記固定子枠の第1の内面に対向する第2の内面に配置され、前記移動方向に沿って延出され、互いに電気的に分離された第2及び第3の固定子電極を含む第2の電極領域を有する固定子と、
    前記固定子内の空間に前記移動方向に沿って移動可能に配置され、前記第1の電極領域に対向するように前記第1の固定子電極に対応して前記移動方向に沿って並列され、前記移動方向に交差する方向に沿って延出されている第1の可動子電極及び前記第2の電極領域に対向するように前記第2の固定子電極に対応して前記移動方向に沿って延出される第2の可動子電極を具備する第1の可動子と、
    前記空間内を前記移動方向に沿って前記第1の可動子とは独立に移動可能に配置され、前記第1の電極領域に対向するように前記第1の固定子電極に対応して前記移動方向に沿って並列され、前記移動方向に交差する方向に沿って延出されている第3の可動子電極及び前記第2の電極領域に対向するように前記第3の固定子電極に対応して前記移動方向に沿って延出される第4の可動子電極を具備する第2の可動子と、
    前記第1の固定子電極に第1の駆動信号を供給し、前記第2の固定子電極に第2の駆動信号又は保持電圧信号の一方を供給し、前記第3の固定子電極に第3の駆動信号又は保持電圧信号の一方を供給して第1及び第2の可動子の両方或いは一方を前記移動方向に沿って移動させる駆動回路と、を具備することを特徴とする静電アクチュエータ。
  9. 前記第1及び第2の可動子内には、レンズが内蔵されている請求項8に記載の静電アクチュエータ。
  10. 前記第2の可動子の前記第4可動子電極が前記固定子の前記第3固定子電極に吸引されて前記第2の可動子が固定された状態で前記固定子内を前記第1の可動子が移動することが可能であることを特徴とする請求項8に記載の静電アクチュエータ。
  11. 前記第2及び第3の固定子電極は、互いにほぼ並行に前記移動方向に沿って延出され、第2及び第4の可動子電極もまた互いにほぼ並行に前記移動方向に沿って延出されていることを特徴とする請求項8に記載の静電アクチュエータ。
  12. 前記第2及び第3の固定子電極は、前記移動方向に沿って広がる面電極であって前記移動方向で互いに分離されて配置され、前記第1及び第2の可動子は、第2及び第3の固定子電極が前記移動方向に沿って広がる範囲内で可動されることを特徴とする請求項8に記載の静電アクチュエータ。
  13. ある移動方向に沿って配列され、そのそれぞれがこの移動方向に交差する方向に沿って延出されている第1の固定子電極と、
    この第1の固定子電極に対向して配置され、前記移動方向に沿って延出される第2の固定子電極と、
    前記第1の固定子電極に対向して配置され、前記第2の固定子電極とは電気的に分離されるように前記移動方向に沿って延出されている第3の固定子電極と、
    前記第1の固定子電極と前記第2及び第3の固定子電極との間に規定される移動空間内を前記移動方向に沿って移動可能に配置され、前記第1の固定子電極に対向し、前記移動方向に沿って配列され、前記移動方向に交差する方向に沿って延出されている第1の可動子電極及び前記第2の固定子電極に対向し、前記移動方向に沿って延出されている第2の可動子電極を備えた中空の第1の可動子と、
    前記移動空間内を前記移動方向に沿って前記第1の可動子とは独立に移動可能に配置され、前記第1の固定子電極に対向し、前記移動方向に沿って配列され、前記移動方向に交差する方向に沿って延出されている第3の可動子電極及び前記第3の固定子電極に対向し、前記移動方向に沿って延出されている第4の可動子電極を具備する中空の第2の可動子と、
    前記第1の可動子中に前記移動方向に沿って配置された光軸を有する第1の光学レンズ系と、
    前記第2の可動子中に前記移動方向に沿って配置された光軸を有する第2の光学レンズ系であって、第1及び第2のレンズ系の相対位置に従ってその光学倍率が定まり、第1及び第2のレンズ系の位置に従って結像面に被写体像が結像される第2の光学系と、
    前記第1の固定子電極に第1の駆動信号を供給し、前記第2の固定子電極に第2の駆動信号又は保持電圧信号の一方を供給し、前記第3の固定子電極に第3の駆動信号又は保持電圧信号の一方を供給して第1及び第2の可動子の両方或いは一方を前記移動方向に沿って移動させる駆動回路と、から構成されることを特徴とする被写体像をその結像面に結像させる画像装置。
  14. 前記第2及び第3の固定子電極は、互いにほぼ並行に前記移動方向に沿って延出され、第2及び第4の可動子電極もまた互いにほぼ並行に前記移動方向に沿って延出されていることを特徴とする請求項13の画像装置。
  15. 前記第2及び第3の固定子電極は、前記移動方向に沿って広がる面電極であって前記移動方向で互いに分離されて配置され、前記第1及び第2の可動子は、第2及び第3の固定子電極が前記移動方向に沿って広がる範囲内で可動されることを特徴とする請求項13の画像装置。
  16. 移動方向に沿って配列され、その夫々がこの移動方向に交差する方向に沿って延出されている第1の固定子電極と、
    この第1の固定子電極に対向して配置され、前記移動方向に沿って延出される第2の固定子電極と、
    前記第1の固定子電極に対向して配置され、前記第2の固定子電極とは電気的に分離されるように前記移動方向に沿って延出されている第3の固定子電極と、
    前記第1の固定子電極と前記第2及び第3の固定子電極との間に規定される空間内を前記移動方向に沿って移動可能に配置され、前記第1の固定子電極に対向し、前記移動方向に沿って配列され、前記移動方向に交差する方向に沿って延出されている第1の可動子電極及び前記第2の固定子電極に対向し、前記移動方向に沿って延出されている第2の可動子電極を具備する第1の可動子と、
    前記移動空間内を前記移動方向に沿って前記第1の可動子とは独立に移動可能に配置され、前記第1の固定子電極に対向し、前記移動方向に沿って配列され、前記移動方向に交差する方向に沿って延出されている第3の可動子電極及び前記第3の固定子電極に対向し、前記移動方向に沿って延出されている第4の可動子電極を具備する第2の可動子と、
    から構成される静電アクチュエータを駆動する方法において、
    第1の駆動信号を前記第1の固定子電極に供給し、
    第2の駆動信号を前記第2の固定子電極に供給し、
    第1の保持信号を前記第2の固定子電極に供給し、
    第3の駆動信号及び第2の保持信号の一方を前記第3の固定子電極に供給して前記第1及び第2の可動子の一方或いは両方を前記移動方向に沿って移動させることを特徴とする静電アクチュエータの駆動方法。
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