JP4064292B2 - 地絡検知装置 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、例えば車両等に搭載された地絡検知装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、例えば高圧直流電源を具備する直流回路の陽極側および陰極側に対して、地絡検出用の電流検出器あるいは電圧検出器を選択的に切替接続することによって、直流回路の適宜の位置における地絡発生の有無を検出する地絡検出方法が知られている(例えば、特許文献1参照)。
さらに、このような地絡検出方法において高圧直流電源の電源電圧を検出し、この電源電圧の検出値によって、電源電圧の変動に伴う地絡検出用の電流検出器あるいは電圧検出器の検出結果の変動を補正する検出方法が知られている(例えば、特許文献2参照)。
【0003】
【特許文献1】
特開平4−12616号公報
【特許文献2】
特許第2838462号公報
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記従来技術に係る地絡検出方法においては、高圧直流電源の電源電圧を検出するための電圧検出部を備える必要があり、さらに、この電圧検出部による検出結果に基づき、地絡検出用の電流検出器あるいは電圧検出器の検出結果の変動を補正する構成が必要となり、装置構成が複雑化するという問題が生じる。
また、高圧直流電源を具備する直流回路に、例えば浮遊容量成分等が存在すると、地絡検出用の電流検出器あるいは電圧検出器の切替接続に伴う電流変化や電圧変化に時間依存性が生じることから、単に、切替接続の実行時に電流検出器あるいは電圧検出器で検出を行うだけでは、地絡発生の有無を精度良く検出することができない虞がある。
本発明は上記事情に鑑みてなされたもので、装置構成が複雑化することを防止しつつ、地絡発生の有無を精度良く検出することが可能な地絡検知装置を提供することを目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決して係る目的を達成するために、請求項1に記載の本発明の地絡検知装置は、車両に搭載された直流電源と、該直流電源の正端子(例えば、実施の形態での正極側端子11A)または負端子(例えば、実施の形態での負極側端子11B)の何れか一方と車両のアースとの間に直列に接続された地絡検出抵抗(例えば、実施の形態での正極側検出抵抗33a、負極側検出抵抗33b)およびスイッチング素子(例えば、実施の形態での正極側スイッチング素子32a、負極側スイッチング素子32b)および保護抵抗(例えば、実施の形態での正極側保護抵抗31a、負極側保護抵抗31b)と、前記直流電源の正端子または負端子の何れか他方と車両のアースとの間に接続された定電流源(例えば、実施の形態での正極側定電流源34a、負極側定電流源34b)と、前記地絡検出抵抗と前記保護抵抗との接続および遮断を行う前記スイッチング素子により前記地絡検出抵抗と前記保護抵抗とを接続した後に、前記地絡検出抵抗の両端に発生する端子電圧の収束値を予測する予測手段(例えば、実施の形態でのステップS01〜ステップS07)と、前記端子電圧の収束値に基づいて車両のアースと前記直流電源の正端子または負端子との間に発生する地絡の有無を検出する検出手段(例えば、実施の形態でのステップS08〜ステップS10)とを備えることを特徴としている。
【0006】
上記構成の地絡検知装置によれば、直流電源を具備する直流回路に、例えば浮遊容量成分等が存在したり、例えば直流電源の出力に対してリップル電流の発生を抑制するためのコンデンサが備えられたり、例えば直流電源からの電力供給によって車両の走行用モータを駆動制御するインバータに平滑コンデンサが備えられる場合等であっても、地絡検出抵抗の両端に発生する端子電圧の収束値に基づいて精度良く地絡発生の有無を検知することができる。
【0007】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の一実施形態に係る地絡検知装置について添付図面を参照しながら説明する。
本実施の形態による地絡検知装置10は、例えば燃料電池車両やハイブリッド車両等の車両に搭載され、例えば接地された車体から電気的に絶縁された非接地直流電源(以下、単に、直流電源と呼ぶ)11の正極側あるいは負極側に発生する地絡、つまり絶縁破壊の有無を検知する。
ここで、直流電源11は、例えば電気二重層コンデンサや電解コンデンサ等からなる複数のキャパシタセルが直列に接続されてなるキャパシタや、例えば複数のセル(例えばリチウムイオン電池等の二次電池)が直列に接続されてなるバッテリであり、例えば図1に示すように、車両の駆動源としてのモータ12の駆動および回生作動を制御するモータ駆動回路13に接続されている。
【0008】
また、モータ駆動回路13は、例えばトランジスタ等のスイッチング素子を複数用いてブリッジ接続したスイッチング回路から構成されたパルス幅変調(PWM)によるPWMインバータを備え、例えば複数相のモータ12の固定子巻線への通電を順次転流させるようになっている。
すなわち、モータ駆動回路13は、例えばモータ12の駆動時に、モータ制御装置(図示略)から出力されるトルク指令に基づき、直流電源11から供給される直流電力を交流電力に変換してモータ12へ供給する。一方、例えば車両の減速時等の回生作動時において駆動輪側からモータ12側に駆動力が伝達されると、モータ駆動回路13はモータ12を発電機として作動させ、いわゆる回生制動力を発生させ、車体の運動エネルギーを電気エネルギーとして回収する。
【0009】
本実施の形態による地絡検知装置10は、例えば図1に示すように、直流電源11に並列に接続された正極側検知部21および負極側検知部22と、制御部23と、地絡判定部24とを備えて構成されている。
正極側検知部21は、例えば、直流電源11の正極側端子11Aから負極側端子11Bに向かい順次、直列に接続された正極側保護抵抗31a(抵抗値R1)と、正極側スイッチング素子32aと、正極側検出抵抗33a(抵抗値R2)と、正極側定電流源34aと、さらに、正極側検出抵抗33aに並列に接続された正極側電圧検出器35aとを備えて構成されている。
負極側検知部22は、例えば、直流電源11の負極側端子11Bから正極側端子11Aに向かい順次、直列に接続された負極側保護抵抗31b(抵抗値R3)と、負極側スイッチング素子32bと、負極側検出抵抗33b(抵抗値R4)と、負極側定電流源34bと、さらに、負極側検出抵抗33bに並列に接続された負極側電圧検出器35bとを備えて構成されている。
【0010】
ここで、正極側スイッチング素子32aは、例えばnチャネルMOSFET(Metal Oxide Semi-conductor Field Effect Transistor)等のFETとされ、ドレインは正極側保護抵抗31aに接続され、ソースは正極側検出抵抗33aに接続され、ゲートは制御部23に接続されている。
また、負極側スイッチング素子32bは、例えばpチャネルMOSFET等のFETとされ、ドレインは負極側保護抵抗31bに接続され、ソースは負極側検出抵抗33bに接続され、ゲートは制御部23に接続されている。
さらに、正極側検出抵抗33aと正極側定電流源34aとの接続部および負極側検出抵抗33bと負極側定電流源34bとの接続部は、例えば車体等に接続されることで接地されている。
【0011】
また、例えば図1に示すように、直流電源11およびモータ駆動回路13に並列に接続された正極側コンデンサ36a(容量C1)および負極側コンデンサ36b(容量C2)は、例えば直流電源11からのリップル電流を抑制するコンデンサや、例えばモータ駆動回路13に具備される平滑コンデンサや、例えば回路における浮遊容量成分等を示すものであって、正極側コンデンサ36a(容量C1)と負極側コンデンサ36b(容量C2)との接続部は接地されている。
【0012】
正極側定電流源34aは、例えば図2に示すように、オペアンプ41aと、例えばpチャネルMOSFET等のFETからなるスイッチング素子42aと、抵抗43a(抵抗値Ra)と、電流制限抵抗44aとを備えて構成されている。
抵抗43aの一方の端子は正極側検出抵抗33aに接続されることで接地されており、他方の端子はオペアンプ41aの非反転入力端子およびスイッチング素子42aのソースに接続されている。また、スイッチング素子42aのドレインは直流電源11の負極側端子11Bに接続され、スイッチング素子42aのゲートは電流制限抵抗44aを介してオペアンプ41aの出力端子に接続されている。
【0013】
ここで、オペアンプ41aの反転入力端子には適宜の基準電圧Vriが入力されており、オペアンプ41aの非反転入力端子には抵抗43aに流れる電流Iに応じた電圧(I×Ra)が入力されており、この電圧(I×Ra)と基準電圧Vriとに差ΔV=(I×Ra−Vri)があると、この差ΔVを適宜の利得Amで増幅して得た電圧Am×ΔVがオペアンプ41aからスイッチング素子42aのベースへ入力される。ここで、スイッチング素子42aのソースの電位、つまりオペアンプ41aの非反転入力端子に入力される電圧は、ベースに入力される電圧Am×ΔVにスイッチング素子42aでのゲート・ソース端子間のPN接合の順方向電圧Vfを加算して得た値(Am×ΔV+Vf)となるが、この値は、例えば利得Amが十分に大きな値に設定されていると、基準電圧Vriにほぼ等しくなり、抵抗43bに流れる電流Iは一定の電流値(例えば、Vri/Ra)となる。
これにより、抵抗43aに流れる電流Iの電流値は、基準電圧Vriに応じた適宜の電流値以下の値となるように規制される。
なお、オペアンプ41aの反転入力端子へ入力される基準電圧Vriおよび非反転入力端子へ入力される電圧(I×Ra)は負の電圧とされている。
【0014】
同様にして、負極側定電流源34bは、例えば図2に示すように、オペアンプ41bと、例えばnチャネルMOSFET等のFETからなるスイッチング素子42bと、抵抗43b(抵抗値Rb)と、電流制限抵抗44bとを備えて構成されている。
抵抗43bの一方の端子は負極側検出抵抗33bに接続されることで接地されており、他方の端子はオペアンプ41bの反転入力端子およびスイッチング素子42bのソースに接続されている。また、スイッチング素子42bのドレインは直流電源11の正極側端子11Aに接続され、スイッチング素子42bのゲートは電流制限抵抗44bを介してオペアンプ41bの出力端子に接続されている。
【0015】
ここで、オペアンプ41bの非反転入力端子には適宜の基準電圧Vriが入力されており、オペアンプ41bの反転入力端子には抵抗43bに流れる電流Iに応じた電圧(I×Rb)が入力されており、この電圧(I×Rb)と基準電圧Vriとに差ΔV=(Vri−I×Rb)があると、この差ΔVを適宜の利得Amで増幅して得た電圧Am×ΔVがオペアンプ41bからスイッチング素子42bのベースへ入力される。ここで、スイッチング素子42bのソースの電位、つまりオペアンプ41bの反転入力端子に入力される電圧は、ベースに入力される電圧Am×ΔVからスイッチング素子42bでのゲート・ソース端子間のPN接合の順方向電圧Vfを減算して得た値(Am×ΔV−Vf)となるが、この値は、例えば利得Amが十分に大きな値に設定されていると、基準電圧Vriにほぼ等しくなり、抵抗43bに流れる電流Iは一定の電流値(例えば、Vri/Rb)となる。
これにより、抵抗43bに流れる電流Iの電流値は、基準電圧Vriに応じた適宜の電流値以下の値となるように規制される。
なお、オペアンプ41bの非反転入力端子へ入力される基準電圧Vriおよび反転入力端子へ入力される電圧(I×Rb)は正の電圧とされている。
【0016】
制御部23は、正極側検知部21の正極側スイッチング素子32aおよび負極側検知部22の負極側スイッチング素子32bのオン/オフ切替制御と、正極側定電流源34aおよび負極側定電流源34bの各スイッチング素子42a,42bのオン/オフ切替制御を実行する。
例えば、制御部23は、地絡検知処理の実行時に、正極側検知部21の正極側スイッチング素子32aおよび負極側検知部22の負極側スイッチング素子32bをオン状態に設定するオン信号を各スイッチング素子32a,32bのベースへ入力する。一方、地絡検知処理の非実行時には、各スイッチング素子32a,32bをオフ状態に設定するオフ信号を各ベースへ入力する。
【0017】
地絡検知処理の実行時に、制御部23によって正極側検知部21の正極側スイッチング素子32aがオン状態に設定されると、正極側定電流源34aから供給される所定の電流Iが正極側保護抵抗31aおよび正極側検出抵抗33aに流れ、負極側検知部22の負極側スイッチング素子32bがオン状態に設定されると、負極側定電流源34bから供給される所定の電流Iが負極側保護抵抗31bおよび負極側検出抵抗33bに流れる。
ここで、例えば直流電源11の正極側の適宜の位置で地絡が発生した場合、この地絡に係る適宜の大きさの地絡抵抗Rgに正極側定電流源34aから供給される所定の電流Iが分流する。
【0018】
すなわち、例えば図3に示すように、地絡が発生していない場合、正極側定電流源34aから供給される所定の電流Iは、順次、直流電源11、正極側保護抵抗31a、正極側スイッチング素子32a、正極側検出抵抗33aを流れる。
そして、地絡が発生した場合、正極側定電流源34aから供給される所定の電流Iは、例えば第1電流成分IAおよび第2電流成分IB(I=IA+IB)に分流し、第1電流成分IAは、順次、直流電源11、正極側保護抵抗31a、正極側スイッチング素子32a、正極側検出抵抗33aを流れ、第2電流成分IBは、順次、直流電源11、地絡抵抗Rgを流れる。
このため、正極側検出抵抗33aに並列に接続された正極側電圧検出器35aによって検出される出力電圧の電圧値V2は、地絡が発生していない場合にV2=I×R2となり、地絡が発生した場合にV2=IA×R2となり、検出される電圧値V2の大きさが変化する。
なお、地絡が発生した場合に検出される出力電圧の電圧値V2=IA×R2は、例えば下記数式(1)に示すように、直流電源11の出力電圧には依存しない値となる。ただし、下記数式(1)においては、正極側コンデンサ36aおよび負極側コンデンサ36bの各容量C1,C2を無視した。
【0019】
【数1】
Figure 0004064292
【0020】
同様にして、例えば直流電源11の負極側の適宜の位置で地絡が発生した場合、この地絡に係る適宜の大きさの地絡抵抗Rgに負極側定電流源34bから供給される所定の電流Iが分流する。
すなわち、例えば図4に示すように、地絡が発生していない場合、負極側定電流源34bから供給される所定の電流Iは、順次、負極側検出抵抗33b、負極側スイッチング素子32b、負極側保護抵抗31b、直流電源11を流れる。
そして、地絡が発生した場合、負極側定電流源34bから供給される所定の電流Iは、例えば第1電流成分IAおよび第2電流成分IB(I=IA+IB)に分流し、第1電流成分IAは、順次、負極側検出抵抗33b、負極側スイッチング素子32b、負極側保護抵抗31b、直流電源11を流れ、第2電流成分IBは、順次、地絡抵抗Rg、直流電源11を流れる。
このため、負極側検出抵抗33bに並列に接続された負極側電圧検出器35bによって検出される出力電圧の電圧値V4は、地絡が発生していない場合にV4=I×R4となり、地絡が発生した場合にV4=IA×R4となり、検出される出力電圧の電圧値V4の大きさが変化する。
なお、地絡が発生した場合に検出される電圧値V4=IA×R4は、例えば下記数式(2)に示すように、直流電源11の出力電圧には依存しない値となる。ただし、下記数式(2)においては、正極側コンデンサ36aおよび負極側コンデンサ36bの各容量C1,C2を無視した。
【0021】
【数2】
Figure 0004064292
【0022】
また、地絡検知処理の実行時に、制御部23によって正極側検知部21の正極側スイッチング素子32aまたは負極側検知部22の負極側スイッチング素子32bがオン状態に設定されると、直流電源11は、正極側保護抵抗31aおよび正極側検出抵抗33aを介して、あるいは、負極側保護抵抗31bおよび負極側検出抵抗33bを介して、例えば車体等に接続されることで接地される。
このため、制御部23は、正極側保護抵抗31aおよび正極側検出抵抗33aに流れる電流が所定の電流値を超えて過剰に大きくなった場合には、正極側スイッチング素子32aをオフ状態に設定するオフ信号を出力し、負極側保護抵抗31bおよび負極側検出抵抗33bに流れる電流が所定の電流値を超えて過剰に大きくなった場合には、負極側スイッチング素子32bをオフ状態に設定するオフ信号を出力する。
すなわち、例えば図5に示すように、正極側電圧検出器35aによって検出される正極側検出抵抗33aの両端に発生する出力電圧の電圧値V2に対して所定の保護電圧Vgateが設定されており、例えば地絡が発生していない場合等のように、地絡抵抗Rgが相対的に大きいときに、出力電圧の電圧値V2が保護電圧Vgateを超えることがないように設定されている。同様にして、負極側電圧検出器35bによって検出される負極側検出抵抗33bの両端に発生する出力電圧の電圧値V4は所定の保護電圧Vgateを超えることがないように設定されている。
【0023】
地絡判定部24は、正極側電圧検出器35aによって検出される出力電圧の電圧値V2または負極側電圧検出器35bによって検出される出力電圧の電圧値V4に基づき、直流電源11の正極側または負極側において地絡が発生したか否かを判定する。
ここで、正極側電圧検出器35aおよび負極側電圧検出器35bによって検出される出力電圧の各電圧値V2,V4は、例えば下記数式(3),(4)に示すように、正極側コンデンサ36aおよび負極側コンデンサ36bの各容量C1,C2に応じて、指数関数的な時間変化を示す。
このため、地絡判定部24は、出力電圧の各電圧値V2,V4の時間変化に対する収束値を予測し、予測した収束値に基づいて地絡発生の有無を判定する。
【0024】
【数3】
Figure 0004064292
【0025】
【数4】
Figure 0004064292
【0026】
例えば図6に示すように、正極側電圧検出器35aによって検出される出力電圧Vの電圧値V2は、制御部23によって正極側検知部21の正極側スイッチング素子32aがオン状態に設定された時点(例えば、t=0)から、上記数式(3)に応じて増大傾向に変化し、上記数式(1)に示す電圧値V2を収束値として収束する。
なお、正極側コンデンサ36aおよび負極側コンデンサ36bの各容量C1,C2に対しては、各容量が大きくなるほど収束に要する時間が長くなり、例えば図6に示す容量Cbでは、より小さな容量Ca(Ca<Cb)に比べて、出力電圧Vの電圧値V2の単位時間あたりの増大率が小さくなる。
【0027】
ここで、指数関数的な時間変化を示す出力電圧Vを、正極側スイッチング素子32aがオン状態に設定された時点(例えば、t=0)から所定周期Δtで検出して得た電圧値の時系列データを、順次、V,V,V,…,V,Vn+1,…とすれば、例えば下記数式(5)に示すように、所定周期Δtにおける電圧値の増大量(例えば、(V−V),(V−V),…,(Vn+1−V),…)の変化率(例えば、(V−V)/(V−V),(V−V)/(V−V),…,(Vn+2−Vn+1)/(Vn+1−V),…)が一定値Aとなる。
なお、下記数式(5)においてτは所定係数である。
【0028】
【数5】
Figure 0004064292
【0029】
従って、任意の時刻tにおける電圧値Vは、この時刻tよりも前の時刻に検出された少なくとも3点の電圧値によって記述され、例えば直前の3点の時刻tm−1,tm−2,tm−3での電圧値Vm−1,Vm−2,Vm−3によれば、例えば下記数式(6)に示すように記述される。(ただし、mは少なくとも4以上の任意の自然数である)
【0030】
【数6】
Figure 0004064292
【0031】
つまり、正極側スイッチング素子32aがオン状態に設定された時点(例えば、t=0)から、少なくとも初めの3点の時刻t,t(=t+Δt),t(=t+Δt)での電圧値V,V,Vのみを検出することによって、任意の時刻tにおける電圧値Vを予測することができる。
これにより、地絡判定部24は、後述するように、少なくとも初めの3点の時刻t,t,tでの電圧値V,V,Vの検出結果に基づき、順次、任意の時刻tにおける電圧値V(つまり、V,…,V,Vn+1,…)を算出し、算出した電圧値Vが収束値であるか否かを判定する。
そして、地絡判定部24は、算出した電圧値Vが収束値である場合には、この電圧値Vが所定の地絡判定閾電圧Vearth未満であるか否かを判定し、電圧値Vが所定の地絡判定閾電圧Vearth未満であると判定した場合には、地絡が発生していると判断し、この判定結果を、例えば警報装置(図示略)等へ出力する。
同様にして、地絡判定部24は、負極側電圧検出器35bによって検出される出力電圧Vに対して、任意の時刻tにおける電圧値Vを算出し、この電圧値Vに基づき、地絡発生の有無を判定する。
【0032】
本実施の形態による地絡検知装置10は上記構成を備えており、次に、この地絡検知装置10の動作、特に各スイッチング素子32a,32bがオン状態に設定された後において各電圧検出器35a,35bにより検出される出力電圧Vの各電圧値V2,V4の収束値(収束電圧)を予測し、この収束値に基づき、地絡発生の有無を判定する処理について添付図面を参照しながら説明する。
【0033】
先ず、図7に示すステップS01においては、任意の自然数nに1を設定する。
次に、ステップS02においては、各スイッチング素子32a,32bがオン状態に設定された時点(例えば、t=0)から、所定周期Δtで各電圧検出器35a,35bによって検出して得た電圧値のうち、初めの3点の電圧値、V,V,Vを取得する。
次に、ステップS03においては、例えば下記数式(7)に基づき、時刻tn+3における電圧値Vn+3を、この時刻tn+3の直前における3点の電圧値Vn+2,Vn+1,V(例えば、n=1である初回の処理においては、取得した電圧値V,V,V)により算出する。
【0034】
【数7】
Figure 0004064292
【0035】
次に、ステップS04においては、例えば下記数式(8)に基づき、時刻tn+4における電圧値Vn+4を、この時刻tn+4の直前における3点の電圧値Vn+3,Vn+2,Vn+1(例えば、n=1である初回の処理においては、取得した電圧値V,VおよびステップS03にて算出した電圧値V)により算出する。
【0036】
【数8】
Figure 0004064292
【0037】
次に、ステップS05においては、ステップS04にて算出した時刻tn+4における電圧値Vn+4と、ステップS03にて算出した時刻tn+3における電圧値Vn+3との差の絶対値が、所定の収束判定閾電圧Vth未満か否かを判定する。
この判定結果が「NO」の場合には、算出した電圧値Vn+4が収束していないと判断して、ステップS06に進み、任意の自然数nに1を加算して得た値を新たに自然数nに設定して、上述したステップS03に戻る。
一方、この判定結果が「YES」の場合には、算出した電圧値Vn+4が収束したと判断して、ステップS07に進む。
【0038】
ステップS07においては、ステップS04にて算出した時刻tn+4における電圧値Vn+4を収束電圧として設定する。
ステップS08においては、ステップS07にて設定した収束電圧に設定した電圧値Vn+4が所定の所定の地絡判定閾電圧Vearth未満であるか否かを判定する。
この判定結果が「YES」の場合には、ステップS09に進み、地絡が発生していると判断し、例えば、この判定結果を警報装置(図示略)等へ出力して、一連の処理を終了する。
一方、この判定結果が「NO」の場合には、ステップS10に進み、地絡が発生していないと判断して、一連の処理を終了する。
【0039】
上述したように、本実施の形態による地絡検知装置10によれば、各検出抵抗33a,33bの両端に発生する出力電圧は、各検出抵抗33a,33bの抵抗値R2,R4と、各検出抵抗33a,33bに流れる電流の電流値とによって変化し、直流電源11の出力電圧には依存しない。これにより、例えば車両に搭載された直流電源11の出力電圧がバッテリやキャパシタ等のように車両の運転状態等に応じて相対的に大きく変動するような場合であっても、直流電源11の出力電圧を検出したり、この検出値に応じて各検出抵抗33a,33bの両端に発生する出力電圧の測定値を補正するための特別な構成を備える必要無しに、精度良く地絡発生の有無を検知することができる。
しかも、直流電源11を具備する回路系に、例えば浮遊容量成分等が存在したり、例えば直流電源11の出力に対してリップル電流の発生を抑制するためのコンデンサが備えられたり、例えば直流電源からの電力供給によって車両の走行用モータを駆動制御するインバータに平滑コンデンサが備えられる場合等であっても、各検出抵抗33a,33bの両端に発生する出力電圧の収束値を予測することにより、この予測値に基づいて精度良く地絡発生の有無を検知することができる。さらに、スイッチング素子32aがオン状態に設定された時点(例えば、t=0)から、少なくとも初めの3点の時刻t,t(=t+Δt),t(=t+Δt)での電圧値V,V,Vのみを検出することによって、任意の時刻tにおける電圧値Vを予測することができ、地絡検知に要する時間を短縮することができる。
また、各定電流源34a,34bを備えることによって、各検出抵抗33a,33bや回路系に過剰に大きな電流が流れてしまうことを防止することができ、例えば過電流保護装置等の特別な構成を必要とせずに装置構成を簡略化することができる。
【0040】
なお、上述した本実施の形態においては、正極側定電流源34aおよび負極側定電流源34bの各スイッチング素子42a,42bをMOSFET等のFETとしたが、これに限定されず、例えば他のトランジスタ等でもよい。
また、例えば地絡検知処理の実行状態等に応じて、各スイッチング素子42a,42bをオン状態に設定するオン信号またはオフ状態に設定するオフ信号を制御部23から出力することで、各抵抗43a,43bに流れる電流Iの電流値を、基準電圧Vriに応じた適宜の電流値以下の値となるように規制してもよい。
【0041】
【発明の効果】
以上説明したように、請求項1に記載の本発明の地絡検知装置によれば、定電流源を備えることにより、直流電源の出力電圧の変動に関わらずに地絡発生の有無を検知することができることに加えて、地絡検出抵抗の両端に発生する端子電圧の収束値に基づいて地絡発生の有無を検知することにより、検知精度を向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の一実施形態に係る地絡検知装置の構成図である。
【図2】 図1に示す正極側定電流源および負極側定電流源の構成図である。
【図3】 図1に示す正極側検知部の構成図である。
【図4】 図1に示す負極側検知部の構成図である。
【図5】 正極側電圧検出器によって検出される出力電圧の電圧値V2の地絡抵抗Rgに応じた変化と所定の保護電圧Vgateを示すグラフ図である。
【図6】 正極側電圧検出器によって検出される出力電圧の電圧値V2の時間変化を示すグラフ図である。
【図7】 図1に示す地絡検知装置の動作を示すフローチャートである。
【符号の説明】
10 地絡検知装置
11 非接地直流電源
11A 正極側端子(正端子)
11B 負極側端子(負端子)
12 モータ
23 制御部
24 地絡判定部(検出手段)
32a 正極側スイッチング素子(スイッチング素子)
32b 負極側スイッチング素子(スイッチング素子)
33a 正極側検出抵抗(地絡検出抵抗)
33b 負極側検出抵抗(地絡検出抵抗)
34a 正極側定電流源(定電流源)
34b 負極側定電流源(定電流源)
35a 正極側電圧検出器(検出手段)
35b 負極側電圧検出器(検出手段)

Claims (1)

  1. 車両に搭載された直流電源と、
    該直流電源の正端子または負端子の何れか一方と車両のアースとの間に直列に接続された地絡検出抵抗およびスイッチング素子および保護抵抗と、
    前記直流電源の正端子または負端子の何れか他方と車両のアースとの間に接続された定電流源と、
    前記地絡検出抵抗と前記保護抵抗との接続および遮断を行う前記スイッチング素子により前記地絡検出抵抗と前記保護抵抗とを接続した後に、前記地絡検出抵抗の両端に発生する端子電圧の収束値を予測する予測手段と、
    前記端子電圧の収束値に基づいて車両のアースと前記直流電源の正端子または負端子との間に発生する地絡の有無を検出する検出手段と
    を備えることを特徴とする地絡検知装置。
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