JP4063055B2 - 産業車両における電動モータの支持構造 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、フォークリフトなどの産業車両において、電動モータを防振のためのマウント部材を介して支持する構造に関する。
【0002】
【従来の技術】
産業車両の駆動源として電動モータを用いることは従来から公知とされ、この際、車体側の振動を電動モータに伝達させないために、或いは、電動モータの振動を車体側に伝達させないために、ゴム等で形成された適宜のマウント部材を介して電動モータを車体側に防振支持する構成は公知とされている。
【0003】
この構成の一例として、油圧モータの防振支持構成として開示される特許文献1の図5・図6の構成を、電動モータに適用することが考えられる。
この特許文献1の構成は、油圧モータ(52)が配設されたベースブラケット(54)と車体底板(56)との間、及び、油圧モータ(52)と車体側板(60)との間に、ゴム等のような弾性素材を用いることによって作製された緩衝部材(57,58)が介挿された構成になっている。緩衝部材(57)は、ベースブラケット(54)に対し、ボルト(55a)及びナット(55b)により取り付けられている。
【0004】
しかし、この従来の構成は、油圧モータ(52)の脚部(52a)が配設されたベースブラケット(54)を更に緩衝部材(57)を介して車体底板(56)に組み付ける構成となっており、ベースブラケット(54)の分だけ部品点数が増大し、コストアップとなる問題がある。
そこで、このベースブラケット(54)を省略し、緩衝部材(57)を油圧モータ(52)に直接取り付ける構造とすることが考えられる。
【0005】
【特許文献1】
特開2001−151482号公報(〔0003〕,〔0004〕,〔図5〕,〔図6〕)
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
ここで、前述の電動モータのハウジングを製造する手法の一つとして、ダイカスト鋳造法が知られている。
このダイカスト鋳造法は、寸法精度が高く、強度に優れ、また一つの金型を繰り返して使用することで極めて多数個のハウジングを製造できて生産性が高く、また、個々の形状の再現性も高い等の理由から、近年広く用いられるようになってきている。
【0007】
しかし、電動モータのハウジングをその脚部とともにダイカスト鋳造法で形成し、その際に前記緩衝部材を取り付けるためのボルト孔まで一体形成しようとすると、固定型と可動型のみを用いる一般的な金型構成では足りず、可動型の移動方向とは異なる方向に移動可能な可動中子(スライド型)等が必要になってしまう。
即ち、電動モータのハウジングは、モータ軸を支持する軸受を収納するための凹部等を一体形成した方が部品点数の削減になる等の理由から、一般にはモータ軸の軸線方向を可動型の移動方向(金型の抜き方向)に設定して、金型を設計するのが一般である。一方、前記緩衝部材のボルトは前記モータ軸と垂直な方向に向くことが多いために、これを挿通させるための孔は、可動型の移動方向と垂直に移動する可動中子を用いることで開けなければならないのである。
このように可動中子を用いる複雑な金型構成としなければならない結果、金型費が増大し、電動モータのハウジングの製造コストの増大を招いてしまっていた。
【0008】
【課題を解決するための手段】
本発明の解決しようとする課題は以上の如くであり、次にこの課題を解決するための手段を説明する。
【0009】
即ち、請求項1においては、モータ軸と、当該モータ軸を支持するエンドブラケットと、を有する電動モータを、マウント部材を介して防振支持する、産業車両における電動モータの支持構造であって、前記エンドブラケットには凹部が形成され、また前記エンドブラケットには、前記凹部の形成箇所において、その長手方向一端を開放した溝が形成され、前記マウント部材は、その一側を前記産業車両を構成する部材に取り付ける一方、他側にはネジ軸が取り付けられて、このネジ軸が前記溝に差し込まれ、当該ネジ軸にはナットが螺嵌され、当該ナットは、前記凹部の内壁面に座するとともに、該凹部の内壁面によってその回転が規制されることを特徴とするものである。
【0010】
請求項1の構成によると、エンドブラケットをダイカスト鋳造で形成する際に、金型の抜き方向を前記溝の長手方向に平行となるよう設定することで、鋳造時には固定型と可動型を用いる単純な金型構成を適用できる。即ち、抜き方向と異なる方向に移動可能な可動中子(スライド型)を使うなどの複雑な鋳造法を使わなくて済む。この結果、金型コストを低減でき、エンドブラケットの製造コストを低減させることができる。
また、▲1▼マウント部材のネジ軸にナットを螺嵌してから、▲2▼前記溝の開放側から当該ネジ軸を差し込みつつ前記凹部にナットを入れて、凹部の内壁面によってナットの回転が規制されるようにすれば、この状態でマウント部材を単に回転させる簡単な作業で、マウント部材をエンドブラケットに対し締め付けて固定することが可能になる。従って、電動モータを取り付ける際の組立が簡素化される。
【0011】
請求項2においては、モータ軸と、当該モータ軸を支持するエンドブラケットと、を有する電動モータを、マウント部材を介して防振支持する、産業車両における電動モータの支持構造であって、前記エンドブラケットには凹部が形成され、また前記エンドブラケットには、前記凹部の形成箇所において、前記モータ軸に平行な長手方向を有するとともにその一端を開放した溝が形成され、前記マウント部材においては、その少なくとも一側にボルトの軸部が取り付けられて、当該軸部が前記溝に差し込まれ、当該ボルトの頭部は、前記凹部の内壁面に座するとともに、該凹部の内壁面によってその回転が規制されるものである。
【0012】
請求項2の構成によると、エンドブラケットをダイカスト鋳造で形成する際に、金型の抜き方向を前記溝の長手方向に平行となるよう設定することで、鋳造時には固定型と可動型を用いる単純な金型構成を適用できる。即ち、抜き方向と異なる方向に移動可能な可動中子(スライド型)を使うなどの複雑な鋳造法を使わなくて済む。この結果、金型コストを低減でき、エンドブラケットの製造コストを低減させることができる。
また、▲1▼マウント部材にボルトを螺入してから、▲2▼前記溝の開放側から当該ボルトの軸部を差し込みつつ前記凹部にボルトの頭部を入れて、凹部の内壁面によってボルトの頭部の回転が規制されるようにすれば、この状態でマウント部材を単に回転させる簡単な作業で、マウント部材をエンドブラケットに対し締め付けて固定することが可能になる。従って、電動モータを取り付ける際の組立が簡素化される。
【0013】
請求項3においては、前記電動モータは複数の前記マウント部材を介して防振支持される構成とし、前記エンドブラケットにはそれぞれのマウント部材に対応して前記凹部および前記溝が形成され、複数の前記溝のうち少なくとも一個は、他の溝とその開放側の向きが異なるものである。
【0014】
請求項3の構成によると、電動モータに何らかの事情で力が作用し、複数ある前記溝のうち、ある溝がそれを挿通するマウント部材側の軸(ネジ軸またはボルトの軸部)から外れようとする方向に移動しても、他の少なくとも一個の溝(開放向きの異なる溝)が、当該方向の移動を規制することになる。従って、電動モータが意図に反して車体側から外れてしまうことが回避される。
【0015】
請求項4においては、前記ナットを座付きナットとし、または、前記ボルトを座付きボルトとしたものである。
【0016】
請求項4の構成によると、少ない部品点数で、マウント部材のエンドブラケットに対する締付けの緩み・外れが確実に防止され、電動モータが意図に反して車体側から外れてしまうことが回避される。
【0017】
【発明の実施の形態】
次に、発明の実施の形態を説明する。
図1は、本発明の一実施形態に係る支持構造を介して取り付けられた状態の電動モータを示す全体斜視図である。
図2は、マウント部材と凹部の詳細を示す、図1におけるa−a断面拡大矢視図である。図3は図1におけるb−b断面拡大矢視図である。
図4はエンドブラケットのU字溝にマウント部材のネジ軸を取り付ける様子を示す斜視図、図5はマウント部材を車体側のフレームに取り付ける様子を示す斜視図である。
図6は、各脚部のそれぞれのU字溝の向きの関係を示す概略図である。
【0018】
図1に示す電動モータ10は三相交流式とされ、バッテリー式フォークリフトのパワーステアリング装置および荷役のためのリフトシリンダに供給する圧油を吐出するための、図示しない油圧ポンプを駆動するためのものである。
図1に示すように、この電動モータ10のハウジング11は、回転子を内部に収納する固定子11aと、固定子11aを挟むようにしてその両側にそれぞれ接合されるカップ状のエンドブラケット11b・11cと、によりなる。本実施形態において、エンドブラケット11b・11cはアルミダイカスト製とされている。
なお、固定子11aを直接エンドブラケット11b・11cで挟んで接合する構造とする代わりに、固定子11aを例えば円筒状のケーシングに収納して固定し、当該ケーシングにエンドブラケット11b・11cを取り付ける構成としてもよい。
【0019】
エンドブラケット11b・11cには、モータ軸12を回転自在に軸支するための図示しない軸受がそれぞれ備えられている。このモータ軸12は、図示しないカップリングを介して、前述の油圧ポンプの入力軸に連結される。
また、前記固定子11aの外側には、この電動モータ10に電力を供給するための三本のワイヤケーブル16が配置される。このワイヤケーブル16は、図示しない引込口を介して、ハウジング11の内部に引き込まれる。
【0020】
各エンドブラケット11b・11cは、一側(図1における紙面左側)に延出する二本の脚部13を有しており、この脚部13の先端側の端面が、防振のためのマウント部材15を取り付ける取付面とされている。そしてこのマウント部材15が、フォークリフトの車体を構成するフレーム14に固定される結果、電動モータ10がフレーム14に防振支持される。
マウント部材15は、負荷の変動等によって前記油圧ポンプの入力軸から前記モータ軸12を介してハウジング11に伝わる振動を、車体側のフレーム14に伝達させる前に吸収し、これにより振動や騒音を抑制してフォークリフトの乗り心地を向上させるためのものである。マウント部材15の具体的な構成は後述する。
【0021】
一側のエンドブラケット(図1における紙面手前側のエンドブラケット)11bに形成される前記脚部13においては、その前記固定子11aと反対側を向く面(図1における紙面手前側の面)に、適宜の深さの凹部17が形成されている。
前記脚部13の先端側の端面(マウント部材15の取付面)には、前記凹部17内部の空間に通じるように貫通させた、U字溝18が形成されている。このU字溝18は前記モータ軸12の軸線方向と平行な長手方向を有し、かつ、その開放側を、(前記凹部17と同様に)前記固定子11aと反対側に向けている。
【0022】
前記脚部13に取り付けられるマウント部材15の具体的な構成は、図1のa−a断面矢視図としての図2に、また、図1のb−b断面矢視図としての図3に、それぞれ示される。
前記マウント部材15は図2・図3に示すように、円柱状のゴム部材19を二枚の金属製の板部材20・21で挟むようにして接合固定した構成となっている。一側の板部材20の中央部にはネジ軸22の基端部が溶接されて垂直に突出され、また他側の板部材21の中央部にもネジ軸23の基端部が溶接されて垂直に突出される。両ネジ軸22・23は互いにその軸線を一致させ、かつ互いに正反対の方向に突出するように構成されている。
【0023】
車体側の前記フレーム14には、前述の脚部13のそれぞれに対応する位置に、矩形板状の設置板24がそれぞれ溶接固定される。図2・図3に示すように、各設置板24の中央部には取付孔25が貫通形成されており、この取付孔25にマウント部材15のネジ軸22が挿通される。そして、当該ネジ軸22に座付き状の六角ナット26が反対側から螺嵌され締め付けられることで、マウント部材15が設置板24に固定される。この六角ナット26は、フレーム14に形成された収納孔27に収容されながら、前記設置板24に座するように構成されている。
【0024】
他側の板部材21から突出されたネジ軸23は、前記脚部13に形成された前記U字溝18の内部を通過しながら延出し、前記凹部17内の空間に入る。そして、該ネジ軸23の凹部17内の部分に座付き状の六角ナット28が螺嵌され締め付けられることで、脚部13にマウント部材15が取り付けられる構成となっている。
なお図2に示すように、前記凹部17の内壁には、前記六角ナット28の六角柱状部分を挟み込むように両側から対向突出する規制部29を設けている。この結果、凹部17内に入った状態の前記六角ナット28は、規制部29によってその回転を規制される構成となっている。
【0025】
以上の構成は図1における紙面手前側のエンドブラケット11bについてのものであるが、図1における紙面奥側のエンドブラケット11cについても、その脚部13には同様に凹部17およびU字溝18が形成され、当該U字溝18の部分にマウント部材15が取り付けられる。ただし、図1の紙面奥側のエンドブラケット11cに形成される凹部17やU字溝18は、その開放側が、前述したエンドブラケット11bにおけるそれらとは正反対の方向に向くように形成されている。
【0026】
次に、電動モータ10をフレーム14に組み付ける工程の様子を、図4以降を参照して説明する。
本実施形態の電動モータ10を組み付ける前の準備作業として、計四つの前記マウント部材15のそれぞれにおいて、図4に示すように、ネジ軸23に前記六角ナット28を予め螺嵌させておく。ただし、六角ナット28は、板部材21との間に適当な隙間が形成されるように(即ち、板部材21から浮いた状態となるように)、そのネジ軸23上での位置を調整しておく。
【0027】
そして図4の白抜き矢印に示すように、前記エンドブラケット11b・11cのそれぞれの脚部13の前記凹部17に前記六角ナット28を入れるように、かつ、前記ネジ軸23の前記板部材21と六角ナット28の間の部分が前記U字溝18に入るようにして、マウント部材15を脚部13に組み付ける。
【0028】
こうして組み付けた状態では六角ナット28は前記規制部29の間に入り込んでその回転が止められているので、マウント部材15を回転させれば、六角ナット28は凹部17の内壁面に座した状態を保ち、当該六角ナット28の内部をネジ軸23が進んでいく形となって締付け力が生じ、マウント部材15が前記脚部13の先端面に固定される。
即ち、▲1▼ネジ軸23に六角ナット28を適当に螺嵌させた後、▲2▼ネジ軸23をU字溝18の開放側から差し込み、▲3▼当該差し込んだ状態でマウント部材15の板部材20・21の部分を手で持って回転させて締め付ける、といった工具不要の簡単な作業で、マウント部材15を脚部13に確実に固定することができる。なお、前記板部材20・21の形状は円板状ではなく正六角形の角張った形状とされており(図4参照)、マウント部材15に手を掛けやすくして回転が容易となるように配慮されている。
【0029】
また前述したように、前記マウント部材15のネジ軸23を挿通させる部分は、(孔ではなく)その長手方向一端を開放させるU字溝18の形状となっている。
この結果、エンドブラケット11b・11cのダイカストによる製造コストを低減できる。即ち、可動型の移動方向(金型の抜き方向)をU字溝18の長手方向に平行となるよう設定することで、鋳造時には固定型と可動型を用いる単純な金型構成を適用でき、U字溝18を形成するために、抜き方向と異なる方向に移動可能な可動中子(スライド型)を使うなどの複雑な鋳造法を使わなくて済む。この結果、金型コストを低減でき、エンドブラケット11b・11cの製造コストを低減させることができるのである。
【0030】
その後は図5に示すように、四つのマウント部材15を取り付けた状態の電動モータ10を、当該マウント部材15のネジ軸22を前記設置板24の取付孔25に挿通させるようにして、フレーム14に取り付ける。そして、反対側からネジ軸22に前記六角ナット26を螺嵌して締め付けることで、電動モータ10がフレーム14に対し外れないように取り付けられる。
【0031】
なお、マウント部材15における二本のネジ軸22・23はいずれも右ネジのネジ軸としてあり、マウント部材15に何らかの原因で力が加わり、ナット28による脚部13に対する締付けを緩める方向にマウント部材15が回転した場合は、当該回転によって他側の六角ナット26がフレーム14側に対する締付けを強める関係となっている。
従って、マウント部材15が脚部13に対するナット28による締付けを緩める方向に回転しようとしても、フレーム14側の六角ナット26が益々締まってその回転に抗する形となるので、マウント部材15が脚部13から外れにくい構成となっている。
【0032】
ここで、それぞれの前記脚部13に設けられた前記U字溝18の向きの関係について説明する。
即ち図6に示すように、一側のエンドブラケット11bにおけるU字溝18は、他側のエンドブラケット11cにおけるU字溝18と、その向きが正反対の方向(即ち、互いに異なる方向)を向くように構成している。
以上の構成とすることで、電動モータ10に何らかの事情で力が加わり、一側のエンドブラケット11b(または11c)の脚部13においてネジ軸23からU字溝18が抜ける方向に電動モータ10が移動しようとしても、これに一体的に固定される他側のエンドブラケット11c(または11b)においてU字溝18の閉塞側の端部がネジ軸23に当接するので、その移動は規制されることになる。
従って、ネジ軸23がU字溝18から自然に抜けてしまうことが防止され、この結果、電動モータ10が意図に反してフレーム14から外れて落下することが回避される。
【0033】
以上に本発明の実施形態を示したが、本発明の技術的範囲は上記の実施形態に限定されるものではなく、以下に示すような様々な変容が可能である。
【0034】
(イ)電動モータ10を取り付ける対象としての前記フレーム14は、本実施形態では図1に示すとおり垂直板状に構成されているが、これに限定するものでもない。例えば、水平板状のフレーム14の上側もしくは下側に電動モータ10を取り付ける構成にも、本発明の支持構造は同様に適用可能である。
また、フレーム14の形状についても、板状に限定されるものではなく、骨組枠体状やブロック状などの構成が考えられる。また、車両を構成するフレーム14以外の部材に電動モータ10を取り付ける場合にも、本発明の支持構造の適用は妨げられない。
【0035】
(ロ)フレーム14に対するマウント部材15の取付構成としては、ネジ軸22と六角ナット26とを用いる構成に限らず、ボルトを用いる等、他の適宜な方法を採用できる。
【0036】
(ハ)また、脚部13に対するマウント部材15の取付構成としては、板部材21にネジ軸23を溶接にて突設する本実施形態の構成に限定されない。
例えば、ネジ軸23とナット28とを用いる代わりに、板部材21にネジ孔を切っておき(あるいは板部材21にナットを溶接等の方法で固着しておき)、ここに、六角ボルトを螺入させる構成が考えられる。この場合のマウント部材15の前記脚部13への取付方法としては、六角ボルトの軸部は(前記ネジ軸23と同様に)U字溝18に差し込まれ、これと同時に、六角ボルトの頭部は(前記ナット28と同様に)前記凹部17の規制部29の間に差し込まれた状態で前記凹部17の内壁面に座し、当該規制部29によってその回転が規制されることになる。従って、この構成によっても前記実施形態と同様に、マウント部材15を手で持って回転させる簡単な作業で、マウント部材15を脚部13に確実に締め付けて固定することができる。
【0037】
(ニ)前記脚部13における、前記凹部17の深さ方向および前記U字溝18の長手方向は、本実施形態では前記モータ軸12の軸線方向に平行となるように設定されているが、これに限定するものでもない。
しかしながら、前記エンドブラケット11b・11cの形状は、モータ軸12の軸線をその軸線としたカップ状(軸線方向一端側を閉塞した筒状)であり、また、その内部には、モータ軸12の支持のための前記軸受を嵌め込んで収納するための凹部を一体的に形成しておくことが、部品点数を削減でき便宜であるという事情がある。従って、エンドブラケット11b・11cをアルミダイカストで形成するための金型を製造する際には、可動型の移動方向(金型抜き方向)をモータ軸12の軸線方向に沿う向きに設定して当該金型を設計する方が有利である。
従って、前記モータ軸12の軸線方向に平行となるように、凹部17の深さ方向およびU字溝18の長手方向向きを設定しておく方が、固定型あるいは可動型のいずれか一方に前記凹部17及び前記U字溝18に対応して凸部を形成しておくだけで当該凹部17やU字溝18を簡単に形成でき、金型の構成を簡素化できるメリットがある。
【0038】
(ホ)前記六角ナット28は座付き状ナット(即ち、円形の鍔を形成することで座面を広く確保したナット)としているが、これに限定されるものでもない。例えば、緩み止めのワッシャーを用いる構成が考えられる。あるいは、特に緩み止めに配慮しない形状のナットを用いても構わない。
ただし本実施形態では、ネジ軸23を挿通する部分が孔ではなく細長いU字溝18の端部とされていることから、六角ナット28が内壁面に座して接触する面積は、その分だけ小さくならざるを得ないという事情がある。この点から言えば、ナット28に何らかの緩み止め対策を施すことが、少ない部品点数で接触面積を稼いで摩擦力を大きく確保し、ナット28の緩みや外れを防止できる点で有利である。特に座付き状のナット28は、緩み防止という効果を少ない部品点数で発揮できる点で好ましい。
【0039】
(ヘ)前記ナット28は六角ナットに限らず、四角ナット、T溝ナット等の他の形状のものを用いてよい。この場合、前記規制部29の形状は、ナット28の形状に対応させて適宜変更するものとする。
【0040】
(ト)前記ネジ軸23を挿通する溝は本実施形態ではU字溝18としたが、この形状に限られることもなく、要はその一端が開放された形状の溝であればよい。
例えば、U字溝18を、その開放側端部が幅広となるようなV字状のテーパ部を有する形状に形成すれば、図4に示す工程(ネジ軸23をU字溝18に差し込む工程)が容易となる点で有用である。
【0041】
(チ)前記電動モータ10のハウジング11は四本の脚部13を有する形状とされ、この脚部13にそれぞれマウント部材15を取り付けているが、これに限らず、例えば脚部13を三本のみ有する形状や、五本以上有する形状に構成しても構わない。この場合はマウント部材15は、脚部13の数に応じた数だけ取り付けることになる。
【0042】
(リ)本実施形態において、前記電動モータ10の支持構造はフォークリフトに用いられるものであるが、本発明の支持構造は他の産業車両(例えば、建設車両など)への適用が妨げられるものではない。
【0043】
【発明の効果】
本発明は、以上のように構成したので、以下に示すような効果を奏する。
【0044】
即ち、請求項1に示すように、モータ軸と、当該モータ軸を支持するエンドブラケットと、を有する電動モータを、マウント部材を介して防振支持する、産業車両における電動モータの支持構造であって、前記エンドブラケットには凹部が形成され、また前記エンドブラケットには、前記凹部の形成箇所において、その長手方向一端を開放した溝が形成され、前記マウント部材は、その一側を前記産業車両を構成する部材に取り付ける一方、他側にはネジ軸が取り付けられて、このネジ軸が前記溝に差し込まれ、当該ネジ軸にはナットが螺嵌され、当該ナットは、前記凹部の内壁面に座するとともに、該凹部の内壁面によってその回転が規制されるので、
エンドブラケットをダイカスト鋳造で形成する際に、金型の抜き方向を前記溝の長手方向に平行となるよう設定することで、鋳造時には固定型と可動型を用いる単純な金型構成を適用できる。即ち、抜き方向と異なる方向に移動可能な可動中子(スライド型)を使うなどの複雑な鋳造法を使わなくて済む。この結果、金型コストを低減でき、エンドブラケットの製造コストを低減させることができる。
また、▲1▼マウント部材のネジ軸にナットを螺嵌してから、▲2▼前記溝の開放側から当該ネジ軸を差し込みつつ前記凹部にナットを入れて、凹部の内壁面によってナットの回転が規制されるようにすれば、この状態でマウント部材を単に手で持って回転させる簡単な作業で、マウント部材をエンドブラケットに対し締め付けて固定することが可能になる。従って、電動モータを取り付ける際の組立が簡素化される。
【0045】
請求項2に示すように、モータ軸と、当該モータ軸を支持するエンドブラケットと、を有する電動モータを、マウント部材を介して防振支持する、産業車両における電動モータの支持構造であって、前記エンドブラケットには凹部が形成され、また前記エンドブラケットには、前記凹部の形成箇所において、前記モータ軸に平行な長手方向を有するとともにその一端を開放した溝が形成され、前記マウント部材においては、その少なくとも一側にボルトの軸部が取り付けられて、当該軸部が前記溝に差し込まれ、当該ボルトの頭部は、前記凹部の内壁面に座するとともに、該凹部の内壁面によってその回転が規制されるので、
エンドブラケットをダイカスト鋳造で形成する際に、金型の抜き方向を前記溝の長手方向に平行となるよう設定することで、鋳造時には固定型と可動型を用いる単純な金型構成を適用できる。即ち、抜き方向と異なる方向に移動可能な可動中子(スライド型)を使うなどの複雑な鋳造法を使わなくて済む。この結果、金型コストを低減でき、エンドブラケットの製造コストを低減させることができる。
また、▲1▼マウント部材にボルトを螺入してから、▲2▼前記溝の開放側から当該ボルトの軸部を差し込みつつ前記凹部にボルトの頭部を入れて、凹部の内壁面によってボルトの頭部の回転が規制されるようにすれば、この状態でマウント部材を単に手で持って回転させる簡単な作業で、マウント部材をエンドブラケットに対し締め付けて固定することが可能になる。従って、電動モータを取り付ける際の組立が簡素化される。
【0046】
請求項3に示すように、前記電動モータは複数の前記マウント部材を介して防振支持される構成とし、前記エンドブラケットにはそれぞれのマウント部材に対応して前記凹部および前記溝が形成され、複数の前記溝のうち少なくとも一個は、他の溝とその開放側の向きが異なるので、
電動モータに何らかの事情で力が作用し、複数ある前記溝のうち、ある溝がそれを挿通するマウント部材側の軸(ネジ軸またはボルトの軸部)から外れようとする方向に移動しても、少なくとも一個の他の溝が当該方向の移動を規制することになる。従って、電動モータが意図に反して車体側から外れてしまうことが回避される。
【0047】
請求項4に示すように、前記ナットを座付きナットとし、または、前記ボルトを座付きボルトとしたので、
少ない部品点数で、マウント部材のエンドブラケットに対する締付けの緩み・外れが確実に防止され、電動モータが意図に反して車体側から外れてしまうことが回避される。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態に係る支持構造を介して取り付けられた状態の電動モータを示す全体斜視図。
【図2】マウント部材と凹部の詳細を示す、図1におけるa−a断面拡大矢視図。
【図3】図1におけるb−b断面拡大矢視図。
【図4】エンドブラケットのU字溝にマウント部材のネジ軸を取り付ける様子を示す斜視図。
【図5】マウント部材を車体側のフレームに取り付ける様子を示す斜視図。
【図6】各脚部のそれぞれのU字溝の向きの関係を示す概略図。
【符号の説明】
10 電動モータ
11 ハウジング
11b・11c エンドブラケット
15 マウント部材
17 凹部
18 U字溝(溝)
23 ネジ軸
28 六角ナット(ナット)
29 規制部(凹部17の内壁面)

Claims (4)

  1. モータ軸と、当該モータ軸を支持するエンドブラケットと、を有する電動モータを、マウント部材を介して防振支持する、産業車両における電動モータの支持構造であって、
    前記エンドブラケットには凹部が形成され、
    また前記エンドブラケットには、前記凹部の形成箇所において、その長手方向一端を開放した溝が形成され、
    前記マウント部材は、その一側を前記産業車両を構成する部材に取り付ける一方、他側にはネジ軸が取り付けられて、このネジ軸が前記溝に差し込まれ、
    当該ネジ軸にはナットが螺嵌され、当該ナットは、前記凹部の内壁面に座するとともに、該凹部の内壁面によってその回転が規制されることを特徴とする、
    産業車両における電動モータの支持構造。
  2. モータ軸と、当該モータ軸を支持するエンドブラケットと、を有する電動モータを、マウント部材を介して防振支持する、産業車両における電動モータの支持構造であって、
    前記エンドブラケットには凹部が形成され、
    また前記エンドブラケットには、前記凹部の形成箇所において、前記モータ軸に平行な長手方向を有するとともにその一端を開放した溝が形成され、
    前記マウント部材においては、その少なくとも一側にボルトの軸部が取り付けられて、当該軸部が前記溝に差し込まれ、
    当該ボルトの頭部は、前記凹部の内壁面に座するとともに、該凹部の内壁面によってその回転が規制されることを特徴とする、
    産業車両における電動モータの支持構造。
  3. 請求項1または請求項2に記載の産業車両における電動モータの支持構造において、
    前記電動モータは複数の前記マウント部材を介して防振支持される構成とし、前記エンドブラケットにはそれぞれのマウント部材に対応して前記凹部および前記溝が形成され、
    複数の前記溝のうち少なくとも一個は、他の溝とその開放側の向きが異なることを特徴とする、
    産業車両における電動モータの支持構造。
  4. 請求項1から請求項3までのいずれか一項に記載の電動モータの支持構造において、
    前記ナットを座付きナットとし、または、前記ボルトを座付きボルトとしたことを特徴とする、
    産業車両における電動モータの支持構造。
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