JP4062791B2 - ダイオキシン類を含有した耐火レンガあるいはモルタルの無害化処理装置 - Google Patents

ダイオキシン類を含有した耐火レンガあるいはモルタルの無害化処理装置 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、ダイオキシン類等の有害な有機塩素化合物を含有する固形物、例えば、焼却炉に使用された耐火レンガ等を無害化する処理装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
近年、廃棄物等の焼却に伴うダイオキシン、ホスゲン等の有害物質発生を抑制する必要性から、既存の焼却炉の廃却や改造が行われているが、その際、炉内に使用されていた耐火レンガが大量に廃棄物として出される。
この焼却炉に使用された耐火レンガには、ダイオキシン類等の有機塩素化合物が大量に含有されており、そのまま埋め立てたり、廃棄することができない。
一方、汚泥やダイオキシン類等の有害物質を完全分解する処理として、超臨界水・水熱反応処理を利用した方法が開発されている。
【0003】
ダイオキシン類等の有害な有機塩素化合物の中には、自然環境では非常に安定なものがあるため、焼却炉における使用済み耐火レンガをそのまま廃棄すると、土中にしみ出して堆積され、雨水によって流れ出すおそれがある。このため、使用済み耐火レンガを粉砕して粉末状にするとともに水を加えてスラリーにし、このスラリーを超臨界水・水熱反応処理することによって、焼却炉耐火レンガに付着したダイオキシン類を原理的に分解する技術が開発されている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
この処理技術では、水熱反応容器において水を反応の媒体とする超臨界水・水熱反応処理を行うため、その生成物は水と無機固形物との混合物になることから、生成物を廃棄するにあたって、水と無機固形物とを分離する工程が必要であった。しかしながら、生成物は、水熱反応容器から高温高圧状態のまま排出されるため、容易に分離させることが難しく、効率的に分離処理を行う技術が要望されていた。
【0005】
本発明は、前述の課題に鑑みてなされたもので、焼却炉で使用された耐火レンガ等の有機塩素化合物を含有する固形物を水熱反応処理した場合、生成物を効率的に固液分離させることができる有機塩素化合物を含有する固形物の無害化処理装置を提供することを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】
本発明は、前記課題を解決するため、以下の構成を採用した。すなわち、第1の発明では、ダイオキシン類を含有した耐火レンガあるいはモルタルを無害化する処理装置であって、前記耐火レンガあるいはモルタルの粉末に水を添加したスラリーを高温高圧状態にして水熱反応を起こさせ前記ダイオキシン類を分解する水熱反応容器と、該水熱反応容器の下流側に接続され水熱反応容器で生成された生成物を固液分離する固液分離器とを備え、該固液分離器は、内部に前記生成物が導入され生成物が減圧され気化した気液分を上部から排出するタンク本体と、前記水熱反応容器の下流側に接続され水熱反応容器側から高温高圧状態で送られてくる生成物を前記タンク本体内に先端から上方に向けて噴出させる噴出管と、該噴出管の先端より上方に離間して対向設置された噴出用じゃま板とを備えている技術が採用される。
【0007】
この無害化処理装置では、固液分離器が、内部に生成物が導入され生成物が減圧され気化した気液分を上部から排出するタンク本体と、水熱反応容器の下流側に接続され水熱反応容器側から高温高圧状態で送られてくる生成物をタンク本体内に先端から上方に向けて噴出させる噴出管と、該噴出管の先端より上方に離間して対向設置された噴出用じゃま板とを備えているので、タンク本体内部で高温高圧の生成物が噴出管から噴出用じゃま板に向けて噴射される。すなわち、噴射された生成物は、上方の噴出用じゃま板にぶつかってから下方に落ちるため、下方に向けて直接吹き付ける場合に比べて、タンク本体底部に貯まった固形物が舞い上がることを抑制することができる。タンク本体内部に噴出された生成物は、タンク本体内で急激に減圧されることから、気液分が水蒸気等に気化して上昇し、上部から排出されるとともに、残った固形分は、タンク本体の下部に沈降する。
【0008】
第2の発明では、第1の発明において、前記噴出用じゃま板より上方に離間して配された巻上げ用じゃま板を備え、該巻上げ用じゃま板には、前記噴出用じゃま板の直上に通気孔が形成されている技術が採用される。
【0009】
この無害化処理装置では、噴出用じゃま板より上方に離間して配された巻上げ用じゃま板を備え、該巻上げ用じゃま板には、噴出用じゃま板の直上に通気孔が形成されているので、噴出用じゃま板にぶつかって下方に反射した生成物によってタンク本体底部の固形分が一部舞い上がっても、噴出用じゃま板のさらに上方で巻上げ用じゃま板に遮られて、再び下方に落下する。また、気化した気液分は、固形分が比較的舞い上がってこない噴出用じゃま板の直上に形成された通気孔から、上部に抜けて排出される。
【0010】
第3の発明では、第1または第2の発明において、前記タンク本体は、その下部のみを冷却する冷却機構を備えている技術が採用される。
【0011】
この無害化処理装置では、タンク本体は、その下部のみを冷却する冷却機構を備えているので、気化して上昇する水蒸気等を冷却することなく、タンク本体下部に沈降した固形分だけを冷却することができる。
【0012】
第4の発明では、第1から第3のいずれかの発明において、前記固液分離器の上部に排出管で接続され分離された気液分を導入して気体分と水分とに分離させる気水分離器と、前記排出管の途中に設けられ前記水熱反応容器に接続された供給管内を流通する前記スラリーと排出管内を流通する気液分との間で熱交換を行う熱交換器とを備えている技術が採用される。
【0013】
この無害化処理装置では、固液分離器の上部に排出管で接続され分離された気液分を導入して気体分と水分とに分離させる気水分離器と、排出管の途中に設けられ水熱反応容器に接続された供給管内を流通するスラリーと排出管内を流通する気液分との間で熱交換を行う熱交換器とを備えているので、排出管の気化した気液分が、供給管内のスラリーによって冷却され水蒸気等が液化されて、気水分離器に送られる。
【0014】
【発明の実施の形態】
以下、本発明に係るダイオキシン類を含有する耐火レンガあるいはモルタルの無害化処理装置の一実施形態を、図1および図2を参照しながら説明する。
【0015】
図1は、焼却炉の使用済耐火レンガの無害化処理装置を示している。該無害化処理装置は、使用済耐火レンガのレンガ粉末に水を添加したスラリーSを貯留するスラリータンク1と、該スラリータンク1の排出側に接続された高圧ポンプ2と、該高圧ポンプ2の下流側に接続された熱交換器3と、該熱交換器3の下流側に接続された第1電磁弁4と、該第1電磁弁4の下流側に接続され送られたスラリーSを高温高圧状態にして水熱反応を起こさせ有機塩素化合物を分解する水熱反応容器5と、該水熱反応容器5の排出側に接続された第2電磁弁6と、該第2電磁弁6の下流側に接続された排出容器7と、該排出容器7の下流側に接続された第3電磁弁8と、該第3電磁弁8の下流側に接続され水熱反応容器5から送られた生成物を固液分離するフラッシュタンク(固液分離器)9とを備えている。
【0016】
また、フラッシュタンク9は、排出管9aでフラッシュタンク9で分離された気液分をさらに水分と気体分に分離する気水分離器10に接続されている。
そして、排出管9aは、その途中で熱交換器3内に配管されている。
一方、スラリータンク1と水熱反応容器5とを接続する供給管11は、高圧ポンプ2と第1電磁弁4との間で熱交換器3内に配管されている。
さらに、高圧ポンプ2と熱交換器3とを接続する供給管11には、先端がスラリータンク1に接続された分岐管12の基端が接続され、該分岐管12の途中には、第4電磁弁13が設けられている。
そして、この無害化処理装置は、第1〜第4電磁弁4、6、8、13と電気的に接続されこれらの開閉をそれぞれ制御する制御機構14を備えている。
【0017】
前記スラリーSは、前工程で使用済耐火レンガを複数段の粉砕機で粉砕して数mmから10μm以下の大きさにしたレンガ粉末に水を加えたものである。
前記水熱反応容器5は、送られてくるスラリーSに水とNaOHを添加する添加機構(図示略)を備え、これらが添加されたスラリーSを高温高圧状態、例えば、300℃以上、10MPa以上の高温高圧水中で超臨界水または水熱反応を起こさせる圧力容器である。なお、水熱反応容器5には、供給されたスラリーSの量を検知するレベルセンサ5aと、上部に接続され立ち上げ時に内部の空気を逃がす空気排出弁5bとが設けられている。
【0018】
前記排出容器7には、内部の圧力を計測して制御機構14に出力する圧力センサ15が取り付けられており、制御機構14は、この圧力センサ15に電気的に接続され、圧力センサ15の出力に基づいて各電磁弁の開閉を制御する。
前記フラッシュタンク9は、排出容器7から第3電磁弁8を介して送られる生成物を、高温のまま圧力を大気圧に減圧して、水分を気化させ、無機固形物との分離を行う固液分離器である。
【0019】
このフラッシュタンク9は、図2に示すように、内部に生成物が導入され生成物が減圧され気化した気液分を上部に接続された排出管9aから排出するタンク本体9b、第3電磁弁8を介して排出容器7に接続され排出容器7から高温高圧状態で送られてくる生成物をタンク本体9b内に先端から上方に向けて噴出させる噴出管9c、該噴出管9cの先端より上方に離間して対向設置された噴出用じゃま板9dと、噴出用じゃま板9dより上方に離間して配された巻上げ用じゃま板9eとを備えている。
【0020】
前記噴出用じゃま板9dは、タンク本体9bの内周面に固定された支持部材9fよってタンク本体9bの中心軸上に支持されており、周縁部が下方側に折り曲げられた形状となっている。
また、前記巻上げ用じゃま板9eには、噴出用じゃま板9dの直上に通気孔9gが形成され、該通気孔9gに向けて下方に傾斜した形状となっている。
【0021】
前記タンク本体9bは、その下部外周に設置されガスや水を冷媒として流通させる冷却管9h備えている。該冷却管9hは、タンク本体9bの下部のみを冷却する冷却機構として機能する。さらに、タンク本体9bの底部には、分離された固形分を外部の固形分貯留部16に取り出すための開閉可能な取り出し口9iが設けられている。
なお、前記フラッシュタンク9は、排出容器7に比べて十分大きな内容積に設定されている。
【0022】
前記制御機構14は、第1電磁弁4および第2電磁弁6を開状態にするとともに第3電磁弁8を閉状態にした後に高圧ポンプ2によって排出容器7内の圧力が所定の高圧値にまで上昇すると、第1電磁弁4および第2電磁弁6を閉状態にするとともに第3電磁弁8を開状態にし、この後に排出容器7内の圧力が所定の低圧値にまで下がると、第1電磁弁4および第2電磁弁6を開状態にするとともに第3電磁弁8を閉状態にする動作を繰り返し行うように設定されている。
また、第1電磁弁4が閉状態のときにのみ第4電磁弁13を開状態になるように第4電磁弁13の開閉を制御するように設定されている。
【0023】
この実施設備による使用済耐火レンガの無害化処理装置について、図1および図2を参照して以下に説明する。
【0024】
〔粉砕工程〕
まず、使用済耐火レンガを複数段に構成された粉砕機(図示略)に供給し、該粉砕機によって散水しながら粉砕して、使用済耐火レンガを数mmから10μm以下の大きさのレンガ粉末にする。
このレンガ粉末に水を加えてスラリータンク1に供給し、該スラリータンク1にスラリーSとして貯留する。
【0025】
〔水熱反応処理工程〕
次に、制御機構14によって第1電磁弁4および第2電磁弁6を開状態にするとともに、第3電磁弁8および第4電磁弁13を閉状態にし、高圧ポンプ2によってスラリータンク1から供給管11、熱交換器3および第1電磁弁4を介して水熱反応容器5にスラリーSが供給される。
このとき、添加機構によって水およびNaOH(水酸化ナトリウム)がスラリーSに添加される。
【0026】
すなわち、水とNaOHとが添加されたスラリーSが水熱反応容器5内に供給されて、高温高圧水中で水熱反応が生じる。なお、水熱反応容器5内は、300℃以上、10MPa以上に保温保圧される。
【0027】
このとき、スラリーSに含まれるダイオキシン類等の有機塩素化合物は水熱反応で分解され、その中の塩素成分はNaOHと反応し、無害かつ安定な塩(NaCl)となって、再合成されない状態となる。
なお、水熱反応処理工程は、超臨界水雰囲気、すなわち374℃以上22MPa以上の高温高圧水中で行えば、有機塩素化合物が分解された状態で水に対してほぼ均一に溶け込ませることができる。
【0028】
〔排出工程〕
次に、水熱反応容器5で処理されてスラリーSから生じた生成物は、開状態の第2電磁弁6を介して排出容器7内に排出される。このとき、高圧ポンプ2によって排出容器7内が徐々に加圧され、この内部の圧力は圧力センサ15によって測定され、常時、制御機構14に出力される。
そして、排出容器7内の圧力が所定の高圧値に達したときに、これを検知した圧力センサ15の出力に基づいて、制御機構14が、第1電磁弁4および第2電磁弁6を閉状態にするとともに、第3電磁弁8および第4電磁弁13を開状態にする。
【0029】
このとき、第1電磁弁4および第2電磁弁6を閉状態にするとともに第3電磁弁8を開状態にするので、排出容器7内に送られた生成物が圧力の低い下流側のフラッシュタンク9に圧力差を駆動力として排出される。また、第1電磁弁4および第2電磁弁6が閉まるため、水熱反応容器5内の高圧状態が維持される。
さらに制御機構が、第1電磁弁4が閉状態のときにのみ第4電磁弁13を開状態になるように第4電磁弁13の開閉を制御するので、第1電磁弁4が閉状態となって高圧ポンプ2の水熱反応容器5側が閉塞されても第4電磁弁13が開かれて、分岐管12を介してスラリーSがスラリータンク1に戻される。
【0030】
この後、排出容器7内の圧力が所定の低圧値にまで下がると、これを検知した圧力センサ15の出力に基づいて、制御機構14が第1電磁弁4および第2電磁弁6を開状態にするとともに第3電磁弁8を閉状態にするので、再び高圧ポンプ2によって排出容器7が加圧され高圧状態となるとともに、水熱反応容器5にはスラリーSが供給され、同時に排出容器7には生成物が供給される。
制御機構14は、排出工程のこれら一連の動作を繰り返し行うように設定されているので、水熱反応容器5の高圧状態が常に維持されるとともに、生成物を水熱反応容器5からフラッシュタンク9へ弁の閉塞や摩耗を生じずにスムーズに排出・移送することができる。
【0031】
〔固液分離工程〕
排出容器7から排出された生成物は、第3電磁弁8を介して噴出管9cによってフラッシュタンク9内に噴射される。このとき、高温高圧の生成物が噴出管9cから噴出用じゃま板9dに向けて噴射される。すなわち、噴射された生成物は、上方の噴出用じゃま板9dにぶつかってから落ちるため、下方に向けて直接吹き付ける場合に比べて、タンク本体9b底部に貯まった固形物が舞い上がることを抑制することができる。
【0032】
タンク本体9b内部に噴出された生成物は、タンク本体9b内で急激に減圧されることから、気液分が水蒸気等に気化して上昇し、上部から排出されるとともに、残った固形分は、タンク本体9bの下部に沈降する。
すなわち、生成物は、排出容器7から排出されると同時に、フラッシュタンク9内で、固形分、すなわち耐火レンガの無機個体と、液体分、すなわち水熱反応によって生じたNaClおよびNaOHを含む水(炭酸ガス等を含む)とに分離される。
【0033】
なお、噴出用じゃま板9dにぶつかって下方に反射した生成物によって、タンク本体9b底部の固形分が一部舞い上がっても、噴出用じゃま板9dのさらに上方で巻上げ用じゃま板9eに遮られて再び下方に落下する。また、気化した気液分は、図2の点線矢印に示すように、固形分が比較的舞い上がってこない噴出用じゃま板9dの直上に形成された通気孔9gから、上部に抜けて排出管9aから排出される。
【0034】
タンク本体9bは、その下部のみを冷却する冷却管9hを備えているので、気化して上昇する水蒸気等を冷却することなく、タンク本体9b下部に沈降した固形分だけを冷却することができる。
分離された無機固体は、フラッシュタンク9の底部から取り出し口9iを開口させて、下方の固形分貯留部16上に落下させ、一方、気液分は、フラッシュタンク9から排出管9aで熱交換器3に送られ、熱交換器3内の供給管11を流通するスラリーSとの間で熱交換をして冷却され、水蒸気等が液化された後、熱交換器3から気水分離器10へと送られる。
【0035】
〔気水分離工程〕
気水分離器10に送られた気液分は、含まれていた二酸化炭素等の気体成分とNaClおよびNaOHを含む水とに分離され、該水は、ダイオキシン類が残留していないため、排水処理が施された後に放流または粉砕機の散水として再利用に供される。
【0036】
なお、本実施形態の無害化処理装置では、第1〜第4電磁弁4、6、8、1313を採用したが、制御機構によって開閉制御可能であれば他の開閉弁でも構わない。例えば、圧縮空気によって開閉可能なエアー駆動弁を採用してもよい。
また、この無害化処理装置は、全体がトラック等に車載可能なサイズに設計されており、所定の焼却場に直接移動することができるようになっている。これによって、使用済耐火レンガ(産業廃棄物)を焼却場の外に運搬する必要がない。
さらに、有機塩素化合物を含有する固形物として焼却炉で使用した耐火レンガを無害化処理したが、他の固形物を無害化する装置として適用しても構わない。例えば、焼却炉内の他の材料(モルタル等)を無害化処理する装置として用いてもよい。
【0037】
【発明の効果】
本発明によれば、以下の効果を奏する。
(1)第1の発明によれば、固液分離器が、内部に生成物が導入され生成物が減圧され気化した気液分を上部から排出するタンク本体と、水熱反応容器の下流側に接続され水熱反応容器側から高温高圧状態で送られてくる生成物をタンク本体内に先端から上方に向けて噴出させる噴出管と、該噴出管の先端より上方に離間して対向設置された噴出用じゃま板とを備えているので、噴射された生成が上方の噴出用じゃま板にぶつかってから下方に落ちるため、タンク本体底部の固形の舞い上がりを抑制することができるとともに、急激な減圧により気液分を気化分離することができる。すなわち、高温高圧状態のまま排出された生成物を、固液分離器内で容易にかつ効率的に分離させることができる。
【0038】
(2)第2の発明によれば、噴出用じゃま板より上方に離間して配された巻上げ用じゃま板を備え、該巻上げ用じゃま板には、噴出用じゃま板の直上に通気孔が形成されているので、タンク本体底部の固形分が一部舞い上がっても、噴出用じゃま板のさらに上方の巻上げ用じゃま板で遮って下方に落下させることができる。また、気化した気液分は、固形分が比較的舞い上がってこない噴出用じゃま板の直上に形成された通気孔から、上部に抜けて排出することができ、タンク本体上部から気液分を排出する際に、固形分が混ざり込むことを抑制することができる。すなわち、固形分と気液分とを、さらに効率的に分離することができる。
【0039】
(3)第3の発明によれば、タンク本体は、その下部のみを冷却する冷却機構を備えているので、気化して上昇する水蒸気等を冷却することなく、タンク本体下部に沈降した固形分だけを冷却することができ、分離効率を落とすことなく固形分を取り扱い可能な温度に下げることができる。
【0040】
(4)第4の発明によれば、固液分離器の上部に排出管で接続され分離された気液分を導入して気体分と水分とに分離させる気水分離器と、排出管の途中に設けられ水熱反応容器に接続された供給管内を流通するスラリーと排出管内を流通する気液分との間で熱交換を行う熱交換器とを備えているので、排出管内の気化した気液分を供給管内のスラリーによって冷却させ水蒸気等を液化されることによって、気水分離器で容易に気体分と液体分とに分離することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明に係るダイオキシン類を含有する耐火レンガあるいはモルタルの無害化処理装置の一実施形態を示す結線図である。
【図2】 本発明に係るダイオキシン類を含有する耐火レンガあるいはモルタルの無害化処理装置の一実施形態におけるフラッシュタンクを示す概略的な断面図である。
【符号の説明】
1 スラリータンク
2 高圧ポンプ
3 熱交換器
5 水熱反応容器
7 排出容器
9 フラッシュタンク(固液分離器)
9a 排出管
9b タンク本体
9c 噴出管
9d 噴出用じゃま板
9e 巻上げ用じゃま板
9g 通気孔
9h 冷却管(冷却機構)
10 気水分離器
11 供給管
S スラリー

Claims (2)

  1. ダイオキシン類を含有した耐火レンガあるいはモルタルを無害化する処理装置であって、
    前記耐火レンガあるいはモルタルの粉末に水を添加したスラリー(S)を高温高圧状態にして水熱反応を起こさせ前記ダイオキシン類を分解する水熱反応容器(5)と、
    該水熱反応容器の下流側に接続され水熱反応容器で生成された生成物を固液分離する固液分離器(9)とを備え、
    該固液分離器は、内部に前記生成物が導入され生成物が減圧され気化した気液分を上部から排出するタンク本体(9f)と、
    前記水熱反応容器の下流側に接続され水熱反応容器側から高温高圧状態で送られてくる生成物を前記タンク本体内に先端から上方に向けて噴出させる噴出管(9c)と、
    該噴出管の先端より上方に離間して対向設置された噴出用じゃま板(9d)とを備え
    前記噴出用じゃま板より上方に離間して配された巻上げ用じゃま板(9e)を備え、
    該巻上げ用じゃま板には、前記噴出用じゃま板の直上に通気孔(9g)が形成されていることを特徴とするダイオキシン類を含有した耐火レンガあるいはモルタルの無害化処理装置。
  2. 請求項1記載のダイオキシン類を含有した耐火レンガあるいはモルタルの無害化処理装置において、
    前記タンク本体は、その下部のみを冷却する冷却機構(9h)を備えていることを特徴とするダイオキシン類を含有した耐火レンガあるいはモルタルの無害化処理装置。
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