JP4061411B2 - 電界放出電極およびその製造方法 - Google Patents

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本発明は、低電圧にて電子を放出する電界放出電極およびその製造方法に関する。
最近、日本のみならず、韓国をはじめとする諸外国においても、電界放出型ディスプレイ(Field Emission Display:FED)の開発が活発に行われている(例えば、特許文献1参照。)。ここで、電界放出とは、固体表面に強い電場をかけた際に、固体表面に閉じ込められていた電子が真空中に飛び出す現象をいう。電子を放出させるためには固体に強い電界をかける必要があるが、細く尖った固体を使用すれば、小さな電界をかけるだけで済む。これまでは、細く尖らせたシリコン、モリブデン等の材料を電界放出型電子源として採用されてきたが、最近では、ナノスケールの細さと、良好な電気伝導性と、高強度と、化学的安定性とを兼ね備えた炭素繊維(特に、カーボンナノチューブ)が、新たな電界放出型電子源として期待されている(例えば、特許文献2参照。)。
FEDは、ピクセル単位で配置される蛍光体に電子を当てて発光させることにより映像を形成するディスプレイである。炭素繊維を電界放出電子源として利用するには、FEDのガラス板の裏面に配置された蛍光体に向けて電子を放出できるように、蛍光体に対して、実質的に垂直に多数の炭素繊維を配置する必要がある。通常、多数の炭素繊維は、導電性高分子層中に立設されるが、この工程において、炭素繊維を導電性高分子層の層表面に対してどのくらい垂直に立設できるかが、FEDの性能を決める重要なファクタの一つとなる。
炭素繊維を導電性高分子中に埋設する方法としては、例えば、スピンコート法が知られている(例えば、特許文献3参照。)。スピンコート法は、導電性高分子と炭素繊維の電極材の混合物をディスク上に塗布して当該ディスクを回転させて、その遠心力を利用して薄く広げ、固化させる方法である。
特開平8−248914号公報(要約書等) 特開平10−149760号公報(特許請求の範囲、要約書等) 特開2000−277004号公報(特許請求の範囲、要約書等)
導電性高分子層を形成する基板表面に対して略垂直に炭素繊維を立設する理由は、従来の炭素繊維の場合、繊維の長さ方向の端部しか電子放出部分となっていないためである。しかし、炭素繊維を基板表面に対して略垂直に揃えることは技術的な困難を伴う。例えば、スピンコート法を用いた場合、偶然、基板表面に対して略垂直になる炭素繊維が存在しても、その割合は少ない。多くの炭素繊維は、当該基板表面に水平若しくはある水平に近い角度で傾斜した状態で導電性高分子層中に埋設される。この結果、蛍光体に電子を供給するのに有効に寄与する炭素繊維の数は少なくなる。
スピンコート法以外に、電気泳動法を利用して、負極に導電性高分子と炭素繊維との混合物を堆積させる方法も考えられる。本発明者は、先に、電気泳動法により、導電性高分子層中における炭素繊維を、基板表面に対して垂直に立設させる確率を高めることに成功した。この結果、従来よりもより低電圧で多くの電子を放出させることができることを確認した。しかし、さらに、より低電圧で多くの電子を蛍光体に供給できることが強く望まれている。
本発明は、このような問題に鑑みてなされたものであり、より低電圧にて多くの電子を蛍光体に供給できる電界放出電極およびその製造方法を提供することを目的とする。
上記目的を達成するため、本発明は、複数の環状の炭素網層が、当該炭素網層の直径と実質的に垂直方向に当該直径よりも繊維軸が長くなるように積層し、かつ炭素網層のエッジを繊維表面から露出させた構造を有する環状炭素プレートレット積層型の炭素繊維が、その炭素繊維の平均直径以下の厚みを持つ導電性高分子層に埋設され、エッジの一部若しくは全部が導電性高分子層から露出する構造を有する電界放出電極としている。このため、電界を印加した際に、炭素繊維の略円筒側面に露出した炭素網層のエッジ部分から電子が放出される。エッジは、炭素繊維の略円筒側面状に数多く存在するので、炭素繊維の軸が基板面に対して垂直になるように立設して導電性高分子層中に埋め込まなくても、低電圧にて系交代に向けて多くの電子を供給できる。
また、別の本発明は、電界放出により電子を放出させる電界放出電極の製造方法であって、複数の環状の炭素網層が、当該炭素網層の直径と実質的に垂直方向に当該直径よりも繊維軸が長くなるように積層し、かつ上記炭素網層のエッジを繊維表面から露出させた構造を有する環状炭素プレートレット積層型の炭素繊維を、その平均直径以下の厚みを持つ導電性高分子層の中に埋設させる電界放出電極の製造方法としている。このため、炭素繊維の繊維側面の一部が導電性高分子層から露出した状態となる。具体的には、導電性高分子層を形成する基板表面に対して略垂直に炭素繊維を埋設した場合、炭素繊維側面の一部が導電性高分子層から露出した状態となる。このため、炭素繊維の側面に露出した炭素網層のエッジ部分から蛍光体に向けて、低電圧にて多くの電子を供給できる。
また、別の本発明は、先の発明において、炭素繊維と導電性高分子とを含む溶媒を基板上に滴下し、その滴下した基板の回転数を調整して回転させて、導電性高分子層の厚さを、炭素繊維の直径以下とする電界放出電極の製造方法としている。このため、簡単に、低電圧にて多くの電子を蛍光体に供給できる電界放出電極を製造できる。導電性高分子層の厚さは、基板の回転数を調整するだけで炭素繊維の直径以下に制御できる。
また、別の本発明は、先の発明において、炭素繊維をカーボンナノチューブとした電界放出電極の製造方法としている。このため、より低電圧にて電子を放出させることができる。
本発明で用いられる炭素繊維には、繊維の軸方向にのみ電子放出部分が存在するSWCNT(Sigle Walled-Carbon Nano Tube)あるいはMWCNT(Multi Walled-Carbon Nano Tube)は含まれず、繊維の軸と実質的に垂直炭素網層の端部が存在するものが含まれる。すなわち、本発明で用いられる炭素繊維は、その炭素繊維の長さ方向の端部から電子を放出できるか否かは問わず、炭素繊維の繊維側面から電子を放出できる炭素繊維である。また、本発明で用いられる炭素繊維の製造方法としては、アーク放電法、レーザーアブレーション法、プラズマ合成法、化学気相析出(Chemical Vapor Deposition: CVD)法等のいずれの製法により製造されたものでも採用可能である。ただし、量産に有利なCVD法により製造された炭素繊維の方が好ましい。
また、導電性高分子は、ドーパントにより金属並みに電気を流す高分子をいう。ここで使用可能な導電性高分子としては、有機溶媒に可溶の導電性高分子であれば適用可能である。また、導入される置換基としては、炭化水素基(アルキル基など)が好ましい。このアルキル基は、直鎖及び分岐鎖のいずれであっても良いが、好ましくは、ヘキシル基、ヘプチル基、オクチル基、ノニル基、デシル基が良い。アルキル基の長さは、可溶性と耐熱性とを考慮すると、炭素数4以上20以下の範囲のものが好ましい。特に、アルキル基が炭素8個から成るポリ(3−オクチルチオフェン)あるいは炭素6個から成るポリ(3−ヘキチルチオフェン)を採用するのが好ましい。好適な導電性高分子としては、例えば、ポリ[3,4−(エチレンジオキシ)チオフェン−ポリ(スチレンスルホン酸)(poly[3,4-(ethylenedioxy)thiophene]-poly(styrenesulfonic acid):PEDOT-PSS)、ポリビニルカルバゾール、可溶性ポリパラフェニレンビニレン(MEH-PPV(Poly[2-methoxy-5-(2'ethylhexyloxy)-1,4-phenylenevinylene] )、可溶性ポリアニリン、ポリ(アルキル)フルオレンあるいはポリ(アルキル)チオフェン等が挙げられる。特に、導電性に優れるPEDOT−PSSが望ましい。なお、上記導電性高分子を複数混ぜて使用しても良い。
また、本発明の電界放出電極を製造する方法としては、低コストで製造できるスピンコート法を採用するのが好適ではあるが、電気泳動法、ドクターブレード法、スキージ法、あるいはスクリーン印刷法等の他の形成方法を採用することもできる。
本発明によれば、より低電圧にて多くの電子を蛍光体に供給できる電界放出電極およびその製造方法を提供することができる。
以下、本発明に係る電界放出電極およびその製造方法の実施の形態について説明する。
図1は、本発明の実施の形態にかかる電界放出電極に用いられる炭素繊維の模式図であり、(1A)は、当該炭素繊維の製造過程を、(1B)は当該炭素繊維の斜視図を示す。また、図2は、本発明の実施の形態にかかる電界放出電極に用いられる別の炭素繊維の模式図であり、(2A)は、当該別の炭素繊維の製造過程を、(2B)は当該別の炭素繊維の斜視図を示す。
800〜1200℃で加熱された領域に、金属触媒1の存在下で炭化水素ガス(例えば、ベンゼンガス)と水素を流すと、該金属触媒1から、板状の炭素プレートレット2aが繊維の成長方向(長さ方向)に多数積層した構造の炭素繊維3が形成される。また、金属触媒1の種類等の製造条件を調整することにより、図2に示すような環状の炭素プレートレット2bが繊維の成長方向(長さ方向)に多数積層した構造の炭素繊維3が形成される。なお、以後、板状の炭素プレートレット2a、環状の炭素プレートレット2b等を、総称して炭素プレートレット(炭素網層)2という。炭素プレートレット2が長さ方向に積層した構造の炭素繊維3は、電界を印加した際に、その長さ方向の端部以外に、炭素プレートレット2のエッジの部分から電子を放出するという特殊な性質を有する。
図3は、FEDの電極近傍を示す図であって、電極上に形成された導電性高分子層4と炭素繊維3とから構成される電界放出電極5の断面図である。図中、導電性高分子層4中に埋まっている炭素繊維3の部分は、点線で図示されている。
ここで、導電性高分子層4の厚さは、炭素繊維3の直径以下とする必要がある。「直径」は、用いる炭素繊維3中の最も太い炭素繊維3の直径をいう。ただし、導電性高分子層4の厚さは、炭素繊維3の平均的な太さの炭素繊維3の直径(すなわち、平均直径)以下とするのが、より望ましい。好適な例としては、炭素繊維3の平均直径を80nmとすると、導電性高分子層4の厚さを40nmとするのが良い。導電性高分子層4の厚さを炭素繊維3の直径以下とすると、炭素繊維3が透明導電性基板の面に平行に埋設されても、一部若しくは全部の炭素繊維3の各炭素プレートレット2が導電性高分子層4から外に露出されることになり、電界印加時に、各炭素プレートレット2のエッジ部分から電子を放出させやすくなる。すなわち、炭素繊維3を導電性高分子層4上に必ずしも垂直に立設させなくても、低電圧で十分な数の電子を放出させることができる。
図4は、本発明の実施の形態にかかる電子放出電極5を有する表示装置の模式図である。
図4に示す表示装置(ここでは、「FED」として説明する。)は、カソードガラスシート6とアノードガラスシート7とが真空中にて互いに対向して配置される構成を有している。アノードガラスシート7における真空領域側の面には、蛍光体8を配置した電極9が設けられている。一方、カソードガラスシート6には、ゲート電極10と、電界放出電極5を取り付けた導電性基板11が配置されている。
かかる構成のFEDにおいて、導電性基板11上の基準配線とゲート電極10との間に電圧をかけると、電界放出電極5の表面に露出している炭素繊維3から真空中に電子が放出される。具体的には、炭素繊維3を構成する炭素プレートレット2のエッジおよび炭素繊維3の長さ方向端部から真空中に電子が放出される。真空中に放出された電子は、電極9と導電性基板11との間にかけられる電圧により、アノードガラスシート7の方向に進み、蛍光体8に衝突して、これを発光させる。
図5は、本発明の実施の形態にかかる電界放出電極5を製造する工程の一部を示すフローチャートである。
まず、炭素繊維3と導電性高分子とを溶媒中にて混合する(ステップS1)。次に、その混合物から成る薄膜をITO等の導電性基板上に形成する(ステップS2)。その形成方法としては、スピンコート法、ディップコート法等の方法を採用できる。次に、熱処理を施して(ステップS3)、混合物薄膜を固化して電界放出電極5を作製する。
また、上記ステップS3に続いて、炭素繊維3を露出させる工程を追加する製法を採用しても良い。炭素繊維3はスピンコートで形成した際、しばしば導電性高分子層4中に埋没してしまう。導電性高分子層4の表面層を除去することにより埋没した炭素繊維3を露出させると、電子放出特性をいっそう向上させることができる。具体的には、次のような方法で炭素繊維3を露出させることができる。
一つは、導電性高分子をエッチングする方法である。多くの高分子材料は 酸素プラズマ処理することでエッチングできる。本発明の導電性高分子も例外ではない。この手法は 反応性イオンエッチング(Reactive Ion Etching :RIE) あるいはプラズマアッシング法として知られている。具体的には、減圧した真空容器に、酸素ガス若しくは酸素とアルゴンの混合ガスを導入し(条件により異なるが1〜20mTorr程度、好ましくは10mTorr程度)、高周波電力を供給することでプラズマを発生させる。この際に発生する活性な酸素イオンは、選択的に高分子材料を削り取る。カーボンナノチューブ等の炭素繊維3も炭素材料であるので、プラズマによるダメージはある。
しかし、炭素繊維3は高分子材料よりも耐酸素プラズマ特性が強いため、適度なパワー(0.1〜10W/cm程度)では高分子材料の方が主として削り取られる。その結果、炭素繊維3が露出し、電子放出の活性化を図ることができる。なお、このプラズマ処理により炭素繊維3が若干削られてエッジが増えることにより一層の電子放出も期待できる。
もう一つは、導電性高分子を溶解する方法である。一旦、スピンコート法等で成膜された電界放出電極5の表面は、導電性高分子に覆われる場合がある。このため、導電性高分子層4の表面を溶かして炭素繊維3を露出させることが有効である。導電性高分子は可溶性であるため、溶媒に浸すと導電性高分子がなくなってしまう。しかし、導電性高分子に対して溶解度が低い溶媒、例えば、PEDOT−PSSではアルコール系材料、ポリチオフェン系材料では芳香族系溶媒もしくはアルコールなどを 成膜後に基板表面に落とした後、すばやくスピンコートと同様に高速回転して溶媒を飛ばすことで導電性高分子層4の表面が溶けだす。この結果、炭素繊維3が効果的に露出する。
なお、溶媒に直接浸すと膜の均一性が失われやすい。そこで、上記溶媒や溶解度が高い溶媒、例えばPEDOT−PSSでは水若しくはアルコール、ポチアルキルチオフェンではクロロホルム等の塩素系溶媒若しくはトルエン、キシレン、ベンゼン等の芳香族系溶媒の蒸気中にサンプルを配置する。この際、密閉空間中で溶液を置き、その近くに成膜されたサンプルを配置する。溶媒の種類と温度によって状況は異なるが、およそ数分から数時間放置することで、導電性高分子層4の表面が溶けて、炭素繊維3が露出する。
以上説明した各方法を採用することにより、効果的に炭素繊維3を露出させることができ、電子放出特性を改善できる。
図6は、電界放出電極5の電子放出能を測定する方法を説明するための図である。
電子放出能の測定は、真空容器12中にて行われる。基板13上にはITO等の導電性基板14があり、その上に、導電性高分子層4とその中に埋設される炭素繊維3とから構成される電界放出電極5が形成されている。この基板13上の周囲には、電界放出電極5よりも厚いスペーサ15が配置される。そのスペーサ15上には、基板16が配置されている。基板16のスペーサ15との接触面にはITO等の導電性電極17が形成されている。導電性基板14と導電性電極17との間は、電圧を可変できる電源18と電流計19を経由して配線で接続されている。真空容器12中を十分に真空に引いた後、電源18の電圧を上げていき、電流計19の値の変化を調べることによって、電界放出電極5の電子放出能を評価することができる。
PEDOT−PSS1.3重量%水溶液を、同重量のプロパノールで希釈する。その希釈溶液中に、図2に示す構造の炭素繊維(環状炭素プレートレット積層型の炭素繊維)3をPEDOT−PSSの重量に対して10重量%となるように混合した(混合液2)。また、比較として、炭素繊維3の代わりに、アルドリッチ社製の直径12〜15オングストロームのSWCNTをPEDOT−PSSに対して10重量%混合したものも用意した(混合液1)。
次に、混合液1および混合液2をそれぞれ回転板上に滴下し、当該回転板を4000rpmで30秒間回転させて、混合液1および混合液2を薄く延ばした。次に、約1時間乾燥してから、90〜100℃で30分間の熱処理を行い、電界放出電極5を作製した。混合液1および混合液2から作製した各電界放出電極5は、真空下で電子放出能の評価に供された。
図7は、炭素繊維3およびSWCNTを用いた各電界放出電極5の電子放出能を比較して示すグラフである。横軸は電圧、縦軸は電流密度である。また、SWCNTを用いた電界放出電極5の電子放出能を示す曲線を、白抜き三角でプロットした(グラフ中では、「CNT1」の曲線で示した。)。また、炭素繊維3を用いた電界放出電極5の電子放出能を示す曲線を、黒丸でプロットした(グラフ中では、「CNT2」の曲線で示した。)。
SWCNTを用いた電界放出電極5では、約6V/μmから急に電流が流れ出した。これに対して、炭素繊維3を用いた電界放出電極5では、3〜4V/μmから急に電流が流れ出した。この結果から、繊維側面に多くのエッジを持つ炭素繊維3を用いた電界放出電極5の方が、SWCNTを用いたものよりも低電圧で電子放出が可能であることがわかった。
以上、本発明の実施の形態および実施例について説明したが、本発明は、上記実施の形態あるいは実施例に限定されず、種々変形を施した形態にて実施可能である。
例えば、炭素プレートレット2は、炭素繊維3の長さ方向に対して垂直ではなく、当該長さ方向に対して非平行方向(垂直を除く)に傾斜していても良い。また、導電性高分子層4の厚さは、炭素繊維3の直径と同じ大きさでも良い。すなわち、全ての炭素繊維3が完全に導電性高分子層4中に埋没していなければ良い。
本発明は、FED用の電界放出電極を製造および使用する産業に利用できる。
本発明の実施の形態にかかる電界放出電極に用いられる炭素繊維の模式図であり、(1A)は、当該炭素繊維の製造過程を、(1B)は当該炭素繊維の斜視図を示す。 本発明の実施の形態にかかる電界放出電極に用いられ、図1に示す炭素繊維とは別の形態を有する炭素繊維の模式図であり、(2A)は、当該別の炭素繊維の製造過程を、(2B)は当該別の炭素繊維の斜視図を示す。 本発明の実施の形態にかかる電界放出電極を用いたFEDの電極近傍を示す図であって、透明導電性基板に形成された導電性高分子層と炭素繊維とから構成される電界放出電極の断面図である。 本発明の実施の形態にかかる電子放出電極を有する表示装置の模式図である。 本発明の実施の形態にかかる電界放出電極を製造する工程の一部を示すフローチャートである。 本発明の実施の形態にかかる電子放出電極の電子放出能を測定する方法を説明するための図である。 本発明の実施例において、炭素繊維およびSWCNTを用いた各電界放出電極の電子放出能を比較して示すグラフである。
符号の説明
2 炭素プレートレット(炭素網層)
3 炭素繊
4 導電性高分子層
5 電界放出電極

Claims (3)

  1. 複数の環状の炭素網層が、当該炭素網層の直径と実質的に垂直方向に当該直径よりも繊維軸が長くなるように積層し、かつ上記炭素網層のエッジを繊維表面から露出させた構造を有する環状炭素プレートレット積層型の炭素繊維が、その炭素繊維の平均直径以下の厚みを持つ導電性高分子層に埋設され、上記エッジの一部若しくは全部が上記導電性高分子層から露出する構造を有することを特徴とする電界放出電極。
  2. 電界放出により電子を放出させる電界放出電極の製造方法であって、
    複数の環状の炭素網層が、当該炭素網層の直径と実質的に垂直方向に当該直径よりも繊維軸が長くなるように積層し、かつ上記炭素網層のエッジを繊維表面から露出させた構造を有する環状炭素プレートレット積層型の炭素繊維を、その平均直径以下の厚みを持つ導電性高分子層の中に埋設させることを特徴とする電界放出電極の製造方法。
  3. 前記炭素繊維と導電性高分子とを含む溶媒を基板上に滴下し、その滴下した基板の回転数を調整して回転させて、前記導電性高分子層の厚さを、前記炭素繊維の直径以下とすることを特徴とする請求項2に記載の電界放出電極の製造方法。
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