JP4059696B2 - ブラシの製造方法 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、ブラシの製造方法に関わり、特に、歯ブラシの製造に好適なブラシの製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術及び発明が解決しようとする課題】
所定本数の用毛を導入部に導入する用毛の導入工程と、前記導入部に導入された前記用毛を押出手段で押し出して挿入部に挿入する用毛の挿入工程とを具備するブラシの製造方法に関する従来技術としては、例えば、特許3226276号の技術が知られている。
この技術は、所定長さに切断された用毛の集合からピッキングチューブで所定本数の用毛を分離した後、分離した用毛をバイスで挟持し、バイスの挟持力を緩めた状態でダイプレートで用毛の先端に凹凸をつけ、再びバイスで挟持した後に、植毛基台の植毛孔に挿入し、射出成形によって用毛固定するものである。
【0003】
ところで、この技術では、バイスで挟持した状態で植毛孔に挿入するため、用毛束の充填率によっては、用毛の整列形態が乱れてしまう場合があった。また、斜め植毛については何等考慮されておらず、斯かる従来技術を用いた場合には、用毛を斜めに植毛したり、用毛の先端を立体的な整列形態にして植毛(立体植毛ともいう。)する場合に、毛先まできれいに整列して植毛することが困難であった。
【0004】
従って、本発明の目的は、用毛束の配向性に優れ、且つ用毛がきれいに整列したブラシを製造することができるブラシの製造方法を提供することにある。
ここで、用毛束の配向性に優れるとは、用毛束を構成する個々の用毛が、ねじれたり折れ曲がったりせずに、その長さ方向に伸び、束としてきれいにまとまっている状態をいい、用毛がきれいに整列している状態とは、前記用毛束の配向性と合わせて、用毛束の先端部が所望の形状となるように個々の用毛の先端が所定の整列形態にきれいに整列していることをいう。
【0005】
【課題を解決するための手段】
本発明は、所定本数の用毛を導入部に導入する用毛の導入工程と、前記導入部に導入された前記用毛を押出手段で押し出して挿入部に挿入する用毛の挿入工程とを具備するブラシの製造方法において、前記用毛を前記押出手段で押し出して前記挿入部に所定深さまで挿入し、前記押出手段を前記用毛から離間させずに、前記導入部を前記用毛の押出方向と逆方向に移動させるか又は前記押手段及び前記挿入部を前記用毛の押出方向に移動させて前記用毛における前記押出手段側の端部を該導入部内から露呈させた後、前記押出手段を前記用毛から離間させることを特徴とするブラシの製造方法を提供することにより、前記目的を達成したものである。
【0006】
【発明の実施の形態】
以下、本発明を、その好ましい実施形態として、歯ブラシの製造に適用した実施形態に基づいて、図面を参照しながら説明する。以下の説明では、図1及び図2に示す歯ブラシの製造装置(以下、製造装置ともいう。)を用いた歯ブラシの製造方法に基づいて説明する。
【0007】
図1〜図3は、本実施形態に用いられる製造装置を模式的に示すものである。これらの図において符号1は製造装置、11は歯ブラシ本体、12は植毛基部、12aは植毛基部12に設けられた植毛孔を示している。
【0008】
図1及び図2に示すように、製造装置1は、所定長さに切断された多数の用毛13を集積させる集毛手段2と、集毛手段2で集積された用毛13の集合から所定本数の用毛13を分離して所定位置に移送する分離移送手段3と、分離移送された用毛13を整列部40内で拘束せずにその長さ方向又は径方向に整列させる第1整列手段4と、分離移送された用毛13を整列部40に導く用毛導入手段5と、整列された用毛13を整列部(導入部)60内で拘束せずにさらにその長さ方向又は径方向に整列させる第2整列手段6と、整列部40で整列された用毛13を整列部60に導く用毛導入手段7と、整列部60で整列された用毛13を整列部60の外へ送り出す用毛の送出手段8と、送出手段8で送出された用毛13を所定方向に配向させる配向手段9とを備えている。
【0009】
前記集毛手段2は、ベーステーブル20上に設けられた溝状の集積部21内に、用毛13を起立状態で揃えて後方から前方に向けて(以下、この方向をx方向ともいう。)押圧し、用毛13を所定の集積密度で集積する装置である。
【0010】
前記分離移送手段3は、前記集毛手段2の前方において、x方向と直交する方向(以下、この方向をy方向ともいう。)に沿って配されており、鞘部30及びその内部に配されたピッキングブレード31をy方向に所定のタイミングで往復動させて前記集積部21内に集積された用毛13の集合から所定本数の用毛13を挟持して分離し、所定位置に移送する装置である。
【0011】
前記第1整列手段4は、ローター42がインデックスユニット43aによって主軸42a周りに間欠的に水平回転する間に、当該ローター42に装着された整列スリーブ41の整列部40内に導入された用毛13を、整列スリーブ41に設けられた通気路41aを通じて整列部40内に吸引保持する一方で、用毛13の上端部をタップピン44、45、46でそれぞれタップするとともにエアブロワー48でエアーを吹き付けて、用毛13の先端部を底板42dで整列させ、用毛13をその長さ方向及び径方向に整列させる装置である。
【0012】
本実施形態では、ローター42を平面視したときの9時の位置を0度とすると、0度の位置で整列スリーブ41内へ用毛が導入され、0度から反時計回りに、45度、90度及び135度の位置でそれぞれ前記タップピン44、45及び46によって用毛の上端部がタップされ、180度の位置で後述の挿入スリーブ61への移送が行われるようになっている。なお、同315度の位置では、クリーニング用の前記エアブロワーで整列スリーブ41内のクリーニングが行われる。
【0013】
前記用毛導入手段5は、前記0度の位置にある前記整列スリーブ41の下方に配された吸引管路50を通じた整列部40内の下向き気流による吸引、及び押圧ロッド51による強制的なタッピングによって、前記分離移送手段3によって所定位置に移送された用毛13を整列部40内に導入する装置である。
【0014】
前記第2整列手段6は、前記整列部60を内部に有する8本の挿入スリーブ61を所定の周回軌道で移送する間に、整列部60内に導入された用毛13を挿入スリーブ61に設けられた通気路61aを通じて吸引保持する一方で、用毛13の上端部をタップピン64、65、66でそれぞれタップするとともにエアブロワー68でエアーを吹き付けて用毛13の先端部を底板62dで整列させ、用毛13をその長さ方向及び径方向に整列させる装置である。
【0015】
製造装置1は、ローター62を平面視したときの9時の位置を0度とすると、0度の位置で整列スリーブ41から挿入スリーブ61へ用毛が移送され、0度から時計回りに、45度、90度及び135度の位置でそれぞれタップピン64、65及び66によって用毛の上端部がタップされ、180度の位置で後述のxyステージユニット92に固定された前記用毛束保治具91の挿入孔90への用毛13の挿入が行われるようになっている。なお、同270度の位置では、クリーニング用のエアブロワー(図示せず)で挿入スリーブ61内のクリーニングが行われるようになっている。
【0016】
図3に示すように、挿入スリーブ61は、スリーブ本体61bと、スリーブ本体61bの下端から突出するノズル部61cとを有している。スリーブ61の内部には、スリーブ本体61bからノズル部61cに上下に貫通するように前記整列部60が設けられている。整列部60の上端部は、後述する送出手段8の挿入ピン(押出手段)81の挿入が行い易いように漸次拡径されている。
【0017】
ノズル部61cの送出方向に直交する断面積Asと、植毛孔12a及び挿入部の挿入深さ方向に直交する断面積Aiとの比(As/Ai)は、整列された用毛束を植毛基部に植設した状態で拘束するため、植毛後の良好な毛立ちを保持する点、植毛基部の背面に溶融樹脂を充填する際の植毛孔12への樹脂のもれを防止する点から1.0〜1.3であることが好ましい。
【0018】
前記用毛導入手段7は、前記0度の位置にある前記挿入スリーブ61の下方に配された吸引管路70を通じて整列部60内の下向きの気流を生じさせて吸引する一方で、押し込みピン73で前記整列部40内で整列された用毛13を下方に押し込んで整列部60内に導入し、受取ピン71の上端部でその先端部を揃える装置である。
【0019】
前記用毛の送出手段8は、前記挿入スリーブ61をその上下動機構(図示せず)で上下動させ、前記整列部60内で整列された用毛13を、挿入ピン(押出手段)81で押し出して後述の用毛束保持治具91の挿入孔90に挿入する装置である。
【0020】
挿入ピン81は、挿入ピン81が整列部60に噛み込むこと、及び用毛13が挿入ピン81と整列部60との間へ噛み込むことを防止する点から、用毛13の直径より狭い所定のクリアランス(挿入ピン81の外周と整列部60の前記直線部分における内周との最大隙間)を設けることが好ましい。該クリアランスは、0.03〜0.15mmであることが好ましい。また、挿入ピン81の先端形状は、後述の用毛束保持治具91の挿入孔90の先端形状と略対応した形状で且つ階段状に設けられていることが好ましい。
【0021】
前記配向手段9の用毛束保持治具91は、歯ブラシ本体11の植毛基部12に対応した凹部91aを有する上板部91bと、その下方に配された中板部91cと、さらにその下方に固定された下板部91dとを有している。前記挿通孔90は、上板部91bから下板部91dに通じるように所定の向きに形成されている。中板部91cは、前後動自在に配されており、用毛13が挿入孔90内に挿入された状態で当該用毛13にせん断方向の力が働くようにスライドさせることで、用毛13の配向後に当該用毛束保持治具91を移動させる場合に、挿入孔90内に挿入された用毛13の配向にずれが生じないようになっている。
【0022】
前記xyステージユニット92は、前記用毛束保持治具91を水平面に沿って二次元移動させる装置であり、用毛束保持治具91上に固定された前記歯ブラシ本体11の基板部12の植毛孔12aが、前記挿入ピン81の昇降位置に位置決めされるように、用毛束保持治具91を移動させる。
【0023】
前記植毛部12の植毛孔12aの一部は、その挿入深さ方向が、図4に示すように、一部が前記用毛の押出方向(z方向)に対して所定角度θを有して設けられている。この範囲は、歯間到達速度及び歯垢除去効果を確保する点から−20〜20°であることが好ましい。また、植毛孔12aの挿入口は、外方に向けて漸次拡開するようにテーパー状に設けられている。この角度αは、挿入スリーブ61と導入孔12aの位置ずれを吸収して用毛を確実に導入孔12a内に挿入されるようしたり、植毛孔12aの植毛密度を高くする場合に用毛がスムーズに植毛孔12a内に挿入されるようにしたり、用毛の挿入後に植毛基部の背面側に溶融樹脂を充填するときに植毛孔12aへの樹脂の漏れを防止したり、或いは当該拡開部分に樹脂が固まることによって植毛強度(用毛束の引き抜け強度)を高めたりする点から30〜50°であることが好ましい。角度が広すぎると、挿入時に用毛がテーパー部に当たった場合に用毛の長さ方向に曲折応力がかかり、毛折れ、その後の挿入ミス或いは毛立ちの乱れの原因となるほか、植毛孔12aどうしの間隔が広くなりすぎる場合がある。
【0024】
製造装置1は、前記各手段を所定のシーケンスに従って同期して作動させるシーケンサーを備えた制御部(図示せず)を有しており、用毛13の分離から挿入までの一連の動作は全て自動で行われるように構成されている。
【0025】
次に、本実施形態の歯ブラシの製造方法を、前記製造装置1を用いたブラシの製造方法に基づいて説明する。
【0026】
本実施形態では、先ず、図1に示すように、前記集毛手段2の前記集積部21に所定長さの用毛13を縦に揃えた状態で所定の集積密度で集積させる。用毛13の集積密度は、用毛13の太さ、用毛の材質、用毛の長さに応じて適宜設定することができるが、用毛13を分離し易くする観点から50〜75%であることが好ましく、55〜70%であることがより好ましい。ここで用毛の集積密度とは、単位面積当たりの集積した用毛の総断面積の割合(百分率)である。
【0027】
用毛13には、従来から歯ブラシの用毛に用いられている通常の材質、形態のものを特に制限なく用いることができる。
用毛13の材質としては、ナイロン等のポリアミド、ポリブチレンテレフタレート、ポリトリメチレンテレフタレート等のポリエステルが挙げられる。
用毛13の長さは、5〜20mmであることが好ましく、8〜18mmであることがより好ましい。用毛13の太さは、6〜10mil(127〜254μm)であることが好ましく、7〜9mil(178〜229μm)であることがより好ましい。
【0028】
次に、用毛の分離工程で、所定長さに切断された用毛13の集合から所定本数の用毛13を分離する。
本実施形態では、前記分離移送手段3で集積部21に集積された用毛13の集合から所定本数の用毛13を分離する。そして、用毛13をy方向に移動し、前記ローター42を平面視したときの前記0度の位置にある前記整列スリーブ41の上方でその略同軸上において位置決めする。
【0029】
次に、用毛の整列工程で、分離された前記用毛13を、前記第1整列手段4における整列スリーブ41の整列部40に導いて、拘束せずにその長さ方向又は径方向に整列させる。ここで、拘束せずにとは、整列部40内において、支持(保持)がないと用毛13が容易に自由落下してしまう状態をいう。
【0030】
用毛の整列工程では、整列スリーブ41の前記通気路41aを通じた負圧吸引による気流によって整列部40内に導入された用毛13を保持する。この気流による保持によって、底板42cのない部分における用毛13の整列スリーブ41内からの落下が防止される。この状態で、前記ローター42が反時計回りに略45度刻みで180度回転する。この間に、前記タップピン44〜46が整列部40内の用毛13の上端部をそれぞれタップし、用毛13を長さ方向及び径方向に整列させる。また、前記エアブロワー48が整列部40内にエアーを吹き付け、用毛13を全て整列部40内に納め、各用毛13の先端を底板42cで整列させる。
【0031】
次に、用毛の導入工程において、第1整列手段4で整列された用毛13を前記挿入スリーブ61内の整列部(導入部)60内に導いて拘束せずにその長さ方向及び径方向に整列させる。
【0032】
本実施形態では、前記ローター42が前記0度の位置から180度回転すると、整列スリーブ41の下方でその同軸上に位置する挿入スリーブ61の整列部60内が、用毛導入手段7の前記吸気管路70を通じて前記負圧源によって負圧吸引される。その一方で、前記用毛導入手段7の前記押し込みピン73が降下し、整列部40内で整列された用毛13を当該整列部40内から下方に押し出し、用毛13の上端が整列スリーブ41の通気路41aを通過するまで用毛13を押し込んで負圧を解く。そして、吸気管路70を通じた負圧吸引による下向きの気流によって、用毛13を挿入スリーブ61の整列部60内に素早く導く。用毛13は前記受取ピン71の上端面で止められる。
【0033】
そして、挿入スリーブ61の前記通気路61aを通じた負圧吸引による気流によって整列部60内に形成された用毛13を保持する。この気流による保持によって、底板62dのない部分における用毛13の挿入スリーブ61内からの落下が防止される。この状態で、前記ローター62が時計回りに略45度刻みで180度回転する。この間に前記タップピン64〜66が用毛13の上端部をタップし、用毛13を長さ方向に整列させる。また、前記エアブロワー48が整列部60内にエアーを吹き付け、用毛13を全て整列部60内に納め、各用毛13の先端を底板62dで整列させる。整列部60内の用毛の密度は、用毛間を流れる気流によって用毛を拘束せずにその長さ方向及び径方向に整列させ、整列された用毛を整列部40より高い密度にして植毛孔12aに安定的に挿入できるようにする点から60〜68%であることが好ましい。
【0034】
次に、用毛の配向工程(挿入工程)で、整列された前記用毛13を前記用毛束保持治具91の挿入孔90に挿入して所定方向に配向させる。
本実施形態では、植毛孔12aを有する植毛基部12を先端部に備えたブラシ本体11を予め成形しておき、ブラシ本体11を、植毛孔12aを挿入孔90に合わせて用毛束保持治具91上に固定しておく。そして、前記挿入スリーブ61で前記植毛孔12aを介して前記用毛13を前記挿入ピン81で前記挿入孔90に挿入する。
【0035】
本実施形態では、ローター62の前記3時の位置における挿入スリーブ61と挿入ピン81の昇降のタイミングは、次にように行われるようになっている。
【0036】
先ず、図5(a)に示すように、挿入スリーブ61が、その先端部が前記用毛束保持治具91に固定された歯ブラシ本体の植毛基部12の上面に対して所定のギャップGを有するように降下する。このギャップGの範囲は、用毛13を安定的に挿入させること及び挿入スリーブ61の先端と植毛基部12の接触防止の点から0.1〜5mmであることが好ましい。
【0037】
次に、図5(b)及び(c)に示すように、挿入ピン81が整列部60内の用毛13の上方から最下点まで降下し、用毛13を下方に押し下げる。このとき、全ての用毛13がその軸方向にほぼ真っ直ぐに揃った状態で挿入孔91内に挿入される。また、挿入ピン81の先端部が用毛束保持治具91の挿入孔90の先端部に対応した階段状の形態に設けられているため、用毛13の先端部の形状が挿入孔90に挿入される前に整えられており、植毛の最終形態である挿入孔90の先端部の形態に対応した用毛13の挿入が可能となる。図5(c)に示すように、挿入ピン81の先端部は、最下点まで降下したときでも挿入スリーブ61内に位置するように設定されている。
【0038】
植毛基部の上面から突出させる用毛の長さは、0.3〜1.5mmであることが好ましい。突出長さが長すぎると植毛孔12aの挿入口に密着した溶融塊の形成に時間を要する場合があり、短すぎると植毛強度(用毛束抜け強度)が弱くなる場合がある。
【0039】
挿入ピン81が最下点まで達して用毛13の挿入孔90への挿入が完了すると、図5(d)に示すように、挿入ピン81よりも挿入スリーブ61のほうが先に上昇を開始する。そして、挿入スリーブ61の先端部が全ての用毛13の上端部(挿入ピン81側の端部)より上に上昇して整列部60内から当該用毛13の上端部を露呈させた後に、図5(e)に示すように、挿入ピン81を所定位置まで上昇させ、用毛13から離間させる。そして、用毛13の挿入孔90への挿入動作が完了する。
【0040】
挿入ピン81の先端部が最下点まで降下した状態における挿入ピン81の先端部と挿入スリーブ61の先端部との距離は、挿入スリーブ61の先端から送出された用毛13が植毛孔12aに挿入されるまでにその端部が広がるのを抑えることができ、挿入ピン81で用毛13の端部の全てを安定して挿入できるようにする点から0.5〜5mmであることが好ましい。
【0041】
一つの挿入孔90についての挿入動作が完了した後、次に用毛13を挿入する挿入孔90が前記3時の位置に位置決めされるように前記xyステージユニット92が作動した後、上記の手順で用毛13の配向が行われる。
【0042】
次に、ブラシ本体11を前記用毛束保持治具91とともに用毛13の突出端部の溶融ステーション(図示せず)に移送し、植毛基部12の背面側に突出した前記用毛13の端部を、レーザービーム、ヒーター、超音波等の各種溶融手段(図示せず)で溶融させ、前記植毛孔12aよりも断面の大きな溶融塊を形成するとともに、隣接する用毛13の溶融塊どうしを連結させる。
【0043】
本実施形態では、植毛基部12を用毛束保持具9に配設した上で、その突出端部を溶融させて溶融塊を形成するため、溶融した樹脂が仮に植毛孔12a側に浸みだしても外観を損なうことがない。また、植毛孔12aを介して用毛13を挿入し、拘束した上で溶融塊の形成を行うため、当該溶融塊を形成する際に例えばプレスヒーター等で圧力が加えられても用毛の乱れが抑えられる。
また、本実施形態では、用毛束保持治具91に植毛基部12が位置決め固定され、用毛13が植毛孔12aに整列状態で拘束されて挿入孔90内に収められているため、後述のように、用毛束保持治具に位置決め固定したまま、用毛が植設された植毛基部を配向工程以後の工程に移行させることができる。従って、この後の工程における用毛の配向の乱れ(毛立ち)を抑えることができる。
【0044】
溶融塊の形成後、ブラシ本体11をそのまま前記用毛束保持治具91とともに植毛基部12の背面の成形ステーション(図示せず)に移送し、該ステーションにおいて、射出成形、背面板の接着、接着樹脂若しくは被覆基板による被覆等を行って植毛部を形成し、歯ブラシ1の製造を完了する。
【0045】
以上説明したように、本実施形態の製造装置1及びこれを用いた歯ブラシの製造方法によれば、用毛13の先端部を立体的に植毛した場合や用毛を斜めに植毛した場合にも、用毛13の先が広がらずにきれいに整列し、且つ用毛束の配向性にも優れた歯ブラシを高速でかつ安定的に製造することができる。
【0046】
本発明は、前記実施形態に制限されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で適宜変更することができる。
【0047】
本発明の用毛の製造方法は、前記実施形態におけるように、挿入スリーブ61を押出方向と逆方向に移動させて前記用毛における前記挿入ピン81側の端部を整列部60から露呈させるようにすることが好ましいが、挿入ピン81及び用毛束保持具91を同時にさらに押出方向に移動させることによって、用毛13における前記挿入ピン81側の端部を整列部60から露呈させるようにすることもできる。
【0048】
本発明の用毛の製造方法は、前記製造装置1におけるように、一つのノズル部61b及び及び導入孔60を有する挿入スリーブ61を用いることが好ましいが、スリーブとして複数のノズル部及び導入孔を有するものを用いることもできる。
【0049】
また、前記実施形態では、植毛基部の植毛孔を介して用毛を用毛束保持治具の挿入孔に挿入するようにしたが、用毛の挿入対象はこれに制限されるものではない。例えば、歯ブラシの植毛部のキャビティを構成する金型に設けられた用毛束挿入孔、複数の用毛束を所定の方向に配向させるキャリッジ等の複数の挿入孔を有する治具の当該挿入孔等も用毛束の挿入対象とすることができる。
【0050】
また、本発明は、前記実施形態におけるように、植毛孔を有する植毛基部を、挿入孔を有する用毛束保持治具上に固定し、植毛孔を介して用毛を挿入孔に挿入して配向させる工程を有するブラシの製造方法に特に好適であるが、植毛基部及び用毛束保持治具を用いずに、用毛を所定方向に配向させる挿入孔を有する金型を用いるブラシの製造方法にも適用することができる。この場合には、前記実施形態における植毛基部及び植毛孔に関する種々の製造条件を、該金型及び該挿入孔に関する条件に置き換えて適用することができる。
【0051】
また、本発明は、前記実施形態におけるように、拘束せずに用毛を整列させる際に、前記整列スリーブ及び挿入スリーブの通気路を通じた負圧吸引によって当該整列部内の用毛を保持するようにすることが好ましいが、これに代えて、各スリーブに用毛の落下防止用のシャッターを設け、スリーブの移動位置に応じてスリーブを開閉するようにすることもできる。
【0052】
また、本発明は、前記実施形態におけるように、前記整列スリーブと前記挿入スリーブとの間で整列部の整列空間を段階的に狭めることによって用毛を整列させることに加え、整列部内の用毛を整列させる手法として、前記整列スリーブ及び挿入スリーブの各通気路を通じた負圧吸引、前記各タップピンによるタッピング、及びエアブロワーによるエアブローにより用毛を整列させる手法を用いることが好ましいが、これらの負圧吸引、タッピング、エアブローは単独で又は二つを組み合わせることもできる。また、整列部内で用毛を整列させる手法として、各スリーブを所定の振動で振動させる手法を用いることができ、該手法を単独で又は前記各手法と組み合わせて用いることもできる。
【0053】
また、前記実施形態では、用毛を一束ずつ植毛基部12の植毛孔12aを介して用毛束保持治具91の挿入孔90に挿入するようにしたが、整列された用毛を複数の挿入孔を有する挿入治具(キャリア)に一旦移送した後、該挿入治具から前記植毛基部の植毛孔又は前記金型の挿入孔に、まとめて又は個々に挿入することもできる。
【0054】
本発明は、前記実施形態におけるように、歯ブラシの製造に特に好適であるが、歯ブラシ以外のブラシの製造、例えば、ヘアブラシ、マッサージブラシ、洗浄ブラシその他の各種ブラシの製造にも適用することができる。
【0055】
【発明の効果】
本発明によれば、用毛束の配向性に優れ、且つ用毛がきれいに整列したブラシを安定的に製造することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明のブラシの製造方法を歯ブラシの製造に適用した一実施形態における手順を模式的に示す図である。
【図2】同実施形態において用いられる歯ブラシの製造装置の要部を模式的に示す平面図である。
【図3】挿入ピンで用毛を押し出して植毛孔に挿入している状態を示す図である。
【図4】挿入スリーブで植毛孔に挿入している状態を模式的に示す要部拡大断面図である。
【図5】同製造装置における用毛束の挿入工程を模式的に示す図であり、(a)挿入スリーブが最下点に達した状態を示す図、(b)は挿入ピンによる用毛束の挿入状態を示す図、(c)は挿入ピンによる用毛束の挿入完了状態を示す図、(d)は挿入スリーブのみが上昇している状態を示す図、(e)は挿入ピンが上昇している状態を示す図である。
【符号の説明】
1 歯ブラシの製造装置(ブラシの製造装置)
2 集毛手段
3 分離移送手段
4 第1整列手段
40 整列部
41 整列スリーブ
5 用毛導入手段
6 第2整列手段
60 整列部(導入部)
61 挿入スリーブ
7 用毛導入手段
8 用毛の送出手段
81 挿入ピン(押出手段)
9 用毛の配向手段
90 挿入孔(挿入部)
91 用毛束保持治具
11 歯ブラシ本体
12 植毛基部
12a 植毛孔
13 用毛

Claims (5)

  1. 所定本数の用毛を導入部に導入する用毛の導入工程と、前記導入部に導入された前記用毛を押出手段で押し出して挿入部に挿入する用毛の挿入工程とを具備するブラシの製造方法において、前記用毛を前記押出手段で押し出して前記挿入部に所定深さまで挿入し、前記押出手段を前記用毛から離間させずに、前記導入部を前記用毛の押出方向と逆方向に移動させるか又は前記押手段及び前記挿入部を前記用毛の押出方向に移動させて前記用毛における前記押出手段側の端部を該導入部内から露呈させた後、前記押出手段を前記用毛から離間させることを特徴とするブラシの製造方法。
  2. 前記挿入部を成形金型に設けておく請求項1記載のブラシの製造方法。
  3. ブラシの植毛基部に設けた植毛孔を介して前記挿入部に前記用毛を挿入する請求項1記載のブラシの製造方法。
  4. 前記挿入部又は前記植毛孔の挿入口を外方に向けて漸次拡径するように設けておく請求項1〜3の何れかに記載のブラシの製造方法。
  5. 前記挿入部又は前記植毛孔を、前記用毛の挿入深さ方向が前記用毛の押出方向に対して所定角度傾斜するように設けておき、前記用毛を前記押出方向に押し出して挿入する請求項1〜3の何れかに記載のブラシの製造方法。
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