JP4059402B2 - Ofdm用雑音除去システム及びプログラム並びに方法 - Google Patents

Ofdm用雑音除去システム及びプログラム並びに方法 Download PDF

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Description

本発明は、OFDM(Orthogonal Frequency Division Multiplexing)方式の伝送に適用されるOFDM用雑音除去システム及びプログラム並びに方法に関する。
近年、携帯電話やインターネットなどの通信技術の爆発的な普及に伴って、無線、有線においてより多くの情報を高速に伝送するための技術が広く求められている。このため現在最も注目されている技術の一つが、周波数の利用効率を向上させることができるOFDM(OFDM変調)であり,今日盛んに研究開発され次々と実用化されている。OFDMは欧州のデジタル音声放送(DAM : Digital Audio Broadcasting)やIEEE 802.11などの無線LANシステムに採用されている(非特許文献1,2参照)。また、次世代の移動通信システムに対しての検討が広く行われている。
OFDMは同一レートの単一キャリア伝送に比べてシンボル長が長く、さらにガードインターバルを付加していることによってマルチパスなどによるシンボル間干渉に強いといえる。
その一方で、OFDMについて解決しなければならない様々な問題が存在している(非特許文献3参照)。この問題の中の一つに、伝送路歪みの影響がある。
地上波ディジタルテレビジョンや無線LANのようなディジタル無線通信では、マルチパス伝送路による伝送路歪みが大きな問題となる(非特許文献4参照)。そこで、OFDMシステムでは、マルチパス伝送路によるキャリア間干渉、遅延波によるキャリア間干渉に対して耐性を持たせるためにガードインターバル信号を用いている。
しかし,ガードインターバルの長さが伝送路による信号の遅延の長さより長く、キャリア間干渉を防ぐことができる場合でも、遅延波による周波数選択性フェージングの影響を受ける。このようなマルチパス伝送路歪みによる信号劣化を補正するために、等化を行う必要がある。
OFDMシステムにおいて、ガードインターバルの長さが伝送路による信号の遅延の長さより長い場合の受信シンボルは、式(1)で表される。
Figure 0004059402
ここで、nはシンボル番号を示し、lは搬送波番号を示す。また、X(n,l)は送信シンボル(送信信号)を表し、Y(n,l)は受信シンボル(受信信号)を表し、H(n,l)は伝送路の伝達関数であり、N(n,l)は伝送路で付加される例えば白色雑音などのような雑音である。この式(1)より受信シンボルY(n,l)は伝送路H(n,l)と雑音N(n,l)によって歪んだ信号となる。よって、伝送路の影響を低減するために等化を行う必要がある。
OFDMシステムで一般的に用いられる等化器では、パイロットシンボルを用いて伝送路推定を行う。OFDMシステム用の等化器は、受信機側のFFT(Fast Fourier Transform)処理の後段に挿入される。まず送信側で、受信側でも既知なシンボル(パイロットシンボル)を送信する。
パイロットシンボルは、図17に示すように一定間隔Kごとに挿入され、パイロットシンボルをもとに一定間隔毎に伝送路推定を行う。受信側で既知である送信パイロットシンボルd(n,l)に対する伝送路推定値は以下のように表せる。
Figure 0004059402
式(2)から雑音が十分に無視できるほど小さければパイロット信号が挿入されている周波数成分に対する真の伝送路推定が得られる。データシンボルが送信されている区間において、受信シンボルから伝送路推定値を複素除算することにより、伝送路歪みを補正し、送信シンボルの推定値が得られる。
上述したように、シンボルは伝送路上でマルチパスの影響を受けて歪み、受信される。そして等化器でパイロット(既知)シンボルによる参照シンボルと受信シンボルの複素除算をすることによって伝送路の推定を行い、伝送路歪みの補正を行う(非特許文献5参照)。
しかしこの手法では、伝送路で付加されるガウス性白色雑音などの雑音の大きさが無視できない場合には伝送路の推定精度、伝送品質が劣化する場合がある。
このような雑音の影響を低減するため、パイロット信号を複数回連続して送信し、各パイロットで得られた伝送路推定値の平均を取ることで推定精度を向上させる手法が用いられる。
特許文献1(特開2004−207958号)では、受信したパイロットデータと既知のパイロットデータとに基づいて伝送路特性データからノイズ成分を除去する伝送路特性推定装置が開示されている。
特許文献2(特開2004−192666号)では、入力信号に混入した周期性ノイズを低減するノイズ低減装置が開示されている。
特許文献3(特開平10−322307号の段落[0021]−[0023])では、OFDMのガードインターバルとシンボル期間の終わりの部分の相関をとり、同期検出信号を検出し、同期検出信号から高いレベルのノイズ成分を除去するOFDM信号受信機が開示されている。
Supplement to IEEE Standard for Information technology- Telecommunications and information exchange between systems-Local and metropolitan area networks Specifi- cation requirements Part 11 : Wireless LAN Medium Access Control (MAC) and Physical Layer (PHY) specifications : High-speed Physical Layer in the 5 GHz Band, IEEE Std. 802.11a, 1999 松江英明,守倉正博,"802.11高速無線LAN教科書,"IDGジャパン,2003 伊丹誠,"OFDM変調の基礎とシステム実現のための諸技術,"電子情報通信学会誌,Vol.85,No.12,pp.925-931,Dec.2002 笹岡秀一,"移動通信,"オーム社,1998 尾知博,上田健二,"OFDMシステム技術とMATLABシミュレーション解説,"トリケップス,2002 特開2004−207958号 特開2004−192666号 特開平10−322307号,段落[0021]−[0023]
上述したように、従来においては、雑音の影響を低減するため、パイロット信号を複数回連続して送信し、各パイロットで得られた伝送路推定値の平均を取ることで推定精度を向上させる手法が提案されている。
しかしながら、この手法では、十分な雑音抑圧効果が得られない場合がある。また、雑音の影響を抑えるために余分にパイロットシンボルを送信することになり通信効率が低下する場合がある。
また、パイロット信号を用いてノイズ成分を除去する特許文献1の伝送路特性推定装置では、上述したように、伝送路で付加されるガウス性白色雑音などの雑音の大きさが無視できない場合には伝送路の推定精度、伝送品質が劣化する場合がある。
特許文献2のノイズ低減装置では、周期性のない白色雑音などのような雑音の除去までは想定されていない。
特許文献3のOFDM信号受信機では、同期検出信号から高いレベルのノイズ成分は除去されるが、他の性質を持つ例えば白色雑音などのような雑音の除去までは考慮されていない。
本発明は、以上のような実情に鑑みてなされたもので、伝送路の推定精度、通信品質の向上させるOFDM用雑音除去システム及びプログラム並びに方法を提供することを目的とする。
本発明の第1の態様に係るOFDM用雑音除去システムは、OFDM方式の信号伝送に適用され、送信側で、伝送対象のOFDM信号の先端に、OFDM信号の終端部でありガードインターバル以上の長さのタップ係数収束区間である適応区間の信号を付加した適応区間付きOFDM信号を作成する適応区間付加手段と、受信側で、適応区間付きOFDM信号に対して、OFDM信号作成時のサンプリングレートよりも高いサンプリングレートによる第1のサンプリングレート変換を行う第1のサンプリングレート変換手段と、第1のサンプリングレート変換後の適応区間付きOFDM信号の終端部の適応区間の信号を参照信号とし、第1のサンプリングレート変換後の適応区間付きOFDM信号の先端部の適応区間の信号を用いてタップ係数を収束させる適応アルゴリズム演算手段と、適応アルゴリズム演算手段によって収束されたタップ係数に基づいて、第1のサンプリングレート変換後の適応区間付きOFDM信号におけるOFDM信号の雑音を除去する適応フィルタと、適応フィルタによる雑音除去後の適応区間付きOFDM信号に対して、OFDM信号作成時のサンプリングレートと同一のサンプリングレートとなるように第2のサンプリングレート変換を行う第2のサンプリングレート変換手段と、第2のサンプリングレート変換後の適応区間付きOFDM信号の先端部の前記適応区間の信号を除去し、OFDM信号を求める適応区間除去手段とを具備する。
上記第1の態様では、適応信号処理を行うために、OFDM信号の先頭に適応区間が接続される。そして、このガードインターバルを含む適応区間の信号を適応フィルタのフィルタ入力、このOFDM信号1周期分先の信号を参照信号として、OFDMの周期性を利用し、適応的にタップ係数を収束させる。
これにより、適用フィルタを用いてOFDM信号の雑音を高精度に除去することができ、通信品質を向上させることができる。
本発明の第2の態様に係るOFDM用雑音除去システムは、適応フィルタを直線位相フィルタとしている。これにより、位相歪みを防止できる。
本発明の第の態様に係るOFDM用雑音除去装置は、OFDM方式の信号伝送に適用され、受信側で、伝送対象のOFDM信号の終端部でありガードインターバル以上の長さのタップ係数収束区間である適応区間の信号をOFDM信号の先端に付加した適応区間付きOFDM信号に対して、OFDM信号作成時のサンプリングレートよりも高いサンプリングレートによる第1のサンプリングレート変換を行う第1のサンプリングレート変換手段と、第1のサンプリングレート変換後の適応区間付きOFDM信号の終端部の適応区間の信号を参照信号とし、第1のサンプリングレート変換後の適応区間付きOFDM信号の先端部の適応区間の信号を用いてタップ係数を収束させる適応アルゴリズム演算手段と、適応アルゴリズム演算手段によって収束されたタップ係数に基づいて、第1のサンプリングレート変換後の適応区間付きOFDM信号におけるOFDM信号の雑音を除去する適応フィルタと、適応フィルタによる雑音除去後の適応区間付きOFDM信号に対して、OFDM信号作成時のサンプリングレートと同一のサンプリングレートとなるように第2のサンプリングレート変換を行う第2のサンプリングレート変換手段と、第2のサンプリングレート変換後の適応区間付きOFDM信号の先端部の適応区間の信号を除去し、OFDM信号を求める適応区間除去手段とを具備する。
この第の態様に係るOFDM用雑音除去装置は、上記第1の態様に係るOFDM用雑音除去システムの受信側の装置である。
なお、上記の態様はシステム及び装置として表現されている。しかしながら、これに限らず、上記の態様は、方法、プログラム、コンピュータ読み取り可能な記憶媒体などで表現されるとしてもよい。
本発明により、伝送路の推定精度が向上し、通信品質が向上し、同じ通信品質ならばより遠くへの伝送が可能となる。
以下、図面を参照しながら本発明の実施の形態について説明する。なお、以下の各図において同一の部分については同一の符号を付して説明を省略する。
(第1の実施の形態)
本実施の形態では、適用フィルタを利用したOFDM用雑音除去システムについて説明する。
図1は、本実施の形態に係るOFDM用雑音除去システムを具備するOFDMシステムの構成の例を示すブロック図である。
OFDMシステム1は、送信機2及び受信機3を具備する。送信機2と受信機3とは、伝送路(マルチパス)4経由で伝送可能である。
送信機2は、マッピング部21、シリアルパラレル変換部22、逆高速フーリエ変換部23、適応区間付加部24、パラレルシリアル変換部25、デジタルアナログ変換部26を具備する。
受信機3は、オーバーサンプリング部31を含むアナログデジタル変換部32、ノイズ除去部33、ダウンサンプリング部34、シリアルパラレル変換部35、適応区間除去部36、高速フーリエ変換部37、等化器38、パラレルシリアル変換部39、デマッピング部40を具備する。
この送信機2及び受信機3の構成要素のうち、適応区間付加部24、オーバーサンプリング部32、ノイズ除去部33、ダウンサンプリング部34、適応区間除去部36により、本実施の形態に係るOFDM用雑音除去システム5が構成される。すなわち、送信側のOFDM用雑音除去装置は、適応区間付加部24に相当し、受信側のOFDM用雑音除去装置は、オーバーサンプリング部31、ノイズ除去部33、ダウンサンプリング部34、適応区間除去部36に相当する。
送信機2において、マッピング部21は、情報ビット列の多値変調、一次変調を行い、シンボル列をマッピングする。
シリアルパラレル変換部22は、マッピング部21によるマッピング後のシリアル信号に対して直列/並列変換を実行し、パラレル信号に変換する。
逆高速フーリエ変換部23は、シリアルパラレル変換部22からのパラレル信号に対して、逆高速フーリエ変換を実行し、OFDM信号を作成する。
適応区間付加部24は、適応信号処理を行うために、OFDM信号の終端部でありガードインターバル以上の長さのタップ係数収束区間である適応区間の信号を、OFDM信号の先端に付加し、適応区間付きOFDM信号を作成する。
図2は、適応区間付きOFDM信号の例を示す図である。
適応区間TNは、タップ係数を収束するための区間であり、ガードインターバルTG以上の長さである。例えば、適応区間TNはガードインターバルTGより長いとする。OFDM信号の基本周期は1/f0である。
なお、本実施の形態において、ガードインターバルTG、適応区間TN、OFDM信号の基本周期1/f0の単位は離散時間信号数とする。
適応区間付きOFDM信号は、OFDM信号の終端部における適応区間の信号が、OFDM信号の先端に付加された構成である。これにより、適応区間付きOFDM信号の先端部と終端部とは、同じ信号になる。1シンボル区間mは、0以上であり1/f0+TN未満の区間となる。
パラレルシリアル変換部25は、適応区間付きOFDM信号に対して並列/直列変換を実行し、シリアルの適応区間付きOFDM信号に変換する。
デジタルアナログ変換部26は、パラレルシリアル変換部25によって変換された適応区間付きOFDM信号をアナログの適応区間付きOFDM信号に変換し、伝送路4経由で受信機3に送信する。
受信機3において、アナログデジタル変換部31は、送信機3から伝送路4経由で受信したアナログの適応区間付きOFDM信号を、デジタルの適応区間付きOFDM信号に変換する。
このアナログデジタル変換部31は、オーバーサンプリング部32を含み、適応区間付きOFDM信号のA/D変換を行う際に、送信側でOFDM信号を作成した時のサンプリングレートのk倍のサンプリングレートでオーバーサンプリングを行う。
OFDM方式では、逆高速フーリエ変換を行ってOFDM信号を作成した際の信号のサンプリングレートは、1倍である。送信側の逆高速フーリエ変換と受信側の高速フーリエ変換とは一対になっており、理論的に1倍のサンプリングレートでも信号を送受信可能である。しかしながら、本実施の形態では、適応フィルタを用いて信号の推定を行うため、最大周波数の2倍以上のサンプリングレートでサンプリングを行い、信号を処理する。したがって、kは2以上である。
ノイズ除去部33は、主に、適応アルゴリズム演算部33aと適応フィルタ33bとを具備する。
適応アルゴリズム演算部33aは、オーバーサンプリング後の適応区間付きOFDM信号の終端部の適応区間TNの信号を参照信号とし、オーバーサンプリング後の適応区間付きOFDM信号の先端部の適応区間TNの信号により適応フィルタ33bで用いられるタップ係数の収束を行う。
適応フィルタ33bは、適応アルゴリズム演算部33aによって収束されたタップ係数に基づいて、オーバーサンプリング後の適応区間付きOFDM信号におけるOFDM信号の雑音を除去(低減)する。
ダウンサンプリング部34は、適応フィルタ33bによる雑音除去後の適応区間付きOFDM信号を、OFDM信号を作成した際のサンプリングレートと同一のサンプリングレートとなるようにダウンサンプリングを行う。
シリアルパラレル変換部35は、ダウンサンプリング後の適応区間付きOFDM信号に対して直列/並列変換を実行し、パラレル信号に変換する。
適応区間除去部36は、パラレルの適応区間付きOFDM信号から先頭部の適応区間TNの信号を除去し、OFDM信号を求める。
高速フーリエ変換部37は、OFDM信号に対して、高速フーリエ変換を実行する。
等化器38は、高速フーリエ変換後の信号について好ましくない振幅及び位相の周波数応答を補正し、高速フーリエ変換後の信号について伝送路4から受けた影響を補正する処理を実行する。
パラレルシリアル変換部39は、等化器38で補正された信号に対して並列/直列変換を実行し、シリアル信号に変換する。
デマッピング部40は、シリアル信号に対して、上記マッピング部21で行われた変換と逆の変換を行う。
図3は、本実施の形態に係るOFDM雑音除去装置5の1シンボル分の処理の例を示すフローチャートである。
ステップS1において、送信側の適応区間付加部24は、逆高速フーリエ変換部23から受け付けたOFDM信号の先端に、OFDM信号の終端部でありガードインターバル以上の長さのタップ係数収束区間である適応区間の信号を付加し、適応区間付きOFDM信号を作成する。
ステップS2において、受信側のオーバーサンプリング部31は、適応区間付きOFDM信号のサンプリングレートを、OFDM信号作成時のサンプリングレートのk倍(2倍以上)に変換する。
ステップS3において、適応アルゴリズム演算部33aは、オーバーサンプリング後の適応区間付きOFDM信号の終端部の適応区間の信号を参照信号とし、オーバーサンプリング後の適応区間付きOFDM信号の先端部の適応区間の信号を用いてタップ係数を収束させる。
ステップS4において、適応フィルタ33bは、収束されたタップ係数に基づいて、オーバーサンプリング後の適応区間付きOFDM信号におけるOFDM信号の雑音を除去する。
ステップS5において、ダウンサンプリング部34は、雑音除去後の適応区間付きOFDM信号のサンプリングレートを、OFDM信号作成時のサンプリングレートに変換する。
ステップS6において、適応区間除去部36は、ダウンサンプリング後の適応区間付きOFDM信号の先端部の適応区間の信号を除去し、OFDM信号を求める。
ここで、上記OFDM用雑音除去システム5の適応区間付加部24について詳細に説明する。
図4は、適応区間付加部24の構成の例を示すブロック図である。
適応区間付加部24は、適応区間抽出部24a、作成部24bを具備する。
適応区間抽出部24aには、適応区間TNが設定されている。適応区間抽出部24aは、逆高速フーリエ変換により得られた区間(1/f0)のOFDM信号を受け付け、OFDM信号の終端部における適応区間TNの信号を抽出し、作成部24bに提供する。作成部24bは、逆高速フーリエ変換により得られた区間(1/f0)のOFDM信号と適応区間抽出部24aによって抽出された適応区間TNの信号とを受け付け、区間(1/f0)のOFDM信号の先頭に適応区間TNの信号を接続する。この結果、区間(TN+1/f0)の適応区間付きOFDM信号が作成され、出力される。
図5は、適応区間付加部24の1シンボル分の処理の例を示すフローチャートである。
ステップT1において、適応区間抽出部24aは、逆高速フーリエ変換により得られた区間(1/f0)のOFDM信号から終端部の適応区間TNの信号を抽出する。
ステップT2において、作成部24bは、逆高速フーリエ変換により得られた区間(1/f0)のOFDM信号の先頭に適応区間TNの信号を接続する。
次に、上記OFDM用雑音除去システム5のノイズ除去部33とダウンサンプリング部34との関係について詳細に説明する。
図6は、ノイズ除去部33とダウンサンプリング部34との関係の例を示すブロック図である。
ノイズ除去部33は、適応アルゴリズム演算部33a、適応フィルタ33b、データメモリ33c、参照信号抽出部33d、スイッチ33e、誤差算出部33fを具備する。なお、参照信号抽出部33dには、オーバーサンプリング後の適応区間kTNが設定されている。
データメモリ33cは、適応区間を含む1シンボル分の適応区間付きOFDM信号を記憶する。これは、参照信号として未来の信号である適応区間付きOFDM信号の終端部の適応区間kTNの信号を用いるためである。
参照信号抽出部33dは、データメモリ33cに記憶されている適応区間付きOFDM信号の終端部の適応区間kTNの信号を参照信号として抽出する。
スイッチ33eは、データメモリ33cに記憶されている適応区間付きOFDM信号の先端部の適応区間kTNの信号について処理を行っている場合には、適応アルゴリズム演算部33aにより適応フィルタ33bのタップ係数の更新を行うために、接続状態となる。
一方、スイッチ33eは、データメモリ33cに記憶されている適応区間付きOFDM信号のOFDM信号について処理を行っている場合には、適応フィルタ33bのタップ係数を固定するために、切断状態となる。
誤差算出部33fは、先端部の適応区間kTNの信号が適応フィルタ33bに入力されている場合に、参照信号抽出部33dで参照信号として抽出された終端部の適応区間kTNの信号から適応フィルタ33bのフィルタ出力を減算し、誤差を求める。
適応アルゴリズム演算部33aは、フィルタ入力すなわち、データメモリ33cに記憶されている適応区間付きOFDM信号の先端部の適応区間kTNの信号と、誤差算出部33fで算出された誤差とに基づいて、適応フィルタ33bのタップ係数を更新する。
適応フィルタ33bは、データメモリ33cに記憶されている適応区間付きOFDM信号をフィルタ入力として入力し、適応アルゴリズム演算部33aにより更新されたタップ係数を固定した後、適応区間付きOFDM信号のうちOFDM信号に対して雑音除去を行う。
ダウンサンプリング部34には、オーバーサンプリングで用いられた倍率kが設定される。ダウンサンプリング部34は、適応フィルタ33bから出力されたフィルタ出力である雑音除去後の適応区間付きOFDM信号のサンプリングレートを1/k倍する。
図7は、ノイズ除去部33とダウンサンプリング部34との1シンボル分の処理の例を示すフローチャートである。
ステップU1において、データメモリ33cは、オーバーサンプリング後の1シンボル分の適応区間付きOFDM信号を記憶する。
ステップU2において、参照信号抽出部33dは、データメモリ33cに記憶されている適応区間付きOFDM信号から、終端部の適応区間kTNの信号を参照信号として抽出する。
ステップU3において、適応フィルタ33bは、データメモリ33cに記憶されている適応区間付きOFDM信号の入力を開始する。
ステップU4において、適応フィルタ33bに入力されている信号は、適応区間付きOFDM信号のうち先端部の適応区間kTNの信号か否か判断される。
適応フィルタ33bに先端部の適応区間kTNの信号が入力されている場合、ステップU5において、スイッチ33eは接続状態を維持する。
ステップU6において、適応フィルタ33bはフィルタ出力を発し、処理はステップU7及びステップU11に移る。
ステップU7において、誤差算出部33fは、参照信号と適応フィルタ33bからの出力との誤差を算出する。
ステップU8において、適応アルゴリズム演算部33aは、適応フィルタ33bへの入力と誤差とを用いて適応フィルタ33bのタップ係数を更新し、処理はステップU4に戻る。
適応フィルタ33bにOFDM信号が入力されている場合、ステップU9において、スイッチ33eは切断状態となり、適応フィルタ33bのタップ係数が固定される。
ステップU10において、適応フィルタ33bはフィルタ入力に対する雑音除去を行い、フィルタ出力を発する。
ステップU11において、ダウンサンプリング部34は、適応フィルタ33bからのフィルタ出力のサンプリングレートを1/k倍する。
図8は、適応区間除去部36と信号との関係の例を示すブロック図である。
適応区間除去部36には、適応区間TNが設定されている。適応区間除去部36は、シリアルパラレル変換後の区間(TN+1/f0)の適応区間付きOFDM信号を入力し、区間(TN+1/f0)の適応区間付きOFDM信号から、先頭の適応区間TNの信号を除去し、区間(1/f0)のOFDM信号を求める。
以下に、上述のOFDM用雑音除去システム5で用いられている雑音除去理論について詳しく説明する。
OFDM信号は、同一シンボル内では周期的な信号である。一方、ガウス性の雑音に周期性はない。この特性の違いを利用して適応フィルタ33bによる予測を行い、マルチパスにより劣化したOFDM信号の推定を行う。
本実施の形態に係るOFDM用雑音除去システム5のノイズ除去部33は、OFDM信号の受信及び同期処理後、S/P変換前に用いる。また、OFDMの信号の周期性を用いた適応信号処理を行うために送信側では、ガードインターバル(G.I.)の付加とともにフィルタのタップ係数を収束するための区間(適応区間;Adaptive Interval)を付加する。なお、適応区間の信号はガードインターバルの付加方法と同様にOFDM信号の終端部を先頭に接続したものである。このため、上記図2に示す適応区間付きOFDM信号が送信されることになる。上記図2に示すように、1/f0 はOFDM信号の基本周期、TGはガードインターバル、TN (TN はTG以上)は適応区間を表わす。すなわち、本実施の形態において、適応区間はガードインターバルを含む構成となる。ここで、1/f0、TG、TNの単位は離散時間信号数である。
これにより、適応区間付きOFDM信号の先端部と終端部とは同じ信号となり、受信側での相違は、伝送路4上のガウス性白色雑音となる。したがって、1シンボル区間(0m<1/f0 +TN:mは0以上であり、1/f0 +TN未満)においてOFDM信号xn(m)には以下の関係が成立する。
Figure 0004059402
ここで、上式が成立するのはm(0m<TN:mは0以上であり、TN未満)の範囲である。
図9は、伝送路4とノイズ除去部33との概念図である。受信側ではOFDM信号作成時のk倍のサンプリングレートでサンプリングを行う。ここで、サンプリングレートをk倍としたときの時刻をm’により表す。また、H(z)およびHNC(z)はマルチパスによる伝送路伝達関数、適応フィルタ(雑音除去フィルタ)33bの伝達関数を表す。なお、伝送路のインパルス応答をhn(m’)とする。
受信信号yn(m’)はマルチパスによる歪みを受けた信号sn(m’)にガウス性白色雑音ξn(m’)が重畳した信号である。
すなわち、受信側では、ノイズ除去部33の参照信号に1周期先の信号としてyn (m’+k/f0)を用い、参照信号とフィルタ出力との誤差en(m’)をタップ係数の更新、収束に用いる。このときの受信信号は次式で表せる。
Figure 0004059402
また、適応区間(0m’<kTN :mは0以上であり、kTN未満)において
Figure 0004059402
となる。ここで、1シンボル内{0m’<k(TN+1/f0)}(m’は0以上であり、k(TN+1/f0)未満)で伝送路4が定常ならば、送信信号を含む項、つまりsn(m’)とsn(m’+k/f0)とは相関が強くなると考えられる。一方、雑音ξn(m’)とξn(m’+k/f0)との相関は弱いと考えられる。
ノイズ除去部33は例えばトランスバーサルフィルタで構成される。なお、フィルタ出力ssn(m’)は次式で表される。
Figure 0004059402
ここで、hhn,i(m’)はタップ係数、M+1はタップ数を表わす。ノイズ除去部33は2段階で動作する。まず、適応区間(0m’<kTN:m’は0以上であり、kTN未満)においてタップ係数の更新を行い、フィルタ出力と参照信号との誤差en(m’)の2乗平均値が最小となるように動作させる。
ここで、sn(m’)とsn(m’+k/f0)とは相関が強く、ξn(m’)とξn(m’+k/f0)との相関は弱いと考えられるため、フィルタ出力としてsn(m’)の推定値ssn(m’)が得られるようにタップ係数は収束する。
次に、フィルタリング区間{kTN m’<k(TN+1/f0)}(m’はkTN以上であり、k(TN+1/f0)未満)においてタップ係数の更新を行わず、適応区間において得られたタップ係数を用いて雑音の抑圧を行う。
伝送路4のインパルス応答が1シンボル分のOFDM信号の送信時間内{0m’<k(TN+1/f0)}で定常性が強く、タップ係数が適応区間において十分収束していると仮定すると雑音の抑圧が可能となる。
ただし、ノイズ除去部33により位相歪みが生じる可能性がある。そこで、ノイズ除去部33による位相歪みを防ぐため、適応フィルタ33bを直線位相フィルタとする必要がある。そこで、上記式(6)よりフィルタ構成を、
Figure 0004059402
とする。ここで、yn(m’)の自己相関関数E[yn(m’)y* n(m+τ)](τ=…,−2,−1,0,+1,+2,…)はτ=0について対称となるため、タップ係数の収束値はhhn,i(m’)=hhn,i(−m’)となると考えられる。ここで、アスタリスクは複素共役を表す。yn(m’)は複素信号である。ただし、因果性を満たすためにノイズ除去部33は、図10に示す構成となる。
ここで、出力信号は次式で表せる。
Figure 0004059402
このとき、参照信号をyn(m’+k/f0−L)とする。また、タップ係数はhhn,i(m’)=hhn,i(2L+1−m’−1)となる。
最後にダウンサンプリングを行い、サンプリングレートをOFDM信号作成時と同一にし、ガードインターバルの除去とともに適応区間の除去を行う。
なお、上記雑音除去理論は、適応区間の長さとしては、ガードインターバルの長さの2〜10倍の長さで特に有効である。
以上説明した本実施の形態においては、受信側において、適応区間付きOFDM信号の終端部の適応区間の信号を参照信号として適応アルゴリズムによりフィルタを動作させる。マルチパスの影響を受けた適応区間付きOFDM信号において、先端部の適応区間の信号と、OFDM信号の1周期後の終端部の適応区間の信号とは相関が強く、適応フィルタ33bにより推定可能である。一方で、ガウス性白色雑音などの周期性のない雑音は、適応フィルタ33bによる推定が不可能である。
したがって、フィルタ出力として雑音の除去された信号を得ることができ、伝送路4の推定精度を向上させることができ、通信品質の向上させることができ、雑音にロバストな通信システムを構築することができる。
さらに、本実施の形態では、適応フィルタ33bとして直線位相フィルタを用いることにより、位相歪みを回避することができる。
なお、本実施の形態において、高速フーリエ変換(FFT)及び逆高速フーリエ変換(IFFT)を、離散フーリエ変換(DFT)及び逆高速フーリエ変換(IDFT)としてもよい。
また、本実施の形態において、各構成要素は同様の動作を実現可能であれば配置を変更させてもよく、また各構成要素を自由に組み合わせてもよく、各構成要素を自由に分割してもよく、いくつかの構成要素を削除してもよい。すなわち、本実施の形態については、上記の構成そのままに限定されるものではなく、実施段階ではその要旨を逸脱しない範囲で構成要素を変形して具体化できる。
例えば、アナログデジタル変換部32とオーバーサンプリング部31とを別構成としてもよい。
ここで、上記各実施の形態に係る送信機2と受信機3とのうちの少なくとも一方について、一部又は全部をコンピュータとソフトウェアとを用いて実現する場合について説明する。
図11は、本実施の形態に係る送信機2又は受信機3を、コンピュータとソフトウェアとを用いて実現するための構成の例を示すブロック図である。
コンピュータ6は、プロセッサ7、例えば内部メモリなどの記憶装置8、内部バス9を具備する。プロセッサ7と記憶装置8とは、内部バス9経由で接続されている。
上記送信機2及び受信機3において、各構成要素間での信号の受け渡しは、記憶装置8への記憶及び読み出しにより行われるとしてもよい。また、上記送信機2及び受信機3において、各種の値の設定は記憶装置8に記憶されることで行われるとしてもよい。
記憶媒体10に記憶されているプログラム11は、コンピュータ6に読み込まれ、プロセッサ7により実行される。これにより、コンピュータ6は、送信機2又は受信機3の具備する各構成要素としての機能を実現する。
本実施の形態において、プログラム11は、例えば磁気ディスク(フレキシブルディスク、ハードディスク等)、光ディスク(CD−ROM、DVD等)、半導体メモリなどの記憶媒体10に書き込んで、送信機2又は受信機3として動作するコンピュータ6に適用可能である。また、上記プログラム11は、通信媒体により伝送してコンピュータ6に適用することも可能である。コンピュータ6は、上記プログラム11を読み込み、このプログラム11によって動作が制御されることにより、送信機2又は受信機3としての機能を実現する。プログラム11は、複数のコンピュータに分散して配置され、複数のコンピュータ間で互いに連携しつつ処理が実行されるとしてもよい。
(第2の実施の形態)
本実施の形態では、上記第1の実施の形態に係るOFDM用雑音除去システム5の第1のシミュレーション結果について説明する。
本実施の形態におけるシミュレーションでは、一次変調に64QAM、FFT周期を3.2μs、FFTポイントを256、ガードインターバルを0.8μs、オーバーサンプリング係数kを8とした。
また、ノイズ除去部33のタップ数を33とし、ノイズ除去部33の適応アルゴリズムにNLMS(Normalized least mean square)アルゴリズムを用いた。
伝送路環境には、20波のマルチパス環境を用いた。ただし、レイリーフェージング環境ではないとした。
図12は、シミュレーション結果である雑音電力密度(Es/N0)に対するビットエラーレート(Bit-error rate:BER)を示すグラフである。
等化器38のみを用いた場合と等化器38とともにOFDM用雑音除去システム5(NC)を用いた場合では、BER=1.0×10-1において約8dBの改善が確認され、本手法の有効性が確認された。
(第3の実施の形態)
本実施の形態では、上記第1の実施の形態に係るOFDM用雑音除去システム5の第2のシミュレーション結果について説明する。
図13は、シミュレーション結果であるEs/N0とBERとの収束特性を示すグラフである。
ガードインターバルのサンプル数を64とし、適応区間のサンプル数を128及び256とした場合、タップ係数の初期値を十分に収束させた場合について、Es/N0とBERとの特性を示している。
この結果から、適応区間の長さをガードインターバルの長さの2倍とした場合であっても、タップ係数の初期値を十分に収束させた場合に近い十分な雑音除去効果が得られることが分かる。
(第4の実施の形態)
本実施の形態では、上記第1の実施の形態に係るOFDM用雑音除去システム5の第3のシミュレーション結果について説明する。
本実施の形態において、シミュレーション条件は、一次変調方式を64QAMとし、FFTポイント数を256とし、サンプリングレートをFFT処理時の信号の8倍とした。また、タップ係数の更新にはNLMSアルゴリズムを用いた。NLMSアルゴリズムによるタップ係数の更新式を次式に示す
Figure 0004059402
Figure 0004059402
Figure 0004059402
ここでaは正の定数、μはステップサイズを表し、Tは行列の転置を表す。また、本実施の形態におけるシミュレーションではa=0、μ=0.01とし、タップ係数は十分収束させた値を用いている。伝送路環境は見通し外のオフィス環境を想定し、図14の伝送路モデルの遅延プロフィールに示すHIPERLAN/2のModel A(平明徳ほか,“周波数選択性フェージング環境におけるOFDM通信システムのタイミング同期方式,”信学論B,Vol.J84-B,No.7,pp.1225-1264,Sep,2001)の18波のマルチパス環境とし、さらに白色ガウス雑音を付加した。ただし、レイリーフェージング環境ではないとする。
ノイズ除去部33の最適なタップ数を検討するために、タップ数に対するBERについて検討する。ただし、等化器38に用いる伝送路推定値HH(k’,l)を付加雑音の無い環境での推定値とした。
このときのタップ数2L+1に対するBER特性を図15に示す。この図15において、OFDM用雑音除去システム5(NC)を用いた場合に、タップ数2L+1が33から81の間でBERの特性が良くなることが確認された。
さらに、OFDM用雑音除去システム5の有効性を確認するために、タップ数を33としてシミュレーションを行った。
図16に、Es/N0に対するBERを測定した結果を示す。この図16では、OFDM用雑音除去システム5も等化器38も用いない場合、等化器38のみを用いた場合、等化器38及びOFDM用雑音除去システム5を用いた場合の測定結果が表されている。
等化器38のみを用いた場合のシミュレーションでは,等化器38において連続したパイロット信号Nを2とした。一方、OFDM用雑音除去システム5を用いた場合のシミュレーションではN=1とした。また、どちらの場合もパイロット信号と情報シンボル16シンボルとを繰り返して送信した。
図16の結果から、OFDM用雑音除去システム5を用いない場合の結果と比較して、OFDM用雑音除去システム5を用いた場合の方がBERが0.1の時にEs/N0が約7.0dB改善され、OFDM用雑音除去システム5の効果が確認された。また、従来のように冗長シンボルを用いることなく、雑音を除去可能であることが確認された。
高速フーリエ変換の解析区間をTFFTとしたとき、OFDM信号は周期TFFTの周期信号である。これに対して、OFDM信号に重畳している白色雑音には周期性はない。上記各実施の形態では、この特性の違いを利用し、適応フィルタ33bによる雑音除去を行う。適応フィルタ33bを利用したOFDM用雑音除去システム5では、OFDM信号にガードインターバルとともに適応処理区間を設ける。適応フィルタ33bにおいて、適応区間付きOFDM信号の先端部の適応区間ではタップ係数を更新、収束させる。次に、先端部の適応区間後のフィルタリング区間においては、適応区間で得られたタップ係数を用いた雑音の抑圧が行われる。これにより、伝送路4においてガウス性白色雑音の影響によって歪んだOFDM信号から雑音を除去でき、通信品質を向上させることができる。
本発明は、OFDM変調方式の通信分野に有効である。
本発明の第1の実施の形態に係るOFDM用雑音除去システムを具備するOFDMシステムの構成の例を示すブロック図。 適応区間付きOFDM信号の例を示す図。 同実施の形態に係るOFDM雑音除去装置の1シンボル分の処理の例を示すフローチャート。 適応区間付加部の構成の例を示すブロック図。 適応区間付加部の1シンボル分の処理の例を示すフローチャート。 ノイズ除去部とダウンサンプリング部との関係の例を示すブロック図。 ノイズ除去部とダウンサンプリング部との1シンボル分の処理の例を示すフローチャート。 適応区間除去部と信号との関係の例を示すブロック図。 伝送路とノイズ除去部との概念図。 ノイズ除去部の構成の例を示す図。 同実施の形態に係る送信機又は受信機を、コンピュータとソフトウェアとを用いて実現するための構成の例を示すブロック図。 本発明の第2の実施の形態に係るシミュレーション結果である雑音電力密度(Es/N0)に対するビットエラーレート(Bit-error rate:BER)を示すグラフ。 本発明の第3の実施の形態に係るシミュレーション結果であるEs/N0とBERとの収束特性を示すグラフ。 伝送路モデルの遅延プロフィール。 本発明の第4の実施の形態に係るシミュレーション結果であるタップ数に対するBER特性を示すグラフ。 同実施の形態に係るシミュレーション結果であるEs/N0に対するBERの測定結果を示すグラフ。 データシンボルとパイロットシンボルとの関係の例を示す図。
符号の説明
1…OFDMシステム、2…送信機、21…マッピング部、22…シリアルパラレル変換部、23…逆高速フーリエ変換部、24…適応区間付加部、24a…適応区間抽出部、24b…作成部、25…パラレルシリアル変換部、26…デジタルアナログ変換部、3…受信機、31…オーバーサンプリング部、32…アナログデジタル変換部、33…ノイズ除去部、33a…適応アルゴリズム演算部、33b…適応フィルタ33b、33c…データメモリ、33d…参照信号抽出部、33e…スイッチ、33f…誤差算出部、34…ダウンサンプリング部、35…シリアルパラレル変換部、36…適応区間除去部、37…高速フーリエ変換部、38…等化器、39…パラレルシリアル変換部、40…デマッピング部、4…伝送路、5…OFDM用雑音除去システム、6…コンピュータ、7…プロセッサ、8…記憶装置、9…内部バス、10…記憶媒体、11…プログラム

Claims (6)

  1. OFDM方式の信号伝送に適用されるOFDM用雑音除去システムにおいて、
    送信側で、伝送対象のOFDM信号の先端に、前記OFDM信号の終端部でありガードインターバル以上の長さのタップ係数収束区間である適応区間の信号を付加した適応区間付きOFDM信号を作成する適応区間付加手段と、
    受信側で、前記適応区間付きOFDM信号に対して、前記OFDM信号作成時のサンプリングレートよりも高いサンプリングレートによる第1のサンプリングレート変換を行う第1のサンプリングレート変換手段と、
    前記第1のサンプリングレート変換後の適応区間付きOFDM信号の終端部の前記適応区間の信号を参照信号とし、前記第1のサンプリングレート変換後の適応区間付きOFDM信号の先端部の前記適応区間の信号を用いてタップ係数を収束させる適応アルゴリズム演算手段と、
    前記適応アルゴリズム演算手段によって収束された前記タップ係数に基づいて、前記第1のサンプリングレート変換後の適応区間付きOFDM信号におけるOFDM信号の雑音を除去する適応フィルタと、
    前記適応フィルタによる雑音除去後の適応区間付きOFDM信号に対して、前記OFDM信号作成時のサンプリングレートと同一のサンプリングレートとなるように第2のサンプリングレート変換を行う第2のサンプリングレート変換手段と、
    前記第2のサンプリングレート変換後の適応区間付きOFDM信号の先端部の前記適応区間の信号を除去し、前記OFDM信号を求める適応区間除去手段と
    を具備することを特徴とするOFDM用雑音除去システム。
  2. 請求項1記載のOFDM用雑音除去システムにおいて、
    前記適応フィルタは、直線位相フィルタであることを特徴とするOFDM用雑音除去システム。
  3. OFDM方式の信号伝送に適用されるOFDM用雑音除去装置において、
    受信側で、伝送対象のOFDM信号の終端部でありガードインターバル以上の長さのタップ係数収束区間である適応区間の信号を前記OFDM信号の先端に付加した適応区間付きOFDM信号に対して、前記OFDM信号作成時のサンプリングレートよりも高いサンプリングレートによる第1のサンプリングレート変換を行う第1のサンプリングレート変換手段と、
    前記第1のサンプリングレート変換後の適応区間付きOFDM信号の終端部の前記適応区間の信号を参照信号とし、前記第1のサンプリングレート変換後の適応区間付きOFDM信号の先端部の前記適応区間の信号を用いてタップ係数を収束させる適応アルゴリズム演算手段と、
    前記適応アルゴリズム演算手段によって収束された前記タップ係数に基づいて、前記第1のサンプリングレート変換後の適応区間付きOFDM信号におけるOFDM信号の雑音を除去する適応フィルタと、
    前記適応フィルタによる雑音除去後の適応区間付きOFDM信号に対して、前記OFDM信号作成時のサンプリングレートと同一のサンプリングレートとなるように第2のサンプリングレート変換を行う第2のサンプリングレート変換手段と、
    前記第2のサンプリングレート変換後の適応区間付きOFDM信号の先端部の前記適応区間の信号を除去し、前記OFDM信号を求める適応区間除去手段と
    を具備することを特徴とするOFDM用雑音除去装置。
  4. OFDM方式の送信機のコンピュータを、
    伝送対象のOFDM信号の先端に、前記OFDM信号の終端部でありガードインターバル以上の長さのタップ係数収束区間である適応区間の信号を付加した適応区間付きOFDM信号を作成する適応区間付加手段
    として機能させ、
    OFDM方式の受信機のコンピュータを、
    前記適応区間付きOFDM信号に対して、前記OFDM信号作成時のサンプリングレートよりも高いサンプリングレートによる第1のサンプリングレート変換を行う第1のサンプリングレート変換手段、
    前記第1のサンプリングレート変換後の適応区間付きOFDM信号の終端部の前記適応区間の信号を参照信号とし、前記第1のサンプリングレート変換後の適応区間付きOFDM信号の先端部の前記適応区間の信号を用いてタップ係数を収束させる適応アルゴリズム演算手段、
    前記適応アルゴリズム演算手段によって収束された前記タップ係数に基づいて、前記第1のサンプリングレート変換後の適応区間付きOFDM信号におけるOFDM信号の雑音を除去する適応フィルタ、
    前記適応フィルタによる雑音除去後の適応区間付きOFDM信号に対して、前記OFDM信号作成時のサンプリングレートと同一のサンプリングレートとなるように第2のサンプリングレート変換を行う第2のサンプリングレート変換手段、
    前記第2のサンプリングレート変換後の適応区間付きOFDM信号の先端部の前記適応区間の信号を除去し、前記OFDM信号を求める適応区間除去手段
    として機能させる
    ためのプログラム。
  5. OFDM方式の受信機のコンピュータを、
    伝送対象のOFDM信号の終端部でありガードインターバル以上の長さのタップ係数収束区間である適応区間の信号を前記OFDM信号の先端に付加した適応区間付きOFDM信号に対して、前記OFDM信号作成時のサンプリングレートよりも高いサンプリングレートによる第1のサンプリングレート変換を行う第1のサンプリングレート変換手段、
    前記第1のサンプリングレート変換後の適応区間付きOFDM信号の終端部の前記適応区間の信号を参照信号とし、前記第1のサンプリングレート変換後の適応区間付きOFDM信号の先端部の前記適応区間の信号を用いてタップ係数を収束させる適応アルゴリズム演算手段、
    前記適応アルゴリズム演算手段によって収束された前記タップ係数に基づいて、前記第1のサンプリングレート変換後の適応区間付きOFDM信号におけるOFDM信号の雑音を除去する適応フィルタ、
    前記適応フィルタによる雑音除去後の適応区間付きOFDM信号に対して、前記OFDM信号作成時のサンプリングレートと同一のサンプリングレートとなるように第2のサンプリングレート変換を行う第2のサンプリングレート変換手段、
    前記第2のサンプリングレート変換後の適応区間付きOFDM信号の先端部の前記適応区間の信号を除去し、前記OFDM信号を求める適応区間除去手段
    として機能させるためのプログラム。
  6. OFDM方式の信号伝送に適用されるOFDM用雑音除去方法において、
    送信側で、伝送対象のOFDM信号の先端に、前記OFDM信号の終端部でありガードインターバル以上の長さのタップ係数収束区間である適応区間の信号を付加した適応区間付きOFDM信号を作成し、
    受信側で、前記適応区間付きOFDM信号に対して、前記OFDM信号作成時のサンプリングレートよりも高いサンプリングレートによる第1のサンプリングレート変換を行い、
    前記第1のサンプリングレート変換後の適応区間付きOFDM信号の終端部の前記適応区間の信号を参照信号とし、前記第1のサンプリングレート変換後の適応区間付きOFDM信号の先端部の前記適応区間の信号を用いてタップ係数を収束させ、
    収束された前記タップ係数に基づいて、前記第1のサンプリングレート変換後の適応区間付きOFDM信号におけるOFDM信号の雑音を除去し、
    雑音除去後の適応区間付きOFDM信号に対して、前記OFDM信号作成時のサンプリングレートと同一のサンプリングレートとなるように第2のサンプリングレート変換を行い、
    前記第2のサンプリングレート変換後の適応区間付きOFDM信号の先端部の前記適応区間の信号を除去し、前記OFDM信号を求める
    ことを特徴とするOFDM用雑音除去方法。
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