JP4057854B2 - エンジンのクランク軸 - Google Patents

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    • F01M1/00Pressure lubrication
    • F01M1/06Lubricating systems characterised by the provision therein of crankshafts or connecting rods with lubricant passageways, e.g. bores
    • FMECHANICAL ENGINEERING; LIGHTING; HEATING; WEAPONS; BLASTING
    • F16ENGINEERING ELEMENTS AND UNITS; GENERAL MEASURES FOR PRODUCING AND MAINTAINING EFFECTIVE FUNCTIONING OF MACHINES OR INSTALLATIONS; THERMAL INSULATION IN GENERAL
    • F16CSHAFTS; FLEXIBLE SHAFTS; ELEMENTS OR CRANKSHAFT MECHANISMS; ROTARY BODIES OTHER THAN GEARING ELEMENTS; BEARINGS
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  • Shafts, Cranks, Connecting Bars, And Related Bearings (AREA)
  • Lubrication Of Internal Combustion Engines (AREA)

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は,エンジンのクランク軸に関し,特に,クランクケースに支承されるクランクジャーナルと,このクランクジャーナルの端部から半径方向外方に延びるクランクウェブと,このクランクウェブの先端部からクランクジャーナルと平行に延びてコンロッドの大端部を支承するクランクピンとからなり,クランクピンには,その中心線と平行に延びる孔を穿設したクランク軸の改良に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来,かゝるクランク軸では,例えば実開昭54−44838号公報に開示されるように,軽量化及び給油のための孔を,その中心がクランク軸及びクランクピンの両中心を通る直線上でクランクピンの中心からクランクジャーナルと反対側にオフセットするように,クランクピンに穿設することが知られている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
上記のように構成した従来のクランク軸では,クランクピンの重心がその中心よりもクランクジャーナル側にオフセットすることになることで,クランクピンの中心上に同径の孔を穿設したものに比してクランクピンのクランクジャーナル中心周りの慣性モーメントを減少することができる反面,クランクピンの肉厚において爆発荷重を受ける部分の肉厚が最小となるため,クランクピンの軽量化と強度確保との両立が困難となる。
【0004】
本発明は,かゝる事情に鑑みてなされたもので,クランクピンのクランクジャーナル中心周りの慣性モーメントの減少を図りつゝ,クランクピンの所望の強度確保を可能にした,エンジンのクランク軸を提供することを目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために,本発明は,クランクケースに支承されるクランクジャーナルと,このクランクジャーナルの端部から半径方向外方に延びるクランクウェブと,このクランクウェブの先端部からクランクジャーナルと平行に延びてコンロッドの大端部を支承するクランクピンとからなり,クランクピンには,その中心線と平行に延びる孔を穿設した,エンジンのクランク軸において,前記孔を,その中心クランクジャーナル及びクランクピンの両中心を通るY軸からクランクピンの公転方向前側にオフセットし,更にクランクピンの中心で前記Y軸に直交するX軸から反クランクジャーナル側にもオフセットするように配置すると共に,この孔を,これがクランクピンの中心を含むように大きく形成し,この孔を,オイルポンプの吐出側に連通すると共に,この孔の中心及びクランクピンの中心を通る直線上でクランクピンの薄肉部に穿設した給油孔を介してコンロッドの大端部内周面に連通し,更に,クランクジャーナルにクランクウェブを一体に形成し,そのクランクウェブに設けられた連結孔に前記クランクピンを圧入し,その圧入位置により前記孔及び給油孔の位置を設定したことを第1の特徴とする。
【0006】
この第1の特徴によれば,前記孔の中心をY軸からクランクピンの公転方向前側にオフセットしたことで,エンジンの膨張行程でピストンからコンロッドを介してクランクピンに爆発荷重が加わるとき,その爆発荷重は,クランクピンの最薄肉部からずれた箇所に作用することになり,しかも膨張行程が進行するにつれて爆発荷重が作用する点でのクランクピンの肉厚は増加して行くことになるから,クランクピンの強度は高く,その耐久性の向上を図ることができる。また前記孔の上記オフセット配置により,該孔の大径化が可能となり,クランクピンの軽量化,延いてはクランクピンの,クランクジャーナル中心に関する慣性モーメントの減少をもたらし,エンジンの加速性の向上に寄与し得る。さらに前記孔の中心のY軸及びX軸に対する上記オフセットと,クランクピンの薄肉部への給油孔の穿設とにより,クランクピンの重心は,該ピンの中心よりクランクジャーナル寄りに位置することになり,したがってクランクピンの,クランクジャーナル中心に関する慣性モーメントを減少させてエンジンの加速性の向上に寄与し得る。しかも前記孔を,コンロッドの大端部内周面の潤滑のためのオイル孔に利用することができるばかりでなく,前記給油孔のクランクジャーナル中心までの回転半径は大きいので,該給油孔では遠心力がオイルに効果的に作用して,コンロッドの大端部内周面の潤滑を良好に行うことができる。また,クランクピンの圧入位置を調整することにより,クランクピンの孔の中心のY軸及びX軸に対するオフセット量や給油孔の位相を自由に設定することができ,汎用性を高めることができる。
【0007】
さらにまた本発明は,クランクケースに支承されるクランクジャーナルと,このクラン クジャーナルの端部から半径方向外方に延びるクランクウェブと,このクランクウェブの先端部からクランクジャーナルと平行に延びてコンロッドの大端部を支承するクランクピンとからなり,クランクピンには,その中心線と平行に延びる孔を穿設し,前記孔の中心を,クランクジャーナル及びクランクピンの両中心を通るY軸からクランクピンの公転方向前側にオフセットしたエンジンのクランク軸において,前記孔の中心を,クランクピンの中心で前記Y軸に直交するX軸上に配置したことを第の特徴とする。
【0008】
この第の特徴によれば,前記孔の中心をY軸からクランクピンの公転方向前側にオフセットしたことで,クランクピンの強度は高く,その耐久性の向上を図ることができるとともに,該孔の大径化が可能となり,クランクピンの軽量化,延いてはクランクピンの,クランクジャーナル中心に関する慣性モーメントの減少をもたらし,エンジンの加速性の向上に寄与し得るばかりでなく,クランクピンにおける孔の存在にも拘らず,エンジンの膨張行程中,爆発荷重が作用する点でのクランクピンの肉厚を充分に厚くすることが可能となり,クランクピンの強度を,より高めて,その耐久性の更なる向上を図ることができる。
【0009】
さらにまた本発明は,第の特徴に加えて,前記孔を,オイルポンプの吐出側に連通すると共に,前記X軸から反クランクジャーナル側にオフセットした位置でクランクピンに穿設した給油孔を介してコンロッドの大端部内周面に連通したことを第3の特徴とする。
【0010】
この第3の特徴によれば,前記孔がX軸上に位置していても,前記給油孔がX軸から反クランクジャーナル側にオフセットしてクランクピンに設けられることで,クランクピンの重心は,該ピンの中心よりクランクジャーナル寄りに位置することになり,したがってクランクピンの,クランクジャーナル中心に関する慣性モーメントが減少して,エンジンの加速性の向上を図ることができる。
【0011】
【発明の実施の形態】
本発明の実施の形態を,添付図面に示す本発明の一実施例に基づいて以下に説明する。
【0012】
図1は本発明の第1実施例に係るクランク軸を備えた自動二輪車用エンジンの縦断直線図,図2は図1の2−2の断面図,図3は図2の3−3線断面図,図4は図3の4−4線断面図,図5は図3の5−5線断面図,図6は図1の6部拡大図,図7は図6の7−7線断面図,図8は本発明の第2実施例を示す,図6との対応断面図,図9は図8の9−9線断面図,図10は本発明の第3実施例を示す,図9との対応断面図である。
【0013】
先ず,図1〜5において,自動二輪車に搭載されるエンジンEは,クランクケース1と,このクランクケース1の前端に前傾姿勢で結合されるシリンダブロック2と,このシリンダブロック2の前端に接合されるシリンダヘッド3とをエンジン本体として備えており,クランクケース1及びシリンダブロック2は,シリンダブロック2のシリンダボア2aを囲む4本のスタッドボルト4,4…により相互に結合される。
【0014】
クランク軸5は,クランクケース1の左右のジャーナル支持壁1a,1bにボールベアリング6a,6bを介して支承され,このクランク軸5にコンロッド7を介して連接するピストン8がシリンダボア2aに嵌装され,シリンダヘッド3には,点火プラグ9及び動弁機構10が設けられ,その動弁機構10を覆うヘッドカバー11がシリンダヘッド3の前端面に接合される。
【0015】
クランクケース1の左外側壁には伝動カバー12が接合され,それらの間に画成される変速室13にベルト式の無段変速機Tが配設される。
【0016】
図3に示すように,クランクケース1には,クランク軸5から減速ギヤ列14,14′を介して駆動されるトロコイド型のオイルポンプ15が取り付けられる。このオイルポンプ15は,クランクケース1底部の油溜まりから潤滑オイルを吸い上げて吐出ポート15aから吐出するもので,その吐出ポート15aから吐出されたオイルは,クランクケース1側壁の前向き油路20を通って,シリンダブロック2後端面の上向き油溝21を上昇する。上向き油溝21を通過したオイルは,最上部の1本のスタッドボルト4を挿通すべくシリンダブロック2及びシリンダヘッド3に形成された一連のボルト孔19を経て,前記動弁機構10のロッカ軸10aのオイル孔22に流入し,給油孔23から噴出してロッカアーム等を潤滑する。またボルト孔19に流入したオイルの一部は,シリンダブロック2の斜め油路24を経て,ヘッドカバー11端面の油溝25を上昇してから該カバー11上壁の前向き油路26に移り,噴油孔28から噴出して,動弁機構10を上部から潤滑する。
【0017】
またシリンダブロック2後端面の上下方向溝21に流入したオイルの一部は,その溝21の途中からクランクケース1の右方のジャーナル支持壁1bの後向き油路28に向かい,クランク軸5周りの潤滑に供される。
【0018】
さて,図6及び図7を参照しながらクランク軸5の構成について詳細に説明する。
【0019】
クランク軸5は,左右の前記ベアリング6a,6bを介してクランクケース1の左右のジャーナル支持壁1a,1bに支承される一対のクランクジャーナル5ja,5jbと,これらクランクジャーナル5ja,5jbの相対向する端部に一体に形成されて半径方向外方に延びる一対のクランクウェブ5wa,5wbとを備える。それらクランクウェブ5wa,5wbの先端部には,クランクジャーナル5ja,5jbと平行な連結孔30がそれぞれ穿設されており,これら連結孔30にクランクピン5の両端部が圧入される。こうして両クランクウェブ5wa,5wbはクランクピン5により互いに一体的に連結される。クランクピン5には,連結孔30への圧入に先立って,その外周にコンロッド7の大端部7aがニードルベアリング31を介して嵌装される。
【0020】
またクランクピン5には,軽量化と給油のための孔32が予め穿設される。この孔32の中心C3は,クランクジャーナル5ja,5jb及びクランクピン5の両中心C1,C2を通るY軸からクランクピン5の公転方向R前側に距離eオフセットし,且つクランクピン5の中心C2でY軸に直交するX軸から反クランクジャーナル5ja,5jb側,即ちクランクジャーナル5ja,5jbから離れる方向へ距離e′オフセットするように配置される。この孔32は,この孔32の内側にクランクピン5pの中心C2を含むように大きく形成される。そして,孔32の中心C3及びクランクピン5の中心C2を通る直線L上でクランクピン5の薄肉部33に,孔32をコンロッド7の大端部7a内周面に連通する給油孔34が穿設される。
【0021】
孔32は,クランクピン5の一端面に開口しており,その開口側のクランクウェブ5wbの外側面には,クランクピン5より半径方向外方に延びる環状の取り付け凹部35が形成され,この取り付け凹部35にオイル受け渡し板36がかしめて固着される。このオイル受け渡し板36は環状且つ皿状をなしていて,孔32の開口部の一部を覆うように配置される。
【0022】
一方,前記後向き油路28を持ったジャーナル支持壁1bには,クランクピン5側に突出してオイル受け渡し板36に囲繞される筒状小突起37が形成され,また該ジャーナル支持壁1bの,ボールベアリング6bのアウタレースを保持する内周面には,前記後向き油路28を筒状小突起37の内周側に連通する軸方向油溝38が設けられる。
【0023】
次に,この実施例の作用について説明する。
【0024】
エンジンEの運転中,オイルポンプ15から吐出されてジャーナル支持壁1bの後向き油路28を通過したオイルは,軸方向油溝38を経てオイル受け渡し板36の内側に流入し,そこからクランクピン5の孔32に移って,遠心力の作用により給油孔34から噴出して,ニードルベアリング31やコンロッド7の大端部7a内周面を潤滑する。
【0025】
ところで,クランクピン5の孔32の中心C3は,前述のように,クランクジャーナル5ja,5jb及びクランクピン5の両中心C1,C2を通るY軸からクランクピン5の公転方向R前側と,クランクピン5の中心C2でY軸に直交するX軸から反クランクジャーナル5ja,5jb側とにオフセット配置されるから,ピストン8が上死点に来て,ピストン8からコンロッド7を介してクランクピン5に爆発荷重が加わるとき,その爆発荷重は,クランクピン5の最薄肉部からずれた場所に作用することになり,しかも膨張行程が進行するにつれて爆発荷重が作用する点でのクランクピン5の肉厚は増加して行くので,クランクピン5の強度は高く,その耐久性の向上を図ることができる。
【0026】
また孔32の中心C3がX軸から反クランクジャーナル5ja,5jb側にオフセットしていること,並びにクランクピン5の薄肉部33に給油孔34が設けられることで,クランクピン5の重心は,該ピン5pの中心C2よりクランクジャーナル5ja,5jb寄りに位置することになり,したがってクランクピン5の,クランクジャーナル5ja,5jbの中心C1に関する慣性モーメントは,孔32と同径の孔をクランクピン5の中心C2に配置したものに比して小さくなるから,エンジンEの加速性の向上に寄与し得る。
【0027】
しかも給油孔34のクランクジャーナル5ja,5jb中心までの回転半径は大きいので,該給油孔34では遠心力がオイルに効果的に作用して,コンロッド7の大端部7a内周面等の潤滑を良好に行うことができる。
【0028】
またクランク軸5は,クランクピン5を,相対向するウェブ5wa,5wbの連結孔30に圧入して構成される組立式であるから,クランクピン5の圧入位置を調整することにより,クランクピン5の孔32の中心C3のY軸及びX軸に対するオフセット量や給油孔34の位相を自由に設定することができ,汎用性を高めることができる。
【0029】
次に,図8及び図9により本発明の第2実施例について説明する。
【0030】
この第2実施例のクランク軸5は,クランクジャーナル5ja,5jb,クランクウェブ5wa,5wb及びクランクピン5を鍛造等により一体に成形されており,それに伴ないクランクピン5にメタルベアリング31′を介して支承されるコンロッド7の大端部7aは二つ割り構造になっている。
【0031】
上記クランクピン5に,その中心線と平行に穿設される孔32は,X軸上でY軸からクランクピン5の公転方向R前側に距離eオフセットして配置される。またクランクピン5には,上記孔32をコンロッド7の大端部7a内周面に連通する給油孔34′がクランクピン5を横断するように穿設され,その際,給油孔34′は,X軸から反クランクジャーナル5ja,5jb側にオフセットして配置される。
【0032】
その他の構成は前実施例と同様であるので,図8及び図9中,前実施例との対応部分には同一の参照符号を付して,その説明を省略する。
【0033】
この第2実施例によれば,クランクピン5における孔32の存在にも拘らず,エンジンの膨張行程中,爆発荷重が作用する点でのクランクピン5の肉厚を充分に厚くすることが可能となり,クランクピン5の強度を,より高めて,その耐久性の更なる向上を図ることができる。
【0034】
しかも上記孔32がX軸上に位置していても,給油孔34′がX軸から反クランクジャーナル5ja,5jb側にオフセットしてクランクピン5に設けられるので,この場合も,クランクピン5の重心は,該ピン5pの中心C2よりクランクジャーナル5ja,5jb寄りに位置することになり,したがってクランクピン5の,クランクジャーナル5ja,5jbの中心C1に関する慣性モーメントが小さくなるから,エンジンEの加速性の向上に寄与し得る。
【0035】
最後に,図10により本発明の第3実施例について説明する。
【0036】
この第3実施例は,クランクピン5に,その中心線と平行に穿設される孔32を,X軸上でY軸からクランクピン5の公転方向R前側に距離eオフセット配置した点では,上記第2実施例と変わりがないが,その孔32を,クランクピン5の所定の強度を確保しつゝ第2実施例の孔32より大径に形成した点で相違する。即ち,クランクピン5pの中心C2に,爆発荷重に耐え得る最小肉厚をクランクピン5に与える大きさの孔032を穿設した場合を考慮する。その最小肉厚を確保しながら,その中心孔032より前記オフセット孔32を大径に形成するために,オフセット孔32を,その円周がX軸と中心孔032の円周との交点を通るように形成したのである。
【0037】
その他の構成は第2実施例と同様であるので,図10中,第2実施例と対応する部分には同一の参照符号を付して,その説明を省略する。
【0038】
この第3実施例によれば,クランクピン5の強度を低下させることなくオフセット孔32の大径化を可能にして,軽量化を図ることができ,その分,クランクピン5の,クランクジャーナル5ja,5jbの中心C1に関する慣性モーメントも小さくなるから,エンジンEの加速性の向上に寄与し得る。
【0039】
本発明は上記実施例に限定されるものではなく,その要旨を逸脱しない範囲で種々の設計変更が可能である。
【0040】
【発明の効果】
以上のように本発明の第1の特徴によれば,クランクケースに支承されるクランクジャーナルと,このクランクジャーナルの端部から半径方向外方に延びるクランクウェブと,このクランクウェブの先端部からクランクジャーナルと平行に延びてコンロッドの大端部を支承するクランクピンとからなり,クランクピンには,その中心線と平行に延びる孔を穿設した,エンジンのクランク軸において,前記孔を,その中心クランクジャーナル及びクランクピンの両中心を通るY軸からクランクピンの公転方向前側にオフセットし,更にクランクピンの中心で前記Y軸に直交するX軸から反クランクジャーナル側にもオフセットするように形成すると共に,クランクピンの中心が該孔内に含まれるように大きく形成し,この孔を,オイルポンプの吐出側に連通すると共に,この孔の中心及びクランクピンの中心を通る直線上でクランクピンの薄肉部に穿設した給油孔を介してコンロッドの大端部内周面に連通し,更に,クランクジャーナルにクランクウェブを一体に形成し,そのクランクウェブに設けられた連結孔に前記クランクピンを圧入し,その圧入位置により前記孔及び給油孔の位置を設定したので,エンジンの膨張行程でピストンからコンロッドを介してクランクピンに爆発荷重が加わるとき,その爆発荷重は,クランクピンの最薄肉部からずれた箇所に作用することになり,しかも膨張行程が進行するにつれて爆発荷重が作用する点でのクランクピンの肉厚は増加して行くことになるから,クランクピンの強度は高く,その耐久性の向上を図ることができる。また前記孔の上記オフセット配置により,該孔の大径化が可能となり,クランクピンの軽量化,延いてはクランクピンの,クランクジャーナル中心に関する慣性モーメントの減少をもたらし,エンジンの加速性の向上に寄与し得る。さらに前記孔の中心のY軸及びX軸に対する上記オフセットと,クランクピンの薄肉部への給油孔の穿設とにより,クランクピンの重心は,該ピンの中心よりクランクジャーナル寄りに位置することになり,したがってクランクピンの,クランクジャーナル中心に関する慣性モーメントを減少させてエンジンの加速性の向上に寄与し得る。しかも前記孔を,コンロッドの大端部内周面の潤滑のためのオイル孔に利用することができるばかりでなく,前記給油孔のクランクジャーナル中心までの回転半径は大きいので,該給油孔では遠心力がオイルに効果的に作用して,コンロッドの大端部内周面の潤滑を良好に行うことができる。また,クランクピンの圧入位置を調整することにより,クランクピンの孔の中心のY軸及びX軸に対するオフセット量や給油孔の位相を自由に設定することができ,汎用性を高めることができる。
【0041】
また本発明の第の特徴によれば,クランクケースに支承されるクランクジャーナルと,このクランクジャーナルの端部から半径方向外方に延びるクランクウェブと,このクランクウェブの先端部からクランクジャーナルと平行に延びてコンロッドの大端部を支承するクランクピンとからなり,クランクピンには,その中心線と平行に延びる孔を穿設し,前記孔の中心を,クランクジャーナル及びクランクピンの両中心を通るY軸からクランクピンの公転方向前側にオフセットしたエンジンのクランク軸において,前記孔の中心を,クランクピンの中心で前記Y軸に直交するX軸上に配置したので,前記孔の中心をY軸からクランクピンの公転方向前側にオフセットしたことで,クランクピンの強度は高く,その耐久性の向上を図ることができるとともに,該孔の大径化が可能となり,クランクピンの軽量化,延いてはクランクピンの,クランクジャーナル中心に関する慣性モーメントの減少をもたらし,エンジンの加速性の向上に寄与し得るばかりでなく,クランクピンにおける孔の存在にも拘らず,エンジンの膨張行程中,爆発荷重が作用する点でのクランクピンの肉厚を充分に厚くすることが可能となり,クランクピンの強度を,より高めて,その耐久性の更なる向上を図ることができる。
【0042】
さらにまた本発明の第の特徴によれば,第の特徴に加えて,前記孔を,オイルポンプの吐出側に連通すると共に,前記X軸から反クランクジャーナル側にオフセットした位置でクランクピンに穿設した給油孔を介してコンロッドの大端部内周面に連通したので,上記孔がX軸上に位置していても,クランクピンの重心は,該ピンの中心よりクランクジャーナル寄りに位置することになり,したがってクランクピンの,クランクジャーナル中心に関する慣性モーメントは減少して,エンジンの加速性の向上を図ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の第1実施例に係るクランク軸を備えた自動二輪車用エンジンの縦断直線図
【図2】 図1の2−2の断面図
【図3】 図2の3−3線断面図
【図4】 図3の4−4線断面図
【図5】 図3の5−5線断面図
【図6】 図1の6部拡大図
【図7】 図6の7−7線断面図
【図8】 本発明の第2実施例を示す,図6との対応断面図
【図9】 図8の9−9線断面図
【図10】 本発明の第3実施例を示す,図9との対応断面図
【符号の説明】
C1・・・・クランクジャーナルの中心
C2・・・・クランクピンの中心
C3・・・・クランクピンの孔の中心
E・・・・・エンジン
L・・・・・直線
R・・・・・クランクピンの公転方向
1・・・・・クランクケース
5・・・・・クランク軸
5ja,5jb・・・クランクジャーナル
5p・・・・クランクピン
5wa,5wb・・・クランクウェブ
7・・・・・コンロッド
7a・・・・大端部
30・・・・連結孔
32・・・・クランクピンの孔
33・・・・クランクピンの薄肉部
34,34′・・・給油孔

Claims (3)

  1. クランクケース(1)に支承されるクランクジャーナル(5ja,5jb)と,このクランクジャーナル(5ja,5jb)の端部から半径方向外方に延びるクランクウェブ(5wa,5wb)と,このクランクウェブ(5wa,5wb)の先端部からクランクジャーナル(5ja,5jb)と平行に延びてコンロッド(7)の大端部 (7a)を支承するクランクピン(5p)とからなり,クランクピン(5p)には,その中心線と平行に延びる孔(32)を穿設した,エンジンのクランク軸において,
    前記孔(32)を,その中心(C3)クランクジャーナル(5ja,5jb)及びクランクピン(5p)の両中心(C1,C2)を通るY軸からクランクピン(5p)の公転方向(R)前側にオフセットし,更にクランクピン(5p)の中心(C2)で前記Y軸に直交するX軸から反クランクジャーナル(5ja,5jb)側にもオフセットするように配置すると共に,この孔(32)を,これがクランクピン(5p)の中心(C2)を含むように大きく形成し,
    この孔(32)を,オイルポンプ(15)の吐出側に連通すると共に,この孔(32)の中心(C3)及びクランクピン(5p)の中心(C2)を通る直線(L)上でクランクピン(5p)の薄肉部(33)に穿設した給油孔(34)を介してコンロッド(7)の大端部(7a)内周面に連通し,更に,クランクジャーナル(5ja,5jb)にクランクウェブ(5wa,5wb)を一体に形成し,そのクランクウェブ(5wa,5wb)に設けられた連結孔(30)に前記クランクピン(5p)を圧入し,その圧入位置により前記孔(32)及び給油孔(34)の位置を設定したことを特徴とする,エンジンのクランク軸。
  2. クランクケース(1)に支承されるクランクジャーナル(5ja,5jb)と,このクランクジャーナル(5ja,5jb)の端部から半径方向外方に延びるクランクウェブ(5wa,5wb)と,このクランクウェブ(5wa,5wb)の先端部からクランクジャーナル(5ja,5jb)と平行に延びてコンロッド(7)の大端部 (7a)を支承するクランクピン(5p)とからなり,クランクピン(5p)には,その中心線と平行に延びる孔(32)を穿設し,前記孔(32)の中心(C3)を,クランクジャーナル(5ja,5jb)及びクランクピン(5p)の両中心(C1,C2)を通るY軸からクランクピン(5p)の公転方向(R)前側にオフセットしたエンジンのクランク軸において,
    前記孔(32)の中心(C3)を,クランクピン(5p)の中心(C2)で前記Y軸に直交するX軸上に配置したことを特徴とする,エンジンのクランク軸。
  3. 請求項記載のエンジンのクランク軸において,
    前記孔(32)を,オイルポンプ(15)の吐出側に連通すると共に,前記X軸から反クランクジャーナル(5ja,5jb)側にオフセットした位置でクランクピン(5p)に穿設した給油孔(34′)を介してコンロッド(7)の大端部(7a)内周面に連通したことを特徴とする,エンジンのクランク軸。
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