JP4057194B2 - 放射線画像情報読取装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は放射線画像情報読取装置に関し、詳細には蓄積性蛍光体シートから発光する輝尽発光光をラインセンサにより読み取る放射線画像情報読取装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
放射線を照射するとこの放射線エネルギーの一部が蓄積され、その後、可視光やレーザ光等の励起光を照射すると蓄積された放射線エネルギーに応じて輝尽発光を示す蓄積性蛍光体(輝尽性蛍光体)を利用して、支持体上に蓄積性蛍光体を積層してなるシート状の蓄積性蛍光体シートに人体等の被写体の放射線画像情報を一旦蓄積記録したものに、レーザ光等の励起光を画素ごとに偏向走査して各画素から順次輝尽発光光を生じせしめ、得られた輝尽発光光を光電読取手段により光電的に順次読み取って画像信号を得、一方この画像信号読取り後の蓄積性蛍光体シートに消去光を照射して、このシートに残留する放射線エネルギーを放出せしめる放射線画像記録再生システムが広く実用に供されている。
【0003】
このシステムにより得られた画像信号には観察読影に適した階調処理や周波数処理等の画像処理が施され、これらの処理が施された後の画像信号は診断用可視像としてフイルムに記録され、または高精細のCRTに表示されて医師等による診断等に供される。一方、上記消去光が照射された残留放射線エネルギーが放出された蓄積性蛍光体シートは再度放射線画像情報の蓄積記録が可能となり、繰り返し使用可能とされる。
【0004】
ここで、上述した放射線画像記録再生システムに用いられる放射線画像情報読取装置においては、輝尽発光光の読取り時間の短縮化、装置のコンパクト化およびコスト低減の観点から、励起光源として、シートに対して線状に励起光を照射するライン光源を使用し、光電読取手段として、ライン光源により励起光が照射されたシートの線状の部分の長さ方向に沿って多数の光電変換素子が配列されたラインセンサを使用するとともに、上記ライン光源およびラインセンサをシートに対して相対的に、上記線状の部分の長さ方向に略直交する方向に移動する走査手段を備えた構成が提案されている(特開昭60−111568号、同60−236354号、特開平1−101540号等)。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、図6(1)に示す、シート50から線状(紙面を貫通する方向に延びる線状)に発光する輝尽発光光Mのビーム幅(線幅)をdM とすると、その線幅方向の発光強度分布は同図(2),(3)に示すものとなり、この輝尽発光光Mを、各光電変換素子の受光幅dP がこの線幅dM に満たないラインセンサ(同図(2)参照)により集光すれば集光効率が低く、一方、各光電変換素子の受光幅dP がこの線幅dM に略一致するラインセンサ(同図(3)参照)により集光すれば集光効率は向上するが、1画素サイズが大きいため解像度が低下するという問題がある(線の延びる方向の長さよりも線幅方向の長さが長い矩形のものであっても同様である)。
【0006】
なお、輝尽発光光Mの発光強度分布が同図(2),(3)に示すものとなるのは、シート50に入射するまでに励起光Lの線幅が広がるため、並びに図3(1),(2)に示すように、シート50内部に入射した線幅dL (<dM )の励起光Lがシート50内部で散乱するため、およびシート50の内部において発光した輝尽発光光Mがシート50の表面から出射するまでの間にシート50内部で散乱するためである。
【0007】
本発明は上記事情に鑑みなされたものであって、所望とする解像度を確保しつつ輝尽発光光の集光効率を向上させることを可能にした放射線画像情報読取記録装置を提供することを目的とするものである。
【0008】
【課題を解決するための手段】
本発明の放射線画像情報読取装置は、縦横方向ともに複数の光電変換素子が配設されたラインセンサによって、シートの線状部分から発光する輝尽発光光を検出し、走査位置ごとの各光電変換素子の出力を、蓄積性蛍光体シートの部位に対応させて演算処理することにより、集光効率を高めたものである。
【0009】
すなわち本発明の放射線画像情報読取装置は、放射線画像情報が蓄積記録された蓄積性蛍光体シートの一部に励起光を線状に照射するライン光源と、前記シートの線状に照射された部分またはこの照射された部分に対応するシートの裏面側の部分から発光された輝尽発光光を受光して光電変換を行う、該部分の長さ方向(長軸方向)およびこれに直交する方向(短軸方向)にそれぞれ複数の光電変換素子が配設されたラインセンサと、前記ライン光源および前記ラインセンサを前記シートに対して相対的に、前記長さ方向とは異なる方向に移動させる走査手段と、前記ラインセンサの出力を前記移動に応じて順次読み取り、前記走査手段により移動された各位置ごとにおける前記各光電変換素子の出力を、前記シートの部位を対応させて演算処理する演算手段を有する読取手段とを備えたことを特徴とするものである。
【0010】
ラインセンサとしては、アモルファスシリコンセンサ、CCDセンサ、バックイルミネータ付きのCCD、MOSイメージセンサ等を適用することができる。この場合、ラインセンサとしては、複数のセンサチップ(CCDチップ、MOSイメージセンサチップ等)を、線状の長さ方向に、直線状或いは千鳥状に配列してなるものを使用することができる。センサチップの夫々は、縦方向および横方向に夫々複数の光電変換素子を、マトリックス状やジグザグ状(千鳥状)に配設してなるものとすることができる。
【0011】
ライン光源としては、蛍光灯、冷陰極蛍光灯、LEDアレイ等を適用することができる。またライン光源は、上述した蛍光灯等のように光源自体がライン状であるものだけではなく、出射された励起光がライン状とされるものであってもよく、ブロードエリアレーザなども含まれる。ライン光源から出射される励起光は、連続的に出射されるものであってもよいし、出射と停止を繰り返すパルス状に出射されるパルス光であってもよいが、ノイズ低減の観点から、高出力のパルス光であることが望ましい。
【0012】
またライン光源から出射された励起光による蓄積性蛍光体シート上の照射領域の長軸方向の長さが、蓄積性蛍光体シートの一辺よりも長いことまたは同等であることが望ましく、この場合、励起光をシートの辺に対して傾斜させて照射するようにしてもよい。
【0013】
ここで、光源から出射された励起光の、シート上における集光度を向上させるために、シリンドリカルレンズ、スリット、セルフォックレンズ(ロッドレンズ)アレイ、蛍光導光シート、光ファイバ束等、またはこれらの組合せを、光源とシートとの間に配設するのが望ましい。蛍光導光シートは、蓄積性蛍光体シートの最適な2次励起波長が 600nm前後であるときは、蛍光体の付活剤がEu3+(発光中心)であり硝子または高分子の媒体であるものが望ましい。
【0014】
なお、上記光源から出射された励起光のシート上における光線幅は10〜4000μmとするのが適切である。
【0015】
また、シートの各部分から発光された輝尽発光光の、ラインセンサ上における集光度を高めるために、物体面と像面とが1対1に対応する結像系で構成されているセルフォックレンズ(登録商標;以下省略)アレイやロッドレンズアレイ等の屈折率分布形レンズアレイ、シリンドリカルレンズ、スリット、光ファイバ束等、またはこれらの組合せを、シートとラインセンサとの間に配設するのが望ましい。
【0016】
さらに、シートとラインセンサとの間に、輝尽発光光を透過させるが励起光を透過させない励起光カットフィルタ(シャープカットフィルタ、バンドパスフィルタ)を設けて、ラインセンサに励起光が入射するのを防止するのが好ましい。
【0017】
ラインセンサを構成する多数の光電変換素子の各々の受光面の大きさは、励起光により上述した光線幅で照射されたシートから発せられる輝尽発光光の、当該ラインセンサの受光面における光線幅より小さく設定されており、この光線の長さ方向(長軸方向)および光線幅方向(短軸方向)にそれぞれ複数の光電変換素子が配設されて、ラインセンサ全体として、光線長さと略同等またはこれよりも長く設定され、かつ光線幅と略同等の幅に設定されている。なお、これら複数の光電変換素子は、長軸方向および短軸方向のいずれの方向についても1直線状に並ぶマトリックス状の配列であるものに限るものではなく、長軸方向には1直線状に並ぶが短軸方向はジグザグ状に並ぶ配列や、短軸方向には1直線状に並ぶが長軸方向はジグザグ状に並ぶ配列、両軸方向ともにジグザグ状に並ぶ配列により配設されたものであってもよい。
【0018】
なお、光電変換素子の数を、転送レートによる影響が生じる程に増大させた構成においては、各光電変換素子に対応するメモリ素子を設けて、各光電変換素子に蓄積した電荷を一旦各メモリ素子に記憶させ、次の電荷蓄積期間中に、各メモリ素子から電荷を読み出すことで、電荷の転送時間増大による電荷蓄積時間の短縮化を回避する構成とすればよい。
【0019】
また、ラインセンサの長軸方向における光電変換素子の配列数は1000以上であることが望ましく、ラインセンサの長さは、その受光面において、シートの一辺よりも長いもの又は同等のものであることが望ましい。
【0020】
なお、走査手段による、ライン光源およびラインセンサをシートに対して相対的に移動させる方向(これらの長さ方向とは異なる方向)とは、これらの長さ方向に略直交する方向、すなわち短軸方向であることが望ましいが、この方向に限るものではなく、例えば上述したように、ライン光源やラインセンサをシートの一辺よりも長いものとした構成においては、シートの略全面に亘って均一に励起光を照射することができる範囲内で、ライン光源およびラインセンサの長さ方向に略直交する方向から外れた斜め方向に移動させるものであってもよいし、例えばジグザグ状に移動方向を変化させて移動させるものであってもよい。
【0021】
また、ライン光源とラインセンサとは、シートの同一面側に配置される構成であってもよいし、互いに反対の面側に別個に配置される構成であってもよい。ただし、別個に配置される構成を採用する場合は、シートの、励起光が入射した面とは反対の面側に輝尽発光光が透過するように、シートの支持体等を、輝尽発光光透過性のものとすることが必要である。
【0022】
演算処理とは、具体的には単純加算処理、重み付け加算処理またはその他種々の演算処理を適用することができる。したがって、単純加算処理や重み付け加算処理を行うものについては、演算手段として加算手段を適用すればよい。
【0023】
【発明の効果】
本発明の放射線画像情報読取装置によれば、ラインセンサが、シートから発光する線状の輝尽発光光の長さ方向およびこれに直交する方向にそれぞれ複数の光電変換素子が配設されて構成されているため、個々の光電変換素子の受光幅が輝尽発光光の線幅(光電変換素子の受光面における線幅)より短くとも、ラインセンサ全体として、輝尽発光光の線幅の略全幅に亘って受光することができるため受光効率を高めることができる。そして、走査手段によりシートまたはセンサが移動された各位置ごとにおける各光電変換素子の出力を、演算手段がシートの部位を対応させて加算処理等の演算処理を行うことにより、シートの各部位ごとの集光効率を高めることができる。しかも、各光電変換素子の受光幅を長くして受光サイズを拡大するものではないため、解像度が低下することはなく、所望とする解像度を確保することができる。
【0024】
また、ラインセンサとして、複数のセンサチップを配列することによって製造されたものとすれば、ラインセンサの製造が容易となり製造の歩留まりも向上し、コストダウンを図ることができる。また、特にセンサチップをジグザグ状(千鳥状)に配設すれば、センサチップが配設されない空き領域を設けることができ、この空き領域に画素ずれ補正のための回路等の電気回路や、その他のものを配設することができるので便利である。
【0025】
なお、本発明の放射線画像情報読取装置は、ラインセンサではない光電読取手段を用いた従来の放射線画像情報読取装置に対して、光電読取手段としてラインセンサを用いた構成を採用したことにより、輝尽発光光の読取り時間の短縮化、装置のコンパクト化および機械的な走査光学部品等削減によるコスト低減を計ることもできる。
【0026】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の放射線画像情報読取装置の具体的な実施の形態について図面を用いて説明する。
【0027】
図1(1)は本発明の放射線画像情報読取装置の一実施形態を示す斜視図、同図(2)は(1)に示した放射線画像情報読取装置のI−I線断面を示す断面図、図2は図1に示した読取装置のラインセンサ20の詳細構成を示す図である。
【0028】
図示の放射線画像情報読取装置は、放射線画像情報が蓄積記録された蓄積性蛍光体シート(以下、シートという)50を載置して矢印Y方向に搬送する走査ベルト40、線幅略 100μmの線状の2次励起光(以下、単に励起光という)Lをシート50表面に略平行に発するブロードエリアレーザ(以下、BLDという)11、BLD11から出射された線状の励起光Lを集光するコリメータレンズおよび一方向にのみビームを拡げるトーリックレンズの組合せからなる光学系12、シート50表面に対して45度の角度だけ傾けて配された、励起光Lを反射し後述する輝尽発光光Mを透過するように設定されたダイクロイックミラー14、ダイクロイックミラー14により反射された線状の励起光Lを、シート50上に矢印X方向に沿って延びる線状(線幅略 100μm)に集光するとともに、線状の励起光Lが集光されてシート50から発せられる、蓄積記録された放射線画像情報に応じた輝尽発光光Mを平行光束とする屈折率分布形レンズアレイ(多数の屈折率分布形レンズが配列されてなるレンズであり、以下、第1のセルフォックレンズアレイという)15、およびこの第1のセルフォックレンズアレイ15により平行光束とされ、ダイクロイックミラー14を透過した輝尽発光光Mを、後述するラインセンサ20を構成する各光電変換素子21の受光面に集光させる第2のセルフォックレンズアレイ16、第2のセルフォックレンズアレイ16を透過した輝尽発光光Mに僅かに混在する、シート50表面で反射した励起光Lをカットし輝尽発光光Mを透過される励起光カットフィルタ17、励起光カットフィルタ17を透過した輝尽発光光Mを受光して光電変換する多数の光電変換素子21が配列されたラインセンサ20、およびラインセンサ20を構成する各光電変換素子21から出力された信号を、シート50の部位を対応させて加算処理する加算手段31を有し、この加算処理された画像信号を出力する画像情報読取手段30を備えた構成である。
【0029】
第1のセルフォックレンズアレイ15は、ダイクロイックミラー14上において、シート50上の輝尽発光光Mの発光域を1対1の大きさで結像する像面とする作用をなし、第2のセルフォックレンズアレイ16は、光電変換素子21の受光面において、ダイクロイックミラー14上における輝尽発光光Mの像を1対1の大きさで結像する像面とする作用をなす。
【0030】
また、コリメータレンズとトーリックレンズからなる光学系12は、BLD11からの励起光Lをダイクロイックイックミラー14上に所望の照射域に拡大する。
【0031】
ラインセンサ20は詳しくは、図2に示すように、矢印X方向に沿って多数(例えば1000個以上)の光電変換素子21が配列されるとともに、この矢印X方向に延びた光電変換素子21の列が、シート50の搬送方向(矢印Y方向)に3列連設されて構成されている。また、ラインセンサ20を構成するこれら多数の光電変換素子21はそれぞれ、縦 100μm×横 100μm程度の大きさの受光面を有しており、この大きさは、シート50の表面における縦 100μm×横 100μm程度の大きさ部分から発光する輝尽発光光Mを受光する大きさである。なお、光電変換素子21としては具体的には、アモルファスシリコンセンサ、CCDセンサまたはMOSイメージセンサなどを適用することができる。
【0032】
次に本実施形態の放射線画像情報読取装置の作用について説明する。
【0033】
まず、走査ベルト40が矢印Y方向に移動することにより、この走査ベルト40上に載置された、放射線画像情報が蓄積記録されたシート50を矢印Y方向に搬送する。このときのシート50の搬送速度はベルト40の移動速度に等しく、ベルト40の移動速度は加算手段31に入力される。
【0034】
一方、BLD11が、線幅略 100μmの線状の励起光Lを、シート50表面に対して略平行に出射し、この励起光Lは、その光路上に設けられたコリメータレンズおよびトーリックレンズからなる光学系12により平行ビームとされ、ダイクロイックミラー14により反射されてシート50表面に対して垂直に入射する方向に進行され、第1のセルフォックレンズ15により、シート50上に矢印X方向に沿って延びる線状(線幅dL 略 100μm)に集光される(図3(1)参照)。
【0035】
シート50に入射した線状の励起光Lは、その集光域(線幅dL 略 100μm)の蓄積性蛍光体を励起するとともに集光域からシート50内部に入射して集光域の近傍部分に拡散し、集光域の近傍部分(線幅dM )の蓄積性蛍光体も励起する。この結果、シート50の集光域およびその近傍(線幅dM )から、蓄積記録されている放射線画像情報に応じた強度の輝尽発光光Mが発光され(同図(2)参照)、その線幅方向における強度分布は同図(3)に示すものとなる。
【0036】
シート50の線幅dM の部分から発光した輝尽発光光Mは、第1のセルフォックレンズ15により平行光束とされ、ダイクロイックミラー14を透過し、第2のセルフォックレンズアレイ16により、ラインセンサ20を構成する各光電変換素子21の受光面に集光される。この際、第2のセルフォックレンズアレイ16を透過した輝尽発光光Mに僅かに混在する、シート50表面で反射した励起光Lが、励起光カットフィルタ17によりカットされる。
【0037】
ここで、ラインセンサ20の受光面上における、光電変換素子21のサイズと輝尽発光光Mの分布との関係は図2に示すように、シート50の表面における光線幅dM が、矢印Y方向における3列分の光電変換素子21の幅(幅略 300μm)に対応するものとされている。
【0038】
ラインセンサ20は、各光電変換素子21により受光された輝尽発光光Mを光電変換して、光電変換して得られた各信号Qは加算手段31に入力される。
【0039】
加算手段31は、走査ベルト40の移動速度に基づいて、シート50の各部位に対応して設けられたメモリ領域に、対応する各光電変換素子21からの信号Qを累積して記憶させる。
【0040】
この作用を以下、図4および5を用いて詳細に説明する。なお、本実施形態においては説明を簡単化するために、シート50表面上における輝尽発光光Mの線幅dM とラインセンサ20の受光面上における輝尽発光光Mの線幅dM とが一致するように、シート50とラインセンサ20間に配設された光学系を設定したが、シート50表面上における輝尽発光光Mの線幅dM とラインセンサ20の受光面上における輝尽発光光Mの線幅dM とが必ずしも一致するものに限定されるものではなく、両者の間の対応関係に応じてラインセンサ20を構成する各光電変換素子21のサイズや線幅方向の列数を設定すればよい。
【0041】
まず、図4(1)に示すように、シート50の搬送方向(矢印Y方向)先端部S1に蛍光Lが集光された状態においては、励起光Lの広がりによりシート50の先端部S1だけでなく、前述したようにその近傍領域S2からも同図の発光分布曲線に示すような輝尽発光光Mが発光する。シート50の部位S1から生じた輝尽発光光Mの光量はQ2であり、この光量Q2の輝尽発光光Mは、シート50の部位S1に対応する光電変換素子列20B(図2参照)の光電変換素子21により受光され、シート50の部位S2から生じた輝尽発光光Mの光量はQ3であり、この光量Q3の輝尽発光光Mは、シート50の部位S2に対応する光電変換素子列20Cの光電変換素子21により受光される。
【0042】
光電変換素子21(20B列)は受光した光量Q2の輝尽発光光Mを電荷Q′2に光電変換して、これを加算手段31に転送する。加算手段31は光電変換素子21(20B列)から転送された電荷Q′2を、走査ベルト40の走査速度に基づいて、シート50の部位S1に対応するメモリに記憶させる(図5参照)。同様に、光電変換素子21(20C列)は受光した光量Q3の輝尽発光光Mを電荷Q′3に光電変換して、これを加算手段31に転送し、加算手段31は転送された電荷Q′3を、シート50の部位S2に対応するメモリに記憶させる。
【0043】
次いでシート50が搬送されて、図4(2)に示すように、シート50の部位S2に蛍光Lが集光された状態においては、前述と同様の作用により、シート50の部位S2を中心としてその近傍部位S1およびS3からも輝尽発光光Mが生じ、部位S1から光量Q4、部位S2から光量Q5、部位S3から光量Q6の各輝尽発光光Mが生じ、各輝尽発光光Mはそれぞれ対応する光電変換素子21(20A列),21(20B列),21(20C列)により受光される。
【0044】
各光電変換素子21(20A列),21(20B列),21(20C列)は受光した輝尽発光光Mをそれぞれ電荷Q′4,Q′5,Q′6に変換してそれぞれ加算手段31に転送する。
【0045】
加算手段31は各光電変換素子(20A列),21(20B列),21(20C列)からそれぞれ転送された電荷Q′4,Q′5,Q′6を、走査ベルト40の走査速度に基づいて、シート50の部位S1,S2,S3に対応するメモリに加算して記憶させる。
【0046】
以下、シート50が搬送されて図4(3)に示すようにシート50の部位S3に蛍光Lが集光された状態において各光電変換素子21(20A列),21(20B列),21(20C列)からそれぞれ転送された電荷Q′7,Q′8,Q′9も同様の作用により、シート50の部位S2,S3,S4に対応するメモリに加算して記憶される。
【0047】
以上と同様の作用を、シート50の搬送位置ごとに繰り返すことにより、加算手段31の、シート50の各部位に対応するメモリには、図5に示すように、シート50の搬送位置ごとに受光した輝尽発光光Mの総和が記憶される。
【0048】
そして、このメモリに記憶された信号が画像情報読取手段30から、外部の画像処理装置等に出力されて、診断画像の再生に供される。
【0049】
このように本実施形態の放射線画像情報読取装置によれば、輝尽発光光の線幅dM (光電変換素子の受光面における線幅)より短い受光幅dP (<dM )の光電変換素子を用いることにより所望とする解像度を確保しつつ、ラインセンサ全体として、輝尽発光光の線幅の略全幅に亘って受光することができるため受光効率を高めることができる。そして、走査ベルトによりシートが移動された各位置ごとにおける各光電変換素子の出力を、加算手段がシートの部位を対応させて加算処理することにより、シートの各部位ごとの集光効率を高めることができる。
【0050】
なお、本発明の放射線画像情報読取装置は上述した実施形態に限るものではなく、光源、光源とシートとの間の集光光学系、シートとラインセンサとの間の光学系、ラインセンサ、または加算手段として、公知の種々の構成を採用することができる。また、画像情報読取手段から出力された信号に対して種々の信号処理を施す画像処理装置をさらに備えた構成や、励起が完了したシートになお残存する放射線エネルギを適切に放出せしめる消去手段をさらに備えた構成を採用することもできる。
【0051】
また本実施形態におけるラインセンサ20は図2に示すように、光電変換素子21が、ラインセンサ20の長さ方向(長軸方向)および長軸方向に直交する方向(短軸方向)のいずれの方向についても1直線状に並ぶマトリックス状に配列された構成のものを示したが、本発明の放射線画像情報読取装置に用いられるラインセンサはこのような実施形態のものに限るものではなく、図7(1)に示すように、長軸方向(矢印X方向)には1直線状に並ぶが短軸方向(矢印Y方向)はジグザグ状に並ぶ配列や、同図(2)に示すように、短軸方向には1直線状に並ぶが長軸方向はジグザグ状に並ぶ配列により配設されたものであってもよい。
【0052】
さらにまた、上述した実施形態の放射線画像情報読取装置は、励起光Lの光路と輝尽発光光Mの光路とが一部において重複するような構成を採用して、装置の一層のコンパクト化を図るものとしたが、このような構成に限るものではなく、例えば図8に示すように、励起光Lの光路と輝尽発光光Mの光路とが全く重複しない構成を適用することもできる。
【0053】
すなわち図示の放射線画像情報読取装置は、走査ベルト40、線状の励起光Lをシート50表面に対して略45度の角度で発するBLD11、BLD11から出射された線状の励起光Lを集光するコリメータレンズおよび一方向にのみビームを拡げるトーリックレンズの組合せからなり、シート50表面に線状の励起光Lを照射する光学系12、シート50の表面に対して略45度だけ傾斜しかつ励起光Lの進光方向に略直交する光軸を有し、励起光Lの照射によりシート50から発せられた輝尽発光光Mを後述するラインセンサ20を構成する各光電変換素子21の受光面に集光させるセルフォックレンズアレイ16、セルフォックレンズアレイ16に入射する輝尽発光光Mに混在する励起光Lをカットする励起光カットフィルタ17、励起光カットフィルタ17を透過した輝尽発光光Mを受光して光電変換する多数の光電変換素子21が配列されたラインセンサ20、およびラインセンサ20を構成する各光電変換素子21から出力された信号を、シート50の部位を対応させて加算処理する加算手段31を有し、この加算処理された画像信号を出力する画像情報読取手段30を備えた構成である。
【0054】
セルフォックレンズアレイ16は、光電変換素子21の受光面において、シート50上の輝尽発光光Mの発光域を1対1の大きさで結像する像面とする作用をなす。また、コリメータレンズとトーリックレンズからなる光学系12は、BLD11からの励起光Lをシート20上に所望の照射域に拡大する。
【0055】
次に本実施形態の放射線画像情報読取装置の作用について説明する。
【0056】
まず、走査ベルト40が矢印Y方向に移動することにより、この走査ベルト40上に載置された、放射線画像情報が蓄積記録されたシート50を矢印Y方向に搬送する。このときのシート50の搬送速度はベルト40の移動速度に等しく、ベルト40の移動速度は加算手段31に入力される。
【0057】
一方、BLD11が、線幅略 100μmの線状の励起光Lを、シート50表面に対して略45度の角度だけ傾けた方向に出射し、この励起光Lは、その光路上に設けられたコリメータレンズおよびトーリックレンズからなる光学系12により平行ビームとされ、シート50表面に対して略45度の角度でシート50に入射する。このとき励起光Lは、シート50表面上を、矢印X方向に沿って延びる線状(線幅dL 略 100μm)の領域を照射する。
【0058】
シート50に入射した線状の励起光Lは、その照射域(線幅dL 略 100μm)の蓄積性蛍光体を励起するとともに照射域からシート50内部に入射して照射域の近傍部分に拡散し、照射域の近傍部分(線幅dM )の蓄積性蛍光体も励起する。この結果、シート50の照射域およびその近傍(線幅dM )から、蓄積記録されている放射線画像情報に応じた強度の輝尽発光光Mが発光される。その輝尽発光光Mは、励起光カットフィルタ17を透過し、混在する励起光Lがカットされた上でセルフォックレンズ16に入射し、ラインセンサ20を構成する各光電変換素子21の受光面に集光される。
【0059】
ラインセンサ20による受光後の作用については、前述した実施形態の放射線画像情報読取装置の作用と同一であるため、その説明を省略する。
【0060】
このように本実施形態の放射線画像情報読取装置によっても、輝尽発光光の線幅dM (光電変換素子の受光面における線幅)より短い受光幅dP (<dM )の光電変換素子を用いることにより所望とする解像度を確保しつつ、ラインセンサ全体として、輝尽発光光の線幅の略全幅に亘って受光することができるため受光効率を高めることができる。そして、走査ベルトによりシートが移動された各位置ごとにおける各光電変換素子の出力を、加算手段がシートの部位を対応させて加算処理することにより、シートの各部位ごとの集光効率を高めることができる。
【0061】
上記各実施形態の放射線画像情報読取装置は、励起光の光源とラインセンサとをいずれもシートの同一面側に配して、励起光が入射したシート面から出射する輝尽発光光を受光するようにした反射光集光型の構成を採用したが、本発明の放射線画像情報読取装置はこのような構成のものに限るものではなく、支持体が輝尽発光光透過性の材料により形成された蓄積性蛍光体シートを用いることによって、図9に示すように、励起光の光源とラインセンサとを互いにシートの異なる面側に配して、励起光が入射したシート面の反対側の面から出射する輝尽発光光を受光するようにした透過光集光型の構成を採用することもできる。
【0062】
すなわち図示の放射線画像情報読取装置は、蓄積性蛍光体シート50の前端部および後端部(当該前端部および後端部には放射線画像が記録されていないか、または記録されていても関心領域ではないものである)を支持して矢印Y方向にシートを搬送する搬送ベルト40′、線状の励起光Lをシート50表面に対して略直交する方向に発するBLD11、BLD11から出射された線状の励起光Lを集光するコリメータレンズおよび一方向にのみビームを拡げるトーリックレンズの組合せからなり、シート50表面に線状の励起光Lを照射する光学系12、シート50の表面に略直交する光軸を有し、励起光Lの照射によりシート50の裏面(励起光Lの入射面に対して反対側の面)から発せられた輝尽発光光M′を後述するラインセンサ20を構成する各光電変換素子21の受光面に集光させるセルフォックレンズアレイ16、セルフォックレンズアレイ16に入射する輝尽発光光M′に混在する励起光Lをカットする励起光カットフィルタ17、励起光カットフィルタ17を透過した輝尽発光光M′を受光して光電変換する多数の光電変換素子21が配列されたラインセンサ20、およびラインセンサ20を構成する各光電変換素子21から出力された信号を、シート50の部位を対応させて加算処理する加算手段31を有し、この加算処理された画像信号を出力する画像情報読取手段30を備えた構成である。
【0063】
セルフォックレンズアレイ16は、光電変換素子21の受光面において、シート50裏面上の輝尽発光光M′の発光域を1対1の大きさで結像する像面とする作用をなす。また、コリメータレンズとトーリックレンズからなる光学系12は、BLD11からの励起光Lをシート20上に所望の照射域に拡大する。
【0064】
次に本実施形態の放射線画像情報読取装置の作用について説明する。
【0065】
まず、搬送ベルト40′が矢印Y方向に移動することにより、この搬送ベルト40′に支持された、放射線画像情報が蓄積記録されたシート50を矢印Y方向に搬送する。このときのシート50の搬送速度はベルト40′の移動速度に等しく、ベルト40′の移動速度は加算手段31に入力される。
【0066】
一方、BLD11が、線幅略 100μmの線状の励起光Lを、シート50表面に対して略直交する方向に出射し、この励起光Lは、その光路上に設けられたコリメータレンズおよびトーリックレンズからなる光学系12により平行ビームとされ、シート50に略垂直に入射する。このとき励起光Lは、シート50表面上を、矢印X方向に沿って延びる線状(線幅dL 略 100μm)の領域を照射する。
【0067】
シート50に入射した線状の励起光Lは、その照射域(線幅dL 略 100μm)の蓄積性蛍光体を励起するとともに照射域からシート50内部に入射して照射域の近傍部分に拡散し、照射域の近傍部分(線幅dM )の蓄積性蛍光体も励起する。この結果、シート50の照射域およびその近傍(線幅dM )から、蓄積記録されている放射線画像情報に応じた強度の輝尽発光光Mが発光される。またこれと同時に、シート50の裏面側の部分(線幅dM ′)からも、シート50の透明支持体を透過した輝尽発光光M′が出射する。
【0068】
このシート50の裏面側の部分(線幅dM ′)から出射した輝尽発光光M′は、励起光カットフィルタ17を透過し、混在する励起光Lがカットされた上でセルフォックレンズ16に入射し、ラインセンサ20を構成する各光電変換素子21の受光面に集光される。
【0069】
ラインセンサ20による受光後の作用については、前述した実施形態の放射線画像情報読取装置の作用と同一であるため、その説明を省略する。
【0070】
このように本実施形態の放射線画像情報読取装置によっても、シート裏面の輝尽発光光の線幅dM ′(光電変換素子の受光面における線幅)より短い受光幅dP (<dM ′)の光電変換素子を用いることにより所望とする解像度を確保しつつ、ラインセンサ全体として、輝尽発光光の線幅の略全幅に亘って受光することができるため受光効率を高めることができる。そして、走査ベルトによりシートが移動された各位置ごとにおける各光電変換素子の出力を、加算手段がシートの部位を対応させて加算処理することにより、シートの各部位ごとの集光効率を高めることができる。
【0071】
なお、加算手段に代えて演算手段を備えた構成としてもよく、単純加算処理の他、重み付け加算処理や、その他の演算処理を適用してもよい。
【0072】
なお、上述した放射線画像情報読取装置に使用されるラインセンサ20は、何れの実施形態においても、シートの幅分の長さを有する長尺型のラインセンサを一度に製造してなるものとして示したものであるが、画素ずれ等の現状のCCD製造技術上の制限から、必ずしも不可能とはいえないまでも、現状では長尺型のラインセンサを1つの部材として一度に製造することは容易なことではない。図10は、この技術的課題を解決する一手法を示したものであり、夫々はシートの幅よりも小さいCCDチップを使用し、複数のCCDチップを線状の長さ方向、即ち長軸方向(矢印X方向)に配設することによって全体としてシート幅となるようにして、1つのCCDラインセンサを構成するようにしたものを示している。図10(1)は、複数のCCDチップ22を長軸方向(矢印X方向)に一直線状に配列したものを示し、図10(2)は、複数のCCDチップ22を長軸方向(矢印X方向)に夫々が重なり部分を有しないように千鳥状に配列したものを示し、図10(3)は、複数のCCDチップ22を長軸方向(矢印X方向)に2つCCDチップ22の一部分が重なり部分を有するように千鳥状に配列したものを示している。なお、図10(2),(3)において、*印で示したCCDチップ22を配設していない空き領域には、画素ずれ補正のための回路等の電気回路や、その他のものを配設することができる。
【0073】
図10(4)〜(6)に各CCDチップ22をなす光電変換素子21の配列構成を示す。図から明らかなように、図10(4)に示したCCDチップ22は、図2に示したラインセンサ20の配列構成を採用したものであって、複数列平行に並べたもの、即ち、矢印X方向に沿って光電変換素子21が配列されると共に、この矢印X方向に延びた光電変換素子21の列が、不図示のシートの搬送方向(矢印Y方向)に複数列(図では3列)連設されて構成されたものである。図10(5)に示したCCDチップ22は、図7(1)に示したラインセンサ20の配列構成を採用したものであって、長軸方向(矢印X方向)に一直線状に配列すると共に短軸方向(矢印Y方向)にはジグザグ状に配列して、全体としては複数列千鳥状になるようにしたものである。図10(6)に示したCCDチップ22は、図7(2)に示したラインセンサ20の配列構成を採用したものであって、短軸方向(矢印Y方向)に一直線状に配列すると共に長軸方向(矢印X方向)にはジグザグ状に配列して、全体としては複数列千鳥状になるようにしたものである。1つのCCDチップ22の長軸方向(矢印X方向)における光電変換素子21の数は、例えばラインセンサ20の長軸方向(矢印X方向)の全体の光電変換素子21の数が1000個程度の場合には、1/100〜1/10程度にするとよい。
【0074】
図10(1)〜(3)に示したラインセンサ20をなすCCDチップ22は、図10(4)〜(6)に示した配列構成の何れをも自由に採用することができる。また、図10(1)〜(3)に示したラインセンサ20はCCDチップ22の長さ方向(X方向)に配列したものであるが、図10(7)〜(9)に示すように、ラインセンサ20のX方向がCCDチップ22のY方向となるように、両者のX方向とY方向とを逆に配列、換言すれば、CCDチップ22の幅方向に配列したラインセンサ20としてもよい。図10(1)〜(3),(7)〜(9)の何れの場合にも、CCDチップ22の夫々の配列構成によって、それに応じた、上述の図2および図7に示したラインセンサ20が有する効果が夫々得られるのは言うまでもない。
【0075】
このように、複数のCCDチップを長軸方向(矢印X方向)に配設することによって全体としてシート幅となるようにして、1つのCCDラインセンサを構成するようにすれば、ラインセンサの製造が容易となり、製造の歩留まりが向上し、コストダウンを図ることができる。
【0076】
また、画素ずれの補正をするに際して、全体を1つのものとして製造する場合よりも、CCDチップ各別に信号を取り出せるようになるので、画素ずれの補正が容易になる。特に、図10(3)に示したように、2つCCDチップの一部分が重なり部分を有するように千鳥状に配列した場合には、重なり部分のデータを使用することによって画素ずれ補正が更に容易になる。
【0077】
なお、複数のCCDチップを長軸方向(矢印X方向)に配設するに際して、継ぎ目部分に不感部が生じないようにするのが望ましいが、これが困難な場合には、その不感部を補正するように、画像データ上において補正処理を行って、出力画像においては、継ぎ目が滑らかに繋がるようにするのが望ましい。
【0078】
また、このように複数のCCDチップを長軸方向(矢印X方向)に配設することによって全体としてシート幅となるようにする手法は、CCDラインセンサに限らず、アモルファスシリコンセンサやMOSイメージセンサからなるラインセンサに適用することもできる。
【0079】
また、上述した放射線画像情報読取装置に使用されるシートとして、同一の被写体についての、放射線エネルギ吸収特性が互いに異なる2つの画像情報を蓄積記録してなり、各画像情報に応じた2つの輝尽発光光をその表裏面から各別に発光し得る、放射線エネルギーサブトラクション用の蓄積性蛍光体シートを使用すると共に、ラインセンサを前記シートの両面側に夫々各別に配設し、更にシートの両面から読み取られた画像情報を、シートの表裏面の画素を対応させてサブトラクション処理する読取手段を備えた装置とすることもできるが、この場合においても、シートの両面側に夫々各別に配設されるラインセンサとして、上述したように、複数のセンサチップを線状の長さ方向に配設することによって全体としてシート幅となるように構成されたラインセンサを使用することができる。
【0080】
また、放射線エネルギーサブトラクション用の蓄積性蛍光体シートとしても、例えばシートの厚さ方向に延びる励起光反射性隔壁部材により多数の微小房に細分区画された構造を有するシート等の、いわゆる異方化されたシートを用いることもできる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の放射線画像情報読取装置の一実施形態を示す構成図
【図2】図1に示した放射線画像情報読取装置のラインセンサの詳細を示す図
【図3】励起光の光線幅と輝尽発光光の光線幅との関係を示す図
【図4】図1に示した実施形態の放射線画像情報読取装置の作用を説明するための図
【図5】シートの各部位に対応した、加算手段のメモリを示す概念図
【図6】輝尽発光光の線幅と従来のラインセンサを構成する光電変換素子との関係を示す図
【図7】ラインセンサを構成する光電変換素子の他の配列状態を示す図
【図8】本発明の放射線画像情報読取装置の他の実施形態を示す構成図(その1)
【図9】本発明の放射線画像情報読取装置の他の実施形態を示す構成図(その2)
【図10】ラインセンサを構成するCCDチップおよびCCDチップを構成する光電変換素子の配列状態を示す図
【符号の説明】
11 ブロードエリアレーザ(BLD)
12 コリメータレンズとトーリックレンズからなる光学系
14 ダイクロイックミラー
15,16 セルフォックレンズアレイ
17 励起光カットフィルタ
20 ラインセンサ
21 光電変換素子
22 CCDチップ
30 画像情報読取手段
31 加算手段
40 走査ベルト
50 蓄積性蛍光体シート
L 励起光
M 輝尽発光光
S1,S2,… シートの部位
Q1,Q2,… 輝尽発光光の光量
Q′1,Q′2,… 電荷
Claims (4)
- 放射線画像情報が蓄積記録された蓄積性蛍光体シートの一部に励起光を線状に照射するライン光源と、前記シートの線状に照射された部分またはこの照射された部分に対応するシートの裏面側の部分から発光された線状の輝尽発光光を受光して光電変換を行う、該部分の長さ方向およびこれに直交する方向にそれぞれ複数の光電変換素子が配設されたラインセンサであって、前記直交する方向には該ラインセンサの受光面の幅が該ラインセンサの受光面における前記線状の輝尽発光光の線幅と略同等となるように複数の光電変換素子が配設されたラインセンサと、前記ライン光源および前記ラインセンサを前記シートに対して相対的に、前記長さ方向とは異なる方向に移動させる走査手段と、前記ラインセンサの出力を前記移動に応じて順次読み取り、前記走査手段により移動された各位置ごとにおける前記各光電変換素子の出力を、前記シートの部位を対応させて演算処理する演算手段を有する読取手段とを備えたことを特徴とする放射線画像情報読取装置。
- 前記ラインセンサが、複数のセンサチップを前記線状の長さ方向に直線状に配列してなるものであることを特徴とする請求項1記載の放射線画像情報読取装置。
- 前記ラインセンサが、複数のセンサチップを前記線状の長さ方向に千鳥状に配列してなるものであることを特徴とする請求項1記載の放射線画像情報読取装置。
- 前記複数のセンサチップ夫々が、縦方向および横方向に夫々複数の前記光電変換素子を配設してなるものであることを特徴とする請求項2または3記載の放射線画像情報読取装置。
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