JP4056435B2 - プロジェクタ装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、プロジェクタ装置に関し、特にカラー画像に色ムラが発生するのを防止したプロジェクタ装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、映像表示装置に液晶パネル(LCD)を使用したプロジェクタ装置がある。このプロジェクタ装置では、その光学系が、図4の構成図に示すものがある。このプロジェクタ装置は、図4のように、超高圧水銀灯を用いた光源1に、反射鏡2が備え付けられている。
【0003】
インテグレータ3a,3bは、多数のレンズエレメントを組み合わせたものであり、これを照明系に組み込むことにより液晶パネルに照射されたときに照明光束の照度を均一にする機能を持っている。偏光変換部4は、短冊状に偏光変換素子から成り、さらにフィールドレンズ7、コンデンサーレンズ12R,12G,12Bが配置され、液晶パネル13R,13G,13Bへ有効に照明光を照射する働きをもつ。また、ダイクロイックミラー6,7はR、G、Bに色分離する役目があり、クロスダイクロイックプリズム14は色分離された各色の液晶パネルを透過した光を再び合成する役目を持っている。
【0004】
このダイクロイックプリズム14は、4個の直角プリズムを接合してなり、その直交する2つの接合面には、各々赤色光反射ミラーおよび青色光反射ミラーとしての分光特性を有する誘電体多層膜からなるダイクロイック膜が施されて形成されており、赤,緑、青の3原色光を白色光の1本の光束に合成することが可能である。また、投写レンズ15は、合成された3原色光を所定の距離に配されたスクリーン上に投射し、このスクリーン上にフルカラー画像を拡大投影することができるように構成されている。
【0005】
一方、リレー光路には、リレーレンズ10の後にミラー11xが配置されている。投写レンズ15は、液晶パネル13R,13G,13B上に表示された画像をスクリーン16に拡大投影するものであり、投影画像のピント調整を行うためのフォーカス調整機能が付いている。画面の大きさを投写距離を変えずに変化させるためのズーム機能を加えてもよい。
【0006】
次に、このプロジェクタ動作について説明する。図4に示すように、光源1から出射された光は、反射鏡1aにより反射される。反射された光は、平行光となってミラー2を介してインテグレータ3に入射する。このインテグレータ3は、液晶パネル13に照射されたときに照明光束の照度を均一にする働きをもつ。インテグレータ3を透過した光は、偏光変換部4で偏光方向が統一される。
【0007】
フィールドレンズ5を透過した光は、コンデンサーレンズ12R,12G,12Bによって液晶パネル13R,13G,13Bへと集光される。その間、ダイクロイックミラー6により白色光は赤色光が分光され、ダイクロイックミラー7によって緑色光が分光される。最後に残るのは青色光である。それぞれ分光された赤色光、緑色光、青色光は、対応する液晶パネル13を照射する。
【0008】
また、2つの照明光は最終的に液晶パネル13上で合成されるようになっている。各色の液晶パネル13では、入力映像信号に応じて透過、遮蔽状態によって映像を表示し、クロスダイクロイックプリズム14にて色合成される。合成された光は、投写レンズ15により拡大され、スクリ−ン16へと像を結ぶ。
【0009】
また、図5は他の従来例に係る液晶ビデオプロジェクタを示す概略図で、光学系内に偶数個のリレーレンズを配することにより、リレーレンズによる照明光像の上下左右の反転が元に戻るようにしたものてある。この液晶ビデオプロジェクタは、光源1bと、3原色光を分離する第1および第2のダイクロイックミラー6a,7aと、第1,第2および第3の全反射ミラー8,9,11xと、3つの液晶表示パネル12R(赤色光用),12G(緑色光用),12B(青色光用)と、3原色光を合成するダイクロイックプリズム14と、投写レンズ15aとを備えている。
【0010】
第2のダイクロイックミラー6aは緑色光/赤色光反射ミラーであり、また第1のダイクロイックミラー7aは緑色光反射ミラーであって、各々ガラス基板上に所定の原色光をミラーとして反射する分光特性を有する誘電体多層膜からなるダイクロイック膜が施されて形成されている。また、3つの液晶表示パネル13は各々ツイステッド・ネマティック(TN)型液晶表示素子からなり、図示されない液晶ドライバからの対応する映像信号に応じて映像を表示し、入射され各原色光を輝度変調する。また、この液晶ビデオプロジェクタでは、図5のように各光学部材が一平面上に配設されている。
【0011】
また、赤色光用の系中には2つのリレーレンズ121,122が配されており、第1のリレーレンズ121の前段と第2のリレーレンズ122の後段には各々1つのフィールドレンズ123,12Rが、また各リレーレンズ121,122の間には2つのフィールドレンズ124,125が配されている。さらに、第1のダイクロックミラー7aと緑色光用液晶表示パネル13Gおよび第3の全反射ミラー8と青色光用液晶表示パネル13Bの間には各々フィールドレンズ12G,12Bが配されている。
【0012】
このような構成の液晶ビデオプロジェクタの動作を説明する。光源1bから出力された光(白色光)は第2のダイクロイックミラー6aにより青色光Bとその余の原色光に分離される。この第2のダイクロイックミラー6aは上述したように緑色光Gおよび赤色光Rを反射する分光特性を有するダイクロイックミラーであって、照明光に対して青色光B以外の原色光を左直角方向に反射する。この第2のダイクロイックミラー6aを通過した青色光Bは第3の全反射ミラー8により直角反射されて青色光用液晶表示パネル13Bに導かれる。
【0013】
一方、第2のダイクロイックミラー6aにより左方向に直角反射された青色光B以外の原色光は、第1のダイクロイックミラー7aにより緑色光Gと赤色光Rに分離される。この第1のダイクロイックミラー7aは、上述したように緑色光Gを反射する分光特性を有し、また青色光B以外の原色光に対してその入射角が45°となるように配されているので、緑色光Gを直角反射し、赤色光Rを透過する。
【0014】
第1のダイクロイックミラー7aにより反射された緑色光Gは緑色光用液晶表示パネル13Gに導かれる。また、第1の全反射ミラー9は第1のダイクロイックミラー7aから透過された赤色光Rを入射角45°で入射せしめて直角方向に反射するように、また、第2の全反射ミラー11xは第1の全反射ミラー9で反射された赤色光Rを入射角45°で入射せしめて、直角方向である赤色光用液晶表示パネル13Rの方向に反射するように配されている。
【0015】
このようにして、対応する液晶表示パネル13R、13G、13Bに入射した各原色光R,G,Bは、これらの液晶表示パネル13R、13G、13Bにおいて、各原色光R,G,Bに対応する映像信号により輝度変調され、この後ダイクロイックプリズム14において1本に合成され、投写レンズ15により拡大されて所定のスクリーン16上に投射される。これにより、各液晶表示パネル13R、13G、13Bに表示された映像はスクリーン16上にフルカラー画像として投影される。
【0016】
この従来例においては、赤色光R用の系内に2つのリレーレンズ121,122を挿入している。すなわち、光源1bの光像は第1のリレーレンズ121により、2つのリレーレンズ121,122の間の位置において一旦結像され、次に第2のリレーレンズ122により、赤色光用液晶表示パネル13R上に再度結像される。そして、光源1bの光像は第1のリレーレンズ121によって上下左右が一旦反転されるが、第2のリレーレンズ122によって上下左右が再度反転されることとなり、元の光像と上下左右の配置が同一の光像が赤色光用液晶表示パネル13R上に形成されることとなる(例えば、特許文献1参照)。
【0017】
【特許文献1】
特開平10−206815号公報
【0018】
【発明が解決しようとする課題】
上述した従来例では、リレー光路には、リレーレンズ10の後にミラー11xが配置されており、リレー光路に垂直にミラー11xを挿入する方法がとられているが、リレー光路の照明光は、リレーレンズ10によって上下左右反転されたままであり、強度分布に差がでてしまう。その結果、スクリーン15上では、色むらとなって現れてしまう問題がある。
【0019】
また、将来的に高輝度化を考えると照明光のFナンバーが大きくなることが考えられ、ダイクロイックミラー6,7による入射角度依存の影響で色むらが発生する恐れがある。光軸に対して左右方向はダイクロイックミラー6,7のウェッジで補正できるが、上下方向の補正は難しい。
【0020】
さらに、他の従来例では、リレー光路内で再度照明光を反転させるために、複数のレンズ121,122が挿入されているが、リレー光路が極端に長くなり光学エンジンのサイズが大きくなってしまうという問題がある。
【0021】
本発明の目的は、これらの問題を解決し、カラー画像に色ムラが発生するのを防止し、三色合成したときに生じる照明光の不均一差を改善すると共に、光学エンジンのサイズが大きくならないようにしたプロジェクタ装置を提供することにある。
【0022】
【課題を解決するための手段】
本発明の構成は、光源からの光を2つのダイクロイックミラーにより3つの色光に分解し、これらの各色光を3つの液晶表示パネルに導き入力信号を用いて輝度変調させ、ダイクロイックプリズムにより合成し、この合成光を拡大投射するプロジェクタ装置であって、前記2つのダイクロイックミラーにはウエッジ補正がなされており、リレーレンズ、全反射ミラー、及び組合せミラーを有するリレー光路を備え、各色光のうち前記ダイクロイックミラーを透過した色光はリレーレンズ、全反射ミラー、組合せミラーの順にリレー光路を通過し、組合せミラーは所定の接合線部によって互いに直交するように接合された2枚のミラーを備え、前記接合線部が前記組合せミラーへ入射する色光に対して45°傾斜するように配置され、光源の光像の上下を反転させることを特微とする。
【0023】
本発明において、前記組合せミラーが、互いに直交させて接合形成された2枚のミラーからなり、前記2枚のミラーの接合線は入射光に対して45°傾斜していることができ、また、前記組合せミラーは前記リレーレンズの後に配置されていることができる。
【0024】
本発明の構成によれば、光源からの光は、ダイクロイックミラーによって複数の色光に色分離された後、各色の光路を通ることになり、リレー光路では、一旦結像された光がリレーレンズによって上下左右反転されるが、組合せミラーによって上下方向が再度反転され液晶パネルを照射するので、リレー光路の照明光の強度分布が他色の照明光と反転することによる発生する上下方向の不均一さを改善することができる。
【0025】
【発明の実施の形態】
図1は、本発明の一実施形態のプロジェクタの構成を示す概略構成図である。本実施形態のプロジェクタは、光源1に反射鏡2が備え付けられている。ここで、光源1としては超高圧水銀灯を用いている。光源1としては、この他にメタルハロイドランプ、ハロゲンランプ、キセノンランプ等の光源を使用することができる。反射鏡2は放物面鏡である。
【0026】
インテグレータ3a・3bは、多数のレンズエレメントを組み合わせたものであり、これを照明系に組み込むことにより、液晶パネル13が照射されたときに照明光束の照度を均一にする機能を持っている。偏光変換部4は、短冊状に偏光変換素子から成り立っている。さらにフィールドレンズ7、コンデンサレンズ12R,12G,12Bが配置され、液晶パネル13R,13G,13Bへ有効に照明光を照射する働きをもつ。また、ダイクロイックミラー6,7はR、G、Bに色分離する役目があり、クロスダイクロイックプリズム14は色分離された各色の液晶パネル13を透過した光を再び合成する役目を持っている。
【0027】
一方,リレー光路には、リレーレンズ10の後に組合せミラー11を配置している。このミラー11は、図2(a)(b)の斜視図および側面図に示すように、2枚のミラー11a,11bを組み合わせた構成をしている。すなわち、2枚のミラー11a,11bは互いに直交して接合されている。従って、図2のように、上のミラー11aに入射した光はミラー11aの反射点11cで反射し、この反射光は、下のミラー11bに入射し、ミラー11bの反射点11dで反射する。
従って、2枚のミラー11a,11bの接合線と直交する方向で反転した光がさらに反転され、入射光がそのまま戻ったものと同等になる。
【0028】
この場合、図3(a)のように、下のミラー11bに入射した光はミラー11bで反射して、上のミラー11aに入射し、ミラー11aで反射した光は、ミラー11bに入射した光と逆向きに出射する。また、図3(b)のように、上のミラー11aに入射し、ミラー11aで反射した光は、下のミラー11bに入射し、ミラー11bで反射した光は、ミラー11aに入射した光と逆向きに出射する。
従って、図3(b)において、組合せミラー11のミラー接合線部分を入射光に対して45°傾斜させると、図2(b)のように、その傾斜方向に90°傾いた光が出射される。図1では、組合せミラー11をこのように使用している。
【0029】
投写レンズ15は、液晶パネル13R,13G,13B上に表示された画像をスクリーン16に拡大投影するものであり、投影画像のピント調整を行うためのフォーカス調整機能が付いている。画面の大きさを投写距離を変えずに変化させるためのズーム機能を加えてもよい。
【0030】
次に、本実施形態の動作について説明する。図1に示すように、光源1から出射された光は、反射鏡2により反射される。反射された光は、平行光となってインテグレータ3に入射する。このインテグレータ3は、液晶パネル13に照射されたときに照明光束の照度を均一にする働きをもつ。インテグレータ3を透過した光は、偏光変換部4で偏光方向が統一される。
【0031】
フィールドレンズ5を透過した光は、コンデンサレンズ12R,12G,12Bによって液晶パネル13R,13G,13Bへと集光される。その間、ダイクロイックミラー6により白色光は赤色光が分光され、ダイクロイックミラー7によって緑色光が分光される。
【0032】
最後に残るのは青色光である。それぞれ分光された赤色光、緑色光、青色光は、対応する液晶パネルを照射する。また、2つの照明光は最終的に液晶パネル13上で合成されるようになっている。各色の液晶パネル13では、入力映像信号に応じて透過、遮蔽状態によって映像を表示し、クロスダイクロイックプリズム14にて色合成される。合成された光は、投写レンズ15により拡大され、スクリ−ン16へと像を結ぶ。
【0033】
ここで、本実施形態においては、青色用系内にリレーレンズ10を挿入している。つまり、光源1の光はリレーレンズ10の近傍で一旦結像され、像が左右反転される。その後組合せミラー11によって上下方向に再度反転されることになる。
【0034】
本発明の他の実施例として、図1の構成では、青色Bをリレー光路としたが、同様に赤色Rをリレー光路とし、同様に組合せミラー11を挿入することができる。
【0035】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明の構成によれば、第一に、青色光路の照明光を緑、赤色の照明光と上下方向に合わせることにより、三色合成したときに生じる照明光の不均一差を改善することが出来る効果がある。
【0036】
また、第二に、リレー光路内で再度照明光を反転させるには、さらに複数のレンズを挿入する方法もあるが、リレー光路が極端に長くなり光学エンジンのサイズが大きくなってしまうが、本発明では、組合せミラーを挿入するだけで光学エンジンのサイズを大きくする必要がないという効果がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施形態を説明するプロジェクタ装置のブロック図。
【図2】(a)(b)は図1に用いられる組合せミラー11の一部分の斜視図およびその光路図。
【図3】(a)(b)は図2の組合せミラー11の光路の動作を説明する断面図。
【図4】従来例のプロジェクタ装置の構成図。
【図5】他の従来例のプロジェクタ装置の構成図。
【符号の説明】
1 光源
1a 反射鏡
2,8,9,11a,11b,11x ミラー
3a,3b インテグレータ
4 偏光変換部
5,123〜125 フィールドレンズ
6,7 ダイクロイックミラー
10,121,122 リレーレンズ
11 組合せミラー
11c、11d 反射点
12R,12G,12B コンデンサレンズ
13R,13G,13B 液晶パネル
14 ダイクロイックプリズム
15 投写レンズ
16 スクリーン
Claims (1)
- 光源からの光を2つのダイクロイックミラーにより3つの色光に分解し、これらの各色光を3つの液晶表示パネルに導き入力信号を用いて輝度変調させ、ダイクロイックプリズムにより合成し、この合成光を拡大投射するプロジェクタ装置であって、
前記2つのダイクロイックミラーはウエッジ補正がなされており、
リレーレンズ、全反射ミラー、及び組合せミラーを有するリレー光路を備え、
前記各色光のうち前記ダイクロイックミラーを透過した色光は、前記リレーレンズ、前記全反射ミラー、前記組合せミラーの順に前記リレー光路を通過し、
前記組合せミラーは、所定の接合線部によって互いに直交するように接合された2枚のミラーを備え、前記接合線部が前記組合せミラーへ入射する色光に対して45°傾斜するように配置され、前記光源の光像の上下を反転させることを特微とするプロジェクタ装置。
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