JP4055690B2 - 液体カートリッジ及び液体カートリッジ製造方法 - Google Patents

液体カートリッジ及び液体カートリッジ製造方法 Download PDF

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Description

本発明は、液体カートリッジ及び液体カートリッジ製造方法に関する。特に本発明は、液体噴射装置に対して液体を供給する液体カートリッジ及び液体カートリッジを製造する方法に関する。
液体噴射装置の一例としてのインクジェット式記録装置において、複数の色のインクを用いてカラー記録を行うものがある。それぞれの色のインクは、別々のインクカートリッジ内に充填される。それぞれの色のインクカートリッジは、インク収容部にインクを収容し、インクジェット式記録装置の記録ヘッドにインクを供給する(例えば、特許文献1)。
特開2002−192744号公報(第2図)
カラー記録に用いられるインクは、色によってインクの使用量が異なる。インクカートリッジ内に充填されるインクの量が色の違いに関わらず同一である場合、使用量の少ない色のインクが全て消費されるまでに要する時間は、使用量の多い色のインクに比べて長い。インクカートリッジ内のインクを使い切るまでに要する時間が長いと、インクカートリッジ内のインクの溶剤と着色剤とが分離し、着色剤の沈殿及び凝集が起こることがある。そのため、記録ヘッドがインクを正常に噴射せず、記録品質が悪くなることがあった。また、使用頻度の低い記録装置では、すべてのインクが使用されるまでに、上記のようなインクの変質等により、記録品質の劣化や記録装置の性能低下を引き起こすことがあり、必要以上に多くのインクを充填しない方が好ましい場合もあった。
しかしながら、インク充填量の少ないインクカートリッジとインク充填量の多いインクカートリッジとを用意する場合に、インクカートリッジの大きさを変える場合には、記録装置への取り付け方法や取り付け精度が変わってしまって扱いにくくなり、容積の同じインクカートリッジにインク充填量だけを変える場合には、インクが充填されていない空間によって脱気状態が変わったり、泡立ちの影響が発生する等の印刷品質への影響があった。
上記課題を解決するために、本発明の第1の形態においては、液体噴射装置に着脱可能に構成され、液体噴射装置へ液体を供給するための液体カートリッジの製造方法であって、液体噴射装置と接続するための液体供給部と、液体供給部と連通する供給側収容室、および供給側収容室と連通し、大気と連通可能な大気側収容部とを有する液体カートリッジを準備する準備ステップと、大気側収容部に、表面に凹凸を有し、液体を吸収しない充填部材を、凹凸により大気側収容部との間に隙間を有して充填するステップと、少なくとも供給側収容室を減圧する減圧ステップと、減圧ステップにより減圧された供給側収容室のみに液体を充填する充填ステップとを備え、供給側収容室と大気側収容部とは壁により分割されるとともに、連通路により連通されており、大気側収容部内に空気が流入すると、流入した空気は大気側収容部と充填部材との隙間を通り、さらに、連通路を通って供給側収容室に流入する。減圧した液体収容室の供給側収容室に液体を充填するので、液体の脱気状態を保ちながら供給側収容室の隅々まで液体を充填することができる。供給側収容室のみに液体を充填するので、小さな容量の液体が収容された液体カートリッジを製造することができる。また、大気側収容部に液体を吸収しない充填部材を充填することにより、大気側収容部に液体が流入しない。したがって、確実に供給側収容室に液体を充填することができる。
上記液体カートリッジ製造方法は、充填ステップにより供給側収容室に液体が充填された液体カートリッジにおいて、少なくとも大気側収容部を大気に開放する大気開放ステップを更に備えてもよい。減圧された液体収容室の供給側収容室に液体を注入した後で、液体カートリッジを大気に開放することにより、液体カートリッジの内部と外部との圧力の差を小さくすることができる。そのため、大気側収容部に液体の代わりに空気が収容されていても、液体カートリッジが液体噴射装置に装着された場合に、液体カートリッジの内部と外部との圧力の差によって記録ヘッドから空気が逆流することなく、記録ヘッドが破損するのを防止することができる。
上記液体カートリッジ製造方法は、大気開放ステップにより大気側収容部が大気へ開放された液体カートリッジを、減圧されたパッケージ内に包装するステップを更に備えてもよい。液体カートリッジを減圧されたパッケージ内に包装するので、液体カートリッジが包装された後に、ユーザーが実際に使用するために液体カートリッジを包装から取り出すまでの間においても、液体カートリッジ内の液体の脱気状態を一定に保つことができる。
本発明の第2の形態においては、液体噴射装置に着脱可能に構成され、液体噴射装置へ液体を供給するための液体カートリッジであって、液体噴射装置と接続するための液体供給部と、液体供給部と連通する供給側収容室と、供給側収容室と連通し、大気に開放可能な大気側収容部と、 表面に凹凸を有し、凹凸により大気側収容部との間に隙間を有して大気側収容部に充填され、液体を吸収しない充填部材とを備え、供給側収容室と大気側収容部とは壁により分割されるとともに、連通路により連通されており、大気側収容部内に空気が流入すると、流入した空気は大気側収容部と充填部材との隙間を通り、さらに、連通路を通って供給側収容室に流入するので、大気側収容部に液体が充填されない。したがって、確実に供給側収容室に液体を充填することができる。
上記液体カートリッジにおいて、充填部材は、多孔質のそれぞれが連通されていない多孔質部材であってもよい。多孔質のそれぞれが連通されていないので、多孔質部材は液体を吸収しない。そのため、多孔質部材が配される大気側収容部に液体は充填されない。したがって、確実に供給側収容室に液体を充填することができる。
なお、上記の発明の概要は、本発明の必要な特徴の全てを列挙したものではなく、これらの特徴群のサブコンビネーションもまた、発明となりうる。
以下、発明の実施の形態を通じて本発明を説明するが、以下の実施形態は特許請求の範囲にかかる発明を限定するものではなく、また実施形態の中で説明されている特徴の組み合わせの全てが発明の解決手段に必須であるとは限らない。
図1は、液体装置の液体噴射ヘッドに液体を供給するのに適した液体カートリッジの一例を、インクジェット式記録装置用のインクカートリッジ100を例に採り、その構造を斜め上方からみた状態で示す正面斜視図である。本実施形態は、少量のインクを充填することができるインクカートリッジ100とインクカートリッジ100の製造方法を提供することを目的とする。
なお、本発明でいう液体噴射装置とは、インクジェット式記録装置の液体噴射ヘッドだけではなく、液晶ディスプレイのカラーフィルタを製造するカラーフィルタ製造装置の色剤噴射ヘッドや、有機ELディスプレイ、FED(面発光ディスプレイ)等の電極を形成する電極材(導電ペースト)噴射ヘッド、さらにはバイオチップを製造するバイオチップ製造装置の生体有機物噴射ヘッド及び精密ピペットしての試料噴射ヘッドなどを含む。
図2及び図3は、図1のインクカートリッジ100を斜め下方からみた背面斜視図で、図2は、インクカートリッジ100の表面にフィルム110が貼り付けられる前の状態を示す図であり、図3は、インクカートリッジ100にフィルム110が貼り付けられた状態を示す図である。さらに図4、図5は、インクカートリッジ100を構成する部材を分解して示す組み立て斜視図である。図6及び図7は、図1のインクカートリッジ100の正面図であり、図6は、インクカートリッジ100の開口部122にフィルム130が貼り付けられる前の状態を示す図であり、図7は、インクカートリッジ100の開口部122にフィルム130が貼り付けられた状態を示す図である。なお、図7において、ハッチングで示された領域にフィルム130が貼り付けられる。
図4に示すように、インクカートリッジ100は、開口部122を有する有底の略筐体形状のカートリッジ本体(容器本体)120、この開口部122のほぼ全面を覆うフィルム130、および、このフィルム130の外側を覆う蓋体140を備える。カートリッジ本体120の内部は、後述のようにリブや壁により区画される。フィルム130は、カートリッジ本体120の開口部122のほぼ全面を、その内部が密閉状態となるように封止する。蓋体140は、さらにフィルム130の外側を非密閉状態で被覆するようにカートリッジ本体120に固定される。
カートリッジ本体120は、インクを収容するインク収容部111と、インク収容部111からインク供給部160までのインク流路部と、インク収容部111を大気に連通させるインク側通路、大気弁収容部及び大気側通路からなる大気連通部とを備え、例えばポリプロピレン(PP)により一体成形されている。
インクカートリッジ100はさらに、インク供給制御手段150と、インク供給部160と、記憶手段170と、係合レバー180とを有する。インク供給部160は、カートリッジ本体120の下面に配され、インクカートリッジ100が装着されるホルダのインク供給針が挿入されて、インク収容部111に収容されたインクをインクジェット式記録装置の記録ヘッドへ供給する。記憶手段170は、取付部190にかしめられ、この取付部190は、カートリッジ本体120の側面の下方にかしめられて取り付けられる。記憶手段170は、インクカートリッジ100の種類の情報、インクカートリッジ100が保持するインクの色の情報、および、インクの現存量等の情報を記憶し、表面に露出した複数の端子171により装置本体との間でこれらの情報を受け渡す。係合レバー180は、カートリッジ本体120における取付部190と対向する側面の上部に成形され、インクジェット式記録装置のホルダと係合する。
インク供給制御手段150は、インクの消費に伴って発生するインク収容部111とインク供給部160との圧力差により、インク収容部111のインクをインク供給部160へ供給する。インク供給制御手段150は、弾性変形可能であって、カートリッジ本体120の差圧弁ユニット収容部495に挿入される弁部材の一例である膜弁900と、差圧弁ユニット収容部495を覆う弁蓋151と、膜弁900および弁蓋151の間に配される付勢部材の一例としてのコイルバネ907とを有する。これら膜弁900、弁蓋151およびコイルバネ907は、本発明のインク供給制御手段150を構成する差圧弁ユニットの一例である。
インク収容部111は、図6、7に示したように水平方向に延びる壁272により、上部と下部とに大きく分割され、下部には連通孔242により大気と連通可能な大気側収容部270が、また上部には大気から遮断された2つの第1インク収容部292及び第2インク収容部294からなる供給側収容室290が形成されている。供給側収容室290は、壁272の近傍(下部領域)に連通部276を有する斜めの壁271により、第1、及び第2インク収容部292、294の2つに分割され、また第2インク収容部294に周りを囲まれるように配された流路部296が形成されている。流路部296は下部の連通部278を介して、第2インク収容部294と接続されるとともに、通路298、300及び通孔918を介してインク供給制御手段150に接続されている。
大気側収容部270内には、大気側収容部270と略同形状で液体を吸収しない材質からなる充填部材40が充填される。充填部材40の一例は、多孔質部材であって、多孔質部材における複数の微細な孔がそれぞれ独立していて連通していないものである。この多孔質部材の一例は、発泡により多孔質部材を製造した後に発泡により生じた空洞間を隔てる膜が除膜されていないスポンジである。このようなスポンジは膜により各空洞にインクが入りこめないので毛細管現象が生じず、インクを吸収しない。
また、充填部材40は表面に凹凸を有しており、充填部材40と大気側収容部270の内壁との間に隙間ができる。さらに、大気側収容部270と第1インク収容部292とは垂直に延びる連通路295により連通されているので、インク側通路から大気側収容部270内に空気が流入すると、流入した空気は大気側収容部270の内壁と充填部材40との隙間を通って、スリット162から第2のインク注入口163を通って、連通部274内を移動し、連通路295を通って第1インク収容部292に流入することができる。
また、インク供給制御手段150の下流側は、インク供給制御手段150と連通する通孔910、通孔910と連通する連通部302および流路321、流路321の一端に形成され、表面側に向けて形成された通孔323、および、通孔323と一端が連通した連通部304を介して、インク供給部160と連通するよう構成されている。
インク供給部160からのインクの消費に対応して、インク収容部111の大気側収容部270からインク供給制御手段150へ、連通部274、スリット162、第2のインク注入口163、連通路295、連通部276、278、流路部296、通路298、300、通孔918をこの順に通ってインクが流れ込む。
一方、大気弁部250は、大気弁254が収容される大気弁収容部である中空部232を有し、中空部232の下方の壁面には、大気弁254の軸部264の径より若干径が大きく大気の連通流路をも兼ねる連通孔239を有し、ここに大気弁254の軸部264がバネ255により常時、インクカートリッジ100の底面に向かって付勢されて摺動自在に挿入されて、インクカートリッジ100がインクジェット式記録装置のホルダに装着されていない場合に大気弁254によって連通孔239を封止している。
図8は、図1のインクカートリッジ100においてフィルム110が貼り付けられる前の状態を示す背面図である。上述した連通孔239を境として大気と連通する側である大気側通路は、開口212、蛇行した通路214、フィルタ収容部216、連通孔218および連通部222、連通部222の底面に形成された連通孔253、連通部224により構成されている。
詳細には、図8に示すように、カートリッジ本体120の表側に形成された迷路状に蛇行した1本の通路214の一端は開口212として大気に開放され、他端は撥インク性と通気性の機能を備えたフィルタ215(図4、図5)が収容されたフィルタ収容部216に接続されている。フィルタ収容部216は、カートリッジ本体120の表側から裏側に貫通する連通孔218と連通する。連通孔218は、カートリッジ本体120の裏側において連通部222、連通部222を区画する部屋の底部に形成された連通孔253を介して連通部224と接続している。通路214の途中には、凹部からなるチャンバ930が設けられている。
図2に示すように連通部224は、カートリッジ本体120の底面に凹部257として形成され、大気弁254の作動棹である軸部264を露出させ、かつ大気弁254を収容する中空部232との連通が可能な連通孔239と、連通部222に連通する連通孔253が凹部257内に形成され、凹部257の外面を第1のインク注入口161、第2のインク注入口163を封止するフィルム132により封止して形成されている。このフィルム132は、ホルダから突出する突起の押圧力により弾性変形可能なものが選択されている。
一方、図6に示すように上述した連通孔239を境として大気側収容部270と連通するインク側通路は、中空部232、通孔234a、連通室234b、連通部234c、連通室234d、連通部236、連通室237および連通孔238、連通溝240、連通孔242とで形成されている。詳細には、中空部232の上部の壁には通孔234aが形成されており、この通孔234aを介して連通室234b、連通室234bの上部の壁の切り欠きによって形成された連通部234c、連通部234cの上部に設けられた連通室234d、連通室234dの上部の壁の切り欠きによって形成された連通部236、下方に連通孔238が形成された連通室237と順に連通する大気通路が形成されている。
カートリッジ本体120の裏側から表側に貫通する連通孔238は、連通孔238と連通する連通溝240、連通溝240と連通すると共にカートリッジ本体120の表側から裏側に貫通する連通孔242を介して大気側収容部270と連通する。
これら、大気側収容部270、供給側収容室290、大気弁部250、及び大気側通路、インク側通路は、それぞれを区画する壁にフィルム130、110を熱溶着などの方法で貼着することにより大気と隔離された領域となる。
インク供給部160は、ホルダに設けられたインク供給針が挿入される挿入口26を有するエラストマ等から形成されたシール部材12と、シール部材12の挿入口26を塞ぐ供給弁13と、供給弁13をシール部材12に向けて付勢するコイルスプリング等からなる付勢部材14とを有する。なお、シール部材12の挿入口26には、工場出荷時において、フィルム604が貼り付けられている。
インクカートリッジ100がインクジェット式記録装置のホルダに装着されると、ホルダに設けられた凸部がフィルム132を介して大気弁254の軸部264を上方に押し上げるとともに、ホルダのインク供給針がインク供給部160の供給弁13を上方に押し上げる。これにより、連通孔239は、中空部232から連通孔242までの大気流路を大気と連通する。また、インク供給部160における供給弁13より上流は、インク供給針と連通する。なお、インクカートリッジ100が工場出荷後に初めてホルダに装着される場合には、ホルダのインク供給針がインクカートリッジ100の挿入口26に貼り付けられたフィルム604を破いて、挿入口26に進入する。
連通孔242が大気と連通している状態において、インクジェット式記録装置が記録を始めると、インク供給部160からインク供給針を通して記録ヘッドへインクが供給される。インク供給部160からインクが記録ヘッドへ供給されると、インク収容部111のインクは、図6に示す矢印a、通孔918の順に流れ、インク供給制御手段150を経由して図6に示す矢印c、dの順に流れて、インク供給部160に流れ込み、インク供給部160に挿入されたインク供給針に供給される。このインクの流れにあわせて、空気が、図6における矢印f、底面の連通部224、および矢印gの経路をこの順に通って、連通孔242から大気側収容部270へ流入する。
供給側収容室290の第1インク収容部292および第2インク収容部294のインクがこの順に消費される。この間、供給側収容室290と大気側収容部270とを連通するスリット162に形成されるインクのメニスカスによる表面張力により、供給側収容室290のインクが大気側収容部270に逆流することが防止される。
第1インク収容部292のインクが消費され始めると、第1インク収容部292に空気が流入する。これにより、第1インク収容部292の液面が下がるが、第1インク収容部292と第2インク収容部294とは、下部のみが連通部276により連通しているので、まず、第1インク収容部292のインクが消費される。第1インク収容部292のインクが消費されて、液面が連通部276に到達すると、第2インク収容部294のインクが消費されるのにあわせて、空気は第2インク収容部294にも流入する。第2インク収容部294のインクが消費される間、連通部276にインクのメニスカスによる表面張力が生じるため、第2インク収容部294のインクが第1インク収容部292に逆流することが防止される。
上述のように第1インク収容部292および第2インク収容部294のインクはこの順に消費されるが、インクの液面がいずれの収容部にあっても、インクは、インク収容部111を上下に略二分する壁272の近傍に配された連通部278から連通部300を経由して通孔918を通ってインク供給部160へ供給される。
図9は、インクカートリッジ100の製造手順を示すフローチャートである。本実施形態のインクカートリッジ100を製造するには、まずインクが充填されていないインクカートリッジ100が準備される(S100)。ステップ100では、インクカートリッジ100が備える部品が組立てられる。まず、カートリッジ本体120の大気側収容部270にインクを吸収しない充填部材40が充填される。次に、充填部材40が充填されたカートリッジ本体120にフィルムが貼り付けられ、さらに蓋体140が取り付けられる。
上記ステップ100に続き、インク収容部111が減圧される(S102)。インク収容部111は、インク供給部160に接続された吸引手段であるポンプ等により排気されることにより、減圧される。次に、前記ステップ102により減圧されたインク収容部111の供給側収容室290にのみインクが充填される(S104)。インクは、連通路295に接続された第2のインク注入口163から注入される。大気側収容部270内には、インクを吸収しない充填部材40が充填されているので、インクが流入しない。したがって、供給側収容室290にのみインクを確実に充填することができる。また、減圧された供給側収容室290にインクが充填されるので、インクの脱気状態を保ちながら供給側収容室290の隅々までインクを充填することができる。なお、第2のインク注入口163からインクが注入されている間は、インク供給部160から排気をし続けてもよい。
次に、前記ステップ104により供給側収容室290にインクが充填されたインクカートリッジ100が大気開放される(S106)。インク注入口400を開放した状態でインクカートリッジ100が大気中に配されることにより、インクカートリッジ100の大気側収容部270が大気中に開放される。その後、インク注入口400がフィルムにより封止される。減圧された供給側収容室290にインクを充填した後で、一度インクカートリッジ100を大気に開放することにより、インクカートリッジ100の内圧を大気圧に近づけることができる。そのため、大気側収容部270に空気が入っていても、インクカートリッジ100がインクジェット式記録装置に装着された場合に、インクカートリッジ100の内圧と大気圧との差によって記録ヘッドから空気が逆流することなく、記録ヘッドが破損するのを防止することができる。
次に、前記ステップ106により大気開放されたインクカートリッジ100がパッケージ内に配され、このパッケージが減圧して包装される(S108)。以上で本フローチャートは終了する。インクカートリッジ100をパッケージを減圧して包装するので、包装後に、ユーザーがパッケージを開封するまでの間における、インクカートリッジ100内のインクの脱気状態を一定に保つことができる。特に、大気側収容部270にはインクが収容されていないので、減圧された空気が占める体積が大きくなり、供給側収容室290に収容されたインクをより確実に脱気することができる。また、インクカートリッジ100がパッケージから取り出されてインクジェット式記録装置に装着された場合にも、大気側収容部270にはインクの代わりに空気が収容されているので、外気の急激な変化を緩衝してインクカートリッジ100内に伝えるので、露結や、インクジェット式記録装置からの引き込み、インクカートリッジ100外へのインクの漏れ出しを防止することができる。
上記では、ステップ102でインク収納室110全体を減圧する場合を示したが、インクを注入する供給側収容室290のみを減圧する場合は、減圧する容積が小さいため、容易に減圧することが可能で、減圧工程を簡略化できる。また、充填部材40を充填せずに、第1のインク注入口161から大気側収容部270にインクを充填することにより、同一のインクカートリッジを用いてインク充填量の多いインクカートリッジを容易に実現することができることは言うまでも無い。
以上、本発明を実施の形態を用いて説明したが、本発明の技術的範囲は上記実施の形態に記載の範囲には限定されない。上記実施の形態に、多様な変更または改良を加えることが可能であることが当業者に明らかである。その様な変更または改良を加えた形態も本発明の技術的範囲に含まれ得ることが、特許請求の範囲の記載から明らかである。
インクカートリッジ100の正面斜視図である。 フィルム110が貼り付けられる前のインクカートリッジ100の背面斜視図である。 フィルム110が貼り付けられた後のインクカートリッジ100の背面斜視図である。 インクカートリッジ100の分解斜視図である。 インクカートリッジ100の分解斜視図である。 フィルム130が貼り付けられる前のインクカートリッジ100の正面図である。 フィルム130が貼り付けられた後のインクカートリッジ100の正面図である。 フィルム110が貼り付けられる前のインクカートリッジ100の背面図である。 インクカートリッジ100の製造手順を示すフローチャートである。
符号の説明
12・・・シール部材、13・・・供給弁、14・・・付勢部、26・・・挿入口、40・・・充填部材、100・・・インクカートリッジ、110・・・インク収容部、120・・・カートリッジ本体、140・・・蓋体、150・・・インク供給制御手段、160・・・インク供給部、170・・・記憶手段、180・・・係合部材、210・・・大気側通路、242・・・連通孔、250・・・大気弁部、270・・・大気側収容部、272・・・壁、274、276、278、302、304・・・連通部、275・・・連通路、290・・・供給側収容室、292・・・第1インク収容部、294・・・第2収容室、296・・・第3収容室、298・・・通路、400、401・・・インク注入口

Claims (5)

  1. 液体噴射装置に着脱可能に構成され、前記液体噴射装置へ液体を供給するための液体カートリッジの製造方法であって、
    前記液体噴射装置と接続するための液体供給部と、前記液体供給部と連通する供給側収容室、および前記供給側収容室と連通し、大気と連通可能な大気側収容部とを有する前記液体カートリッジを準備する準備ステップと、
    前記大気側収容部に、表面に凹凸を有し、液体を吸収しない充填部材を、前記凹凸により前記大気側収容部との間に隙間を有して充填するステップと、
    少なくとも前記供給側収容室を減圧する減圧ステップと、
    前記減圧ステップにより減圧された前記供給側収容室のみに液体を充填する充填ステップと
    を備え、
    前記供給側収容室と前記大気側収容部とは壁により分割されるとともに、連通路により連通されており、前記大気側収容部内に空気が流入すると、流入した空気は前記大気側収容部と充填部材との前記隙間を通り、さらに、前記連通路を通って前記供給側収容室に流入する液体カートリッジ製造方法。
  2. 前記充填ステップにより前記供給側収容室に液体が充填された前記液体カートリッジにおいて、少なくとも前記大気側収容部を大気に開放する大気開放ステップを更に備えることを特徴とする請求項1に記載の液体カートリッジ製造方法。
  3. 前記大気開放ステップにより前記大気側収容部が大気へ開放された前記液体カートリッジを、減圧されたパッケージ内に包装するステップを更に備えることを特徴とする請求項2に記載の液体カートリッジ製造方法。
  4. 液体噴射装置に着脱可能に構成され、前記液体噴射装置へ液体を供給するための液体カートリッジであって、
    前記液体噴射装置と接続するための液体供給部と、前記液体供給部と連通する供給側収容室と、
    前記供給側収容室と連通し、大気に開放可能な大気側収容部と、
    表面に凹凸を有し、前記凹凸により前記大気側収容部との間に隙間を有して前記大気側収容部に充填され、液体を吸収しない充填部材と
    を備え、
    前記供給側収容室と前記大気側収容部とは壁により分割されるとともに、連通路により連通されており、前記大気側収容部内に空気が流入すると、流入した空気は前記大気側収容部と充填部材との前記隙間を通り、さらに、前記連通路を通って前記供給側収容室に流入することを特徴とする液体カートリッジ。
  5. 前記充填部材は、多孔質が連通されていない多孔質部材であることを特徴とする請求項4に記載の液体カートリッジ。
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