JP4054219B2 - 半導体ウェハ表面保護用粘着フィルム及び該粘着フィルムを用いる半導体ウェハ保護方法 - Google Patents

半導体ウェハ表面保護用粘着フィルム及び該粘着フィルムを用いる半導体ウェハ保護方法 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、半導体ウェハ表面保護用粘着フィルム、及び該粘着フィルムを用いる半導体ウェハ保護方法に関する。詳しくは、半導体ウェハを薄層化加工する工程における半導体ウェハの反り矯正、及び破損防止に有用で、生産性の向上を図り得る半導体ウェハ表面保護用粘着フィルム、及び該粘着フィルムを用いる半導体ウェハ保護方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
半導体ウェハを加工する工程は、半導体ウェハの回路形成面に半導体ウェハ表面保護用粘着フィルムを貼着する工程、半導体ウェハの回路非形成面を加工する工程、半導体ウェハ表面保護用粘着フィルムを剥離する工程、半導体ウェハを分割切断するダイシング工程、分割された半導体チップをリードフレームへ接合するダイボンディング工程を経た後、半導体チップを外部保護の為に樹脂で封止するモールド工程、等により構成されている。
【0003】
従来、ダイボンディング工程では、リードフレーム上にダイボンディング材料である樹脂ペーストを供給し、その上に半導体チップを載せて接着する方法が最も多く用いられている。しかし、樹脂ペーストを用いた場合、リードフレーム上に均一に塗布することが困難である為、接着層の硬化時にボイドが発生したり、チップクラックが生じる等の問題がある。
【0004】
ダイボンディング材料である樹脂ペーストの欠点である不均一な塗布性を改善すること、及び工程全般の合理化を目的として、特開平6−302629号公報には、ダイボンディング工程において、ダイボンディング用接着フィルムを用いる方法が開示されている。この方法は、半導体ウェハの回路非形成面にダイボンディング用接着フィルムを貼着する工程、ダイボンディング用接着フィルムを貼着した状態の半導体ウェハをダイシングテープに固着した後、分割切断するダイシング工程、及びダイシングテープを剥離する工程を経た後、半導体チップをリードフレームにダイボンディングする工程を実施する方法である。
【0005】
しかしながら、この方法は、半導体ウェハの回路非形成面を加工して、半導体ウェハを更に薄くした場合、特に100μm以下にした場合には、半導体ウェハ表面保護用粘着フィルムが貼着していない状態では、ダイボンディング用接着フィルムを貼着する際に、ロールの圧力、ウェハを薄層化した為に生じたウェハの反り等により半導体ウェハが破損する等の重大な問題が発生する。
【0006】
近年益々、半導体チップの薄層化の要求が高まっており、厚みが30〜100μm程度のチップも望まれている。従って、このように薄層化された半導体ウェハであっても破損することなく、ダイボンディング用粘着フィルムを貼着できる半導体ウェハの保護方法が望まれている。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
本発明の目的は、上記問題に鑑み、半導体ウェハが厚み100μm以下程度に薄層化され、且つ、ダイボンディング工程において高温に晒された場合であっても、半導体ウェハの反りを矯正し、ダイボンディング工程におけるウェハの搬送不良、破損などを防止し得る半導体ウェハ表面保護用粘着フィルム、及び該粘着フィルムを用いる半導体ウェハの保護方法を提供することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは鋭意検討した結果、半導体ウェハ表面保護用粘着フィルムの基材フィルムに着目し、その貯蔵弾性率、高温での収縮率、及び厚みの3特性の積の絶対値が特定値未満である基材フィルムを用いることにより、上記課題が解決できることを見出し、本発明に到った。
【0009】
すなわち、本発明は、基材フィルムの片表面に粘着剤層が形成された半導体ウェハ表面保護用粘着フィルムであって、基材フィルムが、下記数式(1)
|E×D×L|<15 ・・・(1)
{数式(1)において、Eは23℃における貯蔵弾性率(単位:GPa)、Dは厚み(単位:μm)、Lは180℃において2分間加熱したときの機械方向の収縮率(単位:%)}で表される関係を満たし、且つ、厚みが20〜300μmである層を少なくとも1層含むことを特徴とする半導体ウェハ表面保護用粘着フィルムである。
【0010】
また、本発明の他の発明は、半導体ウェハの回路形成面に半導体ウェハ表面保護用粘着フィルムを貼着する第一工程、半導体ウェハの回路非形成面を加工する第二工程、及び半導体ウェハの回路非形成面にダイボンティング用接着フィルムを貼着する第三工程を含む工程における半導体ウェハ保護方法であって、半導体ウェハ表面保護用粘着フィルムを剥離することなしに第三工程を実施し、且つ、半導体ウェハ表面保護用粘着フィルムとして、前記半導体ウェハ表面保護用粘着フィルムを用いることを特徴とする半導体ウェハ保護方法である。
【0011】
本発明によれば、厚みが100μm以下に薄層化され、且つ、ダイボンディング工程において高温に晒された場合であっても、上記一連の工程における半導体ウェハの反りを矯正し、ダイボンディング工程におけるウェハの搬送不良、破損などを防止できる。
【0012】
【発明の実施の形態】
以下、本発明について詳細に説明する。先ず、本発明に係わる半導体ウェハ表面保護用粘着フィルムについて説明する。本発明に係わる半導体ウェハ表面保護用粘着フィルムは、基材フィルムの片表面に粘着剤層を形成することにより製造される。通常、粘着剤層を保護するために、粘着剤層の表面に剥離フィルムが貼着される。剥離フィルムを剥離したときに露出する粘着剤層の表面を介して半導体ウェハ表面に貼着することを考慮し、粘着剤層による半導体ウェハ表面の汚染防止を図るためには、剥離フィルムの片面に、粘着剤塗布液を塗布、乾燥して粘着剤層を形成した後、得られた粘着剤層を基材フィルムの片面に転写する方法が好ましい。
【0013】
基材フィルムは、上記数式(1)の関係を満たし、且つ、厚みが20〜300μmである層を少なくとも1層(以下、この層を耐熱基材フィルム層という)含むように形成する。具体的には、23℃における貯蔵弾性率(E、単位:GPa)、厚み(D、単位:μm)、及び180℃において2分間加熱したときの機械方向の収縮率(L、単位:%)の積の絶対値が15未満であり、且つ、厚みが20〜300μmである層を少なくとも1層含む基材フィルムを用いる。基材フィルム全体の厚みは50〜350μmであることが好ましい。好ましくは、上記特性が下記数式(2)の関係を満たし、且つ、厚みが20〜300μmである層を少なくとも1層含むように形成する。
|E×D×L|<10 ・・・(2)
上記数式(1)及び(2)は、基材フィルムのが収縮する際に生じる収縮力を表す数式である。収縮率[(L)、単位:%]は180℃で2分間加熱した前後の歪みを百分率(パーセント)で表したものであり、収縮を正、膨張を負で表す。E、D、及びLの3者の積は、基材フィルムの収縮により発生する応力を表している。好ましくは、上記数式(1)の関係を満たし、且つ、23〜200℃における貯蔵弾性率が1×107〜1×1010Pa、180℃において2分間加熱したときの機械方向の収縮率が0.01〜1%である層を少なくとも1層含む基材フィルムである。
【0014】
耐熱基材フィルム層の少なくとも1層の23〜200℃における貯蔵弾性率が1×107Pa未満である場合は、ダイボンディング用接着フィルムの貼着工程において、表面保護用粘着フィルムに熱により、チャックテーブルに接している耐熱基材フィルム層が融解し、チャックテーブルからアームによる搬送に問題が生じることがある。また、薄層化した半導体ウェハの反りが原因で、ダイボンディング用接着フィルム貼着時のウェハ破損、チャックテーブルからアームによる搬送時の吸着不良などの問題が生じてしまうこともある。
【0015】
かかる耐熱基材フィルム層を形成する樹脂として、シリコーンゴムが挙げられる。シリコーンゴムの代表的市販品として、三菱樹脂(株)製、商品名:珪樹が挙げられる。本発明に用いるシリコーンゴムは、ケイ素と酸素からなる無機質のシロキサン結合を骨格とし、そのケイ素原子に直結するメチル基などの有機基格を有する合成高分子である。シリコーンゴムの性能は主鎖のシロキサン結合によるものと、化学構造に起因しているものとに区分される。シロキサン結合の特性としては、耐熱性、耐候性、難焼性、誘電特性、耐放射線性、耐アーク性、耐コロナ性、電気絶縁性、耐紫外線性がある。化学構造に起因する特性は、撥水性、消泡性、離型性、接着性、耐寒性、粘度温度特性、圧縮特性、泡沫安定性、ガラス透過性がある。
【0016】
本発明に係わる半導体ウェハ表面保護用粘着フィルムの粘着剤層を形成する粘着剤は、ダイボンディング用接着フィルム貼着時の温度条件下、例えば150℃程度の温度でも、粘着剤として充分機能するものであることが好ましい。具体的には、アクリル系粘着剤、シリコン系粘着剤等が例示される。粘着剤層の厚みは3〜100μmであることが好ましい。粘着剤層は、半導体ウェハ表面保護用粘着フィルムをウェハの回路形成面(以下、表面という)から剥離した後、半導体ウェハの表面に糊残りなどによる汚染が生じないことが好ましい。
【0017】
粘着剤層は、特に、ダイボンディング用接着フィルムを加熱貼着するダイボンディング工程において150℃程度の高温に曝された際に、粘着力が大きくなり過ぎないように、また、半導体ウェハ表面の汚染が増加しないように、反応性官能基を有する架橋剤、過酸化物、放射線等により高密度に架橋されたものであることが好ましい。更に、ダイボンディング用接着フィルムを貼着する際に、温度150℃以上の条件下で加熱処理された場合であっても、粘着力が上昇して剥離不良を起こさないこと、及び糊残りが発生しないことが好ましい。その為、粘着剤層は、150℃における貯蔵弾性率が少なくとも1×105Paであることが好ましい。貯蔵弾性率は、高ければ高いほどよいが、通常、その上限は1×108Pa程度である。
【0018】
上記特性を有する粘着剤層を形成する方法として、アクリル系粘着剤を用いる方法を例示する。粘着剤層は、(メタ)アクリル酸アルキルエステルモノマー単位、架橋剤と反応し得る官能基を有するモノマー単位、2官能性モノマー単位をそれぞれ特定量含む乳化重合共重合体であるアクリル系粘着剤、並びに、凝集力を上げたり粘着力を調整するための、官能基を1分子中に2個以上有する架橋剤を含む溶液またはエマルション液を用いることにより形成される。溶液で使用する場合は、乳化重合で得られたエマルション液からアクリル系粘着剤を塩析等で分離した後、溶剤等で再溶解して使用する。アクリル系粘着剤は、分子量が充分に大きく、溶剤への溶解性が低く、若しくは溶解しない場合が多いので、コスト的な観点から鑑みても、エマルション液のまま使用することが好ましい。
【0019】
本発明に用いるアクリル系粘着剤としては、アクリル酸アルキルエステル、メタクリル酸アルキルエステル、又はこれらの混合物を主モノマー〔以下、モノマー(A)〕として、架橋剤と反応し得る官能基を有するコモノマーを含むモノマー混合物を共重合して得られたものが挙げられる。
【0020】
モノマー(A)としては、炭素数1〜12程度のアルキル基を有するアクリル酸アルキルエステル、又はメタクリル酸アルキルエステル〔以下、これらの総称して(メタ)アクリル酸アルキルエステルという〕が挙げられる。好ましくは、炭素数1〜8のアルキル基を有する(メタ)アクリル酸アルキルエステルである。具体的には、アクリル酸メチル、メタクリル酸メチル、アクリル酸エチル、メタクリル酸エチル、アクリル酸ブチル、メタクリル酸ブチル、アクリル酸−2−エチルヘキシル等が挙げられる。これらは単独で使用しても、また、2種以上を混合して使用してもよい。モノマー(A)の使用量は粘着剤の原料となる全モノマーの総量中に、通常、10〜98.9重量%の範囲で含ませることが好ましい。更に好ましくは85〜95重量%である。モノマー(A)の使用量をかかる範囲とすることにより、(メタ)アクリル酸アルキルエステルモノマー単位(A)10〜98.9重量%、好ましくは85〜95重量%を含むポリマーが得られる。
【0021】
架橋剤と反応し得る官能基を有するモノマー単位(B)を形成するモノマー(B)としては、アクリル酸、メタクリル酸、イタコン酸、メサコン酸、シトラコン酸、フマル酸、マレイン酸、イタコン酸モノアルキルエステル、メサコン酸モノアルキルエステル、シトラコン酸モノアルキルエステル、フマル酸モノアルキルエステル、マレイン酸モノアルキルエステル、アクリル酸グリシジル、メタクリル酸グリシジル、アクリル酸−2−ヒドロキシエチル、メタクリル酸−2−ヒドロキシエチル、アクリルアミド、メタクリルアミド、ターシャル−ブチルアミノエチルアクリレート、ターシャル−ブチルアミノエチルメタクリレート等が挙げられる。好ましくは、アクリル酸、メタクリル酸、アクリル酸−2−ヒドロキシエチル、メタクリル酸−2−ヒドロキシエチル、アクリルアミド、メタクリルアミド等である。これらの一種を上記主モノマーと共重合させてもよいし、また2種以上を共重合させてもよい。架橋剤と反応し得る官能基を有するモノマー(B)の使用量は、粘着剤の原料となる全モノマーの総量中に、通常、1〜40重量%の範囲で含まれていることが好ましい。更に好ましくは、1〜10重量%である。而して、モノマー組成とほぼ等しい組成の構成単位(B)を有するポリマーが得られる。
【0022】
更に、粘着剤層は、半導体ウェハの裏面加工、及びダイボンディング用接着フィルムの貼着時等における温度条件下でも、粘着剤として充分機能するように、粘着力や剥離性を調整することが好ましい。その方策として、エマルション粒子の凝集力を維持する為に粒子バルクの架橋方式も考慮することが好ましい。
【0023】
エマルション粒子に対しては、150〜200℃の温度条件下でも1×105Pa以上を有する為に、2官能モノマー(C)を共重合することによって凝集力を維持するよう架橋方式を改良することが好ましい。良好に共重合するモノマーとして、メタクリル酸アリル、アクリル酸アリル、ジビニルベンゼン、メタクリル酸ビニル、アクリル酸ビニルや、例えば、両末端がジアクリレートまたはジメタクリレートで主鎖の構造がプロピレングリコール型〔日本油脂(株)製、商品名;PDP−200、同PDP−400、同ADP−200、同ADP-400〕、テトラメチレングリコール型〔日本油脂(株)製、商品名;ADT‐250、同ADT‐850〕及びこれらの混合型〔日本油脂(株)製、商品名:ADET‐1800、同ADPT−4000〕であるもの等が挙げられる。
2官能モノマー(C)を乳化共重合する場合、その使用量は、全モノマー中に0.1〜30重量%含むことが好ましい。更に好ましくは0.1〜5重量%である。而して、モノマー組成とほぼ等しい組成の構成単位(C)を有するポリマーが得られる。
【0024】
上記粘着剤を構成する主モノマー、及び架橋剤と反応し得る官能基を有するコモノマーの他に、界面活性剤としての性質を有する特定のコモノマー(以下、重合性界面活性剤と称する)を共重合してもよい。重合性界面活性剤は、主モノマー及びコモノマーと共重合する性質を有すると共に、乳化重合する場合には乳化剤としての作用を有する。重合性界面活性剤を用いて乳化重合したアクリル系粘着剤を用いた場合には、通常、界面活性剤による半導体ウェハ表面に対する汚染が生じない。また、粘着剤層に起因する僅かな汚染が生じた場合においても、半導体ウェハ表面を水洗することにより容易に除去することが可能となる。
【0025】
このような重合性界面活性剤の例としては、例えば、ポリオキシエチレンノニルフェニルエーテルのベンゼン環に重合性の1−プロペニル基を導入したもの〔第一工業製薬(株)製;商品名:アクアロンRN−10、同RN−20、同RN−30、同RN−50等〕、ポリオキシエチレンノニルフェニルエーテルの硫酸エステルのアンモニウム塩のベンゼン環に重合性の1−プロペニル基を導入したもの〔第一工業製薬(株)製;商品名:アクアロンHS−10、同HS−20等〕、及び分子内に重合性二重結合を持つ、スルホコハク酸ジエステル系〔花王(株)製;商品名:ラテムルS−120A、同S−180A等〕等が挙げられる。更に必要に応じて、酢酸ビニル、アクリロニトリル、スチレン等の重合性2重結合を有するモノマーを共重合してもよい。
【0026】
アクリル系粘着剤の重合反応機構としては、ラジカル重合、アニオン重合、カチオン重合等が挙げられる。粘着剤の製造コスト、モノマーの官能基の影響及び半導体ウェハ表面へのイオンの影響等を等慮すればラジカル重合によって重合することが好ましい。ラジカル重合反応によって重合する際、ラジカル重合開始剤として、ベンゾイルパーオキサイド、アセチルパーオキサイド、イソブチリルパーオキサイド、オクタノイルパーオキサイド、ジ−ターシャル−ブチルパーオキサイド、ジ−ターシャル−アミルパーオキサイド等の有機過酸化物、過硫酸アンモニウム、過硫酸カリウム、過硫酸ナトリウム等の無機過酸化物、2,2’−アゾビスイソブチロニトリル、2,2’−アゾビス−2−メチルブチロニトリル、4,4’−アゾビス−4−シアノバレリックアシッド等のアゾ化合物が挙げられる。
【0027】
乳化重合法により重合する場合には、これらのラジカル重合開始剤の中で、水溶性の過硫酸アンモニウム、過硫酸カリウム、過硫酸ナトリウム等の無機過酸化物、同じく水溶性の4,4’−アゾビス−4−シアノバレリックアシッド等の分子内にカルボキシル基を持ったアゾ化合物が好ましい。半導体ウェハ表面へのイオンの影響を考慮すれば、過硫酸アンモニウム、4,4’−アゾビス−4−シアノバレリックアシッド等の分子内にカルボキシル基を有するアゾ化合物が更に好ましい。4,4’−アゾビス−4−シアノバレリックアシッド等の分子内にカルボキシル基を有するアゾ化合物が特に好ましい。
【0028】
本発明に用いる架橋性の官能基を1分子中に2個以上有する架橋剤は、アクリル系粘着剤が有する官能基と反応させ、粘着力及び凝集力を調整するために用いる。架橋剤としては、ソルビトールポリグリシジルエーテル、ポリグリセロールポリグリシジルエーテル、ペンタエリスリトールポリグリシジルエーテル、ジグリセロールポリグリシジルエーテル、グリセロールポリグリシジルエーテル、ネオペンチルグリコールジグリシジルエーテル、レソルシンジグリシジルエーテル等のエポキシ系化合物、テトラメチレンジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート、トリメチロールプロパンのトルエンジイソシアネート3付加物、ポリイソシアネート等のイソシアネート系化合物、トリメチロールプロパン−トリ−β−アジリジニルプロピオネート、テトラメチロールメタン−トリ−β−アジリジニルプロピオネート、N,N’−ジフェニルメタン−4,4’−ビス(1−アジリジンカルボキシアミド)、N,N’−ヘキサメチレン−1,6−ビス(1−アジリジンカルボキシアミド)、N,N’−トルエン−2,4−ビス(1−アジリジンカルボキシアミド)、トリメチロールプロパン−トリ−β−(2−メチルアジリジン)プロピオネート等のアジリジン系化合物、N,N,N’,N’−テトラグリシジルm−キシレンジアミン、1,3−ビス(N,N’−ジグリシジルアミノメチル)シクロヘキサンの4官能性エポキシ系化合物及びヘキサメトキシメチロールメラミン等のメラミン系化合物が挙げられる。これらは単独で使用してもよいし、2種以上に対して併用してもよい。
【0029】
架橋剤の含有量は、通常、架橋剤中の官能基数がアクリル系粘着剤中の官能基数よりも多くならない程度の範囲が好ましい。しかし、架橋反応で新たに官能基が生じる場合や、架橋反応が遅い場合等、必要に応じて過剰に含有してもよい。好ましい含有量は、アクリル系粘着剤100重量部に対し、架橋剤0.1〜15重量部である。含有量が少なすぎると、粘着剤層の凝集力が不十分となり、150〜200℃において、弾性率が1×105Pa未満となり、耐熱特性が低下する。そのため、粘着剤層に起因する糊残りを生じ易くなったり、粘着力が高くなり、表面保護用粘着フィルムを半導体ウェハ表面から剥離する際に自動剥がし機で剥離トラブルが発生したり、半導体ウェハを完全に破損したりすることがある。含有量が多すぎると、粘着剤層と半導体ウェハ表面との密着力が弱くなり、半導体ウェハ裏面研削工程において、半導体ウェハ表面と粘着剤層の間に研磨屑が浸入して半導体ウェハを破損したり、半導体ウェハ表面を汚染することがある。
【0030】
本発明に用いる粘着剤塗布液には、上記の特定の2官能モノマーを共重合したアクリル系粘着剤及び架橋剤の他に、粘着特性を調整するためにロジン系、テルペン樹脂系等のタッキファイヤー、各種界面活性剤等を本発明の目的に影響しない程度に適宜含有してもよい。また、塗布液がエマルション液である場合は、ジエチレングリコールモノアルキルエーテル等の造膜助剤を本発明の目的に影響しない程度に適宜添加してよい。造膜助剤として使用されるジエチレングリコールモノアルキルエーテル及びその誘導体は、粘着剤層中に多量に存在した場合、洗浄が不可能となる程度に半導体ウェハ表面を汚染することがある。そのため、粘着剤塗布液の乾燥温度において揮発する性質を有するものを使用し、粘着剤層中の残存量を極力低くすることが好ましい。
【0031】
本発明の半導体ウェハ表面保護用粘着フィルムの粘着力は、半導体ウェハの加工条件、半導体ウェハの直径、裏面研削後の半導体ウェハの厚み、ダイボンディング用接着フィルム貼着温度等を勘案して適宜調整できる。粘着力が低すぎると、半導体ウェハ表面への表面保護用粘着フィルムの貼着が困難となったり、表面保護用粘着フィルムによる保護性能が不十分となり、半導体ウェハが破損したり、半導体ウェハ表面に研削屑等による汚染が生じることがある。また、粘着力が高すぎると、半導体ウェハの裏面加工を実施した後、表面保護用粘着フィルムを半導体ウェハ表面から剥離する際に、自動剥がし機で剥離トラブルが発生する等、剥離作業性が低下したり、半導体ウェハを破損したりすることがある。通常、SUS304−BA板に対する粘着力に換算して5〜500g/25mm、好ましくは10〜300g/25mmである。
【0032】
基材フィルムまたは剥離フィルムの片表面に粘着剤塗布液を塗布する方法としては、従来公知の塗布方法、例えば、ロールコーター法、リバースロールコーター法、グラビアロール法、バーコート法、コンマコーター法、ダイコーター法等が採用できる。塗布された粘着剤の乾燥条件には特に制限はないが、一般的には、80〜200℃の温度範囲において、10秒〜10分間乾燥することが好ましい。更に好ましくは、80〜170℃において、15秒〜5分間乾燥する。架橋剤と粘着剤との架橋反応を十分に促進させるために、粘着剤塗布液の乾燥が終了した後、表面保護粘着フィルムを40〜80℃において5〜300時間程度加熱してもよい。
【0033】
本発明の半導体ウェハ表面保護用粘着フィルムの製造方法は、上記の通りであるが、半導体ウェハ表面の汚染防止の観点から、基材フィルム、剥離フィルム、粘着剤主剤等全ての原料資材の製造環境、粘着剤塗布液の調製、保存、塗布及び乾燥環境は、米国連邦規格209bに規定されるクラス1,000以下のクリーン度に維持されていることが好ましい。
【0034】
本発明に係わる半導体ウェハ保護方法を適用した半導体ウェハの製造方法は、先ず、前記の如く、半導体ウェハの表面に半導体ウェハ表面保護用粘着フィルムを貼着する第一工程、及び半導体ウェハの回路非形成面(以下、裏面という)を加工する第二工程を順次実施し、引き続き、該表面保護用粘着フィルムを剥離することなしに半導体ウェハの裏面にダイボンディング用接着フィルムを貼着する第三工程を実施する。以降の工程には特に制限はないが、例えば、半導体ウェハ表面保護用粘着フィルムを剥離する工程、半導体ウェハを分割切断するダイシング工程、半導体チップを外部保護の為に樹脂で封止するモールド工程等を順次実施する半導体ウェハの製造方法が挙げられる。
【0035】
本発明の半導体ウェハ保護方法について詳細に説明する。本発明の半導体ウェハ保護方法は、半導体ウェハの表面に半導体ウェハ表面保護用粘着フィルムを貼着する第一工程、及び半導体ウェハの裏面を加工する第二工程を順次実施し、引き続き、半導体ウェハ表面保護用粘着フィルムを剥離することなしに、半導体ウェハ裏面にダイボンディング用接着フィルムを貼着する第三工程を実施する。この際、半導体ウェハ表面保護用粘着フィルムとして、前記半導体ウェハ表面保護用粘着フィルムを用いる。
【0036】
本発明に係わる半導体ウェハ保護方法の詳細は、先ず、半導体ウェハ表面保護用粘着フィルム(以下、表面保護用粘着フィルムと略称する)の粘着剤層側から剥離フィルムを剥離し、粘着剤層表面を露出させ、その粘着剤層を介して、半導体ウェハの表面に表面保護用粘着フィルムを貼着する(第一工程)。次いで、裏面加工機のチャックテーブル等に表面保護用粘着フィルムの基材フィルム層を介して半導体ウェハを固定し、半導体ウェハの裏面を加工する(第二工程)。第二工程は、半導体ウェハの裏面研削工程、ウェットエッチング工程、及びポリッシング工程を全て実施してもよいし、又は、これらの工程のいずれか一工程を実施してもよい。次いで、表面保護用粘着フィルムを剥離することなしに、ダイボンディング用接着フィルムの貼着工程に搬送され、ダイボンディング用接着フィルムを貼着する(第三工程)。その後、表面保護用粘着フィルムは剥離される。また、必要に応じて表面保護用粘着フィルムを剥離した後に、半導体ウェハ表面に対して、水洗、プラズマ洗浄等の処理が施される。
【0037】
従来、裏面加工工程において、半導体ウェハは、研削前の厚みが500〜1000μmであったものが、半導体チップの種類等に応じ、200〜600μm程度まで研削、薄層化される。一方、本発明の保護方法を適用することにより、厚みが100μm以下になるまで薄層化することができる。その場合、半導体ウェハの最低厚みは20μm程度である。100μm以下まで薄くする場合は、裏面研削に引き続いて、ウェットエッチング工程やポリッシング工程を実施することもできる。裏面を研削する前の半導体ウェハの厚みは、半導体ウェハの直径、種類等により適宜決められ、裏面研削後の半導体ウェハの厚みは、得られるチップのサイズ、回路の種類等により適宜決められる。
【0038】
表面保護用粘着フィルムを半導体ウェハの表面に貼着する操作は、人手により行われる場合もあるが、一般に、ロール状の表面保護用粘着フィルムを取り付けた自動貼り機と称される装置によって行われる。このような自動貼り機として、例えばタカトリ(株)製、形式:ATM−1000B、同ATM−1100、同TEAM−100、帝国精機(株)製、形式:STLシリーズ等が挙げられる。
【0039】
裏面研削方式としては、スルーフィード方式、インフィード方式等の公知の研削方式が採用される。通常、いずれの方法においても、半導体ウェハと砥石に水を供給して冷却しながら裏面研削が行われる。裏面研削終了後、必要に応じて、ウェットエッチング、ポリッシングが行われる。ウェットエッチング工程及びポリッシング工程は、半導体ウェハ裏面に生じた歪の除去、半導体ウェハのさらなる薄層化、酸化膜等の除去、電極を裏面に形成する際の前処理等を目的として行われる。エッチング液は、上記の目的に応じて適宜選択される。
【0040】
ダイボンディング用接着フィルムを貼着する工程で用いる装置としては、例えば、タカトリ(株)製、形式:DM−800等が挙げられる。ダイボンディング用接着フィルムとしては、ポリエステル系、ポリプロピレン系フィルムの表面に、ポリイミド樹脂と熱硬化性樹脂の混合物からなるワニスを塗布して、接着剤層を形成したダイボンディング用接着フィルムが挙げられる。この時、必要に応じてポリイミド樹脂と熱硬化性樹脂の混合物に添加剤を混合することもある。ロールを用いて、ダイボンディング用接着フィルムを半導体ウェハ裏面に加熱貼着することにより、接着剤付半導体ウェハとされる。
【0041】
通常、半導体ウェハ裏面にダイボンディング用接着フィルムを貼着する際には、上記の如きダイボンディング用接着フィルム貼着装置が用いられる。先ず、100〜150℃程度に加熱された装置内のチャックテーブルに、表面保護用粘着フィルムを介して半導体ウェハを吸着させて、装置内の内臓ロールによって半導体ウェハ裏面にダイボンディング用接着フィルムを仮貼着し、半導体ウェハの外周部からはみだした余剰のダイボンディング用接着フィルムをカットする。次いで、ダイボンディング用接着フィルムを介して半導体ウェハをアームで吸着して、150〜200℃程度に加熱されたチャックテーブルに移動、吸着させて本貼着する。この際、薄層化された半導体ウェハに大きな反りがあると、低温側のチャックテーブルにおいて、ロールを用いて、ダイボンディング用接着フィルムを貼着する際にロールの押圧によって半導体ウェハが破損し易い。
【0042】
また、半導体ウェハが破損することなしに、半導体ウェハ裏面にダイボンディング用接着フィルムを仮貼着できても、半導体ウェハに大きな反りがあると、ダイボンディング用接着フィルムを介して、半導体ウェハをアームに吸着させて、低温側のチャックテーブルから、高温側のチャックテーブルへアームによって半導体ウェハを搬送する際、及び、アームによって高温側チャックテーブルから脱着する際にアームへの吸着不良などよって、半導体ウェハの搬送不良が生じることがある。半導体ウェハ表面に本発明に係わる粘着フィルムを貼着して半導体ウェハを薄層化し、且つ、粘着フィルムを剥離することなしにダイボンディング用接着フィルム貼着することにより、半導体ウェハの反りが矯正され、その破損及び搬送不良を防止することができるのである。
【0043】
裏面研削工程、エッチング工程、及びダイボンディング用接着フィルムの貼着工程がそれぞれ終了した後、半導体ウェハ表面から表面保護用粘着フィルムが剥離される。これらの一連の操作は、人手により行われる場合もあるが、一般的に自動剥がし機と称される装置を用いて行われる。このような自動剥がし機としては、タカトリ(株)製、形式:ATRM−2000B、同ATRM−2100、帝国精機(株)製、形式:STPシリーズ等が挙げられる。また、剥離性の向上を目的として、必要に応じて加熱剥離することが好ましい。
【0044】
表面保護用粘着フィルムを剥離した後の半導体ウェハ表面は、必要に応じて洗浄される。洗浄方法としては、水洗浄、溶剤洗浄等の湿式洗浄、プラズマ洗浄等の乾式洗浄等が挙げられる。湿式洗浄の場合、超音波洗浄を併用してもよい。これらの洗浄方法は、半導体ウェハ表面の汚染状況により適宜選択される。
【0045】
本発明の半導体ウェハ保護方法が適用できる半導体ウェハとして、シリコンウェハに限らず、ゲルマニウム、ガリウム−ヒ素、ガリウム−リン、ガリウム−ヒ素−アルミニウム等のウェハが挙げられる。
【0046】
【実施例】
以下、実施例を示して本発明についてさらに詳細に説明する。以下に示す全ての実施例及び比較例において、米国連邦規格209bに規定されるクラス1,000以下のクリーン度に維持された環境において粘着剤塗布液の調製及び塗布、半導体シリコンウェハの裏面研削、並びにダイボンディング用接着フィルム貼着等の製造を実施した。本発明はこれら実施例に限定されるものではない。尚、実施例に示した各種特性値は下記の方法で測定した。
【0047】
1.各種特性の測定方法
1−1.粘着力測定(g/25mm)
下記に規定した条件以外は、全てJIS Z0237−1991に規定される方法に準じて測定する。23℃の雰囲気下において、実施例または比較例で得られた粘着フィルムをその粘着剤層を介して、20cm×5cmの長方形のSUS304−BA板(JIS G4305−1991規定)の表面に貼着し、同サイズに粘着フィルムをカットし、60分放置する。但し、粘着フィルムは機械方向(以下、MD方向という)がSUS304−BA板の20cmの辺に、機械方向と直交する方向(以下、TD方向という)がSUS304−BA板の5cmの辺に対するように粘着フィルムを貼着する。試料のMD方向の一端を挟持し、剥離角度180度、剥離速度300mm/min.でSUS304−BA板の表面から試料を剥離する際の応力を測定し、25mm幅に換算する。
【0048】
1−2.貯蔵弾性率(Pa)
1)粘着剤層
半導体ウェハ表面保護用粘着フィルムの粘着剤層の部分を厚さ1mmになるように積層し、直径8mmの粘弾性測定用試料を作製する。動的粘弾性測定装置(レオメトリックス社製:形式:RMS−800)を用いて、150℃及び200℃において貯蔵弾性率を測定する。測定周波数は1Hzとし、歪みは0.1〜3%とする。
【0049】
2)基材フィルム層
半導体ウェハ表面保護用粘着フィルムの基材フィルム層部分を切断し、長方形(MD方向:30mm、TD方向:10mm)の試料を作製する。動的粘弾性測定装置(レオメトリックス社製:形式:RSA−II)を用いて、0〜300℃までの貯蔵弾性率(機械方向)を測定する。測定周波数は、1Hzとし、歪みは0.01〜0.1%とする。23℃における貯蔵弾性率(MD方向)を上記数式(1)中のE(単位:GPa)とする。但し、積層基材フィルムの場合は、各層独立で測定を行う。
【0050】
1−3.基材フィルムの収縮率(%)
基材フィルムを正方形(MD方向:30cm、TD方向:30cm)に切断し、パンチでスポット(MD方向:25cm、TD方向:25cm)を基材フィルムに開け、試料を作製する。2次元測定機((株)ミツトヨ製:形式:CRYSTAL*μV606)を用いて、基材フィルムに開けられたスポット間隔を測定する。測定後、試料を180℃に保たれたオーブンで2分間加熱した後、取り出し自然冷却した後、再度スポット間隔を測定し、下記数式(3)により収縮率を算出する。数式(3)において、Lは収縮率(%)、L0は加熱前のスポット間隔(cm)、L1は加熱後のスポット間隔(cm)を示す。
L=〔(L0―L1)/L0〕×100・・(3)
【0051】
1−4.汚染性評価
10枚の半導体シリコンウェハ(直径:8インチ、厚み:600μm、スクライブラインの深さ:8μm、スクライブラインの幅:100μm)の表面に試料用の表面保護用粘着フィルムをその粘着剤層を介して、半導体シリコンウェハの全表面に貼着し、半導体ウェハの裏面加工工程、ダイボンディング用接着フィルム貼着工程を経た後、剥離機(日東精機(株)製、型式:HR8500II)を用いて粘着フィルムを剥離した後、半導体ウェハの表面をレーザーフォーカス顕微鏡(KEYENCE製、形式:VF−7510、VF−7500、VP−ED100)を用いて250倍率で観察する。粘着フィルムを剥離した後の表面に糊残りが認められたウェハの枚数を示す。
【0052】
1−5. 半導体ウェハ反り量の評価
半導体ウェハの表面に厚み10μmのポリイミド膜が配設されている8インチシリコンウェハ(以下、PIウェハと略称する、直径約200mm、厚み725μm)の表面に、表面保護用粘着フィルムをその粘着剤層を介してハンドローラを用いて貼付けた後、裏面研削機((株)ディスコ製、形式:DFG860)を用いて厚みが100μmになるまでウェハ裏面を研削し薄層化する。薄層化後、PIウェハの表面に表面保護用粘着フィルムが貼り付けられている状態で、表面保護用粘着フィルム貼付け面を上にしてPIウェハを定板上に乗せる。定板とウェハ裏面との最大距離を測定し、反り量とする。次に、その表面保護用粘着フィルムが貼付けられた薄層化後のPIウェハをホットプレート(アドバンテック社製、形式:TP−320)を用い、180℃で2分間加熱し、上記と同様にして加熱後の反り量を測定する。10枚のPIウェハについて評価し、その平均値で示す。
【0053】
1−6.半導体ウェハの破損(枚数)
ダイボンディング用接着フィルム貼着工程、及び表面保護用粘着フィルム剥離工程における半導体ウェハの破損枚数を示す。10枚のPIウェハについて評価し、破損した枚数を示す。
【0054】
2.表面保護用粘着フィルムの製造例
2−1.基材フィルムの製造例1
23〜200℃での貯蔵弾性率が1×107〜1×1010Paである樹脂より形成され、23℃の貯蔵弾性率[(E)GPa]、厚み[(D)μm]、及び180℃で2分加熱後のMD方向の収縮率[(L)%]がそれぞれ、0.04GPa、150μm、0.72%であり、前記数式(1)の関係を満たすフィルムとして、シリコーンゴムフィルム[三菱樹脂(株)製、商品名:珪樹、片面表面処理品]を選定した。粘着剤層を形成する側の表面にプライマーの塗付を施し、基材フィルム1とした。尚、貯蔵弾性率は、23℃において0.04GPa、200℃において13MPaであった。また、数式(1)に基づく算出値は4.3であった。
【0055】
2−2.基材フィルムの比較製造例1
前記数式(1)を満たさない2軸延伸ポリエチレンテレフタレートフィルム〔東洋紡(株)製、商品名:K−1537、23℃の貯蔵弾性率(E):3.4GPa、200℃の貯蔵弾性率が350MPa、厚み(D):50μm、180℃で2分加熱前後のMD方向の収縮率(L):0.72%〕を基材フィルム2とした。数式(1)に基づく算出値は122.4であった。粘着剤層を形成する側の表面にコロナ放電処理を施した。
【0056】
2−3.基材フィルムの比較製造例2
前記数式(1)を満たさない2軸延伸ポリエチレンナフタレートフィルム〔帝人(株)製、商品名:テオネックス、23℃の貯蔵弾性率(E):5.3GPa、200℃の貯蔵弾性率が2000MPa、厚み(D):50μm、180℃で2分加熱前後のMD方向の収縮率(L):0.15%〕を基材フィルム3とした。数式(1)に基づく算出値は39.8であった。粘着剤層を形成する側の表面にコロナ放電処理を施した。
【0057】
2−4.粘着剤主剤の製造例1
重合反応機に脱イオン水150重量部、重合開始剤として4,4’−アゾビス−4−シアノバレリックアシッド〔大塚化学(株)製、商品名:ACVA〕を0.625重量部、モノマー(A)としてアクリル酸−2−エチルヘキシル62.25重量部、アクリル酸−n−ブチル18重量部、及びメタクリル酸メチル12重量部、モノマー(B)としてメタクリル酸−2−ヒドロキシエチル3重量部、メタクリル酸2重量部、及びアクリルアミド1重量部、モノマー(C)としてポリテトラメチレングリコールジアクリレート〔日本油脂(株)製、商品名:ADT−250〕1重量部、水溶性コモノマーとしてポリオキシエチレンノニルフェニルエーテル(エチレンオキサイドの付加モル数の平均値:約20)の硫酸エステルのアンモニウム塩のベンゼン環に重合性の1−プロペニル基を導入したもの〔第一工業製薬(株)製、商品名:アクアロンHS−10〕0.75重量部を装入し、攪拌下で70〜72℃において8時間乳化重合を実施し、アクリル系樹脂エマルションを得た。これを9重量%アンモニア水で中和(pH=7.0)し、固形分42.5重量%のアクリル系粘着剤(粘着剤主剤1)とした。
【0058】
2−5.粘着剤主剤の製造例2
重合反応機に脱イオン水150重量部、重合開始剤として4,4’−アゾビス−4−シアノバレリックアシッド〔大塚化学(株)製、商品名:ACVA〕を0.625重量部、モノマー(A)としてアクリル酸−2−エチルヘキシル62.25重量部、アクリル酸−n−ブチル18重量部、及びメタクリル酸メチル12重量部、モノマー(B)としてメタクリル酸−2−ヒドロキシエチル3重量部、メタクリル酸2重量部、及びアクリルアミド1重量部、モノマー(C)としてメタクリル酸アリル〔和光純薬工業(株)製〕1重量部、水溶性コモノマーとしてポリオキシエチレンノニルフェニルエーテル(エチレンオキサイドの付加モル数の平均値:約20)の硫酸エステルのアンモニウム塩のベンゼン環に重合性の1−プロペニル基を導入したもの〔第一工業製薬(株)製、商品名:アクアロンHS−10〕0.75重量部を装入し、攪拌下で70〜72℃において8時間乳化重合を実施し、アクリル系樹脂エマルションを得た。これを9重量%アンモニア水で中和(pH=7.0)し、固形分42.5重量%のアクリル系粘着剤(粘着剤主剤2)とした。
【0059】
2−6.粘着剤塗布液の製造例1
粘着剤主剤の製造例1得られた粘着剤主剤1の100重量部を採取し、さらに9重量%アンモニア水を加えてpH9.5に調整した。次いで、アジリジン系架橋剤〔日本触媒化学工業(株)製、商品名:ケミタイトPz−33〕1.6重量部を添加して粘着剤塗布液1を得た。
【0060】
2−7.粘着剤塗布液の製造例2
粘着剤主剤の製造例2で得られた粘着剤主剤2を用いた以外は、粘着剤塗布液の製造例1と同様にして粘着剤塗布液2を得た。
【0061】
2−8.粘着フィルムの製造例1
粘着剤塗布液1を、ロールコーターを用いてポリプロピレンフィルム(剥離フィルム、厚み:50μm)に塗布し、120℃で2分間乾燥して厚み10μmの粘着剤層を設けた。これに上記基材フィルム1の表面処理が施された側の表面を貼り合わせ押圧して、粘着剤層を転写させた。転写後、60℃において48時間加熱した後、室温まで冷却することにより半導体ウェハ表面保護用粘着フィルム1を製造した。粘着剤層の貯蔵弾性率は、150℃において1.5×105Pa、200℃において1.3×105Paであった。また、粘着力は120g/25mmであった。
【0062】
2−9.粘着フィルムの製造例2
粘着剤塗布液2を、ロールコーターを用いてポリプロピレンフィルム(剥離フィルム、厚み:50μm)に塗布し、120℃で2分間乾燥して厚み10μmの粘着剤層を設けた。これに上記基材フィルム1のコロナ放電処理面を貼り合わせ押圧して、粘着剤層を転写させた。転写後、60℃において48時間加熱した後、室温まで冷却することにより半導体ウェハ表面保護用粘着フィルム2を製造した。粘着剤層の貯蔵弾性率は、150℃において2.5×105Pa、200℃において1.8×105Paであった。また、粘着力は、150g/25mmであった。
【0063】
2−10.粘着フィルムの比較製造例1
基材フィルム2、及び粘着剤塗布液1を用いた以外は、粘着フィルムの製造例1と同様にして半導体ウェハ表面保護用粘着フィルム3を製造した。粘着剤層の貯蔵弾性率は、150℃において1.5×105Pa、200℃において1.3×105Paであった。また、粘着力は、100g/25mmであった。
【0064】
2−11.粘着フィルムの比較製造例2
基材フィルム3、及び粘着剤塗布液1を用いた以外は、粘着フィルムの製造例1と同様にして半導体ウェハ表面保護用粘着フィルム4を製造した。粘着剤層の貯蔵弾性率は、150℃において1.5×105Pa、200℃において1.3×105Paであった。また、粘着力は、115g/25mmであった。
【0065】
2−12.粘着フィルムの比較製造例3
基材フィルム2、及び粘着剤塗布液2を用いた以外は、粘着フィルムの製造例1と同様にして半導体ウェハ表面保護用粘着フィルム5を製造した。粘着剤層の貯蔵弾性率は、150℃において2.5×105Pa、200℃において1.8×105Paであった。また、粘着力は、140g/25mmであった。
【0066】
2−13.粘着フィルムの比較製造例4
基材フィルム3、及び粘着剤塗布液2を用いた以外は、粘着フィルムの製造例1と同様にして半導体ウェハ表面保護用粘着フィルム6を製造した。粘着剤層の貯蔵弾性率は、150℃において2.5×104Pa、200℃において1.8×105Paであった。また、粘着力は、145g/25mmであった。
【0067】
3−1.保護方法の実施例1
半導体ウェハ(PIウェハ)に対する、半導体ウェハ表面保護用粘着フィルム1の保護性能を評価した。半導体ウェハ表面保護用粘着フィルム1を集積回路が組み込まれた10枚のPIウェハ(直径:8インチ、厚み:750μm)の全表面に貼着した状態で、裏面研削機((株)ディスコ製、形式:DFG860)を用いて、厚みが100μmになるまでPIウェハ裏面を研削した。次いで、半導体ウェハ表面保護用粘着フィルム1を貼着したままの状態で、150℃に加熱されたダイボンディング用接着フィルム貼着機(タカトリ(株)製、形式:DM−800)内のチャックテーブルに、表面保護用粘着フィルムを介して半導体ウェハを吸着させて、装置内の内臓ロールによってPIウェハ裏面にダイボンディング用接着フィルム(日立化成(株)製、商品名:ハイアタッチ)を仮貼着し、PIウェハの外周部からはみだした余剰のダイボンディング用接着フィルムをカットした。次いで、ダイボンディング用接着フィルムを介してPIウェハをアームで吸着して、180℃に加熱されたチャックテーブルに移動、吸着させて本貼着した。その後、ダイボンディング用接着フィルムが本貼着されたPIウェハをアームによって高温側チャックテーブルから脱着し、カセットに収納した。
【0068】
その結果、ダイボンディング用接着フィルム貼着機に内蔵するロールによってPIウェハに押圧がかかったにもかかわらず、10枚全てのPIウェハに対して接着フィルム貼着時においてPIウェハの反りが原因である割れは発生しなかった。また、ダイボンディング用接着フィルムを仮貼付した後、低温側のチャックテーブルから高温側のチャックテーブルへウェハをアームで吸着して搬送する際、及び、アームによって高温側チャックテーブルから脱着する際に問題が生じなかった。表1には、この現象をOKと記載した。更に、剥離機(日東精機(株)製、形式:HR8500II)を用いて、PIウェハ表面から半導体ウェハ表面保護用粘着フィルム1を剥離した。剥離の際においてもPIウェハの割れは発生しなかった。また、半導体ウェハ表面保護用粘着フィルム1を剥離した後のPIウェハ表面に糊残り等の汚染は観察されなかった。
【0069】
別途、他のPIウェハ(直径:8インチ、厚み:750μm)10枚について上記と同様にして、厚みが100μmになるまでウェハ裏面を研削した後、半導体ウェハ表面保護用粘着フィルム1を貼着したままの状態で、反り量の測定を行った。その結果、半導体ウェハ表面保護用粘着フィルム貼付け面方向への反り量は5.0mmであった。さらに、ホットプレートを用いてPIウェハを180℃で2分間加熱し、加熱後の反り量を測定した。その結果、半導体ウェハ表面保護用粘着フィルム貼付け面方向への反り量は9.0mmであった。得られた結果を表1に示す。
【0070】
3−2.保護方法の実施例2
半導体ウェハ表面保護用粘着フィルム2を用いた以外、保護方法の実施例1と同様の方法を実施した。その結果、全ての評価で実施例1と同様の結果が得られた。得られた結果を表1に示す。
【0071】
3−3.保護方法の比較例1
半導体ウェハ表面保護用粘着フィルム1を10枚のPIウェハ(直径:8インチ、厚み:750μm)の全表面に貼着した状態で、裏面研削機((株)ディスコ製、形式:DFG860)を用いて厚みが100μmになるまでウェハ裏面を研削した。次いで、半導体ウェハ表面保護用粘着フィルム1を剥離した。その後、150℃においてダイボンディング用接着フィルム(日立化成(株)製、商品名:ハイアタッチ)を半導体ウェハ裏面に貼着(タカトリ(株)製、形式:DM−800)した。その結果、PIウェハの裏面にダイボンディング用接着フィルムを貼着する時に半導体ウェハが9枚割れ、ダイボンディング用接着フィルムが貼着できる状態ではなかった。PIウェハ1枚については、ダイボンディング用接着フィルムを貼着する際のウェハ割れ、及び該接着フィルムの貼着後のアーム搬送に問題がなかった。反り量の評価は実施例1と同様の結果となった。得られた結果を表1に示す。
【0072】
3−4.保護方法の比較例2
半導体ウェハ表面保護用粘着フィルム3を用いた以外、保護方法の実施例1と同様の方法を実施した。その結果、PIウェハの裏面にダイボンディング用接着フィルムを貼付ける時の熱によりウェハが大きく反った。そのため、ウェハが4枚割れた。残りの6枚のPIウェハにおいて、アームに対する吸着不良が起こり、チャックテーブルからアームによる搬送が出来なかった。表1には、この現象をエラーと記載した。裏面研削後のPIウェハの反り量は、半導体ウェハ表面保護用粘着フィルム貼付け面方向へ4.8mmであり、180℃で2分間加熱後の反り量は、半導体ウェハ表面保護用粘着フィルム貼付け面方向へ28.0mmであった。得られた結果を表1に示す。
【0073】
3−5.保護方法の比較例3
半導体ウェハ表面保護用粘着フィルム4を用いた以外、保護方法の実施例1と同様の方法を実施した。その結果、PIウェハの裏面にダイボンディング用接着フィルムを貼付ける時の熱によりウェハが大きく反った。そのため、ウェハが2枚割れた。残りの8枚のPIウェハにおいて、アームに対する吸着不良が起こり、チャックテーブルからアームによる搬送が出来なかった。表1には、この現象をエラーと記載した。ウェハ反り量の評価結果は、裏面研削後のPIウェハの反り量は、半導体ウェハ表面保護用粘着フィルム貼付け面方向へ4.3mmであり、180℃で2分間加熱後の反り量は半導体ウェハ表面保護用粘着フィルム貼付け面方向へ25.0mmであった。得られた結果を表1に示す。
【0074】
3−6.保護方法の比較例4
半導体ウェハ表面保護用粘着フィルム5を用いた以外、保護方法の実施例1と同様の方法を実施した。その結果、PIウェハの裏面にダイボンディング用接着フィルムを貼付ける時の熱によりウェハが大きく反った。そのため、ウェハが5枚割れた。残りの5枚のPIウェハにおいて、アームに対する吸着不良が起こり、チャックテーブルからアームによる搬送が出来なかった。表1には、この現象をエラーと記載した。ウェハ反り量の評価は、裏面研削後のPIウェハの反り量は半導体ウェハ表面保護用粘着フィルム貼付け面方向へ4.5mmであり、180℃で2分間加熱後の反り量は半導体ウェハ表面保護用粘着フィルム貼付け面方向へ28.3mmであった。得られた結果を表1に示す。
【0075】
3−7.保護方法の比較例5
半導体ウェハ表面保護用粘着フィルム6を用いた以外、保護方法の実施例1と同様の方法を実施した。その結果、PIウェハの裏面にダイボンディング用接着フィルムを貼付ける時の熱によりウェハが大きく反った。そのため、ウェハが3枚割れた。残りの7枚のPIウェハにおいて、アームに対する吸着不良が起こり、チャックテーブルからアームによる搬送が出来なかった。表1には、この現象をエラーと記載した。ウェハ反り量の評価は、裏面研削後のPIウェハの反り量は半導体ウェハ表面保護用粘着フィルム貼付け面方向へ4.0mmであり、180℃で2分間加熱後の反り量は半導体ウェハ表面保護用粘着フィルム貼付け面方向へ25.5mmであった。得られた結果を表1に示す。
【0076】
3−8.保護方法の参考例1
保護方法の実施例1と同様にして、PIウェハの裏面を研削した。次いで、PIウェハ表面から半導体ウェハ表面保護用粘着フィルム1を剥離した。粘着フィルム1を剥離した後、PIウェハの反りを測定したところ反り量は8.5mmであった。また、180℃で2分間加熱した後の反り量は10.0mmであった。
【0077】
【表1】
Figure 0004054219
【0078】
<表1の記載の説明>
*:試料1枚についての評価結果を示す。
【0079】
【発明の効果】
本発明によれば、厚みが100μm以下に薄層化され、且つ、ダイボンディング工程において高温に晒された場合であっても、半導体ウェハの反りを矯正し、ダイボンディング工程におけるウェハの搬送不良、破損などを防止することができる。

Claims (6)

  1. 基材フィルムの片表面に粘着剤層が形成された半導体ウェハ表面保護用粘着フィルムであって、基材フィルムが、下記数式(1)
    |E×D×L|<15 ・・・(1)
    {数式(1)において、Eは23℃における貯蔵弾性率(単位:GPa)、Dは厚み(単位:μm)、Lは180℃において2分間加熱したときの機械方向の収縮率(単位:%)}で表される関係を満たし、且つ、厚みが20〜300μmである層を少なくとも1層含むことを特徴とする半導体ウェハ表面保護用粘着フィルム。
  2. 基材フィルムの少なくとも1層が、23〜200℃における貯蔵弾性率が1×107〜1×1010Pa、180℃において2分間加熱したときの機械方向の収縮率が0.01〜1%であることを特徴とする請求項1記載の半導体ウェハ表面保護用粘着フィルム。
  3. 前記数式(1)で表される関係を満たし、且つ、厚みが20〜300μmである層を形成する樹脂がシリコーンゴムであることを特徴とする請求項1記載の半導体ウェハ表面保護用粘着フィルム。
  4. 粘着剤層が、150℃における貯蔵弾性率が少なくとも1×105Pa、厚みが3〜100μmであることを特徴とする請求項1記載の半導体ウェハ表面保護用粘着フィルム。
  5. 半導体ウェハの回路形成面に半導体ウェハ表面保護用粘着フィルムを貼着する第一工程、半導体ウェハの回路非形成面を加工する第二工程、及び半導体ウェハの回路非形成面にダイボンティング用接着フィルムを貼着する第三工程を含む工程における半導体ウェハ保護方法であって、半導体ウェハ表面保護用粘着フィルムを剥離することなしに第三工程を実施し、且つ、半導体ウェハ表面保護用粘着フィルムとして、請求項1〜4のいずれか1項に記載の半導体ウェハ表面保護用粘着フィルムを用いることを特徴とする半導体ウェハ保護方法。
  6. 前記第二工程を経た後の半導体ウェハの厚みが100μm以下であることを特徴とする請求項5記載の半導体ウェハ保護方法。
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