JP4054201B2 - エンジン用の配線構造体及び配線モジュール,並びにエンジンの配線構造 - Google Patents

エンジン用の配線構造体及び配線モジュール,並びにエンジンの配線構造 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
この発明は、エンジンの電磁駆動弁用のアクチュエータの電磁コイルを駆動するために用いられるエンジン用の配線構造体及び配線モジュール、並びにエンジンの配線構造に関する。
【0002】
【従来の技術】
近年、自動車用エンジンの電磁駆動による吸排気弁システムにおいては、カム機構を用いた機械式のものから、電磁弁アクチュエータを使用した電子制御式の省エネルギータイプへの移行が望まれている。例えば特開平8−284626号公報等に示される従来例では、一般に図15の如く、各バルブ(電磁駆動弁)1を駆動するアクチュエータ8においてそれぞれ2個ずつの電磁コイル(アッパーコイル2及びロアーコイル3)を設置し、アッパーコイル2とロアーコイル3をPWM駆動制御して、各バルブ1の開閉駆動制御を行っている。
【0003】
尚、一般に、バルブ1を急激に開閉することとすると、バルブ1の耐久性を著しく損なう虞があるため、アッパーコイル2,ロアーコイル3に対する正方向の電圧印加と逆方向の電圧印加とを適宜調整し、開閉動作時に若干の逆方向の駆動を行ってブレーキをかけながら開閉駆動を行うことで、バルブ1の開閉に対して緩衝を行っている。また、これにより、バルブ1がシリンダヘッド6に着座する際の打音を軽減し、音対策ともしている。このようにアッパーコイル2,ロアーコイル3に対する正方向の電圧印加と逆方向の電圧印加とを適宜調整する場合、アッパーコイル2及びロアーコイル3のそれぞれにつき2つの電圧印加配線4,5を形成しておく必要がある。
【0004】
なお、図15中の符号6はシリンダヘッド、符号7はヘッドカバーをそれぞれ示している。
【0005】
図16は、図15のエンジンにおける回路図を示している。この図16において、比較的高電圧例えば36Vないし42Vまたはそれ以上電圧(例えば72V)のバッテリ電源(+B)が、電源回路としてエンジンルームに設置されたリレーボックス11に接続されており、このリレーボックス11から与えられる電源が、車室内のグローブボックス内等に設置された駆動ユニット12を通じて、エンジンのシリンダヘッド6内のアクチュエータ8(各アッパーコイル2,ロアーコイル3)に与えられる。
【0006】
駆動ユニット12は、例えばn型MOSFET等の半導体スイッチング素子13a〜13hを用いて単相ブリッジ回路BR1,BR2が形成されたものであり、インストゥルメントパネル部周辺等に配置された電子制御ユニット(ECU)14で各半導体スイッチング素子13a〜13hを切り替えることで各アッパーコイル2,ロアーコイル3を適宜にPWM駆動するようになっている。
【0007】
尚、図16中の符号15,16はヒューズ、符号17はリレー、符号18は中継用ワイヤハーネス、符号19はエンジン内ハーネス、符号IGはイグニションスイッチ、符号ALはオルタネータをそれぞれ示している。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記従来例では、図15及び図16の如く、アッパーコイル2又はロアーコイル3の1つにつき2つの電圧印加配線4,5が接続される。また、図15の如く、1個のバルブ1につきアッパーコイル2及びロアーコイル3が双方設置される。これらのことから、1個のバルブ1につき4つの電圧印加配線4,5が必要となることになる。
【0009】
そして、エンジン全体で考えると、例えば、1気筒当たりに4バルブを有する4気筒16バルブ式のエンジンでは64個の電圧印加配線4,5が必要となることになる。
【0010】
ここで、車室内側等に設置される駆動ユニット12とシリンダヘッド6側のアクチュエータ8とを接続する手段としては、複数の電線の各端部に丸端子を取付け、当該各電線を、丸端子を介してそれぞれのアッパーコイル2及びロアーコイル3側の端子に接続する構成を提案することもできる。
【0011】
しかしながらこの場合、個々の電線の丸端子を一つずつアッパーコイル2,ロアーコイル3側の端子に接続していく必要があり、接続作業性が悪いという問題がある。
【0012】
そこで、この発明の課題は、エンジンの電磁駆動弁用のアクチュエータへの配線作業を容易に行うことができるエンジン用の配線構造体及び配線モジュール、並びにエンジンの配線構造を提供することにある。
【0013】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決すべく、請求項1記載の発明は、エンジンに複数の電磁駆動弁が設置され、駆動ユニットにより前記各電磁駆動弁のアクチュエータを駆動制御して、前記電磁駆動弁を開閉動作させるエンジン用の配線構造体であって、前記駆動ユニットと前記各アクチュエータとの間の配線のうち少なくとも一部として、複数のバスバーを用い、前記各バスバーの前記各アクチュエータへの接続端部を、前記各アクチュエータの接続箇所に対応させて配設した形態で、前記各バスバーを一体化したものである。
【0014】
また、前記各バスバーは、その長手方向を一定方向に揃えた形態で、前記一定方向に沿って複数の位置で、それぞれ絶縁性の樹脂部により一体化され、前記各樹脂部は、互いに間隔をあけて分断されたものである。
【0015】
さらに、前記バスバーのうち、少なくとも前記樹脂部の隙間に露出する部分の表面に絶縁膜が形成されたものである。
また、請求項2記載のように、前記各樹脂部は、底壁部の両側より側壁部が立設されると共にこれらの両側壁部間に仕切壁部が立設されてなり、さらに、前記各樹脂部には、ボルト挿通孔が形成された固定片が形成され、前記各側壁部及び前記仕切壁部間にバスバーを挿入配置した状態で、前記各側壁部,前記仕切壁部及び前記各バスバー間に、ポッティング剤を充填状に注入することで、前記各バスバーが相互に絶縁された形態で一体化されていてもよい。
【0016】
また、請求項3記載のように、各バスバーのうち、実質的に同タイミングで同極性となる少なくとも2つのバスバーを、隣接して配設してもよい。
【0017】
また、上述の配線構造体を用いたエンジンの配線構造にあっては、請求項4記載のように、前記各アクチュエータの周囲に設けられる絶縁部材に複数の凹部が形成され、前記各バスバーの前記各アクチュエータへの接続端部と、前記各アクチュエータ側の接続部とが、それぞれ前記各凹部内で個別に電気的に接続されていてもよい。
【0018】
また、請求項5記載の発明は、エンジンに吸気弁及び排気弁として複数の電磁駆動弁が設置され、駆動ユニットにより前記各電磁駆動弁のアクチュエータのアッパーコイル及びロアーコイルとを駆動制御して、前記電磁駆動弁を開閉動作させるエンジン用の配線モジュールであって、前記アッパーコイル用の配線構造体として、前記駆動ユニットと前記各アクチュエータのアッパーコイルとの配線のうちエンジン内における配線材として、複数のバスバーを用い、前記各バスバーの前記各アッパーコイルへの接続端部を、前記各アッパーコイルへの接続箇所に対応させて配設した形態で、前記各バスバーを一体化すると共に、前記各バスバーは、その長手方向を一定方向に揃えた形態で、前記一定方向に沿って複数の位置で、それぞれ絶縁性の樹脂部により一体化され、前記各樹脂部は、互いに間隔をあけて分断され、前記バスバーのうち、少なくとも前記樹脂部の隙間に露出する部分の表面に絶縁膜が形成され、さらに、前記各バスバーの前記駆動ユニット側への接続端部に外部ハーネスを介して前記駆動ユニットに接続するためのアッパーコイル側コネクタ部を形成したものが用いられ、前記ロアーコイル用の配線構造体として、前記駆動ユニットと前記各アクチュエータのロアーコイルとの配線のうちエンジン内における配線材として、複数のバスバーを用い、前記各バスバーの前記各ロアーコイルへの接続端部を、前記各ロアーコイルへの接続箇所に対応させて配設した形態で、前記各バスバーを一体化すると共に、前記各バスバーは、その長手方向を一定方向に揃えた形態で、前記一定方向に沿って複数の位置で、それぞれ絶縁性の樹脂部により一体化され、前記各樹脂部は、互いに間隔をあけて分断され、前記バスバーのうち、少なくとも前記樹脂部の隙間に露出する部分の表面に絶縁膜が形成され、さらに、前記各バスバーの前記駆動ユニット側への接続端部に前記外部ハーネスを介して前記駆動ユニットに接続するためのロアーコイル側コネクタ部を形成したものが用いられ、前記アッパーコイル側コネクタ部とロアーコイル側コネクタ部とを前記外部ハーネス側端部の単一のコネクタ部に接続可能な形態でまとめた状態で、前記アッパーコイル用の配線構造体と前記ロアーコイル用の配線構造体とを合体させたものである。
【0019】
この場合、請求項6記載のように、上記配線モジュールを、吸気用電磁駆動弁側の配線材及び排気用電磁駆動弁側の配線材として用いるとよい。
【0020】
【発明の実施の形態】
以下、この発明の実施の形態に係るエンジン用の配線構造体について、それを適用した配線モジュール及びエンジンの配線構造と共に説明する。
【0021】
この配線構造体20,30は、図1に示すように、複数の電磁駆動弁40a,40bが設置されたエンジンEにおいて用いられる。
【0022】
{エンジン全体の説明}
ここで、対象となるエンジンEの全体構成について説明しておくと、エンジンEでは、各気筒に対する混合気の送込みと閉鎖を行う吸気弁として電磁駆動弁40bが用いられると共に、各気筒に対する排気の排出と閉鎖を行う排気弁として電磁駆動弁40aが用いられている。
【0023】
本実施の形態では、エンジンEとして、4気筒直列タイプであって、各気筒毎に対応して2つの吸気弁と2つの排気弁が設けられたものを想定している。
【0024】
そして、エンジンEの上部一側に吸気側エンジンヘッド部60bが設けられ、この吸気側エンジンヘッド部60bに2×4=8個の電磁駆動弁40bが設けられている。各電磁駆動弁40bは、各気筒毎に分けて2つずつまとめて4箇所に分けた形態で、一列に並べるようにして設置されている(図8参照)。また、エンジンEの上部他側に排気側エンジンヘッド部60aが設けられ、この排気側エンジンヘッド部60aに2×4=8個の電磁駆動弁40aが設けられている。これら各電磁駆動弁40aも、各気筒毎に分けて2つずつまとめて4箇所に分けた形態で、一列に並べるようにして設置されている。
【0025】
またさらに、上記排気側エンジンヘッド部60a及び吸気側エンジンヘッド部60b及びには、それぞれ各電磁駆動弁40a,40bの配列方向に沿って延びる配線収容溝部61a,61bが形成されると共に、その配線収容溝部61a,61bの一端側にコネクタ収容凹部62a,62bが連設されている。これら配線収容溝部61a,61b及びコネクタ収容凹部62a,62bには、次述する配線構造体20,30が収容配置される。
【0026】
なお、本発明が適用されるエンジンEのタイプは上述したような4気筒直列タイプものに限られない。本発明は、その他のタイプのエンジン、例えば、3気筒や5気筒、6気筒のもの、また、V型や水平型等のエンジンにも適用できる。また、各気筒毎に、吸気用の電磁駆動弁が1つ又は3つ以上設けられたもの、また、排気用の電磁駆動弁が1つ又は3つ以上設けられたものについても適用できる。要するに、複数の電磁駆動弁が直線状に設置されるタイプのエンジンに適用できる。
【0027】
上記各電磁駆動弁40a,40bは、図15を用いて説明したのと同様に、それぞれアクチュエータ41a,41bにより開閉駆動される。各アクチュエータ41a,41bは、それぞれ図15におけるアッパーコイル2に対応するアッパーコイル42Ua,42Ubと、ロアーコイル3に対応するロアーコイル42La,42Lb(これらにつき図1では不図示、図2参照)とを備えている。そして、アッパーコイル42Ua,42Ub及びロアーコイル42La,42Lbを、PWM駆動制御することにより、各電磁駆動弁40a,40bが開閉駆動されることとなる。
【0028】
図2は、このエンジンEにおいて、各電磁駆動弁40a,40bを開閉駆動するための電気的構成を示すブロック図である。なお、図2では、アッパーコイル42Ua,42Ub及びロアーコイル42La,42Lbは、実際の個数よりも省略して示されている。実際には、例えば、4気筒直列タイプのエンジンEでは、アッパーコイル42Ua,42Ubがそれぞれ8個、また、ロアーコイル42La,42Lbも同数、即ち、それぞれ8個設けられている。
【0029】
同図に示すように、電源部(+B)より与えられる電圧(例えば42V)が、駆動ユニット50を通じて、各アクチュエータ41a,41bのアッパーコイル42Ua,42Ub及びロアーコイル42La,42Lbに与えられる。
【0030】
上記駆動ユニット50は、車室内のグローブボックス内やエンジンルーム内等に設置されており、図16を用いて説明したのと同様に、ECU(エンジンコントロールユニット)52からの制御信号に応じて、各アッパーコイル42Ua,42Ub及び各ロアーコイル42La,42Lbを適宜PWM駆動する。
【0031】
この駆動ユニット50と各アッパーコイル42Ua,42Ub及びロアーコイル42La,42Lbとを接続する配線のうち、駆動ユニット50とエンジンEとの間部分では電線55a,55b束よりなる外部ハーネス55が用いられ、エンジン内の配線部分として、次に詳述する配線構造体20,30が用いられる。
【0032】
{配線構造体及び配線モジュールの説明}
図1及び図3に示すように、配線構造体20,30は、複数のバスバー21,31を有しており、バスバー21,31の各アクチュエータ41a,41bへの接続端部22,32をそれら各アクチュエータ41a,41bの接続箇所に対応させて配設した形態で、各バスバー21,31を一体化した構成とされている。
【0033】
この配線構造体20,30は、吸気側の配線部分(吸気側エンジンヘッド部60b側)にも、排気側の配線部分(排気側エンジンヘッド部60a)にも適用されるが、ここでは、吸気側の配線部分に適用される例について説明する。
【0034】
配線構造体20の各バスバー21は、金属板を適宜打抜き・屈曲形成したものであり、コネクタ収容凹部62bと各アクチュエータ41bとの各間距離にそれぞれ対応する長さ寸法の細帯状に形成されている。
【0035】
本実施の形態では、4気筒直列タイプのエンジンEが想定され、各気筒毎に吸気用に2つの電磁駆動弁40b、即ち、2つのアッパーコイル42Ubが設置され、2つのアッパーコイル42Ubの配線としては、4本の電圧印加線が必要となる。従って、バスバー21としては、コネクタ収容凹部62bとそれに最も近い気筒との間の距離に対応する長さ寸法のものが4本、コネクタ収容凹部62bとそれに2番目に近い気筒との距離に対応する長さ寸法のものが4本、コネクタ収容凹部62bとそれに3番目に近い気筒との距離に対応する長さ寸法のものが4本、コネクタ収容凹部62bとそれから最も遠い気筒との間の距離に対応する長さ寸法のものが4本、用いられている。
【0036】
配線構造体30は、エンジンEにおいて吸気用の電磁駆動弁40bのロアーコイル42Lbへの配線部分に適用されるものであり、上記と同様にコネクタ収容凹部62bと各気筒との距離に対応する複数のバスバー31が用いられている。
【0037】
また、図1,図3及び図4に示すように、バスバー21,31の各アクチュエータ41bへの接続端部22,32は、次のようにしてそれら各アクチュエータ41bの接続箇所に対応させて配設されている。
【0038】
即ち、電磁駆動弁40bのアッパーコイル42Ubに接続されるバスバー21について説明すると、各バスバー21のアッパーコイル42Ubへの接続端部22は、バスバー21の延びる方向に沿って相互にずらした位置であって各アッパーコイル42Ubに対応する位置に形成されている。各接続端部22は、それぞれバスバー21の側方に延出して略L字状に屈曲されて先端部が上方に延びるように形成されている。また、その先端部は、丸孔22hを形成した丸端子形状に形成されている。
【0039】
電磁駆動弁40bのロアーコイル42Lbに接続されるバスバー31は、その先端部が下方に延びるように形成されている点を除いて、上記接続端部22と同様に構成されている。
【0040】
また、図1,図3〜図6に示すように、各配線構造体20,30のバスバー21,31は、その長手方向を所定方向に揃えた形態で、当該所定方向に沿って複数の位置でそれぞれ樹脂部23,33により一体化されている。各樹脂部23,33は、前記所定方向に沿って所定間隔をあけた隙間で分断されている。
【0041】
配線構造体20側の樹脂部23について具体的に説明すると、各樹脂部23は、各アクチュエータ41bと対応する位置でバスバー21を一体化している。なお、各樹脂部23間の間隔寸法は、バスバー21,31の熱膨張率や樹脂部23の熱膨張率,バスバー21,31の長さ寸法に基づいて設定される。
【0042】
また、各樹脂部23は、絶縁性樹脂等により形成されており、底壁部24の両側より側壁部24sが立設されると共に、両側壁部24s間に仕切壁部24dが立設されてなる。各側壁部24s及び各仕切壁部24d間には、バスバー21を水平姿勢で挿入配置可能とされている。
【0043】
各側壁部24sの内面及び仕切壁部24dの両側面には、相対向する一対の溝部25gが複数組形成されている。各溝部25gは、バスバー21の側縁部をはめ込み可能な溝状に形成されており、各側壁部24s及び各仕切壁部24dの前後方向(図5及び図6の紙面表裏方向)に沿って延びるように形成されている。そして、各バスバー21を各側壁部24s及び仕切壁部24d間にその上方開口から挿入配置し、各バスバー21の両側縁部を所定位置の一対の溝部25g内にはめ込むと、各バスバー21が互いに離間した状態で仮固定される。なお、各バスバー21をより確実に仮固定するため、バスバー21の側縁部は、側壁部24s及び仕切壁部24dの溝部25g部分に対して接着剤Dで仮接着される。
【0044】
この状態で、側壁部24s,仕切壁部24d及び各バスバー21間に、ポッティング剤Pを充填状に注入して、当該ポッティング剤Pを硬化させると、各バスバー21が相互に絶縁された形態で一体化されることとなる。なお、ポッティング剤Pとしては、絶縁性を有する熱硬化性樹脂、例えば、エポキシ樹脂等を用いることができる。
【0045】
なお、配線構造体30における樹脂部33も、上記樹脂部23と同様構成でバスバー31を一体化している。
【0046】
また、各樹脂部23,33には、固定片23p,33pが形成され、この固定片23p,33pにボルト挿通孔23h,33hが形成されている。これら各固定片23p,33pを上下に互いに対応するもの同士で重ね合せて配置し、図示省略のボルトをボルト挿通孔23h,33hに挿通してエンジンヘッド部60b側に形成されたボルト穴に螺合締結することで、本配線構造体20,30がエンジンヘッド部60bに固定される。
【0047】
また、上記各バスバー21,31のうち、少なくとも各樹脂部23,33の隙間に露出する部分の表面に絶縁膜が形成されている。
【0048】
本実施の形態では、バスバー21,31として、その表面に例えばエナメル製絶縁塗料を塗布して絶縁膜が形成されたものを用いている。
【0049】
なお、必ずしもバスバー21,31の全体表面に絶縁膜が形成されている必要はない。例えば、各バスバー21,31を樹脂部23,33で一体化した後の状態で、各樹脂部23,33の隙間でバスバー21,31の表面に絶縁塗料を塗布すること等により、絶縁性の被膜を形成してもよい。
【0050】
またさらに、図1,図3,図7及び図8に示すように、配線構造体20の各バスバー21の駆動ユニット50への接続端部26に、アッパーコイル側コネクタ部29が形成され、また、配線構造体30の各バスバー31の駆動ユニット50への接続端部36に、ロアーコイル側コネクタ部39が形成されている。
【0051】
具体的には、バスバー21,31の接続端部26,36は、所定のコネクタ端子配列(ここでは、8行×2列の配列)で上向きとなるように、適宜屈曲されている。これら各接続端部26,36はそれぞれ樹脂製のハウジング28,38にインサート成形され、各接続端部26,36は、ハウジング28,38の上部に所定配列で形成された端子開口部28h、38h内に突出配置されている。これによりアッパーコイル側コネクタ部29及びロアーコイル側コネクタ部39が形成されている。
【0052】
そして、後述するように、上記アッパーコイル側コネクタ部29とロアーコイル側コネクタ部39とを隣設配置して単一のコネクタ形態にまとめた形態で、配線構造体20,30を合体可能なように構成されている。
【0053】
個々の配線構造体20,30については、上記のように構成されており、これら配線構造体20,30は、配線モジュール45a,45bとして合体された形態で用いられる。
【0054】
即ち、図1,図3,図7及び図8に示すように、上記配線構造体20,30は、アッパーコイル側コネクタ部29とロアーコイル側コネクタ部39とを外部ハーネス55側端部の単一のコネクタ部56に接続可能な形態でまとめた状態で、合体される。
【0055】
具体的には、配線構造体20,30のうちアッパーコイル側コネクタ部29とロアーコイル側コネクタ部39とを隣設配置して単一のコネクタ形態に合体させると共に、その他の部分を上下に配設した状態で、配線構造体20,30が合体される。
【0056】
この合体形態では、配線構造体20,30のうち、各接続端部22,32が形成された長尺部分を配線収容溝部61b内に収容配置可能とされる。この状態では、各接続端部22,32が、各アクチュエータ41bの接続箇所に対応して配設され、それぞれ各アクチュエータ41bのアッパーコイル42Ub及びロアーコイル42Lbの各接続端部に接続可能とされる。各接続端部22,32とアッパーコイル42Ub及びロアーコイル42Lbの各接続端部とは、後に述べる変形例に示す接続構造の他、溶接やはんだ付けによる接続や、コネクタ接続構造等により電気的に接続される。
【0057】
また、上記合体形態で、アッパーコイル側コネクタ部29とロアーコイル側コネクタ部39とが、単一のコネクタ形態にまとめられ、上記コネクタ収容凹部62b内に収容配置可能とされる。
【0058】
そして、アッパーコイル側コネクタ部29とロアーコイル側コネクタ部39との双方に一括して、外部ハーネス55側の端部の単一のコネクタ部56を接続可能な構成となっている。かかる接続により外部ハーネス55の個々の電線55bと個々のバスバー21,31とが電気的に接続されるようになる。
【0059】
なお、上記のように配線構造体20,30を合体させた構成のものは、吸気用電磁駆動弁40bの配線モジュール45bとしても、排気用電磁駆動弁40aの配線モジュール45aとしても用いられる。
【0060】
{配線構造体のエンジンへの組込手順}
以上のように構成されたエンジンE用の配線構造体20,30をエンジンEに組込む手順について説明する。
【0061】
まず、配線構造体20,30を合体させて、配線モジュール45a,45bを得る。
【0062】
そして、各接続端部22,32をアクチュエータ41a,41b側の接続端部に接続しつつ、配線モジュール45a,45bのうち、各接続端部22,32が形成された長尺部分を配線収容溝部61a,61b内に収容配置すると共に、アッパーコイル側コネクタ部29とロアーコイル側コネクタ部39とをコネクタ収容凹部62a,62b内にそれぞれ収容配置する。
【0063】
最後に、エンジンEの吸気側及び排気側のそれぞれにおいて、外部ハーネス55のコネクタ部56をアッパーコイル側コネクタ部29とロアーコイル側コネクタ部39とにそれぞれコネクタ接続する。
【0064】
これにより、駆動ユニット50と各アクチュエータ41a,41bのアッパーコイル42Ua,42Ub及びロアーコイル42La,42Lbとが、外部ハーネス55及び配線構造体20,30を介して相互に電気的に接続される。
【0065】
なお、配線構造体30を配線収容溝部61a,61b及びコネクタ収容凹部62a,62b内に収容してから、配線構造体20を配線収容溝部61a,61b及びコネクタ収容凹部62a,62b内に収容配置して、配線構造体20,30を合体させるようにしてもよい。
【0066】
{まとめ}
以上のように構成されたエンジン用の配線構造体20,30によると、各バスバー21,31の各アクチュエータ41a,41bへの接続端部22,32を、各アクチュエータ41a,41bの接続箇所に対応させて配設した形態で、各バスバー21,31を一体化しているため、配線構造体20,30をエンジン側に組込む際、各バスバー21,31の各アクチュエータ41a,41bへの各接続端部22,32を、各アクチュエータの各接続箇所近傍に配設する作業を容易に行え、従って、エンジンEのアクチュエータ41a,41bへの配線作業を容易に行うことができる。
【0067】
しかもバスバー21,31として、平帯形状のものを用いているため、良好な放熱効果を期待することができ、通電による発熱やエンジンヘッド内で存在するエンジンオイルミストによる熱及びエンジン自体が生じる熱による高温雰囲気に対する熱対策として効果的である。
【0068】
また、各バスバー21,31が所定方向に沿って複数の位置で、それぞれ絶縁性の樹脂部23,33により一体化され、各樹脂部23,33は所定間隔をあけて分断されているため、各バスバー21,31と樹脂部23,33との熱膨張率の差が、樹脂部23,33の分断箇所の隙間で吸収され(即ち、エンジンE側の冷熱作用による膨張・収縮に対してバスバー21,31側の応力が緩和され)、樹脂部23,33の割れや反り、バスバー21,31の破損等が防止される。
【0069】
特に、この配線構造体20,30では、各気筒のレイアウトに対応して、バスバー21,31が長くなり易いことから、上述のように各樹脂部23,33を、所定間隔あけて分断した構成が有効である。
【0070】
また、各バスバー21,31のうち、少なくとも各樹脂部23,33の隙間に露出する部分の表面に絶縁膜が形成されているので、各バスバー21,31を絶縁状態に保つことができ、また、各バスバー間のアーク放電等を防止できる。
【0071】
さらに、アッパーコイル側コネクタ部29とロアーコイル側コネクタ部39とを外部ハーネス55側端部の単一のコネクタ部56に接続可能な形態でまとめた状態で、配線構造体20,30を合体させているため、アッパーコイル側コネクタ部29とロアーコイル側コネクタ部39とがコンパクトな形態にまとめられ、スペース効率に優れる。
【0072】
さらに、吸気用電磁駆動弁40b側の配線材及び排気用電磁駆動弁40a側の配線材として、同一構成の配線モジュール45b,45aを用いることができるため、部品の共通化によるコスト低減等を図ることができる。
【0073】
{変形例}
まず、バスバー21,31の各接続端部22,32と各アクチュエータ41a,41bとの接続構造構造の例について説明する。
【0074】
即ち、上記実施の形態では、上記バスバー21,31の各接続端部22,32と各アクチュエータ41a,41bとを溶接やはんだ付け等で接続すると述べたが、本変形例では、図9に示すように、上記各アクチュエータ41a,41bの周囲に設けられる絶縁部材に端子接続凹部63が形成され、上記バスバー21,31の各接続端部22,32と各アクチュエータ41a,41bの接続端部とを当該端子接続凹部63内で個別に接続するとよい。
【0075】
具体的には、各アクチュエータ41aの周囲に設けられる絶縁部材である樹脂製の排気側エンジンヘッド部60aのうち配線収容溝部61aの内面に、各アクチュエータ41aの各接続箇所に対応して、複数の端子接続凹部63が形成されている。
【0076】
端子接続凹部63は、配線収容溝部61aの内面に形成された突部に配線収容溝部61a内に向けて開口する凹状を形成した構成とされている。なお、図9では、一つのアッパーコイル42Uaに対して2つの接続端部が設けられることに対応して、単一の突部に隣設して2つの端子接続凹部63を形成している。各端子接続凹部63は、その底部に短円筒状の内嵌筒部64が形成されると共に、その2方向(図9の上下方向)に開口された形状とされている。
【0077】
そして、アクチュエータ41aのアッパーコイル42Uaのコイル巻線より引出された電線の接続端部に丸孔43hを有する丸端子43が圧着等により接続され、この丸端子43と接続端部22とが上記端子接続凹部63内で接続される。より具体的には、上記内嵌筒部64を丸孔22h,43h内に内嵌めするようにして、丸端子43と接続端部22が重ね合された状態で端子接続凹部63内に収容される。そして、ネジSがワッシャWと共に内嵌筒部64内のネジ孔64hに螺合締結される。これにより、丸端子43と接続端部22とが重合状態で端子接続凹部63内に締結固定され、丸端子43と接続端部22との電気的接続がなされることになる。
【0078】
上述したような接続部構造は、他の接続端部32とアクチュエータ41aのロアーコイル42Laとの接続部分や、吸気側の配線モジュール45b側の接続部分にも適用される。
【0079】
この場合、各バスバー21の接続端部22と、各アクチュエータ41a側の接続部である丸端子43とが、それぞれ絶縁部材に形成された各端子接続凹部63内で個別に電気的に接続されるため、隣合う接続端部22と丸端子43との接続部間に絶縁部材が介在することになり、それらの間でのアーク放電等が防止される。
【0080】
次に、リーク電流を防止するための構成に係る変形例について説明する。
【0081】
即ち、上記バスバー21,31間では、次のような原因によりリーク電流が発生する。
【0082】
まず、リーク電流は電位差に起因して発生するところ、電磁駆動弁40a,40bを備えたエンジンではアクチュエータ41a,41bの応答性向上、発熱抑制、さらには配線束径のコンパクト化等を図るため、比較的高電圧な駆動システムが組込まれる。このため、各バスバー21,31間における電位差が比較的大きくなり易く、リーク電流を生じ易い。
【0083】
その他、バスバー21,31にオイルミストが付着して水滴化したような場合や、バスバー21,31に対して結露による水滴が生じたような場合にも、リークが生じ易い。
【0084】
このため、各バスバー21,31のうち、実質的に同タイミングで同極性となる少なくとも2つのバスバー21,31を隣接して配設し、リーク電流を防止するとよい。
【0085】
具体的には、次のようにする。
【0086】
図10は、直列4気筒タイプのエンジンで各気筒の点火順序が1−3−4−2の場合において、排気側エンジンヘッド60aに搭載される電磁駆動弁40aのロアーコイル42Laへの一般的な通電パターンを示している。図10において、上から一番目及び2番目のラインは、排気側エンジンヘッド60aに設けられる電磁駆動弁40aのうちコネクタ収容凹部62aに最も近い気筒に設けられる2つの電磁駆動弁40a(図1参照)のアッパーコイル42Uaへの通電パターンを、上から3番目及び4番目のラインは、コネクタ収容凹部62aに2番目に近い気筒に設けられる2つの電磁駆動弁40aのアッパーコイル42Uaへの通電パターンを、上から5番目及び6番目のラインは、コネクタ収容凹部62aに3番目に近い気筒に設けられる電磁駆動弁40aのアッパーコイル42Uaへの通電パターンを、上から7番目及び8番目のラインは、コネクタ収容凹部62aに4番目に近い(最も遠い)気筒に設けられる電磁駆動弁40aのアッパーコイル42Uaへの通電パターンを、それぞれ示している。この通電パターンでは、所定の気筒に設けられる2つの電磁駆動弁40aのアッパーコイル42Uaに関して、実質的に同タイミングの通電パターンとなっている。
【0087】
ここで、排気側エンジンヘッド60aに設けられる電磁駆動弁40aのうちコネクタ収容凹部62aに最も近い気筒に設けられる2つの電磁駆動弁40aに着目すると、2つの電磁駆動弁40aのアッパーコイル42Uaのそれぞれに対して2本の電圧印加線が必要である(図15及び図16参照)。2つのアッパーコイル42Uaのうちの一方側の電磁駆動弁40aへの電圧印加線である2つのバスバー21を想定し、図10の時間taにおいて正極となる方をバスバー21(1)、負極となる方をバスバー21(2)とし、また、他方側の電磁駆動弁40aについても同様の時間taにおいて正極となる方をバスバー21(3)、負極となる方をバスバー21(4)として、バスバー21(1),21(2),21(3),21(4)の配設例を考えてみる。
【0088】
この場合、図11に示すように、バスバー21(1),21(2),21(3),21(4)をこの順で一列に配列すると、バスバー21(2)とバスバー21(3)とが隣接して配設される。そして、バスバー21(2)とバスバー21(3)とは、特に時間taにおいて、一方のみが陽極性となるため、両者間にリーク電流が生じ易くなる。
【0089】
そこで、図12に示すように、バスバー21(3)とバスバー21(4)との位置を入換えて、バスバー21(1),21(2),21(4),21(3)の順で一列に配列すると、バスバー21(2)とバスバー21(4)とが隣接して配設されることとなる。この場合、バスバー21(2)とバスバー21(4)とには、時間taにおいて実質的に同タイミングで同極性となり、両者間の電位差は実質的に0Vである。従って、バスバー21(2)とバスバー21(4)との間におけるリーク電流を防止できる。即ち、実質的に同タイミングで同極性となる2つのバスバー21(2)とバスバー21(4)とを隣接して配設することにより、それらの間に関してリーク電流を防止している。
【0090】
図13及び図14では、上記の考えを適用した配線構造体20Bが示されている。
【0091】
この配線構造体20Bでは、図14(a)〜図14(d)に示すように、所定の気筒におけるアッパーコイル42Uaに適用されるバスバー21(1),21(2),21(3),21(4)が、バスバー21(1),21(2),21(4),21(3)の順で一列に配列された構成となっている。
【0092】
なお、ここでは詳述を省略するが、他の気筒におけるアッパーコイル42Uaに適用されるバスバー21(5)〜21(8)、21(9)〜21(12)、21(13)〜21(16)に関しても、同様の順で一列に配設された構成となっている。なお、バスバー21の後に付された()内の数字は、バスバー21(1),21(2),21(3),21(4)の()内の数字に4n(nは1〜3の整数)を付加した数字であり、上記と同様の相互関係を示している。
【0093】
この配線構造体20Bでは、バスバー21(2)とバスバー21(4)との間、バスバー21(6)とバスバー21(8)との間、バスバー21(10)とバスバー21(12)との間バスバー21(16)とバスバー21(18)との間におけるリーク電流を防止できる。また、このようにリーク対策を図ることが出きる結果、各バスバー21(2)とバスバー21(4)との間等の間隔寸法を小さくして、その全体構成をコンパクト化することができる。また、バスバー21(2),21(4)等に塗布する絶縁皮膜を薄くして低コスト化を図ることもできる。
【0094】
なお、この配線構造体20Bにおいて、アッパーコイル側コネクタ部29Bにおいて、最も大きな電圧を印加するタイミング(図10の時間ta参照)で正極となるバスバー21(1),21(3),21(5),21(7),21(9),21(11),21(13),21(15)の接続端部を該コネクタ部29Bの一端側(例えば図13の右側の端部)にまとめ、前記タイミングで0V(グランドレベル)であるバスバー21(2),21(4),21(6),21(8),21(10),21(12),21(14),21(16)の接続端部を該コネクタ部29Bの他端側(例えば図13の左側の端部)にまとめて、それぞれ分離して配設するとよく、この場合、各接続端部26(1)〜26(16)間におけるリーク電流を防止できることになる。
【0095】
ちなみに、図7に示すように、各接続端部26は、ハウジング28Bの端子開口部28Bh内に配設されているため、各接続端部26が絶縁部材により隔てられることとなり、これによってもそれら相互間のリーク電流を防止できる。
【0096】
なお、この変形例では、排気側の配線モジュール45aにおいて、アッパーコイル42Ua用の配線構造体20Bについて説明したが、ロアーコイル42La用の配線構造体30についても同様の構成を採用できるし、勿論、吸気側エンジンヘッド60bに用いられる配線モジュール45bについても同様の構成を採用できる。
【0097】
【発明の効果】
以上のように、この発明の請求項1記載のエンジン用の配線構造体によると、各バスバーの各アクチュエータへの接続端部を、各アクチュエータの接続箇所に対応させて配設した形態で、各バスバーを一体化しているため、配線構造体をエンジン側に組込む際、各バスバーの各アクチュエータへの各接続端部を、各アクチュエータの各接続箇所近傍に容易に配設でき、従って、エンジンの電磁駆動弁用のアクチュエータへの配線作業を容易に行うことができる。
【0098】
また、各バスバーと樹脂部との熱膨張率の差が、樹脂部の分断箇所の隙間で吸収され、樹脂部の割れや反り等が防止される。
【0099】
さらに、バスバーのうち、少なくとも樹脂部の隙間に露出する部分の表面に絶縁膜が形成されているので、バスバーを絶縁状態に保つことができ、また、各バスバー間のアーク放電等を防止できる。
【0100】
さらに、請求項3記載のようにすれば、バスバー間におけるリーク電流を防止できる。
【0101】
また、請求項4記載のように、各バスバーの接続端部と、各アクチュエータ側の接続部とが、それぞれ絶縁部材に形成された各凹部内で個別に電気的に接続されたものにあっては、各接続端部と各接続部間のアーク放電等が防止される。
【0102】
また、請求項5記載の発明によれば、アッパーコイル用の配線構造体及びロアーコイル用の配線構造体のそれぞれにおいて、各バスバーの各アッパーコイル又は各ロアーコイルへの接続端部を、各接続箇所に対応させて配設した形態で、各バスバーを一体化しているため、配線構造体をエンジン側に組込む際、各バスバーの各アッパーコイル又は各ロアーコイルへの接続端部を、各接続箇所近傍に配設することにより、各バスバーの接続端部と各アクチュエータの接続箇所との接続を行え、エンジンの電磁駆動弁用のアクチュエータへの配線作業を容易に行うことができる。
【0103】
また、アッパーコイル側コネクタ部とロアーコイル側コネクタ部とを外部ハーネス側端部の単一のコネクタ部に接続可能な形態でまとめた状態で、前記アッパーコイル用の配線構造体と前記ロアーコイル用の配線構造体とを合体させているため、当該アッパーコイル側コネクタ部とロアーコイル側コネクタ部とがコンパクトな形態にまとめられ、スペース効率に優れる。
また、各バスバーと樹脂部との熱膨張率の差が、樹脂部の分断箇所の隙間で吸収され、樹脂部の割れや反り等が防止され、さらに、バスバーのうち、少なくとも樹脂部の隙間に露出する部分の表面に絶縁膜が形成されているので、バスバーを絶縁状態に保つことができ、また、各バスバー間のアーク放電等を防止できる。
【0104】
また、請求項6記載の発明によれば、上記エンジン用の配線モジュールを、吸気用電磁駆動弁側の配線用及び排気用電磁駆動弁側の配線用として用いているため、配線モジュールの構成を共通化することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の実施の形態に係る配線構造体が適用されたエンジンを示す概略斜視図である。
【図2】エンジンシステムの電気的構成を示すブロック図である。
【図3】配線構造体及び配線モジュールを示す斜視図である。
【図4】配線構造体の接続端部を示す要部拡大斜視図である。
【図5】図4のV−V線断面図である。
【図6】図5の要部拡大断面図である。
【図7】配線構造体のコネクタ部を示す要部拡大断面図である。
【図8】配線モジュールがエンジンに組込まれた状態を示す概略斜視図である。
【図9】バスバーの接続端部とアクチュエータ側の接続端部との接続部構造例を示す斜視図である。
【図10】アッパーコイルへの通電パターンを示す図である。
【図11】バスバー配列の問題点を示す説明図である。
【図12】バスバー配列の改良点を示す説明図である。
【図13】変形例に係る配線構造体を示す平面図である。
【図14】図13のA−A線、B−B線、C−C線、D−D線のそれぞれにおけるバスバーの配列を示す概略断面図である。
【図15】電磁駆動弁を用いたエンジンの構成例を示す概略図である。
【図16】同上のエンジンシステムの電気的構成を示すブロック図である。
【符号の説明】
20,30 配線構造体
21,31 バスバー
22,32 接続端部
23,33 樹脂部
26,36 接続端部
29 アッパーコイル側コネクタ部
39 ロアーコイル側コネクタ部
40a,40b 電磁駆動弁
41a,41b アクチュエータ
42La,42Lb ロアーコイル
42Ua,42Ub アッパーコイル
45a,45b 配線モジュール
50 駆動ユニット
55 外部ハーネス
56 コネクタ部
60a 排気側エンジンヘッド部
60b 吸気側エンジンヘッド部
63 端子接続凹部
E エンジン
P ポッティング剤

Claims (6)

  1. エンジンに複数の電磁駆動弁が設置され、駆動ユニットにより前記各電磁駆動弁のアクチュエータを駆動制御して、前記電磁駆動弁を開閉動作させるエンジン用の配線構造体であって、
    前記駆動ユニットと前記各アクチュエータとの間の配線のうち少なくとも一部として、複数のバスバーを用い、
    前記各バスバーの前記各アクチュエータへの接続端部を、前記各アクチュエータの接続箇所に対応させて配設した形態で、前記各バスバーを一体化し、
    前記各バスバーは、その長手方向を一定方向に揃えた形態で、前記一定方向に沿って複数の位置で、それぞれ絶縁性の樹脂部により一体化され、
    前記各樹脂部は、互いに間隔をあけて分断され、
    前記バスバーのうち、少なくとも前記樹脂部の隙間に露出する部分の表面に絶縁膜が形成されている、エンジン用の配線構造体。
  2. 請求項1記載のエンジン用の配線構造体であって、
    前記各樹脂部は、底壁部の両側より側壁部が立設されると共にこれらの両側壁部間に仕切壁部が立設されてなり、さらに、前記各樹脂部には、ボルト挿通孔が形成された固定片が形成され、
    前記各側壁部及び前記仕切壁部間にバスバーを挿入配置した状態で、前記各側壁部,前記仕切壁部及び前記各バスバー間に、ポッティング剤を充填状に注入することで、前記各バスバーが相互に絶縁された形態で一体化された、エンジン用の配線構造体。
  3. 請求項1又は請求項2記載のエンジン用の配線構造体であって、
    前記各バスバーのうち、実質的に同タイミングで同極性となる少なくとも2つのバスバーを、隣接して配設した、エンジン用の配線構造体。
  4. 請求項1〜請求項3のいずれかに記載のエンジン用の配線構造体を用いたエンジンの配線構造であって、
    前記各アクチュエータの周囲に設けられる絶縁部材に複数の凹部が形成され、
    前記各バスバーの前記各アクチュエータへの接続端部と、前記各アクチュエータ側の接続部とが、それぞれ前記各凹部内で個別に電気的に接続された、エンジンの配線構造。
  5. エンジンに吸気弁及び排気弁として複数の電磁駆動弁が設置され、駆動ユニットにより前記各電磁駆動弁のアクチュエータのアッパーコイル及びロアーコイルとを駆動制御して、前記電磁駆動弁を開閉動作させるエンジン用の配線モジュールであって、
    前記アッパーコイル用の配線構造体として、
    前記駆動ユニットと前記各アクチュエータのアッパーコイルとの配線のうちエンジン内における配線材として、複数のバスバーを用い、
    前記各バスバーの前記各アッパーコイルへの接続端部を、前記各アッパーコイルへの接続箇所に対応させて配設した形態で、前記各バスバーを一体化すると共に、前記各バスバーは、その長手方向を一定方向に揃えた形態で、前記一定方向に沿って複数の位置で、それぞれ絶縁性の樹脂部により一体化され、前記各樹脂部は、互いに間隔をあけて分断され、前記バスバーのうち、少なくとも前記樹脂部の隙間に露出する部分の表面に絶縁膜が形成され、さらに、前記各バスバーの前記駆動ユニット側への接続端部に外部ハーネスを介して前記駆動ユニットに接続するためのアッパーコイル側コネクタ部を形成したものが用いられ、
    前記ロアーコイル用の配線構造体として、
    前記駆動ユニットと前記各アクチュエータのロアーコイルとの配線のうちエンジン内における配線材として、複数のバスバーを用い、
    前記各バスバーの前記各ロアーコイルへの接続端部を、前記各ロアーコイルへの接続箇所に対応させて配設した形態で、前記各バスバーを一体化すると共に、前記各バスバーは、その長手方向を一定方向に揃えた形態で、前記一定方向に沿って複数の位置で、それぞれ絶縁性の樹脂部により一体化され、前記各樹脂部は、互いに間隔をあけて分断され、前 記バスバーのうち、少なくとも前記樹脂部の隙間に露出する部分の表面に絶縁膜が形成され、さらに、前記各バスバーの前記駆動ユニット側への接続端部に前記外部ハーネスを介して前記駆動ユニットに接続するためのロアーコイル側コネクタ部を形成したものが用いられ、
    前記アッパーコイル側コネクタ部とロアーコイル側コネクタ部とを前記外部ハーネス側端部の単一のコネクタ部に接続可能な形態でまとめた状態で、前記アッパーコイル用の配線構造体と前記ロアーコイル用の配線構造体とを合体させた、エンジン用の配線モジュール。
  6. 請求項5記載のエンジン用の配線モジュールを、吸気用電磁駆動弁側の配線材及び排気用電磁駆動弁側の配線材として用いたエンジンの配線構造。
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