JP4054113B2 - 半導体ウエハの裏面研削用粘着フィルム及びそれを用いる半導体ウエハの裏面研削方法 - Google Patents

半導体ウエハの裏面研削用粘着フィルム及びそれを用いる半導体ウエハの裏面研削方法 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、半導体ウエハの裏面研削用粘着フィルム、及び該粘着フィルムを用いる半導体ウエハの裏面研削方法に関する。詳しくは、集積回路が組み込まれた側の面(以下、ウエハ表面という)に、特定の高さの電極(以下、ハイバンプ電極という)及び不良回路識別マーク(以下、インクドットという)から選ばれた少なくとも1種の突起状物を有する、破損、汚染等が起こり易い半導体ウエハの裏面を研削する際に使用し得る半導体ウエハ裏面研削用粘着フィルム、及び、該粘着フィルムを用いる半導体ウエハの裏面研削方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
通常、半導体集積回路は高純度シリコン単結晶等をスライスしてウエハとした後、イオン注入、エッチング等により集積回路を組み込み、更にウエハの裏面をグラインディング、ポリッシング、ラッピング等により研削し、ウエハの厚さを100〜600μm程度まで薄くしてから、ダイシングしてチップ化する方法で製造されている。これらの工程の中で、ウエハ裏面の研削時に半導体ウエハの破損を防止したり、研削加工を容易にするため、半導体ウエハ裏面研削用粘着フィルムをその粘着剤層を介してウエハ表面に貼着して保護する方法が用いられている。
【0003】
具体的には、先ず、半導体ウエハ裏面研削用粘着フィルムをウエハ表面に貼着してウエハ裏面を研削する。研削が完了した後、該フィルムを剥離し、ダイシング工程等の次工程に移行する。
この様な方法で、半導体ウエハの裏面を研削しようとした場合、表面凹凸の大きい半導体ウエハの裏面を研削しようとすると、研削時の応力でウエハが破損する問題があった。実際、半導体ウエハには、ポリイミド等のコーティング層や、酸化珪素膜や窒化珪素膜等の蒸着膜、スクライブライン等があり、時には段差が50μm以上になることがある。
【0004】
この様な問題を解決する手段として、特開昭61−10242号公報には、ショアーD型硬度が40以下である基材シートの表面に粘着剤を設けてなることを特徴とするウエハ加工用フィルムが開示されている。この発明の実施例で、実際に表面凹凸差が50μmのシリコンウエハの裏面研磨が特に問題なく(破損無く)行われている。
【0005】
また、特開昭61−141142号公報には、半導体ウエハの表面にゴム系の材質でできた粘着材付テープを粘着し、前記テープをカットし、前記テープをチャックに固定し、前記半導体ウエハの裏面を砥石で研削することを特徴とする半導体ウエハの研削方法が開示されている。この発明において、特に、ポリイミド等によるコーティング層によって生じた10〜80μm程度の段差を表面に有するウエハの裏面研削が特に問題なく(破損なく)行われている。
【0006】
さらに、WO85/05734号公報には、ショアーD型硬度が40以下である基材フィルムの片表面上に粘着剤層が配設されてなるウエハ加工用フィルムが開示され、その第三発明として、粘着剤層中に、ノニオン系界面活性剤およびエチレングリコール誘導体からなる群より選ばれた1種以上が含有されてなるウエハ加工用フィルムが開示されている。この発明の実施例においても、実際に表面凹凸差が50μmのシリコンウエハの裏面研磨が特に問題なく(破損なく)行われている。また、該ウエハ加工用フィルムを剥がした後の洗浄等の後処理が簡易に実施できると記載されている。
【0007】
上記の発明に開示されている半導体ウエハは、その回路上に、ポリイミド等のコーティング層や、酸化珪素膜や窒化珪素膜等の蒸着膜、スクライブライン等により生じた50μm程度の凹凸差があるものである。しかし、半導体ウエハ表面の約10%程度が凹んでいるだけであり、凸部の頂点は比較的平滑である。通常、比較的平滑な凸部の面積がウエハ表面の約90%を占めている。上記発明に記載された粘着フィルムは、このような半導体ウエハの裏面研削に適用されたものである。
【0008】
近年、半導体ウエハの表面は多様化しつつあり、ウエハ自体は破損しなくても、チップレベルでの破損(以下、マイクロクラックという)が生じたり、粘着剤の一部が残り易い表面形状を有するウエハが多くなってきている。例えば、パッケージングの薄層化、チップ実装面積の少面積化、やICカードの普及(スマートカード、電子マネー、クレジットカード、次世代テレホンカード等、ICチップを内蔵したカード)等に伴い、フリップチップ実装と呼ばれるワイヤレスボンディング法等が採用されつつあり、この様な、ワイヤレスボンディング法等に適したチップを有するウエハとして、高さが10〜300μmの突起状のハイバンプ電極を有する半導体ウエハが生産される様になってきている。このハイバンプ電極の高さは、現状は、25〜100μm程度が主流となっているが、実装方法の多様化により、100μmを超え、300μm程度まで高くすることも検討されている。
【0009】
また、半導体チップの生産工程の多様化に伴い、半導体ウエハの裏面を研削する前に、半導体ウエハ表面のチップを検査し、不良チップに高さが10〜100μmの突起状のインクドットを付けてから半導体ウエハの裏面研削を行うという工程が採用されつつある。さらに、ICカードに使用するチップに関しては、研削後の厚み自体が150μm以下となってきており、特に薄くなる傾向にある。従って、上記マイクロクラックはより起こり易くなる傾向にある。
【0010】
上記のハイバンプ電極やインクドットの様に突起状物を表面に有する半導体ウエハの裏面を研削する場合には、前述の様な従来の粘着フィルムでは、十分に対応できないことがあった。特に、高さが25μmを超えると、ウエハの大きさ、研削後の厚み、研削条件等の諸条件によっては、該ウエハの一部にマイクロクラックが生じたり、該ウエハが完全に破損してしまうことがあった。
【0011】
また、たとえ破損が生じなくても前記突起状物の影響で、表面の突起状物に対応する裏面の部位が凹む(以下、ディンプルという)等して、研削後、ウエハの厚み精度が悪くなりダイシング等の次工程に影響を与えたり、製品不良の原因になることがあった。さらに、研削後のウエハから粘着フィルムを剥離する際に、ウエハの表面に粘着剤の一部が残り(以下、糊残りと称する)ウエハ表面を汚染することもあった〔この汚染は、突起状物の周辺に生じる事が多く、後述するハイバンプ電極周辺に生じた場合、特に問題となる。インクドットの周辺(不良チップ上)に付着する場合には事実上問題はないが、この場合でも、ウエハ表面洗浄時等に他の正常部位に移行して2次汚染を生じる原因となることがあるため、汚染はない方が好ましい〕。この汚染は程度にもよるが、上記、WO85/05734号公報の第三発明で開示された粘着剤でも、除去が不十分となることがあった。さらにまた、半導体ウエハの裏面研削中にウエハ表面と粘着剤層との間に水が浸入し、それに起因してウエハが破損したり、水と共に研削屑が浸入してウエハ表面を汚染することもあった。
【0012】
上述の様な問題があるにもかかわらず、チップの高性能化やパッケージングの多様化、低コスト化、ICカードの普及等に伴い、研削方法の技術レベルには、単にウエハを破損しないことだけでなく、チップレベルでのマイクロクラックが生じないことや、ウエハ表面の更なる低汚染性、研削後の厚み精度の向上等が要求される様になってきている。現状では、半導体ウエハの表面に一定の厚みのレジストを塗布し、突起状物の高さを小さくしてから(もしくは完全に凸部をなくしてから)粘着フィルムを貼付して裏面研削を行ったり、レジスト塗布のみで裏面研削を行ったりしており、レジスト塗布の作業性の悪さ、レジスト塗布時および除去時に多量の溶剤を使用するなど、決して合理的な方法が行われているわけではない。また、インクドットを有するウエハの裏面研削にはレジスト法が適用出来ないこともある。
【0013】
この様な問題を解決する手段として、特開平9−17756号公報には、半導体装置の製造時に半導体の表面を保護するための半導体用保護テープであって、第1の処理で収縮させることができる第1の層と、第2の処理で前記第1の層から剥離させることができる第2の層と、を有することを特徴とする半導体用保護テープが開示されている。この発明の半導体用保護テープは、5〜30μmのインク突起(本発明でいうインクドット)を有するウエハの裏面研磨を可能にしている。しかし、該テープは、半導体ウエハ表面に貼着される第1の層(熱収縮テープ)と、第1の層だけではインク突起の形成されたウエハを保護するのに不十分なため、これを補うための第2の層(なんらかの処理によって剥離し易くなるテープ)の2種類の粘着テープが積層された構成となっており、従来の半導体ウエハ保護テープに比べ、粘着フィルムの製造コスト面で不利である。また、30μmを超える突起状物を表面に有する半導体ウエハを裏面研削することについては言及していない。
【0014】
上記の様な状況の中で、突起物の高さ、チップの薄層化に制約がかかり、それに伴いチップの実装技術やICカードの発展にも制約がかかってきている。
【0015】
その為、ハイバンプ電極やインクドットの様な、表面に高さが25〜300μmの突起状物を有する半導体ウエハの裏面を研削するに際して、特に適した半導体ウエハの裏面研削用粘着フィルムが望まれている。
【0016】
【発明が解決しようとする課題】
本発明者らは、上記問題に鑑み、ハイバンプ電極、インクドット等の如き高さが10〜100μmの突起状物を表面に有する半導体ウエハの裏面を研削するに際し、半導体ウエハの破損防止、マイクロクラック及びディンプルの発生防止、半導体ウエハ表面の汚染防止等を図ることができる半導体ウエハの裏面研削方法、及びその方法に用いる裏面研削用粘着フィルムに関わる技術を完成した。かかる発明については、特願平8−347432号、特願平9−168621号等として特許出願した。
【0017】
上記の特許出願に関わる粘着フィルムは、突起状物の高さが10〜100μm(特に、25μm〜100μm)であることを前提とし、基材フィルムの性質、粘着剤層の種類を特定し、且つ、突起状物の高さと基材フィルムの厚み、粘着剤層の厚みに関して特定の関係を有するものである。
【0018】
本発明者らは、突起状物を有する半導体ウエハの裏面を研削する方法に関し、引き続き研究を行った。その中で、今後の実装方法のさらなる多様化に伴い、上記突起状物の高さが100μmを超え300μm近い高さになることが判明した。その場合、上記特許出願の技術では対応出来ない恐れも生じてきた。
【0019】
本発明の目的は、上記問題に鑑み、ハイバンプ電極、インクドット等の高さが25〜300μm、さらに厳しくは100〜300μmである突起物を表面に有する半導体ウエハの裏面を研削するに際し、半導体ウエハの破損防止、マイクロクラック及びディンプルの発生防止、半導体ウエハ表面の汚染防止等を図ることができる半導体ウエハの裏面研削用粘着フィルム、及び該粘着フィルムを用いる半導体ウエハの裏面研削方法を提供することにある。
【0020】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは、鋭意検討した結果、半導体ウエハの表面回路にハイバンプ電極、インクドット等の如き高さが25〜300μm、さらに厳しくは100〜300μmである突起状物が形成されていても、基材フィルムの硬度と厚み、粘着剤層の組成と厚み、粘着フィルムの粘着力をそれぞれ特定の範囲に限定し、且つ、前記突起状物の高さ(A)、基材フィルムの厚み(B)を特定の関係に限定する技術思想に加え、基材フィルム層と粘着剤層の層間に特定の硬度を有する柔軟性に富んだ熱可塑性樹脂層を形成することにより、上記課題が解決し得ることを見出し、本発明に到った。
【0021】
すなわち、本発明は、半導体ウエハの裏面を研削する際にその回路形成表面に貼付される半導体ウエハ裏面研削用粘着フィルムであって、該半導体ウエハが、その回路形成表面が電極及び不良回路識別マークから選ばれた少なくとも1種の高さ(A)25〜300μmの突起状物を有し、該粘着フィルムが、ショアーD型硬度が30〜50、厚み(B)が30〜500μmである基材フィルム(1)の片面に、(ア)架橋剤と反応し得る官能基を有するアクリル酸アルキルエステル系粘着剤ポリマー、(イ)1分子中に2個以上の架橋反応性官能基を有する架橋剤を含む厚み1〜30μmの粘着剤層(2)が形成され、基材フィルム(1)と粘着剤層(2)の層間に、JIS−A硬度が10〜55、厚み(C)が25〜400μmである熱可塑性樹脂中間層(3)が配設され〔但し、0.55A≦C、A≦(B+C)〕、且つ、該粘着フィルムのSUS304−BA板に対する粘着力が5〜400g/25mmであることを特徴とする半導体ウエハの裏面研削用粘着フィルムである。
【0022】
また、他の発明は、前記発明に係わる半導体ウエハの裏面研削用粘着フィルムを用いる半導体ウエハの裏面研削方法である。
【0023】
本発明の半導体ウエハの裏面研削用粘着フィルムの特徴は、特定の硬度を有する基材フィルムと粘着剤層との層間に、特定の硬度を有する熱可塑性樹脂層を設けたこと、及び、半導体ウエハ表面の突起状物の高さ、基材フィルムの厚み、及び、熱可塑性樹脂層の厚みの関係を特定の範囲に限定したことにある。
【0024】
本発明の半導体ウエハの裏面研削用粘着フィルムを用いて、半導体ウエハの裏面を研削するに際し、該半導体ウエハの表面にハイバンプ電極、不良回路識別マーク等の高さが25〜300μmである突起状物が形成されていても、裏面の研削応力に起因してウエハが破損することがないばかりでなく、チップレベルでの破損(マイクロクラック)を生じることがない。さらには、突起状物に起因するディンプルの発生を抑えることが出来る。
【0025】
通常、半導体ウエハの裏面研削用粘着フィルムの粘着剤層は、ウエハ表面の凹凸(突起状物を含む)が大きくなると相応に厚くなる。この為、裏面研削終了後、粘着フイルムの剥離時の粘着力が高くなり、例えばICカード用の場合等、研削後の厚みが150μm以下になる場合では、剥離時にウエハを破損することがある。本出願人の出願に係わる特願平8−347432号、特願平9−168621号等に係わる発明は、この粘着力の上昇を押さえる為に、粘着剤層の組成を限定している。しかし、本発明においては、突起状物の高さに関係なく、粘着剤層の厚みを1〜30μmとすることが出きる。その為、粘着力は必要以上に上昇する事がない。従って、剥離時にウエハを破損する事もない。
【0026】
また、本発明に係わる半導体ウエハの裏面研削用粘着フィルムは、粘着剤層の厚みを1〜30μm程度に比較的薄く形成される。その為、粘着剤層の凝集破壊が起こり難く、粘着フィルムを剥離した後の半導体ウエハ表面に、粘着剤層に起因する汚染が生じることがない。さらに、半導体ウエハの表面と粘着剤層の間に水が侵入することに起因するウエハの破損及びウエハ表面の汚染もない。当然のことながら、レジストを用いる必要がなく工程が簡略できるという効果をも奏する。
【0027】
尚、本発明でいうハイバンプ電極は、フリップチップ実装等のワイヤレスボンディング法により半導体チップを実装する際に適した電極として、半導体ウエハの表面に回路と共に形成されたものである。通常、ハイバンプ電極を有する半導体チップは、この電極によりプリント配線基盤上に直接接続される。該電極は10〜300μm程度の高さを有する。この様なハイバンプ電極を有する半導体ウエハは、従来のものに比べて回路の電極部分のみが突出した状態(突起状物)を呈している。この形状は、円柱状、角柱状、キノコ状、球状等とバンプの形成方法や、チップに要求される性能等により様々な形状がある。
【0028】
また、本発明でいうインクドットは、半導体ウエハの表面に形成された回路(チップ)を検査、選別し、不良回路を識別する為に不良回路上に付けられたマークである。通常、直径0.1〜2mm、高さ10〜100μm程度の赤色等の色素で着色された円柱状のものであり、インクドットの部分が突出した状態(突起状物)となっている。
【0029】
ハイバンプ電極やインクドット等の突起状物は、半導体ウエハ表面の全面積の10%未満程度の部分が前記高さに突出した状態になっている。本発明は、かかる表面形状を有する半導体ウエハの内、特に、25〜300μm、さらに厳しくは100〜300μmの突起状物を有する半導体ウエハの裏面研削用に適用するものである。
【0030】
【発明の実施の形態】
以下、本発明について詳細に説明する。
本発明の半導体ウエハの裏面研削用粘着フィルムは、基材フィルム(1)と熱可塑性樹脂層(3)の積層体の該熱可塑性樹脂層(3)側に粘着剤層(2)が形成されたものである。本発明の半導体ウエハの裏面研削用粘着フィルムは、ハイバンプ電極及び不良回路識別マークから選ばれた少なくとも1種の高さ(A)が25〜300μmの突起状物を有する半導体ウエハの表面に直接貼付して、そのウエハの裏面を研削する際に使用されるものである。
【0031】
本発明の半導体ウエハ裏面研削用粘着フィルムは、基材フィルム(1)と熱可塑性樹脂層(3)の積層体を作成した後、該積層体の熱可塑性樹脂層(3)側の表面に粘着剤層を形成することにより製造される。熱可塑性樹脂層(3)側の表面に粘着剤層を形成する方法として、剥離フィルムの片表面に、アクリル酸アルキルエステル系粘着剤ポリマー、架橋剤、その他必要に応じて他の添加剤を含む溶液またはエマルジョン液(以下、これらを総称して粘着剤塗布液という)を塗布、乾燥して粘着剤層を形成した後、得られた粘着剤層を前記積層体の熱可塑性樹脂層(3)側の表面に転写する方法、前記積層体の熱可塑性樹脂層(3)の表面に粘着剤塗布液を塗布、乾燥して粘着剤層を形成する方法が挙げられる。
【0032】
前者の方法による場合は、使用する際に剥離フィルムを剥離するとよい。後者の方法による場合は、環境に起因する汚染等から保護するために粘着剤層(2)の表面に剥離フィルムを貼着することが好ましい。
【0033】
基材フィルム(1)と熱可塑性樹脂層(3)の積層体及び剥離フィルムのいずれの片表面に粘着剤塗布液を塗布するかは、該積層体及び剥離フィルムの耐熱性、半導体ウエハ表面の汚染性を考慮して決める。例えば、剥離フィルムの耐熱性が該積層体のそれより優れている場合は、剥離フィルムの表面に粘着剤層(2)を設けた後、積層体の熱可塑性樹脂層(3)側へ転写する。耐熱性が同等または該積層体が優れている場合は、該積層体の表面に粘着剤層(2)を設け、その表面に剥離フィルムを貼着する。
【0034】
しかし、半導体ウエハ裏面研削用粘着フィルムは、剥離フィルムを剥離したときに露出する粘着剤層(2)の表面を介して半導体ウエハ表面に貼着されることを考慮し、粘着剤層(2)による半導体ウエハ表面の汚染防止を図るためには、積層体の耐熱性にかかわらず、耐熱性の良好な剥離フィルムを使用し、その表面に粘着剤塗布液を塗布、乾燥して粘着剤層(2)を形成する方法が好ましい。
【0035】
基材フィルム(1)と熱可塑性樹脂層(3)の積層体は、熱可塑性樹脂層(3)を押出機でフィルム状に押出成形しながら予め用意しておいた基材フィルム(1)とラミネートする方法、基材フィルム(1)と熱可塑性樹脂層(3)を共押出により同時に製膜する方法等により製造される。これらのうち、該積層体の製造コストを考慮すれば、後者の共押出による製造方法が好ましい。共押出の方法は、Tダイ押出法のほかに、インフレーション法等が挙げられる。基材フィルム(1)と熱可塑性樹脂層(3)の接着力を高める為に、両者の間に新たに接着層を設けてもよい。
【0036】
本発明に用いる基材フィルム(1)としては、粘着フィルムの形態を維持する性質と、後述する熱可塑性樹脂層(3)の役割(突起状物に対する変形、裏面研削時の衝撃を吸収する役割等)を補完する性質のものを用いる。具体的には、ASTM−D−2240−86、またはJIS−K−7215−1986に規定されるショアーD型硬度(デュロメータD硬さ)が30〜50である樹脂フィルムを用いる。ショアーD型硬度が低くなると、粘着フィルムが柔らかくなり、その形状保持、取扱作業性に影響を与える傾向がある。高くなると、熱可塑性樹脂層(3)の役割を補完する性質が劣り、研削中のウエハの破損、マイクロクラック、ディンプル等が生じることがある。従って、より好ましい基材フィルム(1)のショアーD型硬度は30〜40である。
【0037】
また、ショアーD型硬度が30〜50(好ましくは30〜40)である樹脂フィルムと同等の性能を有するフィルムとしては、ショア−D型硬度が本発明の範囲外である樹脂に可塑剤等の各種添加剤や、他の樹脂等を混合して、成形加工することにより得られたショアーD型硬度が30〜50(好ましくは30〜40)であるフィルムである。熱可塑性樹脂層、粘着剤層、ウエハ表面等への非汚染性を考慮すると、可塑剤等の添加剤を可能な限り含まないフィルムが好ましい。
【0038】
基材フィルム(1)の原料樹脂としては、酢酸ビニル単位の含有量が1〜28重量%程度のエチレン−酢酸ビニル共重合体、アルキルアクリレート単位の含有量が1〜28重量%程度であるエチレン−アルキルアクリレート共重合体(アルキル基の炭素数1〜4)、アクリル酸単位またはメタクリル酸単位の含有量が1〜20重量%程度であるエチレン−(メタ)アクリル酸共重合体、密度が0.89〜0.92g/cm3程度である低密度ポリエチレン、シンジオタクチック構造を有するポリプロピレン、α−オレフィン単位の含有量が9〜30重量%程度であるエチレン−α−オレフィン共重合体(α−オレフィンの炭素数3〜8)、アイオノマー、エチレン−プロピレン−ブテン三元共重合体等が挙げられる。
【0039】
上記樹脂において、酢酸ビニル単位、アルキルアクリレート単位、アクリル酸単位、メタクリル酸単位、およびα−オレフィン単位の含有量は、示差走査熱量計(DSC)または赤外分光光度計(IR)によって測定することができる。
【0040】
また、本発明でいう樹脂の密度はASTM−D−1505に準拠して測定した値である。
【0041】
これらの内、酢酸ビニル単位の含有量が1〜28重量%程度のエチレン−酢酸ビニル共重合体、エチルアクリレート単位の含有量が1〜28重量%程度であるエチレン−エチルアクリレート共重合体が好ましい。これらの樹脂は、必要に応じて、安定剤、滑剤、酸化防止剤、顔料、ブロッキング防止剤、可塑剤、等を含有していても良い。
【0042】
基材フィルム(1)に可塑剤等の各種添加剤を添加する場合、添加剤が熱可塑性樹脂層(3)や粘着剤層(2)に移行して、熱可塑性樹脂層(3)や粘着剤層(2)の特性を変化させたり、粘着剤層(2)に移行した場合には、ウエハ表面を汚染する事がある。この様な場合には、基材フィルム(1)と熱可塑性樹脂層(3)との間にバリヤー層を設けることが好ましい。
【0043】
基材フィルム(1)は一層体であっても、また、二層以上であってもよい。基材フィルムの厚み(B)は30〜500μmである。薄くなると、粘着フィルムの形態を維持する性質が劣ってくる傾向にあり、それに伴い該粘着フィルムの取扱作業性に影響を与える。厚くなると、基材フィルム(1)の生産性に影響をあたえ、製造コストの増加につながる。
【0044】
基材フィルム(1)の厚みバラツキは、裏面研削後のウエハの局所的な厚みバラツキ(ディンプル)にはあまり影響を与えないが、全体的な厚みバラツキには影響を与える。かかる観点から、基材フィルムはその平均厚みの±5%程度の範囲内の厚みバラツキで製造されたものであることが好ましい。さらに好ましくは±3%以内であり、より好ましくは±2%以内である。ここで言う厚みバラツキとは、無作為に採取した約10cm四方の大きさのサンプルを縦横約1cm毎に測定した際の平均厚みに対するバラツキのことである。
【0045】
また、基材フィルム(1)の熱可塑性樹脂層(3)が設けられる面の反対側の面に、他のフィルムをさらに積層しても良い。例えば、半導体ウエハの裏面を研削した後に施されるエッチング液によるエッチング処理の際にも引続き、半導体ウエハ裏面研削用粘着フィルムを用いて半導体ウエハの表面を保護する場合には、耐薬品性フィルムを基材フィルム(1)の熱可塑性樹脂層(3)が設けられる面と反対側に積層してもよい。耐薬品性フィルムとしては、ポリプロピレンフィルム、ポリエステルフィルム等が挙げられる。基材フィルム(1)は、カレンダー法、Tダイ押出法、インフレーション法等、公知の技術により製造することが出来る。これらの中で、粘着フィルムの製造コストを考慮すれば、熱可塑性樹脂層(3)と共押出することにより製造することが好ましい。
【0046】
本発明の粘着フィルムに配設する熱可塑性樹脂層(3)は、本発明の半導体ウエハ裏面研削用粘着フィルムを半導体ウエハの表面に貼付した際に、半導体ウエハ表面上の突起状物に対応して変形する。その為、粘着剤層(2)の厚みが薄い場合であっても、半導体ウエハの表面に粘着剤層(2)を密着させることができる。また、突起状物に伴う段差を吸収し、基材フィルム(1)へ段差の影響を殆ど伝えない。さらには、裏面研削時の衝撃を吸収する機能も有する。従って、該突起状物に伴うウエハ裏面研削時のウエハの破損を防止したり、マイクロクラックの発生を防止したり、ディンプルの発生を防止する効果を有する。
【0047】
本発明の半導体ウエハ裏面研削用粘着フィルムは、熱可塑性樹脂層(3)が基材フィルム層(1)と粘着剤層(2)の層間に存在する為、粘着剤層(2)を特に厚くする必要が無く、1〜30μmの範囲内で十分である。その為、粘着剤層(2)を形成する際の塗工、乾燥工程に時間がかからない。従って、突起状物を表面に有する半導体ウエハの裏面を研削する為の粘着フィルムをより低コストで供給することが可能となる。
【0048】
さらに本発明の粘着フィルムは、粘着剤層(2)の凝集破壊(所謂、ウエハ表面への糊のこり)が生じ難く、また、粘着フィルムの粘着力も低く抑えることも出来、ICカード用等、裏面研削後の厚みが薄い半導体ウエハにも適用できる。熱可塑性樹脂層(3)の存在により、粘着剤層(2)の厚みを1〜30μmの範囲に抑えることが可能となった事に起因するものと推定される。
【0049】
熱可塑性樹脂層(3)は、硬くなり過ぎると、突起状物に対する変形が起こりにくくなり、ディンプルの発生、マイクイロクラックの発生を生じる傾向がある。また、粘着剤層(2)とウエハ表面の密着性が悪くなり裏面研削中に、水や研削屑が浸入しウエハ表面を汚染したり、さらには裏面研削中のウエハの破損を引き起こす傾向がある。柔らかくなり過ぎると、樹脂層(3)の形状が安定せず本発明の粘着フィルムを製造できなくなる傾向がある。かかる観点から、熱可塑性樹脂層(3)の硬度は、JIS K−6301−1995に規定されるA型硬さ(JIS−A硬度ともいう)が10〜55であることが好ましい。より好ましくは15〜50である。
【0050】
熱可塑性樹脂層(3)の材質としては、JIS−A硬度が上記範囲内の樹脂フィルム、またはそれと同等の性能を有するものであれば、適宜用いる事ができる。しかし、該樹脂層(3)に含まれる添加剤が粘着剤層(2)を汚染し該粘着剤層(2)の特性を変化させたり、また、粘着剤層(2)を汚染した添加剤がそのままウエハ表面を汚染することがある。それらを考慮すれば、可塑剤等の添加剤の添加量が少ないもの、または全く含まないものが好ましい。
【0051】
例示すると、酢酸ビニル単位の含有量が30〜50重量%程度のエチレン−酢酸ビニル共重合体、アルキルアクリレート単位の含有量が30〜50重量%程度であるエチレン−アルキルアクリレート共重合体(アルキル基の炭素数1〜4)、密度が0.89g/cm3未満である低密度ポリエチレン、密度が0.89g/cm3未満であるエチレン−α−オレフィン共重合体(α−オレフィンの炭素数3〜8)等から成形された樹脂フィルムが挙げられる。これらの内、酢酸ビニル単位の含有量が30〜50重量%程度のエチレン−酢酸ビニル共重合体、エチルアクリレート単位の含有量が30〜50重量%程度であるエチレン−エチルアクリレート共重合体から成形された樹脂フィルムが好ましい。
【0052】
上記樹脂において、酢酸ビニル単位およびアルキルアクリレート単位の含有量は、示差走査熱量計(DSC)または赤外分光光度計(IR)によって測定することができる。また、本発明でいう樹脂の密度は、ASTM−D−1505に準拠して測定した値である。
【0053】
熱可塑性樹脂層(3)には必要に応じて、安定剤、滑剤、酸化防止剤、顔料、ブロッキング防止剤、可塑剤、等を含有していても良い。しかし、添加剤の種類、含有量によっては、上記の様に粘着剤層(2)が汚染されることもある。この場合は、熱可塑性樹脂層(3)と粘着剤層(2)との間にバリヤー層を設けることが好ましい。
【0054】
JIS−A硬度が10〜55(より好ましくは15〜50)の樹脂フィルムと同等の性能を有するものとしては、上記樹脂にJIS−A硬度が本発明の範囲外である他の樹脂をブレンドしたフィルムや、JIS−A硬度が本発明の範囲外の樹脂に可塑剤等の各種添加剤や、他の樹脂等を混合して、成形加工することにより得られたフィルムであって、JIS−A硬度が10〜55(より好ましくは15〜50)である樹脂フィルムが挙げられる。
【0055】
熱可塑性樹脂層(3)の厚み(C)は、半導体ウエハ表面に粘着剤層(2)を密着させる効果、突起状物に伴う段差を吸収し、基材フィルム(1)へ段差の影響を殆ど伝えない効果等を考慮すれば、厚い程好ましい。しかし、厚くなり過ぎると製造コストに影響を与える。その為、突起状物の高さ(A)25〜300μmに対し、25〜400μm〔但し、0.55A≦C、A≦(B+C)〕である。また、突起状物の高さ(A)と熱可塑性樹脂層(3)の厚み(C)のより好ましい関係はA≦Cである。
【0056】
熱可塑性樹脂層(3)を形成する方法として、熱可塑性樹脂層(3)をTダイ押出機でフィルム状に押出成形しながら、予め用意しておいた基材フィルム(1)とラミネートする方法、基材フィルム(1)と熱可塑性樹脂層(3)を共押出により同時に製膜する方法等が挙げられる。これらのうち、該積層体の製造コストを考慮すれば、後者の共押出による製造方法が好ましい。共押出の方法は、Tダイ押出法のほかに、インフレーション法等が挙げられる。
【0057】
基材フィルム(1)と熱可塑性樹脂層(3)の接着力を高める為に、両者の間に新たに接着層を設けてもよい。また、熱可塑性樹脂層(3)と粘着剤層(2)の接着力を高める為に、熱可塑性樹脂層(3)の粘着剤層(2)を設ける面にはコロナ放電処理または化学処理等を施すことが好ましい。また、熱可塑性樹脂層(3)と粘着剤層(2)の間に下塗り剤を用いてもよい。
【0058】
本発明の粘着フィルムに用いる粘着剤層(2)は、(ア)架橋剤と反応し得る官能基を有するアクリル酸アルキルエステル系粘着剤ポリマー、(イ)1分子中に2個以上の架橋反応性官能基を有する架橋剤を含む粘着剤塗布液を塗布乾燥して得られるものである。本発明の粘着フィルムは熱可塑性樹脂層(3)を基材フィルム(1)と粘着剤層(2)の間に設けている。その為、粘着剤層(2)はウエハ表面の突起状物の段差を吸収するほど厚くする必要はなく、ウエハ表面との界面接着力が得られる程度でよい。ウエハ表面との界面接着力は、粘着剤層(2)が存在しなくとも、熱可塑性樹脂層(3)の表面とウエハ表面でも得ることが出来る。しかし、この場合、熱可塑性樹脂層(3)がウエハ表面を汚染し、該ウエハから得られるチップの製品不良の原因となる。
【0059】
粘着剤層(2)を形成する際に用いる粘着剤塗布液は、(ア)架橋剤と反応し得る官能基を有するアクリル酸アルキエステル系粘着剤ポリマー、(イ)1分子中に2個以上の架橋反応性官能基を有する架橋剤を含む溶液またはエマルジョン液である。本発明に用いるアクリル酸アルキルエステル系粘着剤ポリマーは、アクリル酸アルキルエステル及び/またはメタクリル酸アルキルエステルを主モノマーとして、架橋剤と反応し得る官能基を有するコモノマーを含むモノマー混合物を共重合して得られる。アクリル酸アルキルエステル系粘着剤ポリマーを含む液体(以下、粘着剤主剤)は溶液、エマルジョン液等の何れでもよい。
【0060】
主モノマーとしては、アクリル酸メチル、メタクリル酸メチル、アクリル酸エチル、メタクリル酸エチル、アクリル酸ブチル、メタクリル酸ブチル、アクリル酸−2−エチルヘキシル、メタクリル酸−2−エチルヘキシル、等が挙げられる。これらは単独で使用してもよいし、また、2種以上を混合して使用してもよい。主モノマーの使用量は粘着剤ポリマーの原料となる全モノマーの総量中に、通常、60〜99重量%の範囲で含まれていることが好ましい。
【0061】
上記主モノマーと共重合させる、架橋剤と反応し得る官能基を有するコモノマーとして、アクリル酸、メタクリル酸、イタコン酸、メサコン酸、シトラコン酸、フマル酸、マレイン酸、イタコン酸モノアルキルエステル、メサコン酸モノアルキルエステル、シトラコン酸モノアルキルエステル、フマル酸モノアルキルエステル、マレイン酸モノアルキルエステル、アクリル酸−2−ヒドロキシエチル、メタクリル酸−2−ヒドロキシエチル、アクリルアミド、メタクリルアミド、ターシャル−ブチルアミノエチルアクリレート、ターシャル−ブチルアミノエチルメタクリレート等が挙げられる。これらの一種を上記主モノマーと共重合させてもよいし、また2種以上を共重合させてもよい。上記の架橋剤と反応しうる官能基を有するコモノマーの使用量は、粘着剤ポリマーの原料となる全モノマーの総量中に、通常、1〜40重量%の範囲で含まれていることが好ましい。
【0062】
本発明においては、上記粘着剤ポリマーを構成する主モノマー及び架橋剤と反応し得る官能基を有するコモノマーの他に、界面活性剤としての性質を有する特定のコモノマー(以下、重合性界面活性剤と称する)を共重合してもよい。重合性界面活性剤は、主モノマー及びコモノマーと共重合する性質を有すると共に乳化重合する場合には乳化剤としての作用を有する。重合性界面活性剤を用いて乳化重合した粘着剤ポリマーを用いた場合には、通常、界面活性剤によるウエハ表面に対する汚染が生じない。また、粘着剤層(2)に起因する僅かな汚染が生じた場合においても、ウエハ表面を水洗することにより容易に除去することが可能となる。
【0063】
この様な重合性界面活性剤の例としては、例えば、ポリオキシエチレンノニルフェニルエーテルのベンゼン環に重合性の1−プロペニル基を導入したもの〔第一工業製薬(株)製;アクアロンRN−10、同RN−20、同RN−30、同RN−50等〕、ポリオキシエチレンノニルフェニルエーテルの硫酸エステルのアンモニウム塩のベンゼン環に重合性の1−プロペニル基を導入したもの〔第一工業製薬(株)製;アクアロンHS−10、同HS−20等〕、及び分子内に重合性2重結合を持つ、スルホコハク酸ジエステル系のもの〔花王(株)製;ラテムルS−120A、同S−180A等〕等が挙げられる。
【0064】
さらに必要に応じて、アクリル酸グリシジル、メタクリル酸グリシジル、イソシアネートエチルアクリレート、イソシアネートエチルメタクリレート、2−(1−アジリジニル)エチルアクリレート、2−(1−アジリジニル)エチルメタクリレート等の自己架橋性の官能基を持ったモノマー、酢酸ビニル、アクリロニトリル、スチレン等の重合性2重結合を持ったモノマー、ジビニルベンゼン、アクリル酸ビニル、メタクリル酸ビニル、アクリル酸アリル、メタクリル酸アリル等の多官能性のモノマー等を共重合してもよい。
【0065】
粘着剤ポリマーを重合する方法としては、溶液重合法、懸濁重合法、乳化重合法、等既知の様々な方法が採用できるが、得られる粘着剤ポリマーの分子量およびそれにともなう粘着剤の凝集力への影響を考慮する必要がある。これらの重合方法の内、高分子量のポリマーが得られること、塗布、乾燥工程における環境汚染、塗布性等を勘案すると乳化重合法が好ましい。
【0066】
粘着剤ポリマーの重合反応機構としては、ラジカル重合、アニオン重合、カチオン重合等が挙げられるが、粘着剤の製造コスト、モノマーの官能基の影響および半導体ウエハ表面へのイオンの影響、等を等慮すればラジカル重合によって重合することが好ましい。ラジカル重合反応によって重合する際、ラジカル重合開始剤として、ベンゾイルパーオキサイド、アセチルパーオキサイド、イソブチリルパーオキサイド、オクタノイルパーオキサイド、ジ−ターシャル−ブチルパーオキサイド、ジ−ターシャル−アミルパーオキサイド等の有機過酸化物、過硫酸アンモニウム、過硫酸カリウム、過硫酸ナトリウム等の無機過酸化物、2,2’−アゾビスイソブチロニトリル、2,2’−アゾビス−2−メチルブチロニトリル、4,4’−アゾビス−4−シアノバレリックアシッド等のアゾ化合物、等が挙げられる。
【0067】
乳化重合法により重合する場合には、これらのラジカル重合開始剤の中で、水溶性の過硫酸アンモニウム、過硫酸カリウム、過硫酸ナトリウム等の無機過酸化物、同じく水溶性の4,4’−アゾビス−4−シアノバレリックアシッド等の分子内にカルボキシル基を持ったアゾ化合物が好ましい。半導体ウエハ表面へのイオンの影響を考慮すれば、過硫酸アンモニウム、4,4’−アゾビス−4−シアノバレリックアシッド等の分子内にカルボキシル基を持ったアゾ化合物がさらに好ましい。4,4’−アゾビス−4−シアノバレリックアシッド等の分子内にカルボキシル基を持ったアゾ化合物が特に好ましい。
【0068】
粘着剤層(2)に用いる架橋性の官能基を1分子中に2個以上有する架橋剤は、粘着剤ポリマーが有する官能基と反応させ、粘着力および凝集力を調整するために用いる。架橋剤としては、ソルビトールポリグリシジルエーテル、ポリグリセロールポリグリシジルエーテル、ペンタエリスリトールポリグリシジルエーテル、ジグリセロールポリグリシジルエーテル、グリセロールポリグリシジルエーテル、ネオペンチルグリコールジグリシジルエーテル、レソルシンジグリシジルエーテル等のエポキシ系化合物、テトラメチレンジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート、トリメチロールプロパンのトルエンジイソシアネート3付加物、ポリイソシアネート等のイソシアネート系化合物、
トリメチロールプロパン−トリ−β−アジリジニルプロピオネート、テトラメチロールメタン−トリ−β−アジリジニルプロピオネート、N,N’−ジフェニルメタン−4,4’−ビス(1−アジリジンカルボキシアミド)、N,N’−ヘキサメチレン−1,6−ビス(1−アジリジンカルボキシアミド)、N,N’−トルエン−2,4−ビス(1−アジリジンカルボキシアミド)、トリメチロールプロパン−トリ−β−(2−メチルアジリジン)プロピオネート等のアジリジン系化合物、及びヘキサメトキシメチロールメラミン等のメラミン系化合物等が挙げられる。これらは単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
【0069】
架橋剤の含有量は、通常、架橋剤中の官能基数が粘着剤ポリマー中の官能基数よりも多くならない程度の範囲で含有する。しかし、架橋反応で新たに官能基が生じる場合や、架橋反応が遅い場合など、必要に応じて過剰に含有してもよい。好ましい含有量は、粘着剤ポリマー100重量部に対し架橋剤0.1〜15重量部である。
【0070】
少な過ぎると、粘着剤層(2)の凝集力が不十分となり、ウエハ表面(特に突起状物周辺)で糊残りが生じ易くなることがある。また、得られる粘着フィルムの粘着力が本発明の範囲を外れて高くなることがある。多過ぎると、熱可塑性樹脂層(3)の変形を妨害し、粘着剤層(2)とウエハ表面との密着力が弱くなり、研削中に水や研削屑が浸入し、該粘着フィルムの剥離によるウエハの破損が生じたり、研削屑によるウエハ表面の汚染が生じたりすることがある。
【0071】
粘着剤塗布液には、上記の粘着剤ポリマー、架橋剤の他に、粘着特性を調整するためにロジン系、テルペン樹脂系等のタッキファイヤー、各種界面活性剤等を本願発明の目的に影響しない程度に適宜含有してもよい。また、粘着剤ポリマーがエマルジョン液である場合は、ジエチレングリコールモノアルキルエーテル等の造膜助剤を本願発明の目的に影響しない程度に適宜添加してもよい。造膜助剤として使用されるジエチレングリコールモノアルキルエーテル類およびその誘導体は、粘着剤層(2)に起因するウエハ表面の汚染を除去し易くする効果もある。
【0072】
本発明の半導体ウエハの裏面研削用粘着フィルムは、粘着剤層(2)の厚みが比較的薄いことが特徴のひとつである。粘着剤層(2)の厚みは1〜30μmである。熱可塑性樹脂層(3)がウエハ表面の突起状物に対応して変形する際、粘着剤層(2)が熱可塑性樹脂層(3)の変形に追従できなくなることがないように、この範囲内で適宜選択する。厚みが厚くなると粘着フィルムの生産性に影響をあたえ、製造コストの増加につながることがある。さらには、粘着フィルムの粘着力が必要以上に上昇し、裏面研削後に粘着フィルムを剥離する際に剥離粘着力の上昇に伴う、ウエハの破損を引き起こしたり、ウエハ表面に粘着剤層(2)に起因する汚染が生じたりすることがある。従って、特に好ましい粘着剤層(2)の厚みは1〜20μmである。
【0073】
本発明のウエハ裏面研削用粘着フィルムの粘着力は、SUS304−BA板に対する粘着力に換算すると5〜400g/25mm、好ましくは、10〜300g/25mmである。ウエハ裏面の研削条件、ウエハの口径、研削後のウエハの厚み等を勘案して上記範囲に調整する。
【0074】
本発明においては、熱可塑性樹脂層(3)がウエハ表面の突起状物に対応して変形するだけでなく、スクライブライン等のその他の表面形状にも対応する。その為、粘着力の強弱にかかわらず、ウエハ表面に対する密着性が良好である。また、粘着力が高過ぎると裏面研削後の剥離時に自動テープ剥がし機で剥離トラブルが発生する等、剥離作業性が低下したり、ウエハを破損することがある。
【0075】
本発明の粘着フィルムに使用する剥離フィルムとして、ポリプロピレン、ポリエチレンテレフタレート等の合成樹脂フィルムが挙げられる。必要に応じてその表面にシリコーン処理等が施されたものが好ましい。剥離フィルムの厚みは、通常10〜2000μmである。好ましくは30〜100μmである。
【0076】
基材フィルム層(1)と熱可塑性樹脂層(3)の積層体の熱可塑性樹脂層(3)側、または剥離フィルムの片表面に粘着剤塗布液を塗布する方法としては、従来公知の塗布方法、例えばロールコーター法、リバースロールコーター法、グラビアロール法、バーコート法、コンマコーター法、ダイコーター法等が採用できる。塗布された粘着剤の乾燥条件には特に制限はないが、一般的には、60〜200℃の温度範囲において10秒〜10分間乾燥することが好ましい。さらに好ましくは80〜170℃において10秒〜3分間乾燥する。架橋剤と粘着剤ポリマーとの架橋反応を十分に促進させるために、被粘着剤塗布液の乾燥が終了した後に、半導体ウエハ裏面研削用粘着フィルムを40〜80℃において5〜300時間程度加熱しても良い。
【0077】
本発明の半導体ウエハ裏面研削用粘着フィルムの製造方法は、上記の通りであるが、半導体ウエハ表面の汚染防止の観点から、基材フィルム、剥離フィルム、粘着剤主剤等全ての原料資材の製造環境、粘着剤塗布液の調製、保存、塗布及び乾燥環境は、米国連邦規格209bに規定されるクラス1,000以下のクリーン度に維持されていることが好ましい。
【0078】
次に、半導体ウエハの裏面研削方法について説明する。本発明の半導体ウエハの裏面研削方法は、表面に高さ(A)が25〜300μm、さらに厳しくは100〜300μmのハイバンプ電極及び不良回路識別マークから選ばれた少なくとも1種の突起状物を有する半導体ウエハの裏面を研削する際に、上記方法により製造された半導体ウエハ裏面研削用粘着フィルムを用いることに特徴がある。
【0079】
その詳細は、先ず、半導体ウエハ裏面研削用粘着フィルム(以下、粘着フィルムという)の粘着剤層(2)から剥離フィルムを剥離し、粘着剤層(2)の表面を露出させ、その粘着剤層(2)を介して、高さ(A)が25〜300μmの突起状物を有する集積回路が組み込まれた側の半導体ウエハの表面に貼着する。次いで、研削機のチャックテーブル等に粘着フィルムの基材フィルム(1)を介して半導体ウエハを固定し、半導体ウエハの裏面を研削する。研削が終了した後、粘着フィルムは剥離される。裏面の研削が完了した後、粘着フィルムを剥離する前にケミカルエッチング工程やCMP(メカノケミカルポリッシング)工程を経ることもある。また、必要に応じて、粘着フィルム剥離後に、半導体ウエハ表面に対して、水洗、プラズマ洗浄等の洗浄処理が施される。
【0080】
この様な裏面研削操作において、半導体ウエハは、研削前の厚みが、通常、500μm〜1000μmであるのに対して、半導体チップの種類等に応じ、通常、100μm〜600μm程度まで、研削される。研削する前の半導体ウエハの厚みは、半導体ウエハの口径、種類等により適宜決められ、研削後の厚みは、得られるチップのサイズ、回路の種類、用途等により適宜決められる。
【0081】
粘着フィルムを半導体ウエハに貼着する操作は、人手により行われる場合もあるが、一般に、ロール状の粘着フィルムを取り付けた自動貼り機と称される装置によって行われる。この様な自動貼り機として、例えば、タカトリ(株)製ATM−1000B、同ATM−1100、帝国精機(株)製STLシリーズ等がある。裏面研削方式としては、スルーフィード方式、インフィード方式等の公知の研削方式が採用される。それぞれ、研削は水を半導体ウエハと砥石にかけて冷却しながら行われる。
【0082】
裏面研削終了後、粘着フィルムを貼着したまま、必要に応じてケミカルエッチングが行われる。ケミカルエッチングは、弗化水素酸や硝酸、硫酸、酢酸等の単独もしくは混合液からなる酸性水溶液や、水酸化カリウム水溶液、水酸化ナトリウム水溶液等のアルカリ性水溶液、なる群から選ばれたエッチング液に、粘着フィルムを貼着した状態で半導体ウエハを浸漬する等の方法や、ウエハを回転させながら裏面側にのみ選択的にエッチング液をかける方法(SEZ)等により行われる。該エッチングは、半導体ウエハ裏面に生じた歪の除去、ウエハのさらなる薄層化、酸化膜等の除去、電極を裏面に形成する際の前処理、等を目的として行われる。エッチング液は、上記の目的に応じて適宜選択される。
【0083】
また、裏面研削終了後,必要に応じてCMP(メカノケミカルポリッシング)が行われることもある。CMPは、通常、研磨剤として0.01μm台の微細なSiO2砥粒をKOH系のアルカリ水溶液にコロイド状に分散させたものを用い、ポリッシャとして、軟質ポリウレタン等でおおわれた人工皮革を用いて行われる。CMPは、ケミカルエッチング同様、半導体ウエハ裏面に生じた歪の除去、ウエハのさらなる薄層化、酸化膜等の除去、電極を裏面に形成する際の前処理、等を目的として行われる。
【0084】
ICカード用等の目的で、半導体チップはさらに薄層化していく傾向にある。それに伴い、裏面研削後のウエハの厚みも100μmを下回るレベルを要求されてきている。通常の裏面研削法でウエハを薄削りするには、限界に近いレベルとなってきており、その為、さらなるウエハの薄層化を目指し、裏面研削後にケミカルエッチングやCMPを併用することが多くなってきている。
【0085】
裏面研削、ケミカルエッチング、CMP終了後、粘着フィルムはウエハ表面から剥離される。この一連の操作は、人手により行われる場合もあるが、一般には、自動剥がし機と称される装置により行われる。この様な、自動剥がし機としては、タカトリ(株)製ATRM−2000B、同ATRM−2100、帝国精機(株)製STPシリーズ等がある。また、次工程のダイシング工程において、ウエハの裏面にダイシング時の固定用粘着フィルムを貼着してから、裏面研削用粘着フィルムを剥離する場合もある。
【0086】
粘着フィルムを剥離した後のウエハ表面は、必要に応じて洗浄される。洗浄方法としては、水洗浄、溶剤洗浄等の湿式洗浄や、プラズマ洗浄等の乾式洗浄等が挙げられる。湿式洗浄の場合、超音波洗浄を併用してもよい。これらの洗浄方法は、ウエハ表面の汚染状況により適宜選択される。
【0087】
本発明によれば、これまで裏面研削が困難であった、表面に高さが25〜300μmのハイバンプ電極、インクドット等の如き突起状物を有する半導体ウエハを、そのような突起状物がない従来型のウエハの裏面を研削する際と同様に、簡便に研削することができる。また、該突起上物を表面に有する半導体ウエハの裏面を研削する際に、単にウエハを破損しないだけではなく、マイクロクラックを生じずに研削することができる。また、レジスト等を使用しないため、工程が簡略できる。さらに、半導体ウエハの表面から粘着フィルムを剥離した後、半導体ウエハ表面には粘着剤層に起因する汚染や、研削屑の浸入による汚染が殆どない。ディンプル等の突起状物が原因で生じる、裏面の厚みバラツキも殆ど生じないか、生じても実用上問題のない範囲に抑えることができる。
【0088】
さらには、本発明の粘着フィルムを製造する際に、基材フィルム(1)と熱可塑性樹脂層(3)の積層体を共押出法により製造すれば、粘着剤層(2)の厚みを突起状物の高さの割には薄くすることができる(1〜30μm、特に好ましくは1〜20μm)為、粘着フィルムの製造コストを下げることもできる。
【0089】
本発明は、高さ(A)が25〜300μmの突起状物を有する半導体ウエハの裏面研削に適用されるが、該突起状物の高さが50〜300μm、100〜300μmと高くなる程、その効果がより顕著になる。
【0090】
本発明の半導体ウエハ裏面研削用粘着フィルム及びそれを用いる半導体ウエハの裏面研削方法が適用できる半導体ウエハとして、P型やN型等のシリコンウエハのみならず、ゲルマニウム、ガリウム−ヒ素、ガリウム−リン、ガリウム−ヒ素−アルミニウム等のウエハが挙げられる。
【0091】
【実施例】
以下、実施例を示して本発明についてさらに詳細に説明する。以下に示す全ての実施例及び比較例において、米国連邦規格209bに規定されるクラス1,000以下のクリーン度に維持された環境において粘着剤塗布液の調製および塗布、並びに、半導体シリコンウエハの裏面研削等を実施した。本発明はこれら実施例に限定されるものではない。尚、実施例に示した各種特性値は下記の方法で測定した。
(1)基材フィルム(1)のショアーD型硬度
原料樹脂ペレットを型枠に入れ、150〜160℃の熱をかけ、厚さ3mm、一辺の長さが150mmのプレスシートを作製する。得られたプレスシートから、幅20mm、長さ100mm、厚さ3mmの試験片を作製する。試験片を5枚重ねあわせた後(厚さ合計:15mm)、ASTM−D−2240−86、またはJIS−K−7215−1986に規定される方法により、デュロメーターD硬さを測定する(測定雰囲気、23℃、相対湿度50%)。
【0092】
(2)熱可塑性樹脂層(3)のJIS−A硬度
前項(1)と同様にして試験片を調製する。試験片を5枚重ねあわせた後(厚さ合計:15mm)、JIS−K−6301−1995に規定される方法により測定する(測定雰囲気、23℃、相対湿度50%)。
【0093】
(3)粘着力(g/25mm)
下記に規定した条件以外は、全てJIS Z−0237−1991に規定される方法により測定する。23℃の雰囲気下において、実施例または比較例で得られた粘着フィルムをその粘着剤層を介して、5×20cmのSUS304−BA板(JIS−G−4305規定)の表面に貼着し、1時間放置する。試料の一端を挟持し、剥離角度180度、剥離速度300mm/min.でSUS304−BA板の表面から試料を剥離する際の応力を測定し、g/25mmの粘着力に換算する。
【0094】
(4)実用評価
実施例または比較例の半導体シリコンウエハ(直径:6インチ、厚み:600μm)の表面に、実施例または比較例の粘着フィルムを貼着し、研削機を用いて、水をかけて冷却しながら半導体シリコンウエハの裏面を研削して、150μmまで研削する。各粘着フィルム毎に10枚の半導体シリコンウエハについて評価する。
研削終了後、半導体シリコンウエハの破損状況を破損した枚数で評価し、さらに破損しなかった半導体シリコンウエハについて、表面と粘着フィルムとの間に周辺から水が浸入したか否かを目視で観察し、水浸入の生じた枚数を評価する。水浸入の観察終了後、表面保護テープ剥がし機〔タカトリ(株)製、MODEL:ATRM−2000B;使用剥がしテープ:ハイランド印フィラメントテープNo.897〔住友スリーエム(株)製〕〕で該粘着フィルムを剥離する。該粘着フィルム剥離時の破損状況を破損した枚数で評価する。
さらに、該粘着フィルム剥離時に破損しなかったウエハの表面を、洗浄機〔大日本スクリーン製造(株)製:D−SPIN 629〕を用いて水洗した後、光学顕微鏡〔(株)ニコン製:OPTIPHOT2〕を用いて50〜1000倍の範囲に拡大して観察し、マイクロクラック発生状況およびチップ毎の汚染の観察を行ない、下記の基準で評価する。
・マイロクラック発生率(%)
〔(マイロクラックが発生したチップ数)/(観察したチップ数)〕×100・汚染発生率(%):
〔(汚染チップ数)/(観察したチップ数)〕×100
【0095】
(5)ウエハ裏面のディンプルの発生
裏面の研削が終了したウエハの裏面を目視によってディンプルの有無を観察する。ディンプルが観察された場合、凹みの深さを測定する。深さ5μm以上のディンプルが発生した場合、実用上問題ありと判断する。
【0096】
実施例1
〔基材フィルム(1)と熱可塑性樹脂層(3)の積層体の調製〕
基材フィルム(1)用の樹脂として、ショアーD型硬度が35のエチレン−酢酸ビニル共重合体樹脂〔三井・デュポンポリケミカル(株)製、銘柄:エバフレックスP−1905(EV460)、酢酸ビニル単位含有量:19重量%、以下、EVA1という〕を用い、熱可塑性樹脂層(3)用の樹脂として、JIS−A硬度が28のエチレン−酢酸ビニル共重合体樹脂〔三井・デュポンポリケミカル(株)製、銘柄:エバフレックスEV45LX、酢酸ビニル含有量:46重量%、以下、EVA5という〕を用い、2台の押出機を用いて、Tダイによる共押出法により、厚さ120μm基材フィルム(1)と厚さ150μmの熱可塑性樹脂層(3)の積層体を作製した。この際、熱可塑性樹脂層(3)の粘着剤層(2)を設ける面にコロナ処理を施した。得られた積層体の厚みバラツキは±1.5%以内であった。
【0097】
〔粘着剤主剤の重合〕
重合反応機に脱イオン水150重量部、重合開始剤として4,4’−アゾビス−4−シアノバレリックアシッド〔大塚化学(株)製、商品名:ACVA〕を0.5重量部、アクリル酸ブチル73.25重量部、メタクリル酸メチル14重量部、メタクリル酸−2−ヒドロキシエチル9重量部、メタクリル酸2重量部、アクリルアミド1重量部、水溶性コモノマーとしてポリオキシエチレンノニルフェニルエーテル(エチレンオキサイドの付加モル数:平均約20)の硫酸エステルのアンモニウム塩のベンゼン環に重合性の1−プロペニル基を導入したもの〔第一工業製薬(株)製:アクアロンHS−20〕0.75重量部を用い、撹拌下で70℃において9時間乳化重合を実施し、アクリル樹脂系水エマルジョンを得た。これを14重量%アンモニア水で中和し、固形分40重量%の粘着剤ポリマーエマルジョン(粘着剤主剤)を得た。
【0098】
〔粘着剤塗布液の調整〕
得られた粘着剤主剤エマルジョン100重量部(粘着剤ポリマー濃度40重量%)を採取し、さらに14重量%アンモニア水を加えてpH9.3に調整した。次いで、アジリジン系架橋剤〔日本触媒化学工業(株)製、ケミタイトPZ−33〕4重量部、ジエチレングリコールモノブチルエーテル5重量部を添加して粘着剤塗布液を得た。
【0099】
〔粘着フィルムの作製〕
得られた粘着剤塗布液をロールコーターを用いてポリプロピレンフィルム(剥離フィルム、厚み:50μm)に塗布し、120℃で1分間乾燥し厚さ10μmの粘着剤層を設けた。基材フィルム(1)と熱可塑性樹脂層(3)の積層体のコロナ処理面を粘着剤層と貼り合わせ押圧して、粘着剤層(2)を熱可塑性樹脂層(3)の表面に転写させた。転写後、60℃において48時間加熱した後、室温まで冷却することにより半導体ウエハ裏面研削用粘着フィルムを製造した。得られた粘着フィルムの粘着力は80g/25mmであった。
【0100】
〔粘着フィルムの評価〕
得られた粘着フィルムを、高さ150μmのハイバンプ電極(球状)を有する100mm2の集積回路が周辺まで組み込まれた半導体シリコンウエハ(直径:6インチ、厚み:600μm、スクライブラインの幅:100μm、スクライブラインの深さ:3μm)の表面(集積回路側)に貼着し、研削機を用いて、水をかけて冷却しながら半導体シリコンウエハの裏面を研削し、厚みを約150μmとした。同様のウエハ10枚に対して同様の操作を行った。研削中に破損したウエハは皆無であった。
研削終了後、ウエハと粘着フィルムの間に水浸入は観察されなかった。これら10枚のウエハから、表面保護テープ剥がし機{タカトリ(株)製、MODEL:ATRM−2000B;使用剥がしテープ:ハイランド印フィラメントテープNo.897〔住友スリーエム(株)製〕}を用いて粘着フィルムを剥離した。粘着フィルム剥離中に破損したウエハは皆無であった。
得られた半導体ウエハの表面を、洗浄機〔大日本スクリーン製造(株)製:D−SPIN629〕を用いて水洗した後、半導体シリコンウエハの厚みバラツキの評価および、顕微鏡によるウエハ表面の汚染状況を観察した。ウエハ表面には、粘着剤等による汚染等は観察されなかった。裏面研削状況を目視で観察したが、ディンプルは見られなかった。主な製造条件、及び結果を〔表1〕及び〔表2〕に示す。
【0101】
実施例2〜6、比較例1〜8
〔基材フィルム製造用樹脂〕
EVA2:エチレン−酢酸ビニル共重合体〔酢酸ビニル単位(以下、VA)含有量25重量%〕、EVA3:同上(VA含有量3.5重量%)、EVA4:同上(VA含有量30重量%)、EEA1:エチレン−エチルアクリレート共重合体〔エチルアクリレート単位(以下、EA)含有量9重量%〕、LDPE:密度0.925g/cm3の低密度ポリエチレン。
【0102】
〔熱可塑性樹脂層製造用樹脂〕
EVA6:エチレン−酢酸ビニル共重合体(VA含有量50重量%)、EVA7:同上(VA含有量33重量%)、EEA2:エチレン−エチルアクリレート共重合体(EA含有量35重量%)、EEA3:同上(EA含有量25重量%)基材フィルム製造用樹脂、または熱可塑性樹脂層製造用樹脂として〔表1〕に記載した樹脂を用いた以外、実施例1と同様にして、半導体ウエハ裏面研削用粘着フィルムを製造した。得られた粘着フィルムについて、実施例1と同様に評価した。結果を〔表1〕または〔表2〕に示す。
尚、評価に使用したウエハは次の通りである。
〔実施例2、3、5、比較例1、4〜8〕:実施例1と同じウエハ。
〔実施例4、6、比較例2、3〕:100mm2の集積回路が周辺まで組み込まれた半導体シリコンウエハ(直径:6インチ、厚み:600μm、ハイバンプ電極無し、スクライブラインの幅:100μm、スクライブラインの深さ:3μm)の表面(集積回路側)に高さ250μm、直径1.5mmのインクドットが全集積回路の10%に無作為に形成されたウエハ。
【0103】
【表1】
Figure 0004054113
【0104】
【表2】
Figure 0004054113
【0105】
【発明の効果】
本発明によれば、半導体ウエハの裏面を研削するに際し、該半導体ウエハの表面にハイバンプ電極、不良回路識別マーク等の高さが25〜300μmである突起状物が形成されていても、裏面の研削応力に起因してウエハが破損することがないばかりでなく、チップレベルでの破損(マイクロクラック)を生じることがない。また、粘着フィルムを剥離した後に糊残りがないので、半導体ウエハの表面を汚染することがない上に、突起状物に起因するディンプルの発生もない。粘着フィルムを剥離する際の粘着力が低く、剥離時にウエハの破損を引き起こす事もない。さらに、半導体ウエハの表面と粘着剤層の間に水が侵入することに起因するウエハの破損及びウエハ表面の汚染もない。
粘着剤層の厚みが、突起状物の高さに比して薄い為、粘着フィルムの製造コストの上昇を防ぐことが出来る。従って、表面に高さが25〜300μmの突起状物が形成されているウエハの裏面を合理的に研削することを可能とするものである。

Claims (9)

  1. 半導体ウエハの裏面を研削する際にその回路形成表面に貼付される半導体ウエハ裏面研削用粘着フィルムであって、該半導体ウエハが、その回路形成表面が電極及び不良回路識別マークから選ばれた少なくとも1種の高さ(A)25〜300μmの突起状物を有し、該粘着フィルムが、ショアーD型硬度が30〜50、厚み(B)が30〜500μmである基材フィルム(1)の片面に、(ア)架橋剤と反応し得る官能基を有するアクリル酸アルキルエステル系粘着剤ポリマー、(イ)1分子中に2個以上の架橋反応性官能基を有する架橋剤を含む厚み1〜30μmの粘着剤層(2)が形成され、基材フィルム(1)と粘着剤層(2)の層間に、JIS−A硬度が10〜55、厚み(C)が25〜400μmである熱可塑性樹脂中間層(3)が配設され〔但し、0.55A≦C、A≦(B+C)〕、且つ、該粘着フィルムのSUS304−BA板に対する粘着力が5〜400g/25mmであることを特徴とする半導体ウエハの裏面研削用粘着フィルム。
  2. 基材フィルム(1)が、酢酸ビニル単位の含有量が1〜28重量%のエチレン−酢酸ビニル共重合体、アルキルアクリレート単位の含有量が1〜28重量%であるエチレン−アルキルアクリレート共重合体(アルキル基の炭素数1〜4)、アクリル酸単位またはメタクリル酸単位の含有量が1〜20重量%であるエチレン−(メタ)アクリル酸共重合体、密度が0.89〜0.92g/cm3である低密度ポリエチレン、シンジオタクチック構造を有するポリプロピレン、α−オレフィン単位の含有量が9〜30重量%であるエチレン−α−オレフィン共重合体(α−オレフィンの炭素数3〜8)、アイオノマー、エチレン−プロピレン−ブテン三元共重合体から選ばれた少なくとも1種の樹脂フィルムである請求項1記載の半導体ウエハの裏面研削用粘着フィルム。
  3. 基材フィルム(1)が、酢酸ビニル単位の含有量が1〜28重量%のエチレン−酢酸ビニル共重合体、または、エチルアクリレート単位の含有量が1〜28重量%であるエチレン−エチルアクリレート共重合体である請求項1記載の半導体ウエハの裏面研削用粘着フィルム。
  4. 粘着剤層(2)の厚みが1〜20μmである請求項1記載の半導体ウエハの裏面研削用粘着フィルム。
  5. 中間層(3)の熱可塑性樹脂が、酢酸ビニル単位の含有量が30〜50重量%のエチレン−酢酸ビニル共重合体、アルキルアクリレート単位の含有量が30〜50重量%であるエチレン−アルキルアクリレート共重合体(アルキル基の炭素数1〜4)、密度が0.89g/cm3未満である低密度ポリエチレン、密度が0.89g/cm3未満であるエチレン−α−オレフィン共重合体(α−オレフィンの炭素数3〜8)から選ばれた少なくとも1種の共重合体である請求項1記載の半導体ウエハの裏面研削用粘着フィルム。
  6. 中間層(3)の熱可塑性樹脂が、酢酸ビニル単位の含有量が30〜50重量%のエチレン−酢酸ビニル共重合体、または、エチルアクリレート単位の含有量が30〜50重量%であるエチレン−エチルアクリレート共重合体である請求項1記載の半導体ウエハの裏面研削用粘着フィルム。
  7. 回路形成表面の突起状物の高さ(A)が100〜300μmである請求項1記載の半導体ウエハの裏面研削用粘着フィルム。
  8. 回路形成表面に電極及び不良回路識別マークから選ばれた少なくとも1種の高さ25〜300μmの突起状物を有する半導体ウエハの裏面研削方法であって、請求項1〜6のいずれか1項に記載の半導体ウエハの裏面研削用粘着フィルムを該半導体ウエハの回路形成表面に貼付して、半導体ウエハの裏面を研削し、次いで、粘着フィルムを剥離することを特徴とする半導体ウエハの裏面研削方法。
  9. 突起状物の高さが100〜300μmである請求項8記載の半導体ウエハの裏面研削方法。
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