JP4051536B2 - 触媒熱劣化抑制装置 - Google Patents

触媒熱劣化抑制装置 Download PDF

Info

Publication number
JP4051536B2
JP4051536B2 JP2002029630A JP2002029630A JP4051536B2 JP 4051536 B2 JP4051536 B2 JP 4051536B2 JP 2002029630 A JP2002029630 A JP 2002029630A JP 2002029630 A JP2002029630 A JP 2002029630A JP 4051536 B2 JP4051536 B2 JP 4051536B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
temperature
catalyst
flow rate
exhaust flow
catalytic converter
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Fee Related
Application number
JP2002029630A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2003227389A (ja
Inventor
公二郎 岡田
保樹 田村
昌典 石戸
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Mitsubishi Motors Corp
Original Assignee
Mitsubishi Motors Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Mitsubishi Motors Corp filed Critical Mitsubishi Motors Corp
Priority to JP2002029630A priority Critical patent/JP4051536B2/ja
Publication of JP2003227389A publication Critical patent/JP2003227389A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP4051536B2 publication Critical patent/JP4051536B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Fee Related legal-status Critical Current

Links

Images

Landscapes

  • Combined Controls Of Internal Combustion Engines (AREA)
  • Exhaust Gas Treatment By Means Of Catalyst (AREA)
  • Exhaust Gas After Treatment (AREA)
  • Electrical Control Of Air Or Fuel Supplied To Internal-Combustion Engine (AREA)

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、触媒熱劣化抑制装置に係り、詳しくは、触媒温度が許容温度以上になる場合には触媒コンバータが酸化雰囲気となるのを抑えて触媒コンバータの熱劣化を確実に防止する技術に関する。
【0002】
【関連する背景技術】
エンジンの排気系に介装される触媒コンバータは、高温且つ酸化雰囲気(リーン空燃比)になるほどシンタリング(担体に担持された粒子が高温下で互いに凝集して粒子径が大きくなる現象)等により熱劣化し易いという問題がある。
特に、近年においては、CO2低減(燃料消費量低減)を図ることを目的として車両の減速時に内燃機関への燃料供給を全気筒または一部気筒について一時的に停止(燃料カット)する減速燃料カット装置を搭載した車両が実用化されており、このような減速燃料カット装置を搭載した車両では、燃料カットした気筒から空気のみが排出されることになるため、燃料カット時には排気空燃比がリーン空燃比となり易く、上記問題は顕著である。
【0003】
また、最近では、通常の運転域で希薄(リーン)燃焼を行う内燃機関が実用化されているが、このような内燃機関の場合、燃料カット時と同様に触媒コンバータが酸化雰囲気(リーン空燃比)且つ高温になる機会が多くなる。
そこで、触媒コンバータの温度を温度センサにより検出し、触媒温度が高温となるときには減速燃料カットを禁止するよう構成した装置が、例えば特開昭55−137339号公報等に開示されている。
【0004】
また、触媒床温を吸入空気流量から推定し、触媒床温が高いときには減速燃料カットを禁止するよう構成した装置、或いはエンジン回転速度と負荷に応じて減速燃料カットを禁止するよう構成した装置が、例えば特開平8−144814号公報に開示されている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記温度センサを用いて触媒温度を検出する方法の場合、温度センサを触媒担体に取付けることは困難であるため、直接的に触媒温度を正確に検出することはできず、温度センサを触媒コンバータのいずれかの位置に取り付けたとしても測定誤差が生じるという問題がある。
【0006】
そして、触媒温度を検出する方法の場合、該検出された触媒温度に基づき燃料カットを禁止したとしても、排ガスの輸送遅れ及び触媒コンバータの熱容量が大きいことによる温度上昇の応答遅れがあるため、触媒上流側の高温の排ガスにより触媒コンバータが昇温し続け、熱劣化に至るという問題がある。
さらに、温度センサを設けることでコストアップに繋がるという問題もある。
【0007】
また、触媒温度を吸入空気流量から推定する方法の場合には、排気温度を全く考慮していないため、推定精度が低いという問題がある。
また、エンジン回転速度と負荷に応じて燃料カットを禁止する方法の場合には、触媒コンバータは熱容量が大きいために触媒昇温に応答遅れがあり、触媒は直ぐには昇温しないのであるが、瞬時々々の運転条件に基づいて燃料カットを禁止してしまうため、燃料カット終了時期が早すぎて燃費等の効率が悪いという問題もある。
【0008】
本発明はこのような問題点を解決するためになされたもので、その目的とするところは、触媒コンバータの熱劣化をコストアップなく且つ効率よく確実に防止可能な触媒熱劣化抑制装置を提供することにある。
【0015】
【課題を解決するための手段】
上記した目的を達成するために、請求項の発明では、車両に搭載された内燃機関の排気通路に設けられ、排気中の有害物質を浄化する触媒コンバータと、前記触媒コンバータの温度を予め予測する触媒温度予測手段と、排気流量を検出する排気流量検出手段と、車両が所定の運転状態にあるときには内燃機関への燃料供給を停止する燃料噴射制御手段とを備え、前記触媒温度予測手段は、前記排気流量検出手段により検出される排気流量に基づき、排気流量が所定流量以下のときは該排気流量の増大に応じて増加し、所定流量より大きいときは前記触媒コンバータの許容温度よりも高い所定温度で概ね一定となるように前記触媒コンバータの温度を予測し、前記燃料噴射制御手段は、前記触媒温度予測手段により予測される触媒温度と前記触媒コンバータの許容温度との差及び前記排気流量検出手段により検出される排気流量の積に基づき前記許容温度に対する熱の増減量の相関値を求め、該熱の増減量の相関値の加減算値が所定値以上のときには、前記内燃機関への燃料供給の停止を禁止することを特徴としている。
【0016】
即ち、触媒温度予測手段により予測される触媒コンバータの温度と触媒コンバータの許容温度との差及び排気流量検出手段により検出される排気流量の積に基づいて許容温度に対する熱の増減量の相関値を求め、さらにこの熱の増減量の相関値の加減算値(積算値)を求め、当該加減算値が所定値以上となるときには、内燃機関への燃料供給の停止(燃料カット)を禁止する。
この際、排気流量が所定流量以下のときは該排気流量の増大に応じて増加し、所定流量より大きいときは概ね一定となるという触媒温度特性を利用して、触媒コンバータの温度が良好に予測され、触媒コンバータの許容温度を越えるような熱量が当該排気流量による触媒コンバータの予測温度に基づいて適正に求められる。
【0017】
従って、触媒コンバータに流入する該触媒コンバータの許容温度を越えるような熱量が触媒コンバータの予測温度に基づき適正に求められ、当該熱量の熱によって許容温度を越える可能性が高いと推定されるときには、燃料カットが禁止されて排気空燃比がリーン空燃比となることが防止され、触媒コンバータが高温且つ酸化雰囲気となることが好適に防止される。これにより、温度センサを触媒コンバータに設けることなくコストアップなく触媒コンバータの熱劣化が防止される。
【0018】
また、許容温度を越える可能性が低いようなときには、燃料カットを禁止することなく可能な限り燃料カットを継続できるので、燃費の向上を図りながら効率よく触媒コンバータの熱劣化が防止される。
また、請求項2の発明では、さらに、前記触媒温度予測手段により予測される触媒温度をフィルタ処理し触媒予測温度フィルタ値を求める触媒予測温度フィルタ手段を有し、前記燃料噴射制御手段は、前記触媒予測温度フィルタ手段により求められた触媒予測温度フィルタ値と前記触媒コンバータの許容温度との差及び前記排気流量検出手段により検出される排気流量の積に基づき前記許容温度に対する熱の増減量の相関値を求めることを特徴としている。
従って、触媒温度予測手段により予測される触媒温度を触媒予測温度フィルタ手段によってフィルタ処理することにより、触媒コンバータの熱容量が大きいことによる応答遅れを考慮して許容温度に対する熱の増減量の相関値を求めるようにでき、触媒コンバータの熱劣化がより一層効率よく防止される。
また、請求項の発明では、車両に搭載された内燃機関の排気通路に設けられ、排気中の有害物質を浄化する触媒コンバータと、前記触媒コンバータの温度を予測する触媒温度予測手段と、排気流量を検出する排気流量検出手段と、内燃機関の燃焼空燃比を制御する空燃比制御手段とを備え、前記触媒温度予測手段は、前記排気流量検出手段により検出される排気流量に基づき、排気流量が所定流量以下のときは該排気流量の増大に応じて増加し、所定流量より大きいときは前記触媒コンバータの許容温度よりも高い所定温度で概ね一定となるように前記触媒コンバータの温度を予測し、前記空燃比制御手段は、前記触媒温度予測手段により予測される触媒温度と前記触媒コンバータの許容温度との差及び前記排気流量検出手段により検出される排気流量の積に基づき前記許容温度に対する熱の増減量の相関値を求め、該熱の増減量の相関値の加減算値が所定値以上のときには、燃焼空燃比を理論空燃比またはリッチ空燃比に制御することを特徴としている。
【0019】
従って、触媒コンバータに流入する該触媒コンバータの許容温度を越えるような熱量が触媒コンバータの予測温度に基づき適正に求められ、当該熱量の熱によって許容温度を越える可能性が高いと推定されるときには、燃焼空燃比を理論空燃比またはリッチ空燃比に制御することで排気空燃比が理論空燃比またはリッチ空燃比となってリーン空燃比となることが防止され、触媒コンバータが高温且つ酸化雰囲気となることが好適に防止される。これにより、温度センサを触媒コンバータに設けることなくコストアップなく触媒コンバータの熱劣化が確実に防止される。
【0020】
また、請求項の発明では、さらに、前記触媒温度予測手段により予測される触媒温度をフィルタ処理し触媒予測温度フィルタ値を求める触媒予測温度フィルタ手段を有し、前記空燃比制御手段は、前記触媒予測温度フィルタ手段により求められた触媒予測温度フィルタ値と前記触媒コンバータの許容温度との差及び前記排気流量検出手段により検出される排気流量の積に基づき前記許容温度に対する熱の増減量の相関値を求めることを特徴としている。
従って、触媒温度予測手段により予測される触媒温度を触媒予測温度フィルタ手段によってフィルタ処理することにより、触媒コンバータの熱容量が大きいことによる応答遅れを考慮して許容温度に対する熱の増減量の相関値を求めるようにでき、触媒コンバータの熱劣化がより一層効率よく防止される。
【0021】
た、請求項の発明では、さらに、機関負荷を検出する負荷検出手段を有し、前記触媒温度予測手段は、前記排気流量検出手段により検出される排気流量と前記負荷検出手段により検出される機関負荷とに応じて触媒温度を予測するものであって、機関負荷が大きいほど排気流量に対する触媒温度の増加度合いが大きくなることを特徴としている。
【0022】
従って、排気流量に対する触媒温度の増加度合いは機関負荷が大きいほど大きくなるという触媒温度特性を利用して、触媒コンバータの温度がより一層良好に予測され、触媒コンバータの許容温度を越えるような熱量が当該触媒コンバータの予測温度に基づいて適正に求められる
【0024】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施形態を添付図面に基づいて説明する。
図1を参照すると、本発明に係る触媒熱劣化抑制装置の概略構成図が示されており、以下、同図に基づき当該触媒熱劣化抑制装置の構成を説明する。
同図に示すように、内燃機関であるエンジン本体(以下、単にエンジンという)1としては、燃料噴射モードを切換えることで吸気行程での燃料噴射(吸気行程噴射)とともに圧縮行程での燃料噴射(圧縮行程噴射)を実施可能な筒内噴射型火花点火式ガソリンエンジンが採用される。この筒内噴射型のエンジン1は、容易にして理論空燃比(ストイキオ)での運転やリッチ空燃比(リッチA/F)での運転(リッチ空燃比運転)の他、リーン空燃比(リーンA/F)での運転(リーン空燃比運転)が実現可能である。
【0025】
同図に示すように、エンジン1のシリンダヘッド2には、各気筒毎に点火プラグ4とともに電磁式の燃料噴射弁6が取り付けられており、これにより、燃料を燃焼室内に直接噴射可能である。
点火プラグ4には高電圧を出力する点火コイル8が接続されている。また、燃料噴射弁6には、燃料パイプ7を介して燃料タンクを擁した燃料供給装置(図示せず)が接続されている。より詳しくは、燃料供給装置には、低圧燃料ポンプと高圧燃料ポンプとが設けられており、これにより、燃料タンク内の燃料を燃料噴射弁6に対し低燃圧或いは高燃圧で供給し、該燃料を燃料噴射弁6から燃焼室内に向けて所望の燃圧で噴射可能である。
【0026】
シリンダヘッド2には、各気筒毎に略直立方向に吸気ポートが形成されており、各吸気ポートと連通するようにして吸気マニホールド10の一端がそれぞれ接続されている。吸気マニホールド10には、吸入空気量を調節する電磁式のスロットル弁14及びスロットル弁14の開度を検出するスロットルポジションセンサ(TPS)16並びに吸入空気量を計測する吸気量センサ18が設けられている。吸気量センサ18としては、例えばカルマン渦式エアフローセンサが用いられる。
【0027】
また、シリンダヘッド2には、各気筒毎に略水平方向に排気ポートが形成されており、各排気ポートと連通するようにして排気マニホールド12の一端がそれぞれ接続されている。
なお、当該筒内噴射型のエンジン1は既に公知のものであるため、その構成の詳細については説明を省略する。
【0028】
排気マニホールド12には排気管(排気通路)20が接続されており、この排気管20には、排気浄化触媒装置として三元触媒(触媒コンバータ)30が介装されている。三元触媒30は、担体に活性貴金属として銅(Cu)、コバルト(Co)、銀(Ag)、白金(Pt)、ロジウム(Rh)、パラジウム(Pd)、イリジウム(Ir)のいずれかを有して構成され、HC、COを酸化するとともにNOxを還元、除去可能に構成された三元触媒である。
【0029】
なお、排気管20には、O2センサ22が設けられている。
ECU40は、入出力装置、記憶装置(ROM、RAM、不揮発性RAM等)、中央処理装置(CPU)、タイマカウンタ等を備えており、当該ECU40により、エンジン1を含めた触媒熱劣化抑制装置の総合的な制御が行われる。
ECU40の入力側には、上述したTPS16、吸気量センサ18、O2センサ22やエンジン1のクランク角度を検出するクランク角センサ42等の各種センサ類が接続されており、これらセンサ類からの検出情報が入力される。なお、TPS16により検出されるスロットル開度情報からはエンジン負荷(機関負荷)Lが演算され、クランク角センサ42により検出されるクランク角度からはエンジン回転速度Neが演算される。
【0030】
一方、ECU40の出力側には、上述の燃料噴射弁6、点火コイル8、スロットル弁14等の各種出力デバイスが接続されており、これら各種出力デバイスには、各種センサ類からの検出情報に基づき演算された燃料噴射量、燃料噴射時期、点火時期、スロットル開度等の各信号がそれぞれ出力される。これにより、燃料噴射弁6から適正量の燃料が適正なタイミングで噴射され、点火プラグ4により適正なタイミングで火花点火が実施され、適正なタイミングで適正な開度となるようスロットル弁14が開閉操作される。詳しくは、各種センサ類からの検出情報に基づいて燃焼空燃比(燃焼A/F)が設定され、当該燃焼A/Fに応じて燃料噴射量、スロットル開度等が設定される。
【0031】
また、当該エンジン1では、車両の減速走行時において燃料供給を停止し、燃料カットを実施することが可能に構成されている(燃料噴射制御手段)。詳しくは、エンジン1は、運転者がアクセルペダル(図示せず)の踏み込みを中止し且つエンジン回転速度Neが所定回転速度以上の場合に、燃料噴射弁6からの燃料噴射を停止して燃料カット可能に構成されている。なお、燃料カットは、全気筒について実施するようにしてもよいし、一部気筒についてのみ実施することもできる。
【0032】
以下、このように構成された本発明に係る触媒熱劣化抑制装置の作用について説明する。
先ず、第1実施例を説明する。
図2を参照すると、本発明の第1実施例に係る触媒熱劣化抑制制御の制御ルーチンがフローチャートで示されており、以下同図に沿って説明する。
【0033】
ステップS12では、触媒許容温度Tmax(触媒によって異なる値であり、例えば、750〜900℃)に対する現在の熱の増減量に相関のある値として増減量qを次式(1)より算出する。
q=(Tex−Tmax)・Vex …(1)
ここに、Texは排気温度であり、エンジン回転速度Neとエンジン負荷Lとに応じて予め設定されたマップ(図示せず)から求められる(排気温度検出手段)。なお、排気通路に排気温センサを設け、当該排気温センサから排気温度Texを直接検出するようにしてもよい。
【0034】
また、Vexは排気流量(l/s)であり、例えば次式(2)より算出される(排気流量検出手段)。
Vex=(体積効率)・(エンジン排気量(ml))・Ne(rpm)/(60・2) …(2)
なお、排気流量は吸入空気量とほぼ同等であるので、排気流量Vexとして吸気量センサ18により検出される吸入空気量を使用するようにしてもよい。
【0035】
ステップS14では、上記のように求めた増減量qをルーチンの実行周期毎に加減算、即ち積算し、加減算値Qfを求める(Qf=Qf+q)。即ち、排気温度Texが触媒許容温度Tmaxよりも高い場合には、上記式(1)における(Tex−Tmax)の値は正であり、前回値Qfに増減量qを加算する一方、排気温度Texが触媒許容温度Tmaxよりも低い場合には、(Tex−Tmax)の値は負であり、前回値Qfから増減量qを減算する。
【0036】
なお、加減算値Qfの初期値は値0とされ、前回値Qfから増減量qを減算して加減算値Qfの値が負となるような場合には、加減算値Qfは増減量qが再度加算されるまで値0にクリップされる。即ち、加減算値Qfの最低値は値0に保持される。
ステップS16では、このように求めた加減算値Qfが所定値Q1以上であるか否かを判別する。判別結果が真(Yes)で、加減算値Qfが所定値Q1以上と判定された場合には、ステップS17に進む。
【0037】
加減算値Qfが所定値Q1以上と判定されたような場合には、排気温度Texが触媒許容温度Tmaxを越えるような熱量の熱が相当量三元触媒30に供給されるような状況と判断できる。即ち、本発明では、触媒許容温度Tmaxを越えるような熱量を排気温度Texに基づき加減算値Qfとして求めることで、排ガスの輸送遅れを考慮して予め三元触媒30の温度が実際に触媒許容温度Tmaxを越える可能性が高いか否かを事前に推定するようにしており、加減算値Qfが所定値Q1以上と判定されたような場合には、相当量の熱によって三元触媒30の温度が実際に触媒許容温度Tmaxを越える可能性が極めて高い状況と推定できる。
【0038】
従って、このように加減算値Qfが所定値Q1以上と判定されたような場合には、ステップS17に進み、現在燃料カットモードであるか否かを判別する。即ち、運転者がアクセルペダルの踏み込みを中止し且つエンジン回転速度Neが所定回転速度以上であるか否かを判別する。判別結果が偽(No)で燃料カットモードでない場合には、ステップS20に進む。一方、判別結果が真(Yes)で燃料カットモードと判定された場合には、ステップS18に進み、燃料カットモードにあっても、燃料カットを禁止し、燃料供給を停止しないようにする。この場合、燃焼A/FはストイキオまたはリッチA/Fに制御する。
【0039】
燃焼A/Fの制御はオープンループ制御であってもよいし、O2センサ22によるフィードバック制御であってもよい。フィードバック制御とするときは、フィードバックゲイン(積分ゲイン、比例ゲイン、微分ゲイン)或いはフィードバック補正係数の上下限クリップ値を通常制御時とは別設定にするのがよい。また、A/F学習については禁止する。
【0040】
一方、ステップS16の判別結果が偽(No)で、加減算値Qfが所定値Q1より小さいと判定された場合には、三元触媒30の温度が実際に触媒許容温度Tmaxを越える可能性は低いと考えられ、ステップS20に進み、通常制御として燃料カットを実施する。
即ち、本発明では、加減算値Qfというパラメータを用いることで、三元触媒30の温度が触媒許容温度Tmaxを越える可能性が高いか低いかを現実に即して適切に推定するようにしており、三元触媒30の温度が触媒許容温度Tmaxを越える可能性が高いと推定される場合には、実際に触媒許容温度Tmaxを越える前に予め燃料カットを禁止し、三元触媒30の温度が触媒許容温度Tmaxを越える可能性が低いと推定される場合にのみ燃料カットを実施する。
【0041】
このように三元触媒30の温度が実際に触媒許容温度Tmaxを越える前に予め燃料カットを禁止するようにすると、通常燃料カットを行う場合には、吸入した空気がそのまま排気通路に排出されて排気通路内のO2濃度が増加し、排気空燃比がリーンA/F(酸化雰囲気)となるのであるが、排気空燃比がリーンA/Fとなることが防止される。これにより、三元触媒30が高温且つ酸化雰囲気となることを防止でき、三元触媒30のシンタリング等による熱劣化を好適に防止することができる。
【0042】
また、実際に三元触媒30の温度が触媒許容温度Tmaxを越える可能性が高くなるまでは燃料カットを禁止しないことになるので、可能な限り燃料カットを継続することができることになり、燃費の向上を図りながら効率よく触媒コンバータの熱劣化を防止することができる。
また、温度センサを三元触媒30に設けなくてもよいので、コストアップなく三元触媒30の熱劣化を防止できる。
【0043】
なお、ステップS12は、燃料カットが実施されている間も継続して実行され、増減量qが継続して算出されるが、燃料カット中にあっては、排気温度Texは上述のマップとは別設定のマップ(図示せず)から求められる。
次に、第2実施例を説明する。
第2実施例では、第1実施例に対し、上記図2の制御ルーチンのステップS12において、排気温度Texの代わりに排気温度Texの一次フィルタ値、即ち排気温度フィルタ値Tfexを使用する。
【0044】
つまり、第2実施例では、ステップS12において、触媒許容温度Tmax(例えば、750〜900℃)に対する現在の熱の増減量に相関のある値として増減量qを次式(3)より算出する。
q=(Tfex−Tmax)・Vex …(3)
ここに、排気温度フィルタ値Tfexは排気温度Texに基づき次式(4)より求められる(排気温度フィルタ手段)。
【0045】
Tfex(n)=k・Tex+(1−k)・Tfex(n-1) …(4)
ここに、kはフィルタ定数(例えば、0.05)であり、Tfex(n)は今回値を示し、Tfex(n-1)は前回値を示す。なお、フィルタ定数kは温度上昇時と下降時で別設定とすることが望ましい。これは、上昇時と下降時とで温度変化のメカニズムが異なるためである。また、排気温度Texは、上述したように、エンジン回転速度Neとエンジン負荷Lとに応じて予め設定されたマップ(図示せず)から求めてもよく、排気通路に排気温センサを設け、当該排気温センサから直接検出するようにしてもよい。
【0046】
このように、排気温度Texの代わりに排気温度フィルタ値Tfexを用いるようにすると、実際には、三元触媒30は熱容量が大きいために直ぐには昇温せず、温度上昇に応答遅れがあるのであるが、このような応答遅れを考慮して触媒許容温度Tmaxに対する熱の増減量q、ひいては加減算値Qfを求めることができ、より現実に即した燃料カットの実施可否判別を行うようにできる。これにより、燃料カットをより適切に禁止するようにでき、三元触媒30の熱劣化をより一層効率よく防止することができる。
【0047】
次に、第3実施例を説明する。
第3実施例では、第1実施例に対し、上記図2の制御ルーチンのステップS12において、排気温度Texの代わりに三元触媒30の予測温度、即ち触媒予測温度Tpcatを使用する。
つまり、第3実施例では、ステップS12において、触媒許容温度Tmax(例えば、750〜900℃)に対する現在の熱の増減量に相関のある値として増減量qを次式(5)より算出する。
【0048】
q=(Tpcat−Tmax)・Vex …(5)
ここに、触媒予測温度Tpcatは排気流量Vexに応じて求められる。詳しくは、図3に示すように、触媒予測温度Tpcatと排気流量Vexとの関係(触媒温度特性)が予め実験等によりマップ化されており、触媒予測温度Tpcatは当該マップより読み取られる(触媒温度予測手段)。具体的には、排気流量Vexが所定流量V1以下のときには触媒予測温度Tpcatは排気流量Vexに応じて増加し、所定流量V1を越えると触媒予測温度Tpcatは所定温度T1(例えば、800〜950℃であって触媒許容温度Tmaxより大きな値)で概ね一定となる。即ち、排気流量Vexが大きな領域では、排気流量Vexに対する触媒温度の増加度合いを小さくする(ここでは、所定温度T1で一定)。なお、所定流量V1を越えると触媒予測温度Tpcatが一定となるのは、排気流量Vexがある程度以上大きくなると、排気による触媒冷却作用が大きくなって熱の持ち去り量が多くなるためである。
【0049】
そして、第1実施例の場合と同様、上記のように求めた増減量qをルーチンの実行周期毎に加減算、即ち積算し、加減算値Qfを求め(Qf=Qf+q)(ステップS14)、当該加減算値Qfを用いて燃料カットの実施可否判別を行う(ステップS16)。
即ち、第3実施例では、触媒許容温度Tmaxを越えるような熱量を排気流量Vexからの触媒予測温度Tpcatに基づき加減算値Qfとして求めることで、排ガスの輸送遅れ及び三元触媒30の熱容量が大きいことによる応答遅れを考慮して三元触媒30の温度が実際に触媒許容温度Tmaxを越える可能性が高いか否かを事前に予測するようにしており、加減算値Qfが所定値Q1以上と判定されたような場合には、上記第1実施例の場合と同様、相当量の熱によって三元触媒30の温度が実際に触媒許容温度Tmaxを越える可能性が極めて高い状況と予測できる。
【0050】
従って、このように加減算値Qfが所定値Q1以上と判定されたような場合には、燃料カットモードにあっても、燃料カットを禁止し、燃料供給を停止しないようにし(ステップS18)、一方ステップS16の判別結果が偽(No)で、加減算値Qfが所定値Q1より小さいと判定された場合には、燃料カットを実施する(ステップS20)。
【0051】
このようにしても、上記第1実施例の場合と同様に、温度センサを三元触媒30に設けることなくコストアップなく三元触媒30が高温且つ酸化雰囲気となることを防止でき、燃費の向上を図りながら効率よく三元触媒30の熱劣化を防止することができる。
なお、触媒予測温度Tpcatについては排気流量Vexとエンジン負荷Lとに応じて求めるようにしてもよい。詳しくは、図4に示すように、エンジン負荷Lに応じた触媒予測温度Tpcatと排気流量Vexとの関係(触媒温度特性)が予め実験等によりマップ化されており、触媒予測温度Tpcatを当該マップより読み取るようにしてもよい。具体的には、エンジン負荷Lが低負荷の場合には(一点鎖線)、排気流量Vexに対する触媒予測温度Tpcatの増加度合い(特性直線の傾き)が小さく、排気流量Vexが所定流量V3以下のときに触媒予測温度Tpcatが排気流量Vexに応じて増加し、所定流量V3を越えると触媒予測温度Tpcatが所定温度T1(例えば、800〜950℃であって触媒許容温度Tmaxより大きな値)で一定となり、一方、エンジン負荷Lが高負荷の場合には(破線)、排気流量Vexに対する触媒予測温度Tpcatの増加度合い(特性直線の傾き)が大きく、排気流量Vexが所定流量V2以下のときに触媒予測温度Tpcatが排気流量Vexに応じて増加し、所定流量V2を越えると触媒予測温度Tpcatが所定温度T1で一定となるようにしてもよい。
【0052】
即ち、排気流量Vexに対する触媒予測温度Tpcatの増加度合い、即ち特性直線の傾きはエンジン負荷Lに応じて概ね一義的に求めることができ、このエンジン負荷Lに対する傾きを予め記憶しておくことにより、排気流量Vex及びエンジン負荷Lから触媒予測温度Tpcatを求めることができる。また、触媒予測温度Tpcatを排気流量Vex及びエンジン負荷Lに対する3次元マップとして求めてもよい。
【0053】
さらに、これら触媒予測温度Tpcat、排気流量Vex、エンジン負荷Lに関する特性値はA/F(リッチ、ストイキオ、リーン)毎に別設定とすることが望ましい。これは、リッチ運転時には燃料冷却により排気温度が低下する等、A/Fに応じてこれらの特性の関係が異なったものとなるためである。
このようにすれば、触媒予測温度Tpcatをより一層良好に予測でき、より適正に熱の増減量q、ひいては加減算値Qfを求めることができる。
【0054】
次に、第4実施例を説明する。
第4実施例では、第3実施例に対し、上記図2の制御ルーチンのステップS12において、触媒予測温度Tpcatの代わりに触媒予測温度Tpcatの一次フィルタ値、即ち触媒予測温度フィルタ値Tfpcatを使用する。
つまり、第4実施例では、ステップS12において、触媒許容温度Tmax(例えば、750〜900℃)に対する現在の熱の増減量に相関のある値として増減量qを次式(6)より算出する。
【0055】
q=(Tfpcat−Tmax)・Vex …(6)
ここに、触媒予測温度フィルタ値Tfpcatは触媒予測温度Tpcatに基づき次式(7)より求められる。
Tfpcat(n)=k・Tpcat+(1−k)・Tfpcat(n-1) …(7)
ここに、kはフィルタ定数(例えば、0.05)であり、Tfpcat(n)は今回値を示し、Tfpcat(n-1)は前回値を示す。なお、フィルタ定数kは触媒予測温度Tpcatの上昇時と下降時で別設定とすることが望ましい。これは、上昇時と下降時とで温度変化のメカニズムが異なるためである。また、触媒予測温度Tpcatは、上述したように、図3に示すマップから読み出してもよいし、図4に示すマップから読み出してもよい。
【0056】
このように、触媒予測温度Tpcatの代わりに触媒予測温度フィルタ値Tfpcatを用いるようにすると、上記第2実施例の場合と同様、温度上昇の応答遅れを考慮して触媒許容温度Tmaxに対する熱の増減量q、ひいては加減算値Qfを求めることができ、より現実に即した燃料カットの実施可否判別を行うようにできる。これにより、燃料カットをより適切に禁止するようにでき、三元触媒30の熱劣化をより一層効率よく防止することができる。
【0057】
次に、第5実施例を説明する。
図5を参照すると、本発明の第5実施例に係る触媒熱劣化抑制制御の制御ルーチンがフローチャートで示されており、以下同図に沿って説明する。
ステップS30では、上記図2のステップS12と同様に、触媒許容温度Tmax(例えば、750〜900℃)に対する現在の熱の増減量に相関のある値として増減量qを排気温度Texに基づく式(1)または排気温度フィルタ値Tfexに基づく式(3)より算出する。
【0058】
そして、ステップS32では、上記図2のステップS14と同様に、上記のように求めた増減量qをルーチンの実行周期毎に加減算、即ち積算し、加減算値Qfを求める(Qf=Qf+q)。
ステップS34では、上記図2のステップS16と同様に、このように求めた加減算値Qfが所定値Q1以上であるか否かを判別する。判別結果が真(Yes)で、加減算値Qfが所定値Q1以上と判定され、相当量の熱によって三元触媒30の温度が実際に触媒許容温度Tmaxを越える可能性が極めて高い状況と推定された場合には、ステップS36に進む。
【0059】
ステップS36では、燃焼A/FをストイキオまたはリッチA/Fにする。つまり、燃焼A/FをリーンA/Fとしないようにする(空燃比制御手段)。
一方、ステップS34の判別結果が偽(No)で、加減算値Qfが所定値Q1より小さいと判定された場合には、三元触媒30の温度が実際に触媒許容温度Tmaxを越える可能性は低いと考えられ、ステップS38に進み、通常制御を実施する。即ち、各種センサ類からの検出情報に基づいて燃焼A/Fを設定する。
【0060】
即ち、第5実施例では、加減算値Qfというパラメータを用いることで、三元触媒30の温度が触媒許容温度Tmaxを越える可能性が高いか低いかを現実に即して適切に推定するようにしており、三元触媒30の温度が触媒許容温度Tmaxを越える可能性が高いと推定される場合には、実際に触媒許容温度Tmaxを越える前に予め燃焼A/FをストイキオまたはリッチA/FにしてリーンA/Fとしないようにしている。
【0061】
このようにすると、排気空燃比がリーンA/Fとなることが防止される。これにより、三元触媒30が高温且つ酸化雰囲気となることを防止でき、三元触媒30の熱劣化を好適に防止することができる。
また、温度センサを三元触媒30に設けなくてもよいので、コストアップなく三元触媒30の熱劣化を防止できる。
【0062】
次に、第6実施例を説明する。
第6実施例では、第5実施例に対し、上記図5の制御ルーチンのステップS30において、上記第3実施例の場合と同様、排気温度Texの代わりに触媒予測温度Tpcatを使用する。
つまり、第6実施例では、ステップS30において、触媒許容温度Tmax(例えば、750〜900℃)に対する現在の熱の増減量に相関のある値として増減量qを触媒予測温度Tpcatに基づく式(5)または触媒予測温度フィルタ値Tfpcatに基づく式(6)より算出する。
【0063】
そして、第5実施例の場合と同様、上記のように求めた増減量qをルーチンの実行周期毎に加減算、即ち積算し、加減算値Qfを求め(Qf=Qf+q)(ステップS32)、当該加減算値Qfを用いて燃焼A/FをストイキオまたはリッチA/Fにするか否かの判別を行い(ステップS34)、加減算値Qfが所定値Q1以上と判定されたような場合には、燃焼A/FをストイキオまたはリッチA/Fにし(ステップS36)、一方加減算値Qfが所定値Q1より小さいと判定された場合には、通常制御とする(ステップS38)。
【0064】
このようにしても、上記第5実施例の場合と同様に、温度センサを三元触媒30に設けることなくコストアップなく三元触媒30が高温且つ酸化雰囲気となることを防止でき、三元触媒30の熱劣化を防止することができる。
以上で本発明の実施形態についての説明を終えるが、本発明の実施形態は上記実施形態に限られるものではない。
【0065】
例えば、上記実施形態では触媒コンバータとして三元触媒30を用いたが、触媒コンバータはNOx触媒等いかなるものであってもよい。
また、触媒コンバータを複数備えるようにしてもよい。この場合、各々の触媒コンバータに対して本発明を別々に適用し、いずれかの触媒コンバータが「燃料カット禁止」または「A/FをストイキオまたはリッチA/Fとする」と判定されたとき、他の触媒コンバータでの判定に拘わらず「燃料カット禁止」または「A/FをストイキオまたはリッチA/Fとする」制御を実施するのがよい。
【0069】
【発明の効果】
以上詳細に説明したように、請求項の触媒熱劣化抑制装置によれば、触媒温度予測手段により予め予測される触媒コンバータの温度と触媒コンバータの許容温度との差及び排気流量検出手段により検出される排気流量の積に基づいて許容温度に対する熱の増減量の相関値を求め、さらにこの熱の増減量の相関値の加減算値(積算値)を求め、当該加減算値が所定値以上となるときには、前記内燃機関への燃料供給の停止(燃料カット)を禁止するので、触媒コンバータに流入する該触媒コンバータの許容温度を越えるような熱量を触媒コンバータの予測温度に基づき適正に求めるようにでき、当該熱量の熱によって許容温度を越える可能性が高いと推定されるときには、燃料カットを禁止して排気空燃比がリーン空燃比となることを防止し、触媒コンバータが高温且つ酸化雰囲気となることを好適に防止することができる。これにより、温度センサを触媒コンバータに設けることなくコストアップなく触媒コンバータの熱劣化を防止することができる。
この際、排気流量が所定流量以下のときは該排気流量の増大に応じて増加し、所定流量より大きいときは概ね一定となるという触媒温度特性を利用することにより、触媒コンバータの温度を良好に予測でき、触媒コンバータの許容温度を越えるような熱量を当該排気流量による触媒コンバータの予測温度に基づいて適正に求めることができる。
【0070】
また、許容温度を越える可能性が低いようなときには、燃料カットを禁止することなく可能な限り燃料カットを継続できるので、燃費の向上を図りながら効率よく触媒コンバータの熱劣化を防止することができる。
また、請求項2の触媒熱劣化抑制装置によれば、触媒温度予測手段により予測される触媒温度を触媒予測温度フィルタ手段によってフィルタ処理するので、触媒コンバータの熱容量が大きいことによる応答遅れを考慮して許容温度に対する熱の増減量の相関値を求めるようにでき、触媒コンバータの熱劣化をより一層効率よく防止することができる。
また、請求項の触媒熱劣化抑制装置によれば、触媒温度予測手段により予め予測される触媒コンバータの温度と触媒コンバータの許容温度との差及び排気流量検出手段により検出される排気流量の積に基づいて許容温度に対する熱の増減量の相関値を求め、さらにこの熱の増減量の相関値の加減算値(積算値)を求め、当該加減算値が所定値以上となるときには、燃焼空燃比を理論空燃比またはリッチ空燃比に制御するので、触媒コンバータに流入する該触媒コンバータの許容温度を越えるような熱量を触媒コンバータの予測温度に基づき適正に求めるようにでき、当該熱量の熱によって許容温度を越える可能性が高いと推定されるときには、燃焼空燃比を理論空燃比またはリッチ空燃比に制御して排気空燃比を理論空燃比またはリッチ空燃比としてリーン空燃比とならないようにし、触媒コンバータが高温且つ酸化雰囲気となることを好適に防止することができる。これにより、温度センサを触媒コンバータに設けることなくコストアップなく触媒コンバータの熱劣化を確実に防止することができる。
この際、排気流量が所定流量以下のときは該排気流量の増大に応じて増加し、所定流量より大きいときは概ね一定となるという触媒温度特性を利用することにより、触媒コンバータの温度を良好に予測でき、触媒コンバータの許容温度を越えるような熱量を当該排気流量による触媒コンバータの予測温度に基づいて適正に求めることができる。
【0071】
また、請求項の触媒熱劣化抑制装置によれば、触媒温度予測手段により予測される触媒温度を触媒予測温度フィルタ手段によってフィルタ処理するので、触媒コンバータの熱容量が大きいことによる応答遅れを考慮して許容温度に対する熱の増減量の相関値を求めるようにでき、触媒コンバータの熱劣化をより一層効率よく防止することができる。
【0072】
また、請求項の触媒熱劣化抑制装置によれば、排気流量に対する触媒温度の増加度合いは機関負荷が大きいほど大きくなるという触媒温度特性を利用することにより、触媒コンバータの温度をより一層良好に予測でき、触媒コンバータの許容温度を越えるような熱量を当該触媒コンバータの予測温度に基づいて適正に求めることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る触媒熱劣化抑制装置の概略構成図である。
【図2】本発明の第1乃至第4実施例に係る触媒熱劣化抑制制御の制御ルーチンを示すフローチャートである。
【図3】触媒予測温度Tpcatと排気流量Vexとの関係(触媒温度特性)を示すマップである。
【図4】エンジン負荷Lに応じた触媒予測温度Tpcatと排気流量Vexとの関係(触媒温度特性)を示すマップである。
【図5】本発明の第5、第6実施例に係る触媒熱劣化抑制制御の制御ルーチンを示すフローチャートである。
【符号の説明】
1 エンジン本体
6 燃料噴射弁
12 排気マニホールド
14 スロットル弁
16 TPS
18 圧力センサ
20 排気管
30 三元触媒(触媒コンバータ)
40 ECU(電子コントロールユニット)
42 クランク角センサ

Claims (5)

  1. 車両に搭載された内燃機関の排気通路に設けられ、排気中の有害物質を浄化する触媒コンバータと、
    前記触媒コンバータの温度を予測する触媒温度予測手段と、
    排気流量を検出する排気流量検出手段と、
    車両が所定の運転状態にあるときには内燃機関への燃料供給を停止する燃料噴射制御手段とを備え、
    前記触媒温度予測手段は、前記排気流量検出手段により検出される排気流量に基づき、排気流量が所定流量以下のときは該排気流量の増大に応じて増加し、所定流量より大きいときは前記触媒コンバータの許容温度よりも高い所定温度で概ね一定となるように前記触媒コンバータの温度を予測し、
    前記燃料噴射制御手段は、前記触媒温度予測手段により予測される触媒温度と前記触媒コンバータの許容温度との差及び前記排気流量検出手段により検出される排気流量の積に基づき前記許容温度に対する熱の増減量の相関値を求め、該熱の増減量の相関値の加減算値が所定値以上のときには、前記内燃機関への燃料供給の停止を禁止することを特徴とする触媒熱劣化抑制装置。
  2. さらに、前記触媒温度予測手段により予測される触媒温度をフィルタ処理し触媒予測温度フィルタ値を求める触媒予測温度フィルタ手段を有し、
    前記燃料噴射制御手段は、前記触媒予測温度フィルタ手段により求められた触媒予測温度フィルタ値と前記触媒コンバータの許容温度との差及び前記排気流量検出手段により検出される排気流量の積に基づき前記許容温度に対する熱の増減量の相関値を求めることを特徴とする、請求項1記載の触媒熱劣化抑制装置。
  3. 車両に搭載された内燃機関の排気通路に設けられ、排気中の有害物質を浄化する触媒コンバータと、
    前記触媒コンバータの温度を予測する触媒温度予測手段と、
    排気流量を検出する排気流量検出手段と、
    内燃機関の燃焼空燃比を制御する空燃比制御手段とを備え、
    前記触媒温度予測手段は、前記排気流量検出手段により検出される排気流量に基づき、排気流量が所定流量以下のときは該排気流量の増大に応じて増加し、所定流量より大きいときは前記触媒コンバータの許容温度よりも高い所定温度で概ね一定となるように前記触媒コンバータの温度を予測し、
    前記空燃比制御手段は、前記触媒温度予測手段により予測される触媒温度と前記触媒コンバータの許容温度との差及び前記排気流量検出手段により検出される排気流量の積に基づき前記許容温度に対する熱の増減量の相関値を求め、該熱の増減量の相関値の加減算値が所定値以上のときには、燃焼空燃比を理論空燃比またはリッチ空燃比に制御することを特徴とする触媒熱劣化抑制装置。
  4. さらに、前記触媒温度予測手段により予測される触媒温度をフィルタ処理し触媒予測温度フィルタ値を求める触媒予測温度フィルタ手段を有し、
    前記空燃比制御手段は、前記触媒予測温度フィルタ手段により求められた触媒予測温度フィルタ値と前記触媒コンバータの許容温度との差及び前記排気流量検出手段により検出される排気流量の積に基づき前記許容温度に対する熱の増減量の相関値を求めることを特徴とする、請求項3記載の触媒熱劣化抑制装置。
  5. さらに、機関負荷を検出する負荷検出手段を有し、
    前記触媒温度予測手段は、前記排気流量検出手段により検出される排気流量と前記負荷検出手段により検出される機関負荷とに応じて触媒温度を予測するものであって、機関負荷が大きいほど排気流量に対する触媒温度の増加度合いが大きくなることを特徴とする、請求項1乃至4のいずれか記載の触媒熱劣化抑制装置。
JP2002029630A 2002-02-06 2002-02-06 触媒熱劣化抑制装置 Expired - Fee Related JP4051536B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2002029630A JP4051536B2 (ja) 2002-02-06 2002-02-06 触媒熱劣化抑制装置

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2002029630A JP4051536B2 (ja) 2002-02-06 2002-02-06 触媒熱劣化抑制装置

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2003227389A JP2003227389A (ja) 2003-08-15
JP4051536B2 true JP4051536B2 (ja) 2008-02-27

Family

ID=27750201

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2002029630A Expired - Fee Related JP4051536B2 (ja) 2002-02-06 2002-02-06 触媒熱劣化抑制装置

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP4051536B2 (ja)

Families Citing this family (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP4026576B2 (ja) * 2003-10-08 2007-12-26 トヨタ自動車株式会社 内燃機関の排気浄化システム
JP2006022729A (ja) * 2004-07-08 2006-01-26 Hino Motors Ltd 排気浄化装置の制御方法
JP2006037875A (ja) * 2004-07-28 2006-02-09 Nissan Motor Co Ltd エンジンの空燃比制御装置
JP5867450B2 (ja) * 2013-05-07 2016-02-24 トヨタ自動車株式会社 内燃機関の制御装置

Also Published As

Publication number Publication date
JP2003227389A (ja) 2003-08-15

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP2008255973A (ja) 内燃機関の排気浄化装置
JP2006029239A (ja) 排気浄化フィルタ過熱防止装置
JP2005090276A (ja) 内燃機関の触媒制御装置
KR100520254B1 (ko) 내연기관의 배기정화장치
CN113175387B (zh) 下游侧空燃比检测装置的异常诊断装置
US20180238258A1 (en) Abnormality diagnosis device and abnormality diagnosis method for internal combustion engine
US20180209367A1 (en) Misfire determination device for internal combustion engine
JP4051536B2 (ja) 触媒熱劣化抑制装置
JP4636273B2 (ja) 内燃機関の排気浄化装置
US11319890B2 (en) Abnormality detection device for air-fuel ratio detection device
JP2008057486A (ja) 内燃機関の排気浄化装置
JP4346871B2 (ja) 触媒温度推定装置
JP7534092B2 (ja) 下流側空燃比検出装置の異常診断装置
JP4321995B2 (ja) 触媒温度推定装置
JP2004052558A (ja) 触媒劣化抑制装置
JP4241530B2 (ja) 内燃機関の排気ガス浄化装置
JP2008088962A (ja) 触媒熱劣化判定装置及び触媒熱劣化抑制装置
US11434806B2 (en) Catalyst deterioration detection system
JP2003120376A (ja) 触媒熱劣化抑制装置
JP4539466B2 (ja) 内燃機関の排気浄化システム
JP4186517B2 (ja) 内燃機関用エアクリーナの目詰まり検出装置
JP2002122018A (ja) 触媒温度推定装置
JP2004052555A (ja) 触媒温度推定装置
JP4324787B2 (ja) 内燃機関の空燃比制御装置
JP4449677B2 (ja) 触媒活性化制御装置

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20040521

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20061214

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20061227

A02 Decision of refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02

Effective date: 20070704

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20070802

A911 Transfer to examiner for re-examination before appeal (zenchi)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A911

Effective date: 20070907

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20071107

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20071120

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20101214

Year of fee payment: 3

R151 Written notification of patent or utility model registration

Ref document number: 4051536

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R151

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20101214

Year of fee payment: 3

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20101214

Year of fee payment: 3

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20111214

Year of fee payment: 4

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20111214

Year of fee payment: 4

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20121214

Year of fee payment: 5

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20121214

Year of fee payment: 5

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20131214

Year of fee payment: 6

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees