JP4050379B2 - ロッカーアーム - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
この発明は、例えば車両の内燃機関における動弁機構において、シリンダヘッドに設けられたバルブをカムの回転に伴って開閉させるためのロッカーアームに関する。
【0002】
【従来の技術】
図14は車両の内燃機関における動弁機構を示す断面図である。同図に示すように、この動弁機構には、クランク軸(2)に連動して回転するカム(3)の回転運動を、吸気弁や排気弁等のバルブ(4)におけるバルブステム(5)の往復直線運動に変換するためのロッカーアーム(1)が設けられている。
【0003】
このロッカーアーム(1)は、図14及び図15に示すように、平行に配置される一対の両側壁(11)と、両側壁(11)の一端部間及び他端部間を連結する一端連結壁(12)及び他端連結壁(13)とを備えている。そして両側壁(11)の長さ方向中間領域に設けられた軸固定孔に、ローラ(7)の支持軸(8)が固定されて、そのローラ(7)と、上記カム(3)とが転がり接触し得るように構成されている。またロッカーアーム(1)における他端連結壁(13)の下面側には、ピボット係合凹部(13a)が形成されており、この凹部(13a)に、シリンダヘッドに固定されたピボット部(6)が係合状態に配置されるとともに、一端連結壁(12)の下面には、バルブステム(5)の先端が当接状態に配置されている。なお、一端連結壁(12)の下面側には、バルブステム案内溝(12a)が形成されており、バルブステム(5)の先端を案内溝(12a)内に収容して、バルブステム先端を溝壁(両側壁11の下縁部)に係止させることにより、ロッカーアーム(1)が、ピボット部(6)側を支点として、水平方向に位置ずれするのを防止するようにしている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
上記のようなロッカーアーム(1)は、例えば、一端連結壁(12)にバルブステム先端を収納するための案内溝(12a)が設けられる等、複雑な形状を有しており、また十分な剛性も必要であるため、一般には、鍛造や精密鋳造(ロストワックス)により製作するのが通例である。
【0005】
しかしながら、ロッカーアーム(1)を、鍛造や精密鋳造等の低能率の機械加工により製作すると、生産効率の低下及びコストの増大を招くという問題があった。
【0006】
一方、近年になって、内燃機関の高速回転化、高出力化に伴って、慣性重量の低減のために、ロッカーアームの軽量化が望まれ、ロッカーアームをプレス加工により製造する技術が多数提案されている。
【0007】
しかしながら、ロッカーアームは、案内溝(12a)等の複雑な形状を有するため、従来のプレス加工においては、工数が多くなり、十分な精度で案内溝(12a)を形成することが困難となり、生産効率が低下するとともに、コストが増大するという問題を抱えている。
【0008】
この発明は、上記従来技術の問題を解消し、生産効率の向上及びコストの削減を図ることができ、高精度のバルブステム案内溝を有するロッカーアームを提供することを目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するため、本発明のロッカーアームは、ロッカーアーム長手方向に延びる一対の両側壁と、その両側壁の一端部間を連結する一端連結壁とを具備し、前記一端連結壁に矩形孔が形成されるとともに、前記一端連結壁におけるロッカーアーム長手方向の端縁に底壁形成片が連設され、その底壁形成片が前記一端連結壁の上面側に重なり合う態様に折り返されて前記矩形孔の上端に配置されることにより、前記一端連結壁における矩形孔の周縁部両側を案内壁とし、かつ前記底壁形成片をバルブステム当接用底壁とするバルブステム案内溝が形成されてなるものを要旨としている。
【0010】
この発明のロッカーアームにおいては、一端連結壁に矩形孔が形成されるとともに、一端連結壁の端縁に底壁形成片が連設され、その底壁形成片が一端連結壁の上面側に重なり合う態様に折り返されることにより、一端連結壁における矩形孔の周縁部両側を案内壁とし、かつ底壁形成片をバルブステム当接用底壁とするバルブステム案内溝が形成されてなるものであるため、例えば矩形孔を形成するための打ち抜き加工、及び底壁形成片を一端連結壁に重ね合わせるための折曲加工等のプレス加工のみでバルブステム案内溝を形成することができる。
【0011】
更に打ち抜きや折曲加工等の簡単な加工のみで案内溝を形成できるので、案内溝として安定した寸法及び形状を得ることができる。
【0012】
一方、本発明においては、前記底壁形成片が前記一端連結壁に固着されてなる構成を採用するのが好ましい。
【0013】
すなわちこの構成を採用する場合には、底壁形成片を一端連結壁に強い力で固着することができるので、たとえバルブステムが高い接触圧力で底壁形成片に当接しようとも、底壁形成片が分離する等の不具合を防止することができる。
【0014】
また本発明においては、前記一対の両側壁の上端縁における一端連結壁に対応する位置に、抱持片が連設され、その抱持片が前記底壁形成片の上面側に重なり合う態様に折り返されて底壁形成片に加締め結合されてなる構成を採用するのが良い。
【0015】
すなわちこの構成を採用する場合には、底壁形成片の一端連結壁に対する固着力を一段と向上させることができ、底壁形成片の分離等の不具合を、より確実に防止することができる。
【0016】
更に本発明においては、前記底壁形成片が、前記一端連結壁の一端側端縁に連設されてなる構成を採用するのが望ましい。
【0017】
すなわちこの構成を採用する場合には、底壁形成片を特に制約されずに難なく製作することができる。
【0018】
また本発明においては、前記底壁形成片が、前記一端連結壁の他端側端縁に連設されてなる構成を採用するのが、より一層好ましい。
【0019】
すなわちこの構成を採用する場合には、ローラ収容用開口部が形成される領域を底壁形成片としてそのまま利用することができるので、例えば開口部形成領域を打ち抜いて廃棄する場合と比べると、材料の有効利用を図ることができる。
【0020】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施形態であるロッカーアームを、図面を参照しつつ詳細に説明する。なお、以下の図面において、ロッカーアーム(中間加工品を含む)は、製造過程での状態、つまり実使用状態に対して上下を反転させた状態で示されているが、以下の説明においては、実使用状態に準じて、図面の「上方側」を「下方側」として説明する。
【0021】
<第1の実施形態>
図5及び図6に示すように、この発明の第1の実施形態のロッカーアーム(20)は、対向配置された一対の両側壁(22)と、その両側壁(22)の一端部下端間を連結する一端連結壁(30)と、他端部下端間を連結する他端連結壁(23)とを具備している。更に一端連結壁(30)には、矩形孔(31)が設けられる一方、一端連結壁(30)の一端側端縁には、矩形状の底壁形成片(40)が連設されており、この底壁形成片(40)が一端連結壁(30)の上面側に重なり合う態様に折り返されて、底壁形成片(40)が矩形孔(31)を閉塞する状態に配置されることにより、一端連結壁(30)における矩形孔(31)の周縁部両側(33)を案内壁とし、かつ上記底壁形成片(40)を底壁(バルブステム当接壁)とするバルブステム案内溝(45)が形成されている。また他端連結壁(23)の下面側中央には、ピボット係合凹部(24)が形成されるとともに、両側壁(22)の長さ方向中間部には、互いに軸線が一致する軸固定孔(21)が形成されている。
【0022】
このロッカーアーム(20)を製造するには、まず図1に示すように、鋼板の所定領域を打ち抜いて、所定形状の打ち抜き板を得、その打ち抜き板に孔開け加工を行って、ブランク加工品(20a)を得る。
【0023】
このブランク加工品(20a)には、両側縁に円弧状の凸部が設けられるとともに、中央に鼓形状の孔が設けられ、また、後に一端連結壁(30)となる領域に矩形孔(31)が形成されるとともに、一端縁の中央には、上記矩形孔(31)に対応して、ロッカーアーム長手方向に対応する方向に沿って一端延長方向に延びるように矩形状の底壁形成片(40)が連設されている。更にこのブランク加工品(20a)にはその一端部側の両側縁に、側方に延びる矩形状の抱持片(35)がそれぞれ連設されている。
【0024】
次に、このブランク加工品(20a)における他端連結壁(23)の下面中央に対応する領域に、張り出し加工を施して、半球面状のピボット係合凹部(24)を形成し、その後、図2に示すように、ブランク加工品(20a)に対し折曲加工を施す。
【0025】
これにより両側壁(22)の一端部下端間及び他端部下端間が一端連結壁(30)及び他端連結壁(23)により連結され、更に一対の両側壁(22)間における一端連結壁(30)と他端連結壁(23)との間に、ローラを収容して覗かせるための開口部を有する端面視U字状の折曲加工品(20b)が得られる。なお上記矩形孔(31)は、一端連結壁(30)の中間領域に配置されるとともに、抱持片(35)は、上記矩形孔(31)に対応して、両側壁(22)の一端部側上端縁に上方へ延びるよう配置される。また言うまでもなく、上記ピボット係合凹部(23)は、他端連結壁(23)の下面側に配置される。
【0026】
続いて図3に示すように、一端連結壁(30)に連設された底壁形成片(40)に対し折曲加工を施して、底壁形成片(40)を、一端連結壁(30)の一端縁を折曲ラインとして上方側に折り返して一端連結壁(30)の上面側に重ね合わせて、矩形孔(31)の上端側を閉塞する状態に配置する。
【0027】
これにより一端連結壁(30)の矩形孔(31)内に、その周縁部両側(33)を案内壁とし、かつ底壁形成片(40)をバルブステム当接用底壁とするバルブステム案内溝(45)が形成される。
【0028】
次に必要に応じて、底壁形成片(40)を一端連結壁(30)に固着する。例えば図7に示すように、底壁形成片(40)側をダイス(50)にセットして、一端連結壁(30)に、金型パンチ(60)を、一端連結壁(30)の厚みに相当する分だけ打ち込む。これにより一端連結壁(30)のパンチ打ち込み領域が押圧変形して底壁形成片(40)に喰い込み、底壁形成片(40)が一端連結壁(30)に強固に固着する。
【0029】
なお本発明においては、上記以外の固着手段として、プレス加工により、底壁形成片(40)の先端部を一端連結壁(30)の他端縁に巻き込ませるように折曲加工して固着する手段等も採用することができる。
【0030】
もっとも本発明において、底壁形成片(40)と一端連結壁(30)との固着手段は、上記押圧加工や上記折曲加工等のプレス加締め加工による固着手段に限られず、スポット溶接、レーザー溶接等の各種溶接接合手段を用いても良い。
【0031】
こうして底壁形成片(40)を一端連結壁(30)に固着した後、図4に示すように、抱持片(35)に対し折曲加工を施し、抱持片(35)をそれぞれ内側に折り曲げて、底壁形成片(40)の上面側に加締め結合する。
【0032】
続いて図5及び図6に示すように、折曲加工品(20b)における両側壁(22)の長さ方向中間部に、両側から孔開けパンチを打ち込んで、両側壁(22)の所定位置に、互いに軸心が一致する軸固定孔(21)を形成する。
【0033】
これにより本実施形態のロッカーアーム(20)の製作が完了する。
【0034】
なお図4ないし図6において、(55)は、一端連結壁(30)を底壁形成片(40)に上記押圧変形により固着した際の固着処理跡である。
【0035】
この実施形態によれば、外径抜き加工、折曲加工、押圧加工、及び打ち抜き孔開け加工等のプレス加工のみでロッカーアーム(20)を製造するものであるため、例えば、鍛造や精密鋳造等の低能率の機械加工を必要とせず、生産効率の向上及びコストの削減を図ることができる。
【0036】
更に一端連結壁(30)に対応する領域に矩形孔(31)を形成して、底壁形成片(40)を折り曲げて一端連結壁(30)の上面に重ね合わせるという簡単な加工で、バルブステム案内溝(45)を形成することができるので、案内溝(45)として安定した寸法及び形状を得ることができ、高い寸法精度を得ることができる。
【0037】
また本実施形態においては、底壁形成片(40)を一端連結壁(30)に固着しているため、たとえバルブステムが高い接触圧力で底壁形成片(40)に当接しようとも、底壁形成片(40)が分離する等の不具合を確実に防止することができ、高い品質のロッカーアーム(20)を効率良く生産することができる。しかも両側壁(22)の一端部側上端縁に抱持片(35)を形成して、その抱持片(35)を底壁形成片(40)の上面側に折り返して加締め結合しているため、底壁形成片(40)の一端連結壁(30)に対する固着力を一段と向上させることができ、底壁形成片(40)の分離等の不具合を、より確実に防止することができる。
【0038】
特に本実施形態において、枠状片(40)と一端連結壁(30)の固着手段として、プレス加締め加工を採用する場合には、終始一貫して、高能率のプレス加工によりロッカーアーム(20)を製作することができるので、生産効率を一段と向上させることができる。
【0039】
<第2の実施形態>
図12及び図13に示すように本発明の第2の実施形態のロッカーアーム(120)は、一端連結壁(30)の他端側端縁に、底壁形成片(140)が連設されているという点において、上記第1の実施形態のロッカーアーム(120)と相違しており、その他の構成については、上記第1実施形態のロッカーアーム(20)と実質的に同様である。
【0040】
この第2実施形態のロッカーアーム(120)を製造するには、まず図8に示すように、鋼板の所定領域を打ち抜いて、所定形状の打ち抜き板を得、その打ち抜き板に孔開け加工を行って、ブランク加工品(120a)を得る。
【0041】
このブランク加工品(120a)には、両側縁に円弧状の凸部が設けられ、更に一端部中央、すなわち後に一端連結壁(30)となる領域に矩形孔(31)が形成されるとともに、一端部両側縁に、側方に延びる矩形状の抱持片(35)がそれぞれ連設されている。
【0042】
なお図8においては、後に底壁形成片(140)となる切り起こし領域を想像線で示している(以下の図9においても同じ)。
【0043】
次に、このブランク加工品(120a)における他端連結壁(23)の下面中央に対応する領域に、張り出し加工を施して、半球面状のピボット係合凹部(24)を形成する。
【0044】
その後、図9に示すように、上記ブランク加工品(120a)に対し折曲加工を施して、対向配置される一対の両側壁(22)を有する端面視U字状の折曲加工品(120b)を得る。
【0045】
次に図10に示すように、両側壁(22)間の中間領域を切り起こす。このとき折曲加工品(120b)において、切り起こされた領域によって底壁形成片(140)が形成される一方、底壁形成片(140)が切り起こされて形成された開口部によって、ローラ収容用開口部が形成され、更にその開口部の一端側及び他端側に位置する領域が、一端連結壁(30)及び他端連結壁(23)として形成される。
【0046】
そして上記切り起こされた底壁形成片(140)を一端側に折り曲げて、一端連結壁(30)の上面側に重ね合わせて矩形孔(31)の上端を閉塞する態様に配置する。
【0047】
これにより一端連結壁(30)における矩形孔(31)内に、その周縁部両側(33)を案内壁とし、かつ底壁形成片(140)をバルブステム当接用底壁とするバルブステム案内溝(45)が形成される。
【0048】
次に必要に応じて、上記第1の実施形態と同様な手段により、底壁形成片(140)を一端連結壁(30)に固着した後、図11ないし図13に示すように、抱持片(35)をそれぞれ内側に折り曲げて、底壁形成片(40)の上面側に加締め結合し、更に両側壁(22)の長さ方向中間部に、軸固定孔(21)をそれぞれ形成する。
【0049】
これにより本実施形態のロッカーアーム(120)の製作が完了する。
【0050】
なお図11ないし図13において、(55)は、一端連結壁(30)を底壁形成片(140)に上記押圧変形により固着した際の固着処理跡である。
【0051】
この実施形態によれば、上記と同様、プレス加工のみでロッカーアーム(120)を製造できるので、生産効率の向上及びコストの削減を図ることができる。
【0052】
更に矩形孔(31)の打ち抜き加工と、底壁形成片(140)の折曲加工との簡単な加工で、バルブステム案内溝(45)を形成することができるので、案内溝(45)として安定した寸法及び形状を得ることができ、高い寸法精度を得ることができる。
【0053】
また本実施形態においては、底壁形成片(40)を一端連結壁(30)に固着する上更に、両側壁(22)の一端部側上端縁に設けた抱持片(35)を底壁形成片(40)に加締め結合しているため、底壁形成片(140)の一端連結壁(30)に対する固着力を十分に確保することができ、たとえバルブステムが高い接触圧力で底壁形成片(140)に当接しようとも、底壁形成片(140)の分離等の不具合を確実に防止することができ、高い品質のロッカーアーム(120)を効率良く生産することができる。
【0054】
しかも本実施形態においては、ローラ収容用開口部が形成される領域を切り起こして底壁形成片(140)として利用しているため、例えば開口部形成領域を打ち抜いて廃棄する場合と比べると、材料の有効利用を図ることができ、製品歩留まりを向上させることができる。
【0055】
ところで、本実施形態のロッカーアーム(120)においては、通常のロッカーアームに比較して、両側壁(22)が上方へ大きく突出しており、軸固定孔(21)が上方へ位置ずれした位置に形成されている。これは以下の理由によるものである。すなわちロッカーアームを製造する場合、一般には、ブランク材のローラ収容用開口部を鼓形状に打ち抜いて、折曲加工後に両側壁のローラ収容用開口部側の縁部に、下方突出状の凸部を形成して、軸固定孔を形成するための領域を確保している。これに対し、本実施形態においては、底壁形成片(140)の幅寸法との関係で、折曲加工品(120b)のローラ収容用開口部が矩形状に形成されており、両側壁(22)のローラ収容用開口部側の縁部は、直線状に形成され、下方突出状の凸部が形成されてはいない。つまり本実施形態においては、両側壁(22)のローラ収容用開口部側縁部に凸部が形成されない分、両側壁(22)の上下寸法が小さくなり、軸固定孔を形成するための領域を確保することが困難になる。そこで本実施形態においては、両側壁(22)の上方への突出量を大きくし、軸固定孔(21)の形成位置を上方へずらせることにより、両側壁(22)に軸固定孔形成領域を確実に確保するようにしている。
【0056】
もっとも本実施形態において、底壁形成片(140)を、ロッカーアーム(120)の幅寸法よりもかなり小さく形成する場合には、一般のロッカーアームと同様に、両側壁(22)のローラ収容用開口部側の縁部に、下方突出状の凸部を形成することができ、両側壁(22)の上方突出量を、一般のロッカーアームと同様にして、同様な位置に軸固定孔を形成することが可能である。
【0057】
【発明の効果】
以上のように、この発明のロッカーアームによれば、一端連結壁に矩形孔が形成されるとともに、一端連結壁の端縁に底壁形成片が連設され、その底壁形成片が一端連結壁の上面側に重なり合う態様に折り返されることにより、一端連結壁における矩形孔の周縁部両側を案内壁とし、かつ底壁形成片をバルブステム当接壁とするバルブステム案内溝が形成されてなるものであるため、例えば矩形孔を形成するための打ち抜き加工、及び底壁形成片を一端連結壁に重ね合わせるための折曲加工等のプレス加工のみでバルブステム案内溝を形成することができ、鍛造や精密鋳造等の低能率の機械加工を用いて案内溝を形成する場合に比べて、効率良く生産できるとともに、コストも削減することができる。更に打ち抜きや折曲加工等の簡単な加工のみで案内溝を形成できるので、案内溝として安定した寸法及び形状を得ることができ、高い寸法精度を得ることができるという効果がある。
【0058】
本発明において、底壁形成片を一端連結壁に固着する場合には、たとえバルブステムが高い接触圧力で底壁形成片に当接しようとも、底壁形成片が分離する等の不具合を防止することができ、品質の向上を図ることができるという利点がある。
【0059】
更に本発明において、一対の両側壁の上端縁に連設した抱持片を、底壁形成片の上面側に折り返して底壁形成片に加締め結合する場合には、底壁形成片の一端連結壁に対する固着力を一段と向上させることができ、底壁形成片の分離等の不具合を、より確実に防止することができ、より一層品質を向上させることができるという利点がある。
【0060】
また本発明において、底壁形成片を一端連結壁の一端側端縁に連設する場合には、底壁形成片を特に制約されずに難なく製作することができ、より一層、生産効率の向上及びコストの削減を図ることができるという利点がある。
【0061】
また本発明において、底壁形成片を一端連結壁の他端側端縁に連設する場合には、ローラ収容用開口部が形成される領域を底壁形成片としてそのまま利用することができるので、例えば開口部形成領域を打ち抜いて廃棄する場合と比べると、材料の有効利用を図ることができ、一段とコストの削減を図ることができるという利点がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の第1の実施形態であるロッカーアームを製造する際の中間加工品としてのブランク加工品を示す斜視図である。
【図2】第1実施形態における中間加工品としての折曲加工品を示す斜視図である。
【図3】第1実施形態において底壁形成片折曲加工後の折曲加工品を示す斜視図である。
【図4】第1実施形態において抱持片折曲加工後の折曲加工品を示す斜視図である。
【図5】第1実施形態のロッカーアームを示す斜視図である。
【図6】第1実施形態のロッカーアームを示す断面図である。
【図7】第1実施形態において枠状片を一端連結壁に固着するための枠状片固着手段を示す断面図である。
【図8】この発明の第2の実施形態であるロッカーアームを製造する際の中間加工品としてのブランク加工品を示す斜視図である。
【図9】第2実施形態における中間加工品としての折曲加工品を示す斜視図である。
【図10】第2実施形態において底壁形成片折曲加工後の折曲加工品を示す斜視図である。
【図11】第2実施形態において抱持片折曲加工後の折曲加工品を示す斜視図である。
【図12】第2実施形態のロッカーアームを示す斜視図である。
【図13】第2実施形態のロッカーアームを示す断面図である。
【図14】従来の車両における内燃機関の動弁機構を示す断面図である。
【図15】従来の動弁機構に適用されたロッカーアームを示す断面図である。
【符号の説明】
20、120…ロッカーアーム
22…両側壁
30…一端連結壁
31…矩形孔
33…周縁部両側
35…抱持片
40、140…底壁形成片
45…バルブステム案内溝
Claims (4)
- ロッカーアーム長手方向に延びる一対の両側壁と、その両側壁の一端部間を連結する一端連結壁とを具備し、
前記一端連結壁に矩形孔が形成されるとともに、前記一端連結壁におけるロッカーアーム長手方向の端縁に底壁形成片が連設され、その底壁形成片が前記一端連結壁の上面側に重なり合う態様に折り返されて前記矩形孔の上端に配置されることにより、前記一端連結壁における矩形孔の周縁部両側を案内壁とし、かつ前記底壁形成片をバルブステム当接用底壁とするバルブステム案内溝が形成され、
前記一対の両側壁の上端縁における一端連結壁に対応する位置に、抱持片が連設され、その抱持片が前記底壁形成片の上面側に重なり合う態様に折り返されて底壁形成片に加締め結合されてなることを特徴とするロッカーアーム。 - 前記底壁形成片が前記一端連結壁に固着されてなる請求項1記載のロッカーアーム。
- 前記底壁形成片が、前記一端連結壁の一端側端縁に連設されてなる請求項1又は2記載のロッカーアーム。
- 前記底壁形成片が、前記一端連結壁の他端側端縁に連設されてなる請求項1又は2記載のロッカーアーム。
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1998
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