JP4049072B2 - 触媒劣化度判定装置 - Google Patents

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Description

本発明は、内燃機関の排気通路に配設された触媒の劣化度を判定する触媒劣化度判定装置(触媒劣化度検出装置、触媒劣化判定装置)に関する。
この種の技術として、触媒の反応速度分布を机上計算により予測し、予測した反応速度分布(又は、頻度因子分布)に基づいて触媒の劣化度(劣化状態)を予測する方法が知られている(例えば、特許文献1を参照。)。
この方法においては、ある時点(劣化段階n)での触媒貴金属粒径分布(n)及び反応速度分布(n)に基づいて所定時間tn経過後(劣化段階n+1)の触媒温度分布(n+1)及び酸素濃度分布(n+1)を算出し、算出した触媒温度分布(n+1)及び算出した酸素濃度分布(n+1)と被毒量分布(n+1)とに基づいて触媒貴金属粒径分布(n+1)を算出し、算出した触媒貴金属粒径分布(n+1)と被毒量分布(n+1)とに基づいて頻度因子分布(n+1)を算出し、算出した頻度因子分布(n+1)に基づいて反応速度分布(n+1)を算出する。
従って、劣化段階(0)における触媒貴金属粒径分布(0)、反応速度分布(0)及び各劣化段階での被毒量分布(k)を得ることができれば、任意の劣化段階(n)における触媒の頻度因子分布(n)及び反応速度分布(n)を得ることができるので、これに基づいて触媒の劣化状態を推定することができる。
劣化段階(0)における触媒貴金属粒径分布(0)は、触媒貴金属の種類や担体に対する担持状態に対応して定まる値であり、予め知ることができる。また、劣化段階(0)における反応速度分布(0)は、新品の触媒に対する実測から得ることができる。被毒量分布(k)は、劣化段階(k)における被毒物質の触媒に対する付着量の分布であり、劣化段階(k)に応じて予め実測から見積もることができる。この結果、上記方法によれば、長期に渡る劣化耐久試験を実際に行うことなく、任意の劣化段階における触媒の劣化状態を机上計算により推定することができる。
特開平2001−12233号公報(図1)
しかしながら、上記従来の方法は、劣化段階(0)、即ち、触媒が新品である場合における触媒貴金属分布(0)及び反応速度分布(0)を与えて、任意の劣化段階(n)における触媒の劣化状態を推定するので、複雑に変動し且つ車両毎に大きく相違する運転状態を経た触媒の実際の劣化状態を精度良く判定することができないという問題がある。
本発明の目的の一つは、車両に搭載された触媒の劣化度(劣化状態)を精度良くリアルタイムに判定することができる触媒劣化度判定装置を提供することにある。
本発明による触媒劣化度判定装置は、
内燃機関を搭載した車両に適用され同内燃機関の排気通路に配設された触媒の劣化度を判定する触媒劣化度判定装置であって、
前記触媒に流入するガスに含まれる特定ガスの濃度を取得する流入特定ガス濃度取得手段と、
前記触媒から流出する前記特定ガスの濃度を取得する流出特定ガス濃度取得手段と、
前記触媒に流入するガスに含まれる前記特定ガスと反応するガスである流入反応ガスの濃度を取得する流入反応ガス濃度取得手段と、
前記触媒の温度を取得する触媒温度取得手段と、
前記触媒における前記特定ガスの浄化反応を表した触媒反応モデル、前記取得した触媒に流入する特定ガスの濃度、前記取得した触媒から流出する特定ガスの濃度、前記取得した流入反応ガスの濃度及び前記取得した触媒の温度に基づいて同触媒における同浄化反応の頻度因子を算出する頻度因子算出手段と、
前記算出された頻度因子に基づいて前記触媒の劣化度を判定する手段と、
を備える。
この触媒劣化度判定装置は、触媒での反応における頻度因子を求め、その頻度因子に基づいて触媒劣化度を判定する。頻度因子は、触媒における特定ガスの浄化反応を表した触媒反応モデルにおいて使用される値であり、浄化のための反応の起こり易さを示す値である。この触媒劣化度判定装置において、頻度因子は、前記触媒反応モデル、実際に取得した触媒に流入する特定ガスの濃度、実際に取得した触媒から流出する特定ガスの濃度、実際に取得した流入反応ガスの濃度及び実際に取得した触媒の温度(触媒床温)に基づいて求められる。従って、触媒の劣化度を精度良くリアルタイムに判定することができる。
本発明の一態様において、前記触媒劣化度判定装置は、前記触媒に流入するガスの空燃比が、前記特定ガスが前記触媒において浄化されるのに適した空燃比となるように、同触媒に流入するガスの空燃比を制御する空燃比制御手段を備えることが好適である。
これによれば、触媒に流入するガスの空燃比が前記特定ガスを浄化するのに適した空燃比(例えば、特定ガスがNOxであれば理論空燃比よりリッチな空燃比、特定ガスがHC,COであれば理論空燃比よりリーンな空燃比であって、特定ガスが触媒により高効率で浄化される理論空燃比以外の空燃比)に制御される。この結果、触媒反応モデルと実際の触媒における反応とを精度良く一致させることができるから、触媒の劣化度をより精度良く判定することができる。
この場合において、前記空燃比制御手段は、前記触媒に流入するガスの空燃比を理論空燃比よりもリッチ又はリーンな一定の空燃比に制御するように構成され、前記流入反応ガス濃度取得手段は、前記空燃比制御手段により前記触媒に流入するガスの空燃比が制御されているときの前記内燃機関の運転状態に基づいて前記流入反応ガス濃度を取得するように構成されることが好適である。
これによれば、触媒に流入する流入反応ガスの濃度が略一定となるから、触媒における浄化反応の状態が安定する。従って、触媒反応モデルと実際の触媒における反応とがより精度良く一致する。更に、流入反応ガス濃度も安定化するから、流入反応ガス濃度を取得するために流入反応ガス濃度センサを配設しなくても、内燃機関の運転状態に基づいて流入反応ガス濃度を精度良く取得することができる。
更に、前記車両は前記内燃機関とは別の補助動力源を備え、前記頻度因子算出手段により前記頻度因子を算出するとき、前記内燃機関を定常運転状態に維持するとともに、前記車両の加速に必要な動力を前記補助動力源により発生させるように構成することも好適である。
これによれば、触媒に流入する排ガス量が一定となり、流入反応ガス濃度も安定するので、同流入反応ガス濃度をより精度良く取得することができる。その結果、頻度因子をより精度よく求めることができるので、触媒劣化度をより精度良く判定することができる。
以下、本発明による触媒劣化度判定装置の各実施形態について図面を参照しつつ説明する。触媒劣化度判定装置は、内燃機関の燃料噴射量制御装置の一部として採用されている。
(第1実施形態)
図1は、第1実施形態に係る触媒劣化度判定装置を含む燃料噴射量制御装置を4サイクル火花点火式多気筒内燃機関10に適用したシステムの概略構成を示している。なお、図1は、特定気筒の断面のみを示しているが、他の気筒も同様な構成を備えている。
この内燃機関10は、シリンダブロック、シリンダブロックロワーケース及びオイルパン等を含むシリンダブロック部20と、シリンダブロック部20の上に固定されるシリンダヘッド部30と、シリンダブロック部20にガソリン混合気を供給するための吸気系統40と、シリンダブロック部20からの排ガスを外部に放出するための排気系統50とを含んでいる。
シリンダブロック部20は、シリンダ21、ピストン22、コンロッド23及びクランク軸24を含んでいる。ピストン22はシリンダ21内を往復動し、ピストン22の往復動がコンロッド23を介してクランク軸24に伝達され、これにより同クランク軸24が回転するようになっている。シリンダ21とピストン22のヘッドは、シリンダヘッド部30とともに燃焼室25を形成している。
シリンダヘッド部30は、燃焼室25に連通した吸気ポート31、吸気ポート31を開閉する吸気弁32、吸気弁32を駆動するインテークカムシャフトを含むとともに同インテークカムシャフトの位相角及びリフト量を連続的に変更する可変吸気タイミング装置33、可変吸気タイミング装置33のアクチュエータ33a、燃焼室25に連通した排気ポート34、排気ポート34を開閉する排気弁35、排気弁35を駆動するエキゾーストカムシャフト36、点火プラグ37、点火プラグ37に与える高電圧を発生するイグニッションコイルを含むイグナイタ38及び燃料を吸気ポート31内に噴射するインジェクタ(燃料噴射手段)39を備えている。
吸気系統40は、吸気ポート31に連通し同吸気ポート31とともに吸気通路を形成するインテークマニホールドを含む吸気管41、吸気管41の端部に設けられたエアフィルタ42、スロットルバルブ43及びスワールコントロールバルブ(以下、「SCV」と称呼する。)44を備えている。スロットルバルブ43は、DCモータからなるスロットルバルブアクチュエータ43aにより吸気管41内で回転駆動され、吸気通路の開口断面積を可変とするようになっている。SCV44は、燃焼室25内にスワールを発生させるためのバルブであって、DCモータからなるSCVアクチュエータ44aにより回転駆動されるようになっている。
排気系統50は、排気ポート34に連通したエキゾーストマニホールド51、エキゾーストマニホールド51に接続されたエキゾーストパイプ52、エキゾーストパイプ52に介装された上流側の触媒(上流側三元触媒コンバータ、又はスタート・キャタリティック・コンバータとも云う。)53及び上流側の触媒53の下流のエキゾーストパイプ52に配設(介装)された下流側の触媒(下流側三元触媒コンバータ、又は、車両のフロア下方に配設されるため、アンダ・フロア・キャタリティック・コンバータとも云う。)54を備えている。排気ポート34、エキゾーストマニホールド51及びエキゾーストパイプ52は、排気通路を構成している。なお、本触媒劣化度判定装置は、上流側触媒53が劣化したか否かを判定するものである。
一方、このシステムは、熱線式エアフローメータ61、吸気温センサ62、スロットルポジションセンサ63、カムポジションセンサ64、クランクポジションセンサ65、水温センサ66、上流側触媒53の上流の排気通路に配設された特定ガス濃度センサ67(以下、「上流側特定ガス濃度センサ67」と称呼する。)、上流側触媒53の下流であって下流側触媒54の上流の排気通路に配設された特定ガス濃度センサ68(以下、「下流側特定ガス濃度センサ68」と称呼する。)、上流側触媒53に対して配設された触媒温度センサ69及びアクセル開度センサ70を備えている。
エアフローメータ61は、吸気管41内を流れる吸入空気の質量流量Gaに応じた信号を出力するようになっている。吸気温センサ62は、吸入空気の温度を検出し、吸気温度THAを表す信号を出力するようになっている。スロットルポジションセンサ63は、スロットルバルブ43の開度(スロットルバルブ開度)を検出し、スロットルバルブ開度TAを表す信号を出力するようになっている。
カムポジションセンサ64は、インテークカムシャフトが90°回転する毎に(即ち、クランク軸24が180°回転する毎に)一つのパルスを有する信号(G2信号)を発生するようになっている。クランクポジションセンサ65は、クランク軸24が10°回転する毎に幅狭のパルスを有するとともに同クランク軸24が360°回転する毎に幅広のパルスを有する信号を出力するようになっている。この信号は、エンジン回転速度NEを表す。水温センサ66は、内燃機関10の冷却水の温度を検出し、冷却水温THWを表す信号を出力するようになっている。
上流側特定ガス濃度センサ67は、上流側触媒53に流入するガスに含まれる特定ガスの濃度を検出・取得する流入特定ガス濃度取得手段を構成している。特定ガスは、この例においては、NOx(窒素酸化物)のうちのNOである。従って、上流側特定ガス濃度センサ67は、上流側触媒53に流入するNOの濃度[NO]inを表す信号を出力するようになっている。
下流側特定ガス濃度センサ68は、上流側触媒53から流出するガスに含まれる特定ガス(NO)の濃度を検出・取得する流出特定ガス濃度取得手段を構成していて、上流側触媒53から流出するNOの濃度[NO]outを表す信号を出力するようになっている。
触媒温度センサ69は、上流側触媒53の触媒の温度(触媒床温)を検出・取得する触媒温度取得手段を構成していて、触媒の温度Tempccroを表す信号を出力するようになっている。アクセル開度センサ70は、運転者によって操作されるアクセルペダル71の操作量Accpを表す信号を出力するようになっている。
電気制御装置80は、互いにバスで接続されたCPU81、CPU81が実行するプログラム、テーブル(マップ、関数)及び定数等を予め記憶したROM82、CPU81が必要に応じてデータを一時的に格納するRAM83、電源が投入された状態でデータを格納するとともに同格納したデータを電源が遮断されている間も保持するバックアップRAM84並びにADコンバータを含むインターフェース85等からなるマイクロコンピュータである。
インターフェース85は、前記センサ61〜70と接続され、CPU81にセンサ61〜70からの信号を供給するとともに、同CPU81の指示に応じて可変吸気タイミング装置33のアクチュエータ33a、イグナイタ38、インジェクタ39、スロットルバルブアクチュエータ43a及びSCVアクチュエータ44aに駆動信号を送出するようになっている。
(触媒劣化度判定の原理)
次に、この触媒劣化度判定装置による触媒劣化度判定の原理について説明する。いま、触媒で浄化されるべき対象となる特定ガスとして、NOxのうちの一種であるNO(一酸化窒素)に着目する。また、特定ガスであるNOと反応してNOを浄化する反応ガスとしてCO(一酸化炭素)に着目する。このとき、NOとCOとは下記(1)式のように反応する。このような反応は、触媒に流入するガスの空燃比を理論空燃比よりもリッチとしたときに主として発生する。
Figure 0004049072
(1)式から、下記の(2)式が得られる。(2)式においてkは触媒における反応速度を示す値であり、「反応速度定数」と呼ばれる。
Figure 0004049072
一方、上記(2)式の左辺の項である触媒内のNO濃度の時間的変化は、下記(3)式に基づいて求めることができる。
Figure 0004049072
一方、触媒内での浄化反応を表す式として、下記(4)に示すアレニウスの式が広く知られている。(4)式は、触媒での浄化反応を表した触媒反応モデルを示し、反応速度定数を求める式である。
Figure 0004049072
この(4)式における頻度因子k0は、触媒における反応の起こり易さを示す指標である。従って、頻度因子k0は触媒の劣化度を表す。
そこで、本触媒劣化度判定装置は、この頻度因子k0を求め、頻度因子k0により触媒劣化度を判定する。具体的には、先ず、(2)式及び(3)式から下記の(5)式を得て、この(5)式に基づいて反応速度定数kを求める。
Figure 0004049072
(5)式において、触媒に流入するNOの濃度[NO]inは、触媒上流に配設された上流側特定ガス濃度センサ67(上流側NO濃度センサ)から直接取得する。触媒から流出するNOの濃度[NO]outは、触媒下流に配設された下流側特定ガス濃度センサ68(下流側NO濃度センサ)から直接取得する。触媒に流入するCOの濃度[CO]inは、内燃機関に供給される混合気の空燃比(以下、「機関の空燃比」と称呼する。)が理論空燃比よりもリッチな一定の空燃比となるように同混合気の空燃比を制御し、そのときの機関運転状態(Q, NE, THW)と予め定めておいたマップMapCOin(Q, NE, THW)とに基づいて取得する。なお、触媒上流にCO濃度センサを流入反応ガス濃度センサとして配設し、そのCO濃度センサからCOの濃度[CO]inを直接取得してもよい。また、排ガス流量Vgは吸入空気流量Ga(又はQ)と等しいと置く。触媒容量Xは既知である。
以上により反応速度定数kが取得される。触媒劣化度判定装置は、この取得された反応速度定数kを(4)式に適用して頻度因子k0を求める。(4)式において、活性化エネルギーE及び気体定数Rは既知である。触媒床温T(=Tempccro)は、触媒温度センサ69から直接取得する。そして、触媒劣化度判定装置は、頻度因子k0が所定の閾値k0thより大きければ触媒は正常であると判定し、頻度因子k0が所定の閾値k0th以下であれば触媒は劣化していると判定する。
以上は、特定ガスとしてNOに着目した場合であったが、特定ガスとしてCOに着目することもできる。この場合、COは機関の空燃比が理論空燃比よりもリーンであるときに浄化されるので、触媒劣化度判定装置は、機関の空燃比を理論空燃比よりもリーンとなるように制御する。ここでは、COと反応してCOを浄化する反応ガスとしてO2(酸素)に着目する。このときCOとO2は下記(6)式のように反応する。
Figure 0004049072
これから、NOの場合と同様に、以下の(7)式及び(8)式が得られる。
Figure 0004049072
Figure 0004049072
触媒劣化度判定装置は、(7)式及び(8)式から反応速度定数kを求め、これを(4)式に適用して頻度因子k0を求め、この頻度因子k0に基づいて触媒劣化度を判定する。ただし、触媒劣化度判定装置は、触媒に流入するCOの濃度[CO]inを、触媒上流に配設された上流側特定ガス濃度センサ67(上流側CO濃度センサ)から直接取得し、触媒から流出するCOの濃度[CO]outを、触媒下流に配設された下流側特定ガス濃度センサ68(下流側CO濃度センサ)から直接取得する。
更に、触媒劣化度判定装置は、触媒に流入するO2の濃度[O2]inを、そのときの機関運転状態(Q, NE, THW)と予め定めておいたマップMapO2in(Q, NE, THW)とに基づいて取得する。なお、触媒上流にO2濃度センサを配設し、そのO2濃度センサからO2の濃度[O2]inを直接取得してもよい。
このように、触媒劣化度判定装置は、触媒内の浄化反応を表したモデル(例えば、(4)式)に、実際に検出・取得される特定ガスの触媒に流入する際の濃度、同特定ガスの触媒から流出する際の濃度、触媒に流入し特定ガスと反応する反応ガスの濃度、並びにその触媒の温度(触媒床温)を適用することにより頻度因子k0を算出し、この頻度因子k0に基づいて触媒劣化度を判定する。この作動は、車両に搭載されたコンピュータ上でリアルタイムに行うことができるので、実際の触媒の劣化度を精度良く推定することができる。なお、上述した例は、浄化されるべきガスとしてNO又はCOに着目したが、HC等について着目した場合にも同様の手法により頻度因子k0を算出することができる。
(作動)
次に、上記のように構成された燃料噴射量制御装置の実際の作動について説明する。なお、CPU81は、アクセルペダル71の操作量Accpに基づいてスロットルバルブ43の開度の目標値を決定し、スロットルバルブ43の実際の開度が決定された目標値となるようにスロットルバルブアクチュエータ43aを駆動するようになっている。スロットルバルブ開度の目標値は、アクセルペダル71の実際の操作量AccpとマップMapTAとに基づいて決定される。マップMapTAは、スロットルバルブ開度の目標値がアクセルペダル71の操作量Accpに略比例するように、これらの関係を規定している。
CPU81は、機関10のクランク角が、特定気筒(ここでは、第1気筒)の吸気上死点から所定クランク角度だけ前の所定角度(例えば、BTDC90°であって吸気行程を迎える直前のクランク角度)になると、図2の燃料噴射制御ルーチンをステップ200から開始するようになっている。なお、CPU81は、図2に示したルーチンと同一のルーチンを他の気筒のそれぞれに対しても同様なタイミングにて実行するようになっている。
次に、CPU81はステップ205に進み、第1気筒の燃焼室25に吸入される吸入空気流量Qを、エアフローメータ61が検出している吸入空気流量Gaを用いて下記(9)式に応じて求める。下記(9)式において、αは0〜1までの任意の係数である。
Q=α・Q+(1−α)・Ga …(9)
次いで、CPU81はステップ210に進み、前記吸入空気流量Qをエンジン回転速度NEで除した値に所定の係数k1を乗じて、吸気行程を迎えようとしている第1気筒の燃焼室25に吸入される空気量KLを求める。
次に、CPU81は、ステップ215にて触媒劣化度判定実行フラグFhanの値が「0」であるか否かを判定する。触媒劣化度判定実行フラグFhanは、その値が「1」であるときに触媒劣化度(頻度因子k0)を求めて触媒が劣化しているか否かの判定(即ち、触媒劣化度の判定)を行うべきであることを示し、その値が「0」であるときに触媒劣化度の判定を行うべきでないことを示すフラグである。触媒劣化度判定実行フラグFhanの値は、図示しないイグニッション・キーがオフからオンへと変更されたときに実行される図示しないイニシャルルーチンにより「0」に設定される。また、触媒劣化度判定実行フラグFhanの値は、後述する図3に示した触媒劣化度判定制御ルーチンにて変更・設定される。
いま、イグニッション・キーがオフからオンへと変更された直後であって、触媒劣化度判定実行フラグFhanの値が「0」に設定されているとして説明を続けると、CPU81はステップ215にて「Yes」と判定してステップ220に進み、目標空燃比Abyfrefの値を理論空燃比相当の値stocih(例えば、14.7)に設定する。
次いで、CPU81はステップ225に進み、空気量KLを目標空燃比Abyfrefで除することにより燃料噴射量fiを決定し、続くステップ230にて決定した燃料噴射量fiだけの燃料を第1気筒に対応するインジェクタ39から噴射するように、同インジェクタ39に指示信号を送出する。その後、CPU81は、ステップ295にて本ルーチンを一旦終了する。
CPU81は、以降、触媒劣化度判定実行フラグFhanの値が「0」に維持されている限り、上述したステップを繰り返し実行する。これにより、内燃機関10に供給される混合気の空燃比が理論空燃比に維持される。
一方、CPU81は、図3に示した触媒劣化度判定制御ルーチンを所定時間の経過毎に繰り返し実行するようになっている。従って、所定のタイミングになると、CPU81はステップ300から処理を開始してステップ305に進み、触媒劣化度判定完了フラグFdoneの値が「0」であるか否かを判定する。
触媒劣化度判定完了フラグFdoneは、その値が「1」であるとき、今回の走行において(即ち、イグニッション・キーをオフからオンへと変更した後から現時点までの間に)、触媒劣化度の判定が終了したことを示し、その値が「0」であるとき、今回の走行において触媒劣化度の判定が終了していないことを示すフラグである。触媒劣化度判定完了フラグFdoneの値は、図示しないイグニッション・キーがオフからオンへと変更されたときに実行される図示しないイニシャルルーチンにて「0」に設定される。また、触媒劣化度判定完了フラグFdoneの値は、後述する図4に示した触媒劣化度判定ルーチンにより、触媒劣化度の判定が完了したときに「1」に設定されるようになっている。
いま、イグニッション・キーがオフからオンへと変更されてから、触媒劣化度の判定が完了していない(即ち、触媒劣化度判定完了フラグFdoneの値が「0」である。)として説明を続けると、CPU81はステップ305にて「Yes」と判定してステップ310に進む。
CPU81は、ステップ310にて触媒温度センサ69が検出している触媒床温Tempccroが所定の閾値温度Tempthより大きいか否かを判定する。閾値温度Tempthは、触媒床温Tempccroが所定の閾値温度Tempthより大きいとき、上流側触媒53が十分な浄化性能を示す値に選択されている。
この時点において、触媒床温Tempccroが所定の閾値温度Tempth以下であると、CPU81はステップ310にて「No」と判定し、ステップ315に進んで触媒劣化度判定実行フラグFhanの値を「0」に設定する。次いで、CPU81はステップ320に進んでその時点の吸入空気流量Qを前回の吸入空気流量Qoldとして格納し、ステップ395にて本ルーチンを一旦終了する。
また、CPU81は図4にフローチャートにより示した触媒劣化判定ルーチンを所定時間の経過毎に繰り返し実行している。従って、CPU81は所定のタイミングになると、ステップ400から処理を開始し、ステップ405にて触媒劣化度判定実行フラグFhanの値が「1」であるか否かを判定する。
上述したように、触媒床温Tempccroが所定の閾値温度Tempth以下であると、触媒劣化度判定実行フラグFhanの値は「0」に設定されている。従って、CPU81はステップ405にて「No」と判定し、直ちにステップ495に進んで本ルーチンを一旦終了する。このように、触媒床温Tempccroが所定の閾値温度Tempth以下であると、上流側触媒53が活性化しておらず、上流側触媒53の劣化度を精度良く判定できないので、触媒劣化度の判定が禁止される。
その後、運転が継続されると、触媒床温Tempccroは閾値温度Tempthより大きくなる。このとき、CPU81が図3に示したルーチンを実行すると、CPU81はステップ310にて「Yes」と判定してステップ325に進み、その時点の吸入空気流量Qと前回の吸入空気流量Qoldとの差を吸入空気流量変化量ΔQとして求める。次いで、CPU81はステップ330にて差ΔQの絶対値が所定の正の閾値ΔQthより小さいか否かを判定する。
いま、内燃機関10の運転状態が加速又は減速状態である(過渡運転状態である)とすると、差ΔQは正の閾値ΔQth以上となるから、CPU81はステップ330にて「No」と判定してステップ315に進み、触媒劣化度判定実行フラグFhanの値を「0」に設定するとともに、ステップ320を経由してステップ395に進んで本ルーチンを一旦終了する。このように、内燃機関10の運転状態が定常運転状態でないとき(即ち、上流側触媒53に流入するガスの時間的変化量が所定値よりも大きいとき)、上流側触媒53の劣化度を精度良く判定できないので、触媒劣化度判定実行フラグFhanの値は「0」に維持され、触媒劣化度の判定が禁止される。
これに対し、内燃機関10の運転状態が定常運転状態であるとすると、差ΔQは正の閾値ΔQth以下となる。従って、CPU81は、CPU81がステップ330に進んだとき、同ステップ330にて「Yes」と判定してステップ335に進み、触媒劣化度判定実行フラグFhanの値を「1」に設定する。その後、CPU81は、ステップ320を経由してステップ395に進み、本ルーチンを一旦終了する。
このように、CPU81は、、触媒床温Tempccroが閾値温度Tempthより大きく、且つ、差ΔQが正の閾値ΔQthより小さい場合に、触媒劣化度判定実行フラグFhanの値を「1」に設定し、触媒劣化度の判定を許容する。
触媒劣化度判定実行フラグFhanの値が「1」に設定された状態において、CPU81が図2に示した燃料噴射制御ルーチンを実行すると、CPU81はステップ215に進んだとき同ステップ215にて「No」と判定し、ステップ235に進んで目標空燃比Abyfrefを理論空燃比よりもリッチな空燃比に相当する値Rich(例えば、12)に設定する。これにより、ステップ225にて求められる燃料噴射量fiの燃料がステップ230の実行により噴射されると、内燃機関10に供給される混合気の空燃比が理論空燃比よりもリッチな空燃比に制御される。なお、CPU81は、ステップ620にて、アクセルペダル71の操作量Accp等に応じて必要な加速及び減速を行うための力を電動モータMに発生させるための制御を行う。
また、このとき、CPU81が図4に示した触媒劣化度判定ルーチンを実行すると、触媒劣化度判定実行フラグFhanの値が「1」に設定されているから、CPU81はステップ405にて「Yes」と判定してステップ410に進む。
CPU81は、ステップ410にて触媒劣化度判定実行フラグFhanの値が「0」から「1」に変化してから所定時間が経過したか否かを判定する。このステップは、触媒が安定してNOの浄化を行っている状態となるまで、触媒劣化度の判定を行わないようにするために設けられている。現時点は、触媒劣化度判定実行フラグFhanの値が「0」から「1」に変化した直後でるから、CPU81はステップ410にて「No」と判定してステップ495に進み、本ルーチンを一旦終了する。
その後、かかる状態が継続し、触媒劣化度判定実行フラグFhanの値が「0」から「1」へと変化してから所定時間が経過すると、CPU81はステップ410にて「Yes」と判定してステップ415に進み、その時点の実際の機関運転状態(Q, NE, THW)と予め定めておいたマップMapCOin(Q, NE, THW)とに基づいて、上流側触媒53に流入するCO濃度[CO]inを取得する。
次いで、CPU81はステップ420にて上述した(5)式に基づいて反応速度定数kを算出する。このとき、上流側触媒53に流入するNOの濃度[NO]inとして上流側特定ガス濃度センサ67から直接取得された値が使用され、触媒から流出するNOの濃度[NO]outとして下流側特定ガス濃度センサ68から直接取得された値が使用される。排ガス流量Vgは吸入空気流量Ga(又はQ)と等しいと置く。触媒容量Xは既知である。
次に、CPU81はステップ425にて、上記(4)式に基づいて得られるステップ425中に記載した式により頻度因子k0を算出する。このとき、触媒床温Tempccroとして触媒温度センサ69により取得された値が使用され、反応速度定数kとして上記ステップ420にて求められた値が使用される。また、気体定数R及び活性化エネルギーEには、予め与えられた値が使用される。
続いて、CPU81はステップ430に進み、ステップ425にて算出された頻度因子k0が所定の閾値(触媒劣化判定値)k0thより大きいか否かを判定する。そして、頻度因子k0が触媒劣化判定値k0thより大きければ、CPU81は、上流側触媒53は正常である(劣化していない)と判定し、ステップ435に進んでその旨をバックアップラム84に記憶させる。一方、頻度因子k0が触媒劣化判定値k0th以下であれば、CPU81は上流側触媒53は劣化していると判定し、ステップ430からステップ440に進んでその旨をバックアップラム84に記憶させる。このとき、CPU81は、必要に応じてランプなどを点灯させ、乗員に上流側触媒53を交換すべきであることを知らせる。
次いで、CPU81は、ステップ445に進んで触媒劣化度判定実行フラグFhanの値を「0」に設定するとともに、続くステップ450にて触媒劣化度判定完了フラグFdoneの値を「1」に設定し、ステップ495に進んで本ルーチンを一旦終了する。
これにより、触媒劣化度判定実行フラグFhanの値が「0」に設定されるので、CPU81は図2の燃料噴射制御ルーチンのステップ215にて「Yes」と判定し、ステップ220を実行するようになる。この結果、機関の空燃比は理論空燃比となるように制御される。また、触媒劣化度判定完了フラグFdoneの値が「1」に設定されるので、CPU81は図3のステップ305にて「No」と判定してステップ395に直接進むようになる。従って、次にイグニッション・キーがオフからオンへと変更されて触媒劣化度判定完了フラグFdoneの値が「0」に設定されるまで、CPU81がステップ335を実行して触媒劣化度判定実行フラグFhanの値が「1」に設定されることはないので、触媒劣化度の判定は行われない。
以上、説明したように、第1実施形態に係る触媒劣化度判定装置は、上流側触媒53の劣化度を表す頻度因子k0を、触媒反応モデル((4)式)、実際に取得した上流側触媒53に流入する特定ガスの濃度([NO]in)、実際に取得した上流側触媒53から流出する特定ガスの濃度([NO]out)、実際に取得した流入反応ガスの濃度([CO]in)及び実際に取得した上流側触媒53の温度(触媒床温)Tempccroに基づいて求める。従って、上流側触媒53の劣化度を精度良くリアルタイムに判定することができる。
また、触媒劣化度判定装置は、触媒劣化度判定時(頻度因子k0の算出時)において、上流側触媒53に流入するガスの空燃比が、前記特定ガスであるNOが上流側触媒53において浄化されるのに適した一定の空燃比(特定ガスが触媒により高効率で浄化される理論空燃比以外の空燃比であり、この場合理論空燃比よりもリッチ)となるように、機関の空燃比(即ち、上流側触媒53に流入するガスの空燃比)を強制的に制御する空燃比制御手段(ステップ235、ステップ225及びステップ230)を備えている。
従って、(4)式の触媒反応モデルと実際の上流側触媒53における反応とを精度良く一致させることができるから、触媒の劣化度をより精度良く判定することができる。更に、上流側触媒53に流入する流入反応ガスの濃度[CO]inが略一定となるから、上流側触媒53における浄化反応の状態が安定するので、触媒反応モデルと実際の上流側触媒53における反応とがより精度良く一致する。
また、空燃比制御手段により上流側触媒53に流入するガスの空燃比が一定の空燃比に制御されているときの内燃機関10の運転状態(Q,NE,THWなど)に基づいて流入反応ガス濃度である[CO]inが取得される(ステップ415)。
従って、流入反応ガス濃度[CO]inを取得するために流入反応ガス濃度センサを配設しなくても、内燃機関の運転状態に基づいて流入反応ガス濃度[CO]inを精度良く取得することができる。
(第2実施形態)
次に、本発明の第2実施形態に係る触媒劣化度判定装置について説明する。図5は、この触媒劣化度判定装置を含む燃料噴射量制御装置を適用した火花点火式多気筒内燃機関10を搭載した車両の動力伝達系についての概略構成を示している。
この車両は、内燃機関10及び電動モータMの2種類の動力源を備えている。電動モータMは内燃機関10の補助動力源として機能する。この車両は、走行状態に応じて2つの動力源がそれぞれ発生する駆動力のどちらか一方、又は同2つの駆動力を最適に組み合わせた駆動力にて前輪を駆動して走行する前輪駆動型の所謂ハイブリッド車両である。
より具体的に述べると、この車両は、内燃機関10と、電動モータMと、車両の状態に応じて動力の伝達経路(及び方向)を切替可能な動力切替機構Pと、動力切替機構Pから入力される動力を前輪側の動力伝達系に伝達するトランスミッションTMとを備えている。
電動モータMは、交流同期電動機である。電動モータMは、インバータIから供給される交流電力により駆動制御されるようになっている。インバータIは、バッテリBから供給される直流電力を交流電力に変換するようになっている。
動力切替機構Pは、電動モータMの動力のみをトランスミッションTMに伝達するモータ走行モード、内燃機関10の動力のみをトランスミッションTMに伝達するエンジン走行モード、及び内燃機関10の動力と電動モータMの動力を共にトランスミッションTMに伝達するモータアシスト走行モードの3つの走行モードの何れか一つのモードを達成するようになっている。
モータアシスト走行モードにおいては、内燃機関10には一定の負荷が与えられる。即ち、モータアシスト走行モードにおいては、車両の加速及び/又は減速は電動モータMが発生する駆動力により行われ、その間、内燃機関10は一定の吸入空気流量Qを吸入する定常運転状態で運転されるようになっている。この結果、モータアシスト走行モードにおいては、上流側触媒53に一定のガス流量の排ガスが流入する。
また、この車両は、電気制御装置80に代わる電気制御装置90を搭載している。電気制御装置90は、電気制御装置80と同一の構成を備えるとともに、電動モータM、動力切替機構P、インバータI及びバッテリBと電気的に接続されている。電気制御装置90は、電気制御装置80が備える機能に加え、例えばバッテリBの電圧VBを入力し、電動モータM、動力切替機構P及びインバータIに対して駆動信号を出力するなどの機能をも行うようになっている。
(作動)
次に、この触媒劣化度判定装置の作動について説明する。電気制御装置90のCPU81は、図4に示したルーチンを実行するとともに、図2に代わる図6及び図3に代わる図7に示したルーチンを所定時間の経過毎にそれぞれ実行するようになっている。なお、既に説明したステップと同一のステップには同一の符号を付し、詳細な説明を省略する。
先ず、イグニッション・キーをオフからオンへと変更して車両の運転を開始すると、前述したイニシャルルーチンにより触媒劣化度判定実行フラグFhanの値及び触媒劣化度判定完了フラグFdoneの値が共に「0」に設定される。
このため、CPU81が図6に示したルーチンの処理をステップ600から開始すると、CPU81はステップ215にて「Yes」と判定してステップ605に進み、動力切替機構Pのモードをエンジン走行モードに設定する。
次に、CPU81は、ステップ610にてスロットルバルブ開度を、アクセルペダル操作量Accpと目標スロットルバルブ開度との関係を規定したマップMapTAと実際のアクセルペダル操作量Accpとにより決定される目標値に制御する。次いで、CPU81はステップ220に進み、目標空燃比Abyfrefを理論空燃比に相当する値stoichに設定する。その後、CPU81は、ステップ205〜ステップ230の処理を行い、ステップ695に進んで本ルーチンを一旦終了する。この結果、機関の空燃比が理論空燃比となるように燃料噴射量fiが決定され、その燃料噴射量fiの燃料が噴射される。
このような運転状態において、CPU81が図7に示したルーチンの処理をステップ700から開始すると、触媒劣化度判定完了フラグFdoneの値が「0」であるから、CPU81はステップ305にて「Yes」と判定してステップ705に進み、バッテリ電圧VBが所定の閾値VBthより大きいか否かを判定する。このステップは、後述するように、触媒劣化判定制御を実行するとき、モータアシスト走行モードとなってバッテリBに対する負荷が大きくなるので、バッテリBに十分な余力があるか否かを判定することにより触媒劣化判定制御に入っても良いか否かを確認するために設けられている。
いま、バッテリ電圧VBが所定の閾値VBthより大きいとして説明を続けると、CPU81はステップ705にて「Yes」と判定して前述したステップ310〜ステップ320の処理を実行し、ステップ795に進んで本ルーチンを一旦終了する。これにより、触媒床温Tempccroが所定の閾値温度Tempthより大きく、且つ、吸入空気流量変化量ΔQが閾値ΔQthより小さければ、触媒劣化度判定実行フラグFhanの値が「1」に設定される。
この状態にて、CPU81が図6に示したルーチンを実行すると、CPU81はステップ215にて「No」と判定してステップ615に進み、動力切替機構Pのモードをモータアシスト走行モードに設定する。次いで、CPU81はステップ620にてスロットルバルブ開度を一定値に維持する制御を行う。この結果、内燃機関10には一定の負荷が与えられ、内燃機関10に吸入される吸入空気流量が一定となる。従って、内燃機関10は一定の駆動トルクを発生する状態となり、上述したエンジン走行モードにおいて内燃機関10が行っていた車両の加速及び/又は減速(即ち、車両駆動力の変更)は、電動モータMによって行われる。
次いで、CPU81はステップ235にて目標空燃比Abyfrefを理論空燃比よりもリッチな空燃比に相当する値Richに設定し、ステップ205〜ステップ230を実行した後、ステップ695に進んで本ルーチンを一旦終了する。この結果、上流側触媒53には、一定の流量で一定のリッチ空燃比の排ガスが流入することになる。
一方、CPU81は、前述した図4のルーチンを所定時間の経過毎に実行しているから、触媒劣化度判定実行フラグFhanの値が「1」に設定されると、前述した頻度因子k0に基づく触媒劣化度の判定を行う。このとき、上流側触媒53には、一定の流量で一定のリッチ空燃比の排ガスが流入しているから、より精度良く頻度因子k0を算出することができ、その結果、より精度良く触媒の劣化度を判定することができる。
なお、図7のステップ705を実行する際、バッテリ電圧VBが閾値VBth以下であれば、CPU81はステップ705にて「No」と判定して直ちにステップ795に進む。従って、バッテリ電圧VBが低下しているとき、触媒劣化判定制御が実行されてモータアシスト走行モードに入ることはない。
このように、本発明の第2実施形態に係る触媒劣化度判定装置によれば、触媒劣化度の判定時において、内燃機関10とは別の補助動力源である電動モータMに少なくとも車両の加速に必要な動力を発生させ、内燃機関10を定常運転状態に維持しながら(上流側触媒53に流入する排ガス流量を一定に維持しながら)頻度因子k0を算出する。上流側触媒53に流入する排ガス量が一定となれば、流入反応ガス濃度(この場合[CO]in)も安定するので、ステップ415にて流入反応ガス濃度をより精度良く取得することができる。その結果、頻度因子k0がより精度良く算出されるので、触媒劣化度を一層精度良く判定することができる。
以上、本発明による触媒劣化度判定装置の各実施形態について説明してきたが、本発明は上記各実施形態に限定されることはなく、本発明の範囲内において種々の変形例を採用することができる。例えば、上述したように、頻度因子k0を求めるために着目するガスはNOに限らず、COやHCであってもよい。このとき、着目するガスがCOであれば、上流側特定ガス濃度センサ67及び下流側特定ガス濃度センサ68は、それぞれCO濃度センサとし、、着目するガスがHCであれば、上流側特定ガス濃度センサ67及び下流側特定ガス濃度センサ68は、それぞれHC濃度センサとすればよい。
本発明の第1実施形態に係る触媒劣化度判定装置を含む燃料噴射量制御装置を内燃機関に適用したシステムの概略構成図である。 図1に示したCPUが実行する燃料噴射制御ルーチンを示したフローチャートである。 図1に示したCPUが実行する触媒劣化度判定制御ルーチンを示したフローチャートである。 図1に示したCPUが実行する触媒劣化度判定ルーチンを示したフローチャートである。 本発明の第2実施形態に係る触媒劣化度判定装置を含む燃料噴射量制御装置を適用した内燃機関を搭載した車両の動力伝達系についての概略構成図である。 本発明の第2実施形態に係る触媒劣化度判定装置(燃料噴射量制御装置)のCPUが実行する燃料噴射制御ルーチンを示したフローチャートである。 本発明の第2実施形態に係る触媒劣化度判定装置(燃料噴射量制御装置)のCPUが実行する燃料噴射制御ルーチンを示したフローチャートである。
符号の説明
10…内燃機関、25…燃焼室、53…上流側触媒、54…下流側触媒、66…水温センサ、67…上流側特定ガス濃度センサ、68…下流側特定ガス濃度センサ、69…触媒温度センサ、80…電気制御装置。

Claims (4)

  1. 内燃機関を搭載した車両に適用され同内燃機関の排気通路に配設された触媒の劣化度を判定する触媒劣化度判定装置であって、
    前記触媒に流入するガスに含まれる特定ガスの濃度を取得する流入特定ガス濃度取得手段と、
    前記触媒から流出する前記特定ガスの濃度を取得する流出特定ガス濃度取得手段と、
    前記触媒に流入するガスに含まれる前記特定ガスと反応するガスである流入反応ガスの濃度を取得する流入反応ガス濃度取得手段と、
    前記触媒の温度を取得する触媒温度取得手段と、
    前記触媒における前記特定ガスの浄化反応を表した触媒反応モデル、前記取得した触媒に流入する特定ガスの濃度、前記取得した触媒から流出する特定ガスの濃度、前記取得した流入反応ガスの濃度及び前記取得した触媒の温度に基づいて同触媒における同浄化反応の頻度因子を算出する頻度因子算出手段と、
    前記算出された頻度因子に基づいて前記触媒の劣化度を判定する手段と、
    を備えた触媒劣化度判定装置。
  2. 請求項1に記載の触媒劣化度判定装置であって、
    前記触媒に流入するガスの空燃比が、前記特定ガスが前記触媒において浄化されるのに適した空燃比となるように、同触媒に流入するガスの空燃比を制御する空燃比制御手段を備えた触媒劣化度判定装置。
  3. 請求項2に記載の触媒劣化度判定装置において、
    前記空燃比制御手段は、前記触媒に流入するガスの空燃比を理論空燃比よりもリッチ又はリーンな一定の空燃比に制御するように構成され、
    前記流入反応ガス濃度取得手段は、前記空燃比制御手段により前記触媒に流入するガスの空燃比が制御されているときの前記内燃機関の運転状態に基づいて前記流入反応ガス濃度を取得するように構成された触媒劣化度判定装置。
  4. 請求項1乃至請求項3の何れか一項に記載の触媒劣化度判定装置であって、
    前記車両は前記内燃機関とは別の補助動力源を備え、
    前記頻度因子算出手段により前記頻度因子を算出するとき、前記内燃機関を定常運転状態に維持するとともに、前記車両の加速に必要な動力を前記補助動力源により発生させるように構成した触媒劣化度判定装置。
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